説明

画像読取装置

【課題】
パーソナルコンピュータ等の外部制御機器に接続したときに、特別な操作をせずにどのような読取設定で画像読取装置が動作するのかを知ることができる画像読取装置を提供する。
【解決手段】
外部制御機器が有する表示部に、画像読取装置が内蔵する記憶部に記憶されているデータに基づいて現在の読取設定の表示と変更を可能とするプログラムを、画像読取装置が有しており、外部制御機器に接続されたとき当該プログラムが外部制御機器にロードされて起動する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装置内部に画像読取の設定情報を登録可能な画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パーソナルコンピュータ等の外部制御機器に接続される画像読取装置は、パーソナルコンピュータ等にて専用のアプリケーションを立ち上げて読取を実行する際の読取設定の登録を行い、読取を実行していた(例えば特許文献1参照)。また、装置に搭載されたスイッチ等のユーザーインターフェースからパーソナルコンピュータ等のアプリケーションを立ち上げて読取を実行する場合は、過去にパーソナルコンピュータ等の外部制御機器に登録した設定を利用して原稿の読取を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−008002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし上記従来の画像読取装置では、当該装置をパーソナルコンピュータ等外部制御機器に接続し、専用のアプリケーションを立ち上げて読取設定の登録を行い、その後で読取の実行命令を発行して読取が開始されるため、ユーザが画像の読取を実行するまでに行う手順が多い。すなわち画像読取を実行するまでに、画像読取装置用ドライバのインストール、専用アプリケーションのインストール、専用アプリケーションから読取設定の登録、等の操作を行わなければならない。
【0005】
また、当該装置に搭載された読取実行スイッチ等のユーザーインターフェースによって外部制御機器のアプリケーションの自動立ち上げを行い、ワンタッチで読取を行う方法もあるが、現在どのような設定で読取が行われようとしているのか、予め知ることができない。
【0006】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、内部に記憶した読取設定を用いて簡単に操作できるとともに、記憶した読取設定の確認・変更が可能な画像読取装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の画像読取装置は、原稿から画像を読み取る画像読取手段と、画像を外部制御装置に送信する通信手段を有する画像読取装置であって、画像読取に関する読取設定情報を記憶する設定記憶手段と、前記外部制御装置への前記画像読取装置の接続に応じて、前記設定記憶手段が外部記憶装置として認識されるための情報を、前記通信手段を介して前記外部制御装置へ送信する制御を行った後、前記設定記憶手段の前記読取設定情報を前記通信手段を介して前記外部制御装置へ送信する制御を行う制御手段を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像読取装置をパーソナルコンピュータ等の外部制御機器に接続したときに、当該外部制御機器が有する表示部に、画像読取装置が内蔵する記憶部に記憶されているデータに基づいて現在の読取設定を表示させることで、ユーザはどのような読取設定で画像読取装置が動作するのかを、特別な操作をせずに知ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】外部制御装置の表示部に画像読取装置の設定を表示させるフローチャートである。
【図2】画像読取装置の内部構造を示す概略図である。
【図3】画像読取装置の制御システムの概略構成を説明するブロック図である。
【図4】現在の読取設定を表示する画面を例示する図である。
【図5】本発明の代表的な実施形態に係る制御ソフトウエアのブロック図である。
【図6】本発明の代表的な実施形態に係る詳細な構成を表すブロック図である。
【図7】複数の読取設定を表示する画面の図である。
【図8】読取設定を変更する際の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に図面を参照して、本発明の好適な画像読取装置を例示的に説明する。本発明は、スキャナ等の画像読取装置に関して説明するが、同様に動作設定を装置内部に記憶可能な複写機やプリンタ等の装置にも適用可能である。また、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、本発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0011】
図2は、本発明の実施の形態に係る画像読取装置の全体構成を概略的に示す断面図である。画像読取装置1は、原稿Dをピックアップするピックアップローラ2と、ピックアップローラ2によりピックアップされた原稿Dを装置内に給送する給送ローラ3と、ピックアップされた原稿Dを1枚ずつ分離する分離ローラ4と、原稿が積載されているかいないかを検知する原稿検知センサ10を備える。また、画像読取装置1は、原稿Dを搬送するためのレジストローラ対5を備える。
【0012】
さらに、原稿の表面を読み取る画像読取ユニット33は原稿Dの表面画像情報を、コンタクトガラス6aを介して読み取るラインイメージセンサ7aと、白板である対向部材9を備える。また、原稿の裏面を読み取る画像読取ユニット34は原稿Dの裏面画像情報を、コンタクトガラス6bを介して読み取るラインイメージセンサ7bと、対向部材9を備え、画像読取ユニット33とともにスキャナ制御部101によって制御される。そして、画像読取装置1は画像読取ユニット33,34よりも下流側に配設される搬送ローラ対8を有する。
【0013】
画像読取装置は、原稿Dをピックアップローラ2と供給ローラ3によって装置内に取り込み、分離ローラ4によって1枚ずつに分離する。原稿Dは、レジストローラ対5及び搬送ローラ対8により挟持搬送され、画像読取ユニット33で画像を主走査方向(原稿搬送方向に略直交する方向)に読み取られる。
【0014】
図3は、画像読取装置1のスキャナ制御部101、及びパーソナルコンピュータ等の外部制御装置102の概略構成を説明するブロック図である。スキャナ制御部101は、画像読取部11、A/D変換部19、画像処理部18、制御中枢として機能するCPU15、画像データを一時記憶するメモリ13、接続認識部16、外部接続部14等から構成されており、読取設定記憶部12はメモリ13の内部に構成される。メモリ13は設定記憶手段の一例である。外部接続部14は通信手段の一例である。
【0015】
外部制御装置102は外部接続部14、制御部であるCPU20、表示部17等から構成されている。読取設定記憶部12に記憶された設定の情報は、後述するように外部制御装置102に読み出されるようになっている。この設定に基づき外部制御装置102からの制御を受けると、スキャナ制御部101の画像読取部11で取り込まれた画像読取ユニット33、34からのカラー又はグレーの画像信号は、A/D変換部19に送られる。A/D変換部19では、アナログで送られてくる電気信号をデジタルの電気信号に変換するA/D変換が行われる。A/D変換部19での処理で生成された画像データは、画像処理部18へ送られる。ここでは、画像データの画素ごとに行うラインイメージセンサの感度むら等の補正であるシェーディング補正を施すとともに、読取設定記憶部12に記憶された設定に基づいた画像処理がなされる。その後、画像データは汎用のUSBやSCSIである外部接続部14を介して、外部制御装置102に転送される。
【0016】
なお、メモリ13には、CPU15が実行すべきファームウエアが記録されており、CPU15はメモリ13からファームウエアのプログラム命令を読み出しながら、装置の制御を行う。また、メモリ13は画像処理部18によって処理された画像データを一時的に記憶しておく役割ももつ。
【0017】
さらに具体的な制御ソフトウエアの構成を、図5を用いて説明する。外部制御装置102の一例である図5のパーソナルコンピュータ100には、オペレーティングシステム110、ファイルシステム201、USBマスストレージドライバ202及びUSBインターフェースドライバ103がインストールされている。オペレーティングシステム110は、いわゆるOSのことであり、パーソナルコンピュータ100の基本ソフトウエアである。
【0018】
ファイルシステム201は、ハードディスクドライブなどの記憶装置にファイルを格納するためのソフトウエアである。これらは図3でいうところの制御部であるCPU20で起動される。USBマスストレージドライバ202は、ハードディスクドライブ、CD−ROM、DVD−ROM、CD−R、DVD−R、USBメモリなどのマスストレージを制御するためのソフトウエアである。USBインターフェースドライバ103は、USBインターフェースに接続されたUSBデバイスを制御するためのソフトウエアである。これらは図3でいうところの外部接続部14に相当するが、これらのソフトウエアはOSの一部であってもよい。
【0019】
一方、画像読取装置の一例であるスキャナ装置106には、読取設定表示アプリケーション210、制御ファイル204、USBディスクドライブインターフェース205及びUSBマスストレージクラスインターフェース206が備えられている。読取設定表示アプリケーション210は、パーソナルコンピュータ100にロードされて実行されると、現在スキャナ装置106の内部に記憶されている画像読取設定用データの内容の変更と表示を可能とするプログラムである。メモリ13は読取設定表示アプリケーション210等のプログラムを記憶するプログラム記憶手段の一例である。
【0020】
制御ファイル204は、読取設定表示アプリケーション210や画像読取装置を制御するための不図示の制御用ソフトウエア等を、画像読取装置からロードして実行しているパーソナルコンピュータ100から、制御コマンド等を書き込んだり、データの受け渡しを行ったりするためのファイルであり、例えばメモリ13に記憶されている。USBディスクドライブインターフェース205は、スキャナ装置106に備えられているメモリ(フラッシュメモリ、EEPROMなど)をディスクドライブとして使用するためのソフトウエアである。USBマスストレージクラスインターフェース206は、USBディスクドライブインターフェース205を介してメモリをUSBマスストレージとして使用するためのソフトウエアである。
【0021】
なお、市販のスキャナ装置は、これらの制御用のソフトウエアやUSBディスクドライブインターフェースの代わりに、USBスキャナクラスインターフェースを備えている。そのため、パーソナルコンピュータには、専用のスキャナドライバをインストールする必要がある。本発明であれば、USBスキャナクラスインターフェースは必ずしも必要ではない。また、パーソナルコンピュータ側では、専用のスキャナドライバが必ずしも必要ではない。
【0022】
図6は、パーソナルコンピュータとスキャナのハードウエアブロック図の一例である。図6において、パーソナルコンピュータ100は、CPU20、ROM123、RAM124、ハードディスクドライブ122、USBインターフェース104を備えている。USBインターフェース104は、USBケーブル105を介してスキャナ装置106と接続される。また、CPU20は、キーボード/マウス125とディスプレイ126とが接続されている。
【0023】
外部制御装置102の一例であるパーソナルコンピュータ100に電力が投入されると、CPU20は、ROM123からファームウエアを起動し、ハードディスクドライブ122からマイクロソフト(登録商標)ウインドウズオペレーティングシステム110を起動する。OSなどの必要なソフトウエアは、RAM124にロードされる。
【0024】
一方、スキャナ装置106は、CPU15、ROM127、RAM203、画像読取部11、USBコントローラ128、USBインターフェース107を備えている。スキャナ装置106に電力が投入されると、CPU15は、ファームウエアをROM127から起動する。
【0025】
まず、パーソナルコンピュータ100上のオペレーティングシステム110は、USBインターフェース104にUSBケーブル105を介して何らかの周辺デバイスが接続されると、周辺デバイスのクラスインターフェースにアクセスし、周辺デバイスの種類を確定する。ここで、スキャナ装置106は、オペレーティングシステム110にマスストレージクラスデバイスとして認識してもらう必要がある。マスストレージクラスデバイスを制御するためのUSBマスストレージドライバ202は、一般にコンピュータに備えられており、新たにインストールする必要がないからである。それゆえ、本実施形態のスキャナ装置106は、USBマスストレージクラスインターフェース206を有している。
【0026】
このように、マイクロソフト(登録商標)ウインドウズのオペレーティングシステム110は、標準で、マスストレージクラスのUSBデバイスをサポートしている。CPU20がマスストレージクラスのUSBデバイスにアクセスする際、オペレーティングシステム110がマスストレージクラスのUSBドライバ103を含んでいるため、パーソナルコンピュータ100への特別なデバイスドライバ等のインストールを必要としない。また、マスストレージクラスデバイスへの標準的なアクセスは、オペレーティングシステム110を使用して、管理者権限なしに実行されることが可能である。
【0027】
よって、パーソナルコンピュータ100にスキャナ装置106が接続されると、CPU20は、予めインストールされている標準のUSBマスストレージドライバ202を起動する。また、スキャナ装置106が、USBマスストレージクラスインターフェース206を有しているため、パーソナルコンピュータ100にスキャナ装置106を接続すると、双方の間で所定の情報をやり取りし、CPU20及びオペレーティングシステム110は、スキャナ装置106をマスストレージデバイスとして認識する。さらに、CPU20及びオペレーティングシステム110は、スキャナ装置106のROM127やRAM203を外部記憶装置としてアクセスする。
【0028】
この認識処理についてさらに詳細に説明する。パーソナルコンピュータ100にスキャナ装置106が接続された場合、オペレーティングシステム110(CPU20)は、USBインターフェース104にて何らかの周辺デバイスの接続を検知し、USBケーブル105を介して、スキャナ装置106のUSBインターフェース107にアクセスする。スキャナ装置106のCPU15は、USBインターフェース107にパーソナルコンピュータ100からアクセスがあると、USBマスストレージクラスインターフェース206を制御してパーソナルコンピュータ100のアクセスに対応させる。
【0029】
オペレーティングシステム110は、スキャナ装置106のUSBマスストレージクラスインターフェース206にアクセスすることで、予めオペレーティングシステム110に含まれているUSBマスストレージドライバ202を利用して、USBインターフェースドライバ103とUSBインターフェース104からUSBケーブル105を介してスキャナ装置106にアクセス可能になる。
【0030】
また、スキャナ装置106は、オペレーティングシステム110に、マスストレージクラスデバイスとして認識されている。そのため、パーソナルコンピュータ100は、スキャナ装置106のUSBインターフェース107、USBマスストレージクラスインターフェース206、USBディスクドライブインターフェース205を介して、管理者権限の有無に依存しないアクセス方法でスキャナ装置106にアクセスできる。ただし、パーソナルコンピュータ100は直接的に画像読取部11を制御することはできず、あくまで記憶装置としてスキャナ装置106にアクセスできるにすぎない。
【0031】
また、スキャナ装置106には、読取設定表示アプリケーション210を、図3のメモリ13に相当する、ROM127またはRAM203に予め保存してある。また、スキャナ装置106を制御するためのコマンド等の転送に用いる制御ファイル204はRAM203等に予め保存してある。ROM127またはRAM203は、フラッシュメモリ、EEPROM、DRAMなどの任意の組み合わせによって実現可能である。
【0032】
読取設定表示アプリケーション210は、パーソナルコンピュータ100にロードされオペレーティングシステム110上で動作して、パーソナルコンピュータ100のディスプレイ126にスキャナ装置106内の画像読取設定情報を表示させるプログラムである。さらに、パーソナルコンピュータ100は、ファイルシステム201に関連付けたファイルフォルダ内に、スキャナ装置106内に保存してある制御ファイル204と読取設定アプリケーション210とに対応するテーブルを形成する。
【0033】
ここから、本特許における動作を図1のフローチャートを用いて説明する。図1は、パーソナルコンピュータ100から読取設定表示アプリケーション210を利用してスキャナ装置106の画像読取設定を表示させる処理のフローチャートである。パーソナルコンピュータ100のCPU20は、スキャナ装置106が接続されたか否かを判断する(ステップS1001)。CPU20は、周辺デバイスクラスのインターフェースとしてスキャナ装置106を接続する(ステップS1002)。CPU20は、周辺デバイスのインターフェースクラスの情報をスキャナ装置106から取得する(ステップS1003)。この情報により接続された周辺装置の種類が認識できる。
【0034】
上述したようにスキャナ装置106がUSBマスストレージインターフェースを有している。そのため、パーソナルコンピュータ100にスキャナ装置106が接続されたとき、CPU20は、USBマスストレージデバイスが接続されたと認識する(ステップS1004)。また、スキャナ装置106は、USBマスストレージクラスインターフェース206のサブクラスとして、USBディスクドライブインターフェース205を有している。そのため、CPU20は、接続されたスキャナ装置106をディスクドライブとして認識する。
【0035】
オペレーティングシステム110は、スキャナ装置106内に保存してある制御ファイル204と読取設定表示アプリケーション210とに対応するテーブルを、ファイルシステム201に関連付けたファイルフォルダ内に形成する。このことによりCPU20は、スキャナ装置106内に格納してある制御ファイル204と読取設定表示アプリケーション210を、ドライブレターを割り当てたディスクドライブ上のファイルとして扱うことができる(ステップS1005)。これは、スキャナ装置106が、OSによってドライブレターを割り当てたディスクドライブとして認識されているからである。
【0036】
CPU20は、読取設定表示アプリケーション210を起動するための指示があるか否かを判定する(ステップS1006)。この指示は、図3に示すメモリ13等に格納されている自動実行情報ファイルの一例であるautorun.inf等に、読取設定表示アプリケーション210のファイル名を記述しておくことによってなされる。例えば、マイクロソフト(登録商標)ウインドウズオペレーティングシステムにおいては、USB−CD‐ROMドライブやUSB−CD‐RWドライブ等のUSB−CDデバイス内にCD−ROMが挿入されると、「autorun.inf」と呼ばれる、CD−ROM上のファイルを検出し、「autorun.inf」内で自動実行することが指定されたファイルを実行する。よって、自動実行されるべきプログラムとして認識されるように読取設定表示アプリケーション210のファイル名がautorun.inf内に記述されていればよいことになる。
【0037】
読取設定の変更・表示用のプログラムである読取設定表示アプリケーション210を起動するための指示ありと認識すると(ステップS1006でYES)、CPU20は、スキャナ装置106内のメモリ13等に記憶されている読取設定表示アプリケーションをRAM124にロードして起動する(ステップS1007)。読取設定表示アプリケーションが起動されると、パーソナルコンピュータ100が有するディスプレイ126に図4に示すような、現在の読取設定が表示される。読取設定表示アプリケーション210を起動するための指示なしと認識した場合は(ステップS1006でNO)、本処理を終了する。
【0038】
続いて画像読取装置が複数の読取設定の情報を記憶することが可能である場合の動作について説明する。なお、制御の構成は上記に記したものと同様とする。
【0039】
画像読取装置に複数の読取設定を記憶していると、上述した読取設定表示アプリケーションの起動により、図7のような読取設定画面が表示される。ユーザは読取設定表示アプリケーションによって表示された既存の複数の読取設定から、実際に画像読取に用いる読取設定を選択可能である。読取設定記憶部12は、現在どの読取設定が選択されているかをも記憶し、画像読取部11は選択されている読取設定に従って読取を行う。
【0040】
さらに画像読取装置に現在記憶されている読取設定の内容は、読取設定表示アプリケーションによって書き換え可能である。ゆえに、外部制御装置に読取設定用のアプリケーションがインストールされていなくとも、自動起動される読取設定表示アプリケーションで画像読取装置の読取設定の変更が可能である。また、読取設定表示アプリケーションはインストールされることなく起動されることで機能するものである。もちろん読取設定表示アプリケーションはインストールされるようにしてもよい。
【0041】
読取設定の書き換え動作を、図8のフローチャートを用いて説明する。図4に示すような読取設定表示アプリケーションが起動し、ユーザが設定の変更の操作を行ったと判断した場合(ステップS801でYES)、ユーザによる読取設定表示アプリケーション上からの変更したい項目(例えば解像度等)の選択操作を受け付ける(ステップS802)。なお、読取設定表示アプリケーションは、ディスプレイ126の画面上に当該画像読取装置が動作可能な設定値を選択肢として表示する機能を有している。
【0042】
ユーザは読取設定表示アプリケーションによってディスプレイ126の画面上に表示された選択肢から、キーボード/マウス125等の操作で好適な設定値を選択し仮決定することができる。設定値の変更を反映させずに破棄する操作をユーザが行った場合は(ステップS803でNO)、アプリケーションを終了する。変更を反映させる操作をユーザが行った場合は、現在の読取設定として読取設定記憶部12に登録する(ステップS804)。他にも変更したい設定項目が残っており、読取設定表示アプリケーションの終了操作を行わない(ステップS805でNO)間はステップS802からステップS805までの動作を繰り返す。変更された読取設定は、現在の読取設定として直ちに読取設定表示アプリケーションによって表示される。
【0043】
なお、変更する項目は図4に記載されたモード、サイズ、読取面、解像度、保存先に限るものではない。以上のように変更された読取設定の内容に従って外部制御装置は画像読取装置を制御し、画像読取を行わせる。なお、読取設定の内容に従って外部制御装置が画像読取装置を制御するのではなく、画像読取装置がその内部に記憶している読取設定の内容や、変更され記憶された読取設定の内容に従って画像読取を実行するようにしてもよい。
【0044】
以上説明したように、画像読取装置の専用のドライバ、又は、読取設定の変更を可能とするアプリケーションを外部制御機器にインストールせずに、画像読取装置をさまざまな読取設定で使用することが可能である。それらをインストールしていないパーソナルコンピュータ等の外部制御機器に画像読取装置を接続したときに、外部記憶装置として認識される当該画像読取装置装置の読取設定記憶部に記憶された現在の読取設定を読み出して、表示させることができる。また、複数の読取設定を読み出して、表示させることができる。これによってユーザは現在どのような読取設定がされているか、どのような読取設定が可能かを特別な操作をせずに知ることができる。
【0045】
以上説明したように、本発明によれば、画像読取装置を外部制御機器に接続したときに画像読取装置に記憶されている読取設定の変更・表示用のプログラムが外部制御機器にロードされて実行されるようにしたので、当該プログラムのインストールを必要とせず、画像読取装置に記憶されている読取設定の外部制御機器からの確認や変更が可能である。
【0046】
そのため、管理者権限を有していない一般ユーザであっても画像読取装置の現在の読取設定の確認や変更ができるようになる。また、読取設定の変更・表示に必要なプログラムが画像読取装置のプログラム記憶手段に記憶されているため、CD−ROMの紛失により使用不可能となるといった問題からも開放されよう。
【0047】
本発明の画像読取装置は、画像読取装置を使用するために外部制御機器で実行される制御ソフトウエアをソフトウエア記憶手段に記憶させて保持していてもよい。通信手段を介して外部制御機器と接続されたとき、制御手段は外部制御機器の外部記憶装置としてソフトウエア記憶手段が外部制御機器に認識されるように制御するとともに、ソフトウエア記憶手段に記憶されている制御用のソフトウエアを外部制御機器にロードさせ起動させるよう制御するようにしてもよい。なお、ソフトウエア記憶手段は前述の記憶手段と同一でもよく異なっていてもよい。また、読取設定表示アプリケーションは上記制御用のソフトウエアに組み込まれていてもよい。
【符号の説明】
【0048】
1 画像読取装置
2 ピックアップローラ
3 給送ローラ
4 分離ローラ
11 画像読取部
15 CPU
20 CPU
33 画像読取ユニット
34 画像読取ユニット
127 ROM
128 RAM
203 USBコントローラ
210 読取設定表示アプリケーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿から画像を読み取る画像読取手段と、画像を外部制御装置に送信する通信手段を有する画像読取装置であって、
画像読取に関する読取設定情報を記憶する設定記憶手段と、
前記外部制御装置への前記画像読取装置の接続に応じて、前記設定記憶手段が外部記憶装置として認識されるための情報を、前記通信手段を介して前記外部制御装置へ送信する制御を行った後、
前記設定記憶手段の前記読取設定情報を前記通信手段を介して前記外部制御装置へ送信する制御を行う制御手段を有することを特徴とする画像読取装置。
【請求項2】
前記読取設定情報を読み出して前記外部制御装置に表示するプログラムを記憶するプログラム記憶手段を更に有し、
前記制御手段は、前記外部制御装置への前記画像読取装置の接続に応じて、前記通信手段を介して前記プログラムを、前記外部制御装置に送信する制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記外部制御装置にロードされた前記プログラムを自動的に起動することを、前記外部制御装置に指示するための自動実行情報ファイルを有すること
を特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記プログラムは前記外部制御装置が有する表示部に読取設定情報を表示すること
を特徴とする請求項2又は3に記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記外部制御装置にロードされて前記外部制御装置にインストールされることなく実行されたとき、前記画像読取装置を前記外部制御装置から制御する制御ソフトウエアを有すること
を特徴とする請求項2又は3に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記外部制御装置にロードされて前記外部制御装置で実行されたとき、前記画像読取装置を前記外部制御装置から制御するための制御ソフトウエアを記憶したソフトウエア記憶手段と、
前記外部制御装置への前記画像読取装置の接続に応じて、前記画像読取装置を外部記憶装置として該外部制御装置に認識させる制御と、前記ソフトウエア記憶手段に記憶されている前記ソフトウエアの前記外部制御装置からのロードを可能とする制御を実行する制御手段とを備えること
を特徴とする請求項2又は3に記載の画像読取装置。
【請求項7】
原稿から画像を読み取る画像読取手段と、画像を外部制御装置に送信する通信手段を有する画像読取装置の制御方法であって、
前記画像読取装置は、画像読取に関する読取設定情報を記憶する設定記憶手段を更に有し、
前記外部制御装置への前記画像読取装置の接続に応じて、前記設定記憶手段が外部記憶装置として認識されるための情報を、前記通信手段を介して前記外部制御装置へ送信するステップと、
前記設定記憶手段の前記読取設定情報を前記通信手段を介して前記外部制御装置へ送信するステップと、
を有することを特徴とする画像読取装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−114436(P2011−114436A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−267149(P2009−267149)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000104652)キヤノン電子株式会社 (876)
【Fターム(参考)】