説明

画像読取システムおよび画像読取装置

【課題】画像の読み取りを効率良く行う画像読取装置および画像読取システムを提供すること。
【解決手段】MFP100は,読み取り対象の原稿を読み取る(S102)。原稿の一部(例えば,見開き原稿の一方のページ)に異常があれば,その一部の領域(第1領域)について読み取りを再実行する(S123)。そして,読み取った画像データに異常がなければ,その画像データを第1領域の画像データ(第1画像データ)とする。その後,第1画像データを第1領域以外の領域(第2領域)の画像データ(第2画像データ)とともに,1つのファイルに記憶する(S107)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,静止原稿を読み取る画像読取システムおよび画像読取装置に関する。さらに詳細には,読み取った原稿の画像データを記憶するファイルを生成する画像読取装置および画像読取システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年,タッチパネルを備えた携帯情報端末装置の普及が進んでいる。携帯情報端末装置は電子書籍の閲覧が可能なものもあることから,製本済みの書籍を電子化するニーズがある。そこで,本などの綴じられた原稿を見開きの状態で読み取る画像読取装置が実用化されている。画像読取装置は,見開き2ページ分の原稿を1度に読み取り,読み取った原稿の画像データを電子ファイルに記憶する。
【0003】
見開き状態の原稿(見開き原稿)を読み取る画像読取装置としては,例えば特許文献1に開示されている画像読取装置がある。特許文献1の画像読取装置では,見開き原稿を読み取り,右側のページの画像と,左側のページの画像とで別々に画像補正を行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−269095号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら,従来の画像読取装置には,次のような問題があった。すなわち,原稿の読み取り動作途中,ユーザが原稿を押さえる力を変化させたり,原稿をずらしたりすることによってブレが生じることがある。この場合,読み取った画像は不良画像であり,その原稿の読み取りを始めからやり直す必要がある。しかし,不良画像の中には一部分のみが不良となるケースもあり,他の部分では良好な画像が得られていることもある。そのため,この良好な画像を利用しないことは非効率である。
【0006】
本発明は,前記した従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものである。すなわちその課題とするところは,画像の読み取りを効率良く行う画像読取装置および画像読取システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題の解決を目的としてなされた画像読取システムでは,静止した状態の原稿を読み取る読取部と,前記原稿の一部の領域である第1領域を前記読取部によって複数回読み取り,複数回読み取った前記第1領域の画像データのうちの1つを選択する選択部と,前記選択部にて選択された前記第1領域の画像データである第1画像データと,前記第1領域とは異なる第2領域を前記読取部で読み取った画像データである第2画像データとを記憶するファイルを生成する生成部とを備えることを特徴としている。
【0008】
本発明の画像読取システムは,読み取り対象の原稿の一部の領域である第1領域を複数回読み取る。そして,複数回読み取った第1領域の画像データの1つを第1画像データとして選択する。第1領域は,例えば,画像不良が検出された領域であってもよいし,画像不良が生じる可能性が高い領域としてあらかじめ定めた領域であってもよい。そして,その第1画像データと,第1領域とは異なる第2領域の画像データである第2画像データとをファイルに記憶する。
【0009】
すなわち,本発明の画像読取システムでは,読み取り対象の原稿を第1領域と第2領域とに区別し,少なくとも第1領域については複数回読み取る。そして,その中から選択された画像データ(第1画像データ)を第2領域の画像データ(第2画像データ)とともにファイルに記憶する。つまり,1つの原稿について,少なくとも一部分を,複数回読み取った画像データの中から選択して,1つのファイルに記憶する。これにより,良好な画像が得られている画像データの利用を図ることが期待できる。
【0010】
また,本発明の画像読取システムは,前記原稿の領域のうちどの部分を前記第1領域とするのかを決定する決定部を備えるとよい。本構成では,第1領域は固定ではなく,決定部によって第1領域が決定する。そのため,原稿の領域のうち適切な部分で複数回の読み取りを行うことができる。
【0011】
また,上記の画像読取システムは,前記原稿の領域のうちどの部分を前記第1領域とするのかをユーザ入力によって受け付ける受付部を備え,前記決定部は,前記受付部での入力結果に基づいて前記第1領域を決定するとよい。この構成によると,ユーザの意向を反映でき,より好ましい領域を複数回読み取ることができる。
【0012】
また,上記の画像読取システムは,前記読取部が読み取った前記原稿の画像データを分割し,分割後の各画像データを表示する分割表示部を備え,前記受付部は,前記分割表示部が表示する各画像データのうちの1つを,ユーザ入力によって選択し,選択した画像データに対応する領域を前記第1領域として受け付けるとよい。第1領域の候補を表示することで,どの部分を第1領域とするのかをユーザが選択し易くなる。
【0013】
また,上記の画像読取システムは,前記読取部による前記原稿の読み取り中,読み取り画質が悪化する状態としてあらかじめ定めた状態にあることを検知する検知部を備え,前記決定部は,前記検知部にて前記状態にあることが検知された際に前記読取部が読み取っていた部分を含む領域を,前記第1領域に決定するとよい。第1領域を自動決定することで,ユーザの手間を減らすことができる。
【0014】
上記の画像読取システムとしては,例えば,前記読取部は,原稿を載置する載置台と,前記載置台を覆うカバーと,前記カバーの移動を検知する開閉センサとを備え,前記決定部は,前記開閉センサによって前記カバーの移動が検知された際に前記読取部が読み取っていた部分を含む領域を,前記第1領域に決定する構成がある。また,例えば,前記読取部の振動を検知する振動センサを備え,前記決定部は,前記振動センサによって振動が検知された際に前記読取部が読み取っていた部分を含む領域を,前記第1領域に決定する構成がある。
【0015】
また,本発明の画像読取システムは,前記読取部で読み取った原稿の画像データから,あらかじめ定めた目印画像を検出し,その検出された目印画像の位置を特定する特定部を備え,前記決定部は,前記特定部にて特定した位置に基づいて前記第1領域の範囲を決定するとよい。この構成によれば,第1領域を自動決定することで,ユーザの手間を減らすことができる。目印画像としては,例えば,画像領域を縦断する所定幅以上の黒色領域や,用紙に印刷された仕切り線が該当する。
【0016】
また,本発明の画像読取システムの前記読取部は,前記原稿に対して特定の方向である読取方向に移動するものであり,前記第1領域を複数回読み取る際,前記第1領域の前記読取方向の上流側端部から前記第1領域の下流側端部に向かって移動することで前記第1領域を読み取った後,前記第1領域の前記読取方向の下流側端部から前記第1領域の上流側端部に向かって移動することで前記第1領域を再度読み取るとよい。この構成のように,読取部が読取方向の両方向に読み取ることが可能であれば,読取部が第1領域の読み取りを再実行するにあたって,第1領域の読取方向の上流側端部まで戻る必要がなく,読取部の移動にかかる時間をより短縮することができる。
【0017】
また,本発明の画像読取システムは,複数回読み取った前記第1領域の画像データのうちの1つを,ユーザ入力によって取得する取得部を備え,前記選択部は,前記取得部で取得した前記第1画像データを選択するとよい。この構成のように,ユーザの意向を反映した方が好ましい。
【0018】
また,本発明の画像読取システムは,複数回読み取った前記第1領域の画像を表示する表示部を備えるとよい。この構成のように,読み取り結果を表示する方が,ユーザにとって画像の選択が容易となる。
【0019】
また,本発明の画像読取システムは,前記選択部での選択が行われるまでは,次の原稿の読み取りを禁止する禁止部を備えるとよい。この構成によれば,未確定の状態の画像を保持する必要がなく,メモリへの負担が少ない。
【0020】
また,本発明の画像読取システムの前記読取部は,見開きの状態の原稿である見開き原稿を,その見開き原稿の一方のページから他方のページに向かって移動して読み取り,前記生成部は,前記見開き原稿の画像データを,前記一方のページの画像データと前記他方のページの画像データとに分割した後,先に読み取られた前記一方のページに相当する領域を前記第2領域とし,後に読み取られた前記他方のページに相当する領域を前記第1領域とするとよい。本発明は,見開き原稿の読み取りに好適である。
【0021】
また,本発明は,静止した状態の原稿を読み取る読取部と,前記原稿の一部の領域である第1領域を前記読取部によって複数回読み取り,複数回読み取った前記第1領域の画像データのうちの1つを選択する選択部と,前記選択部にて選択された前記第1領域の画像データである第1画像データと,前記第1領域とは異なる第2領域を前記読取部で読み取った画像データである第2画像データとを記憶するファイルを生成する生成部とを備えることを特徴とする画像読取装置を含んでいる。
【0022】
また,本発明は,見開きの状態の原稿である見開き原稿を読み取る読取部と,前記読取部によって読み取られた前記見開き原稿の画像データを,前記見開き原稿の綴じ部を境界として,一方のページの領域である第1領域と,他方のページの領域である第2領域とに区別する区別部と,前記区別部によって区別された前記第1領域を前記読取部によって複数回読み取り,複数回読み取った前記第1領域の画像データのうちの1つを選択する選択部と,前記選択部にて選択された前記第1領域の画像データである第1画像データと,前記第2領域を前記読取部で読み取った画像データである第2画像データとを記憶するファイルを生成する生成部とを備えることを特徴とする画像読取装置を含んでいる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば,画像の読み取りを効率良く行う画像読取装置および画像読取システムが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施の形態にかかるMFPの外観を示す斜視図である。
【図2】図1に示したMFPのADFを開放した状態を示す斜視図である。
【図3】図1に示したMFPの画像読取部の内部構成(図1のA−A断面)を示す断面図である。
【図4】図1に示したMFPの電気的構成を示すブロック図である。
【図5】MFPのブックスキャン処理(第1の形態)の手順を示すフローチャートである。
【図6】イメージセンサの動作と原稿との位置関係を示す図である。
【図7】第1の形態にかかる画像データの表示例(2面分)を示す図である。
【図8】第1の形態にかかる画像データの表示例(1面分)を示す図である。
【図9】MFPのブックスキャン処理(第2の形態)の手順を示すフローチャートである。
【図10】第2の形態にかかる画像データの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下,本発明にかかる画像読取装置を具体化した実施の形態について,添付図面を参照しつつ詳細に説明する。本形態は,スキャン機能,プリント機能,およびファイル出力機能を備えた複合機(MFP:Multi Function Peripheral )に本発明を適用したものである。
【0026】
[MFPの構成]
本形態のMFP100は,図1に示すように,用紙に画像を印刷する画像形成部1と,原稿の画像を読み取る画像読取部2(読取部の一例)とを備えている。画像形成部1の画像形成方式は,電子写真方式であっても,インクジェット方式であってもよい。また,カラー画像の形成が可能であっても,モノクロ画像専用であってもよい。
【0027】
また,MFP100は,その前面側に,各種のボタン(例えば,スタートキー,ストップキー,テンキーの各ボタン)によって構成されるボタン群41,液晶ディスプレイからなる表示部42を備えた操作パネル40を備えている。このボタン群41や表示部42により,動作状況の表示やユーザによる操作の入力が可能になっている。
【0028】
[画像読取部の構成]
続いて,画像読取部2の構成について,図1,図2および図3を参照しつつ説明する。なお,図1および図2は,画像読取部2の外観を示し,図3は画像読取部2の内部構成を示している。
【0029】
画像読取部2は,画像の読み取りを行う本体部10と,原稿の自動搬送を行う自動原稿供給装置(ADF:Auto Document Feeder)20とを備えている。ADF20は,本体部10の上方に位置するとともに一辺が本体部10と接続し,本体部10に対して回動自在に設けられている。そのため,画像読取部2は,ADF20によって本体部10の上面を開閉することができる(図2参照)。つまり,ADF20は,本体部10の上面を覆うカバーを兼ねる。
【0030】
本体部10は,その上面に,コンタクトガラス11,12を備えている。さらに,本体部10の内部であってコンタクトガラス11,12の下方には,原稿の画像を読み取るイメージセンサ15が設けられている。イメージセンサ15は,主走査方向(図3の奥行き方向)に光学素子が一列に並んで配置されており,原稿からの反射光を電気信号に変換して出力する。イメージセンサ15としては,例えば,CIS(Contact Image Sensor)やCCD(Charge Coupled Device)が適用可能である。
【0031】
イメージセンサ15は,スライド軸13に対してスライド自在に支持されている。このスライド軸13は,副走査方向(図3中の左右方向)に延び,両端部が本体部10の筐体に固定されている。そのため,イメージセンサ15は,図3中の左右方向に移動可能に設けられている。
【0032】
ADF20は,読み取り前の原稿を載置する原稿トレイ21と,読み取り後の原稿を載置する排出トレイ22とを備えている。具体的に,原稿トレイ21は,排出トレイ22の上方に配設されている。また,ADF20の内部には,原稿が搬送される経路として,原稿トレイ21と排出トレイ22とを連結する略U字状の搬送路25が設けられている。また,ADF20は,その下面に開口部23が設けられ,その開口部23から原稿押さえ板24が露出するように配置されている。この原稿押さえ板24は,ADF20を閉じた状態でコンタクトガラス12と対向している。
【0033】
ADF20は,原稿トレイ21に載置された原稿を1枚ずつ取り出し,その原稿を本体部10のコンタクトガラス12(以下,「ADFガラス12」とする)に対向する位置に搬送する。具体的には,原稿を原稿押さえ板24とコンタクトガラス12との間を通過させる。その後,その原稿を排出トレイ22上に排出する。
【0034】
また,イメージセンサ15を利用した原稿の読取方式としては,フラットベッド(原稿固定走査)方式と,ADF(原稿移動走査)方式とがある。フラットベッド方式の場合,原稿をコンタクトガラス11(以下,「FBガラス11」とする)上に載置する。その状態で,イメージセンサ15が副走査方向に移動し,その際に主走査方向に1ラインずつ原稿の画像が読み取られる。一方,ADF方式の場合,複数の原稿を纏めて原稿トレイ21に載置する。そして,イメージセンサ15がADFガラス12に対向する位置に移動し,固定される。その状態で,ADF20によって原稿が原稿押さえ板24の下側であってADFガラス12に対向する位置に搬送され,その際に主走査方向に1ラインずつ原稿の画像が読み取られる。
【0035】
例えば,書籍等の綴じられた原稿を読み取る際には,図2のようにADF20を開放し,原稿を見開きの状態とし,読取面を下向きとしてFBガラス11上にセットする。そして,ADF20を開放したまま,ユーザが原稿を押さえた状態で,イメージセンサ15が副走査方向に移動することで,原稿を読み取る。
【0036】
[MFPの電気的構成]
続いて,MFP100の電気的構成について説明する。MFP100は,図4に示すように,CPU31と,ROM32と,RAM33と,NVRAM(Non Volatile RAM)34と,ASIC35と,ネットワークインターフェース36と,USBインターフェース38とを備えた制御部30を有している。
【0037】
ROM32には,MFP100を制御するための各種制御プログラムや画像処理プログラム,各種設定,初期値等が記憶されている。RAM33は,各種制御プログラムが読み出される作業領域として,あるいは画像読取部2で読み取った原稿の画像データやネットワークインターフェース36を介して送られてくる画像データを一時的に記憶する記憶領域として,利用される。NVRAM34は,不揮発性を有する記憶手段であって,各種設定や画像データ等を保存する記憶領域として利用される。
【0038】
ASIC35は,画像形成部1,画像読取部2,操作パネル40,ADF20の回動を検知する開閉センサ45,画像読取部2の振動を検知する振動センサ46等と電気的に接続されている。例えば,ASIC35は,画像読取部2から画像データの信号を取得する。また,画像形成部1へ所望の画像を作成するための信号を出力する。また,ボタン群41に入力される各種ボタンの信号を受け付ける。また,表示部42に表示する内容の信号を出力する。
【0039】
CPU31(選択部,生成部,決定部,受付部,分割表示部,特定部,取得部,禁止部の一例)は,MFP100における画像読取機能,画像形成機能,さらにはファイル作成機能等の各種機能を実現するための演算を実行し,制御の中枢となるものである。CPU31は,ROM32から読み出した制御プログラムに従って,その処理結果をRAM33またはNVRAM34に記憶させながら,ASIC35を介してMFP100の各構成要素を制御する。また,CPU31は,例えば,ROM32から読み出したプログラムに従って,画像読取部2にて読み取った原稿の画像データに加工処理を施す。
【0040】
ネットワークインターフェース36は,ネットワークに接続され,このネットワークインターフェース36を介して他の情報処理装置(不図示)とのデータ通信が可能になっている。また,USBインターフェース38は,USB接続が可能な周辺機器(不図示)に接続され,このUSBインターフェース38を介して外部の周辺機器等とデータ通信が可能になっている。
【0041】
[ブックスキャンモード]
続いて,MFP100のブックスキャンモードについて説明する。ブックスキャンモードは,本などの綴じられた原稿を,見開きの状態で読み取り,さらに読み取った原稿の画像データを記憶する電子ファイルを作成するモードである。
【0042】
ブックスキャンモードでは,フラットベッド方式によって見開き状態の原稿(見開き原稿)を読み取る。具体的に,MFP100は,ユーザによってブックスキャンモードが選択され,FBガラス11上に見開き原稿がセットされ,ボタン群41中のスタートキーが押下されると,画像読取部2によって見開き原稿を読み取る。
【0043】
見開き原稿の読み取り後,読み取りを継続するか否かをユーザに問い合わせる。読み取りの継続が選択された場合には,ユーザが次のページの見開き原稿をFBガラス11上にセットし,読み取り開始指示を入力するのを待つ。そして,読み取り開始指示が入力されると,新たにセットされた見開き原稿を読み取る。一方,読み取りの終了が選択された場合には,終了が選択されるまでに読み取った1または複数の画像データを,複数の画像データを記憶できるファイル(例えばPDFファイル)形式にてファイルの作成を行う。
【0044】
また,MFP100は,見開き原稿の画像データを記憶する際,見開き原稿の画像データを,左側のページと右側のページとに2分割する。そして,2ページ分の画像データをファイルに記憶する。
【0045】
[ブックスキャン処理]
[第1の形態]
以下,上述のブックスキャンモードでの動作を実現するブックスキャン処理(選択部,生成部,決定部,受付部,分割表示部,特定部,取得部,禁止部の一例)の手順について,図5のフローチャートを参照しつつ説明する。このブックスキャン処理は,ブックスキャンモードが選択された状態で,ボタン群41中のスタートキーが押下されたことを契機に実行される。
【0046】
第1の形態のブックスキャン処理では,先ず,各種の初期設定の取得等の初期処理を行う(S101)。初期設定としては,例えば,読み取り後の画像データについて原稿の綴じ部や枠外の影を消去するか否かの設定や,読み取り対象の見開き原稿が右開きか左開きかの設定がある。初期設定は,ブックスキャン処理を開始する前にユーザによって設定され,NVRAM34等に記憶されたものでもよいし,S101が実行されるタイミングでユーザによって設定されたものでもよい。また,初期処理では,何も登録されていない初期状態のファイルを生成する。
【0047】
また,S101では,イメージセンサ15の原点位置への移動を行う。イメージセンサ15は,図3に示したようにスライド軸13に沿って副走査方向に移動可能である。そこで,図6に示すように,原稿9をFBガラス11上の所定の位置にセットした状態で,原稿9の副走査方向(読取方向の一例)の上流端91よりも,副走査方向の上流側にイメージセンサ15の原点位置90がある。
【0048】
次に,イメージセンサ15が原点位置90から副走査方向の下流側に移動を開始し,FBガラス11上にセットされた原稿を読み取る(S102)。読み取った原稿の画像データは,RAM33に一時的に記憶される。
【0049】
原稿の読み取りが開始された後,その読み取り動作中に異常が発生したか否かを判断する(S103)。例えば,読み取り動作中にADF20を回動させると,本体部10が振動し,画像が乱れるおそれがある。そこで,開閉センサ45がADF20の回動(具体的には,ADF20の単位時間あたりの回動量が規定値以上)を検知した場合には,異常が発生したと判断する。また,例えば,画像読取部2の本体部10の振動を振動センサ46が検知した場合に,異常が発生したと判断する構成としてもよい。
【0050】
異常が発生したと判断した場合には(S103:YES),読み取り動作を停止し,S121に移行する。S121については後述する。なお,イメージセンサ15は,異常が発生したと判断した後であっても副走査方向の下流側への移動を継続し,原稿9の副走査方向の下流端93よりも下流側の待機位置94(図6参照)まで移動する。
【0051】
異常が発生することなく読み取りを完了した場合には(S103:NO),読み取った画像データを解析し,左側のページと右側のページとに分割する(S104)。見開き原稿をFBガラス11上にセットする位置は,原稿サイズによってあらかじめ決められている。そのため,MFP100は,原稿サイズに応じて,画像データの副走査方向の中央位置を把握できる。S104では,その中央位置を基準に,読み取った画像データを分割する。あるいは,原稿の画像データを左右2等分に分割してもよい。
【0052】
なお,読み取った画像データから左右のページの境界を自動認識し,その境界から画像データを分割してもよい。例えば,見開き原稿を読み取った場合,その見開き原稿の画像データには,その見開き原稿の画像データの中央を縦断する黒色領域(「綴じ部」に相当)が存在する。そこで,MFP100がこの黒色領域を目印画像としてあらかじめROM32等に記憶し,原稿の画像データからこの目印画像を検出する。検出された場合にはその目印画像の位置を特定し,その目印画像を境界として左側のページの画像データと右側のページの画像データとに分割することができる。
【0053】
次に,左側のページの画像データと右側のページの画像データとを,表示部42に表示する(S105)。さらに,その表示画面では,図7に示すように画像に異常があるか否かをユーザに問い合わせる。具体的に,S105では,「左ページ異常」,「右ページ異常」,「両ページ異常」,「異常なし」,の4つの選択肢が有り,そのうちの1つの選択を受け付ける。
【0054】
そして,読み取った画像データに異常があることが入力されたか否かを判断する(S106)。すなわち,「異常なし」以外の選択肢が選択されたか否かを判断する。読み取った画像に異常があった場合(S106:YES),S121に移行する。
【0055】
S121では,片方のページのみが成功であるか否かを判断する(S121)。例えば,S103から移行してきた場合には,異常が発生した位置が原稿の副走査方向の中央位置よりも下流側であれば,上流側に位置するページ(先に読み取られるページ)の読み取りは正常に完了し,下流側に位置するページ(後に読み取られるページ)の読み取りで異常が発生したと判断できる。すなわち,片方のページのみが成功であると判断できる。一方,異常が発生した位置がその中央位置よりも副走査方向の上流側であれば,上流側に位置するページの読み取りで異常が発生し,下流側に位置するページの読み取りは行われていないと判断できる。すなわち,両方のページとも失敗であると判断できる。また,S106から移行してきた場合には,選択された内容によって判断できる。すなわち,「左ページ異常」あるいは「右ページ異常」が選択されていれば,片方のページのみが成功であると判断できる。一方,「両ページ異常」が選択されていれば,両方のページとも失敗であると判断できる。
【0056】
両方のページが失敗している場合には(S121:NO),原稿の領域中,読み取りが完了している領域がないことから,S102に戻る。すなわち,イメージセンサ15を原点位置90に戻し,再度,始めから読み取りを行う。
【0057】
片方のページが成功している場合には(S121:YES),イメージセンサ15を,原点位置90には戻さず,読み取りが失敗したページに相当する領域の,副走査方向の下流端よりも下流側の位置に移動させる(S122)。例えば,図6に示したように,副走査方向の上流側に位置するページ9L(先に読み取られるページ)の読み取りで異常が発生した場合には,イメージセンサ15をそのページ9Lの副走査方向の下流端92よりも下流側の位置96まで戻す。一方,副走査方向の下流側に位置するページ9R(後に読み取られるページ)の読み取りで異常が発生した場合には,イメージセンサ15は原稿9の読み取り後そのページ9Rの副走査方向の下流端93よりも下流側の待機位置94で待機していることから,そのままの位置で待機する。
【0058】
その後,イメージセンサ15を副走査方向の下流側から上流側に移動させ,読み取りが失敗したページの読み取りを再実行する(S123)。すなわち,イメージセンサ15を逆向きに移動させながら失敗したページの画像を読み取る。
【0059】
S123による読み取りの再実行後は,読み取ったページの画像データを,表示部42に表示する(S124)。さらに,その表示画面では,図8に示すように画像に異常があるか否かをユーザに問い合わせる。
【0060】
そして,読み取った画像データに異常があることが入力されたか否かを判断する(S125)。読み取った画像に異常があった場合には(S125:YES),S122に移行し,再度,そのページの読み取りを実行する。読み取りに成功した場合には(S125:NO),S107に移行する。
【0061】
両ページの読み取りが成功した場合には(S106:NOもしくはS125:NO),各ページの画像データをS101で作成したファイルに登録する(S107)。登録順は,左開きか右開きかの設定に従う。登録後は,登録済みの画像データをメモリから消去する。
【0062】
S107によるファイル登録後,次の原稿があるか否かを判断する(S108)。次の原稿の有無は,ユーザに問い合わせて判断する。なお,所定時間内にスタートキーが押下され次の原稿の読み取りが指令された場合に,次のページが有ると判断してもよい。
【0063】
次の原稿が有る場合(S108:YES),すなわち見開き原稿の読み取りを継続する場合には,イメージセンサ15を原点位置15に戻し,S102に移行して次の原稿を読み取る。一方,次の原稿が無い場合には(S108:NO),ブックスキャン処理を終了する。
【0064】
上述したように第1の形態のブックスキャン処理では,見開き原稿の一方のページで画像不良となった際,その画像不良となったページの読み取りを再実行する。すなわち,一方のページを複数回読み取る。そして,再度読み取った画像データに異常が見つからなければ,その画像データを選択する。一方で,異常が見つからなかった他方のページについては,読み取りを再実行しない。そのため,原稿の全ての領域について複数回読み取る構成と比較して,読み取りの効率がよい。特に,複数回の読み取りにかかる時間が短い,読み取った画像データを記憶するメモリへの負荷が小さい等の効果がある。
【0065】
なお,第1の形態では,異常が発生することなく読み取りを完了した後に画像表示を行い(S105),画像データの内容のユーザ確認を行っている(S106)が,S105およびS106を行わず,S107に移行して分割後の画像データをファイルに登録してもよい。
【0066】
また,第1の形態では,イメージセンサ15が逆向きに移動しながら原稿を読み取ることができるが,逆向きに移動しながらの読み取りができない場合には,S122では読み取りが失敗したページに相当する領域の,副走査方向の上流端よりも上流側に移動させる。つまり,後に読み取られたページ9Rの読み取りを行う場合には,イメージセンサ15をそのページ9Rの上流端92よりも上流側の位置95(図6参照)まで戻す。一方,先に読み取られたページ9Lの読み取りを行う場合には,イメージセンサ15を原点位置90まで戻す。そして,イメージセンサ15を副走査方向の上流側から下流側に移動させながら失敗したページの画像を読み取る。
【0067】
[第2の形態]
続いて,ブックスキャン処理の他の実施例について,図9のフローチャートを参照しつつ説明する。第2の形態のブックスキャン処理では,あらかじめ読み取る回数を設定しておき,複数回読み取る。この点,読み取りの異常を判断し,異常と判断されたページについて複数回読み取る第1の形態とは異なる。
【0068】
第2の形態のブックスキャン処理でも,先ず,初期処理を行う(S201)。この初期処理では,原稿の読み取り回数の設定や読み取り対象の見開き原稿が右開きか左開きかの設定を取得する。また,初期処理では,何も登録されていない初期状態のファイルを生成する。また,S101では,イメージセンサ15の原点位置90への移動を行う。なお,原稿の読み取り回数の設定については,ページ個別に読み取り回数を設定してもよい。例えば,画像不良が生じる可能性が高いページについてのみ複数回の読み取りを設定してもよい。
【0069】
次に,画像読取部2にて,FBガラス11上にセットされた見開き原稿について,S201で取得した回数分の読み取りを行う(S202)。その後,読み取った各画像データについて左側のページと右側のページとに分割する(S203)。
【0070】
S203での読み取り完了後,図10に示すように,読み取った画像データを,表示部42に一覧表示する(S204)。さらに,その表示画面では,各ページについて最良の画像をユーザに問い合わせる。また,適切な画像がないことも考慮し,原稿の読み直しを意味する選択肢(図10では‘0’の入力)も用意する。
【0071】
そして,原稿の読み直しを意味する選択肢が入力されたか否かを判断する(S205)。原稿の読み直しを意味する選択肢が入力された場合には(S205:YES),S202で読み取った画像データを全てメモリから消去し,S202に戻って原稿の読み取りをやり直す。
【0072】
一方,原稿の読み直しを意味する選択肢が入力されなかった場合,すなわち両ページとも画像が選択された場合には(S205:NO),選択された各ページの画像データを,S201で作成したファイルに登録する(S206)。登録後は,登録済みの画像データおよび選択されなかった画像データをメモリから消去する。
【0073】
S206によるファイル登録後,次の原稿があるか否かを判断する(S207)。次の原稿が有る場合(S207:YES),すなわち見開き原稿の読み取りを継続する場合には,イメージセンサ15を原点位置15に戻し,S202に移行して次の原稿を読み取る。なお,S101に戻し,再度読み取り回数の設定をやり直してもよい。一方,次の原稿が無い場合には(S207:NO),ブックスキャン処理を終了する。
【0074】
従来の技術のように,見開き原稿のどちらか一方のページに画像不良がある場合に,その原稿の読み取りを始めからやり直すと,他方のページの読み取りに異常がなかったとしても他方のページの画像データは利用されない。つまり,見開き原稿の良好な画像データを得るには,読み取った後の両ページの画像データともに画像不良がない状態(原稿の全体領域で画像不良がない状態)でなければならない。そのため,見開き原稿の画像データを得るまでに,読み取り回数が多くなることがある。
【0075】
第2の形態のブックスキャン処理では,見開き原稿の少なくとも一方のページを複数回読み取る。そして,ページごとに,読み取った画像データの中から最適な画像データを選択し,ファイルに登録する。つまり,見開き原稿の画像データのうち,画像不良部分を含まない部分を利用できる。そのため,原稿の全ての領域を読み取った画像データから最良の画像データを選択する構成と比較して,読み取りの効率がよい。
【0076】
なお,本実施の形態は単なる例示にすぎず,本発明を何ら限定するものではない。したがって本発明は当然に,その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良,変形が可能である。例えば,MFPに限らず,複写機,スキャナ,FAX等,画像読み取り機能を備えるものであれば適用可能である。
【0077】
また,実施の形態では,MFP100自身(画像読取装置自身)が,画像データを選択し,ファイルを作成しているが,MFP100以外の装置が行ってもよい。例えば,スキャナとPCとを有するシステムの場合,スキャナが見開き原稿の読み取りを行い,PCにて画像データの選択,ファイルの作成および画像データの登録を行うように構成してもよい。
【0078】
また,実施の形態では,次の原稿の有無を確認する前に,前の原稿の画像データをファイルに登録し,前の原稿の画像データをメモリから消去しているが,画像データのファイルへの登録は,すべての原稿の読み取りが完了した後,すなわち次の原稿がないと判断された後であってもよい。この場合,すべての原稿の読み取りが完了するまで各原稿の登録対象の画像データをメモリに保持し,次の原稿がないと判断された後,全原稿の画像データをファイルに登録した後,登録済みの画像データから順にメモリから消去する。
【0079】
また,実施の形態では,見開き原稿の画像データについて,左側のページの画像データと右側のページの画像データとで2つの画像データをファイルに登録しているが,左側のページの画像データと右側のページの画像データとを分割前の配置に戻して1つの画像データ(つまり,見開き原稿の各ページの配置を維持した画像データ)として登録してもよい。
【0080】
また,実施の形態では,見開き状態の原稿である見開き原稿を読み取り対象とし,少なくとも一方のページを複数回読み取り,その中の1つの画像データがファイルに登録される構成であるが,読み取り対象は見開き原稿に限るものではない。例えば,見開き原稿以外の原稿であっても,その原稿の領域のうち特定の領域を指定できる構成であれば,その指定された領域について複数回読み取ってもよい。また,特定の画像をあらかじめMFP100に登録することができる構成であれば,原稿全体を読み取った後,その画像データを解析し,MFP100に登録されている特定の画像があれば,その特定の画像を含む領域を複数回読み取ってもよい。
【符号の説明】
【0081】
1 画像形成部
2 画像読取部
11 FBガラス
20 ADF
30 制御装置
100 MFP

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静止した状態の原稿を読み取る読取部と,
前記原稿の一部の領域である第1領域を前記読取部によって複数回読み取り,複数回読み取った前記第1領域の画像データのうちの1つを選択する選択部と,
前記選択部にて選択された前記第1領域の画像データである第1画像データと,前記第1領域とは異なる第2領域を前記読取部で読み取った画像データである第2画像データとを記憶するファイルを生成する生成部と,
を備えることを特徴とする画像読取システム。
【請求項2】
請求項1に記載する画像読取システムにおいて,
前記原稿の領域のうちどの部分を前記第1領域とするのかを決定する決定部を備えることを特徴とする画像読取システム。
【請求項3】
請求項2に記載する画像読取システムにおいて,
前記原稿の領域のうちどの部分を前記第1領域とするのかをユーザ入力によって受け付ける受付部を備え,
前記決定部は,前記受付部での入力結果に基づいて前記第1領域を決定することを特徴とする画像読取システム。
【請求項4】
請求項3に記載する画像読取システムにおいて,
前記読取部が読み取った前記原稿の画像データを分割し,分割後の各画像データを表示する分割表示部を備え,
前記受付部は,前記分割表示部が表示する各画像データのうちの1つを,ユーザ入力によって選択し,選択した画像データに対応する領域を前記第1領域として受け付けることを特徴とする画像読取システム。
【請求項5】
請求項2から請求項4のいずれか1つに記載する画像読取システムにおいて,
前記読取部による前記原稿の読み取り中,読み取り画質が悪化する状態としてあらかじめ定めた状態にあることを検知する検知部を備え,
前記決定部は,前記検知部にて前記状態にあることが検知された際に前記読取部が読み取っていた部分を含む領域を,前記第1領域に決定することを特徴とする画像読取システム。
【請求項6】
請求項5に記載する画像読取システムにおいて,
前記読取部は,
原稿を載置する載置台と,
前記載置台を覆うカバーと,
前記カバーの移動を検知する開閉センサと,
を備え,
前記決定部は,前記開閉センサによって前記カバーの移動が検知された際に前記読取部が読み取っていた部分を含む領域を,前記第1領域に決定することを特徴とする画像読取システム。
【請求項7】
請求項5または請求項6に記載する画像読取システムにおいて,
前記読取部の振動を検知する振動センサを備え,
前記決定部は,前記振動センサによって振動が検知された際に前記読取部が読み取っていた部分を含む領域を,前記第1領域に決定することを特徴とする画像読取システム。
【請求項8】
請求項2から請求項7のいずれか1つに記載する画像読取システムにおいて,
前記読取部で読み取った原稿の画像データから,あらかじめ定めた目印画像を検出し,その検出された目印画像の位置を特定する特定部を備え,
前記決定部は,前記特定部にて特定した位置に基づいて前記第1領域の範囲を決定することを特徴とする画像読取システム。
【請求項9】
請求項1から請求項8のいずれか1つに記載する画像読取システムにおいて,
前記読取部は,前記原稿に対して特定の方向である読取方向に移動するものであり,
前記読取部は,前記第1領域を複数回読み取る際,前記第1領域の前記読取方向の上流側端部から前記第1領域の下流側端部に向かって移動することで前記第1領域を読み取った後,前記第1領域の前記読取方向の下流側端部から前記第1領域の上流側端部に向かって移動することで前記第1領域を再度読み取ることを特徴とする画像読取システム。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれか1つに記載する画像読取システムにおいて,
複数回読み取った前記第1領域の画像データのうちの1つを,ユーザ入力によって取得する取得部を備え,
前記選択部は,前記取得部で取得した前記第1画像データを選択することを特徴とする画像読取システム。
【請求項11】
請求項1から請求項10のいずれか1つに記載する画像読取システムにおいて,
複数回読み取った前記第1領域の画像を表示する表示部を備えることを特徴とする画像読取システム。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1つに記載する画像読取システムにおいて,
前記選択部での選択が行われるまでは,次の原稿の読み取りを禁止する禁止部を備えることを特徴とする画像読取システム。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか1つに記載する画像読取システムにおいて,
前記読取部は,見開きの状態の原稿である見開き原稿を,その見開き原稿の一方のページから他方のページに向かって移動して読み取り,
前記生成部は,前記見開き原稿の画像データを,前記一方のページの画像データと前記他方のページの画像データとに分割した後,先に読み取られた前記一方のページに相当する領域を前記第2領域とし,後に読み取られた前記他方のページに相当する領域を前記第1領域とすることを特徴とする画像読取システム。
【請求項14】
静止した状態の原稿を読み取る読取部と,
前記原稿の一部の領域である第1領域を前記読取部によって複数回読み取り,複数回読み取った前記第1領域の画像データのうちの1つを選択する選択部と,
前記選択部にて選択された前記第1領域の画像データである第1画像データと,前記第1領域とは異なる第2領域を前記読取部で読み取った画像データである第2画像データとを記憶するファイルを生成する生成部と,
を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項15】
見開きの状態の原稿である見開き原稿を読み取る読取部と,
前記読取部によって読み取られた前記見開き原稿の画像データを,前記見開き原稿の綴じ部を境界として,一方のページの領域である第1領域と,他方のページの領域である第2領域とに区別する区別部と,
前記区別部によって区別された前記第1領域を前記読取部によって複数回読み取り,複数回読み取った前記第1領域の画像データのうちの1つを選択する選択部と,
前記選択部にて選択された前記第1領域の画像データである第1画像データと,前記第2領域を前記読取部で読み取った画像データである第2画像データとを記憶するファイルを生成する生成部と,
を備えることを特徴とする画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−160820(P2012−160820A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−17768(P2011−17768)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】