説明

画像読取装置及び画像形成装置

【課題】画像読取部のセンサチップに備えられる光電変換素子の特性が隣接するチップ間で異なる場合でも、本構成を採用しない場合と比較してその特性差を画像の補正に正確に反映することができる画像読取装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】ラインセンサ43で読み取られた画像を補正するためのシェーディング補正データSDは、白基準板49で採取される白基準データSD0,SD1に基づいて補正データ生成部410により作成される。補正データ生成部のフィルタ414は、イメージセンサの光電変換素子431aの出力である白基準データを画素ごとに、隣接する複数のデータの平均値で置換して平滑化する。他方、センサチップ431,432の境界に設定される検出除外領域のデータは、置換のための平均値の演算から除外する。これにより、製造プロセス条件が異なるチップの境界で光電変換素子に大きな特性差が存在しても、その差分を平滑して補間してしまうような誤ったフィルタリング処理は回避される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原稿の画像を読み取る画像読取装置では、画像読取部の光学系や撮像系が有する不均一な特性の影響を排除するために、画像読取部が一次的に読み取った画像データに対してシェーディング補正等の画像補正処理がなされている。複数の光電変換素子が配列された複数のセンサチップを有する密着型のイメージセンサで画像読取部が構成される場合には、チップ間の境界付近で画質の低下を招く場合がある。
【0003】
この課題に対し、イメージセンサのチップ間の境界で読み取られる画像データを、境界を跨ぐ画素位置のデータで補間する画像読取装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−101724号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、画像読取部のセンサチップに備えられる光電変換素子の特性が隣接するチップ間で異なる場合でも、本構成を採用しない場合と比較してその特性差を画像の補正に正確に反映することができる画像読取装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
[1]複数の光電変換素子が配列されるセンサチップを複数有し、読取位置に搬送される原稿からの反射光を前記光電変換素子が受光して画像を読み取る画像読取部と、前記読取位置に配置される基準板と、前記基準板からの反射光により前記画像読取部が採取する基準データを平滑化するフィルタと、前記フィルタで平滑化された前記基準データに基づいて補正データを生成する補正データ生成手段と、前記画像読取部が読み取った原稿の画像を前記補正データ生成手段が生成した補正データに基づいて補正する画像補正手段と、を備え、前記フィルタは、前記光電変換素子の配列に従って順次置換しようとする前記光電変換素子による出力を、当該光電変換素子に近接する範囲にある複数の他の光電変換素子による出力のうち閾値を超えない平均値に基づいて置換するとともに、当該光電変換素子と前記他の光電変換素子との間に前記センサチップの境界が存在する場合には、前記センサチップが異なる当該他の光電変換素子による出力を前記平均値から除外して当該光電変換素子の出力を置換して平滑化する、画像読取装置。
【0007】
[2]複数の光電変換素子が配列されるセンサチップを複数有し、読取位置に搬送される原稿からの反射光を前記光電変換素子が受光して画像を読み取る画像読取部と、前記読取位置に配置される基準板と、前記基準板からの反射光により前記画像読取部が採取する基準データを平滑化するフィルタと、前記フィルタで平滑化された前記基準データに基づいて補正データを生成する補正データ生成手段と、前記画像読取部が読み取った原稿の画像を前記補正データ生成手段が生成した補正データに基づいて補正する画像補正手段と、を備え、前記フィルタは、前記光電変換素子の配列に従って順次置換しようとする前記光電変換素子による出力を、当該光電変換素子に近接する範囲にある複数の他の光電変換素子による出力のうち第1の閾値を超えない出力の平均値に基づいて置換するとともに、当該光電変換素子と前記他の光電変換素子との間に前記センサチップの境界が存在する場合には前記第1の閾値をより範囲が広い第2の閾値に変更する、画像読取装置。
【0008】
[3]前記画像読取部は、前記複数の光電変換素子に対し反射光を集光するアレイレンズを有する密着型のラインセンサを備えてなり、前記フィルタが前記平均値を得るための前記光電変換素子に近接する範囲が前記アレイレンズのレンズピッチに対応して設定される、前記[1]又は[2]に記載の画像読取装置。
【0009】
[4]原稿から画像を読み取る前記[1]乃至[3]のいずれかに記載の画像読取装置と、前記画像読取装置によって読み取られた画像に基づいて感光体を露光することにより前記感光体上に静電潜像を形成する露光部と、前記感光体上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像部と、前記トナー像を用紙に転写する転写部と、前記用紙に転写された前記トナー像を定着させる定着部と、を備える画像形成装置。
【発明の効果】
【0010】
請求項1、2及び4に記載の発明によれば、画像読取部のセンサチップに備えられる光電変換素子の特性が隣接するチップ間で異なる場合でも、本構成を採用しない場合と比較してその特性差を画像の補正に正確に反映することができる。
【0011】
請求項3に記載の画像読取装置によれば、上記効果に加え、基準データに含まれるアレイレンズのレンズピッチに対応する周期的な変動成分を効率良く平滑化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置の構成例を示す図である。
【図2】図2は、画像読取装置の裏面画像読取部であるラインセンサの概略構成を示す平面図である。
【図3】図3は、画像読取装置の制御システムの構成を例示するブロック図である。
【図4】図4は、裏面画像読取制御部に備えられる補正データ生成部のハードウェア構成の概略を例示する機能ブロック図である。
【図5】図5(a)は、工場出荷時の初期の白基準データの例である。図5(b)は、画像の読み取り時の白基準データの例である。
【図6】図6は、第1の実施の形態に係る補正データ生成部の動作を示すフローチャートである。
【図7】図7(a)及び(b)は、読み取り時の白基準データのフィルタリング処理前後の波形を例示する図である。
【図8】図8(a)乃至(c)は、第1の実施の形態のフィルタリング処理によりデータが置換される前後の波形を詳細に示す図である。
【図9】図9(a)乃至(c)は、第2の実施の形態のフィルタリング処理によりデータが置換される前後の波形を詳細に示す図である。
【図10】図10は、第3の実施の形態に係る画像形成装置の構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、各図中、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付してその重複した説明を省略する。
【0014】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る画像読取装置1の構成例を示す図である。画像読取装置1は、表面画像読取部3の光学系を保持する第1及び第2のキャリッジ37A、37Bの位置を固定し、原稿搬送部2によって原稿20をライン状の第1の読取領域3aを通る副走査方向Aに搬送させて原稿20の表面20aから画像を読み取る「第1のモード」と、原稿20を原稿配置台36上に配置して固定とし、第1及び第2のキャリッジ37A、37Bを矩形状の第2の読取領域3bに対して副走査方向Aに移動させて原稿20の表面20aから画像を読み取る「第2のモード」と、原稿搬送部2によって原稿20を原稿配置台36に搬送しながら原稿20の表面20aから画像を読み取るとともに、原稿20の裏面20bからも画像をほぼ同時に読み取る「第3のモード」とを有する。
【0015】
画像読取装置1は、原稿20を搬送する原稿搬送部2と、原稿20の表面20aの画像を読み取る表面画像読取部3と、原稿搬送部2に設けられ原稿20の裏面20bの画像を読み取る裏面画像読取部4とを備える。
【0016】
(原稿搬送部)
原稿搬送部2は、画像が記録された原稿20が配置される給紙台21と、搬送された原稿20が排出される排紙台22と、原稿20を給紙台21から排紙台22へ搬送する搬送機構23とを備える。
【0017】
搬送機構23は、給紙台21に配置された複数の原稿20の束から原稿20を1枚ずつ分離する分離ロール230と、分離した原稿20を搬送する搬送ロール231と、原稿20を表面画像読取部3に搬送する読取ロール232と、原稿20を裏面画像読取部4に案内する案内ロール233と、原稿20を排紙台22に排出する排出ロール234とを備える。
【0018】
(表面画像読取部)
表面画像読取部3は、照明光を発生する光源30と、光源30からの照明光を第1又は第2の読取領域3a,3bに導く導光体31と、光源30からの照明光が第1又は第2の読取領域3a,3bにおける原稿20の表面20aで反射した反射光を反射する第1乃至第3のミラー32A〜32Cと、第1乃至第3のミラー32A〜32Cに導かれた反射光を集光する縮小光学系のレンズ33と、レンズ33により集光された光を受光する受光部の一例であるCCD(Charge Coupled Device)センサ34とを備える。
【0019】
また、表面画像読取部3は、光源30、導光体31、第1乃至第3のミラー32A〜32C、レンズ33,及びCCDセンサ34を収容する筐体35を有し、筐体35の上部にはプラテンガラス等の光透過性の部材からなる原稿配置台36を設けている。
【0020】
光源30、導光体31及び第1のミラー32Aは、矢印Aで示す副走査方向に移動可能な第1のキャリッジ37Aに固定され、第2のミラー32B及び第3のミラー32Cは、第2のキャリッジ37Bに固定される。原稿配置台36上の原稿面からCCDセンサ34の受光面までの光路長が常に一定に保持されるように、第2のキャリッジ37Bは、第1のキャリッジ37Aの1/2の移動量で副走査方向Aに移動可能に構成されている。第1及び第2のキャリッジ37A、37Bは、原稿配置台36に配置された原稿20の表面20aの画像を読み取るときに、不図示のモータからなる駆動部39により副走査方Aに移動するように構成される。
【0021】
原稿配置台36の第1の読取領域3aの両端部には、第1及び第2の白基準板38A、38Bが設けられ、第2の読取領域3bの近傍には主走査方向Bに沿って第3の白基準板38Cが設けられている。第1乃至第3の白基準板38A〜38Cは、例えば白色の樹脂板、白塗装された金属板等を用いることができる。
【0022】
(裏面画像読取部)
裏面画像読取部4は、固定密着型のイメージセンサであり、原稿20の裏面20bに照明光を照射する光源41と、光源41からの照明光が原稿20の裏面20bで反射した反射光を集光するロッドレンズアレイ42と、ロッドレンズアレイ42により集光された反射光を受光するラインセンサ43と、ラインセンサ43が実装される基板44とを備え、これらがユニット化されて構成される。
【0023】
裏面画像読取部4は、原稿が搬送される読取位置に白色の白基準板49がラインセンサ43に対向して設けられる。白基準板49は、後述するシェーディング補正用の白基準データを得るための基準板であり、例えば白色の樹脂板又は白色に塗装された金属板等を用いることができる。
【0024】
光源41は、主走査方向に沿って配列された複数のLED(Light Emitting Diode)が用いられる。なお、導光体と、導光体の両端にLEDを配置して光源を用いてもよい。
【0025】
ロッドレンズアレイ42は、多数の円柱状の単一レンズが同じ径方向に密着してライン状に配列されてなる撮像用のレンズからなる。また、ロッドレンズアレイ42を構成する各単一レンズの配列方向と、ラインセンサ43の撮像素子である光電変換素子431a,432a,433aの配列方向とは一致している。なお、1つの単一レンズの集光幅は、ラインセンサ43で読み取られる画像の例えば14画素分に相当する。
【0026】
図2は、ラインセンサ43の概略構成を示す平面図である。ラインセンサ43は、多数の光電変換素子431a,432a,433aが形成された複数のセンサチップ431,432,433を備えるマルチチップで構成され、全ての光電変換素子431a,432a,433aが画像の読み取りラインの方向(主走査方向)に同列に配置される。
【0027】
ラインセンサ43には、例えば16〜24個のセンサチップ431,432,433が基板44上に実装される。また、1つのセンサチップ431には、例えば304個の光電変換素子431aが同一のCMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)プロセスで形成される。したがって、同一のセンサチップ431における全ての光電変換素子431aの感度等特性は同等とみなすことができる。しかし、例えば隣接する2つのセンサチップ431,432が製造された半導体ウェハが異なる場合には、その製造プロセス条件の違いにより、それぞれのチップの光電変換素子431a,432aの感度特性にも若干のばらつき(特性差)が生じることもある。
【0028】
(制御系)
図3は、画像読取装置1の制御システムの構成を例示するブロック図である。画像読取装置1における主な動作制御は画像読取制御装置10により行われる。画像読取制御装置10は、表面画像読取部3の駆動及び原稿20の表面20aの読み取りを制御する表面画像読取制御部300と、裏面画像読取部4による原稿20の裏面20bの読み取りを制御する裏面画像読取制御部400と、画像読取装置1の全体を統括して制御するコントローラ500とを備える。
【0029】
コントローラ500には、ユーザによる画像の読み取り指示等の操作を受け付ける操作パネル14と、読み取り指示等に応じて搬送機構23の分離ロール230、搬送ロール231、読取ロール232、案内ロール233、排出ロール234等を駆動する搬送機構駆動制御部24が接続される。
【0030】
表面画像読取制御部300には、表面画像読取部3の光源30、第1及び第2のキャリッジ37A,37Bを駆動する駆動部39及びCCDセンサ34が接続される。
【0031】
裏面画像読取制御部400には、裏面画像読取部4に備えられる光源41及びラインセンサ43が接続される。
【0032】
裏面画像読取制御部400は、裏面画像読取部4の光源41を走査制御する走査制御部401と、A/D変換部402と、補正データ生成部410を有する画像処理部403と、画像データ転送部404とを備える。
【0033】
裏面画像読取制御部400に備えられる走査制御部401は、コントローラ500からの指令に応じて、画像の1ラインを読み取るライン周期に同期したLED駆動信号や、後述するシェーディング補正に用いられる白基準データを得るためのLED駆動信号等を光源41に出力する。
【0034】
A/D変換部402は、裏面画像読取部4のラインセンサ43が出力したアナログの画像読取信号をデジタルの信号である読取画像データに変換する。
【0035】
画像補正手段としての機能を有する画像処理部403は、A/D変換部402でデジタルに変換された読取画像データに対し、補正データ生成部410が生成するシェーディング補正データSDに基づいてシェーディング補正等の画像処理を行う。
【0036】
画像データ転送部404は、画像処理部403が出力する画像処理後の読取画像データをコントローラ500に転送する。
【0037】
(補正データ生成部)
図4は、裏面画像読取制御部400に備えられる補正データ生成手段としての補正データ生成部410のハードウェア構成の概略を例示する機能ブロック図である。なお、本実施の形態において、画像処理部403及び補正データ生成部410における後述する補正データ修正手段等のデジタル信号処理手段は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア回路によって構成されるものとする。ただし、これらの機能の全部又は一部を所定のプログラムに従ってDSP(Digital Signal Processor)が演算処理するソフトウェア手段により実現することもできる。
【0038】
補正データ生成部410が生成する補正データであるシェーディング補正データSDは、裏面画像読取部4で採取される白基準データに基づいて生成される。
【0039】
ここで「白基準データ」とは、基準となる白の反射光に対して画像読取部が出力する信号の感度特性をいう。白基準データは、通常、白基準板を画像読取部が撮像することで採取される。図5(a)は、裏面画像読取部4で採取される初期の白基準データSD0(第1の基準データ)の一例であり、グラフの横軸がラインセンサ43の光電変換素子431a,432a,433aの配列FS(画素位置)、縦軸が8bitデータに変換された光電変換素子431a,432a,433aの出力である。初期の白基準データSD0は、例えば画像読取装置1の工場出荷時において、汚れのない白基準板49をラインセンサ43が撮像することにより得られる。また、図5(b)は、裏面画像読取部4で採取される読み取り時の白基準データSD1(第2の基準データ)の一例である。
【0040】
図5(a)及び(b)に示されるようにラインセンサ43の白色反射光に対する感度特性は一様でなく、特に両端部において大きく減衰している。これは、ラインセンサ43の端部に近づくほど拡散光の影響が小さくなる光学系的な周辺減光の効果による。また、図5(a)及び(b)の白基準データSD0,SD1が示すように、ロッドレンズアレイ42のレンズピッチに対応した周期的な小振幅の感度変動(うねり)も生じている。このような周期的な変動は、ロッドレンズアレイ42を構成する単一レンズの中心部と外縁部とで集光量が異なるため必然的に生じるものと考えられる。
【0041】
また、図5(b)の読み取り時の白基準データSD1には、異常値として局所的に感度特性が大きく変動する箇所がいくつか観察される。これは、白基準板49の表面に付着した微小な粉塵などの汚れ又は光電変換素子431a,432a,433aの不良によるものと考えられる。
【0042】
図4に示される補正データ生成部410は、第1の入力バッファメモリ412Aと、第2の入力バッファメモリ412Bとを備えている。第1の入力バッファメモリ412Aには、工場出荷時等に採取される初期の白基準データSD0が記憶される。第2の入力バッファメモリ412Bには、原稿20の画像を読み取る直前に採取される読み取り時の白基準データSD1が記憶される。
【0043】
初期の白基準データSD0は、図示しない外部の不揮発性メモリ421に予め格納されている。画像読取装置1のメインの電源が投入されると、初期の白基準データSD0がその外部の不揮発性メモリ411から第1の入力バッファメモリ412Aにロードされる。なお、補正データ生成部410の内部ROMを第2の入力バッファメモリ412Bとして設けて、ここに初期の白基準データSD0が予め記憶されるものでもよい。
【0044】
第2の入力バッファメモリ412Bは、補正データ生成部410に備えられる内部RAM(Random Access Memory)に割り当てられたメモリ領域からなり、画像の読み取る直前において白基準データSD1が採取される毎にそのデータの内容が書き換えられる。
【0045】
また、補正データ生成部410は、第1乃至第3の作業メモリ415,420,421を備えている。これらは、補正データ生成部410の内部RAMに割り当てられた各メモリ領域からなり、内部のデータバス423を介して互いにデータ伝送可能に接続されている。第1の作業メモリ415には、読み取り時に採取される白基準データSD1及び初期の白基準データSD0に基づいて最終的に生成されるシェーディング補正データSDが格納される。
【0046】
また、補正データ生成部410は、第1及び第2のセレクタ413,419と、フィルタ414と、乗算器417と、乗算係数メモリ416と、除算器418とを備える。
【0047】
第1のセレクタ413は、第1の入力バッファメモリ412Aに格納された初期の白基準データSD0、又は第2の入力バッファメモリ412Bに格納された読み取り時の白基準データSD1の何れかを適時選択して出力する。
【0048】
フィルタ414は、平滑フィルタ414a及び補間フィルタ414bの機能を備えてなり、第1のセレクタ413で選択される白基準データSD0,SD1に対しフィルタリング処理を行う。
【0049】
乗算器417は、第1の作業メモリ415に格納された白基準データに対し、乗算係数メモリ416の係数を乗算する演算処理を行う。
【0050】
除算器418は、第1のセレクタ413で選択されるデータを第1の作業メモリ415に格納され乗算器417で係数が乗算されたデータで除算する演算処理を行う。
【0051】
第2のセレクタ419は、第1の作業メモリ415に格納されたデータ、除算器418から出力されるデータ、又はフィルタ414から出力されるデータを適時選択して出力する。
【0052】
(画像読取装置の動作)
次に画像形成装置1による動作の概要を説明する。
【0053】
ユーザが給紙台21に原稿10を置いて操作パネル14から画像の読み取りを指示すると、コントローラ500はその情報を受信し、表面画像読取制御部300及び裏面画像読取制御部400に対して画像の読み取りを指令する。
【0054】
表面画像読取制御部300は、コントローラ500からの指令を受けると、駆動部39を制御して第1及び第2のキャリッジ37A,37Bを第1の読取領域3aに位置決めして保持する。
【0055】
裏面画像読取制御部400は、コントローラ500からの指令を受けると、走査制御部401がLED駆動信号を裏面画像読取部4の光源41に出力する。そして、白基準板49で反射した反射光をラインセンサ43が受光して白基準データSD1を採取する。
【0056】
コントローラ500は、搬送機構駆動制御部24を駆動制御して搬送機構23を動作させる。搬送機構23は、給紙台21に束の状態で置かれた原稿20を1枚ずつ分離して、表面画像読取部3及び裏面画像読取部4を経由して排紙台22まで搬送する。
【0057】
表面画像読取制御部300は、搬送機構23による原稿20の搬送に連動して、第1の読取領域3aを通過する原稿20の表面20aに記録された画像を1ラインずつ読み取る。すなわち、表面画像読取制御部300は、主走査方向に配置された表面画像読取部3の光源30を順次発光させ、原稿20の表面20aからの反射光をCCDセンサ34が受光することで得られるセンサ出力を1ラインの画像読取信号として受信する。
【0058】
裏面画像読取制御部400は、同じく搬送機構23による原稿20の搬送に連動して、裏面画像読取部4を通過する原稿20の裏面20bに記録された画像をラインセンサ43で1ラインずつ読み取る。
【0059】
より詳細には、裏面画像読取制御部400の走査制御部401は、原稿20の搬送速度に応じたライン同期信号(1ラインを読み取り走査する周期信号)に同期して裏面画像読取部4の光源41を発光させる。原稿20の裏面20bからの反射光をラインセンサ43が受光することで、裏面20bに記録された画像の1ラインの画像読取信号が出力される。
【0060】
A/D変換部402は、ラインセンサ43が出力したアナログの画像読取信号をデジタルの信号である読取画像データに変換する。
【0061】
画像補正手段としての画像処理部403は、A/D変換部402でデジタルに変換された読取画像データに対し、補正データ生成部410が生成するシェーディング補正データSD基づいてシェーディング補正等の画像処理を行う。
【0062】
(補正データの作成動作)
次に、補正データ生成部410によるシェーディング補正データSDを作成する動作を、図4に示された機能ブロックと、図6に示すフローチャートを参照して説明する。なお理解を容易にするために、図6のフローチャートには各ステップで扱われるデータの概略波形を示すグラフが併せて示されている。また、グラフの太線で示されるデータは、ロッドレンズアレイ42のレンズピッチに対応した周期的な変動成分(うねり)が含まれていることを意味し、細線で示されるデータは、周期的な変動成分がフィルタにより平滑化されたことを意味する(図7において同じ)。
【0063】
ユーザが操作パネル14で画像の読み取りを指示し、コントローラ500から画像読み取りの指令が裏面画像読取制御部400に送信されると、裏面画像読取制御部400は、最初に白基準板49をラインセンサ43で撮像して、原稿読み取り時の白基準データSD1を採取する。採取された白基準データSD1は、第2の入力バッファメモリ412Bに格納される(S11)。
【0064】
補正データ生成部410の第1の補正データ修正手段は、図6のフローチャートのステップS12〜S15を通して、初期の白基準データSD0(第1の基準データ)及び読み取り時の白基準データSD1(第2の基準データ)に基づいて、白基準板49の黒ずみや色あせ、変形等の経時的な劣化の影響を排除した修正白基準データMSD1を求める。
【0065】
第1の補正データ修正手段は、はじめにフィルタ414を介して初期の白基準データSD0をフィルタリング処理する(S12)。このステップS12においてフィルタ414は、ロッドレンズアレイ42のレンズピッチに対応した白基準データSD0の周期的な変動(うねり)を平滑化する。フィルタリング処理がされた初期の白基準データFSD0は、第1の作業メモリ415に一旦格納される。
【0066】
続いて、第1の補正データ修正手段は、読み取り時の白基準データSD1をフィルタ414でフィルタリング処理することで白基準データFSD1を取得する(S13)。このステップS13においてフィルタ414は、白基準データSD1の周期的な変動(うねり)を平滑化するとともに、閾値以上の局所的な変動成分を除去する。
【0067】
なお、このフィルタ414によるフィルタリング処理の詳細については後述する。
【0068】
次に第1の補正データ修正手段は、フィルタリングされた読み取り時の白基準データFSD1を、同じくフィルタリングされた初期の白基準データFSD0で除算器418を介して除算することにより、光電変換素子431a,432a,433aの配列方向(画素配列FS)にわたるこれらデータ間の比の分布データである感度比分布データSRDを第2の作業メモリ420にて取得する(S14)。ここで、取得された感度比分布データSRDは、第2の作業メモリ420から第1の作業メモリ415に移される。
【0069】
そして、第1の補正データ修正手段は、除算器418を介して、第2の入力バッファメモリ412Bに格納されている読み取り時の白基準データSD1を第1の作業メモリ415に格納された感度比分布データSRDで除算することにより、修正白基準データMSD1を求め第2の作業メモリ420にて取得する(S15)。この修正白基準データMSD1は、第2の作業メモリ420から第1の作業メモリ415に移される。
【0070】
次に、第2の補正データ修正手段は、図6のフローチャートのステップS16〜S18を通して、修正白基準データMSD1に含まれる白基準板49の粉塵等の汚れに起因する変動成分を除去する修正し、これにより最終的なシェーディング補正データSDを作成する。
【0071】
第2の補正データ修正手段は、はじめに除算器418を介して、第1の入力バッファメモリ412Aの初期の白基準データSD0を第1の作業メモリ415の修正白基準データMSD1で除算することにより、感度比データSR1を第2の作業メモリ420にて取得する(S16)。続いて、第2の補正データ修正手段は、第2の作業メモリ420にて取得した感度比データSR1から閾値以上の局所的な変動成分が存在する画素位置をデータの置換対象位置として検出し、第3の作業メモリ421にその位置情報を格納する(S17)。
【0072】
次に、第1の入力バッファメモリ412Aに格納されている初期の白基準データSD0(第1の基準データ)を第2の作業メモリ420に移動させる。この際、フィルタ414はスルー、セレクタ419はそのスルーデータを選択する為、第2の作業メモリ420には第1の入力バッファメモリ412Aと同じものが格納される。
【0073】
次に、第3の作業メモリ421に格納された局所的変動成分の位置情報に該当する、第1の作業メモリ415に格納された修正白基準データMSD1の該当画素を、第2の作業メモリ420に格納された初期の白基準データSD0の該当画素に置き換える。これにより、精度の高いシェーディング補正データSDが生成される。
【0074】
次に、補正データ生成部410に備えられるフィルタ414の動作について説明する。フィルタ414は、平滑フィルタ414a及び補間フィルタ414bとしての機能を有している。ここでは、フィルタ414が読み取り時の白基準データSD1をフィルタリング処理する動作を例に挙げるが、他のデータに対するフィルタリング処理も同様に行われる。
【0075】
図7(a)は、読み取り時の白基準データSD1の波形を例示する図であり、図7(b)は、フィルタ414により白基準データSD1をフィルタリング処理して得られる白基準データFSD1の波形を例示する図である。図7(a)の白基準データSD1には、グラフの太線で示されるロッドレンズアレイ42のレンズピッチに対応した周期的な変動成分(例えばI部)と、白基準板49の表面に付着した粉塵等に起因する局所的な変動成分(例えばJ部)と、ラインセンサ43において隣接する2つのセンサチップ431,432間の光電変換素子431a,432aの感度特性の差に起因する段状の変動成分(例えばK部)とが観察される。
【0076】
なお、図7(a)において示される白基準データSD1に含まれるこれらの変動成分のノイズは、説明のため極端に大きく図示されたものであり、実際のSN比はこれよりも相当程度大きい。
【0077】
第1の実施の形態によるフィルタ414は、ラインセンサ43の光電変換素子431a,432a,433aの配列に従って、各光電変換素子431a,432a,433aの出力データを、その光電変換素子に近接する範囲にある複数の光電変換素子が出力するデータの平均値で順次置換してゆく。ここで、図8(a)乃至(c)は、図7(a)に示された白基準データSD1のI部、J部、K部の各部において、データが置換される前後の波形を詳細に示す図である。
【0078】
例えば、図8(a)に示されるように、フィルタ414は、画素位置Dの出力データを置換する場合、Dを含み先行するDi+14の画素位置までの各光電変換素子の出力の平均値を演算し、その平均値を画素位置Dのデータとして置換する。なお、画素位置Dを中心とする前後14箇所の画素位置(Di−7〜Di+7)の出力を平均した値を画素位置Dのデータとして置換してもよい。
【0079】
置換のため平均値の演算に考慮される画素範囲(光電変換素子に近接する範囲)としては例えば14画素であり、これはロッドレンズアレイ42のレンズピッチに対応する画素数に一致している。あるいはその画素範囲をレンズピッチの整数倍に設定してもよい。このように平均値を求める際に考慮される画素の範囲をレンズピッチに相当する画素数に設定することにより、光電変換素子431a,432a,433aの出力の周期的なうねりを効率良く平滑化することができる。
【0080】
また、例えば図8(b)に示されるように、フィルタ414は、画素位置Dのデータを置換する場合において、平均値の演算に考慮される画素位置Dj+1〜Dj+14の出力のうち画素位置Dにおける出力との差が閾値を超えるものが存在するときは、置換のための平均値の演算においてその閾値以上の出力データを除外する。
【0081】
なお、閾値を超え除外された出力データは、その前後の画素位置において閾値を超えない出力データに基づいて例えば線形(一次)補間により置換がなされる。
【0082】
また、例えば図8(c)に示されるように、フィルタ414は、隣接するセンサチップ431,432の境界に検出除外領域を設定する。例えば、画素位置Dの光電変換素子431aの出力を置換する場合、近接する画素位置Dk+1〜Dk+14の範囲にセンサチップ431,432の境界が存在するときには、その異なるセンサチップ432の光電変換素子43aが出力するデータを上記閾値の判断及び置換のための平均値の演算から除外する。
【0083】
また、センサチップ431,432の境界に設定される検出除外領域(図8(c)の例では画素位置Dk+1〜Dk+14)の例えばDk+7の画素位置にある光電変換素子432aの出力データは、当該検出除外領域の両端(画素位置D〜Dk+15)の置換値に基づいて線形(一次)補間された値に置換される。
【0084】
このように、隣接するセンサチップ431,432の境界に検出除外領域を設けたことにより、製造プロセス条件の違いにより光電変換素子431a,432aの間に感度特性の差が顕著に存在しても、その差分を平滑して補間で埋めてしまうような誤った処理は回避される。したがって、図7(a)のK部に示されるような感度特性の段差をシェーディング補正データSDに正確に反映される。
【0085】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。ここでは、補正データ生成部410に備えられるフィルタ414における第1の実施の形態とは異なる別の動作について説明する。
【0086】
第2の実施の形態によるフィルタ414は、第1の実施の形態と同様にラインセンサ43の光電変換素子431a,432a,433aの配列に従って、各光電変換素子431a,432a,433aの出力データを、その光電変換素子に近接する範囲にある複数の光電変換素子が出力するデータの平均値で順次置換してゆく。ここで、図9(a)乃至(c)は、図7(a)に示された白基準データSD1のI部、J部、K部の各部において、データが置換される前後の波形を詳細に示す図である。
【0087】
例えば、図9(a)に示されるように、フィルタ414は、画素位置Dの出力データを置換する場合、Dを含み先行するDi+14の画素位置までの各光電変換素子の出力の平均値を演算し、その平均値を画素位置Dのデータとして置換する。なお、画素位置Dを中心とする前後14箇所の画素位置(Di−7〜Di+7)の出力を平均した値を画素位置Dのデータとして置換してもよい。
【0088】
置換のため平均値の演算に考慮される画素範囲(光電変換素子に近接する範囲)としては例えば14画素であり、これはロッドレンズアレイ42のレンズピッチに対応する画素数に一致している。あるいはその画素範囲をレンズピッチの整数倍に設定してもよい。
【0089】
また、例えば図9(b)に示されるように、フィルタ414は、画素位置Dのデータを置換する場合において、平均値の演算に考慮される画素位置Dj+1〜Dj+14の出力のうち画素位置Dにおける出力との差が第1の閾値(チップ内閾値)を超えるものが存在するときは、置換のための平均値の演算においてその閾値以上の出力データを除外する。
【0090】
なお、閾値を超え除外された出力データは、その前後の画素位置において閾値を超えない出力データに基づいて例えば線形(一次)補間により置換がなされる。
【0091】
また、例えば図9(c)に示されるように、フィルタ414は、隣接するセンサチップ431,432の境界に閾値変更領域を設定する。例えば、画素位置Dの光電変換素子431aの出力を置換する場合、これに近接する画素位置Dk+1〜Dk+14の範囲にセンサチップ431,432の境界が存在するときには、その異なるセンサチップ432の光電変換素子432aが出力するデータについては、上記第1の閾値(チップ内閾値)の範囲を拡大して変更した第2の閾値(境界部閾値)で判断する。図9(c)の例では、閾値変更領域の画素位置Dk+1〜Dk+14の出力は、拡大された第2の閾値(境界部閾値)を超えないので、画素位置Dの置換の際においてもそのまま平均値に反映される。
【0092】
このように、隣接するセンサチップ431,432の境界において閾値が拡大される閾値変更領域を設けたことにより、製造プロセス条件の違いにより光電変換素子431a,432aの間に感度特性の差が顕著に存在しても、その差分を平滑して補間で埋めてしまうような誤った処理は回避される。したがって、図7(a)のK部に示されるような感度特性の段差をシェーディング補正データSDに正確に反映される。
【0093】
[第3の実施の形態]
図10は、本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置5の構成例を示す図である。この画像形成装置5は、上記第1又は第2の実施の形態に係る画像読取装置1と、本体部5Aとを備える。
【0094】
本体部5Aは、画像読取装置1によって読み取られた原稿画像を記録媒体としての用紙70に印刷する画像形成部6と、画像形成部6に用紙70を供給するトレイ部7とを備える。
【0095】
原稿カバー17には、タッチパネル171と、原稿の読取、画像の印刷を指示するスタートボタンや原稿の読取、画像の印刷の停止を指示するストップボタン等の操作ボタン172とが設けられている。
【0096】
画像形成部6は、電子写真方式によって原稿画像を用紙に印刷するものであり、循環移動する無端状の中間転写ベルト60と、中間転写ベルト60にイエロー(Y),マゼンダ(M),シアン(C),ブラック(K)の各色のトナー画像を転写する第1乃至第4の画像形成ユニット61Y、61M、61C、61Kと、画像情報に基づいて変調されたレーザー光を第1乃至第4の画像形成ユニット61Y、61M、61C、61Kの後述する感光体ドラム610を露光することにより感光体ドラム610上に静電製造を形成する露光部としての光学走査装置62とを備えている。
【0097】
各画像形成ユニット61Y、61M、61C、61Kは、感光ドラム610と、感光ドラム610の表面を一様に帯電する帯電器611と、感光ドラム610の表面に光学走査装置62によって形成された静電潜像を各色のトナーで現像してトナー画像を形成する現像部としての現像器612と、中間転写ベルト60を感光ドラム610に押し付ける一次転写ローラ613とを有している。
【0098】
中間転写ベルト60は、不図示のモータに連結された駆動ローラ63によって駆動され、第1の従動ローラ64A、第2の従動ローラ64B及び中間転写ベルト60に張力を付与するテンションローラ65によって形成された循環経路に沿って回転する。
【0099】
また、画像形成部6は、中間転写ベルト60を挟んで第2の従動ローラ64Bと対向する位置に配置され、中間転写ベルト60上に形成されたトナー画像をトレイ部7から供給された用紙に転写する転写部としての二次転写ローラ66と、用紙に転写されたトナー画像を用紙上に転写する定着部としての定着ユニット67と、定着ユニット67を通過した用紙70を排出台69に排出する排出ローラ68とを備えている。
【0100】
定着ユニット67は、ヒータを内蔵する定着ロータ671と、定着ローラ671に対して加圧される加圧ローラ672とを備える。
【0101】
トレイ部7は、向き、大きさ、紙質等の異なる用紙70をそれぞれ収容する第1乃至第3のトレイ71〜73を備える。トレイ部7は、第1乃至第3のトレイ71〜73のそれぞれに対応して、格納された用紙70を取り出すためのピックアップローラ74A〜74Cと、複数の用紙70が取り出された場合にそれらを分離する分離ローラ75A〜75Cと、用紙70さらに下流側へ搬送するレジローラ76A〜76Cとを備えている。レジローラ76A〜76Cは、画像形成部6による画像形成のタイミングに同期して動作し、第1乃至第3のトレイ71〜73から取り出した用紙70を搬送路77に沿って二次転写ローラ66と転写ベルト60との間に導くように構成されている。
【0102】
以上、本発明の好適な実施の形態を複数説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲内で種々の変形・応用が可能である。
【符号の説明】
【0103】
1…画像読取装置、2…原稿搬送部、3…表面画像読取部、3a…第1の読取領域、3b…第2の読取領域、4…裏面画像読取部、5…画像形成装置、5A…本体部、6…画像形成部、7…トレイ部、10…画像読取制御装置、14…操作パネル、17…原稿カバー、20…原稿、20a…表面、20b…裏面、21…給紙台、22…排紙台、23…搬送機構、24…搬送機構駆動部、30…光源、31…導光体、32A…第1のミラー、32B…第2のミラー、32C…第3のミラー、33…レンズ、34…CCDセンサ、35…筐体、36…原稿配置台、37A…第1のキャリッジ、37B…第2のキャリッジ、38A〜38C…白基準板、39…駆動部、41…光源、42…ロッドレンズアレイ、43…ラインセンサ、44…基板、49…白基準板、60…中間転写ベルト、61Y…第1の画像形成ユニット、61M…第2の画像形成ユニット、61C…第3の画像形成ユニット、61K…第4の画像形成ユニット、62…光学走査装置、63…駆動ローラ、64A…第1の従動ローラ、64B…第2の従動ローラ、65…テンションローラ、66…二次転写ローラ、67…定着ユニット、68…排出ローラ、70…用紙、71…第1のトレイ、72…第2のトレイ、73…第3のトレイ、74A〜74C…ピックアップローラ、75A〜75C…分離ローラ、76A〜76C…レジローラ、77…搬送路、171…タッチパネル、172…操作ボタン、230…分離ロール、231…搬送ロール、232…読取ロール、233…案内ロール、234…排出ロール、300…表面画像読取制御部、400…裏面画像読取制御部、401…走査制御部、402…A/D変換部、403…画像処理部、404…画像データ転送部、410…補正データ生成部、411…不揮発性メモリ、412A…第1の入力バッファメモリ、412B…第2の入力バッファメモリ、413…第1のセレクタ、414…フィルタ、414a…平滑フィルタ、414b…補間フィルタ、415…第1の作業メモリ、416…乗算係数メモリ、417…乗算器、418…除算器、419…第2のセレクタ、420…第2の作業メモリ、421…第3の作業メモリ、423…データバス、431,432,433…センサチップ、431a,432a,433a…光電変換素子、500…コントローラ、610…感光ドラム、611…帯電器、612…現像器、613…一次転写ローラ、A…副走査方向、FS…画素配列、FSD0…フィルタリングされた初期の白基準データ、FSD1…フィルタリングされた読み取り時の白基準データ、MSD1…修正白基準データ、SD0…初期の白基準データ(第1の基準データ)、SD1…読み取り時の白基準データ(第2の基準データ)、SRD…感度比分布データ、SR1…感度比データ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の光電変換素子が配列されるセンサチップを複数有し、読取位置に搬送される原稿からの反射光を前記光電変換素子が受光して画像を読み取る画像読取部と、
前記読取位置に配置される基準板と、
前記基準板からの反射光により前記画像読取部が採取する基準データを平滑化するフィルタと、
前記フィルタで平滑化された前記基準データに基づいて補正データを生成する補正データ生成手段と、
前記画像読取部が読み取った原稿の画像を前記補正データ生成手段が生成した補正データに基づいて補正する画像補正手段と、を備え、
前記フィルタは、前記光電変換素子の配列に従って順次置換しようとする前記光電変換素子による出力を、当該光電変換素子に近接する範囲にある複数の他の光電変換素子による出力のうち閾値を超えない平均値に基づいて置換するとともに、当該光電変換素子と前記他の光電変換素子との間に前記センサチップの境界が存在する場合には、前記センサチップが異なる当該他の光電変換素子による出力を前記平均値から除外して当該光電変換素子の出力を置換して平滑化する、画像読取装置。
【請求項2】
複数の光電変換素子が配列されるセンサチップを複数有し、読取位置に搬送される原稿からの反射光を前記光電変換素子が受光して画像を読み取る画像読取部と、
前記読取位置に配置される基準板と、
前記基準板からの反射光により前記画像読取部が採取する基準データを平滑化するフィルタと、
前記フィルタで平滑化された前記基準データに基づいて補正データを生成する補正データ生成手段と、
前記画像読取部が読み取った原稿の画像を前記補正データ生成手段が生成した補正データに基づいて補正する画像補正手段と、を備え、
前記フィルタは、前記光電変換素子の配列に従って順次置換しようとする前記光電変換素子による出力を、当該光電変換素子に近接する範囲にある複数の他の光電変換素子による出力のうち第1の閾値を超えない出力の平均値に基づいて置換するとともに、当該光電変換素子と前記他の光電変換素子との間に前記センサチップの境界が存在する場合には前記第1の閾値をより範囲が広い第2の閾値に変更する、画像読取装置。
【請求項3】
前記画像読取部は、前記複数の光電変換素子に対し反射光を集光するアレイレンズを有する密着型のラインセンサを備えてなり、前記フィルタが前記平均値を得るための前記光電変換素子に近接する範囲が前記アレイレンズのレンズピッチに対応して設定される、請求項1又は2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
原稿から画像を読み取る請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像読取装置と、
前記画像読取装置によって読み取られた画像に基づいて感光体を露光することにより前記感光体上に静電潜像を形成する露光部と、
前記感光体上に形成された静電潜像を現像してトナー像を形成する現像部と、
前記トナー像を用紙に転写する転写部と、
前記用紙に転写された前記トナー像を定着させる定着部と、を備える画像形成装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−104890(P2012−104890A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−249085(P2010−249085)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】