説明

画像読取装置及びシート材搬送装置

【課題】シート材を導入した導入部に拘わらず、共通の排出部からシート材を排出するシート材搬送装置を提供する。
【解決手段】シート材搬送装置は、導入部11のシート材を検出する検出センサ33と、導入部12aのシート材を検出する検出センサ8と、導入部11から導入部12aに至るシート材の搬送経路4と、搬送経路4に沿ってシート材を搬送するローラ32、52、72と、ローラ32、52、72を制御する主制御部202と、を備えており、主制御部202は、検出センサ8及び33の両方がシート材を検出している場合、シート材の搬送を禁止する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート状の媒体を搬送するシート材搬送技術に関する。
【背景技術】
【0002】
シート材搬送装置の一例として、積層されたシート状の媒体(シート材)を連続的に読み取ることができるADF(Auto Document Feeder)型の画像読取装置がある。ADF型の画像読取装置は、所定サイズのシート材を1枚ずつ分離して連続的に自動給紙して、画像の読み取り処理を行うことができることから、大量の媒体を自動的に搬送して読み取ることができる。
【0003】
画像読取装置を小型化するため、シート材の導入部から排出部までの搬送経路中に屈曲部を設ける構成が使用されている。しかし、比較的剛性が高い厚いシート材、例えばカード等を搬送する際には、このシート材が屈曲部の屈曲形状に沿って変形できずに搬送不良を起す恐れがある。
【0004】
このため、特許文献1は、比較的剛性が高いシート材を、排出部から手差しで給紙する画像読取装置を開示している。排出部から手差しで給紙したシート材は、屈曲部を経ずに副排紙部から排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−270954号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の構成において、副排紙部は、使用者からみて装置の反対側にあり、使用者は排出されたシートを回収するに当たり、装置の向こう側に手を伸ばす、または回り込むなどの煩わしい動作が必要になる。
【0007】
本発明は、排出部からの手差しが可能なシート材搬送装置であって、シート材を導入した導入部に拘わらず、共通の排出部からシート材を排出するシート材搬送装置を提供することにある。また、その様なシート材搬送装置を備えた画像読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のシート材搬送装置は、第1の導入部と、シート材の排出部を兼用する第2の導入部と、第1の導入部のシート材を検出する第1の検出手段と、第2の導入部のシート材を検出する第2の検出手段と、第1の導入部から第2の導入部に至るシート材の搬送経路と、搬送経路に沿ってシート材を搬送する搬送手段と、搬送手段を制御する制御手段とを備えており、制御手段は、第1の検出手段と第2の検出手段の両方がシート材を検出している場合、搬送手段によるシート材の搬送を禁止することを特徴とする。
【0009】
本発明の画像読取装置は、第1の導入部と、シート材の排出部を兼用する第2の導入部と、第1の導入部のシート材を検出する第1の検出手段と、第2の導入部のシート材を検出する第2の検出手段と、第1の導入部から第2の導入部に至るシート材の搬送経路と、搬送経路に沿ってシート材を搬送する搬送手段と、搬送経路を搬送されるシート材の画像を読み取る画像読取手段と、搬送手段を制御する制御手段と、を備えており、制御手段は、第1の検出手段と第2の検出手段の両方がシート材を検出している場合、搬送手段によるシート材の搬送を禁止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
第1の検出手段及び第2の検出手段が、それぞれ、シート材を検出している場合、制御手段は、搬送制御を行わない。これにより、例えば、各導入部にあるシート材が、共に、装置内部に取り込まれることを防ぐことができる。この構成により、シート材を導入した導入部に拘わらず、共通の排出部からシート材を排出するシート材搬送装置を提供することができ、使用者は排出されたシート材を容易に回収することができることになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態による画像読取装置の外観図。
【図2】本発明の一実施形態による画像読取装置の概略断面図。
【図3】本発明の一実施形態による画像読取装置の制御構成を示す図。
【図4】本発明の一実施形態によるシート材検出処理のフローチャート。
【図5】本発明の一実施形態によるシート材M2の画像読取処理のフローチャート。
【図6】本発明の一実施形態によるシート材M1の画像読取処理のフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下では、シート材搬送装置の一形態である画像読取装置に基づいて本発明の一実施形態の説明を行う。しかしながら、本発明は、他の形態のシート材搬送装置にも適用可能である。
【0013】
図1は、本発明の一実施形態による画像読取装置の外観図である。画像読取装置は、シート材M1(第1のシート材)及びシート材M2(第2のシート材)を搬送しながらその画像を読み取る機構を備えた搬送・読取部10と、その両側に配置された収容部20、21を備えている。収容部20には、例えば、図3の駆動部208が収容される。収容部21には、例えば、図3の主制御部202、ROM203、RAM204、A/D変換器206が収容される。
【0014】
シート材M1は、例えば紙類である。シート材M2は、例えば、シート材M1よりも幅が狭く、かつ、厚さが厚い媒体であり、例えばプラスチック製のカード類である。
【0015】
搬送・読取部10の一方の端部には、給紙トレイ111が開閉可能に設けられている。この給紙トレイ111を開いた状態においては、画像読取装置の上部端側にシート材M1を導入するための導入部11(第1の導入部)が開放される。一方、搬送・読取部10の他方の端部にはシート材M1が排出される排出部12が形成されている。この排出部12の一部は、例えば、本実施形態では、シート材M2が手差し等で導入される導入部12a(第2の導入部)を兼用している。本実施形態において、導入部12aは、排出部12の他の部分よりも上下の高さが拡大されている。
【0016】
図2は、図1の線I−Iに沿う画像読取装置の概略断面図である。図2に示す様に、導入部11には、本実施形態の場合、自動給紙装置(ADF)が配設されている。ADFは、複数枚のシート材M1が積載される給紙トレイ111と、給紙ローラ32と、分離パッド31と、を備えている。給紙ローラ32は、給紙トレイ111に積載されたシート材M1のうち最下層に位置するシート材M1を給送するものである。また、分離パッド31は、給紙ローラ32の外周面と接するように設けられている。給紙ローラ32の回転に伴って給送されるシート材M1を、この分離パッド31と給紙ローラ32の外周面との間に取り込むことで、1枚ずつ自動で分離して給送することができる。なお、導入部11の近傍には、給紙トレイ111上にシート材M1が置かれているか否かを検出する検出センサ33が配置されている。検出センサ33は、例えば、発光素子及び受光素子を含む光学式センサであり、発光素子から受光素子への光路を、シート材M1が遮断することによりシート材M1の存在を検出する。また、シート材M1の積載に連動するレーバー等の部材を設け、この部材が発光素子から受光素子への光路を遮断することによりシート材M1の存在を検出する構成であって良い。図3に示す様に、検出センサ33は、検出したシート材の有無を主制御部202に通知する。
【0017】
シート材M1、M2が搬送される搬送経路4は、搬送・読取部10の略全域に渡って配設されている。シート材の搬送機構は、搬送ローラ52及び従動ローラ51を備える搬送ローラ対と、搬送ローラ72及び従動ローラ71を備える搬送ローラ対と、を備える。
【0018】
これら各ローラは、搬送・読取部10の左右の幅方向に1又は複数設けられ、導入部11から導入されたシート材M1は、これらの搬送ローラ対によって、搬送経路4内を搬送されて、排出部12から排出される。なお、排出部12の近傍には、シート材の排出を検出するために検出センサ8が設けられている。図3に示す様に、検出センサ8は、検出したシート材の有無を主制御部202に通知する。
【0019】
導入部11から排出部12に至る搬送経路4の途中には画像読取部61、62が配設されている。画像読取部61、62は、搬送経路4を搬送されるシート材M1、M2からその画像を読み取るユニットであり、搬送・読取部10の左右の幅方向略全域に渡って延在している。画像読取部61、62は、例えば、光学的に走査し、電気信号に変換して画像データとして読取るものであり、内部にLED等の光源、イメージセンサ、レンズアレー等を備えている。また、画像読取部61、62の近傍、本実施形態においては、搬送ローラ52側には、シート材が画像読取部61、62により読み取ることができる位置にあることを判定するために検出センサ63が設けられている。図3に示す様に、検出センサ63は、検出したシート材の有無を主制御部202に通知する。
【0020】
画像読取部61は、搬送されるシート材M1、M2の上面を、画像読取部62は、搬送されるシート材M1、M2の下面を、それぞれ読み取るように、画像読取部61は搬送経路4の天部側に、画像読取部62は搬送経路4の底部側にそれぞれ配置されている。本実施形態では、このようにシート材M1、M2の両面を読み取る構成としているが、画像読取部61、62のいずれか一方を配して片面を読み取る構成としてもよい。
【0021】
ここで、上述したシート材M1の導入部11から排出部12への搬送にあっては、給紙ローラ32と搬送ローラ対(搬送ローラ52及び従動ローラ51)の間の屈曲部41でシート材M1を湾曲させて搬送させている。したがって、カード状の媒体(特に厚手の媒体、高剛性の媒体等)は搬送が困難となる。そこで、シート材M2については導入部12aから導入して画像読取部61、62へ搬送して画像を読み取り、再び、導入部12aから排出するようにしている。このようにシート材M1の搬送経路4を屈曲させることにより、画像読取装置の高さ寸法、奥行き寸法等を小さくでき、装置全体の小型化を図ることができる。なお、検出センサ8は、導入部12aにシート材M2が導入されたことを検出するためにも利用される。
【0022】
さらに、本実施形態においては、導入部12aから導入されたシート材M2が、屈曲部41を回避する様に、シート材M2を導入する退避経路44を設けている。図2において、退避経路44は、屈曲部41において搬送経路4から分岐する様に設けられているが、搬送ローラ52と屈曲部41との間から分岐する形態であっても良い。
【0023】
続いて、図3を用いて、本実施形態における画像読取装置の制御構成について説明する。駆動部208は、給紙ローラ32、搬送ローラ52及び72を回転させる、例えば、モータである。主制御部202は、ROM203に格納されたプログラムを実行して、画像読取装置の各部の制御を行う。なお、その際、RAM204を、画像データをはじめとする種々のデータの記憶領域として使用する。例えば、画像読取指示を、ホストPC212から受け取った場合、駆動部208を駆動して、シート材を画像読取部61、62の位置まで搬送する。なお、シート材が画像読取部61、62による読取位置に来たことは、検出センサ63の検出状態及び搬送時間から判定する。
【0024】
主制御部202の画像制御部210は、画像読取部61、62を制御して、シート材の画像を読み取る。読み取った画像信号は、A/D変換器206でデジタル信号に変換される。また、デジタル形式に変換された画像信号は、外部IF制御部211を介して上位装置であるホストPC212に転送される。なお、画像読取装置とホストPC212間のインタフェースは、例えば、USBであり、この場合には、ホストPC212から画像読取装置に電源を供給することができる。
【0025】
続いて、以下ではまず、シート材M1の搬送動作について説明する。主制御部202は、検出センサ33がシート材M1を検出しているときに、画像読取指示を受け取ると、シート材M1の搬送を開始する。まず、シート材M1は、分離パッド31及び給紙ローラ32により、1枚ずつ分離され搬送経路4に送られる。シート材M1は、その後、屈曲部41を通過して、搬送ローラ52により画像読取部61、62の位置に搬送される。画像読取部61、62による画像の読み取りのタイミングは、検出センサ63がシート材M1の先端を検出するタイミングから制御される。画像の読取が終了した後、シート材M1は、搬送ローラ72により排出部12から排出される。なお、画像の読取の終了は、検出センサ63がシート材M1の後端を検出するタイミングから判定される。なお、シート材M1の搬送において、給紙ローラ32、搬送ローラ52、72の回転方向は、同じであり、この回転方向を第1の回転方向と呼ぶ。
【0026】
続いて、導入部12aから導入されるシート材M2の搬送動作について説明する。検出センサ8が、シート材M2を検出している状態で、画像読取指示を受け取ると、主制御部202は、シート材M2の搬送を開始する。まず、主制御部202は、搬送ローラ52、72を第1の回転方向とは逆方向である第2の回転方向に回転させて、シート材M2を画像読取部61、62に向けて搬送する。画像読取部61、62により読み取られたシート材M2の先端部分は、搬送ローラ52により、退避経路44に導入される。なお、画像読取部61、62による画像の読み取りのタイミングは、駆動部208の回転量から、シート材M2の搬送距離を求めることにより判定する。シート材M2の後端部分の画像を読み取った後、主制御部202は、搬送ローラ52及び72の回転方向を第1の回転方向に切り替える。これにより、シート材M2は、排出部12から排出される。なお、シート材M2の画像を総て読み取ったことは、検出センサ63がシート材M2の後端を検出したタイミングにより判定する。
【0027】
なお、シート材M2の画像読取部61、62による読み取りは、退避経路44に向けて搬送中に一方の面を読み取り、排出部12に向けて搬送中に他方の面を読み取る構成であっても良い。また、退避経路44に向けて搬送中には読み取らず、排出部12に向けて搬送中に両面を読み取る構成であっても良い。
【0028】
本実施形態において、退避経路44は、屈曲部41から、排出部12とは、反対方向に、かつ、屈曲部41から排出部12に向かう搬送経路4の区間と、略直線状に形成される。退避経路44を設けることにより、搬送ローラ52から屈曲部41までの搬送経路を長くする必要がなくなり、装置が大きくなることを防ぐ効果がある。さらに、本実施形態においては、図2に示す様に、退避経路44を装置から貫通する様に設けている。この構成により、退避経路44をさらに短くすることができ、よって、装置をさらに小型化できる。この場合、シート材M2の先端部は、シート材M2の画像を読み取っている間、一次的に、退避経路44から装置外に突き出されることになる。なお、退避経路44を装置から貫通する様に設けるのではなく、装置内部で行き止まりとなる様に設ける構成であっても良い。
【0029】
続いて、図4を用いて、主制御部202が実行するシート材の検出処理を説明する。S1において、主制御部202は、給紙トレイ111のシート材M1を検出しているか否かを判定する。これは、検出センサ33(第1の検出部)の検出状態から判定する。シート材M1を検出していない場合、主制御部202は、S2において、シート材M2を検出しているか否かを判定する。これは、検出センサ8(第2の検出部)の検出状態から判定する。シート材M2も検出していない場合、主制御部202は、S3において、ホストPC212に原稿がないことを通知して、S1の処理に戻る。一方、S2において、シート材M2を検出している場合、主制御部202は、S4において、ホストPC212にシート材M2がセットされたことを通知し、S5においてシート材M2の読取指示待ち状態に遷移する。
【0030】
一方、S1において、シート材M1を検出している場合、主制御部202は、S6において、シート材M2を検出しているか否かを判定する。これは、検出センサ8の検出状態から判定する。シート材M2も検出している場合、主制御部202は、S9において、エラーをホストPC212に通知する。これは、例えば、この状態でシート材M2を搬送すると、シート材M2の読取後に、給紙ローラ32、搬送ローラ52及び72を第1の回転方向に回転させたとき、シート材M1も搬送経路に導入されシート材M1及びM2が衝突するからである。したがって、主制御部202は、この状態においては、搬送制御を禁止し、ホストPC212か画像の読取指示信号を受信したとしても、駆動部208の回転制御を行わない。
【0031】
S6において、シート材M2を検出していない場合、主制御部202は、S7において、ホストPC212にシート材M1がセットされたことを通知し、S8においてシート材M1の読取指示待ち状態に遷移する。
【0032】
図5は、シート材M2の読取指示待ち状態のときに、ホストPC212から読取指示信号を受信したときの主制御部202による画像読取制御フローである。S10において、主制御部202は、搬送ローラ52、72を第2の回転方向に回転させ、シート材M2を画像読取部61、62に向けて搬送する。S11において、主制御部202は、画像の読み取りを開始する。S12において、主制御部202は、検出センサ63がシート材M2の後端を検出するまで、シート材M2の搬送と画像の読み取りを継続する。シート材M2の後端を検出すると、主制御部202は、S13において、搬送ローラ52、72の駆動を停止し、S14において、搬送ローラ52、72を第1の回転方向に回転させる。なお、このとき、シート材M2の先端部分は、退避経路44に導入されている。その後、主制御部202は、検出センサ8がシート材M2の排出を検出するまで、搬送ローラ52、72の第1の回転方向の回転を継続させる。
【0033】
図6は、シート材1の読取指示待ち状態のときに、ホストPC212から読取指示信号を受信したときの主制御部202による画像読取制御フローである。S20において、主制御部202は、搬送ローラ52、72を第1の回転方向に回転させ、シート材M1を画像読取部61、62に向けて搬送する。S21において、主制御部202は、検出センサ63がシート材M1の先端を検出するまで待機する。検出センサ63が、シート材M1の先端を検出すると、主制御部202は、S22において、シート材M1の画像の読み取りを開始する。その後、主制御部202は、S24において、検出センサ8がシート材M2の排出を検出するまで、搬送ローラ52、72の第1の方向の回転を継続させる。
【0034】
なお、図5に示す処理中に、シート材M1を検出センサ33が検出した場合、主制御部202は、ホストPCにエラーを通知し、搬送制御を停止する。つまり、主制御部202は、駆動部208の回転を停止する。これは、シート材M2の搬送中にシート材M1が装置内部に取り込まれることを防ぐための処置である。また、図6に示す処理中に、シート材M2を検出センサ8が検出した場合、主制御部202は、ホストPCにエラーを通知する。なお、図6に示す処理中に検出センサ8が検出したものが、排出されるシート材M1であるか否かは、シート材M1の先端を検出センサ63が検出した後の時間とシート材M1の搬送速度から判定する。
【0035】
なお、上述した実施形態において、シート材M2を、シート材M1より幅が狭く、厚手の媒体としていたが、シート材M2はシート材M1と異なるものである必要はない。よって、図1に示す様に、排出部12の一部の高さを拡大して導入部12aを設けない構成であっても良い。つまり、排出部12全体を、導入部12aとする形態であっても良い。
【0036】
以上、導入部11から導入したシート材M1のみならず、導入部12aから導入したシート材M2も、再び、導入部12aから排出する。これにより、使用者は、排出されたシート材を容易に回収することができる。また、検出センサ33及び8の両方が、それぞれ、シート材M1及びシート材M2を検出している状態において、主制御部202は、搬送ローラの駆動を行わない。これにより、例えば、シート材M2を、装置内部に向けて搬送し、その後、導入部12aから排出するため搬送方向を変えたときに、シート材M1も装置内部に取り込まれることを防ぐことができる。
【0037】
また、シート材M2を搬送中において、シート材M1を検出センサ33が検出した場合にも、主制御部202は、搬送ローラの駆動を停止する。これにより、シート材M2の搬送中にシート材M1が装置内部に取り込まれることを防ぐことができる。さらに、退避経路44を設け、シート材M2が屈曲部41に向かうことなく、退避経路44に導入される様にすることで、装置を小型化することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導入部と、
シート材の排出部を兼用する第2の導入部と、
前記第1の導入部のシート材を検出する第1の検出手段と、
前記第2の導入部のシート材を検出する第2の検出手段と、
前記第1の導入部から前記第2の導入部に至るシート材の搬送経路と、
前記搬送経路に沿ってシート材を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段を制御する制御手段と、
を備えており、
前記制御手段は、前記第1の検出手段と前記第2の検出手段の両方がシート材を検出している場合、前記搬送手段によるシート材の搬送を禁止することを特徴とするシート材搬送装置。
【請求項2】
前記制御手段は、前記第1の導入部から前記搬送経路に導入されたシート材を前記第2の導入部から排出し、前記第2の導入部から前記搬送経路に導入されたシート材を前記第2の導入部から排出する様に前記搬送手段を制御することを特徴とする請求項1に記載のシート材搬送装置。
【請求項3】
前記制御手段は、前記2の導入部から導入したシート材を搬送中に、前記第1の検出手段がシート材を検出すると、前記第2の導入部から導入したシート材の搬送を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載のシート材搬送装置。
【請求項4】
前記搬送経路は、屈曲部を含み、
前記搬送経路の前記第2の導入部と前記屈曲部の間から分岐し、前記第2の導入部から導入されたシート材が導入される退避経路をさらに備えていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のシート材搬送装置。
【請求項5】
第1の導入部と、
シート材の排出部を兼用する第2の導入部と、
前記第1の導入部のシート材を検出する第1の検出手段と、
前記第2の導入部のシート材を検出する第2の検出手段と、
前記第1の導入部から前記第2の導入部に至るシート材の搬送経路と、
前記搬送経路に沿ってシート材を搬送する搬送手段と、
前記搬送経路を搬送されるシート材の画像を読み取る画像読取手段と、
前記搬送手段を制御する制御手段と、を備えており、
前記制御手段は、前記第1の検出手段と前記第2の検出手段の両方がシート材を検出している場合、前記搬送手段によるシート材の搬送を禁止することを特徴とする画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−184057(P2012−184057A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−46964(P2011−46964)
【出願日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】