説明

画像読取装置、画像読取方法およびプログラム

【課題】光源の発光による眩しさを軽減するとともに、光源の原稿面における照度のばらつきを軽減する。
【解決手段】原稿に対して光を照射するLED1と、原稿を無彩として読み取るモノクロラインセンサと、原稿を有彩として読み取る複数のカラーラインセンサとを有し、原稿からの光の反射光を電気信号に変換して、原稿を読み取るCCD2と、主走査方向の原稿サイズを検知する場合、モノクロラインセンサおよびカラーラインセンサのいずれのラインセンサにより原稿を読み取るかを示す読取モードを、モノクロラインセンサにより原稿を読み取るモノクロモードに切り替えるモード切替部91と、を備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿台に載置された原稿を読み取る画像読取装置、画像読取方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、画像読取装置において、フラットベッドスキャナ(flat bed scanner)により原稿台に載置された原稿を読み取る場合、主走査方向および副走査方向それぞれに設けられた専用のセンサで原稿サイズを検知する機器が多かった。しかし、近年では、主走査方向の原稿サイズの検知には専用のセンサを設けず、読み取りデバイスとして使用されるCCD(Charge Coupled Device)等によって原稿サイズを検知している。具体的には、例えば、圧板が開いた状態から閉じた状態になるとLED(Light Emitting Diode)などの光源を点灯して原稿を照射し、CCDへ入射した反射光によって原稿サイズを検知する。
【0003】
しかし、LEDなどの光源を利用して原稿サイズを検知する場合、光源の点灯による光が使用者にとって眩しいという問題があった。そこで、光源の発光による眩しさを軽減する原稿画像読み取り装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1の原稿画像読み取り装置は、原稿サイズを検知する場合、フラットベッドスキャナの圧板の開いている角度が所定の値以下になるとLEDを1つおきに点灯させ、原稿読み取り時の光量よりも低い光量を用いて原稿サイズを読み取るものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、LEDなどの光源を使用している画像読取装置では、電源投入時に装置ごとに光源の光量調整を行うのが一般的である。光源の光量調整とは、光源を点灯した際にCCDから出力される画像データを元に調整される。このため、各装置において、光源やCCD自体のばらつき、すなわち、光源の発光強度のばらつきやCCDの画素ごとの感度ムラなどのばらつきなどの要因を含んで読み取られた画像データから光量調整を行うと、装置ごとに原稿面における照度がばらついてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、原稿サイズを検知する際に、光源の発光による眩しさを軽減するとともに、光源の原稿面における照度のばらつきを軽減する画像読取装置、画像読取方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、画像読取装置において、原稿に対して光を照射する光源と、前記原稿を無彩として読み取るモノクロラインセンサと、前記原稿を有彩として読み取る複数のカラーラインセンサとを有し、前記原稿からの前記光の反射光を電気信号に変換して、前記原稿を読み取る読取手段と、主走査方向の原稿サイズを検知する場合、前記モノクロラインセンサおよび前記カラーラインセンサのいずれのラインセンサにより前記原稿を読み取るかを示す読取モードを、前記モノクロラインセンサにより前記原稿を読み取るモノクロモードに切り替える切替手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、画像読取装置で実行される画像読取方法であって、前記画像読取装置は、原稿に対して光を照射する光源と、前記原稿を無彩として読み取るモノクロラインセンサと、前記原稿を有彩として読み取る複数のカラーラインセンサとを有し、前記原稿からの前記光の反射光を電気信号に変換して、前記原稿を読み取る読取手段とを備え、主走査方向の原稿サイズを検知する場合、前記モノクロラインセンサおよび前記カラーラインセンサのいずれのラインセンサにより前記原稿を読み取るかを示す読取モードを、前記モノクロラインセンサにより前記原稿を読み取るモノクロモードに切り替える切替工程を含むことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、原稿に対して光を照射する光源と、前記原稿を無彩として読み取るモノクロラインセンサと、前記原稿を有彩として読み取る複数のカラーラインセンサとを有し、前記原稿からの前記光の反射光を電気信号に変換して、前記原稿を読み取る読取手段とを備える画像読取装置を、主走査方向の原稿サイズを検知する場合、前記モノクロラインセンサおよび前記カラーラインセンサのいずれのラインセンサにより前記原稿を読み取るかを示す読取モードを、前記モノクロラインセンサにより前記原稿を読み取るモノクロモードに切り替える切替手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、原稿サイズを検知する際に、光源の発光による眩しさを軽減するとともに、光源の原稿面における照度のばらつきを軽減するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、実施の形態にかかる画像読取装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、実施の形態にかかるCCDの概略図である。
【図3】図3は、LEDが発光した光がCCDへ入射する場合の説明図である。
【図4】図4は、原稿サイズ検知時の第1キャリッジによる動作の説明図である。
【図5】図5は、原稿サイズ検知時の第1キャリッジによる動作の説明図である。
【図6】図6は、LEDの光量調整の説明図である。
【図7】図7は、LEDの光量調整の流れを示すフローチャートである。
【図8】図8は、原稿サイズの検知動作の流れを示すフローチャートである。
【図9】図9は、実施の形態にかかる画像読取装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる画像読取装置、画像読取方法およびプログラムの最良な実施の形態を詳細に説明する。なお、以下の実施の形態において説明する画像読取装置は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能のうち少なくとも2つの機能を有する複合機、複写機、プリンタ、スキャナ装置、ファクシミリ装置等、画像を読み取る装置であればいずれにも適用することができる。
【0012】
LEDを光源として使用する画像読取装置では、通常、原稿を読み取る際の光源の光量を最適化するために、電源投入時に光源の光量調整を行っている。光源の光量調整は、CCDにより読み取った画像データに基づいて行われる。従って、PCB(printed circuit board)上に実装されたLED自体の発光強度のばらつきや、CCD感度のばらつきがあると、原稿面における照度もばらついてしまう。例えば、CCDの感度が極端に低い場合、狙いの画像レベルになるようにLEDの発光強度を強めるための光量調整が行われる。よって、LEDやCCDなどの部品のばらつきによりLEDの発光量が変わるため、装置ごとに原稿面の照度のばらつきが異なってしまう。
【0013】
本実施の形態では、後述するように、1ラインのモノクロラインおよび3ラインのカラーラインを有する4ラインCCDを使用するが、装置ごとの原稿面に対する照度のばらつきを軽減させるため、モノクロラインを使用して原稿サイズを検知する。モノクロラインのみを使用すると、CCDの感度がばらつく要因となるカラーフィルタを使用しないため、カラーフィルタによるばらつきを考慮する必要がなくなる。これにより、光源の光量調整後の原稿面に対する照度のばらつきが軽減できることになる。
【0014】
図1は、実施の形態にかかる画像読取装置の構成を示すブロック図である。図1に示すように、画像読取装置は、スキャナ100と、画像処理部200と、主制御部300とを主に備えている。
【0015】
スキャナ100は、さらに、LED1と、CCD2と、モータ3と、圧板開閉センサ4と、原稿サイズ検知センサ5とを主に備えている。
【0016】
LED1は、電流を流すと発光する半導体素子であり、原稿台に載置された原稿に対して光を照射する光源である。LED1は、主走査方向に複数個並べることにより原稿面上で均一な光量となるようにPCB上に実装されている。本実施の形態では、光源としてLEDを利用しているが、これに限定されることなく他の光源を利用する構成としてもよい。
【0017】
CCD2は、LED1により原稿に対して光が照射され、原稿からの該光の反射光を電気信号に変換して原稿を読み取るものである。具体的には、CCD2は、原稿が保持する情報を光の明暗として取得し、光の明暗に従う画像信号を生成して、生成した画像信号をAFE6に送出する。本実施の形態では、CCD2により読み取られた画像データにより、原稿サイズの検知を行う。なお、本実施の形態では、読み取りデバイスとしてCCDを利用しているが、これに限定されることなく、密着センサなどの等倍センサなどを利用する構成としてもよい。
【0018】
CCD2は、原稿を無彩(モノクロ)として読み取るモノクロラインセンサと、原稿を有彩として読み取る3本のカラーラインセンサとを有する4chCCD(4ラインセンサ)である。図2は、実施の形態にかかるCCDの概略図である。CCD2は、図2に示すように、Bk(黒あるいはモノクロ)のラインセンサからなるモノクロラインセンサL1と、R(赤)、G(緑)B(青)のラインセンサからなるカラーラインセンサL2とから構成されており、Bk、R、G、Bの順に配列されている。そして、カラーラインセンサL2は、色を判別するためカラーフィルタを使用してカラー画像を生成するが、モノクロラインセンサL1では色の判別が不要であるためカラーフィルタを使用しない。
【0019】
また、CCD2は、モノクロラインセンサL1、カラーラインセンサL2のいずれのラインセンサにより原稿を読み取るかを示す読取モードが切り替えられる。具体的には、CCD2は、モノクロラインセンサL1により読み取るモノクロモードと、カラーラインセンサL2により読み取るカラーモードとを切り替える端子を有しており、読取モードの切り替えが可能となっている。なお、各読取モードに応じて入力するクロックも変更する。
【0020】
CCD2は、原稿サイズを検知する場合、後述する圧板開閉センサ4により原稿台に載置された原稿を押圧する圧板が閉じた状態(閉状態)になったことが検知された場合に、モノクロラインセンサL1により原稿を読み取る。
【0021】
ここで、LED1で発光された光がCCD2へ入射するまでの様子を説明する。図3は、LEDが発光した光がCCDへ入射する場合の説明図である。図3に示すように、スキャナ100は、載置台Pのコンタクトガラスの下方に、LED1、第1ミラー21、第2ミラー22、第3ミラー23、レンズ24、SBU(センサボートユニット)25、およびCCD2を備えている。
【0022】
LED1から載置台Pに載置された原稿に対して光が照射されると、原稿からの反射光が第1ミラー21、第2ミラー22、第3ミラー23を経由して、該反射光を集光するレンズ24に入射した後、SBU25に実装されたCCD2へ入射される。ここで、LED1および第1ミラー21が実装されたモジュールを第1キャリッジC1とし、第ミラー22および第3ミラー23が実装されたモジュールを第2キャリッジC2とする。
【0023】
モータ3は、印刷等のために原稿を読み取る場合や、CCD2により原稿サイズを検知する場合、LED1が実装された第1キャリッジC1や第2キャリッジC2を駆動するものである。ここで、CCD1によって原稿サイズを検知する際の第1キャリッジC1の動作について説明する。図4、5は、原稿サイズ検知時の第1キャリッジによる動作の説明図である。
【0024】
モータ3は、電源投入時に、第1キャリッジC1を基準白板の下方、すなわち読取ガラス30の下方に移動させる。ここで、基準白板とは、圧板の読取ガラス30に対向する位置に設けられた白色の板状部材であり、LED1の光量調整をする場合のシェーディング補正などに使用される。シェーディング補正とは、LED1の個々の発光強度のばらつき、また主走査方向のばらつきや、CCD2の画素毎の感度ムラ等が原因で、一様な濃度の原稿を読み取ったにもかかわらず、読み取りデータがばらつく現象を補正することである。
【0025】
また、モータ3は、後述する圧板開閉センサ4により圧板が開いた状態(開状態)になったことが検知された場合に、原稿サイズの検知を開始する位置である原稿サイズ検知位置Bに第1キャリッジC1を移動させる。
【0026】
また、モータ3は、後述する圧板開閉センサ4により圧板の閉状態が検知された場合に、第1キャリッジC1を原稿サイズ検知位置Bから、通常の待機位置Aまで移動させる。このときに、LED1を点灯して原稿を読み取ることにより、主走査方向の原稿サイズを検知する。そして、副走査方向の原稿サイズは、後述する原稿サイズ検知センサ5により検知する。なお、待機位置Aは、読取ガラス30近傍のモールドで遮光される部分などがあり機種により異なる。
【0027】
圧板開閉センサ4は、圧板の開いた状態(開状態)と、圧板が閉じた状態(閉状態)とを検知するセンサである。具体的には、例えば、圧板開閉センサ4は、圧板が予め定めた所定の角度以上に開いた場合を開状態として検知し、圧板が所定の角度以下に閉じた場合を閉状態として検知する。CCD2による原稿サイズ検知動作は、この圧板開閉センサ4による検知をトリガとして行われる。
【0028】
原稿サイズ検知センサ5は、原稿台Pに載置された原稿の副走査方向のサイズを検出するためのセンサであり、図4、5に示すようにスキャナ内部に実装される。
【0029】
また、画像処理部200は、AFE(Analogue Front End)6と、画像処理部7と、原稿サイズ判定部8とを主に備えている。
【0030】
AFE6は、A/D変換を行う機器であり、CCD2のモノクロラインセンサL1、カラーラインセンサL2から出力されたそれぞれのアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換するものである。また、AFE6は、出力されるデジタル画像信号の暗オフセットレベル調整および明出力調整機能も有する。なお、AFE6は、スキャナ100におけるSBU25に実装される場合もあるし、主制御部300に実装される場合もある。
【0031】
画像処理部7は、AFE6から出力されたデジタル画像信号に対して各種処理を行うものである。
【0032】
原稿サイズ判定部8は、主走査方向の原稿サイズを検知するためにCCD2から出力された電気信号と、副走査方向の原稿サイズを検知するために原稿サイズ検知センサ5から出力された信号とにより、主走査方向および副走査方向の原稿サイズを判定する。
【0033】
また、主制御部300は、スキャナ制御部9と、CPU(Central Processing Unit)10と、操作部11と、メモリ12とを主に備えている。
【0034】
スキャナ制御部9は、CCD2およびAFE6を駆動する制御信号、LED1およびモータ3を駆動する制御信号を出力する機能や、原稿サイズ検知センサ5および圧板開閉センサ4を駆動する機能などを備える。スキャナ制御部9は、モード切替部91と、光源制御部92と、カウント部93とを備えている。
【0035】
モード切替部91は、CCD2により原稿を読み取る際の読取モードを、モノクロモードまたはカラーモードに切り替えるものである。具体的には、モード切替部91は、主走査方向の原稿サイズを検知する際に、圧板開閉センサ4により開状態が検知されると、読取モードをモノクロモードに切り替える。また、モード切替部91は、原稿サイズ判定部8により原稿サイズが判定された後、利用者により指定された読取モードに切り替える。
【0036】
光源制御部92は、電源投入時に、LED1を読取モードそれぞれに対応した光量に調整する光量調整を行うものである。また、光源制御部92は、原稿サイズ判定部8により原稿サイズが判定された後、LED1の光量を電源投入時の光量調整により調整した値に設定するものである。また、光源制御部92は、圧板開閉センサ4により閉状態が検知された場合、LED1の光量を電源投入時の光量調整により調整した値から一律に低減した値に設定するものである。
【0037】
カウント部93は、圧板開閉センサ4が開状態、閉状態を検知した場合の圧板の開閉回数、およびCCD2による原稿サイズの検知回数をカウントするものであり、カウントした圧板の開閉回数や原稿サイズの検知回数を不図示の記憶部に記憶する。これは、基板リユース時の情報として利用するためである。
【0038】
CPU10は、スキャナ100、画像処理部200、スキャナ制御部9等により構成された画像読取装置全体制御を行うものである。
【0039】
操作部11は、利用者に入力画面や警告を表示するとともに、表示された入力画面及び操作キーから利用者の入力を行うものである。
【0040】
メモリ12は、各種データを一時的に保存する記憶媒体である。
【0041】
次に、光源制御部92は、LED1の光量調整について説明する。本実施の形態におけるLEDの光量調整は、一般的に実施される光量調整と同様である。図6は、LEDの光量調整の説明図である。図6に示すように、CCD2により原稿を読み取る際のライン同期信号に同期した点灯クロックが1ラインの中に複数回on/off(点灯/消灯)を繰り返している。光源制御部92は、点灯クロックのHigh/Lowのduty(パルス幅のHとLの比)を変更したり(PWM(Pulse Width Modulation)調整)、設定されたゲイン(増幅率)に応じてCCD2が光電変換した電気信号を増幅すること(ゲイン設定)によりLED1の光量調整を行う。
【0042】
次に、画像読取装置の電源投入時におけるLED1の光量調整の流れについて説明する。図7は、LEDの光量調整の流れを示すフローチャートである。
【0043】
まず、光源制御部92は、画像形成装置の電源ON(投入)になったか否かを判断し(ステップS10)、電源OFFである場合はそのまま待機する(ステップS10:No)。
【0044】
電源ONになった場合(ステップS10:Yes)、光源制御部92は、ゲイン設定を行い(ステップS11)、PWMを初期値に設定する(ステップS12)。次に、スキャナ制御部9は、モータ3により第1キャリッジC1を基準白板の下に移動させる(ステップS13)。
【0045】
次に、LED1が基準白板を照射し、CCD2は、基準白板を読み取る(ステップS14)。光源制御部92は、CCD2により読み取られた基準白板の画像データから、画像信号のピーク値を検出する(ステップS15)。光源制御部92は、このピーク値に基づいて基準白板のピーク値が狙いの値となるようにPWM調整を行って光量調整を行い(ステップS16)、調整値によりPWM設定を行う(ステップS17)。
【0046】
光源制御部92は、他の読取モードがあるか否かを判断し(ステップS18)、他の読取モードがある場合(ステップS18:Yes)、読取モードを切り替えてステップS14〜ステップS17の処理を繰り返す。
【0047】
一方、他の読取モードがない場合(ステップS18:No)、スキャナ制御部9は、モータ3により第1キャリッジC1を待機位置に移動させる(ステップS19)。
【0048】
次に、画像読取装置の原稿サイズの検知動作の流れについて説明する。図8は、原稿サイズの検知動作の流れを示すフローチャートである。
【0049】
まず、スキャナ制御部9は、圧板開閉センサ4により圧板の開閉状態を判断し(ステップS30)、閉状態である場合は開状態になるまで待機する(ステップS30:No)。一方、圧板が開状態になった場合(ステップS30:Yes)、モード切替部91は、CCD2の読取モードをモノクロモードに切り替える(ステップS31)。スキャナ制御部9は、モータ3により第1キャリッジC1を原稿サイズ検知位置に移動させる(ステップS32)。
【0050】
そして、スキャナ制御部9は、圧板開閉センサ4により圧板の開閉状態を判断し(ステップS33)、開状態のままである場合は閉状態になるまで待機する(ステップS33:No)。
【0051】
一方、圧板が閉状態になった場合(ステップS33:Yes)、LED1の光量を電源投入時の光量調整により調整された値から一律に低減した値によりPWM設定を行う(ステップS34)。そして、光源制御部92は、LED1を点灯し(ステップS35)、原稿サイズ検知センサ5は、副走査方向の原稿サイズを検知する(ステップS36)。
【0052】
次に、光源制御部92は、モータ3により第1キャリッジC1を原稿サイズ検知位置から待機位置まで移動させ、CCD2により主走査方向の原稿サイズを検知する(ステップS37)。
【0053】
そして、原稿サイズ判定部8は、原稿サイズ検知センサ5からの出力とCCD2からの出力とに基づき、原稿サイズを判定する(ステップS38)。原稿サイズが判定できなかった場合(ステップS38:No)、CPU10は操作部11に原稿サイズが判定不能である旨と圧板開閉の指示を表示(アラート表示)し(ステップS39)、ステップS30に戻る。
【0054】
一方、原稿サイズが判定できた場合(ステップS38:Yes)、カウント部93は、原稿サイズ検知回数をインクリメントする(ステップS40)。そして、モード切替部91は、CCD2の読取モードを利用者により指定された読取モードに切り替える(ステップS41)。そして、スキャナ100は、画像を読み取るスキャンを実行する(ステップS42)。
【0055】
このように、本実施の形態の画像形成装置では、主走査方向の原稿サイズを検知する場合は、LED1とCCD2を利用して行うが、原稿サイズを検知する場合のLED1の光量を、電源投入時の光量調整により調整した値から一律に低減した値に設定するため、原稿サイズを検知する際に、光源の発光による眩しさを軽減することができる。
【0056】
また、原稿サイズを検知する場合、読取モードをモノクロモードに切り替えることでCCD2のモノクロラインを使用して検知を行う。これは、モノクロラインのみを使用すると、CCD2の感度がばらつく要因となるカラーフィルタを使用しなくてよいため、カラーフィルタによるばらつきを考慮する必要がなくなるからである。その結果、LED1の原稿面に対する照度のばらつきが軽減できる。
【0057】
図9は、実施の形態にかかる画像読取装置のハードウェア構成を示すブロック図である。本図に示すように、この画像読取装置は、コントローラ1000とエンジン部(Engine)6000とをPCI(Peripheral Component Interface)バスで接続した構成となる。コントローラ1000は、画像読取装置全体の制御と描画、通信、図示しない操作部からの入力を制御するコントローラである。エンジン部6000は、PCIバスに接続可能なプリンタエンジンなどであり、たとえば白黒プロッタ、1ドラムカラープロッタ、4ドラムカラープロッタ、スキャナまたはファックスユニットなどである。なお、このエンジン部6000には、プロッタなどのいわゆるエンジン部分に加えて、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれる。
【0058】
コントローラ1000は、CPU1100と、ノースブリッジ(NB)1300と、システムメモリ(MEM−P)1200と、サウスブリッジ(SB)1400と、ローカルメモリ(MEM−C)1700と、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)1600と、ハードディスクドライブ(HDD)1800とを有し、ノースブリッジ(NB)1300とASIC1600との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス1500で接続した構成となる。また、MEM−P1200は、ROM(Read Only Memory)1200aと、RAM(Random Access Memory)1200bと、をさらに有する。
【0059】
CPU1100は、画像読取装置の全体制御をおこなうものであり、NB1300、MEM−P1200およびSB1400からなるチップセットを有し、このチップセットを介して他の機器と接続される。
【0060】
NB1300は、CPU1100とMEM−P1200、SB1400、AGP1500とを接続するためのブリッジであり、MEM−P1200に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCIマスタおよびAGPターゲットとを有する。
【0061】
MEM−P1200は、プログラムやデータの格納用メモリ、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いるシステムメモリであり、ROM1200aとRAM1200bとからなる。ROM1200aは、プログラムやデータの格納用メモリとして用いる読み出し専用のメモリであり、RAM1200bは、プログラムやデータの展開用メモリ、プリンタの描画用メモリなどとして用いる書き込みおよび読み出し可能なメモリである。
【0062】
SB1400は、NB1300とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。このSB1400は、PCIバスを介してNB1300と接続されており、このPCIバスには、ネットワークインターフェース(I/F)部なども接続される。
【0063】
ASIC1600は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGP1500、PCIバス、HDD1800およびMEM−C1700をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。このASIC1600は、PCIターゲットおよびAGPマスタと、ASIC1600の中核をなすアービタ(ARB)と、MEM−C1700を制御するメモリコントローラと、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などをおこなう複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)と、エンジン部6000との間でPCIバスを介したデータ転送をおこなうPCIユニットとからなる。このASIC1600には、PCIバスを介してFCU(Facsimile Control Unit)3000、USB(Universal Serial Bus)4000、IEEE1394(the Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)インターフェース5000が接続される。操作表示部2000はASIC1600に直接接続されている。
【0064】
MEM−C1700は、コピー用画像バッファ、符号バッファとして用いるローカルメモリであり、HDD(Hard Disk Drive)1800は、画像データの蓄積、プログラムの蓄積、フォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。
【0065】
AGP1500は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレーターカード用のバスインターフェースであり、MEM−P1200に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレーターカードを高速にするものである。
【0066】
なお、本実施の形態の画像読取装置で実行される画像読取プログラムは、ROM等に予め組み込まれて提供される。本実施の形態の画像読取装置で実行される画像読取プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD−ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD−R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
【0067】
さらに、本実施の形態の画像読取装置で実行される画像読取プログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するように構成しても良い。また、本実施の形態の画像読取装置で実行される画像読取プログラムをインターネット等のネットワーク経由で提供または配布するように構成しても良い。
【0068】
本実施の形態の画像読取装置で実行される画像読取プログラムは、上述した各部(AFE6、画像処理部7、原稿サイズ判定部8、モード切替部91、光源制御部92、カウント部93)を含むモジュール構成となっており、実際のハードウェアとしてはCPU(プロセッサ)が上記ROMから画像読取プログラムを読み出して実行することにより上記各部が主記憶装置上にロードされ、AFE6、画像処理部7、原稿サイズ判定部8、モード切替部91、光源制御部92、カウント部93が主記憶装置上に生成されるようになっている。
【符号の説明】
【0069】
1 LED
2 CCD
3 モータ
4 圧板開閉センサ
5 原稿サイズ検知センサ
7 画像処理部
8 原稿サイズ判定部
9 スキャナ制御部
91 モード切替部
92 光源制御部
93 カウント部
11 操作部
12 メモリ
21 第1ミラー
22 第2ミラー
23 第3ミラー
24 レンズ
30 読取ガラス
100 スキャナ
200 画像処理部
300 主制御部
L1 モノクロラインセンサ
L2 カラーラインセンサ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0070】
【特許文献1】特開2002−290675号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿に対して光を照射する光源と、
前記原稿を無彩として読み取るモノクロラインセンサと、前記原稿を有彩として読み取る複数のカラーラインセンサとを有し、前記原稿からの前記光の反射光を電気信号に変換して、前記原稿を読み取る読取手段と、
主走査方向の原稿サイズを検知する場合、前記モノクロラインセンサおよび前記カラーラインセンサのいずれのラインセンサにより前記原稿を読み取るかを示す読取モードを、前記モノクロラインセンサにより前記原稿を読み取るモノクロモードに切り替える切替手段と、を備えることを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
原稿台に載置された前記原稿を押圧する圧板と、
前記圧板が開いた状態である開状態と、前記圧板が閉じた状態である閉状態とを検知する開閉検知手段と、をさらに備え、
前記切替手段は、前記開閉検知手段により前記開状態が検知された場合、前記読取モードを前記モノクロモードに切り替えることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記読取手段は、前記開閉検知手段により前記閉状態が検知された場合、前記モノクロラインセンサにより前記原稿を読み取ることを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記開閉検知手段により前記開状態が検知された場合、前記原稿サイズの検知を開始する位置である原稿サイズ検知位置に前記光源を移動させる駆動手段をさらに備えることを特徴とする請求項2または3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記読取手段により出力された信号に基づいて前記原稿サイズを判定するサイズ判定手段をさらに備え、
前記切替手段は、前記サイズ判定手段により前記原稿サイズが判定された後、利用者により指定された前記読取モードに切り替えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の画像読取装置。
【請求項6】
電源投入時に、前記光源を前記読取モードそれぞれに対応した光量に調整する光量調整を行い、前記サイズ判定手段により前記原稿サイズが判定された後、前記光源の光量を電源投入時の前記光量調整により調整した値に設定する光源制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項5に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記光源制御手段は、前記開閉検知手段により前記閉状態が検知された場合、前記光源の光量を電源投入時の前記光量調整により調整した値から一律に低減した値に設定することを特徴とする請求項6に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記読取手段による前記原稿サイズの検知回数をカウントするカウント手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載の画像読取装置。
【請求項9】
画像読取装置で実行される画像読取方法であって、
前記画像読取装置は、原稿に対して光を照射する光源と、前記原稿を無彩として読み取るモノクロラインセンサと、前記原稿を有彩として読み取る複数のカラーラインセンサとを有し、前記原稿からの前記光の反射光を電気信号に変換して、前記原稿を読み取る読取手段とを備え、
主走査方向の原稿サイズを検知する場合、前記モノクロラインセンサおよび前記カラーラインセンサのいずれのラインセンサにより前記原稿を読み取るかを示す読取モードを、前記モノクロラインセンサにより前記原稿を読み取るモノクロモードに切り替える切替工程を含むことを特徴とする画像読取方法。
【請求項10】
原稿に対して光を照射する光源と、前記原稿を無彩として読み取るモノクロラインセンサと、前記原稿を有彩として読み取る複数のカラーラインセンサとを有し、前記原稿からの前記光の反射光を電気信号に変換して、前記原稿を読み取る読取手段とを備える画像読取装置を、
主走査方向の原稿サイズを検知する場合、前記モノクロラインセンサおよび前記カラーラインセンサのいずれのラインセンサにより前記原稿を読み取るかを示す読取モードを、前記モノクロラインセンサにより前記原稿を読み取るモノクロモードに切り替える切替手段
として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−26657(P2013−26657A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156492(P2011−156492)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】