説明

画像読取装置及びこれを備えた画像形成装置

【課題】コストアップを招くことなく、簡単な構成で光学フレーム内への異物の侵入を防ぐことができる画像読取装置を提供すること。
【解決手段】原稿を光照明する照明手段と、原稿からの反射光を結像させる結像レンズと、前記結像レンズによって結像された潜像を電気信号に変換する撮像素子を光学フレーム51内に収容して成る画像読取装置50において、前記光学フレーム51に形成された切欠き63や孔64,65を塞ぐ防塵フィルム66,67を前記光学フレーム51に貼付する。又、前記防塵フィル67ムを取り外しする光学フレーム51の箇所には前記防塵フィルム66をマジックテープによって貼付し、防塵フィルム67を取り外ししない光学フレーム51の箇所には前記防塵フィルム67を両面テープによって貼付する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿画像を光学的に読み取るための画像読取装置とこれを備えた画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式によって用紙等の記録材に画像を形成する複写機やプリンター等の画像形成装置には原稿画像を光学的に読み取るための画像読取装置が備えられている。この画像読取装置は、原稿を光照明する照明手段と、原稿からの反射光を結像させる結像レンズと、前記結像レンズによって結像された潜像を電気信号に変換する撮像素子を光学フレーム内に収容して構成されている。
【0003】
ところで、画像読取装置の光学フレームには読取光学系の組み立てや調整のための切欠きや孔が形成されており、その外側に外装カバーが設けられている。
【0004】
しかし、上記構成では、外装カバーと光学フレームの間の隙間と光学フレームに形成された切欠きや孔から光学フレーム内に異物が侵入し、この異物が光路を塞ぐことによって筋状の画像が発生する可能性がある。一般的に通常の環境下での異物の大きさは0.3mm程度であると言われている。このため、外装カバーと光学フレームの間の隙間が0.3mm以上であると、その隙間から異物が侵入し、この異物が光学フレームの切欠きや孔から光学フレーム内に侵入するために筋状の画像が発生する可能性がある。
【0005】
そこで、特許文献1には、ミラー取付部の隙間をポリエステルシートによって密閉する構成が提案されている。
【0006】
又、特許文献2には、シートガイドにスリットを有する原稿搬送装置と読取ユニットの間にシャッターを設け、このシャッターを読取ユニットの移動に連動して開閉させる構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平5−136939号公報
【特許文献2】特開2006−140577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1において提案された構成では、光学フレーム内への異物の侵入を防ぐ防塵対策が施されていないため、光学フレーム内に異物が侵入するという問題がある。又、異物は粉塵であるため、ポリエステルシートをミラー取付部のリブに貼り付けても、異物がミラーに付着する可能性がある。
【0009】
又、特許文献2において提案された構成では、シャッターを開閉させる機構が必要であるためにコストアップを免れず、原稿載置用コンタクトガラスの付近には異物侵入防止構造が設けられていないため、隙間から光学フレーム内に異物が侵入する可能性がある。
【0010】
本発明は上記問題に鑑みてなされたもので、その目的とする処は、コストアップを招くことなく、簡単な構成で光学フレーム内への異物の侵入を防ぐことができる画像読取装置及びこれを備えた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明は、原稿を光照明する照明手段と、原稿からの反射光を結像させる結像レンズと、前記結像レンズによって結像された潜像を電気信号に変換する撮像素子を光学フレーム内に収容して成る画像読取装置において、前記光学フレームに形成された切欠きや孔を塞ぐ防塵フィルムを前記光学フレームに貼付したことを特徴とする。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記防塵フィルムを取り外しする前記光学フレームの箇所には前記防塵フィルムを取り外し可能なテープによって貼付し、防塵フィルムを取り外ししない前記光学フレームの箇所には前記防塵フィルムを両面テープによって貼付したことを特徴とする。
【0013】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記防塵フィルムを取り外しする前記光学フレームの箇所には前記防塵フィルムをマジックテープ(登録商標)によって貼付し、防塵フィルムを取り外ししない前記光学フレームの箇所には前記防塵フィルムを両面テープによって貼付したことを特徴とする。
【0014】
請求項4記載の画像形成装置は、請求項1〜3の何れかに記載の画像読取装置を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1記載の発明によれば、光学フレームに形成された切欠きや孔が光学フレームに貼付された防塵フィルムによって塞がれるため、これらの切欠きや孔から光学フレーム内への異物の侵入が確実に防がれる。そして、このような効果は単に防塵フィルムを光学フレームに貼付するだけの簡単な構成によって得られるため、コストアップを招くことがない。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、防塵フィルムを取り外しする光学フレームの箇所には前記防塵フィルムを取り外し可能なマジックテープ(登録商標)等によって貼付するため、製造ラインや市場で読取光学部品を交換した後に組み立てや調整のために光学フレームに形成された切欠きや孔を再び使用するときには、マジックテープ(登録商標)等で貼付された防塵フィルムを光学フレームから簡単に剥がすことができ、組み立てや調整が済んだ後にはマジックテープ(登録商標)等によって防塵フィルムを光学フレームに再び簡単に貼付して切欠きや孔を塞ぐことができる。又、読取光学部品の組み立てや調整の際に再び使用されない切欠きや孔が形成された光学フレームの箇所は防塵フィルムを剥がす必要がないため、この防塵フィルムを両面テープによって光学フレームに簡単に貼り付けることができる。
【0017】
請求項3記載の発明によれば、画像読取装置の光学フレーム内への異物に侵入が防がれるため、異物が光路を塞ぐことによる筋状の画像の発生が防がれ、高質画像を安定的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る画像形成装置(複合機)の縦断面図である。
【図2】本発明に係る画像読取装置の副走査方向断面図である。
【図3】本発明に係る画像読取装置の光学フレームに斜視図である。
【図4】図3のA部拡大詳細図である。
【図5】図3のA部の防塵フィルム貼付前の状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0020】
[画像形成装置]
図1は本発明に係る画像形成装置の縦断面図であり、図示の画像形成装置は、複写機能とプリンター機能及びファクシミリ機能を兼備したカラー複合機であって、用紙の両面にカラー画像を形成することができる装置である。このカラー複合機は、装置本体100とその上部に配された自動原稿搬送装置40及び原稿読取装置50を備えており、装置本体100の内部上方には画像形成部1が配置されている。又、装置本体100内の下半部には用紙収納部70が配され、装置本体100内の画像形成部1と用紙収納部70の間には転写搬送ユニット80と両面搬送ユニット90が配されている。
【0021】
前記画像形成部1は、電子写真方式によって画像を形成するものであって、タンデムに配置されたマゼンタ画像形成ユニット1M、シアン画像形成ユニット1C、イエロー画像形成ユニット1Y及びブラック画像形成ユニット1Kを備えている。
【0022】
上記各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1Kには、像担持体である感光ドラム2a,2b,2c,2dがそれぞれ配置されており、各感光ドラム2a〜2dの周囲には、露光装置3a,3b,3c,3d、帯電器4a,4b,4c,4d、現像装置5a,5b,5c,5d、一次転写ローラー6a,6b,6c,5d及びクリーニング装置7a,7b,7c,7dがそれぞれ配置されている。
【0023】
ここで、前記感光ドラム2a〜2dは、ドラム状の感光体であって、不図示の駆動モーターによって図示矢印方向(反時計方向)に所定のプロセススピードで回転駆動される。又、前記露光装置3a〜3dは各色の画像信号に対応するレーザー光を各感光ドラム2a〜2dに向けて照射することによって各感光ドラム2a〜2d上に静電潜像を形成するものであり、前記帯電器4a〜4dは、不図示の帯電バイアス電源から印加される帯電バイアスによって感光ドラム2a〜2dの表面を所定の電位に均一に帯電させるものである。
【0024】
更に、前記現像装置5a〜5dは、マゼンタ(M)トナー、シアン(C)トナー、イエロー(Y)トナー、ブラック(K)トナーをそれぞれ収容しており、各感光ドラム2a〜2d上に形成された各静電潜像に各色のトナーを付着させて各静電潜像を各色のトナー像として可視像化するものである。
【0025】
又、前記一次転写ローラー6a〜6dは、各一次転写部にて無端状の中間転写ベルト8を介して各感光ドラム2a〜2dに当接可能に配置されている。ここで、中間転写ベルト8は、二次転写対向ローラー9と駆動ローラー10及び複数のテンションローラー11,12,13との間に張設されて各感光ドラム2a〜2dの下面側に図示矢印方向(時計方向)に走行可能に配置されており、前記二次転写対向ローラー9は、二次転写部において中間転写ベルト8を介して二次転写ローラー14に当接可能に配置されている。
【0026】
前記用紙収納部70は、複数枚の用紙が積層収容された着脱可能な3つの給紙カセット71,72,73を備えており、各給紙カセット71〜73の近傍には、各給紙カセット71〜73内の用紙を上位のものから順次取り出すピックローラー15と、取り出された用紙を1枚ずつ分離して送り出すフィードローラー16とリタードローラー17がそれぞれ配設されている。又、バイパストレイ74の近傍には、バイパス搬送手段としてのピックローラー15、フィードローラー16、リタードローラー17及び搬送ローラー18が設けられている。尚、図1において19は搬送ローラーである。
【0027】
前記転写搬送ユニット80は、用紙収納部70から送り出された用紙を適当なタイミングで画像形成部1へと搬送するとともに、画像形成部1において画像が形成された用紙を不図示の排紙トレイへと排出するものであって、用紙収納部70から二次転写部(二次転写対向ローラー9と二次転写ローラー14の当接部)に至る第1搬送経路L1に配置されたレジストローラー20、前記二次転写ローラー14、二次転写部から排紙手段としての後述の排紙ローラー24に至る第2搬送経路L2に設けられた搬送ベルト21、定着装置22と搬送ローラー23及び排紙ローラー24ーを備えている。ここて、定着装置22は、圧接状態で互いに回転する定着ローラー22aと加圧ローラー22bを備えている。
【0028】
又、転写搬送ユニット80は、画像形成装置本体100に対して着脱可能であって、前記転写搬送ユニット80には、第2搬送経路L2から分岐して両面搬送ユニット90の反転ローラー25と反転コロ26に至る横U字状の第3搬送経路L3が設けられており、その途中には搬送ローラー27が設けられている。又、転写搬送ユニット80には前記第3搬送経路L3とは別に反転搬送経路L3’が第2搬送経路L2から分岐して下方に延びており、その途中には搬送ローラー28が設けられている。そして、第2搬送経路L2と第3搬送経路L3との分岐部には、用紙の搬送方向を切り換えるためのフラッパ29が回動可能に設けられている。
【0029】
前記両面搬送ユニット90は、画像形成部1において画像が形成された用紙の表裏を反転させるものであって、前記第3搬送経路L3と反転搬送経路L3に連なる中間トレイ30とその下方に配された第4搬送経路L4を備えており、中間トレイ30には、正逆転可能な前記反転ローラー25と、前記反転ローラー25に対して圧接/離間する前記反転コロ26が設けられている。
【0030】
又、両面搬送ユニット90には大径の再給紙ローラー32が回転可能に設けられており、この再給紙ローラー32の外周には小径のローラー33,34が回転可能に当接している。尚、再給紙ローラー32には不図示の一方向クラッチが設けられている。そして、反転手段を構成する前記反転ローラー25と反転コロ26からは第1搬送経路L4が延びており、この第4搬送経路L4は前記第1搬送経路L1に合流している。
【0031】
上記第4搬送経路L4には、搬送ローラー35が用紙搬送方向に沿って複数設けられている。又、再給紙ローラー32の近傍には、中間トレイ30に一旦引き込まれた用紙の搬送方向を切り換えるためのフラッパ36が回動可能に設けられている。尚、本実施の形態では、両面搬送ユニット90の第4搬送経路L4には、2枚以上の用紙を保留可能な2つ以上の用紙保留位置が備えられている。
【0032】
次に、以上の構成を有するカラー複合機の画像形成動作について説明する。
【0033】
例えば、自動原稿搬送装置40の原稿トレイ41にセットされた図2に示す原稿が原稿読取部であるコンタクトガラス50a(図2参照)上に自動的に搬送され、その原稿Gの画像が原稿読取装置50によって光学的に読み取られる。
【0034】
上述のように原稿の画像が画像読取装置50によって光学的に読み取られると、画像形成部1においては、各画像形成ユニット1M,1C,1Y,1Kにおいて各感光ドラム2a〜2dが図示矢印方向(反時計方向)に所定のプロセススピードで回転駆動され、これらの感光ドラム2a〜2dは、帯電器4a〜4dによって一様に帯電される。又、露光装置3a〜3dは、原稿読取装置60によって読み取られた画像の各色毎の信号によって変調されたレーザー光を出射し、そのレーザー光を各感光ドラム2a〜2dの表面に照射し、各感光ドラム2a〜2d上に各色のカラー画像信号に対応した静電潜像をそれぞれ形成する。
【0035】
そして、先ず、マゼンタ画像形成ユニット1Mの感光ドラム2a上に形成された静電潜像に、前記感光ドラム2aの帯電極性と同極性の現像バイアスが印加された現像装置5aによってマゼンタトナーを付着させ、前記静電潜像をマゼンタトナー像として可視像化する。このマゼンタトナー像は、感光ドラム2aと一次転写ローラー6aとの間の一次転写部(転写ニップ部)において、トナーと逆極性の一次転写バイアスが印加された一次転写ローラー6aの作用によって、図示矢印方向に回転駆動されている中間転写ベルト8上に一次転写される。
【0036】
上述のようにしてマゼンタトナー像が一次転写された中間転写ベルト8は、次のシアン画像形成ユニット1Cへと移動する。そして、シアン画像形成ユニット1Cにおいても、前記と同様にして、感光ドラム2b上に形成されたシアントナー像が一次転写部において中間転写ベルト8上のマゼンタトナー像に重ねて転写される。
【0037】
以下同様にして、中間転写ベルト8上に重畳転写されたマゼンタ及びシアントナー像の上に、イエロー及びブラック画像形成ユニット1Y,1Kの各感光ドラム2c,2d上にそれぞれ形成されたイエロー及びブラックトナー像が各一次転写部において順次重ね合わせられ、中間転写ベルト8上にはフルカラーのトナー像が形成される。尚、中間転写ベルト8上に転写されないで各感光ドラム2a〜2d上に残留する転写残トナーは、各クリーニング装置7a〜7dによって除去され、各感光ドラム2a〜2dは次の画像形成に備えられる。
【0038】
他方、用紙収納部70の例えば給紙カセット72内に収容された用紙は、ピックローラー15によって最上位のものから1枚ずつピックアップされ、フィードローラー16とリタードローラー17によって1枚ずつ分離されて搬送ローラー19によって第1搬送経路路L1をレジストローラー20へと搬送される。そして、レジストローラー20においては、用紙は、一時待機状態とされた後、中間転写ベルト8上のトナー像に同期する所定のタイミングで二次転写対向ローラー9と二次転写ローラー14との当接部である二次転写部へと供給される。
【0039】
二次転写部においては、転写ベルト8上に担持されたフルカラーのトナー像が二次転写ローラー14の作用によって用紙の表面(第1面)上に一括転写される。そして、トナー像が転写された用紙は、搬送ベルト21によって定着装置22へと搬送され、この定着装置22の定着ローラー22aと加圧ローラー22b間の定着ニップを通過する過程で加熱及び加圧されてトナー像の定着を受ける。
【0040】
而して、定着装置22にて表面にトナー像が定着された用紙は、フェースアップ排紙(FU排紙)が選択されている場合には、フラッパ29によってその搬送方向が決定され、用紙は第2搬送経路L2をそのまま排紙ローラー24に向かって搬送され、排紙ローラー24によって画像面を上にして不図示の排紙トレイへと排出される。
【0041】
一方、フェースダウン排紙(FD排紙)又は両面画像モードが選択された場合には、フラッパ29が動作して用紙の搬送方向が切り換えられ、定着装置22を通過した用紙は横U字状の第3搬送経路L3を通って両面搬送ユニット90へと搬送される。
【0042】
両面搬送ユニット90においては、反転コロ26は反転ローラー25から離間した状態で待機しており、用紙が両面搬送ユニット90に或る一定以上送られると、反転コロ26は反転ローラー25に圧接される。このように反転コロ26が反転ローラー25に圧接されると、反転ローラー25が正転されて用紙が送られてきた方向に引き込まれ、用紙が或る一定以上引き込まれると反転ローラー25が逆転されて用紙がスイッチバックされて反転搬送経路L3’又は第4搬送経路L4へと送られる。即ち、フェースダウン排紙が選択されている場合には、フラッパ36によって用紙の搬送方向が反転搬送経路L3’へと切り換えられ、用紙は画像面を下にした状態で排紙ローラー24によって不図示の排紙トレイへと排出される。
【0043】
又、用紙の両面に画像を形成する場合には、フラッパ36によって用紙の搬送方向が第4面搬送経路L4の方向に切り換えられ、用紙は、再給紙ローラー32と搬送ローラー35によって第4搬送経路L4を画像面を上にして搬送され、第4搬送経路L4から第1搬送経路L1へと受け渡されることによって表裏が反転されて画像面を下にした状態でレジストローラー20へと送られる。そして、以後は前述と同様のプロセスを経て用紙の反対面(第2面)にトナー像が形成され、このトナー像が形成された用紙は、定着装置22によってトナー像の定着を受けた後に排紙ローラー対24によって不図示の排紙トレイへと排出され、前記用紙の両面に画像が形成される。
【0044】
尚、以上はカセット給紙を行う場合について説明したが、手差し給紙を行う場合には、バイパストレイ74上にセットされた用紙は、ピックローラー15によって最上位のものから1枚ずつピックアップされ、フィードローラー16とリタードローラー17によって1枚ずつ分離されて搬送ローラー18によって第1搬送経路L1をレジストローラー20へと搬送され、以後は前記と同様のプロセスを経て前記用紙に画像が形成される。
[画像読取装置]
次に、本発明に係る前記画像読取装置50の構成を図2〜図5に基づいて説明する。
【0045】
図2は本発明に係る画像読取装置の副走査方向断面図、図3は同画像読取装置の光学フレームに斜視図、図4は図3のA部拡大詳細図、図5は図3のA部の防塵フィルム貼付前の状態を示す斜視図である。
【0046】
図2に示すように、画像読取装置50は、筐体を構成する箱状構造体である光学フレーム51を備えており、この光学フレーム51の上面にはコンタクトガラス50aが設けられている。
【0047】
又、光学フレーム51の内部には、副走査方向に移動可能な第1及び第2移動キャリッジ52,53が収容されている。ここで、第1移動キャリッジ52には、コンタクトガラス50a上に載置された原稿Gを照明する照明部54と、原稿Gにて反射した読取光(反射光)を90°方向に反射させる第1反射ミラー55が設けられており、第2キャリッジ53には、第1反射ミラー55にて反射した反射光を90°方向に反射させる第2反射ミラー56と、前記第2反射ミラー56にて反射した反射光を更に90°方向に反射させる第3反射ミラー57が設けられており、これらの第1及び第2移動キャリッジ52,53は、不図示のガイドレールに沿って副走査方向(図2の左右方向)に移動する。
【0048】
更に、光学フレーム51の内部には結像レンズ58と撮像素子であるCCD59が収容されており、前記第3反射ミラー57にて反射した原稿Gからの読取光は、結像レンズ58によって収束した後にCCD59に入射し、前記CCD59上に結像される。
【0049】
ところで、図2に示すように、前記照明部54は、光源として主走査方向(図2の示す垂直方向)に列状(アレイ状)に配設された発光素子である複数のLED(発光ダイオード)60を使用するものであって、図示しないが、これらのLED60は主走査方向に細長いLED基板上に実装されている。そして、LED基板上のLED60の光出射方向前方(図2の左方)には主走査方向に長い導光体61が固定されている。この導光体61は、アクリル樹脂等の透明樹脂又はガラスによって構成されている。又、上記導光体61に対向する位置には、主走査方向に長いリフレクタ62が斜めに配置されている。
【0050】
次に、以上のように構成された原稿読取装置50の画像読取動作について説明する。
【0051】
例えば、図1に示す自動原稿搬送装置40の原稿トレイ41にセットされた原稿Gが原稿読取部であるコンタクトガラス50a上に自動的に搬送され、その原稿Gの画像が画像読取装置50によって光学的に読み取られる。
【0052】
即ち、第1移動キャリッジ52と第2移動キャリッジ53が不図示のガイドレールに沿って副走査方向(図2の左右方向)に移動しながらコンタクトガラス50a上に載置された原稿Gを走査すると、第1移動キャリッジ52のLED60から出射する光は導光体61に入射する。この導光体61内に入射した光は前記光体61を通過するが、導光体61から出射する光の一部は原稿Gに直接向かい、他の光はリフレクタ62にて反射した後に原稿Gに向かい、原稿Gはこれらの光によって照明される。そして、これらの光は原稿Gにて反射し、その反射光は、第1移動キャリッジ52の第1反射ミラー55にて90°方向に反射した後、第2移動キャリッジ53の第2反射ミラー56と第3反射ミラー57にて90°方向にそれぞれ反射し、結像レンズ58によって収束した後にCCD59に入射し、前記CCD59によって読み取られて電気信号に変換される。
【0053】
上述のようにして原稿Gの画像が画像読取装置50によって光学的に読み取られると、その電気信号が各露光装置3a〜3dへと送信され、各露光装置3a〜3dは、電気信号に基づくレーザー光を出力し、図1に示すカラー複合機において前述のような画像形成動作が行われてカラー画像が形成される。
【0054】
ところで、図3に示すように、光学フレーム51の上面の周囲には読取光学系の組み立てや調整のための切欠き63や孔64、65が形成されており、光学フレーム51の外側には不図示の外装カバーが設けれているが、この外装カバーと光学フレーム51の間の隙間から侵入した異物(大きさ約0.3mm以下の粉塵等)が光学フレーム51の切欠き63や孔64、65から光学フレーム51に入ると光路を塞いで筋状の画像が発生する可能性があることは前述の通りである。
【0055】
そこで、本実施の形態では、光学フレーム51に形成された切欠き63や孔64、65を塞ぐ防塵フィルム66,67を前記光学フレーム51に貼り付ける構成を採用している。ここで、光学フレーム51に形成された切欠き63や孔64(図3のA部)は、製造ラインや市場で読取光学部品を交換した後に組み立てや調整のために再び使用されるものであって、これらが形成された光学フレーム51の箇所は図5に示す状態から図4に示すように防塵フィルム66が不図示のマジックテープ(登録商標)によって取り外し可能に貼り付けられる。
【0056】
他方、光学フレーム51に形成された孔65は調整治具を嵌め込むためのものであって、再び使用されるものではないため、これらの孔65を塞ぐ防塵フィルム67は光学フレーム51に不図示の両面テープによって取り外し不能に貼り付けられる。
【0057】
以上のように、本実施の形態では、光学フレーム51に形成された切欠き63や孔64、65が光学フレーム51に貼付された防塵フィルム66、67によって塞がれるため、これらの切欠き63や孔64、65から光学フレーム51内への異物の侵入が防がれ、光学フレーム51の内部に浸入した異物が光路を塞ぐことによる筋状画像の発生が確実に防がれる。そして、このような効果は単に防塵フィルム66、67を光学フレーム51に貼り付けるだけの簡単な構成によって得られるため、コストアップを招くことがない。
【0058】
又、本実施の形態では、防塵フィルム66を取り外しする光学フレーム51の箇所には前記防塵フィルム66をマジックテープ(登録商標)によって貼り付けるため、製造ラインや市場で読取光学部品を交換した後に組み立てや調整のために光学フレーム51に形成された切欠き63や孔64を再び使用するときには、マジックテープ(登録商標)で貼り付けられた防塵フィルム66を光学フレーム51から簡単に剥がすことができ、組み立てや調整が済んだ後にはマジックテープ(登録商標)によって防塵フィルム66を光学フレーム51に再び簡単に貼り付けて切欠き63や孔64を塞ぐことができる。
【0059】
そして、読取光学部品の組み立てや調整の際に再び使用されない孔65が形成された光学フレーム51の箇所は防塵フィルム67を剥がす必要がないため、この防塵フィルム67を両面テープによって光学フレーム51に簡単に貼り付けることができる。
【0060】
尚、本実施の形態では、本発明をカラー複合機及びこれに備えられた画像読取装置に対して適用した例について説明したが、本発明は、単体としての複写機、プリンター、ファクシミリ等、他の任意の画像形成装置及びこれに備えられた画像読取装置に対しても同様に適用可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0061】
1 画像形成部
1M マゼンタ画像形成ユニット
1C シアン画像形成ユニット
1Y イエロー画像形成ユニット
1K ブラック画像形成ユニット
40 自動原稿搬送装置
50 原稿読取装置
50a コンタクトガラス
51 光学フレーム
52 第1キャリッジ
53 第2キャリッジ
54 照明部(照明手段)
55 第1反射ミラー
56 第2反射ミラー
57 第3反射ミラー
58 結像レンズ
59 CCD(撮像素子)
60 LED(光源)
61 導光体
62 リフレクタ
63 光学フレームの切欠き
64,65 光学フレームの孔
66,67 防塵フィルム
70 用紙収納部
80 転写搬送ユニット
90 両面搬送ユニット
100 画像形成装置本体


【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を光照明する照明手段と、原稿からの反射光を結像させる結像レンズと、前記結像レンズによって結像された潜像を電気信号に変換する撮像素子を光学フレーム内に収容して成る画像読取装置において、
前記光学フレームに形成された切欠きや孔を塞ぐ防塵フィルムを該光学フレームに貼付したことを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記防塵フィルムを取り外しする前記光学フレームの箇所には前記防塵フィルムを取り外し可能なテープによって貼付し、防塵フィルムを取り外ししない前記光学フレームの箇所には前記防塵フィルムを両面テープによって貼付したことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記防塵フィルムを取り外しする前記光学フレームの箇所には前記防塵フィルムをマジックテープによって貼付し、防塵フィルムを取り外ししない前記光学フレームの箇所には前記防塵フィルムを両面テープによって貼付したことを特徴とする請求項1記載の画像読取装置。
【請求項4】
請求項1〜3の何れかに記載の画像読取装置を備えることを特徴とする画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−209623(P2012−209623A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−71537(P2011−71537)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】