説明

画像読取装置の機能設定の確認方法

【課題】
原稿の読み取りの開始手順を簡略化するために、画像読み取り装置の機能ボタンに割り付けるためのジョブを、情報処理装置で複数登録できても、装置構成が単純化している小型の読み取り装置では、表示器が制限されているため、機能ボタンに割り当てたジョブを、オペレータが確認できない問題があった。また、ジョブが変更されてもそれをスキャナを操作するオペレータが確認できなかった。
【解決手段】
登録されたジョブを変更した場合、前回印刷したときにおける一覧と比較し、違いがあった場合は、オペレータに違いがあることを通知し、画像読み取り装置に貼り付け可能なサイズで、登録されたジョブの一覧を表にして印刷することが可能な画像読み取り機能確認システムを提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿の画像を読み取り、画像データを出力する画像読み取り装置から出力される画像データを入力する情報処理装置において、画像読取装置の機能設定の確認方法に関するのものである。
【背景技術】
【0002】
従来、原稿の読み取りを行う画像読取装置において、原稿の読み取りが行われる前に、オペレータが、画像読取装置に接続されたホストコンピュータ等の情報処理装置内のスキャナドライバや画像キャプチャアプリケーションを利用して、原稿画像読み取り時の解像度、画像サイズ、およびファイル形式などの設定を行ったうえで、読み取りを開始する。
【0003】
この際の画像読み取り開始の指示を情報処理装置からではなく、画像読取装置から行えるようにしたものとして、特許文献1がある。特許文献1によると、画像読取装置から読み取り開始ボタンを押下すると、情報処理装置が連動し、予め情報処理装置に設定されているジョブに基づいた原稿の読み取りと、読み取られた画像の処理を実行できるようにしている。
【0004】
また、このような画像読取システムでは、情報処理装置に複数登録されているジョブを、画像読取装置に設けられた複数のボタン(ボタンは表示によるものでも良い)と予め複数対応付けておけるようにしたものも知られている。
【特許文献1】特許第3428435号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、原稿を電子データで扱う業務が増加するに伴い、オフィスにおいて机の上に置いて使用するオフィスユーザを対象とした、小型で機能を絞った読み取り装置の需要が増している。この種の画像読取装置は、装置構成を単純化するために表示器が制限されているものがある。
そのため、原稿読み取り手順を簡略化して、画像読取装置のジョブを情報処理装置で予め複数登録できて、かつ画像読取装置のボタンに割り振っておくことができても、ボタンに割り当てたジョブ内容をオペレータが画像読取装置において直接確認できない問題があった。
【0006】
また、情報処理装置に登録したジョブの設定値を変更した場合に、オペレータが変更を確認できず、変更された設定値を認識しないまま、画像読取装置からの指示で画像の読み取りを開始してしまうことがあった。

【0007】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、表示器が制限された画像読取装置においても、容易に機能設定を確認できるようにすることで、読み取り作業を向上することができる画像読み取り機能確認方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決し目的を達成するために、本発明による画像読取装置の機能設定の確認方法は、画像読取装置に複数の機能を設定し、前記複数の機能の設定情報を登録する機能設定登録手段を有する情報処理装置において、
前記機能設定登録手段に登録された機能設定情報を、前記画像読取装置および前記情報処理装置の少なくとも一方からの指示により出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示器が制限された画像読取装置であっても、容易に機能設定を確認できて、原稿の読み取り作業を向上することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明による画像読み取り機能確認方法を適用した一例の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図1は本実施形態における画像読み取りシステムの概略を示すブロック図である。画像読取装置としての本実施形態におけるスキャナ101は、情報処理装置110と接続する周知の汎用の接続インターフェースを備えるオートドキュメントフィーダー(ADF)型の装置である。スキャナ101は汎用の通信ケーブル108を介して、情報処理装置110と接続される。
【0012】
スキャナ101は、操作パネル103の指示に従って、原稿台107に置かれた原稿を原稿挿入口104から取り込み、原稿の搬送路である給紙口カバー102裏面に取り付けられた図示しない給紙ローラにより原稿を搬送する。図示していない画像読み取りセンサにより原稿の画像データが読み取られ、原稿排出口105より原稿を排出する。カバー開閉つまみ106は、原稿の紙詰まりなどが発生したときに原稿を取り除くときや、図示しない給紙ローラを交換するときなどに、給紙口カバー102を開閉するためのものである。
【0013】
情報処理装置としての本実施形態におけるパーソナルコンピュータ(以下PCと記す)には、ソフトウェアとして、PCのOSプログラムや、PC接続のスキャナの情報や画像データを読み込むドライバソフトウェアを備える。また、スキャナから読み込んだ画像データを表示装置111へ表示したり、画像データを編集したりするソフトウェアや、メールソフトウェアや、画像データを指定のフォルダへ保存したりするソフトウェアや、プリンタ114へ出力するソフトウェアからなるアプリケーションソフトウェア群を有する。
ハードウェアとしては、それらプログラムやデータを格納するRAMや、OSやアプリケーションが格納されたHDD、各種処理を行うCPUを搭載したマザーボードを備える。また、PCには処理内容を表示する表示装置111やキーボード112、ポインティングデバイス113などが接続されている。
【0014】
図2は本実施形態におけるスキャナ101上の操作パネル103の外観を示す図である。後述のようにPC110にて複数登録した画像読み取りに関する機能は、本実施形態では、スキャナ101上では番号によって割り当てられる。操作パネル103は、機能が割り当てられたジョブ番号を表示する7セグメントLED201と、機能が割り当てられたジョブ番号を選ぶための選択ボタン202、203を有する。また、原稿の画像読み取りを開始させるためのスタートボタン204と、画像読み取りを停止させるためのストップボタン205とを有し構成されている。なお、選択ボタン202が押下されるたびに、7セグメントLEDに、1、2、3、・・・9と番号をカウントアップして表示し、選択ボタン203が押下されるたびに、7セグメントLEDに、9、8、7、・・・1と番号をカウントダウンして表示する。画像読み取りの開始は、選択ボタン202、203を押下してジョブ番号を選択した上で、スタートボタン204を押下することによって読み取りを開始する。なお、本実施形態においては、ジョブ機能は1〜9の9つまで登録可能に設定されており、また、それらのジョブの機能とは別に、0番が選択可能で、これには後述するジョブ一覧の出力の指令を、PC110側に送信する機能が予め設定されている。
【0015】
図3は、本実施形態におけるスキャナ101の構成を示すブロック図である。スキャナ101は、情報を伝達するシステムバス305と、ADFスキャナ部306にスキャン動作を
指示する処理を実行するCPU301と、ADFスキャナ部306にスキャン動作を指示する処理や読み
取り機能の設定情報などの各種データなどを格納する不揮発性の記憶媒体(本実施例ではフラッシュメモ
リとする)303とを有する。また、302は読み取られた画像データや各種のデータやプログラムなどを一時的に蓄積する
RAM、304はオペレータからのスキャン指示や各種設定情報の読み取り指令や書き込み指令をCPU301に伝えたり、読み込まれた画像データをPCに送信する外部通信I/Fである。ADFスキャナ306はCPU301の指示によって画像を読み取ってRAM302に保存する。308は操作パネル103上に配置された7セグメントLEDの表示を制御するLED制御部で、307はLEDに表示されるジョブ番号を選ぶための選択ボタンを制御するスイッチ制御部である。
【0016】


図4は本発明に関するPC110のソフトウェア構成を示す図である。401はオペレーティングシステム(OS)である。402はデバイスドライバであり、PCに接続されているスキャナ101との接続を管理する。403はスキャナ101から画像を読み取る画像入力用ドライバであり、デバイスドライバ402を介してスキャナを制御する。汎用アプリケーションは、画像入力用ドライバ403を経由してスキャナ101から画像を取得することができる。
【0017】
404はスキャンユーティリティであり、スキャンユーティリティ404(機能設定情報登録手段)はスキャナ101の指令ボタンと連動して画像の読み取りを行う。405はスキャナの状態を確認する状態確認モジュールである。状態確認モジュール405はOS401起動時に起動し、一定時間毎にスキャナ101の状態情報を、デバイスドライバ402を介して読み取る。この際、スキャナ101から読み取った状態情報の中にスタートボタン204押下の情報が存在する場合は状態確認モジュール405がスキャンユーティリティ404を起動する。
【0018】
これにより起動したスキャンユーティリティ404は、スキャナ101からのジョブ番号情報を読み取り、予め登録され割り当てられているジョブに基づき、画像入力用ドライバ403を介してスキャナ101から画像の読み取りを行う。スキャナからの番号情報が0番である場合には、指定されたプリンタへのジョブ一覧の出力を行う。
あるいはスキャンユーティリティ404の起動は、PC110でジョブ機能の設定を編集する場合など、PC110側からの操作によっても起動する。
【0019】
スキャナに関するジョブの設定は、PC110の操作によりスキャンユーティリティ404を起動することによって変更することができる。図5は、PC110の操作により起動・表示される、本実施例におけるスキャンユーティリティ404のメイン画面である。図6は、図5に表示されるジョブ設定を編集・登録するための画面である。図7は、スキャナに関する設定を編集する設定画面である。なお、本実施例の設定表示画面は一例であり、必要に応じて変更可能である。
【0020】
図5に示す画面では、現在登録されているジョブ機能の設定が表示される。
501は、登録されたジョブの一覧を表示するリストである。表示はリスト形式になっており、第1列目にはジョブ番号が表示されている。この番号は、スキャナ101のLED201に表示されるジョブ番号と対応しており、本実施形態では1から9までの9行が表示される。
【0021】
リスト501の第2列目は、登録されたジョブのタイトルを表示している。
リスト501の第3列目は、登録したジョブの機能を表示している。本実施例では、画像の読み取り後に読み取った画像を処理するジョブの機能の一例として、ファイルを指定フォルダに保存する「ファイル保存」と、ファイルをメーラーに添付する「メール添付」と、指定プリンタで印刷する「印刷」が設定可能である。しかしこれに限らずその他周知の汎用の機能が設定可能である。また、PCによる、設定された画像処理のシステムについては、既知の方法や上記特許文献に記載の方法を採用することができる。
【0022】
502は、リスト501で選択されているジョブについての、スキャナの設定情報を表示するスキャナ設定表示部である。
503は、リスト501で選択されているジョブの機能についての設定情報を表示する機能設定表示部である。504は、スキャンユーティリティ404を閉じるボタンである。
【0023】
505はメニューバーであり、スキャンユーティリティ404に関わる操作のメニューがまとめられている。図5のリスト501で編集したいジョブ番号を選択して、メニューバー505中の「登録情報の編集」の項目を選択することによって、選択しているジョブ番号に関する設定情報を編集(変更)することができる。
【0024】
図6に示す画面は図5のメイン画面上に別ウィンドウとして表示され、本実施例では図5のリスト501および機能設定表示部503に表示される機能に関する編集が行える。図6において、601は、ジョブのジョブタイトルを入力するエディットボックスである。602は機能選択コンボボックスであり、ファイル保存/メール添付/印刷を選択する。603は、図7のスキャナに関する設定画面を表示する設定ボタンである。
【0025】
図6中、605以下は、選択されているジョブ機能に関する設定を行う設定部で、「ファイル保存」の機能が選択されている場合においては、同図のような設定項目が表示される。605はスキャン画像を保存するフォルダを入力するエディットボックスであり、604の参照ボタンで保存するフォルダを選択することができる。606は保存するスキャン画像のファイル名を入力するエディットボックスである。607は保存するスキャン画像のファイル形式を選択するコンボボックスであり、TIFFやJPEG等のファイル形式を選択できる。
他にも設定ボタン608を押下すると、607で選択したファイル形式の圧縮率などの、より詳細な設定が行うことができ、609のアクセス権の設定ボタンを押下すると、605で指定されたフォルダにアクセスする際に必要なアクセス権の設定を行うことができる。なお、605部分は、編集・登録が選択されているジョブ機能によって、それに適した項目が編集可能に表示される。図6ではファイル保存のジョブに対応して保存場所が編集可能であるが、例えば、メール添付のジョブについて編集・登録が選択されている場合には、送信先アドレスの入力部として表示される。
【0026】
図7は、図6の設定ボタン603を押下すると 図6の画面上に別ウィンドウとして表示されるスキャナに関する設定画面であり、図5のスキャナの設定表示部502に表示される項目を設定する設定画面である。
701は、スキャン画像のモードを選択するコンボボックスであり、白黒/グレー/カラーなどのモードを選択する。702は、原稿サイズを選択するコンボボックスであり、A4/A5/B5/レターなどの用紙サイズを選択する。703は、読み取り解像度を選択するコンボボックスであり、100dpi/200dpi/300dpi/400dpi/600dpiなどの解像度を選択する。704は、読み取り面の選択をするコンボボックスであり、片面/両面/白紙スキップなどを選択する。
【0027】
上述のようにオペレータが登録情報についての編集を完了すると、図7の保存ボタンを押して図7に示す設定画面を閉じ、図6のOKボタンを押下して図6示す設定画面を閉じることにより、ジョブ設定の編集・登録が完了する。
【0028】
また、メニューバー505中の「ジョブ一覧の印刷」を選択すると、リスト501に表示されている内容を一覧表にして、指定したプリンタから印刷することができる。また、PC110からのジョブ一覧の印刷は、メニューバー505からの指示によって行われるほかにも、後述の、図10におけるステップS1005で印刷実行を選択することによっても行われる。
【0029】
印刷する表のサイズは、サイズの情報を予めスキャンユーティリティ404に保持しておくことができ、その情報を基に表を作成する。図8は、スキャンユーティリティ404によって登録されたジョブの一覧を印刷した時の概略図である。印刷内容については、本実施例では、第1列目にはジョブ番号、第2列目にはジョブタイトル、第3列目にはジョブの機能を表示している。
【0030】
図8に示した印刷したジョブ一覧を、給紙口カバー102上に貼り付けた状態を図9に示す。図9のように、ジョブ一覧をスキャナの操作パネル103の近くに貼り付け可能なサイズに印刷する際に、ジョブタイトルなどの文言が長く、印刷する表の枠に入りきれない時は、802に示すように枠に入るように文言を詰めて印刷する。
また、リスト501に表示する内容は、メニューバー505中の「表示項目の設定」から、スキャナ設定表示部502、機能設定表示部503の内容も含めて、リスト中に追加や削除ができる。なお印刷する表のサイズは、指定されたプリンタへ出力するソフトウェアから設定しても良い。
【0031】
ジョブ一覧を印刷しておくことにより、オペレータは印刷された紙をスキャナ101のそばに置いてジョブ内容を確認しながら、使用に適した機能が登録されているジョブ番号を選択することができる。これによってオペレータは、表示器が制限されたスキャナにおいても、PC110上でジョブ機能の番号への割り当てを確認する手間をかけずに、スキャナ101を操作するだけで原稿の読み取りを実行することができる。
【0032】
ところが、ジョブ登録を行ったオペレータが、登録後にジョブ一覧を出力しなかった場合、スキャンユーティリティ404に登録されている現在のジョブ設定と、前回最後にジョブ一覧が印刷されたときのジョブ設定とが異なってしまう。そのため、特にスキャナ101を共有するオペレータがいる場合などに、スキャナ101を操作して原稿の読み取りを行う際、印刷されているジョブ一覧の内容が変更されていることを認識せずに画像読み取りを実行してしまうのを防ぐために、ジョブ一覧の変更をオペレータに通知する必要がある。
【0033】
スキャンユーティリティ404は、PCに登録されたジョブ機能の内容や、変更が容易に確認できるように、以下の処理を行う。図10は、本実施形態におけるスキャンユーティリティ404の処理を示すフローチャートである。
【0034】
PC110を操作してスキャンユーティリティ404を起動するか、スキャナ101を操作して、ジョブ番号を選択した上でスタートボタン204を押下することによって、スキャンユーティリティ404が起動される。
スキャンユーティリティ404が起動されると、ステップS1001でジョブ編集の有無を確認する。
【0035】
スキャンユーティリティ404の起動がPC110からの起動である場合には、オペレータが編集を行わなければそのままステップS1003に進む。オペレータが編集を行えばステップS1002に進み、ジョブ設定の編集を受けつけ、ジョブ設定を登録してステップS1003に進む。このときのジョブ設定の編集は、上述のように図5のメイン画面から行うことができる。

スキャナ101からの起動である場合には、自動的にジョブ編集なしの判断となりステップS1003に進む。
【0036】
ステップS1003で、スキャンユーティリティ404は、最後にジョブの編集・登録が行われたより後に、ジョブ一覧が出力されたかどうか、つまりスキャンユーティリティ404に現在登録されているジョブ設定が、最後に一覧が印刷されたときのジョブ設定から変更されていないか否かを判定する。このときのスキャンユーティリティ404による、ジョブ一覧が出力済みか否かの判断は、次のように行うことができる。
【0037】
上述のようにPC110上でジョブ設定が編集・登録されると、登録されたジョブ一覧に関するデータのハッシュ値Aを生成し、スキャンユーティリティ404がPC110内に管理するエリアに記録しておく。既に設定値が記憶されている場合には、本設定により生成されたハッシュ値に更新する。なお本実施例でいうジョブ設定の登録終了とは、図7上での設定が保存されて図7のウィンドウが閉じられた状態で、図6上の設定が完了してウィンドウが閉じられたときとする。
【0038】
さらに、オペレータの指示によりPC110から指定されたプリンタへのジョブ一覧の出力を実行すると、スキャンユーティリティ404は、印刷を実行した時点でのジョブ一覧に関するデータのハッシュ値Bを生成し、スキャンユーティリティ404がPC110内に管理するエリアに記録する。既に設定値が記憶されている場合には、本出力により生成されたハッシュ値に更新する。
すなわち、このスキャンユーティリティ404がPC110内に管理するエリアには、上述のように登録された現在のジョブ一覧のハッシュ値Aと、ジョブ一覧が最後に印刷された時点でのジョブ一覧のハッシュ値Bと、の2つが記憶されている。
【0039】
そして、最後にジョブの編集・登録が行われたより後に、ジョブ一覧が出力されていないかどうかの検出は、これらの二つのハッシュ値、すなわち現在のハッシュ値Aと、印刷実行時のハッシュ値Bとを比較し差分を検出することによって行うことができる。
【0040】
このような比較により、最後にジョブの編集・登録が行われたより後にジョブ一覧が出力済みであると判定した場合には、ステップS1005に進む。このときジョブ一覧が既に出力済みであっても、PC110からの操作であれば再びジョブ一覧の出力を受けつけることは可能である。
【0041】
一方、最後にジョブの編集・登録が行われたより後に、ジョブ一覧がまだ出力されていないと判定した場合には、ステップS1004に進む。ステップS1004では、スキャンユーティリティ404に現在登録されているジョブ設定が、最後に印刷されたときのジョブ一覧におけるジョブ設定から変更されていることをオペレータに通知する。
【0042】
このときのオペレータへのジョブ変更の通知は、単にジョブに変更があったことだけを通知して、変更内容の確認を促すようにしても良いが、より具体的に、変更のあったジョブ番号が識別可能なように表示した方がより好ましい。
PC110上であれば、表示画面上にそのような通知を表示すればよい。スキャナ101による通知であれば、例えば、ジョブ変更のランプ点灯をしたり、あるいは変更された設定値を含むジョブ番号をLED201上に点滅して表示したりすることで具体的なジョブ番号が識別できる。これによって、オペレータはジョブに変更があったことをスキャナ側から直接確認することができる。
【0043】
次にステップS1005に進み、オペレータからジョブ一覧の出力指示があるか否かを確認する。このときの出力確認は、PC110上であれば、上述のステップS1001からの処理を踏まえて、ジョブ設定の編集が行われた流れの場合なら、編集・登録を終了すると、同時にジョブ一覧を出力するか否かオペレータに確認する表示をしても良い。ジョブ設定の編集が行われていない場合(起動時など)でも、ジョブ設定の変更を知らせる表示を行うとともにジョブ一覧を出力するか否か確認する表示をする。変更が検出されない場合でも出力指示があるか確認する。
スキャナ101による出力確認であれば、次のように行うことができる。S1004のジョブ設定の変更通知をし続けている状態で、オペレータがスタートボタン204を押すことにより、PC110へジョブ一覧の出力指示を行うこととする。変更が通知されている状態で、オペレータがキャンセルボタン205を押すことにより、ジョブ一覧を出力しないこととする。スキャナ101を操作するオペレータはジョブ設定変更の通知を受けて、原稿読み取りの実行前に、スキャナの操作上でジョブ一覧を出力してジョブ内容を確認するかどうかを選択することができる。
【0044】
このステップS1005で、オペレータがジョブ一覧を出力しないことを選択した場合には、ステップS1007に進む。
オペレータからのジョブ一覧の出力指示があった場合には、上述のような表にしてジョブ一覧を指定されたプリンタから出力する。またこのとき出力に伴い、スキャンユーティリティ404は、今回出力したジョブ一覧に関するデータのハッシュ値B´を生成し、上述のように記憶したハッシュ値Bについて、値を更新する。この更新については、PC110上で印刷指示される場合と、スキャナ101からの印刷指示であるとを問わず、前回のジョブ一覧印刷時点でのハッシュ値について更新するものである。この出力およびハッシュ値更新の後、ステップS1007に進む。
【0045】
また、スキャンユーティリティ404がスキャナ101からの起動である場合でジョブの変更を検出しなかった場合には、自動的にS1007に進む。ステップS1007では、スキャナ101による原稿の読み取りと読み取り画像のPC110への出力ならびにスキャナ101からの画像の読み取りを開始するかどうかを確認する。上述の一連の操作がスキャナ101の操作による場合には、自動的にステップS1008に進み、スキャナ101では押下された番号情報に基づき原稿の読み取りを開始するとともに、PC110では出力された画像を読み取り、処理を終了する。
上述の操作がPC110の操作による場合には、本実施例では、PC110のスキャンユーティリティ404には画像の読み取り開始の指示ボタンを設けていないため、自動的にステップS1007は画像読み取りしないの判断となり、処理を終了する。しかし、スキャンユーティリティ404のメイン画面上にも画像の読み取り開始の指示ボタンを設けて、その指示ボタンの押下の有無から読み取りを開始するかどうかを確認するようにしても良い。
【0046】
次に、図11を用いて、オペレータによるスキャナ101の操作によりPC110と連動して行う、スキャナ101の処理について説明する。
【0047】
スキャナ101の電源ボタンを入れスキャナ101が起動されると、ステップS1101で、スキャナ101のLED201に、PC110で登録された機能が割り当てられたジョブ番号を表示する。オペレータの選択ボタン202、203押下の操作により番号が選択され、選択ボタン押下に応じた番号の表示をする。
【0048】
次にステップS1102で、使用する番号が選択された状態で、スタートボタンが押下されたか判定する。スタートボタンが押下された場合には、ステップS1103に進み、選択された番号情報をPC110側に送る。このときPC110では、スキャンユーティリティ404が起動されて、上述のように、現在のジョブ一覧のハッシュ値Aと、ジョブ一覧が印刷された時点でのハッシュ値Bとの比較により、現在登録されているジョブ一覧の設定と、前回ジョブ一覧が印刷された時のジョブ一覧の設定に変更がないかの検出が行なわれる。
【0049】
そのためスキャナ101では、ステップS1104で、PC110からのジョブ変更の有無を確認し、変更なしの情報を受取った場合には、ステップS1108に進み、原稿の読み取りを開始するとともに、画像データをPC110に出力し、処理を終了する。
【0050】
PC110からジョブ変更ありの情報を受取った場合には、スキャナ101はステップS1105に進み、上述のようにこの変更情報に基づき、登録されている現在のジョブ一覧の設定内容が、前回ジョブ一覧が印刷された時点でのジョブ一覧の設定内容から変更されたことをオペレータに通知する。
【0051】
このようにジョブ変更表示がされている状態で、スキャナ101は、次にステップS1106に進み、ジョブ一覧の出力を行うかどうか確認する。上述のように、ジョブ変更が表示されている状態で、オペレータが再びスタートボタン204を押すことにより、PC110へのジョブ一覧印刷の指示とする。また、ジョブ変更が通知されている状態で、オペレータがキャンセルボタン205を押すことにより、ジョブ一覧を印刷しないこととする。
【0052】
上記何れかの処理の後、原稿読み取りを続行し、読み取った画像データをPC110に出力して処理を終了する。このような流れによってオペレータはジョブ一覧の印刷を、PC110の操作によらず、スキャナ101側から指示できるようになり、ジョブ設定の確認が容易になり、読み取り作業を向上することできる。
【0053】
先の図10のステップS1005で、ジョブに変更があってもオペレータがジョブ一覧の印刷を指示しなかった場合には、上述のように処理を行うため、ハッシュ値Bについては更新されない。そのため、スキャンユーティリティ404が別の機会に起動された際には再び、印刷されているジョブ一覧の設定値が、現在のジョブ一覧の設定値と変更されていることが検出できる。そのため、スキャナ101を共用する複数のオペレータがいる場合でも、印刷されているジョブ一覧上の設定に変更があることを認識しないまま画像読み取りを実行してしまうことを防止できる。
【0054】
なお、本実施形態では、スキャナ101のLEDについて、1桁の数字表示器で説明したが、それに限らず、複数桁の表示器でも良い。また、ジョブの割り当てを番号で表示し、番号を9個まで選択できるよう説明したが、番号でなくともよく、9個でなくても良い。
またスキャナ101の操作によるスキャンチューティリティ404の起動とこれによるジョブ一覧の変更検出は、スキャナ101のスタートボタンの押下によって起動するほかにも、スキャナ101の電源の入りを読み取ったときに起動し、上述のようなジョブ一覧変更の検出を行ってもよい。
また、上記実施例では、表示器を備えたスキャナを用いて説明したが、表示器がなく機能ボタンだけを備えたスキャナでも良い。この場合にも、ランプ点灯などによりスキャナ101でのオペレータへのジョブ変更の通知は可能である。
また、スキャンユーティリティによるジョブ一覧の出力は、プリンタへの出力による印刷に限らず、例えば、PCの操作と連動して表示可能で、スキャナのそばに設置可能な表示装置などに表示をさせることによっても良い。
【0055】
また、上記実施形態では、ホストコンピュータ214との画像転送インターフェースにUSBを用いたが、SCSIやFireWire等を用いてもよい。
また、上記実施形態では、シート状の原稿を搬送させて画像読み取りをおこなうシートフィード方式で説明をしたが、原稿台に原稿を置いて画像読み取りをおこなうフラットベッド方式でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明実施例に係る読み取りシステムの構成例を示す図である。
【図2】画像読み取り装置上の操作パネルの外観を示す図である。
【図3】画像読み取り装置のブロック図を示す。
【図4】制御ソフトの構成図を示す。
【図5】スキャンユーティリティのメイン画面を示す。
【図6】設定情報を登録または編集するための画面を示す。
【図7】スキャナの設定画面を示す。
【図8】設定情報の一覧を印刷した時の概略図を示す。
【図9】図8の一覧表を印刷して給紙口カバーに貼り付けたときの概略図を示す。
【図10】ジョブの設定・登録に伴うスキャンユーティリティの処理およびオペレータによるスキャナの操作に伴ったスキャンユーティリティの処理を示す。
【図11】スキャナのジョブの変更検知および変更通知を含む処理を示す。
【符号の説明】
【0057】
101:スキャナ
103:操作パネル
110:PC
114:プリンタ
201:7セグメントLED
202:選択ボタン
203:選択ボタン
204:スタートボタン
205:ストップボタン
304:外部I/F
305:システムバス
306:ADFスキャナ部
307:スイッチ制御部
308:LED制御部
401:OS
402:デバイスドライバ
403:画像入力用ドライバ
404:スキャナユーティリティ
405:状態確認モジュール
501:リスト
502:スキャナの設定表示部
503:機能設定表示部
505:メニューバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像読取装置に複数の機能を設定し、前記複数の機能の設定情報を登録する機能設定登録手段を有する情報処理装置において、
前記機能設定登録手段に登録された機能設定情報を、前記画像読取装置および前記情報処理装置の少なくとも一方からの指示により出力することを特徴とする画像読取装置の機能設定の確認方法。


【請求項2】
前記画像読取装置は、前記機能設定登録手段により割り当てられた機能が選択可能な選択手段を有し、前記情報処理装置の機能設定情報は前記選択手段により選択されることを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置の機能設定の確認方法。

【請求項3】
前記機能設定登録手段に登録された機能設定情報の有無を検知して、変更がある場合は前記画像読取装置および前記情報処理装置の少なくとも一方に通知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像読取装置の機能設定の確認方法。

【請求項4】
前記機能設定情報の出力を、前記画像読み取り装置からの指示によって行うことを特徴とする請求項1から請求項3の何れかに記載の画像読取装置の機能設定の確認方法。

【請求項5】
前記機能設定情報の出力は印刷装置による紙で行うことを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記載の画像読取装置の機能設定の確認方法。



【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate