説明

画像読取装置及び画像形成装置

【課題】直近で送信した相手先の識別情報をユーザが任意で削除できること。
【解決手段】画像データの送信がされた場合(ステップS11;YES)、制御部は送信された相手の識別番号を再宛先記憶部に記憶させる(ステップS12)。その後、ユーザが再宛先キーを長押しした場合(ステップS13;YES)、表示制御部は再宛先として記憶されている識別番号の削除可否をユーザに確認するための確認画面を表示部に表示させる(ステップS14)。ユーザがOKキーを押下した場合(ステップS15;YES)、再宛先削除部は再宛先記憶部に記憶されている識別情報を削除する(ステップS16)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、読み取った画像を外部装置に送信可能な画像読取装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
原稿の画像を読み取って画像データを取得するスキャナ機能や、取得した画像データを外部装置へ送信するファクシミリ機能やメール機能を備えた画像読取装置が多く普及している。このような画像読取装置において、直近でファックス送信した相手の電話番号やメール送信した相手のメールアドレス(識別情報)を簡単に読み出すための再宛先キーを備えるものが多い。特許文献1には、入力されたダイアル番号を記憶手段に記憶して、所定の入力があれば、記憶手段からダイアル番号を読み出して簡単にリダイヤル可能な方法について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平04−181867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、あるユーザがファクシミリ送信をした後、別のユーザがファクシミリ送信する際に再宛先キーを押すと、前のユーザが使用した送信先を知ることができてしまい、プライバシーやセキュリティ上問題となっていた。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、直近で送信した相手先の識別情報をユーザが任意で削除できる画像読取装置及び画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明の画像読取装置は、原稿画像を読み取って画像データを取得する読取手段と、前記画像データの送信先である外部装置の識別情報の入力を受け付ける識別情報受付手段と、前記識別情報受付手段が受け付けた識別情報が示す外部装置へ前記画像データを送信する送信手段と、前記識別情報受付手段が受け付けた識別情報を記憶する再宛先記憶手段と、予め定められた操作がなされた又は予め定められた条件を満足すると、前記再宛先記憶手段が記憶する識別情報を削除する削除手段と、を備える。
【0007】
この構成によれば、ユーザが入力操作部等を介して予め定められた操作を行う又は画像読取装置の設定条件等が予め定められた条件を満足すると、削除手段が再宛先記憶手段に記憶されている識別番号を削除するため、その後別のユーザが所定の操作を行うことによって再宛先記憶手段に記憶された識別番号を表示画面等に表示させようとしても表示されることがない。つまり、画像データの送信先を他人に知られることがなく、プライバシーやセキュリティを守ることができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の画像読取装置であって、表示部の表示制御を行う表示制御手段と、前記再宛先記憶手段が記憶する識別情報を前記表示制御手段が前記表示部に表示させるための指示入力を受け付ける再宛先表示受付手段と、を更に備え、前記予め定められた操作とは、前記再宛先記憶手段が記憶する識別情報を前記表示制御手段が前記表示部に表示させるための前記指示入力とは異なる予め定められた方法で前記再宛先表示受付手段が指示入力を受け付ける操作のことである。
【0009】
この構成によれば、再宛先記憶手段が記憶する識別情報を表示部に表示させるための規定の操作とは異なる方法で再宛先表示受付手段を操作する(例えば、再宛先表示受付手段を所定時間以上選択し続ける(長押しする)等)ことによって、削除手段が再宛先記憶手段に記憶されている識別番号を削除することにより、再宛先記憶手段に記憶された識別番号を簡単に削除することができる。従って、画像データの送信先を他人に知られることがなく、プライバシーやセキュリティを守ることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像読取装置であって、ログインの為のユーザ情報の入力を受け付けるログイン受付手段と、ログアウトの指示入力を受け付けるログアウト受付手段と、を更に備え、前記再宛先記憶手段は、前記識別情報を記憶する際に、当該識別情報の入力を前記識別情報受付手段が受け付けたときにログインしていたユーザのユーザ情報を当該識別情報に付加して記憶するものであり、前記予め定められた操作とは、前記ログアウト受付手段がログアウトの指示入力を受け付ける操作のことであり、前記削除手段は、前記再宛先記憶手段が記憶する識別情報に前記ログアウト受付手段がログアウトの指示入力を受け付けたときにログインしていたユーザのユーザ情報が付加されている場合に、当該識別情報を削除するものである。
【0011】
この構成によれば、ログアウト操作がなされると削除手段がログインしていたユーザが使用した識別情報を削除することにより、ユーザが識別情報の削除操作を忘れても、画像データの送信先を他人に知られることがなく、プライバシーやセキュリティを守ることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の画像読取装置であって、前記削除手段が前記再宛先記憶手段から削除した識別情報に当該識別情報の削除回数を付加して記憶する削除履歴記憶手段を更に備え、前記予め定められた条件とは、前記再宛先記憶手段が記憶する識別情報について前記削除履歴記憶手段に記憶されている削除回数が予め定められた回数以上であることである。
【0013】
他人に知られたくない識別情報は、削除回数が多いことが考えられる。そこで、再宛先記憶手段に記憶された識別情報の削除回数が所定回数以上なら削除手段が再宛先記憶手段から識別情報を削除することにより、画像データの送信先を他人に知られることがなく、プライバシーやセキュリティを守ることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像読取装置であって、ログインの為のユーザ情報の入力を受け付けるログイン受付手段と、ログアウトの指示入力を受け付けるログアウト受付手段と、前記削除手段が前記再宛先記憶手段から削除した識別情報に、当該識別情報の削除回数及び当該識別情報を削除したときにログインしていたユーザのユーザ情報を付加して記憶する削除履歴記憶手段と、を更に備え、前記予め定められた条件とは、前記削除履歴記憶手段に記憶されている前記再宛先記憶手段が記憶する識別情報の削除回数が予め定められた回数以上であり、且つ、当該識別情報に付加して記憶されているユーザ情報が前記ログアウト受付手段がログアウトの指示入力を受け付けたときにログインしていたユーザのユーザ情報である場合である。
【0015】
他人に知られたくない識別情報は削除回数が多く、更にこのような識別情報はユーザによって異なることが考えられる。そこで、再宛先記憶手段に記憶された識別情報の削除回数が所定回数以上であり、その所定回数以上削除操作をしたユーザがログインしていたユーザであるなら削除手段が再宛先記憶手段から識別情報を削除することにより、画像データの送信先を他人に知られることがなく、プライバシーやセキュリティを守ることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項1又は2に記載の画像読取装置であって、前記画像読取装置の動作設定を行う初期設定操作として、前記再宛先記憶手段に記憶された前記識別情報を削除するか否かの選択入力を受け付ける削除可否受付手段と、前記削除可否受付手段が受け付けた選択入力に応じて、前記再宛先記憶手段に記憶された前記識別情報を削除するか否かを設定する設定手段と、を更に備え、前記予め定められた条件とは、前記設定手段が前記再宛先記憶手段に記憶された前記識別情報を削除する設定としていることである。
【0017】
この構成によれば、画像形成装置の初期設定操作において削除手段が再宛先記憶手段に記憶されている識別番号を削除する旨の設定をおこなうことができ、ユーザが識別情報の削除操作を忘れたとしても、削除手段が再宛先記憶手段に記憶された識別情報の削除を確実に行うため、画像データの送信先を他人に知られることがなく、プライバシーやセキュリティを守ることができる。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか一項に記載の画像読取装置であって、前記表示制御手段は、前記予め定められた操作がなされた又は前記予め定められた条件を満足して前記削除手段が前記再宛先記憶手段から識別情報を削除する前に、前記表示部に当該識別情報の削除を実行するか否かのメッセージを表示させるものであり、当該識別情報の削除を実行するか否かの選択入力を受け付ける選択受付手段を更に備え、前記選択受付手段が当該識別情報の削除を実行する選択入力を受け付けたとき、前記削除手段は前記再宛先記憶手段が記憶する識別情報の削除を実行するものである。
【0019】
この構成によれば、ユーザは再宛先記憶手段に記憶された識別情報を削除するか否かを識別情報の内容やその時の状況に応じて簡単に選択することができる。
【0020】
請求項8に記載の発明の画像形成装置は、請求項1〜7の何れか一項に記載の画像読取装置と、前記画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成手段と、を備えたものである。
【0021】
この構成によれば、請求項1〜7に記載の効果を奏する。
【発明の効果】
【0022】
この発明によれば、ユーザが入力操作部等を介して予め定められた操作を行う又は画像読取装置の設定条件等が予め定められた条件を満足すると、削除手段が再宛先記憶手段に記憶されている識別番号を削除するため、その後別のユーザが所定の操作を行うことによって再宛先記憶手段に記憶された識別番号を表示画面等に表示させようとしても表示されることがない。つまり、画像データの送信先を他人に知られることがなく、プライバシーやセキュリティを守ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】画像形成装置の内部構成を概略的に示す側面図。
【図2】画像形成装置の電気的構成を示すブロック図。
【図3】入力操作部の正面図。
【図4】送信キーが押下されたときに表示部に表示される画面の一例を示した図。
【図5】第1の実施の形態における再宛先削除処理の流れを示したフローチャート。
【図6】再宛先削除確認画面の一例を示した図。
【図7】第2の実施の形態における再宛先削除処理の流れを示したフローチャート。
【図8】ログイン画面の一例を示した図。
【図9】第3の実施の形態における削除履歴記憶部のデータ構成の一例を示した図。
【図10】第3の実施の形態における再宛先削除処理の流れを示したフローチャート。
【図11】第4の実施の形態における削除履歴記憶部のデータ構成の一例を示した図。
【図12】第4の実施の形態における再宛先削除処理の流れを示したフローチャート。
【図13】初期設定画面の一例を示した図。
【図14】第5の実施の形態における再宛先削除処理の流れを示したフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る画像形成装置の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0025】
〔第1の実施の形態〕
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構成を概略的に示す側面図である。画像形成装置1は、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及びファクシミリ機能等の機能を兼ね備えたものであり、本体部2と、本体部2の左方に配設されたスタックトレイ3と、本体部2の上部に配設された原稿読取部4と、原稿読取部4の上方に配設された原稿搬送部5とを有している。尚、画像形成装置1は、少なくともスキャナ機能等を用いて取得した画像データを外部装置へ送信する機能を備えたものであればよく、例えばファクシミリ装置であってもよい。
【0026】
画像形成装置1のフロント部には、入力操作部6が設けられている。この入力操作部6には、ユーザが印刷実行指示を入力するためのスタートキー7と、印刷部数等を入力するためのテンキー8と、各種複写動作の操作ガイド情報等を表示し、これら各種設定入力用にタッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等からなる表示部9と、表示部9で設定された設定内容等をリセットするリセットキー10と、実行中の動作を停止させるためのストップキー11と、コピー機能、プリンタ機能、スキャナ機能及び送信機能を切り換えるための機能切換キー12とが備えられている。
【0027】
原稿読取部4は、CCD(Charge Coupled Device)センサ及び露光ランプ等からなるスキャナ部13と、ガラス等の透明部材により構成された原稿台14及び原稿読取スリット15とを備える。スキャナ部13は、図略の駆動部によって移動可能に構成され、原稿台14に載置された原稿を読み取るときは、原稿台14に対向する位置で原稿面に沿って移動され、原稿画像を走査しつつ取得した画像データを後述する制御部へ出力する。また、原稿搬送部5により給送された原稿を読み取るときは、原稿読取スリット15と対向する位置に移動され、原稿読取スリット15を介して原稿搬送部5による原稿の搬送動作と同期して原稿の画像を取得し、その画像データを制御部へ出力する。
【0028】
原稿搬送部5は、原稿を載置するための原稿載置部16と、画像読み取り済みの原稿を排出するための原稿排出部17と、原稿載置部16に載置された原稿を1枚ずつ繰り出して原稿読取スリット15に対向する位置へ搬送し、原稿排出部17へ排出するための給紙ローラや搬送ローラ(図示せず)等からなる原稿搬送機構18を備える。
【0029】
また、原稿搬送部5は、その前面側が上方に移動可能となるように本体部2に対して回動自在に設けられている。原稿搬送部5の前面側を上方に移動させて原稿台14上面を開放することにより、原稿台14の上面に読み取り原稿、例えば見開き状態にされた書籍等を載置できるようになっている。
【0030】
本体部2は、複数の給紙カセット19と、給紙カセット19から用紙を1枚ずつ繰り出して画像形成部21へ搬送する給紙ローラ20と、給紙カセット19から搬送されてきた用紙に画像を形成する画像形成部21とを備える。
【0031】
画像形成部21は、スキャナ部13で取得された画像データに基づきレーザ光等を出力して感光体ドラム22を露光し、感光体ドラム22の表面に静電潜像を形成する光学ユニット23と、静電潜像が形成された感光体ドラム22の表面にトナーを付着することによりトナー像を形成する現像部24と、感光体ドラム22上のトナー像を用紙に転写する転写部25と、トナー像が転写された用紙を加熱してトナー像を用紙に定着させる定着ローラ26及び加圧ローラ27を備えた定着装置28と、画像形成部21内の用紙搬送路中に設けられ、用紙をスタックトレイ3又は排出トレイ29まで搬送する搬送ローラ対30及び31等を備える。
【0032】
また、用紙の両面に画像を形成する場合は、画像形成部21で用紙の一方の面に画像を形成した後、この用紙を排出トレイ29側の搬送ローラ対30にニップされた状態とする。この状態で搬送ローラ対30を反転させて用紙をスイッチバックさせ、用紙を用紙搬送路32に送って画像形成部21の上流域に再度搬送し、画像形成部21により他方の面に画像を形成した後、用紙をスタックトレイ3又は排出トレイ29に排出する。
【0033】
図2は、画像形成装置1の電気的構成を示すブロック図である。画像形成装置1は、制御部71、記憶部72、原稿搬送部5、スキャナ部13、画像メモリ73、画像処理部74、画像形成部21、入力操作部6、ネットワークI/F部75及びファクシミリ送信部76を備えて構成されている。尚、図1を用いて説明した構成要素と同じものには同符号を付して、説明を省略する。
【0034】
記憶部72は、画像形成装置1の備える種々の機能を実現するためのプログラムやデータ等を記憶するものであり、再宛先記憶部721を有する。再宛先記憶部721については、後ほど詳しく説明する。点線で示した削除履歴記憶部722は別の実施の形態で用いる要素であるため、後ほど説明を行う。
【0035】
画像メモリ73は、スキャナ部13が取得した画像データやネットワークI/F部75やファクシミリ送信部76を介してパソコン91やファクシミリ92等の外部装置から送信された画像データを一時的に記憶する。画像処理部74は、画像メモリ73に記憶されている画像データに対して画像補正や拡大・縮小等の画像処理を施す。
【0036】
ネットワークI/F部75は、LAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)等のネットワークN1を介して、これらネットワークに接続されたパソコン91等の端末装置との間で通信を行う通信インターフェイス回路である。ファクシミリ通信部76は、データ送受信相手であるファクシミリ92との電話回線の接続を制御するNCU(Network Control Unit)を備えており、公衆電話回線等の電話回線N2に接続されている。
【0037】
制御部71は、CPU(Central Processing Unit:中央処理装置)等によって構成され、記憶部72に記憶されたプログラムを読み出して処理を実行し、各機能部への指示信号の出力、データ転送等を行って画像形成装置1を統括的に制御するものであり、表示制御部711、再宛先削除部712を有する。
【0038】
表示制御部711は、表示部9に対して設定画面やユーザに対するメッセージ等の表示を行わせるための制御を行う。再宛先削除部712は、所定の操作又は設定がなされると、再宛先記憶部721に記憶された識別情報(メールアドレス、ファクシミリ番号等)を削除する。
【0039】
図3は、入力操作部6の正面図である。この入力操作部6は、スタートキー7、テンキー8、表示部9、タッチパネル99、リセットキー10、ストップキー11及び機能切換キー12が備えられている。表示部9は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electronic Luminescent Display)等によって構成され、紙サイズ選択、倍率選択、濃度選択等の選択画面が表示される。この表示部9はタッチパネル99と一体的に形成されている。タッチパネル99は、ユーザによるタッチ操作がなされたら、タッチ位置を検出して検出信号を制御部71へ出力する。
【0040】
機能切換キー12のうち、送信キー12aはスキャナ部13が取得した画像データを外部装置へ送信するためのキーである。ここで、本発明における送信とは、インターネットを介してコンピュータに画像データをメール送信すること、LAN等のネットワークを介してコンピュータに画像データを送信すること、電話回線を利用したファクシミリ送信等のことを言う。以下、説明を分かりやすくするために、「送信」とはファクシミリ送信を例に説明する。
【0041】
ユーザが送信キー12aを押下すると、表示制御部711が表示部9にファックス番号を入力するための画面を表示させる。図4は、送信キー12aが押下されたときに表示部9に表示される画面51の一例を示した図である。ユーザがテンキー8を介して送信先のファックス番号を入力すると、表示制御部711は入力されたファックス番号を入力欄61に表示させる。その後、ユーザがOKキー62又はスタートキー7等を押下すると、ファクシミリ通信部76が入力されたファックス番号が示すファクシミリへ画像メモリ73に一時記憶された画像データを送信する。
【0042】
また、制御部71は、OKキー62やスタートキー7が押下されると、ユーザが入力したファックス番号を再宛先記憶部721に記憶させる。つまり、再宛先記憶部721は、直近でファックス送信した相手のファックス番号を記憶する。
【0043】
再宛先キー63は、直近でファックス送信した相手のファックス番号を呼び出すためのキーであり、ユーザが再宛先キー63を押下すると制御部71は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号を読み出し、表示制御部711がそのファックス番号を入力欄61に表示させる。この再宛先キー63によるファックス番号の呼び出し機能は、例えば、同じ相手に連続してファックスしたいときに有効であり、ユーザは再宛先キー63を押下することで先ほど入力したファックス番号を簡単に呼び出すことができる。つまり、再び最初からファックス番号を入力する必要がなく、操作の手間を省くことができる。しかしながら、あるユーザがファクシミリ送信をした後、別のユーザがファクシミリ送信するときに再宛先キー63を押すと、前のユーザが使用したファックス番号を知ることができてしまい、プライバシーやセキュリティ上問題となっていた。
【0044】
そこで、以下の実施の形態では、直近でファックス送信した相手のファックス番号が再宛先キー63によって表示されないように、ユーザが任意で再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号を削除する方法について提案する。まず本実施の形態では、表示制御部711が再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号を表示部9の入力欄61に表示させるための規定の操作とは異なる方法で再宛先キー63を操作する(例えば、再宛先キー63を所定時間以上選択し続ける(長押しする)等)ことによって、再宛先削除部712が再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号を削除する方法について説明する。
【0045】
図5は、本実施の形態における再宛先削除処理の流れを示したフローチャートである。ファックス送信がされた場合(ステップS11;YES)、制御部71は相手のファックス番号を再宛先記憶部721に記憶させる(ステップS12)。その後、ユーザが再宛先キー63を長押し(例えば、2秒以上再宛先キー63を押下し続けた)した場合(ステップS13;YES)、再宛先削除部712はファックス送信の送信先の番号の削除指示を受け付けたと判断し、表示制御部711は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号の削除可否をユーザに確認するための確認画面を表示部9に表示させる(ステップS14)。
【0046】
図6は、ステップS14において表示部9に表示される再宛先削除確認画面52の一例を示した図である。ユーザがOKキー64を押下した場合(ステップS15;YES)、再宛先削除部712は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号を削除する(ステップS16)。つまり、この後、ユーザが再宛先キー63を押下しても、再宛先記憶部721はファックス番号を記憶していないため、入力欄61にファックス番号が表示されることがない。
【0047】
このように、ファックス送信した相手のファックス番号を他人に知られたくない場合、ユーザは送信後に再宛先キー63を長押しする等の予め定められた操作を行うことによって、再宛先削除部712が再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号を削除するため、その後別のユーザが再宛先キー63を押下してもファックス番号が表示されることがなく、プライバシーやセキュリティを守ることができる。また、再宛先記憶部721からファックス番号を削除するための指示キーを新たに表示部9に表示させるのではなく、従来から表示されている再宛先キー63を利用することで、表示部9の表示画面の煩雑化を避けることができる。
【0048】
尚、本実施の形態では、再宛先キー63が長押しされると、表示制御部711は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号の削除可否をユーザに確認するための確認画面52を表示部9に表示させることとしたが、この確認画面52の表示無しで再宛先削除部712が再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号を削除するようにしてもよい。
【0049】
〔第2の実施の形態〕
第2の実施の形態では、ユーザが画像形成装置1を使用する際にユーザ名及びパスワードを入力するログイン操作を行うことができる場合、ログアウト操作がなされたら、再宛先削除部712が再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号を削除する方法について説明する。尚、第2の実施の形態における画像形成装置1の内部構成及び電気的構成は図1及び2で示したものと同じであるため説明を省略する。
【0050】
図7は、本実施の形態における再宛先削除処理の流れを示したフローチャートであり、図8は、表示部9に表示されるログイン画面53の一例を示した図である。ログイン画面53が表示されているとき、ユーザがテンキー8等を用いてユーザ名とパスワードを入力すると、制御部71は個人認証処理を行い、表示制御部711は表示部9にユーザ画面を表示させる(ステップS21)。ログイン後、ユーザがファックス送信を行った場合(ステップS22;YES)、制御部71は相手のファックス番号とログイン中のユーザ名を再宛先記憶部721に記憶させる(ステップS23)。
【0051】
そして入力操作部6がユーザからログアウト操作を受け付けると(ステップS24;YES)、再宛先削除部712は再宛先記憶部721にログアウトしたユーザ名が記憶されているか否か判別する(ステップS25)。再宛先記憶部721にログアウトしたユーザ名が記憶されている場合(ステップS25;YES)、表示制御部711は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号の削除可否をユーザに確認するための確認画面52を表示部9に表示させる(ステップS26)。
【0052】
ユーザがOKキー64を押下した場合(ステップS27;YES)、再宛先削除部712は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号及びユーザ名を削除する(ステップS28)。つまり、この後、ユーザが再宛先キー63を選択しても、再宛先記憶部721はファックス番号を記憶していないため、入力欄61にファックス番号が表示されることがない。
【0053】
また、再宛先記憶部721にログアウトしたユーザ名が記憶されていない場合(ステップS25;NO)、再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号はログアウトしたユーザによるファックス送信によって記憶されたファックス番号ではなく、別のユーザによるファックス送信によって記憶されたものである。従って、再宛先削除部712は再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号の削除処理は行わず、処理を終了する。
【0054】
このように、ログアウト操作後に表示制御部711が確認画面52を表示部9に表示させて、再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号を削除する指示入力をユーザから受け付けることにより、ユーザは他人に知られたくないファックス番号の削除忘れを防ぐことができる。そして、ユーザが再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号を削除する指示入力をした場合、再宛先削除部712はログインしていたユーザが使用したファックス番号及びユーザ名を削除するため、その後別のユーザが再宛先キー63を押下してもファックス番号が表示されることがなく、プライバシーやセキュリティを守ることができる。
【0055】
尚、本実施の形態では、ログアウト後に表示制御部711が表示部9に確認画面52を表示させ、ユーザによる指示入力の内容に応じて再宛先削除部712が再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号及びユーザ名を削除することとしたが、再宛先記憶部721にログアウトしたユーザ名が記憶されている場合、ユーザによる指示無しで再宛先削除部712が再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号を削除するようにしてもよい。
【0056】
また、第1の実施の形態で説明した方法(再宛先キー63の長押しによる再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号の削除)を組み合わせてもよい。
【0057】
〔第3の実施の形態〕
他人に知られたくないファックス番号は、過去の削除回数が多いことが考えられる。そこで、第3の実施の形態では、再宛先削除部712が削除したファックス番号とその削除回数を削除履歴記憶部722が記憶し、ファックス送信された相手のファックス番号が過去に所定回数以上削除された番号であるか否かを判別して再宛先削除部712が削除する方法について説明する。尚、第3の実施の形態における画像形成装置1の内部構成は図1で示したものであるため説明を省略する。また、画像形成装置1の電気的構成は、図2において記憶部72に削除履歴記憶部722を加えたものである。
【0058】
図9は、本実施の形態における削除履歴記憶部722のデータ構成の一例を示した図である。削除履歴記憶部722は、過去に削除されたファックス番号に削除回数を付加して記憶する。
【0059】
図10は、本実施の形態における再宛先削除処理の流れを示したフローチャートである。ファックス送信がされた場合(ステップS31;YES)、制御部71はファックス送信された相手のファックス番号を再宛先記憶部721に記憶させる(ステップS32)。そして再宛先削除部712は、削除履歴記憶部722から再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号を検索し、そのファックス番号を検出した場合、付加されている削除回数を読み出す。その削除回数が所定回数以上である場合(ステップS33;YES)、表示制御部711は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号の削除可否をユーザに確認するための確認画面52を表示部9に表示させる(ステップS34)。ユーザがOKキー64を押下した場合(ステップS35;YES)、再宛先削除部712は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号を削除する(ステップS36)。
【0060】
例えば、再宛先削除部712が過去に3回以上削除したファックス番号を削除対象とし、削除履歴記憶部722に図9に示した内容が記憶されている。ユーザが「03−1234−5678」にファックス送信した場合、再宛先削除部712はステップS33においてこのファックス番号を削除履歴記憶部722から検出し、このファックス番号と共に記憶されている削除回数からこのファックス番号は3回以上削除されていないと判断し、ステップS13へ処理を移行する。
【0061】
ユーザが「06−1234−5678」にファックス送信した場合、再宛先削除部712はステップS33においてこのファックス番号を削除履歴記憶部722から検出し、このファックス番号と共に記憶されている削除回数からこのファックス番号は3回以上削除されていると判断する。そして、表示制御部711は確認画面52を表示部9に表示させてユーザに対して削除確認を行う。
【0062】
この確認画面52が表示されているときに、ユーザがキャンセルキー65を押下した場合(ステップS35;NO)、制御部71は削除履歴記憶部722から再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号とその削除回数を削除する(ステップS37)。尚、このステップS37の処理はなくてもよい。
【0063】
その後、ユーザが再宛先キー63を長押しした場合(ステップS13;YES)、再宛先削除部712は再宛先キー63が長押しされたと判断し、表示制御部711は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号の削除可否をユーザに確認するための確認画面52を表示部9に表示させる(ステップS14)。
【0064】
ユーザがOKキー64を押下した場合(ステップS15;YES)、再宛先削除部712は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号を削除する(ステップS16)。そして、制御部71は、再宛先削除部712が削除したファックス番号を削除履歴記憶部722に記憶させる。又は、そのファックス番号が削除履歴記憶部722に既に記憶されているときは、ファックス番号と共に記憶されている削除回数に1加算した回数を更新して記憶させる(ステップS38)。
【0065】
以上、説明したように、再宛先記憶部721が記憶するファックス番号の削除回数が所定回数以上なら再宛先削除部712が再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号を削除することによって、ユーザにとって他人に知られたくないファックス番号を確実に削除することができる。そして、その後別のユーザが再宛先キー63を押下してもファックス番号が表示されることがなく、プライバシーやセキュリティを守ることができる。
【0066】
尚、本実施の形態では、再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号の削除回数が所定回数以上であるとき、又は再宛先キー63が長押しされたとき、表示制御部711は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号の削除可否をユーザに確認するための確認画面52を表示部9に表示させることとしたが、この確認画面52の表示無しで再宛先削除部712が再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号を削除するようにしてもよい。
【0067】
〔第4の実施の形態〕
他人に知られたくないファックス番号は過去の削除回数が多く、更にこのようなファックス番号はユーザによって異なることが考えられる。そこで、第4の実施の形態では、再宛先削除部712が削除したファックス番号、その削除回数、削除を指示したユーザ名を削除履歴記憶部722が記憶し、ファックス送信された相手のファックス番号が所定回数以上削除された番号であるか否かをユーザ名別に判別して再宛先削除部712が削除する方法について説明する。尚、第3の実施の形態における画像形成装置1の内部構成は図1で示したものであるため説明を省略する。画像形成装置1の電気的構成は、図2において記憶部72に削除履歴記憶部722を加えたものである。
【0068】
図11は、本実施の形態における削除履歴記憶部722のデータ構成の一例を示した図である。削除履歴記憶部722は、過去に削除されたファックス番号にその削除回数とそのファックス番号の削除を指示したユーザ名を付加して記憶する。
【0069】
図12は、本実施の形態における再宛先削除処理の流れを示したフローチャートである。図8に示したログイン画面53が表示されているときにユーザがテンキー8等を用いてユーザ名とパスワードを入力すると、制御部71は個人認証処理を行い、表示制御部711は表示部9にユーザ画面を表示させる(ステップS21)。ログイン後、ユーザがファックス送信を行った場合(ステップS22;YES)、制御部71はファックス番号とログイン中のユーザ名を再宛先記憶部721に記憶させる(ステップS23)。
【0070】
次に、再宛先削除部712は、削除履歴記憶部722から再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号を検索し、ファックス番号が検出された場合、そのファックス番号と共に記憶されている削除回数とユーザ名を読み出す。読み出した削除回数が所定回数以上であって、ユーザ名が再宛先記憶部721に記憶されているユーザ名である場合(ステップS41;YES)、表示制御部711は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号の削除可否をユーザに確認するための確認画面52を表示部9に表示させる(ステップS34)。ユーザがOKキー64を押下した場合(ステップS35;YES)、再宛先削除部712は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号を削除する(ステップS36)。
【0071】
例えば、再宛先削除部712が過去に3回以上削除したファックス番号を削除対象とし、削除履歴記憶部722に図11に示した内容が記憶されていることとする。再宛先削除部712が過去に3回以上削除したファックス番号を削除対象とする。ユーザがユーザ名「ABC」としてログイン中であるときに「03−1234−5678」にファックス送信した場合、再宛先削除部712は削除履歴記憶部722から「03−1234−5678」を検出する。削除履歴記憶部722は「03−1234−5678」と共に「削除回数:1回」と「ユーザ名:ABC」を記憶している。ここで、再宛先削除部712は「03−1234−5678」の過去の削除回数が3回以上ではないと判断し、ステップS24へ処理を移行する。
【0072】
同じくユーザがユーザ名「ABC」としてログイン中であるときに「06−1234−5678」にファックス送信した場合、再宛先削除部712は削除履歴記憶部722から「06−1234−5678」を検出する。削除履歴記憶部722は「06−1234−5678」と共に「削除回数:3回」と「ユーザ名:PQR」を記憶している。ここで、再宛先削除部712は、「06−1234−5678」と共に記憶されているユーザ名が「ABC」ではないと判断し、ステップS24へ処理を移行する。このように、再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号の過去の削除回数が3回以上であっても、3回以上の削除を指示したユーザ名がログイン中のユーザのユーザ名でない場合、再宛先削除部712は再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号及びユーザ名を削除しない。
【0073】
また、ユーザがユーザ名「PQR」としてログイン中であるときに「06−1234−5678」にファックス送信した場合、再宛先削除部712は削除履歴記憶部722から「06−1234−5678」を検出する。削除履歴記憶部722は「06−1234−5678」と共に「削除回数:3回」と「ユーザ名:PQR」を記憶している。再宛先削除部712は「06−1234−5678」の過去の削除回数が3回であり、共に記憶されているユーザ名が「PQR」であってログイン中のユーザのユーザ名であると判断する。そして、表示制御部711が確認画面52を表示部9に表示させてユーザに対して削除確認を行う。
【0074】
この確認画面52が表示されているときに、ユーザがキャンセルキー65を押下した場合(ステップS35;NO)、制御部71は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号であり、再宛先記憶部721に記憶されているユーザ名と共に記憶されているファックス番号を削除履歴記憶部722から削除し、更にそのファックス番号と共に記憶されている削除回数及びユーザ名を削除する(ステップS37)。尚、このステップS37の処理はなくてもよい。
【0075】
そして入力操作部6がユーザからログアウト操作を受け付けると(ステップS24;YES)、再宛先削除部712は再宛先記憶部721にログアウトしたユーザ名が記憶されているか否か判別する(ステップS25)。再宛先記憶部721にログアウトしたユーザ名が記憶されている場合(ステップS25;YES)、表示制御部711は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号の削除可否をユーザに確認するための確認画面52を表示部9に表示させる(ステップS26)。ユーザがOKキー64を押下した場合(ステップS27;YES)、再宛先削除部712は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号及びユーザ名を削除する(ステップS28)。
【0076】
また、再宛先記憶部721にログアウトしたユーザ名が記憶されていない場合(ステップS25;NO)、再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号はログアウトしたユーザによるファックス送信によって記憶されたファックス番号ではなく、別のユーザによるファックス送信によって記憶されたものである。従って、再宛先削除部712は再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号の削除処理は行わず、処理を終了する。
【0077】
以上、説明したように、削除履歴記憶部722が過去に削除したファックス番号、削除回数、削除を指示したユーザ名を記憶し、ファックス送信した相手のファックス番号の削除をログイン中のユーザが過去に所定回数以上指示している場合、再宛先削除部712が再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号及びユーザ名を削除することによって、削除対象とするファックス番号をユーザ毎に判別して削除することができる。従って、ログアウトしたユーザにとって他人に知られたくないファックス番号を確実に削除することができ、その後別のユーザが再宛先キー63を押下してもファックス番号が表示されることがなく、プライバシーやセキュリティを守ることができる。
【0078】
尚、第1の実施の形態で説明した方法(再宛先キー63の長押しによる再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号の削除)を組み合わせてもよい。
【0079】
また、本実施の形態では、ログアウトしたユーザが指示した再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号の削除回数が所定回数以上であるとき、表示制御部711は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号の削除可否をユーザに確認するための確認画面52を表示部9に表示させることとしたが、この確認画面52の表示無しで再宛先削除部712が再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号を削除するようにしてもよい。
【0080】
〔第5の実施の形態〕
第5の実施の形態では、再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号を削除するか否かをユーザが初期設定画面(システムメニュー画面)で予め設定可能な方法について説明する。尚、第5の実施の形態における画像形成装置1の内部構成及び電気的構成は図1及び2で示したものであるため説明を省略する。
【0081】
図13は、表示部9に表示される初期設定画面54の一例を示した図である。設定画面54は複数ある初期設定画面の一部であり、その他の初期設定画面ではコピー設定、送信設定等、画像形成装置1の動作全般に関わるシステム設定を行うことができる。また、初期設定画面54による画像形成装置1のシステム設定は、何れのユーザでも任意に設定可能であってもよいし、設定権限のあるユーザのみが設定可能であってもよい。
【0082】
初期設定画面54には、「再宛先情報を記憶しますか」というメッセージと共に、記憶させるか否かを入力するためにラジオボタン66及び67が表示される。ユーザは、再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号を削除したい場合はラジオボタン66にチェックマークが入るよう選択を行い、OKキー68を押下する。これにより、制御部71は、送信に関する初期設定として、再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号は削除する設定とする。
【0083】
図14は、本実施の形態における再宛先削除処理の流れを示したフローチャートである。ファックス送信がされた場合(ステップS11;YES)、制御部71はファックス送信された相手のファックス番号を再宛先記憶部721に記憶させる(ステップS12)。ここで、再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号は削除する旨の初期設定が予めなされている場合(ステップS51;YES)、表示制御部711は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号の削除可否をユーザに確認するための確認画面52を表示部9に表示させる(ステップS14)。ユーザがOKキー64を押下した場合(ステップS15;YES)、再宛先削除部712は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号を削除する(ステップS16)。
【0084】
このように、ファックス送信した相手のファックス番号を他人に知られたくない場合、初期設定画面54において再宛先記憶部721に記憶されたファックス情報を削除する旨の設定を行うことにより、ユーザがファックス番号の削除操作を忘れても、再宛先削除部712が再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号を確実に削除するため、プライバシーやセキュリティを守ることができる。
【0085】
尚、本実施の形態では、再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号は削除する旨の初期設定が予めなされている場合、表示制御部711は再宛先記憶部721に記憶されているファックス番号の削除可否をユーザに確認するための確認画面52を表示部9に表示させることとしたが、この確認画面52の表示無しで再宛先削除部712が再宛先記憶部721に記憶されたファックス番号を削除するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 画像形成装置
13 スキャナ部(読取手段)
21 画像形成部(画像形成手段)
5 原稿搬送部
6 入力操作部(識別情報受付手段、再宛先表示受付手段、ログイン受付手段、ログアウト受付手段、削除可否受付手段)
71 制御部(設定手段)
711 表示制御部(表示制御手段)
712 再宛先削除部(削除手段)
72 記憶部
721 再宛先記憶部(再宛先記憶手段)
722 削除履歴記憶部(削除履歴記憶手段)
73 画像メモリ
74 画像処理部
75 ネットワークI/F部(送信手段)
76 ファクシミリ通信部(送信手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿画像を読み取って画像データを取得する読取手段と、
前記画像データの送信先である外部装置の識別情報の入力を受け付ける識別情報受付手段と、
前記識別情報受付手段が受け付けた識別情報が示す外部装置へ前記画像データを送信する送信手段と、
前記識別情報受付手段が受け付けた識別情報を記憶する再宛先記憶手段と、
予め定められた操作がなされた又は予め定められた条件を満足すると、前記再宛先記憶手段が記憶する識別情報を削除する削除手段と、
を備える画像読取装置。
【請求項2】
表示部の表示制御を行う表示制御手段と、
前記再宛先記憶手段が記憶する識別情報を前記表示制御手段が前記表示部に表示させるための指示入力を受け付ける再宛先表示受付手段と、
を更に備え、前記予め定められた操作とは、前記再宛先記憶手段が記憶する識別情報を前記表示制御手段が前記表示部に表示させるための前記指示入力とは異なる予め定められた方法で前記再宛先表示受付手段が指示入力を受け付ける操作のことである請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
ログインの為のユーザ情報の入力を受け付けるログイン受付手段と、
ログアウトの指示入力を受け付けるログアウト受付手段と、
を更に備え、前記再宛先記憶手段は、前記識別情報を記憶する際に、当該識別情報の入力を前記識別情報受付手段が受け付けたときにログインしていたユーザのユーザ情報を当該識別情報に付加して記憶するものであり、
前記予め定められた操作とは、前記ログアウト受付手段がログアウトの指示入力を受け付ける操作のことであり、前記削除手段は、前記再宛先記憶手段が記憶する識別情報に前記ログアウト受付手段がログアウトの指示入力を受け付けたときにログインしていたユーザのユーザ情報が付加されている場合に、当該識別情報を削除するものである請求項1又は2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記削除手段が前記再宛先記憶手段から削除した識別情報に当該識別情報の削除回数を付加して記憶する削除履歴記憶手段を更に備え、
前記予め定められた条件とは、前記再宛先記憶手段が記憶する識別情報について前記削除履歴記憶手段に記憶されている削除回数が予め定められた回数以上であることである請求項1〜3の何れか一項に記載の画像読取装置。
【請求項5】
ログインの為のユーザ情報の入力を受け付けるログイン受付手段と、
ログアウトの指示入力を受け付けるログアウト受付手段と、
前記削除手段が前記再宛先記憶手段から削除した識別情報に、当該識別情報の削除回数及び当該識別情報を削除したときにログインしていたユーザのユーザ情報を付加して記憶する削除履歴記憶手段と、
を更に備え、前記予め定められた条件とは、前記削除履歴記憶手段に記憶されている前記再宛先記憶手段が記憶する識別情報の削除回数が予め定められた回数以上であり、且つ、当該識別情報に付加して記憶されているユーザ情報が前記ログアウト受付手段がログアウトの指示入力を受け付けたときにログインしていたユーザのユーザ情報である場合である請求項1又は2に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記画像読取装置の動作設定を行う初期設定操作として、前記再宛先記憶手段に記憶された前記識別情報を削除するか否かの選択入力を受け付ける削除可否受付手段と、
前記削除可否受付手段が受け付けた選択入力に応じて、前記再宛先記憶手段に記憶された前記識別情報を削除するか否かを設定する設定手段と、
を更に備え、前記予め定められた条件とは、前記設定手段が前記再宛先記憶手段に記憶された前記識別情報を削除する設定としていることである請求項1又は2に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記予め定められた操作がなされた又は前記予め定められた条件を満足して前記削除手段が前記再宛先記憶手段から識別情報を削除する前に、前記表示部に当該識別情報の削除を実行するか否かのメッセージを表示させるものであり、
当該識別情報の削除を実行するか否かの選択入力を受け付ける選択受付手段を更に備え、
前記選択受付手段が当該識別情報の削除を実行する選択入力を受け付けたとき、前記削除手段は前記再宛先記憶手段が記憶する識別情報の削除を実行するものである請求項1〜6の何れか一項に記載の画像読取装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れか一項に記載の画像読取装置と、
前記画像データに基づいて用紙に画像を形成する画像形成手段と、
を備えた画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図14】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−109561(P2011−109561A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−264647(P2009−264647)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】