説明

画像読取装置及び画像形成装置

【課題】本発明は、簡易な構成で、導光部材と光反射部材との間から漏れる光を抑制可能な画像読取装置を提供すること。
【解決手段】発光部410と、主走査方向Yに延びる棒状であり、主走査方向Yの一端部340bが発光部410に対向すると共に主走査方向Yに沿って配置される導光部材340であって、一端部340b側に配置される入光部345と、外周面の一部に主走査方向Yに延びるように形成されると共に外部に光を照射する光照射部341とを有し、入光部345から入光される発光部410からの光を主走査方向Yに導くと共に光照射部341に導く導光部材340と、導光部材340の主走査方向Yの他端部340aに当接して配置され、入光部345から入光されて他端部340aから漏れる光を反射させる光反射部材460と、光反射部材460を導光部材340側に向けて付勢する付勢部429と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題を背景に光源としてLED(発光部)が採用された画像読取装置が存在する。
光源としてLEDが用いられる場合、例えば、複数のLEDを主走査方向に所定間隔で配置された画像読取装置が存在する。
しかし、この画像読取装置の場合、複数のLEDが必要であり、コスト面からは不利になる場合があった。
【0003】
これに対し、主走査方向の一端側に輝度が高いLEDを配置すると共に主走査方向に延びるアクリルやポリカーボネートで構成された棒状の導光部材を有する画像読取装置が存在する(例えば、特許文献1参照)。
この場合、LEDが1つ(又は少数)で足りるので、コスト面からは有利になる。
【0004】
このようなLED及び棒状の導光部材を有する画像読取装置において、棒状の導光部材は、一般的に、主走査方向の一端部側に配置される入光部と、外周面の一部に主走査方向に延びるように形成されると共に外部に光を照射する光照射部とを有しており、入光部から入光されるLEDからの光を主走査方向に導くと共に光照射部に導くように構成される。
【0005】
また、このようなLED及び棒状の導光部材を有する画像読取装置において、導光部材の主走査方向の他端部に当接して配置されると共に入光部から入光されて他端部から漏れる光を反射させる光反射部材を更に有する画像読取装置が知られている。
このような画像読取装置の場合、導光部材の主走査方向の他端部に光反射部材を当接して配置することで、光反射部から照射される光の照度を向上させることができると共に、主走査方向の照度のムラを抑制することができるとされている。
【0006】
しかし、このような画像読取装置において、導光部材の製造公差や製造誤差や熱による変形があった場合に、光反射部材と導光部材の他端部とが、離間する可能性がある。これにより、入光部から入光されるLEDからの光は、導光部材の他端部と光反射部材との間から漏れる可能性があった。
【0007】
これに対して、導光部材の主走査方向の他端部に光反射膜を形成する画像読取装置が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−75184号公報
【特許文献2】特開平11−55464号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献2に記載の画像読取装置において、導光部材の他端部に光反射膜を形成する構成は複雑である。
【0010】
本発明は、簡易な構成で、導光部材と光反射部材との間から漏れる光を抑制可能な画像読取装置を提供することを目的とする。
また、本発明は、前記画像読取装置を備える画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、発光部と、主走査方向に延びる棒状であり、主走査方向の一端部が前記発光部に対向すると共に主走査方向に沿って配置される導光部材であって、前記一端部側に配置される入光部と、外周面の一部に主走査方向に延びるように形成されると共に外部に光を照射する光照射部とを有し、前記入光部から入光される前記発光部からの光を前記主走査方向に導くと共に前記光照射部に導く導光部材と、前記導光部材の前記主走査方向の他端部に当接して配置され、前記入光部から入光されて前記他端部から漏れる光を反射させる光反射部材と、前記光反射部材を前記導光部材側に向けて付勢する付勢部と、を備える画像読取装置に関する。
【0012】
また、前記付勢部は、スポンジ状部材により構成されることが好ましい。
【0013】
また、前記付勢部は、バネ状部材により構成されることが好ましい。
【0014】
また、前記光反射部材が前記付勢部により付勢される場合において、前記導光部材における主走査方向に直交する方向の撓み量は、0.5mm以内であることが好ましい。
【0015】
前記光反射部材の反射率は、85%以上であることが好ましい。
【0016】
また、前記光反射部材は、ミラー又はアルミシートにより構成されることが好ましい。
【0017】
また、本発明は、前記画像読取装置を有する画像形成装置に関する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、簡易な構成で、導光部材と光反射部材との間から漏れる光を抑制可能な画像読取装置を提供することができる。
また、本発明は、前記画像読取装置を備える画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】画像形成装置としてのコピー機1の各構成要素の配置を説明するための図である。
【図2】画像読取装置300に組み込まれる発光ユニット400の斜視図である。
【図3】図2の状態からカバー部材311b及びカバー部材311cを取り外した発光ユニット400の斜視図である。
【図4】導光部材340及びLED基板430を保持させた状態の保持部材420における斜視図である。
【図5】保持部材420の基端側部材425と第1枠体311の外側壁部311eとの位置決め構造を示す斜視図である。
【図6】保持部材420の先端側部材427と第1枠体311の外側壁部311fとの位置決め構造を示す斜視図である。
【図7】保持部材420の先端側部材427とLED基板430との位置決め構造を説明するための図である。
【図8】導光部材340の斜視図である。
【図9】導光部材340の先端340bにおける位置決め構造を説明する図である。
【図10】導光部材340の基端340aにおける位置決め構造を説明する図である。
【図11】基端側部材425に基端保持板690が取り付けられた状態を示す図である。
【図12】保持部材420の基端側部材425に形成された基端側孔状部423aと導光部材340の基端部との位置決め構造を説明するための図である。
【図13】保持部材420の先端側部材427に形成された先端側孔状部423bと導光部材340の先端部との位置決め構造を説明するための図である。
【図14】本実施形態の光照射部341から照射される主走査方向Yにおける照度分布を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して、本発明の画像形成装置の実施形態を説明する。
図1により、本実施形態における画像形成装置としてのコピー機1における全体構造を説明する。図1は、画像形成装置としてのコピー機1の各構成要素の配置を説明するための図である。
【0021】
図1に示すように、画像形成装置としてのコピー機1は、コピー機1における上下方向Zの上方側に配置される画像読取装置300と、コピー機1における上下方向Zの下方側に配置され画像読取装置300により読み取られた画像情報に基づいてシート状の被転写材としての用紙Tにトナー画像を形成する装置本体Mと、を備える。
なお、コピー機1の説明において、副走査方向Xをコピー機1の「左右方向」ともいい、主走査方向Y(図1を貫く方向、図2参照)をコピー機1の「前後方向」ともいう。コピー機1の上下方向Zは、副走査方向X及び主走査方向Yと直交する。
【0022】
まず、画像読取装置300について説明する。
図1に示すように、画像読取装置300は、原稿Gの画像を読み取る読取部301と、読取部301の上方側に配置され読取部301に原稿Gを搬送する原稿搬送部70と、を備える。
【0023】
読取部301は、筐体306と、筐体306の上方側に配置される第1読取面302A及び第2読取面302Bと、を備える。また、読取部301は、筐体306の内部空間304に、光源となる発光部としてのLED410(図9参照)から受けた光を第1読取面302A又は第2読取面302Bの原稿Gに照射する導光部材340と、複数のミラー321、322及び323と、副走査方向Xに移動するケース部材である第1枠体311及び第2枠体312と、結像レンズ357と、読取手段としてのCCD358と、CCD358により読み取られた画像情報に対して所定の処理をすると共に該画像情報を装置本体M側に出力させるCCD基板361と、を備える。導光部材340及び第1ミラー321は、第1枠体311に収容される。第2ミラー322及び第3ミラー323は、第2枠体312に収容される。
【0024】
導光部材340や光源となるLED410は、ケース部材である第1枠体311に組み付けられて1つにユニット化された発光ユニット400(図2参照)として、筐体306に取り付けられる。
発光ユニット400の詳細については後述する。
【0025】
原稿搬送部70は、読取部301に対して不図示の連結部により開閉可能に連結されている。原稿搬送部70は、上方側に原稿載置部71を有し、内部に送りローラー(図示せず)を有する。原稿搬送部70は、読取部301の第1読取面302A及び第2読取面302Bを保護する機能を有する。
【0026】
第1読取面302Aは、原稿搬送部70により搬送される原稿Gを読み取る場合に用いられる読取面である。第1読取面302Aは、原稿Gが搬送される第1コンタクトガラス335Aの上面に沿って形成される。第1読取面302Aは、筐体306における左側面近傍に位置する。なお、図1に示すこの位置を「第1読取位置」ともいう。
【0027】
第2読取面302Bは、原稿搬送部70を用いずに原稿Gを読み取る場合に用いられる読取面である。第2読取面302Bは、原稿Gが載置される第2コンタクトガラス335Bの上面に沿って形成される。第2読取面302Bは、第1読取面302Aよりも右側であって、読取部301における副走査方向Xの大部分に亘っている。
第1読取面302A及び第2読取面302Bは、副走査方向X及び主走査方向Yと直交する方向に拡がる。
【0028】
原稿搬送部70により搬送される原稿Gを読み取る場合、原稿Gは、原稿載置部71に載置される。原稿載置部71に載置された原稿Gは、原稿搬送部70の内部に設けられた前記送りローラーにより、読取部301の第1読取面302Aへ搬送される。この場合、第1枠体311及び第2枠体312は、前記第1読取位置に配置され、移動しない。そして、原稿搬送部70により原稿Gが第1読取面302Aの上をスライドするように搬送されることで、CCD358により、原稿Gの表面に形成された画像が読み取られる。
【0029】
また、原稿搬送部70が開状態の場合、原稿Gは、第2読取面302Bに載置される。この場合、第1枠体311及び第2枠体312それぞれは、後述する光路Hの長さ(光路長)を一定に保持しながら副走査方向Xに移動する。これにより、第2読取面302Bに載置された原稿Gの画像が読み取られる。
【0030】
筐体306の内部空間304において、複数のミラー321、322及び323は、原稿Gからの光を結像レンズ357に入光させるための光路Hを形成する。また、第1枠体311が副走査方向Xに一定速度Aで移動すると共に、第2枠体312が副走査方向Xに一定速度A/2で移動するため、画像読み取り動作時においても、光路Hの長さは一定に維持される。
【0031】
次に、装置本体Mについて説明する。
装置本体Mは、所定の画像情報に基づいて用紙Tに所定のトナー画像を形成する画像形成部GKと、用紙Tを画像形成部GKに給紙すると共にトナー画像が形成された用紙Tを排紙する給排紙部KHとを有する。
装置本体Mにおける外形は、筐体としてのケース体BDにより構成される。
【0032】
図1に示すように、画像形成部GKは、像担持体(感光体)としての感光体ドラム2a、2b、2c、2dと、帯電部10a、10b、10c、10dと、露光ユニットとしてのレーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dと、現像器16a、16b、16c、16dと、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dと、トナー供給部6a、6b、6c、6dと、ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dと、除電器12a、12b、12c、12dと、中間転写ベルト7と、1次転写ローラー37a、37b、37c、37dと、2次転写ローラー8と、対向ローラー18と、定着部9と、を備える。
【0033】
図1に示すように、給排紙部KHは、給紙カセット52と、手差し給紙部64と、用紙Tの搬送路Lと、レジストローラー対80と、第1排紙部50aと、第2排紙部50bとを備える。なお、搬送路Lは、後述するように、第1搬送路L1と、第2搬送路L2と、第3搬送路L3と、手差し搬送路Laと、戻り搬送路Lbと、後処理搬送路Lcとの集合体である。
【0034】
以下、画像形成部GK及び給排紙部KHの各構成について詳細に説明する。
まず、画像形成部GKについて説明する。
画像形成部GKにおいては、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に沿って順に、上流側から下流側に順に、帯電部10a、10b、10c、10dによる帯電、レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dによる露光、現像器16a、16b、16c、16dによる現像、中間転写ベルト7及び1次転写ローラー37a、37b、37c、37dによる1次転写、除電器12a、12b、12c、12dによる除電、及びドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dによるクリーニングが行われる。
また、画像形成部GKにおいては、中間転写ベルト7、2次転写ローラー8及び対向ローラー18による2次転写、並びに定着部9による定着が行われる。
【0035】
感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、円筒形状の部材からなり、感光体又は像担持体として機能する。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれは、中間転写ベルト7の進行方向に対して直交する方向に延びる回転軸を中心に矢印の方向に回転可能に配置される。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面には、静電潜像が形成され得る。
【0036】
帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。帯電部10a、10b、10c、10dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を一様に負(マイナス極性)又は正(プラス極性)に帯電させる。
【0037】
レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dは、露光ユニットとして機能するものであり、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面から離間して配置される。レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、不図示のレーザー光源、ポリゴンミラー、ポリゴンミラー駆動用モーター等を有して構成される。
【0038】
レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dそれぞれは、読取部301により読み込まれた画像に関する画像情報に基づいて感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を走査露光する。レーザースキャナーユニット4a、4b、4c、4dそれぞれにより走査露光されることで、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面の露光された部分の電荷が除去される。これにより、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に静電潜像が形成される。
【0039】
現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dにそれぞれ対応して設けられ、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向して配置される。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成された静電潜像に各色のトナーを付着させて、カラーのトナー画像を感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に形成する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの4つの色に対応する。現像器16a、16b、16c、16dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dの表面に対向配置された現像ローラー、トナー攪拌用の攪拌ローラー等を有して構成される。
【0040】
トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対応して設けられており、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給される各色のトナーを収容する。トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれは、イエローのトナー、シアンのトナー、マゼンタのトナー、ブラックのトナーを収容する。
【0041】
トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれは、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5d及び現像器16a、16b、16c、16dにそれぞれ対応して設けられており、トナーカートリッジ5a、5b、5c、5dそれぞれに収容された各色のトナーを、現像器16a、16b、16c、16dそれぞれに対して供給する。トナー供給部6a、6b、6c、6dそれぞれと現像器16a、16b、16c、16dそれぞれとは、不図示のトナー供給路により結ばれている。
【0042】
中間転写ベルト7には、感光体ドラム2a、2b、2c、2dに形成された各色のトナー画像が順次1次転写される。中間転写ベルト7は、従動ローラー35、駆動ローラーからなる対向ローラー18、テンションローラー36等に掛け渡される。テンションローラー36が中間転写ベルト7を内側から外側に付勢するため、中間転写ベルト7には所定の張力が与えられる。
【0043】
中間転写ベルト7を挟んで感光体ドラム2a、2b、2c、2dと反対の側には、1次転写ローラー37a、37b、37c、37dそれぞれが対向して配置される。
【0044】
中間転写ベルト7における所定部分は、1次転写ローラー37a、37b、37c、37dそれぞれと、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれとにより挟み込まれる。この挟み込まれた所定部分は、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれにおける表面に押し当てられる。感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれと1次転写ローラー37a、37b、37c、37dそれぞれとの間で、それぞれ1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dが形成される。1次転写ニップN1a、N1b、N1c、N1dそれぞれにおいて、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに現像された各色のトナー画像が中間転写ベルト7に順次1次転写される。これにより、中間転写ベルト7には、フルカラーのトナー画像が形成される。
【0045】
1次転写ローラー37a、37b、37c、37dそれぞれには、不図示の1次転写バイアス印加部により、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれに形成された各色のトナー画像を中間転写ベルト7に転写させるための1次転写バイアスが印加される。
【0046】
除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。除電器12a、12b、12c、12dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に光を照射することにより、1次転写が行われた後の感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面を除電する(電荷を除去する)。
【0047】
ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に対向して配置される。ドラムクリーニング部11a、11b、11c、11dそれぞれは、感光体ドラム2a、2b、2c、2dそれぞれの表面に残存したトナーや付着物を除去すると共に、除去されたトナー等を所定の回収機構へ搬送して、回収させる。
【0048】
2次転写ローラー8は、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる。2次転写ローラー8には、不図示の2次転写バイアス印加部により、中間転写ベルト7に形成されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに転写させるための2次転写バイアスが印加される。
【0049】
2次転写ローラー8は、中間転写ベルト7に対して当接したり離間したりする。具体的には、2次転写ローラー8は、中間転写ベルト7に当接される当接位置と中間転写ベルト7から離間する離間位置とに移動可能に構成される。詳細には、2次転写ローラー8は、中間転写ベルト7の表面に1次転写されたフルカラーのトナー画像を用紙Tに2次転写させる場合には当接位置に配置され、他の場合には離間位置に配置される。
【0050】
中間転写ベルト7における2次転写ローラー8とは反対側には、対向ローラー18が配置される。中間転写ベルト7における所定部分は、2次転写ローラー8と対向ローラー18とによって挟み込まれる。そして、用紙Tは中間転写ベルト7の外面(トナー画像が1次転写された面)に押し当てられる。中間転写ベルト7と2次転写ローラー8との間で2次転写ニップN2が形成される。2次転写ニップN2において、中間転写ベルト7に1次転写されたフルカラーのトナー画像が用紙Tに2次転写される。
【0051】
定着部9は、用紙Tに2次転写されたトナー画像を構成する各色のトナーを溶融及び加圧して、用紙Tに定着させる。定着部9は、ヒーターにより加熱される加熱回転体9aと、加熱回転体9aに圧接される加圧回転体9bと、を備える。加熱回転体9aと加圧回転体9bとは、トナー画像が2次転写された用紙Tを挟み込んで加圧すると共に、搬送する。加熱回転体9aと加圧回転体9bとの間に挟まれた状態で用紙Tが搬送されることによって、用紙Tに転写されたトナーは、溶融及び加圧されることで用紙Tに定着される。
【0052】
次に、給排紙部KHについて説明する。
図1に示すように、装置本体Mの下部には、用紙Tを収容する2個の給紙カセット52が上下に配列されて配置される。給紙カセット52は、装置本体Mの筐体から水平方向に引き出し可能に構成される。給紙カセット52には、用紙Tが載置される載置板60が配置される。給紙カセット52には、用紙Tが載置板60の上に積層された状態で収容される。載置板60に載置された用紙Tは、給紙カセット52における用紙送り出し側の端部(図1において左側の端部)に配置されるカセット給紙部51により搬送路Lに送り出される。カセット給紙部51は、載置板60上の用紙Tを取り出すための前送りコロ61と、用紙Tを1枚ずつ搬送路Lに送り出すための給紙ローラー対63とからなる重送防止機構を備える。
【0053】
装置本体Mの右側面(図1において右側)には、手差し給紙部64が設けられる。手差し給紙部64は、給紙カセット52にセットされる用紙Tとは異なる大きさや種類の用紙Tを装置本体Mに供給することを主目的として設けられる。手差し給紙部64は、閉状態において装置本体Mの右側面の一部を構成する手差しトレイ65と、給紙コロ66とを備える。手差しトレイ65は、その下端が給紙コロ66の近傍の装置本体Mに回動自在(開閉自在)に取り付けられる。開状態の手差しトレイ65には、用紙Tが載置される。給紙コロ66は、開状態の手差しトレイ65に載置された用紙Tを手差し搬送路Laに給紙する。
【0054】
装置本体Mにおける上方側には、第1排紙部50a及び第2排紙部50bが設けられる。第1排紙部50a及び第2排紙部50bは、用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。第1排紙部50a及び第2排紙部50bの詳細については後述する。
【0055】
用紙Tを搬送する搬送路Lは、カセット給紙部51から2次転写ニップN2までの第1搬送路L1と、2次転写ニップN2から定着部9までの第2搬送路L2と、定着部9から第1排紙部50aまでの第3搬送路L3と、手差し給紙部64から供給される用紙を第1搬送路L1に合流させる手差し搬送路Laと、第3搬送路L3を上流側から下流側へ搬送する用紙を表裏反転させて第1搬送路L1に戻す戻り搬送路Lbと、第3搬送路L3を上流側から下流側へ搬送する用紙を第2排紙部50bに接続された後処理装置(図示せず)に搬送する後処理搬送路Lcとを備える。
【0056】
また、第1搬送路L1の途中には、第1合流部P1及び第2合流部P2が設けられている。第3搬送路L3の途中には、第1分岐部Q1が設けられている。
第1合流部P1は、手差し搬送路Laが第1搬送路L1に合流する合流部である。第2合流部P2は、戻り搬送路Lbが第1搬送路L1に合流する合流部である。
第1分岐部Q1は、後処理搬送路Lcが第3搬送路L3から分岐する分岐部である。第1分岐部Q1には、整流部材58が設けられている。整流部材58は、定着部9から搬出された用紙Tの搬送方向を、第1排紙部50aに向かう第3搬送路L3又は第2排紙部50bに向かう後処理搬送路Lcに整流させる(切り換える)。
【0057】
第1搬送路L1の途中(詳細には、第2合流部P2と2次転写ローラー8との間)には、用紙Tを検出するためのセンサーと、用紙Tのスキュー(斜め給紙)補正や画像形成部GKにおけるトナー画像の形成と用紙Tの搬送のタイミングを合わせるためのレジストローラー対80とが配置される。センサーは、用紙Tの搬送方向におけるレジストローラー対80の直前(搬送方向における上流側)に配置される。レジストローラー対80は、センサーからの検出信号情報に基づいて上述の補正やタイミング調整をして用紙Tを搬送する一対のローラーである。
【0058】
戻し搬送路Lbは、用紙Tに両面印刷を行う際に、既に印刷されている面とは反対面(未印刷面)を中間転写ベルト7に対向させるために設けられる搬送路である。戻し搬送路Lbによれば、第1分岐部Q1から排紙部50側に搬送された用紙Tを表裏反転させて第1搬送路L1に戻して、2次転写ローラー8の上流側に配置されたレジストローラー対80の上流側に搬送させることができる。戻し搬送路Lbにより表裏反転された用紙Tには、2次転写ニップN2において未印刷面に対して所定のトナー画像が転写される。
【0059】
第3搬送路L3における端部には、第1排紙部50aが形成される。第1排紙部50aは、装置本体Mにおける上方側に配置される。第1排紙部50aは、装置本体Mの右側面側(図1において右側、手差し給紙部64側)に向けて開口している。第1排紙部50aは、第3搬送路L3を搬送される用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。
【0060】
第1排紙部50aにおける開口側には、排紙集積部M1が形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面(外面)に形成される。排紙集積部M1は、装置本体Mにおける上面が下方に窪んで形成された部分である。排紙集積部M1の底面は、装置本体Mにおける上面の一部を構成する。排紙集積部M1には、所定のトナー画像が形成され第1排紙部50aから排紙された用紙Tが積層して集積される。
【0061】
後処理搬送路Lcにおける端部には、第2排紙部50bが形成される。第2排紙部50bは、装置本体Mにおける上方側に配置される。第2排紙部50bは、装置本体Mの左側面側(図1において左側、後処理装置が連結される側)に向けて開口している。第2排紙部50bは、後処理搬送路Lcを搬送される用紙Tを装置本体Mの外部に排紙する。
第2排紙部50bにおける開口側には、後処理装置(図示せず)が連結される。後処理装置は、画像形成装置(コピー機1)から排出される用紙の後処理(ステープル、パンチ等)を行うものである。
なお、各搬送路の所定位置には用紙検出用のセンサーが配置される。
【0062】
次に、主搬送路L1〜L3(第1搬送路L1、第2搬送路L2及び第3搬送路L3を合わせて以下「主搬送路」ともいう)及び戻り搬送路Lbにおける紙詰まり(JAM)を解消するための構造について簡単に説明する。
図1に示すように、装置本体Mの左側面側(図1において左側)には、主搬送路L1〜L3及び戻り搬送路Lbが主に上下方向に延びるように並列している。装置本体Mの左側面側(図1において左側)には、装置本体Mの側面の一部を形成するように、カバー体40が設けられている。カバー体40は、その下端部において、支点軸43を介して装置本体Mに連結されている。支点軸43は、その軸方向が主搬送路L1〜L3及び戻り搬送路Lbを横断する方向に沿って配設されている。カバー体40は、支点軸43を中心として閉位置(図1に示す位置)と開位置(図示せず)との間を回動自在に構成されている。
【0063】
カバー体40は、支点軸43によって装置本体Mに回動自在に連結された第1のカバー部41と、同じ支点軸43によって装置本体Mに回動自在に連結された第2のカバー部42とから構成されている。第1のカバー部41は、第2のカバー部42よりも装置本体Mの外側(側面側)に位置する。なお、図1において、左下がりの破線でハッチングされた部分が第1のカバー部41であり、右下がりの破線でハッチングされた部分が第2のカバー部42である。
【0064】
カバー体40が閉位置に位置する状態において、第1のカバー部41は、その外面側が装置本体Mの外面(側面)の一部を形成している。
また、カバー体40が閉位置に位置する状態において、第2のカバー部42は、その内面側(装置本体M側)が主搬送路L1〜L3の一部を形成している。
更に、カバー体40が閉位置に位置する状態において、第1のカバー部41の内面側と第2のカバー部42の外面側とが、戻り搬送路Lbの少なくとも一部を形成している。つまり、戻り搬送路Lbは、第1のカバー部41と第2のカバー部42との間に形成されている。
【0065】
本実施形態のコピー機1は、このような構成のカバー体40を備えることにより、主搬送路L1〜L3で紙詰まり(JAM)が発生した際には、カバー体40を図1に示す閉位置から、開位置(図示せず)に回動して主搬送路L1〜L3を開放することにより、主搬送路L1〜L3に詰まった用紙を処理することができる。一方、戻り搬送路Lbで紙詰まりが発生した際には、カバー体40を開位置に回動した後、支点軸43を中心に第2のカバー部42を装置本体M側(図1において右側)に回動させて戻り搬送路Lbを開放することにより、戻り搬送路Lbに詰まった用紙を処理することができる。
【0066】
次に、図2から図13により、画像読取装置300を構成する発光ユニット400について説明する。
図2は、画像読取装置300に組み込まれる発光ユニット400の斜視図である。図3は、図2の状態からカバー部材311b及びカバー部材311cを取り外した発光ユニット400の斜視図である。図4は、導光部材340及びLED基板430を保持させた状態の保持部材420における斜視図である。図5は、保持部材420の基端側部材425と第1枠体311の外側壁部311eとの位置決め構造を示す斜視図である。図6は、保持部材420の先端側部材427と第1枠体311の外側壁部311fとの位置決め構造を示す斜視図である。図7は、保持部材420の先端側部材427とLED基板430との位置決め構造を説明するための図である。図8は、導光部材340における斜視図である。図9は、導光部材340の先端340bにおける位置決め構造を説明する図である。図10は、導光部材340の基端340aにおける位置決め構造を説明する図である。図11は、基端側部材425に基端保持板690が取り付けられた状態を示す図である。図12は、保持部材420の基端側部材425に形成された基端側孔状部423aと導光部材340の基端部との位置決め構造を説明するための図である。図13は、保持部材420の先端側部材427に形成された先端側孔状部423bと導光部材340の先端部との位置決め構造を説明するための図である。
【0067】
発光ユニット400は、図2及び図3に示すように、発光部としてのLED410(図7及び図9参照)と、導光部材340と、保持部材420と、光反射部材としての端部反射ミラー460(図10参照)と、付勢部としてのスポンジ状部材429(図10参照)と、保持部材420を所定の位置に位置決めした状態で収容するケース部材である第1枠体311と、を備える。
【0068】
第1枠体311は、図2及び図3に示すように、上部が開口した略箱状の本体枠311aと、本体枠311aにおける上部の開口を覆う2つのカバー部材311b,311cとを備える。
カバー部材311bとカバー部材311cとは、図2に示すように、第1枠体311の上面に主走査方向Yに沿って延在する開口部311dが形成されるように、副走査方向Xに離間して本体枠311aの上部に取り付けられる。
【0069】
開口部311dは、本体枠311aに組み付けられる導光部材340を保持部材420を介して露出させる開口である。開口部311dは、導光部材340から出射される光を遮蔽せず、第1読取面302A又は第2読取面302B側に照射させるための開口である。
【0070】
本体枠311aは、図3に示すように、主走査方向Yにおける両外側に互いに対向して配置される外側壁部311e,311fを有する。
外側壁部311e及び外側壁部311fにおける上面には、保持部材420が載置されると共に位置決めされた状態で保持される。
ここで、外側壁部311eは、保持部材420における基端側に対応する部分である。また、外側壁部311fは、保持部材420における先端側に対応する部分である。
【0071】
具体的には、外側壁部311eには、図5に示すように、保持部材420の基端側に係合する位置決めピン511が設けられる。
保持部材420における基端側は、外側壁部311e上に載置される。そして、位置決めピン511は、基端側部材425に形成された位置決め孔426に嵌合される。基端側部材425は、保持部材420の基端側に配置される。これにより、保持部材420における基端側は、本体枠311aにおける外側壁部311e上の所定位置に位置決めされる。
【0072】
また、外側壁部311fには、図6に示すように、保持部材420の先端側に係合する位置決め突起512が設けられる。
保持部材420における先端側は、外側壁部311f上に載置される。そして、位置決め突起512は、先端側部材427に形成された切り欠き部428に嵌合される。先端側部材427は、保持部材420の先端側に配置される。これにより、保持部材420における先端側は、本体枠311aにおける外側壁部311f上の所定位置に位置決めされる。
【0073】
上述の通り、保持部材420は、本体枠311aに位置決めされた状態で取り付けられる。
ここで、保持部材420には、図4に示すように、導光部材340及びLED基板430(LED410)が所定の位置関係に位置決めされる。そして、保持部材420が本体枠311aに位置決めされて保持されることで、保持部材420に位置決めされた導光部材340やLED410は、所定の位置に位置決めされる。
【0074】
続けて、LED410、LED基板430、導光部材340、端部反射ミラー460、スポンジ状部材429及び保持部材420について詳述する。
【0075】
LED410は、発光部として機能するLED(Light Emitting Diode)である。本実施形態において、LED410は、1つである。
LED410は、図4に示すように、導光部材340における先端340b側に配置される。具体的には、LED410は、発光面が導光部材340における先端340bの端面に対向して配置される。LED410は、導光部材340における先端340b側の入光部345(後述)に向けて光を照射する。
【0076】
LED410は、図7に示すように、LED基板430上に実装されている。
LED基板430は、保持部材420の一端側に形成されるLED基板保持部422により、保持部材420における所定の位置(所定の向き)に位置決めされて保持される。
【0077】
LED基板保持部422は、図6及び図7に示すように、一対の第1位置決め突起422a,422bを有する。第1位置決め突起422a,422bは、板状の先端側部材427における外表面に突設される。第1位置決め突起422a,422bは、LED基板430の第1位置決め孔435a、435bに嵌合する。これにより、第1位置決め突起422a,422bは、LED基板430に実装されたLED410を、発光面が後述の導光部材340の先端340b側の端面と主走査方向Y方向において対向するように位置決めする。
第1位置決め突起422a,422b(LED基板保持部422)は、LED基板430を介して間接的にLED410を位置決めして保持する。
【0078】
導光部材340は、図2、図4及び図8に示すように、主走査方向Yに沿って配置される棒状の導光性の部材である。導光部材340は、主走査方向Yに延びている。導光部材340の横断面形状は、略多角形状に形成される(図11から図13参照)。導光部材340は、アクリル樹脂等で構成される導光性の部材である。
【0079】
導光部材340は、図9に示すように、先端340b側(LED410側の端部側)の端部が主走査方向Yに移動しないように、保持部材420に位置決めされて保持される。
また、導光部材340は、図10に示すように、基端340a側(LED410と反対側)の端部が主走査方向Yに移動可能に、保持部材420に保持される。導光部材340の基端340a側の端部は、図10に示すように、主走査方向Yにおいて基端側孔状部423aの途中に配置される。導光部材340における基端340a側の端部の主走査方向Yの位置は、導光部材340の製造公差や製造誤差や熱による変形により変動する。
【0080】
また、導光部材340は、図12及び図13に示すように、保持部材420に形成された第1導光部材保持部423に保持されている。第1導光部材保持部423は、先端側孔状部423b(図13参照)と、基端側孔状部423a(図12参照)とを有する。導光部材340の先端340bは、先端側孔状部423bに位置決めされて保持される。導光部材340の基端340aは、基端側孔状部423aに位置決めされて保持される。これにより、導光部材340の回転は、保持部材420により規制される。
【0081】
また、導光部材340における具体的な構成は以下の通りである。
導光部材340は、図4に示すように、主走査方向Yの一端部である先端340b側の端面がLED410における発光面に対向して配置される。導光部材340は、先端340b側に配置される入光部345と、外周面の一部に主走査方向Yに延びるように形成される光照射部341と、を有する。入光部345は、LED410から発光される光が入光する部分である。光照射部341は、内部で導光した光を外部に照射する部分である。
導光部材340は、LED410の入光部345から入光されるLED410からの光を当該導光部材340の長手方向(主走査方向Y)に導光すると共に、後述する光照射部341に導光する。
【0082】
導光部材340が保持部材420を介して第1枠体311に保持された状態において、光照射部341は、第1読取面302A又は第2読取面302Bに光路Hを照射可能となるように所定方向を向いて配置される。
【0083】
また、導光部材340は、図8に示すように、外周に長手方向(主走査方向Y)に沿って延びるように形成される凸状部342,343,344を有する。凸状部342,343,344は、導光部材340を保持部材420に保持させる際に、導光部材340が誤った向きで取り付けられることを防止するためのものである。導光部材340の回転は、凸状部342,343,344において、後述する導光部材保持機構450により規制される。
【0084】
凸状部342は、図12及び図13に示すように、導光部材340の長手方向における全域に形成される。凸状部342の先端面342aは、凸状部342の突出方向と直交する平坦面である。
【0085】
凸状部343,344は、図12に示すように、導光部材340における基端340a側に形成される。凸状部343,344は、基端340aを始端として所定長さの範囲のみに形成され、先端340b側には形成されていない。
【0086】
導光部材340は、図9に示すように、主走査方向Yにおける先端340b側(LED410側の端部側)に、主走査方向Yと直交する方向に突出する突出部700を有する。突出部700は、導光部材340における先端340b側に形成される。
突出部700は、後述する導光部材保持機構450により主走査方向Yにおいて位置決めされる。
導光部材保持機構450の詳細については後述する。
【0087】
端部反射ミラー460は、図10に示すように、板状の部材により形成され、導光部材340における主走査方向Yの基端(他端部)340a側の端面に当接して配置される部材である。端部反射ミラー460は、導光部材340の入光部345から入光されて基端340aから漏れる光を反射させる部材である。
【0088】
端部反射ミラー460は、導光部材340における基端340a側の端面に対向する反射面460aを有する。反射面460aは、光を反射する反射面になっている。反射面460aは、導光部材340における基端340a側の端部の端面に対向して当接する。端部反射ミラー460の反射面460aは、基端側孔状部423aを塞ぐような大きさに形成され、導光部材340の基端340a側の端面を覆うようにして当接する。
【0089】
端部反射ミラー460は、導光部材340の基端340a側の端面から漏れる光を、導光部材340の内部側に向けて反射させる。反射面460aは、導光部材340から漏れる光を導光部材340の内部側に向けて反射して、導光部材340における照射効率を向上させる。端部反射ミラー460は、例えば、ミラーやアルミシートなどにより構成される。また、端部反射ミラー460の反射面460aの反射率は、導光部材340から漏れる光を効率よく反射させることができるように設定され、好ましくは、85%以上である。
【0090】
スポンジ状部材429は、図10に示すように、端部反射ミラー460と、後述する基端保持板690(図10及び図11参照)との間に配置される。端部反射ミラー460と反対側に位置するスポンジ状部材429の端部は、後述する基端保持板690により、主走査方向Yにおいて規制される。基端保持板690が基端側部材425に取り付けられて基端保持板690側の端部の位置が規制された状態で、スポンジ状部材429は、主走査方向Yにおいて、端部反射ミラー460に付勢力を付与する。スポンジ状部材429は、端部反射ミラー460に付勢力を付与可能な材質及び厚さで形成される。
【0091】
これにより、スポンジ状部材429は、端部反射ミラー460を導光部材340側に向けて付勢する。スポンジ状部材429は、端部反射ミラー460を導光部材340に向けて付勢するため、導光部材340の製造公差や製造誤差や熱による変形などによる主走査方向Yの変位を吸収することができる。つまり、端部反射ミラー460の反射面460aが導光部材340の基端340a側の端面に当接した状態で、スポンジ状部材429は、導光部材340の主走査方向Yの変位を吸収するように伸縮する。
【0092】
スポンジ状部材429により端部反射ミラー460に与えられる付勢力は、導光部材340の機械的強度や光学特性等を考慮して、導光部材340における主走査方向Yに直交する方向の撓み量が所定量以内であるように設定される。
例えば、スポンジ状部材429により端部反射ミラー460に付勢される場合において、導光部材340における主走査方向Yに直交する方向の撓み量は、0.5mm以内であることが好ましい。
【0093】
保持部材420は、図4に示すように、光反射部421と、導光部材保持機構450と、を有する。保持部材420は、LED410及び導光部材340を、所定の位置及び向きに位置決めして保持する部材である。
【0094】
光反射部421は、導光部材340における光照射部341側と反対側の外周面に対向して配置される部材である。光反射部421は、図4に示すように、導光部材340に対して長手方向(主走査方向Y)の全域にわたって対向して配置される。
【0095】
光反射部421は、導光部材340における外周に対向する内面を有する。この内面は、光を反射する反射面になっている。内面は、導光部材340の外周面から内面に向かって出射された光(導光部材340から漏れた光)を、導光部材340に向けて反射させる。内面は、導光部材340から漏れた光を光照射部341における光の出射方向と同じ方向に反射して、導光部材340における照射効率を向上させる。
【0096】
導光部材保持機構450は、第1導光部材保持部423と、第2導光部材保持部424と、を有する。
第1導光部材保持部423は、導光部材340の回転を規制する。第1導光部材保持部423は、図12及び図13に示すように、基端側孔状部423aと、先端側孔状部423bとを有して構成される。
【0097】
基端側孔状部423aは、図12に示すように、保持部材420の基端側部材425に形成された概略六角形状の貫通孔である。基端側孔状部423aは、導光部材340の凸状部342が主走査方向Yに摺動可能に嵌合するガイド溝423cを有する。基端側孔状部423aは、ガイド溝423cと凸状部342との嵌合、凸状部342との面接触、及び凸状部344との面接触により、導光部材340における基端340aを、回転を規制した状態で位置決めする。
【0098】
先端側孔状部423bは、図13に示すように、保持部材420の先端側部材427に形成された概略四角形状の貫通孔である。先端側孔状部423bは、導光部材340の凸状部342が主走査方向Yに摺動可能に嵌合するガイド溝423dを有する。先端側孔状部423bは、ガイド溝423dと凸状部342との嵌合、第1外周平面346との面接触、及び第2外周平面347との面接触により、導光部材340の先端340bを、回転を規制した状態で位置決めする。
【0099】
第2導光部材保持部424は、先端側保持部600(図9参照)と、基端側保持部680(図10参照)と、を有する。
先端側保持部600は、図9に示すように、導光部材340の先端340bの主走査方向Yへの移動を規制する。先端側保持部600は、第1移動規制部601と、第2移動規制部650と、を有する。第1移動規制部601及び第2移動規制部650は、保持部材420において、導光部材340の先端340b側に対応する位置に形成される。
【0100】
第1移動規制部601は、導光部材340の先端340bが主走査方向YにおけるLED410側に移動すること規制する規制部である。
【0101】
第2移動規制部650は、主走査方向Yに延びるように形成され、LED410側が自由端である片持状の部材ある。第2移動規制部650は、自由端が第1移動規制部601に所定距離だけ離間すると共に、第1移動規制部601に対向して配置されるよう構成される。第2移動規制部650は、自由端側が導光部材340から離間するように弾性変形(撓み変形)可能に構成される。
【0102】
第2移動規制部650は、先端当接面653aが突出部700の第2被当接面721(主走査方向YにおけるLED410側と反対側)に当接することで、導光部材340の先端340bにおけるLED410側と反対側への移動を規制する。
【0103】
図10から図12に示すように、端部反射ミラー460の反射面460aが導光部材340の基端340aの端面に当接した状態で、基端側保持部680は、導光部材340の基端340aの主走査方向Yへの移動を許容する。
基端側保持部680は、一対の第2位置決め突起681,682と、一対の第2位置決め孔695a,695bを有する基端保持板690と、を備える。第2位置決め突起681,682は、板状の基端側部材425における外表面に突設される。
【0104】
第2位置決め突起681,682は、基端保持板690の第2位置決め孔695a,695bに嵌入する突起である。第2位置決め突起681,682は、基端保持板690の第2位置決め孔695a,695bに嵌合する。これにより、基端保持板690は、基端側部材425の外表面に取り付けられる。基端保持板690が基端側部材425の外表面に取り付けられ状態において、スポンジ状部材429の基端保持板690側の端部は、基端保持板690に当接する。従って、スポンジ状部材429の基端保持板690側の端部における主走査方向Yの位置が規制される。
【0105】
スポンジ状部材429は、基端保持板690側の端部が基端保持板690により規制された状態で、端部反射ミラー460を後述の導光部材340の基端340a側の端面に向けて付勢する。スポンジ状部材429は、主走査方向Yに伸縮して、導光部材340の製造公差や製造誤差や移動(伸長)を主走査方向Yにおいて吸収することができる。
【0106】
このようにして、基端保持板690及びスポンジ状部材429は、端部反射ミラー460の反射面460aを導光部材340の基端340aの端面に当接させた状態で、導光部材340の主走査方向Yの変位を吸収可能に保持する。従って、スポンジ状部材429は、導光部材340の製造公差や製造誤差や熱による変形などによる主走査方向Yの変位を吸収することができる。
【0107】
続けて、発光ユニット400の組み立て手順について説明する。
まず、図4に示すように、作業者は、先端340bを前側にして導光部材340を、保持部材420における基端側孔状部423aに挿入する。具体的には、作業者は、凸状部342がガイド溝423cに嵌入されるようにして、先端340bを基端側孔状部423aに挿入する。
【0108】
続けて、作業者は、導光部材340を、保持部材420における基端側孔状部423a側の方向に更に挿入する。そして、作業者は、導光部材340における先端340bを先端側孔状部423bに嵌合させると共に、基端340aを基端側孔状部423aに嵌合させる。そして、導光部材340の基端340a側の端部は、主走査方向Yにおいて基端側孔状部423aの途中に配置される。
【0109】
これにより、導光部材340の先端340bは、第1移動規制部601により主走査方向YにおけるLED410側に移動することが規制される。導光部材340は、第2移動規制部650により主走査方向YにおけるLED410側と反対側に移動することが規制された状態で、保持部材420に保持される。
【0110】
この状態において、導光部材340における基端340aは、主走査方向YにおけるLED410側と反対側に移動可能である。本実施形態において、導光部材340は、LED410からの熱により熱膨張した場合、先端340b側がLED410側に移動しないよう構成されているので、基端340a側が熱膨張に応じて移動される。
【0111】
また、製造公差や製造誤差により導光部材340の主走査方向Yの長さがその都度異なった場合には、導光部材340の基端340aの端面の位置は、製造公差や製造誤差に応じて異なる位置に位置される。
【0112】
続けて、作業者は、LED基板430を保持部材420に取り付ける。具体的には、作業者は、LED基板430に形成される第1位置決め孔435a、435bを保持部材420に形成される第1位置決め突起422a,422b(LED基板保持部422)に被嵌させることで、LED基板430を保持部材420に取り付ける。
これにより、LED410は、LED基板430を介して、発光面が導光部材340の基端340a側の端面に対向した状態で位置決めされて保持される。
【0113】
続けて、作業者は、端部反射ミラー460を、基端側孔状部423aに嵌め込むようにして、導光部材340の基端340aの側の端面に対向するように取り付ける。
続けて、作業者は、スポンジ状部材429を、基端側孔状部423aにおいて、端部反射ミラー460の外側に取り付ける。
【0114】
続けて、作業者は、スポンジ状部材429を押圧するようにして、基端保持板690を基端側部材425に取り付ける。
具体的には、作業者は、基端保持板690に形成される第2位置決め孔695a、695bを保持部材420の基端側部材425に形成される第2位置決め突起681,682(基端側保持部680)に被嵌させることで、基端保持板690を基端側部材425に取り付ける。
【0115】
これにより、スポンジ状部材429は、基端保持板690側の端部が位置決めされた状態で、端部反射ミラー460の反射面460aを導光部材340の基端340aの端面に向けて付勢する。これにより、保持部材420の主走査方向Yの長さがその都度異なった場合であっても、端部反射ミラー460の反射面460aを高い精度で導光部材340の基端340aの端面に当接させることができる。
【0116】
続けて、作業者は、LED410及び導光部材340を位置決めして保持する保持部材420を本体枠311a(第1枠体311)に取り付ける。
具体的には、作業者は、図3に示すように、保持部材420を第1枠体311における本体枠311aの両外側壁部311e,311fに載置する。
作業者は、図4に示すように、保持部材420における先端340b側に形成された位置決め孔426を保持部材420における位置決めピン511に被嵌させると共に、基端340a側に形成された切り欠き部428を位置決め突起512に被嵌させる。
これにより、保持部材420は、本体枠311a(第1枠体311)に位置決めされて保持される。
【0117】
続けて、作業者は、図2に示すように、本体枠311aの上部開口部を覆うように2つのカバー部材311b,311cを配置する。
これにより、本実施形態における発光ユニット400が組み立てられる。
【0118】
このように、端部反射ミラー460の反射面460aは、導光部材340の基端340aの端面に当接される。これにより、LED410が発光された場合、導光部材340の基端340aから漏れる光が抑制される。
【0119】
主走査方向Yにおける照度分布の具体例を説明する。図14は、本実施形態の光照射部341から照射される主走査方向Yにおける光量分布を示す図である。
図14において、横軸を主走査方向Yとし、縦軸を照度とした。また、主走査方向Yの測定位置については、主走査方向Yにおける中央位置を0として、導光部材340の基端340aへ向かう方向をマイナスとすると共に、導光部材340の先端340bへ向かう方向をプラスとした。
【0120】
本実施形態においては、端部反射ミラー460の反射面460aは、スポンジ状部材429により当接している。
本実施形態によれば、図14に示すように、導光部材340における主走査方向Yの中央部側においては、照度が30000Lx以上あり、且つ、照度のバラツキが少ない。また、導光部材340における主走査方向Yの基端340a側の端部の近傍及び先端340b側の端部の近傍の照度は、中央部側に比べて大きい。
このように、本実施形態によれば、図14に示すように、光照射部341から照射される光の照度を向上させることができる。また、主走査方向Yの照度のムラを抑制することができる。
【0121】
本実施形態における発光ユニット400を含む画像読取装置300によれば、例えば、次のような効果が奏される。
本実施形態の画像読取装置300は、LED410と、主走査方向Yに延びる棒状であり主走査方向Yの先端340bがLED410に対向すると共に主走査方向Yに沿って配置される導光部材340であって、先端340b側に配置される入光部345と、外周面の一部に主走査方向Yに延びるように形成されると共に外部に光を照射する光照射部341とを有し、入光部345から入光されるLED410からの光を主走査方向Yに導くと共に光照射部341に導く導光部材340と、導光部材340の主走査方向Yの基端340aに当接して配置され、入光部345から入光されて基端340aから漏れる光を反射させる端部反射ミラー460と、端部反射ミラー460を導光部材340側に向けて付勢するスポンジ状部材429と、を備える。
【0122】
そのため、端部反射ミラー460の反射面460aは、スポンジ状部材429により付勢されて、導光部材340の基端340a側の端面に当接する。これにより、導光部材340の基端340aから漏れる光を抑制して、光照射部341から照射される光の照度を向上させることができる。また、主走査方向Yの照度のムラを抑制することができる。
特に、導光部材340の製造公差や製造誤差や熱膨張があった場合において、導光部材340の製造公差や製造誤差や熱膨張による主走査方向Yの変位をスポンジ状部材429により吸収して、端部反射ミラー460の反射面460aを導光部材340の基端340a側の端面に当接させることができる。これにより、簡易な構成で、導光部材340と端部反射ミラー460との間から漏れる光を抑制することができる。
【0123】
また、本実施形態においては、付勢部は、スポンジ状部材429により構成される。そのため、簡易な構成で、導光部材340と端部反射ミラー460との間から漏れる光を抑制することができる。
【0124】
また、本実施形態においては、端部反射ミラー460は、ミラー又はアルミシートにより構成される。これにより、簡易な構成で、導光部材340の基端340aから漏れる光を抑制することができる。
【0125】
以上、好適な実施形態について説明したが、本発明は前述した実施形態に限定されることなく種々の形態で実施することができる。
例えば、前述の実施形態においては、付勢部429をスポンジ状部材により構成したが、これに制限されない。付勢部429をバネ状部材により構成してもよい。
【0126】
また、本発明の画像形成装置の種類は、特に限定がなく、コピー機、プリンター、ファクシミリ、又はこれらの複合機等であってもよい。
シート状の被転写材は、用紙に制限されず、例えば、フィルムシートであってもよい。
【符号の説明】
【0127】
1……コピー機(画像形成装置)、300……画像読取装置、340……導光部材、340a……基端(他端部)、340b……先端(一端部)、345……入光部、341……光照射部、410……LED(発光部)、429……スポンジ状部材(付勢部)、460……端部反射ミラー(光反射部材)、Y……主走査方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光部と、
主走査方向に延びる棒状であり、主走査方向の一端部が前記発光部に対向すると共に主走査方向に沿って配置される導光部材であって、前記一端部側に配置される入光部と、外周面の一部に主走査方向に延びるように形成されると共に外部に光を照射する光照射部とを有し、前記入光部から入光される前記発光部からの光を前記主走査方向に導くと共に前記光照射部に導く導光部材と、
前記導光部材の前記主走査方向の他端部に当接して配置され、前記入光部から入光されて前記他端部から漏れる光を反射させる光反射部材と、
前記光反射部材を前記導光部材側に向けて付勢する付勢部と、を備える
画像読取装置。
【請求項2】
前記付勢部は、スポンジ状部材により構成される
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記付勢部は、バネ状部材により構成される
請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記光反射部材が前記付勢部により付勢される場合において、前記導光部材における主走査方向に直交する方向の撓み量は、0.5mm以内である
請求項1から3のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記光反射部材の反射率は、85%以上である
請求項1から4のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記光反射部材は、ミラー又はアルミシートにより構成される
請求項1から5のいずれかに記載の画像読取装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかに記載の画像読取装置を有する
画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−249234(P2012−249234A)
【公開日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−121529(P2011−121529)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000006150)京セラドキュメントソリューションズ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】