説明

画像読取装置、画像形成装置、画像読取方法

【課題】状況に応じて選択的にカラー画像データの読取速度又は読取画質の向上を図ることのできる画像読取装置、画像形成装置及び画像読取方法を提供すること。
【解決手段】複数のCISにより白基準部材から白基準データを読み取り(S2)、その読み取られた白基準データが予め定められた除外条件を満たす一又は複数のCISを除く他の一又は複数のCISのみを用いて原稿からカラー画像データを読み取る高画質読取モード(S31、S51)と、複数の光源から照射される複数の色の光に対応する複数の画像データを複数のCISで分担して同時に読み取ることにより原稿からカラー画像データを読み取る高速読取モード(S71、S72)とのいずれかを予め定められた条件に応じて選択して原稿からカラー画像データを読み取る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿に複数色の光を個別に照射したときの反射光からカラー画像データを読み取る画像読取装置、画像形成装置、及び画像読取方法に関し、特に、カラー画像データの読取画質又は読取速度の向上を図るための技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、R(赤)、G(緑)、B(青)に対応する3色の光源(LED等)及び一つのラインセンサーを有する光源切替方式の画像読取装置が知られている(例えば特許文献1参照)。この種の画像読取装置では、3色の光源を順次点灯させた際にラインセンサーで受光される受光データをそれぞれR画像データ、G画像データ、B画像データとして読み取ることによりカラー画像データが取得される。
一方、例えば特許文献2には、3色の光源及び3つのラインセンサーを有しており、3色の光源から照射される光を3つのラインセンサーで同時に受光して各色の画像データを読み取る画像読取装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−344696号公報
【特許文献2】特開2008−22254号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前記特許文献1に開示されている光源切替方式の画像読取装置では、1ラインごとにRGB各色の光源を順に点灯させるため、カラー画像データの読取速度が遅いことが問題となる。
また、ラインセンサーによる画像データの読み取り時に、例えばコンタクトガラスにゴミや汚れなどが付着していると、そのゴミや汚れがノイズとなりカラー画像データの読取画質が低下する。この点は、前記特許文献2のように3つのラインセンサーを有する画像読取装置でも同様であり、いずれかのラインセンサーによる読取画像にノイズが生じている場合にはカラー画像データの読取画質が低下することが問題となる。
従って、本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、状況に応じて選択的にカラー画像データの読取速度又は読取画質の向上を図ることのできる画像読取装置、画像形成装置及び画像読取方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために本発明は、以下の(1)〜(5)の構成要素を備えてなることを特徴とする画像読取装置として構成される。
(1)異なる色の光を照射する複数の光源と前記光源各々から原稿に光が照射されたときの反射光から画像データを読み取る撮像素子とを有する複数の撮像手段。
(2)前記撮像手段各々により白基準部材から白基準データを読み取る白基準読取手段。
(3)前記白基準読取手段により読み取られた前記白基準データが予め定められた除外条件を満たす一又は複数の前記撮像手段を除く他の一又は複数の前記撮像手段のみを用いて前記原稿からカラー画像データを読み取る第1の画像読取手段。
(4)前記複数の光源から照射される複数の色の光に対応する複数の画像データを前記複数の撮像手段で分担して同時に読み取ることにより前記原稿からカラー画像データを読み取る第2の画像読取手段。
(5)予め定められた条件に応じて前記第1の画像読取手段及び前記第2の画像読取手段のいずれかを選択して前記原稿からカラー画像データを読み取る動作選択手段。
本発明によれば、予め定められた条件に応じて前記第1の画像読取手段及び前記第2の画像読取手段のいずれかを選択的に用いて原稿からカラー画像データを読み取ることにより、そのカラー画像データの読取画質又は読取速度のいずれかを選択的に向上させることが可能となる。
【0006】
より具体的には、前記第1の画像読取手段及び前記第2の画像読取手段のいずれかを操作入力に応じて選択する操作選択手段を更に備えており、前記動作選択手段は、前記白基準読取手段により読み取られた前記白基準データのうち少なくとも一つの白基準データが前記除外条件を満たす場合に、前記操作選択手段による選択結果に応じて前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段を選択するものであることが考えられる。これにより、ユーザーは、前記撮像手段のいずれかによる読取画質が低下しているときに、カラー画像データの読取画質又は読取速度のいずれを優先させるかを前記操作入力により任意に選択することが可能となる。
また、前記動作選択手段は、前記白基準データの全てが前記除外条件を満たさない場合及び前記白基準データの全てが前記除外条件を満たす場合に前記第2の画像読取手段を選択するものであることが考えられる。これにより、全ての前記撮像手段の読取精度が高い場合には、前記第2の画像読取手段が選択されることにより読取速度を早くすると共に高い読取画質を得ることができる。また、全ての前記撮像手段の読取精度が低い場合には、そもそも高い読取画質を得ることができないため、前記第2の画像読取手段が選択され、読取画質よりも読取速度が優先される。
ところで、前記除外条件は、例えば前記白基準データに白レベルが所定値以下のノイズが含まれていることである。前記ノイズが含まれていれば、ゴミや汚れの付着などに起因して前記撮像手段による読取精度が低下していると判断できるためである。
さらに、前記白基準読取手段により読み取られた前記白基準データのうち少なくとも一つの白基準データが前記除外条件を満たさない場合に、予め定められたメッセージ表示を行う構成が考えられる。これにより、例えば前記撮像手段にゴミ又は汚れが付着している旨を報知する内容のメッセージを表示させることで、ユーザーに対して前記撮像手段などの点検を促すことができる。
【0007】
ところで、本発明は、前記画像読取装置を備えてなる画像形成装置の発明として捉えてもよい。
また、本発明は、画像読取装置で実行される画像読取方法の発明として捉えてもよい。即ち、異なる色の光を照射する複数の光源と前記光源各々から原稿に光が照射されたときの反射光から画像データを読み取る撮像素子とを有する複数の撮像手段と、前記撮像手段各々により白基準部材から白基準データを読み取る白基準読取手段と、を備えてなる画像読取装置で実行される画像読取方法であって、前記白基準読取手段により読み取られた前記白基準データが予め定められた除外条件を満たす一又は複数の前記撮像手段を除く他の一又は複数の前記撮像手段のみを用いて前記原稿からカラー画像データを読み取る第1の画像読取工程と、前記複数の光源から照射される複数の色の光に対応する複数の画像データを前記複数の撮像手段で分担して同時に読み取ることにより前記原稿からカラー画像データを読み取る第2の画像読取工程とのいずれかを予め定められた条件に応じて選択して前記原稿からカラー画像データを読み取ることを特徴とする画像読取方法を本発明として捉えることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、予め定められた条件に応じて前記第1の画像読取手段及び前記第2の画像読取手段のいずれかを選択的に用いて原稿からカラー画像データを読み取ることにより、そのカラー画像データの読取画質又は読取速度のいずれかを選択的に向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施の形態に係るカラースキャナーXの概略構成を示す模式図。
【図2】本発明の実施の形態に係るカラースキャナーXのCIS31の概略構成を示す要部模式図。
【図3】本発明の実施の形態に係るカラースキャナーXで実行されるカラースキャン処理の手順の一例を示すフローチャート。
【図4】高速読取モードを実行する場合の動作例を示す図。
【図5】高画質読取モードを実行する場合の動作例を示す図。
【図6】高画質読取モードを実行する場合の動作例を示す図。
【図7】本発明の実施の形態に係るカラースキャナーXで実行されるカラースキャン処理の手順の他の例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態について説明し、本発明の理解に供する。なお、以下の実施の形態は、本発明を具体化した一例であって、本発明の技術的範囲を限定する性格のものではない。
【0011】
<カラースキャナーX>
まず、図1を参照しつつ、本発明の実施の形態に係るカラースキャナーX(画像読取装置の一例)の概略構成について説明する。
図1に示すように、前記カラースキャナーXは、大別すると装置本体1及び前記装置本体1の上方に配置されたADF(自動原稿送り装置)2を備えている。ところで、本発明は、前記カラースキャナーXを備えた、或いは前記カラースキャナーXと同様の画像読取機能を有する複写機、ファクシミリ装置、プリンター、及び複合機などの画像形成装置にも適用することができる。また、前記ADF2を有さない所謂フラットベッドスキャナーと称される画像読取装置も本発明に係る画像読取装置の一例である。前記フラットベッドスキャナーでは、前記装置本体1の読取機構として後述のCIS31〜33を用いた読取機構が設けられる。
【0012】
<装置本体1>
前記装置本体1は、コンタクトガラス21、光源ユニット23、ミラー43、44、光学レンズ45、CCD(Charge Coupled Device)46、及び制御部40などを備えている。
前記制御部40は、CPU、ROM、RAM、及びEEPROMなどを有している。前記制御部40は、前記ROMに格納された所定の制御プログラムに従った処理を前記CPUで実行することにより前記カラースキャナーXを統括的に制御する。なお、前記制御部40は、集積回路(ASIC)などの電子回路で構成されたものであってもよい。
前記コンタクトガラス21は、前記装置本体1の上面に設けられており、前記カラースキャナーXの画像読取対象となる原稿Pが載置される透明な原稿台である。
前記読取ユニット23は、LED光源41及びミラー42を備えており、不図示のモーターによって図1における左右方向(副走査方向)へ移動可能に構成されている。前記LED光源41は、図1において奥行き方向(以下、「主走査方向」という)に沿って配列された多数の白色LEDを備えており、前記コンタクトガラス21上の読取位置22に1ライン分の白色光を照射する。前記ミラー42は、前記読取位置22にある原稿P又は後述の原稿押さえ15で反射した後の光を前記ミラー43に向けて反射させる。そして、前記ミラー42で反射した光は、前記ミラー43、44によって前記光学レンズ45に導かれる。前記光学レンズ45は、入射した光を集光して前記CCD46に入射させる。前記CCD46は、前記光学レンズ45から入射される光の受光量に応じた画像信号を前記原稿Pの1ライン分の画像データとして前記制御部40に入力する。
このように構成された前記装置本体1によるカラー画像データの読取処理などについては従来と異なるところがないためその説明を省略する。なお、本実施の形態では、撮像素子として前記CCD46を用いた例について説明するが、前記CCD46よりも焦点距離の短い密着型のイメージセンサー(CIS:Contact Image Sensor)を用いてもよい。
【0013】
<ADF2>
一方、前記ADF2は、原稿セット部13、複数の搬送ローラー14、原稿押さえ15、排紙部16、及び3つのCIS31〜33(撮像手段の一例)などを備えている。前記ADF2は、前記搬送ローラー14各々を不図示のモーターで駆動させることにより、前記原稿セット部13にセットされた原稿Pを、前記CIS31〜33の対向箇所及び前記コンタクトガラス21上の前記読取位置22を通過させて前記排紙部16まで搬送させる。
前記原稿押さえ15は、前記コンタクトガラス21上の読取位置22の上方に原稿Pが通過できる間隔を隔てた位置に設けられている。前記原稿押さえ15は、主走査方向に長尺状を成しており、その下面(コンタクトガラス21側の面)には白色のシートが貼り付けられている。なお、前記シートは、前記装置本体1における画像読取処理の白基準となる白基準データを取得する際に用いられる。
【0014】
前記CIS31〜33各々は、前記ADF2で搬送される原稿Pの裏面から画像データを読み取る密着型のイメージセンサーである。従って、前記カラースキャナーXでは、前記装置本体1及び前記CIS31〜33によって、前記ADF2による原稿Pの搬送中にその原稿Pの表面及び裏面の画像データを取得することができる。本実施の形態に係る前記カラースキャナーXは、前記CIS31〜33を用いて行われるカラー画像データの読取処理に特徴を有しており、以下、この点について説明する。
【0015】
ここに、図2は、前記CIS31の概略構成を示す要部模式図である。なお、前記CIS32及び前記CIS33については、前記CIS31と同様に構成されているためその説明を省略する。
図2に示すように、前記CIS31は、コンタクトガラス311、白色光源312、レンズ313、ラインセンサー314(撮像素子の一例)、及びこれらを収容するユニット筐体(不図示)などを備えている。
【0016】
前記白色光源312は、R(赤)の光を照射するLED光源31R、G(緑)の光を照射するLED光源31G、及びB(青)の光を照射するLED光源31Bを有している。前記白色光源312は、複数の前記LED光源31R、31G、31Bを同時に点灯させることにより白色光を照射する。また、複数の前記LED光源31R、31G、31Bは個別にも点灯可能である。なお、前記LED光源31R、31G、31B各々の点灯制御は、例えば前記制御部40又は不図示のLEDドライバー回路によって行われる。
また、前記CIS31には、前記LED光源31R、31G、31Bからの光を、主走査方向全域に対応する幅の光に拡散して原稿Pに照射する導光部材(不図示)が設けられている。なお、前記LED光源31R、31G、31B各々が、主走査方向に配列された多数のLEDを有する構成も考えられる。
【0017】
前記レンズ313は、例えば棒状のレンズを用いたロッドレンズアレイであり、前記原稿Pから反射した光を前記ラインセンサー314に正立像として結像させる。
前記ラインセンサー314は、入射される光を電気信号に変換する多数の光電変換素子が主走査方向に配列されたCMOSイメージセンサーである。そして、前記ラインセンサー314は、前記LED光源31R、31G、31Bから照射された光を受光すると、その受光量に応じた画像データを前記制御部40に出力する。具体的に、前記CIS31では、前記LED光源31R、31G、31B各々から前記原稿PにR、G、Bの各色の光を個別に照射したときの反射光からR画像データ、G画像データ、B画像データを読み取ることによりカラー画像データが取得される。なお、前記ラインセンサー314に代えてCCDなどの他の撮像素子を有する構成であってもよい。
また、前記ADF2には、前記CIS31、32、33各々の対向箇所に白基準ローラー31A、32A、33A(白基準部材の一例)が配置されている。これにより、前記CIS31〜33による原稿Pの画像読み取り時には、原稿Pが前記白基準ローラー31A〜33Aで押圧されて前記CIS31〜33のコンタクトガラス311に密着した状態となる。また、前記白基準ローラー31A〜33A各々は、その表面全体が一様に白色であって、前記CIS31〜33における画像読取処理の白基準となる白基準データを取得するために用いられる。
【0018】
<カラースキャン処理>
そして、前記カラースキャナーXでは、前記CIS31〜33で原稿Pの裏面から画像データを読み取るために、後述のカラースキャン処理(図3参照)が前記制御部40によって実行される。
以下、図3のフローチャートを参照しつつ、前記制御部40で実行される原稿Pの裏面についてのカラースキャン処理について説明する。ここに、S1、S2、・・・は処理手順(ステップ)番号を表している。また、当該カラースキャン処理における各処理工程を実行することによりカラー画像データを取得する方法が本発明に係る画像読取方法である。なお、前記装置本体1による原稿Pの表面のカラースキャン処理については従来と異なるところがないため、ここでは説明を省略する。
【0019】
(ステップS1)
まず、ステップS1において、前記制御部40は、原稿Pの裏面についてのカラースキャン処理の開始要求を待ち受ける(S1のNo側)。例えば、原稿Pについて両面のカラースキャン処理の要求操作が不図示の操作表示部に対してなされた場合、前記制御部40は、原稿Pの裏面についてのカラースキャン処理の開始要求があったと判断し(S1のYes側)、処理をステップS2に移行させる。
【0020】
(ステップS2)
次にステップS2において、前記制御部40は、前記CIS31〜33各々における画像読取処理の白基準となる白基準データを取得するための処理を実行する。ここに、係る処理を実行するときの前記制御部40が白基準読取手段に相当する。このとき、前記制御部40は、前記CIS31〜33各々の前記LED光源31R、31G、31Bを個別に点灯させた場合と、前記LED光源31R、31G、31Bの全てを同時に点灯させた場合との合計4パターンで、前記ラインセンサー33によって前記白基準ローラー31A〜33Aの画像データを読み取る。
具体的に、前記制御部40は、前記LED光源31Rのみを点灯させ、そのときの前記ラインセンサー33からの出力をR画像データ読み取り時の基準となるR基準データとして取得する。同じく、前記制御部40は、前記LED光源31Gのみを点灯させ、そのときの前記ラインセンサー33からの出力をG画像データ読み取り時の基準となるG基準データとして取得する。また、前記制御部40は、前記LED光源31Bのみを点灯させ、そのときの前記ラインセンサー33からの出力をB画像データ読み取り時の基準となるB基準データとして取得する。さらに、前記制御部40は、前記LED光源31R、31G、31Bの全てを同時に点灯させ、そのときの前記ラインセンサー33からの出力を白基準データとして取得する。
【0021】
(ステップS3)
続くステップS3において、前記制御部40は、前記CIS31〜33各々で読み取られた白基準データのいずれかに白レベルが所定値以下のノイズ(濃度の落ち込み箇所)が含まれているか否かを判断して処理を分岐する。前記ノイズは、例えば前記CIS31〜33のコンタクトガラス311や前記白基準ローラー31A〜33Aへのゴミや汚れの付着に起因して生じる筋や黒点であり、前記所定値は前記ノイズを検出するために予め定められた値である。なお、前記制御部40が、前記CIS31〜33各々で読み取られた前記白基準データのうち最も白レベルが高いものを基準として、その基準に対して他の白基準データの白レベルが所定値以上低い場合に、その白基準データにノイズが含まれていると判断することも考えられる。なお、前記CIS31〜33各々で読み取られた白基準データのうち少なくとも一つに白レベルが所定値以下のノイズが含まれていることが本発明に係る除外条件の一例である。
そして、前記CIS31〜33各々で読み取られた白基準データの少なくとも一つにノイズが含まれていると判断されると(S3のYes側)、処理はステップS4に移行し、ノイズが含まれていないと判断されると(S3のNo側)、処理はステップS31に移行する。
【0022】
(ステップS31、高速読取モード)
前記CIS31〜33で読み取られた白基準データの全てにノイズが含まれていない場合(S3のNo側)、続くステップS31では、前記制御部40は、前記CIS31〜33の全てを使用して原稿Pからカラー画像データを読み取る高速読取モードで画像読取処理を実行する。この高速読取モードを実行するときの前記制御部40が第2の画像読取手段に相当し、前記ステップS31が第2の画像読取工程に相当する。
ここに、図4は、前記高速読取モードの画像読取処理を説明するための図である。なお、図4において、(a)は1ライン分の画像データの読み取り周期を定めるHSYNC(水平同期信号)を表し、(b)、(e)、(h)は前記CIS31、32、33による1ライン分の画像データの取得タイミング信号CSSP1、CSSP2、CSSP3を表している。
前記高速読取モードは、複数の前記LED光源31R、31G、31Bから照射されるR、G、Bの各色に対応する画像データが複数の前記CIS31、32、33で分担して同時に読み取られる動作モードである。
具体的には、図4に示すように、前記CIS31では前記LED光源31Rが点灯され(図4(c)参照)、前記CIS31からR画像データが出力される(図4(d)参照)。また、これと並行して前記CIS32では前記LED光源31Gが点灯され(図4(f)参照)、前記CIS33では前記LED光源31Bが点灯される(図4(i)参照)。これにより、前記CIS32からG画像データが出力され(図4(g)参照)、前記CIS33からB画像データが出力される(図4(j)参照)。
従って、前記高速読取モードでは、前記CIS31〜33を同時に用いて前記原稿Pのカラー画像データを高速で読み取ることができる。また、前記ステップS31では、前記CIS31〜33で読み取られる画像データにノイズが含まれないため(S3のNo側)、前記CIS31〜33で読み取られるカラー画像データについて高い読取画質も得られる。
【0023】
(ステップS4)
一方、前記CIS31〜33のいずれかで読み取られる白基準データにノイズが含まれる場合には(S3のYes側)、続くステップS4において、前記制御部40は予め定められたメッセージを不図示の操作表示部の液晶ディスプレイに表示させる。ここに、係る処理を実行するときの前記制御部40がメッセージ表示手段に相当する。
例えば、前記制御部40は、「CIS又は白基準ローラーを清掃してください」とのメッセージを表示させることが考えられる。これにより、ユーザーに前記CIS31〜33のコンタクトガラス311や前記白基準ローラー31A〜33Aの清掃を促すことができる。
【0024】
(ステップS5)
次に、ステップS5において、前記制御部40は、前記CIS31〜33の白基準データにノイズが生じている場合に実行する動作モードとして高画質読取モード及び高速読取モードのいずれが選択されているかを判断して処理を分岐する。ここでは、前記ステップS5において、前記制御部40は前記高画質読取モードが選択されているか否かを判断する。
この前記高画質読取モード又は前記高速読取モードの選択は、例えば前記ステップS1で要求されたカラースキャンの開始操作時にユーザーが行う操作表示部(不図示)への操作入力に応じて前記制御部40によって行われる。また、前記ステップS5において、前記制御部40が前記操作表示部(不図示)に前記高画質読取モード又は前記高速読取モードのいずれかを選択させるための選択画面を表示していずれかをユーザーに選択させることも他の実施例として考えられる。このように、前記操作表示部(不図示)に対するユーザーの任意の操作入力に応じて前記高画質読取モード又は前記高速読取モードのいずれかを選択するときの前記制御部40が操作選択手段に相当する。
ここに、前記高画質読取モードは、前記ステップS2で読み取られた白基準データにノイズが含まれているという除外条件を満たすCISを除く他のCISのみを用いて高画質でカラー画像データを読み取る動作モードである。なお、この高画質読取モードでは、ノイズが発生しないCISのみを用いて画像読取処理が実行されるため高画質の画像読取が可能であるが、前記CIS31〜33の全てが同時に駆動しないため、カラー画像データの読取速度は前記高速読取モードに比べて遅くなる。
そして、前記高画質読取モードが選択されている場合(S5のYes側)、前記制御部40は、処理をステップS6に移行させる。他方、前記高速読取モードが選択されている場合など、前記高画質読取モードが選択されていない場合(S5のNo側)、前記制御部40は、処理をステップS51に移行させる。即ち、前記制御部40は、前記ステップS5において、前記操作表示部(不図示)への操作入力による前記高画質読取モード又は前記高速読取モードの選択結果に応じて、前記高速読取モード及び前記高画質読取モードのいずれを実行するかを選択することとなる。
【0025】
(ステップS51、高速読取モード)
前記高画質読取モードが選択されていない場合(S5のNo側)、続くステップS51において、前記制御部40は、前記高速読取モード(図4参照)で画像読取処理を実行すると共に、画像処理による筋消し制御を実行する。即ち、前記ステップS51では、ユーザーによる任意の選択結果に応じて、カラー画像データの読取画質よりも読取速度が優先された画像読取処理が実行されることとなる。
例えば、前記筋消し制御において、前記制御部40は、前記CIS31〜33で読み取られたR画像データ、G画像データ、B画像データを比較して、ゴミや汚れにより生じた筋や黒点などのノイズを検出し、そのノイズを消去するための画像処理を実行する。なお、前記筋消し制御には、その他の周知技術を採用してもよい。また、前記ステップS51において、前記制御部40が、前記CIS31〜33で読み取られたR画像データ、G画像データ、B画像データを比較することによりゴミや汚れが付着した箇所を特定してその旨を表示(報知)することも考えられる。
【0026】
(ステップS6)
一方、前記高画質読取モードが選択されている場合(S5のYes側)、続くステップS6において、前記制御部40は、前記ステップS3でノイズが含まれると判断された白基準データが3つであるか否かを判断する。
そして、前記制御部40は、前記CIS31〜33で読み取られた全ての白基準データでノイズが発生している場合には(S6のYes側)、ノイズが発生していないCISが存在しないため、処理を前記ステップS51に移行させ、前記高速読取モード及び前記筋消し制御を実行する。これにより、前記CIS31〜33で読み取られるカラー画像データについてそもそも高い読取画質が期待できない場合には、読取速度が優先して向上されることになる。
また、前記ステップS3でノイズが含まれると判断された白基準データが3つではない場合には(S6のNo側)、前記制御部40は処理をステップS7に移行させる。
【0027】
(ステップS7)
次に、ステップS7において、前記制御部40は、前記ステップS3でノイズが含まれると判断された白基準データが2つであるか否かを判断する。そして、2つの白基準データでノイズが発生している場合には(S7のYes側)、前記制御部40は、処理をステップS71に移行させる。また、前記ステップS3でノイズが含まれると判断された白基準データが2つではない場合には(S7のNo側)、前記制御部40は、処理をステップS72に移行させる。
【0028】
(ステップS71、高画質読取モード)
2つの白基準データでノイズが発生している場合(S7のYes側)、続くステップS71において、前記制御部40は、前記CIS31〜33のうち前記ステップS3でノイズが含まれると判断された白基準データに対応する2つのCISを除く他の1つのCISのみを用いる高画質読取モードで画像読取処理を実行する。ここに、係る処理を実行するときの前記制御部40が第1の画像読取手段に相当し、前記ステップS71が第1の画像読取工程に相当する。
ここで、図5を参照しつつ、前記ステップS71で実行される高画質読取モードの画像読取処理について説明する。なお、図5において、(a)は1ライン分の画像データの読み取り周期を定めるHSYNC(水平同期信号)を表し、(b)は前記CIS31による1ライン分の画像データの読取開始信号CSSP1を表している。また、ここでは前記CIS32、33で読み取られた前記白基準データにノイズが含まれており、前記CIS31で読み取られた前記白基準データにノイズが含まれていなかった場合を例に挙げて説明する。
この場合、図5に示すように、1ライン分の画像データの読み取り時には、前記CIS31で前記LED光源31Rが点灯され(図5(c)参照)、前記CIS31からR画像データが出力される(図5(d)参照)。続いて、前記CIS31で前記LED光源31Gが点灯され(図5(c)参照)、前記CIS31からG画像データが出力される(図5(d)参照)。さらに、前記CIS31で前記LED光源31Bが点灯され(図5(c)参照)、前記CIS31からB画像データが出力される(図5(d)参照)。そして、この前記CIS31によるR画像データ、G画像データ、B画像データの読み取りが繰り返し実行されることにより、原稿Pからカラー画像データが読み取られる。
従って、前記高画質読取モードでは、前記CIS31のみを用いて前記原稿Pのカラー画像データを読み取るため前記高速読取モードに比べて読取速度は遅いが、読取画像にノイズが発生しない前記CIS31のみを用いるため高い読取画質を得ることができる。
【0029】
(ステップS72、高画質読取モード)
一方、2つの白基準データでノイズが発生していない場合(S7のNo側)、即ち1つの白基準データのみでノイズが発生している場合、続くステップS72において、前記制御部40は、前記高画質読取モードで画像読取処理を実行する。このステップS72における高画質読取モードでは、前記CIS31〜33のうち前記ステップS3でノイズが含まれると判断された白基準データに対応する1つのCISを除く他の2つのCISのみが用いられる。ここに、係る処理を実行するときの前記制御部40が第1の画像読取手段に相当し、前記ステップS72が第1の画像読取工程に相当する。
ここで、図6を参照しつつ、前記ステップS72で実行される高画質読取モードの画像読取処理について説明する。なお、図6において、(a)は1ライン分の画像データの読み取り周期を定めるHSYNC(水平同期信号)を表し、(b)、(e)は前記CIS31、32による1ライン分の画像データの読取開始信号CSSP1、CSSP2を表している。また、ここでは前記CIS33で読み取られた前記白基準データにノイズが含まれており、前記CIS31、32で読み取られた前記白基準データにノイズが含まれていなかった場合を例に挙げて説明する。
この場合、図6に示すように、1ライン分の画像データの読み取り時には、前記CIS31で前記LED光源31Rが点灯され(図6(c)参照)、前記CIS31からR画像データが出力される(図6(d)参照)。次に、同じく前記CIS31で前記LED光源31Gが点灯され(図6(c)参照)、前記CIS31からG画像データが出力される(図6(d)参照)。一方、前記CIS31によるR画像データ、G画像データの読み取りと並行して、前記CIS32では前記LED光源31Bが点灯され(図6(f)参照)、前記CIS31からB画像データが出力される(図6(g)参照)。そして、この前記CIS31、32によるR画像データ、G画像データ、B画像データの読み取りが繰り返し実行されることにより、原稿Pからカラー画像データが読み取られる。なお、R画像データ、G画像データ、B画像データの前記CIS31、32への分担はここで挙げた組み合わせに限らず、他の組み合わせであってもよい。
このように、前記高画質読取モードでは、前記CIS31、32のみを用いて前記原稿Pのカラー画像データを読み取るため前記高速読取モードに比べて読取速度は遅いが、読取画像にノイズが発生しない前記CIS31、32のみを用いるため高い読取画質を得ることができる。
【0030】
以上説明したように、前記カラースキャナーXでは、前記制御部40が、前記CIS31〜33各々で読み取られた前記白基準データにおけるノイズの有無やユーザーによる任意選択結果などの予め定められた条件に応じて、前記高速読取モード又は前記高画質読取モードのいずれかを選択し、前記原稿Pからカラー画像データを読み取る。ここに、係る処理を実行するときの前記制御部40が動作選択手段に相当する。これにより、原稿Pから読み取られるカラー画像データの読取画質又は読取速度のいずれかを状況に応じて優先的に向上させることが可能となる。
【0031】
<カラースキャン処理の他の例>
ところで、本実施の形態では、3つの前記CIS31〜33を備える構成について説明したが、例えばCISを2つ備える構成も他の実施例として考えられる。
ここで、図7を参照しつつ、前記カラースキャナーXが2つの前記CIS31、32を有する場合に、前記制御部40で実行されるカラースキャン処理の手順の一例について説明する。なお、図3に示した前記カラースキャン処理と同様の処理手順には同じ符号を付してその説明を省略する。
【0032】
(ステップS311)
まず、前記ステップS3において、前記CIS31、32で読み取られた白基準データのいずれにもノイズがないと判断された場合(S3のNo側)、前記制御部40は、続くステップS311において高速読取モードを実行する。
前記ステップS311で実行される高速読取モードは、図6に示したように、前記CIS31、32を用いて、R画像データ、G画像データ、B画像データの読み取りを分担して行う動作モードである。従って、前記高速読取モードでは、前記CIS31、32を同時に用いて前記原稿Pのカラー画像データを高速で読み取ることができる。また、前記ステップS311では、前記CIS31、32で読み取られる画像データにノイズが含まれないため(S3のNo側)、前記CIS31、32で読み取られるカラー画像データについて高い読取画質が得られる。
【0033】
(ステップS511)
また、前記ステップS5において前記高画質読取モードが選択されていると判断された場合(S5のYes側)、続くステップS511において、前記制御部40は、前記ステップS3でノイズが含まれると判断された白基準データが2つであるか否かを判断する。
そして、前記制御部40は、2つの白基準データでノイズが発生している場合には(S511のYes側)、処理をステップS513に移行させる。また、前記ステップS5において前記高画質読取モードが選択されていないと判断された場合にも(S5のNo側)、処理はステップS513に移行する。
他方、前記ステップS3でノイズが含まれると判断された白基準データが2つではない場合(S511のNo側)、前記制御部40は、処理をステップS512に移行させる。
【0034】
(ステップS512)
ステップS512において、前記制御部40は、前記CIS31、32のうち前記ステップS3でノイズが含まれると判断された白基準データに対応する1つのCISを除く他の1つのCISのみを用いて前記高画質読取モードで画像読取処理を実行する。
具体的に、前記ステップS3において前記CIS32で読み取られた前記白基準データにノイズが含まれていると判断された場合を考える。この場合、前記ステップS512で実行される高画質読取モードでは、図5に示したように、前記CIS31のみを用いて、R画像データ、G画像データ、B画像データの読み取りが行われる。これにより、前記CIS31で読み取られるカラー画像データについて高い読取画質が得られる。
【0035】
(ステップS513)
一方、ステップS513において、前記制御部40は、前記ステップS311と同様の高速読取モードと前記筋消し制御とを実行する。これにより、図6に示したように、前記CIS31及び前記CIS32で分担してR画像データ、G画像データ、B画像データの読み取りが行われるため、前記原稿Pのカラー画像データが高速で読み取られる。
【0036】
以上説明したように、前記カラースキャナーXが2つの前記CIS31、32を備える構成であっても、前記制御部40が、前記CIS31、32各々で読み取られた前記白基準データにおけるノイズの有無やユーザーによる任意選択結果などの予め定められた条件に応じて、前記高速読取モード又は前記高画質読取モードのいずれかを選択的に実行することにより、前記原稿Pから読み取られるカラー画像データの読取画質又は読取速度を優先的に向上させることが可能である。
【符号の説明】
【0037】
1 :装置本体
13:原稿セット部
14:搬送ローラー
15:原稿押さえ
16:排紙部
2 :ADF
21:コンタクトガラス
22:読取位置
23:読取ユニット
31〜33 :CIS(撮像手段の一例)
31A〜33A:白基準ローラー(白基準部材の一例)
31R:LED光源
31G:LED光源
31B:LED光源
311:コンタクトガラス
312:白色光源
313:レンズ
314:ラインセンサー(撮像素子の一例)
40:制御部
41:LED光源
42〜44:ミラー
45:光学レンズ
46:CCD
X :カラースキャナー(画像読取装置の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異なる色の光を照射する複数の光源と前記光源各々から原稿に光が照射されたときの反射光から画像データを読み取る撮像素子とを有する複数の撮像手段と、
前記撮像手段各々により白基準部材から白基準データを読み取る白基準読取手段と、
前記白基準読取手段により読み取られた前記白基準データが予め定められた除外条件を満たす一又は複数の前記撮像手段を除く他の一又は複数の前記撮像手段のみを用いて前記原稿からカラー画像データを読み取る第1の画像読取手段と、
前記複数の光源から照射される複数の色の光に対応する複数の画像データを前記複数の撮像手段で分担して同時に読み取ることにより前記原稿からカラー画像データを読み取る第2の画像読取手段と、
予め定められた条件に応じて前記第1の画像読取手段及び前記第2の画像読取手段のいずれかを選択して前記原稿からカラー画像データを読み取る動作選択手段と、
を備えてなることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記第1の画像読取手段及び前記第2の画像読取手段のいずれかを操作入力に応じて選択する操作選択手段を更に備えてなり、
前記動作選択手段は、前記白基準読取手段により読み取られた前記白基準データのうち少なくとも一つの白基準データが前記除外条件を満たす場合に、前記操作選択手段による選択結果に応じて前記第1の画像読取手段又は前記第2の画像読取手段を選択するものである請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記動作選択手段は、前記白基準データの全てが前記除外条件を満たさない場合及び前記白基準データの全てが前記除外条件を満たす場合に前記第2の画像読取手段を選択するものである請求項1又は2のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記除外条件が、前記白基準データに白レベルが所定値以下のノイズが含まれていることである請求項1〜3のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記白基準読取手段により読み取られた前記白基準データのうち少なくとも一つの白基準データが前記除外条件を満たさない場合に、予め定められたメッセージ表示を行うメッセージ表示手段を更に備えてなる請求項1〜4のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の画像読取装置を備えてなる画像形成装置。
【請求項7】
異なる色の光を照射する複数の光源と前記光源各々から原稿に光が照射されたときの反射光から画像データを読み取る撮像素子とを有する複数の撮像手段と、前記撮像手段各々により白基準部材から白基準データを読み取る白基準読取手段と、を備えてなる画像読取装置で実行される画像読取方法であって、
前記白基準読取手段により読み取られた前記白基準データが予め定められた除外条件を満たす一又は複数の前記撮像手段を除く他の一又は複数の前記撮像手段のみを用いて前記原稿からカラー画像データを読み取る第1の画像読取工程と、前記複数の光源から照射される複数の色の光に対応する複数の画像データを前記複数の撮像手段で分担して同時に読み取ることにより前記原稿からカラー画像データを読み取る第2の画像読取工程とのいずれかを予め定められた条件に応じて選択して前記原稿からカラー画像データを読み取ることを特徴とする画像読取方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−90258(P2013−90258A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231290(P2011−231290)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】