画像読取装置
【課題】メモリエラーの発生を抑制することにより、読取処理のスループットが低下するのを抑制する。
【解決手段】原稿の画像を読み取るCIS30と、前記CIS30の読み取った読取データを記憶するRAM63と、前記RAM63に記憶された読取データから白紙データを判定する白紙判定処理を実行する白紙判定部60Aと、前記RAM63の使用量が限界量以上になる場合に、判定された白紙データを前記RAMから削除する削除部60Aと、前記白紙データの削除後、画像の読み取りを継続するように前記CIS30を制御する制御部60Aと、を備える。
【解決手段】原稿の画像を読み取るCIS30と、前記CIS30の読み取った読取データを記憶するRAM63と、前記RAM63に記憶された読取データから白紙データを判定する白紙判定処理を実行する白紙判定部60Aと、前記RAM63の使用量が限界量以上になる場合に、判定された白紙データを前記RAMから削除する削除部60Aと、前記白紙データの削除後、画像の読み取りを継続するように前記CIS30を制御する制御部60Aと、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、原稿の読取データが白紙かどうかをページ毎に判定し、原稿を全ページ読み取った後に白紙判定されたページの画像を表示して、ユーザに削除するべき画像を選択させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−289476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のものは、メモリに対して白紙データを含む原稿の読取データを全て記憶するので、原稿読取中に、メモリの使用量が限界量を超えて、メモリエラーを起こす恐れがあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、メモリエラーの発生を抑制することにより、読取処理のスループットが低下するのを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される画像読取装置は、原稿の画像を読み取る読取部と、前記読取部の読み取った読取データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された読取データから白紙データを判定する白紙判定処理を実行する白紙判定部と、前記記憶部の使用量が限界量以上になる場合に、前記白紙判定部にて判定された白紙データを前記記憶部から削除する削除部と、前記白紙データの削除後、画像の読み取りを継続するように前記読取部を制御する制御部と、を備える。この構成によれば、画像読取中に記憶部の使用量が一時的に限界量を超えても、白紙データの削除により、使用量を限界量以下に下げられる。そのため、読取処理を継続することが可能となり、読取処理のスループットが低下することを抑制できる。
【0006】
また、上記画像読取装置において、原稿を搬送する搬送部を備え、前記読取部は、前記搬送部により搬送される原稿の画像を読み取るようにしてもよい。
【0007】
また、上記画像読取装置において、前記制御部は前記読取部を制御する第一機能部と、前記白紙データを判定する白紙判定部として機能する第二機能部とを備え、前記記憶部の使用量が前記限界量を超えた場合に、前記白紙データを判定する処理を実行するようにしてもよい。
【0008】
また、上記画像読取装置において、前記制御部と前記白紙判定部は互いに独立して動作する異なるディバイスであり、前記白紙判定部は、前記読取部にて原稿1ページ分の画像が読み取られる度に、前記白紙判定処理を行い、前記記憶部は、前記白紙判定処理の結果である白紙判定処理情報を、判定対象の白紙データと対応させて記憶し、前記削除部は、前記白紙判定処理情報に基づいて、白紙データを削除するようにしてもよい。
【0009】
また、上記画像読取装置において、白紙データについて、より白紙に近いかどうかに基づいて、削除の優先度を決定する決定部と、前記削除部は、前記記憶部の使用量が限界量以上になった場合に、前記白紙データのうち、優先度の高い白紙データを優先して削除するようにしてもよい。
【0010】
また、上記画像読取装置において、前記決定部は、白紙データのうち、原稿縁部に定型画像が形成された白紙データは、削除の優先度を低くしてもよい。
【0011】
また、上記画像読取装置において、前記白紙判定部は、所定濃度以上の画素数が第一閾値以下である読取データを白紙データと判断し、前記決定部は、前記白紙データのうち、所定濃度以上の画素数が、前記第一閾値以下の第二閾値を下回っている場合、削除の優先度を高くするようにしてもよい。
【0012】
また、上記画像読取装置において、前記記憶部に記憶される読取データが非白紙であり、かつ前ページの読取データが非白紙データである場合に、記憶する非白紙の読取データに対してフラグを付与するフラグ付与部を備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、メモリエラーの発生を抑制することにより、読取処理のスループットが低下するのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1において複合機の斜視図
【図2】画像読取ユニットの断面図
【図3】複合機の電気的構成を示すブロック図
【図4】メモリエラー回避シーケンスのフローチャート図
【図5】実施形態2において複合機の電気的構成を示すブロック図
【図6】メモリエラー回避シーケンスのフローチャート図
【図7】メモリエラー回避シーケンスのサブフローを示す図
【図8】RAMのデータ構成を示す図
【図9】メモリエラー回避シーケンスのサブフローを示す図
【図10】実施形態3においてメモリエラー回避シーケンスのサブフローを示す図態4にて、白紙ページ情報を示す図
【図11】実施形態4において定型画像の説明図
【図12】メモリエラー回避シーケンスのサブフローを示す図
【図13】実施形態5において、白紙ページ情報の説明図
【図14】メモリエラー回避シーケンスのサブフローを示す図
【図15】メモリエラー回避シーケンスのサブフローを示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
実施形態1を図1ないし図4を用いて説明する。
【0016】
1.複合機の外観構成
図1は本発明の画像形成装置、画像読取装置の一例である複合機1の外観を示す斜視図であり、図2は画像読取ユニット5の断面図である。
【0017】
図1に示すように、複合機1はボックス型の本体部2の上方に画像読取ユニット5を配置している。画像読取ユニット5は原稿を読み取るものであり、図2に示すように、CIS(本発明の「読取部」の一例)30、ADF40、原稿載置部50を含む。原稿載置部50は、台枠51、透明なガラス板からなる第1プラテンガラス52、第2プラテンガラス53、及びこれらのガラス52、53の中間に配置された中間枠54を含む。原稿カバー48は、原稿載置部50を覆う閉姿勢と原稿載置部50を開放する開姿勢とに回動可能であり、複合機1の本体部2の後側に連結されている。原稿カバー48上に、ADF40が設けられている。
【0018】
ADF40はADFカバー41、原稿トレイ42、搬送路43、給紙ローラ44A、一対の搬送ローラ44B、一対の排紙ローラ44C等の各種ローラ、これら各種ローラを駆動するADFモータ66、排紙トレイ46、および押圧部材47を含む。ADF40は、原稿トレイ42に載置されている原稿を給紙ローラ44Aにより、一枚ずつ搬送して、第2プラテンガラス53上を通過させ、排紙トレイ46に排出する。押圧部材47は、第2プラテンガラス53上を通過する原稿が第2プラテンガラス53から浮かないように、原稿を第2プラテンガラス53に押圧する。さらに、ADF40には、原稿トレイ42にセットされた原稿を検出するための、フォトセンサ等の原稿センサ49が設けられている。尚、ADF40のうち、搬送路43、給紙ローラ44A、搬送ローラ44B、排紙ローラ44C、ADFモータ66が、本発明の「搬送部」の一例である。
【0019】
CIS30は、原稿載置部50の下方に設けられている。CIS30は、複数の受光素子が図2の紙面垂直方向に直線状に配列されているリニアイメージセンサ33、RGB3色の発光ダイオードなどで構成される光源31、原稿で反射された光源31からの反射光をリニアイメージセンサ33の各受光素子に結像させるロッドレンズアレイ32、これらが搭載されるキャリッジ34、およびキャリッジ34を搬送する図示しない搬送機構を含む。リニアイメージセンサ33は、受光素子に結像した反射光の輝度や色度を検出し、原稿の画像に基づくデータを生成する。
【0020】
画像読取ユニット5は、第1プラテンガラス52にセットされた原稿を読み取るときはFBモータ(図略)によってCIS30を第1プラテンガラス52に平行な副走査方向(図2中のA方向)に搬送しながら原稿を1ラインずつ読み取る。一方、ADF40によって搬送される原稿を読み取るときは、画像読取ユニット5は、FBモータによってCIS30を第2プラテンガラス53の直下に移動させ、第2プラテンガラス上の読取位置Pを通過する原稿を、イメージセンサ33によって1ラインずつ読み取る。
【0021】
さらに、複合機1の前側には、各種のボタンからなり、ユーザからの操作指令を受け付ける操作部11、複合機1の状態を表示する液晶ディスプレイからなる表示部12が設けられている。
【0022】
2.電気的構成
図3は複合機1の電気的構成を示すブロック図である。複合機1は、CPU(本発明の「白紙判定部」、「削除部」、「制御部」の一例)60Aと、ROM61と、RAM(本発明の「記憶部」の一例)63と、A/D変換器65と、モータ制御回路67と、出力装置71と、表示部12と、ボタンやセンサスイッチ類を備えている。A/D変換器65は、CIS30から出力されるアナログ値の出力信号をデジタル値の出力信号に変換する回路である。モータ制御回路67は、ADFモータ66のドライバである。
【0023】
CPU60Aは、次の4つの機能を担うものである。
(1)読取部制御機能(本発明の「第一機能部」の機能に対応)
(2)画像処理、白紙判定機能(本発明の「第二機能部」の機能に対応)
(3)出力処理機能
(4)メモリエラー回避機能
【0024】
読取部制御機能とは、画像読取ユニット5のADF40やCIS30を制御して、ADF40により搬送される原稿をCIS30にて自動読み取りさせる機能である。
【0025】
画像処理機能とは、A/D変換器65から画像データ(本発明の「読取データ」に対応)を読み出して、ガンマ補正やシェーディング補正等の画像処理を施す機能である。そして、CPU60Aは画像処理された画像データを、RAM63に記憶させるメモリ操作も併せて行う。
【0026】
白紙判定機能とは、RAM63に記憶された画像データが、白紙データか判定する機能である。白紙データの判定は、画像データについて、1ページごとに基準濃度を超える画素数を、まず求める。そして、求めた画素数と、白紙判定の閾値として設定された第一閾値を比較し、求めた画素数が第一閾値を下回っている場合に、当該画像データが、白紙の原稿が読み取られて生成された白紙データと判断するものである。
【0027】
また、出力処理機能とは、画像読取ユニット5にて読み取った画像データを出力する機能である。複合機1は出力装置71として通信装置と、記録装置(印刷装置)を備えており、CPU60Aはこれら通信装置や記録装置を制御することにより、画像読取ユニット5にて読み取った画像データを通信装置を用いてFAX送信し、また、読み取った画像データを被記録媒体に記録(印刷)する。
【0028】
メモリエラー回避機能とは、RAM63の使用量が限界量以上になることを自動回避する機能である。このメモリエラー回避機能については、次に説明するメモリエラー回避シーケンスにて詳しく説明を行う。
【0029】
ROM61には、CPU60Aが実行する各種のプログラム(メモリエラー回避シーケンスを実行するためのプログラム)や、プログラムの実行に用いるデータなどを記憶している。また、RAM63は、CPU60Aが各処理を実行するための主記憶装置として用いられると共に、画像読取ユニット5で読み取った画像データを記憶する役割も兼用している。
【0030】
3.メモリエラー回避シーケンス
本実施形態の複合機1は、RAM63の使用量が限界量以上になる場合に、RAM63に記憶された白紙データを削除することで、メモリエラーが起きることを抑制する機能を備えている。尚、ここでいう、メモリエラーというのは、RAM63の使用量が限界量を超えた場合に、画像の読み込み処理や通信、印刷処理が中止状態と制御されることを意味する。
【0031】
以下、図4を参照してメモリエラー回避シーケンス処理内容を、RAM63の使用量が限界量以上にならない場合と、限界量以上になる場合に、分けて説明する。
【0032】
<RAM63の使用量が限界量以上にならない場合>
ここでは、ユーザが複合機1で2枚の原稿をメモリ送信する場合を例にとって説明する。原稿トレイ42に2枚の原稿がセットされ、ユーザにより操作部11のスタートキーが押されると、まず、原稿を読み取る処理が開始される。具体的には、ADF40の駆動により、原稿トレイ42上にセットされた1ページ目の原稿が、表面を上に向けた状態で搬送路43に送りだされる(S10)。
【0033】
その後、送り出された原稿(ここでは、1ページ目の原稿)の先端が読取位置Pに達すると、CIS30による原稿の読み取りが行われる。具体的には、第2プラテンガラス53上の読取位置Pを通過する原稿を、イメージセンサ33が1ライン読み取る。イメージセンサ33が読み取った画像データは、その後A/D変換器65にてデジタル信号に変換される。そして、CPU60AはA/D変換器65から画像データを読み出して、ガンマ補正やシェーディング補正を行う(S20、S30)。
【0034】
CPU60AはS30にて各種補正を行うと、その後、RAM63にアクセスして、RAM63の使用量が限界量以上か判定する(S40)。尚、RAM63の使用量の判定は、RAM63に設けられたメモリカウンタ63Aのカウント値に基づいて判断する。メモリカウンタ63Aは、RAM63の空き容量が減るに従って、カウント値をカウントダウンするものであり、空き容量が全くない状態では、カウント値が「ゼロ」になる。この実施形態では、カウント値の閾値をゼロよりも大きい「CX」に設定してあり、メモリカウンタ63Aのカウント値が「CX」以下の場合には、RAM63の使用量は限界量以上であると判断し、「CX」以上の場合には、使用量は限界量以上ではないと判断する。尚、ここでは、限界量以上ではないとして説明を続ける。
【0035】
RAM63の使用量が限界量以上でない場合(NOの場合)、CPU60Aは、S30で補正した画像データを、RAM63へ格納する(S50)。これにて、原稿のうち1ライン目の画像データが、RAM63に格納されることになる。
【0036】
その後、全ラインの読み取りが完了するまでは、S60の判定処理でNO判定され、S10〜S50までの処理が順に実行される。そのため、CIS30により原稿の読み取り、A/D変換器65によるデータ変換、CPU60Aによる画像データの補正処理がライン単位で実行され、その後、各ラインの画像データはRAM63へ格納される。
【0037】
そして、全ラインの読み取りが完了すると、S60でYES判定され、処理はS70に移る。一方、読み取り完了後の1ページ目の原稿は、ADF40により排紙トレイ46上に排紙される。
【0038】
S70では、次ページがあるか、すなわち原稿トレイ42に原稿が有るかどうかが、原稿センサ49の出力に基づいて判定される。ここではメモリ送信する2枚の原稿のうち1枚目しか読み取りを完了しておらず、原稿トレイ42には原稿が残されている。そのため、原稿センサ49の出力がオンとなり、CPU60AにてYES判定される。
【0039】
S70でYES判定された場合、ADF40の駆動により、原稿トレイ42上にセットされた2ページ目の原稿が、表面を上に向けた状態で搬送路43に送りだされる(S10)。その後、1ページ目の原稿と同じ手順で、2ページ目の原稿の読み取りがCIS30によりライン単位で行われ、読み取った画像データはデータ変換、補正処理が行われた後、RAM63へ格納される。
【0040】
その後、2ページ目の原稿について、全ラインの読み取りが完了すると、2ページ目の原稿は排紙トレイ46上に排紙される。その後、再び、S70にて、次ページがあるか、すなわち原稿トレイ42に原稿が有るかどうか判定される。この段階では、メモリ送信する全2ページの原稿の読み取りを完了しており、原稿トレイ42に残された原稿は無いことから、S70でNO判定され、処理はS80に移行する。
【0041】
S80では、RAM63へ格納した画像データが、白紙データかどうか判定する処理がCPU60Aにより実行される。具体的には、CPU60Aは、画像データについて、1ページごとに、基準濃度を超える画素数を求め、求めた画素数と白紙判定の閾値として設定された第一閾値と比較する。そして、求めた画素数が第一閾値を下回っている場合に、白紙と判断する。
【0042】
そして、白紙データと判断された場合、CPU60Aはその画像データをRAM63から除去する(S90)。一方、白紙データでない場合には、画像データをRAM63から削除することなく、次に、全ページ分、白紙判定を行ったか判定する(S100)。そして、全ページ分白紙判定を行い、白紙データを削除する処理が完了すると、S100にてYES判定され、処理はS110に移行する。
【0043】
S110では、CPU60Aにより印字やFAX送信等の出力処理が実行される。ここでは、RAM63に記憶した2ページの画像データを、メモリ送信する処理が実行される。かくして、一連の処理は終了する。
【0044】
<RAM63の使用量が限界量以上になる場合>
尚、ここでは5枚の原稿をメモリ送信するものとする。そして、5枚のうち4ページ目までは、RAM63の利用量が限界量以上になることなく読み取りは完了し、5ページ目の読み取り途中で、RAM63の使用量が限界量以上になったものとする。
【0045】
RAM63の使用量が限界量以上になると、S40の判定処理にてYES判定され、処理はS120に移行する。S120では、CPU60Aにて、RAM63に格納した読み取り済みの画像データ(1ページ分の画像データ)に、白紙データが含まれているか判定する処理が実行される。尚、このS120の判定は、S80の判定と同様に、基準濃度を超える画素数を求め、それを白紙判定の閾値として設定された第一閾値と比較することにより行う。尚、CPU60Aの実行するS120の処理により、本発明の「白紙判定部」の機能が実現されている。
【0046】
また、白紙データの判定は、例えばRAM63への格納順(新しく順)に行われる。従って、ここでは、まず、4ページ目の画像データが、白紙データか判定される。4ページ目の画像データが白紙データでない場合には、次ページ、すなわちページ目について白紙データかどうか判定する処理が行われる。そして、3ページ目も、白紙データでない場合には、次ページ、すなわち2ページ目が白紙データかどうか判定する処理が行われる。このように、S120では、白紙データが検出されるまで、判定処理が繰り返し行われ、白紙データが検出された時点で、YES判定される。ここでは、3ページ目の画像データが白紙データと判定されたものとする。
【0047】
S120でYES判定された場合、処理はS130に移行する。S130では、CPU60Aにより、S120にて白紙データと判定された画像データをRAM63から削除する処理が実行される。従って、ここでは、3ページ目の画像データがRAM63から削除されることになる。そして、画像データの削除によりRAM63の使用量は下がり、限界量を下回る状態に戻る。尚、CPU60Aの実行するS130の処理により、本発明の「削除部」の機能が実現されている。
【0048】
S130の処理後はS50に戻ることから、その後、CPU60Aにて、読み取り途中の画像データ、すなわち5ページの画像データをRAM63に記憶させる処理が行われることになる。
【0049】
その後の処理は、2枚の原稿をメモリ送信する場合を例にとって説明した場合と同様に、1ページ分の読み取りが完了していなければ、S10〜S60の処理が繰り返されることとなり、CPU60Aの制御にて、CIS30による画像の読み取りが継続される。そして、全5枚の読み取りが完了するとS70にてNO判定されて、処理はS80〜S100に移行する。尚、S130で白紙データを削除した後、S50に戻ってS10〜S60の処理をCPU60Aが実行することにより、本発明の制御部の機能が実現されている。
【0050】
そして、S80〜S100では、RAM63へ格納した画像データが、白紙データかどうか判定する処理がCPU60Aにより実行され、白紙データと判定された画像データは削除されることになる。ここでは、全5枚の原稿のうち、3ページ目と4ページ目の画像データは、S120で白紙判定済みであることから、残る原稿、すなわち1ページ目、2ページ目、5ページ目の画像データについて白紙データか判定する処理が行われ、白紙データと判定された画像データは削除されることになる。ここでは、白紙データである判定された画像データはなかったものとする。
【0051】
その後、処理はS110に移行して出力処理が実行される。この例では、全5枚のうち、削除された3ページ目の原稿を除く、残り4枚の原稿、すなわち1ページ目、2ページ目、4ページ目、5ページ目の画像データがメモリ送信される。かくして、一連の処理は終了する。
【0052】
次に、S120にてNO判定される場合、すなわち、RAM63に格納した画像データに、白紙データが含まれていない場合の説明を行う。
【0053】
S120でNO判定されると、その後処理はS140に移行する。S140では、CPU60Aにてメモリフル処理を実行するかどうかが、判定される。メモリフル処理は、読み取り中の画像データは破棄することにより、RAM63にそれ以上データを記憶させないようにする一方、RAM63に格納済みの画像データについては出力する処理である。
【0054】
メモリフル処理の実行の可否は、ユーザ設定することが出来、メモリフル処理を実行しない設定の場合、S140でNO判定され、処理はそこで終了する。この場合、読み取り済みの4ページ分の画像データはメモリ送信されることなく、処理が終了することになる。
【0055】
一方、ユーザがメモリフル処理を実行する設定にしている場合、S140でYES判定され、S150に移行する。S150では、メモリフル処理が実行される。すなわち、5ページの原稿はCIS30にて画像を読み取られることなく、搬送路43を送られて、排紙トレイ46に排紙されることになる。
【0056】
その後、処理はS110に以降して、画像の読み取りを中止した5ページ目の原稿を除く、1ページ目〜4ページ目の画像データをメモリ送信する処理が実行される。
【0057】
以上説明したように、画像の読取中にRAM63の使用量が一時的に限界量を超えても、白紙データの削除により、使用量を限界量以下に下げられる。そのため、CIS30による原稿の読取処理を継続することが可能となり、読取処理のスループットが低下することを抑制できる。
【0058】
また、特に一度の読み取り処理で複数枚の原稿を読み取るADFでは、RAM63の使用量が限界量を超え易い。この点本技術の適用により、使用量が限界量を超えることを抑制できるので、読取処理のスループットの低下を抑制できる。
【0059】
本構成では、CPU60Aが読取部制御機能と白紙判定機能を兼用するので、両処理を並行処理できない。そこで、RAM63の使用量が限界量以上になった場合に、白紙データの判定処理(S120の処理)を実行することにより、画像を読み取る毎に白紙データの判定処理を実行する場合に比べて、読取処理のスループットが低下することを抑制できる。
【0060】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図5ないし図9によって説明する。実施形態1では、CPU60Aに対して、(1)読取部制御機能、(2)画像処理、白紙判定機能、(3)出力処理機能、(4)メモリエラー回避機能の4つの機能を負担させるものを説明した。
【0061】
実施形態2は、上記4機能のうち、(2)画像処理、白紙判定機能を、画像処理回路83に実行させるようにしたものであり、図5にて示すように、実施形態1に対して画像処理回路83とダイレクトメモリコントローラ81が追加された構成となっている。
【0062】
尚、ダイレクトメモリコントローラ81は、画像処理回路83にてガンマ補正やシェーディング補正を行った画像データを、RAM63に書き込む機能を担うものである。また、CPU60Bと画像処理回路83が本発明の異なるディバイスに対応する。すなわち、CPU60Bが本発明の「制御部、削除部」に対応するディバイスであり、画像処理回路83が本発明の「白紙判定部」に対応するディバイスである。
【0063】
実施形態2は、画像処理回路83が、CIS30による原稿の読み取りと同時並行的に、読み取った画像データの白紙判定を行っていることから、実施形態1のメモリエラー回避シーケンスに対してS65の処理を新たに加えて、原稿を1ページ読み取る度に、画像処理回路83が判定した白紙判定結果をRAM63に書き込むようにしている。
【0064】
以下、実施形態2のメモリエラー回避シーケンス(図6参照)の処理内容を、RAM63の使用量が限界量以上にならない場合と、限界量以上になる場合に、分けて説明する。
【0065】
<RAM63の使用量が限界量以上にならない場合>
ここでは、ユーザが複合機1で2枚の原稿をメモリ送信する場合を例にとって説明する。原稿トレイ42に2枚の原稿がセットされ、ユーザにより操作部11のスタートキーが押されると、まず、原稿を読み取る処理が開始される。具体的には、ADF40の駆動により、原稿トレイ42上にセットされた一枚目の原稿が、表面を上に向けた状態で搬送路43に送りだされる(S10)。
【0066】
その後、送り出された原稿(ここでは、1ページ目の原稿)の先端が読取位置Pに達すると、CIS30による原稿の読み取りが行われる。具体的には、第2プラテンガラス53上の読取位置Pを通過する原稿を、イメージセンサ33が1ライン読み取る。イメージセンサ33が読み取った画像データは、その後A/D変換器65にてデジタル信号に変換される。そして、画像処理回路83はA/D変換器65から画像データを読み出して、ガンマ補正やシェーディング補正を行う(S20、S30)。
【0067】
その後、メモリコントローラ81はRAM63にアクセスして、RAM63の使用量が限界量以上か判定する(S40)。尚、このS40の判定は、実施形態1と同様に、メモリカウンタ63Aのカウント値を閾値「CX」と比較することにより行う。
【0068】
RAM63の使用量が限界量以上でない場合、メモリコントローラ81は、S30で補正した画像データを画像処理回路83から読み出してRAM63へ格納する(S50)。これにて、1ライン目の画像データがRAM63に格納されることになる。
【0069】
その後、全ラインの読み取りが完了するまでは、S60の判定処理でNO判定され、S10〜S50までの処理が順に実行される。そのため、CIS30により原稿の読み取り、A/D変換器65によるデータ変換、CPU60Bによる画像データの補正処理がライン単位で実行され、その後、各ラインの画像データはRAM63へ格納される。
【0070】
画像処理回路83は、S10〜S50の処理が繰り返される間、CIS30から読み出した画像データの濃度を検出し、基準濃度を超える画素数を検出する。そして、画像処理回路83は、全ラインの読み取りが完了した時点で、画像データが白紙データかページ単位で判定する。すなわち、基準濃度を超える画素数を第一閾値と比較し、その大小関係により、そのページが白紙データか判定する。
【0071】
一方、メモリエラー回避シーケンスは、全ラインの読み取りが完了すると、S60にてYES判定され、処理はS65に移行する。S65では、画像処理回路83から白紙判定結果を読み出してRAM63に対して書き込む処理がCPU60Bにより実行される。
【0072】
具体的には、S65の処理は、図7に示すS151〜S153と処理から構成されていて、画像処理回路83から白紙判定結果を読み出す処理がまず実行され、その後、読み出した白紙判定結果に応じて、メタ情報部に白紙ページ情報が書き込まれる。
【0073】
図8を参照して詳しく説明すると、RAM63には、画像データを記憶させる領域と、メタ情報を書き込むためのメタ情報部とが設けられている。メタ情報は画像データの要約情報であり、各画像データについてページ番号、開始アドレス、サイズ、白紙情報、前ページのメタ情報アドレス、次ページのメタ情報アドレスを含む。
【0074】
この例では、画像処理回路83から白紙判定結果が「白紙でない」場合には、「白紙ページ情報」として「00」が書き込まれることになる。一方、読み出した白紙判定結果が「白紙データ」の場合には、「白紙ページ情報」として「01」が書き込まれることになる。尚、白紙ページ情報が本発明の「白紙判定処理情報」に対応する。また、RAM63が、メタ情報として白紙ページ情報を記憶することにより、本発明の「前記記憶部は、前記白紙判定処理の結果である白紙判定処理情報を、判定対象の白紙データと対応させて記憶し」が実現されている。
【0075】
図6に戻って説明を続けると、S65に続く、S70では、実施形態1と同様に、CPU60Bにて次ページがあるか判定される。ここではメモリ送信する2枚の原稿のうち1ページ目しか読み取りを完了しておらず、原稿トレイ42には2ページ目の原稿が残されている。そのため、S70では、CPU60BにてYES判定される。
【0076】
S70でYES判定された場合には、ADF40の駆動により、原稿トレイ42上にセットされた2ページ目の原稿が、表面を上に向けた状態で搬送路43に送りだされる。
【0077】
その後、2ページ目の原稿について全ラインの読み取りが完了するまでは、1ページ目と同様にS10〜S50までの処理が順に実行され、CIS30による原稿の読み取り、A/D変換器65によるデータ変換、画像処理回路83による補正処理、メモリコントローラ81による画像データのRAM63へ格納が、ライン単位で実行されることになる。
【0078】
そして、画像処理回路83は、S10〜S50の処理が繰り返される間、CIS30から読み出した画像データの濃度を検出し、基準濃度を超える画素数を検出する。そして、画像処理回路83は、2ページ目について、全ラインの読み取りが完了した時点で、2ページ目の画像データが白紙データか判定する。
【0079】
一方、メモリエラー回避シーケンスは、全ラインの読み取りが完了すると、S60にてYES判定され、処理はS65に移行する。そして、S65では、白紙判定結果をRAM63に対して書き込む処理がCPU60Bにて実行される。
【0080】
すなわち、画像処理回路83から白紙判定結果をまず読み出し、読み出した白紙判定結果が「白紙でない」場合、RAM63のメタ情報部に、白紙ページ情報として「00」の情報を書き込む。一方、読み出した白紙判定結果が「白紙データ」の場合には、「白紙ページ情報」として「01」を書き込む。
【0081】
S65の処理が終了すると、次にS70にて、次ページがあるか判定される。この段階では、メモリ送信する全2枚の原稿の読み取りを完了しており、原稿トレイ42に残された原稿は無いことから、S70でNO判定され、処理はS90に移行する。
【0082】
S90では、CPU60Bにより、白紙データを削除する処理が行われる。具体的には、RAM63のメタ情報部から各画像データについて白紙ページ情報を読み取り、白紙ページ情報として「01」の情報が登録されている画像データを削除する。
【0083】
その後、処理はS110に移行して出力処理が実行される。これにより、RAM63に記憶された画像データ(ただし、S90で削除された画像データを除く)をメモリ送信する処理が実行される。かくして、一連の処理は終了する。
【0084】
<RAM63の使用量が限界量以上になる場合>
尚、ここでは5枚の原稿をメモリ送信するものとする。そして、5枚のうち4ページ目までは、RAM63の使用量が限界量以上になることなく原稿の読み取りとRAM63に対するメタ情報の書き込みは完了し、5ページ目の原稿を読み取る途中でRAM63の使用量が限界量以上になり、S40でYES判定されたのとする。
【0085】
S40でYES判定された場合、CPU60Bにて図9に示すS171〜S183の処理が実行され、着目ページを1ページ目から順に更新しながら白紙ページ情報を判定する処理が行われることになる。すなわち、まずS171では、メタ情報部の着目ページが1ページ目に設定される。続く、S173では、着目ページである1ページ目の白紙ページ情報が「01」か、判定される。
【0086】
例えば、着目ページである1ページ目の白紙ページ情報が「00」、すなわち白紙でない場合、S173でNO判定され、処理はS175に移行する。S175では次ページがあれば、NO判定されることから、次にS177に移行して着目ページを次ページに設定する処理が実行される。このように、着目ページの白紙ページ情報が「01」でない場合には、着目ページが1ページから順に更新されることになる。
【0087】
着目ページが更新されると、その後処理はS173に戻り、更新された着目ページの白紙ページ情報が「01」か、判定される。そして、更新されたページの白紙ページ情報が「01」であれば、S173にてYES判定され、処理はS181へ移行する。ここでは、2ページ目の白紙情報が「01」であるものとする。
【0088】
S181では、白紙ページ情報が「01」である画像データを開放、すなわち削除する処理がCPU60Bにて実行されることになる。従って、S181では、2ページ目の画像データが開放される。具体的には、2ページ目のメタ情報を全削除することにより、画像データを開放する。続く、S183では、ページのつなぎ処理が実行される。尚、CPU60Bにて実行されるS171、S173、S175、S177、S181の処理、すなわち白紙ページ情報が「01」であるページを検索してそのページの画像データを削除する処理により、本発明の「前記削除部は、前記白紙判定処理情報に基づいて、白紙データを削除する」が実現されている。
【0089】
このように、S181にて、画像データを開放して削除することにより、RAM63の使用量は下がり、限界量を下回る状態に戻る。その後、処理は、図6のS50に戻ることから、読み取り途中の画像データ、すなわち5ページ目の画像データをRAM63に記憶させる処理が行われることになる。
【0090】
その後の処理は、2枚の原稿をメモリ送信する場合を例にとって説明した場合と同様に処理が進められる。すなわち、全5ページの読み取りが完了するとS70にてNO判定されて、処理はS90に移行する。
【0091】
S90では、CPU60Bにより、白紙データを削除する処理が行われる。具体的には、RAM63のメタ情報部から各画像データについて白紙ページ情報を読み取り、白紙ページ情報として「01」の情報が登録されている画像データはメタ情報を開放して削除する。
【0092】
その後、処理はS110に移行して出力処理が実行される。S110では、全5枚の画像データのうち、削除されなかった画像データをメモリ送信する処理が実行される。従って、2枚目以外に削除されたデータがない場合には、全5枚のうち、残り4枚の原稿、すなわち1ページ目、3ページ目、4ページ目、5ページ目の原稿がメモリ送信されることとなる。かくして、一連の処理は終了する。
【0093】
尚、RAM63の使用量が限界量になるまでに読み取った全4ページ中に白紙データが含まれていない場合は、S173にて、4ページ目の白紙ページ情報を判定した後、S175では、次のページが無く、「次ページは現在読み取り中」の状態となるので、YES判定されることになる。そして、S175でYES判定されると、処理はそこで終了する。従って、この場合、読み取り済みの画像データ、すなわち1ページ目〜4ページ目までの画像データは、メモリ送信されないことになる。また、この場合、複合機1は読み取り済みの画像データを削除したり、ユーザに報知したりするなどのエラー対応を実行する。
【0094】
以上説明したように、画像読取中にRAM63の使用量が一時的に限界量を超えても、白紙データの削除により、使用量を限界量以下に下げられる。そのため、CIS30による原稿の読取処理を継続することが可能となり、読取処理のスループットが低下することを抑制できる。
【0095】
また、本構成では、1ページごと白紙判定処理を行って、白紙ページ情報をRAM63のメタ情報部に記憶している。そのため、RAM63にアクセスして白紙ページ情報をチェックすることで白紙ページを特定することが可能であり、RAM63の使用量を下げるにあたり、RAM63に記憶された各画像データの白紙判定を行う必要がない。そのため、RAM63の使用量を下げる処理を短時間で行うことが可能となることから、読取処理のスループットが低下することを抑制できる。
【0096】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図10によって説明する。実施形態2では、RAM63の使用量が限界量以上になる場合、S171〜S183の処理を実行して白紙データを開放して削除することでRAM63の使用量を下げるようにした。
【0097】
実施形態3は、RAM63の使用量が限界量以上になる場合に、白紙データを開放して削除することでRAM63の使用量を下げる点は共通している。相違点は、実施形態2が白紙データを1ページだけ削除するのに対して、実施形態3はRAM63に記憶された白紙データを全て削除する点にある。
【0098】
尚、具体的な処理の違いとしては、上記変更に伴って、図10に示すようにS183の処理後、S175に移行する点と、S185の処理を新たに設けている点が相違している。
【0099】
このように、実施形態3では、RAM63の使用量が限界量以上になる場合、RAM63に記憶された白紙データを全て削除するので、白紙データを1ページ分だけ削除する場合に比べて、RAM63の使用量について限界量に対する余裕ができる。そのため、それ以降の読み取り中に、RAM63の使用量が限界量を超える可能性が少なくなるので、読取処理のスループットが低下することを抑制できる。
【0100】
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4を図11〜図12によって説明する。実施形態2では、白紙ページ情報を、白紙でない「00」と、白紙データ「01」の2パターンの情報から構成した。
【0101】
実施形態4は、白紙ページ情報のパターンを2パターンから3パターンに拡張した点が、実施形態2と相違しており、実施形態4では、白紙ページ情報を、白紙でない「00」と、定型画像を含まない白紙データ「01」と、定型画像を含む白紙データ「02」から構成している。
【0102】
ここで、定型画像とは、原稿縁部にあたる上部や下部(図11中に点線枠で示す)に、年月日やファイル名など定型的に用いられる画像を意味する。そして、定型画像を含む白紙データとは、定型画像だけを含み、それ以外の画像は含まない画像データを意味する。また、定型画像を含まない白紙データは、定型画像を含めて画像が全く含まない画像データを意味する。
【0103】
尚、CIS30で読み取った画像データを、これら3パターンに分類するには、まず、原稿のうち上下を除く中央領域(図11の斜線で示す領域)を対象として、基準濃度を超える画素数を求めて、それを白紙判定の閾値として設定された第一閾値と比較する。これにより判定対象の画像データが白紙データか、非白紙か判定できる。
【0104】
そして、次に白紙データを対象として、今度は上部又は下部に定型画像が印字されているかどうかを、光学文字認識(OCR)の技術や画素の濃度から判別することにより、そのデータが定型画像を含む白紙データか、定型画像を含まない白紙データか再分類できる。
【0105】
尚、これら白紙データ情報の判定(分類)は、実施形態2と同様に画像処理回路83が実行し、その結果をCPU60BがRAM63のメタ情報部に白紙ページ情報として書き込むようになっている(図7のS151とS153)。
【0106】
そして、実施形態4は、実施形態2のメモリエラー回避シーケンス(図6、図7、図9)に対してS40でYES判定された後の処理が相違していて、RAM63の使用量が限界量以上になる場合に、白紙データのうち、定型画像を含まない白紙データを優先的に削除し、定型画像を含まない白紙データが存在しない場合に、定型画像を含む白紙データを削除する。
【0107】
具体的に説明すると、実施形態4では、図6のS40でYES判定された場合、図12に示すS201に移行し、CPU60Bにより、「target」が「01」に設定される。続く、S203では、CPU60Bにより、着目ページが「1ページ目」に設定される。続く、S205では、着目ページについて、白紙ページ情報が「target」か判定される。ここでは、着目ページは1ページであり、「target」が「01」であることから、1ページ目の白紙データ情報が「01」、すなわち定型画像を含まない白紙データかどうか、CPU60Bにより判定されることになる。
【0108】
ここで、1ページ目の白紙データ情報が「01」でない場合には、S207の判定処理後、S210に移行して着目ページを次ページに更新する処理がCPU60Bにて実行される。その後、処理はS205に戻り、更新された着目ページについて白紙ページ情報が「target」、すなわち「01」か判定される。このような処理が繰り返されることで、着目ページを更新しながら、そのページの白紙ページ情報が「target」、すなわち「01」か判定される。
【0109】
そして、白紙データ情報が「01」である着目ページが現れれば、S205でYES判定されることから、その後、処理はS213に移行して画像データを開放する処理がCPU60Bにより実行され、続くS215ではページのつなぎ処理が、CPU60Bにより実行される。そして、ページのつなぎ処理が完了すると、処理は図6のS50に戻ることになる。これらS213、S215の処理は、図9のS181、S183と同じ処理である。
【0110】
一方、白紙データ情報が「01」である着目ページが無ければ、最後のページについてS205の判定処理が行われた後、S207、S209ではいずれもYES判定されることから、S211にて、CPU60Bにより「target」が「02」に設定される。
【0111】
その後、処理はS203に戻ることから、今度は、着目ページを更新しながら、そのページの白紙ページ情報が「02」か、すなわち定型画像を含む画像データか判定される。そして、白紙データ情報が「02」である着目ページが現れれば、S205でYES判定されることから、その後、処理はS213に移行して画像データを開放する処理が実行され、続くS215ではページのつなぎ処理が実行される。そして、ページのつなぎ処理が完了すると、処理は図6のS50に戻ることになる。
【0112】
一方、白紙データ情報が「02」である着目ページが無ければ、最後のページについてS205の判定処理が行われた後、S207でYES判定、S209でN0判定されることから、その時点で処理は終了する。
【0113】
このように、実施形態4では、RAM63の使用量が限界量以上になる場合に、白紙データのうち、定型画像を含まない白紙データを優先的に削除するようにしている。従って、読取処理のスループットが低下することを抑制しつつも、定型画像を含む白紙データを極力削除せず、残しておくことが可能となる。尚、実施形態4において、CPU60Bが実行するS201〜211の処理、すなわち削除対象となる画像データの白紙ページ情報を、まず「01」に設定し、該当するページがない場合には、「02」に再設定する処理により、本発明の「決定部」の機能が実現されている。
【0114】
<実施形態5>
次に、本発明の実施形態5を図13〜図15によって説明する。実施形態2では、白紙ページ情報を、白紙でない「00」と、白紙データ「01」の2パターンの情報から構成した。
【0115】
実施形態5は、白紙ページ情報のパターンを2パターンから3パターンに拡張した点が、実施形態2と相違しており、実施形態5では、白紙ページ情報を、白紙でない「00」と、白紙データ「01」と、白紙でなく、これより前のページにも白紙なし「03」の3パターンとしている。
【0116】
ここで、具体例を挙げると、例えば、図13に示すように全5ページの原稿を読み取った場合に、4ページ目のみ白紙で、それ以外が全て白紙でない場合には、1ページ目から3ページまでが、「白紙でなく、これより前のページにも白紙なし」となり、白紙ページ情報は「03」になる。そして、4ページ目は白紙データであるから、白紙ページ情報は「01」になる。また、5ページ目は白紙でないから、白紙ページ情報は「00」になる。
【0117】
このように、白紙ページ情報として、「白紙でなく、これより前のページにも白紙なし」の情報を追加しておけば、RAM63から白紙データをサーチする際の手間が、幾らか省けるというメリットがある。
【0118】
というのも、着目ページの更新順を、RAM63に対する記憶の若い順に定めておけば、図13の例では、5ページ〜3ページの白紙ページ情報から白紙データの有無をサーチすればよく、少なくとも、1ページ目と2ページ目については、サーチの対象から除外することが可能となるからである。
【0119】
そして、実施形態5は実施形態2のメモリエラー回避シーケンス(図6、図7、図9)に対してS65の処理と、S40でYES判定された後の処理が相違しており、以下、実施形態2に対して処理が異なる箇所について説明を行う。
【0120】
図14は、図6のS65の詳細を説明したものであり、S251からS265の処理をCPU60Bが実行することで、画像処理回路83の白紙判定結果から上記した「00」、「01」、「03」の3パターンの情報を、RAM63のメタ情報部に書き込むことができる。
【0121】
具体的に説明すると、S251では、画像処理回路83の白紙判定結果を読み込み、それが白紙データであれば、処理はS255に移行する。S255では、そのページについて、メタ情報部の白紙ページ情報が「01」に設定される。
【0122】
一方、白紙でない場合、処理はS253に移行する。S253では、画像データのメタ情報部の白紙ページ情報が「00」に設定される。その後、処理はS261に移行する。S261では、一番先頭のページかどうか判定される。一番先頭のページであれば、S261ではYES判定され、その後、処理はS265に移行する。S265では、そのページについて、メタ情報部の白紙ページ情報が「03」に設定される。すなわち、そのページの白紙ページ情報が、S253にて設定した「00」から「03」に再設定される。
【0123】
一方、一番先頭のページでない場合、S261ではNO判定され、その後、処理はS263に移行する。S263では、前ページのメタ情報部の白紙ページ情報は「03」か判定される。「03」であれば、S265に移行して先の処理を行い、「03」でない場合は、処理は終了することになる。
【0124】
図15は、図6のS40でYES判定された場合、すなわちRAM63の使用量が限界量以上になる場合に、CPU60Bにて実行される処理である。まず、S301では、CPU60Bにより着目ページが「最終ページ」に設定される。続く、S303では、着目ページについて、白紙ページ情報を判定する処理がCPU60Bにより行われる。
【0125】
白紙ページ情報が「01」の場合、その後、処理はS313に移行して画像データを開放する処理が実行され、続くS315ではページのつなぎ処理が実行される。そして、ページのつなぎ処理が完了すると、処理は図6のS50に戻ることになる。これらS315、S315の処理は、図9のS181、S183と同じ処理である。
【0126】
次に、白紙データ情報が「03」である場合、その時点で処理は終了する。
【0127】
そして、白紙データ情報が「00」である場合、その後、S305にて判定処理を行い、次にS307にて着目ページを更新、すなわち最終ページの前ページに更新する処理が実行される。その後、処理はS303に戻ることになる。尚、実施形態5の白紙データ情報「03」が本発明の「フラグ」に対応する。また、CPU60Bにより実行されるS251、S253、S261、S265の処理により、本発明の「フラグ付与部」の機能が実現されている。
【0128】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0129】
(1)上記実施形態1〜実施形態5では、RAM63の使用量が限界量以上になる場合に、RAM63から白紙データを削除するようにしたが、限界量に一定の幅を持たせて使用量が限界量の設定範囲に含まれる状態になった段階(すなわち、限界レベルに近いニアフル状態)で、白紙データを削除することも可能である。
【0130】
(2)上記実施形態4では、白紙データについて、定型画像を含まない白紙データと、定型画像を含む白紙データの2パターンを設けて、定型画像を含まない白紙データを優先的に削除する例を示した。削除の優先度は、実施形態4にて開示した方法に限られるものではなく、より白紙に近いかどうかに基づいて、削除の優先度を決定してやればよい。
【0131】
例えば、白紙判定の閾値として設定された第一閾値に加えて、第一閾値以下の第二閾値を設定し、白紙データのうち、所定濃度以上の画素数が第二閾値を下回っている白紙データについて削除の優先度を高くするようにCPU60Bにて決定すればよい。
【符号の説明】
【0132】
1…複合機(本発明の「画像読取装置」一例)
5…画像読取ユニット
30…CIS(本発明の「読取部」の一例)
40…ADF(本発明の「搬送部」の一例)
43…搬送路
60A…CPU(本発明の「制御部」、「白紙判定部」、「削除部」の一例)
60B…CPU(本発明の「制御部」、「削除部」、「決定部」、「フラグ付与部」の一例)
61…ROM
63…RAM(本発明の「記憶部」の一例)
65…A/D変換器
71…出力装置
81…ダイレクトメモリコントローラ
83…画像処理回路(本発明の「白紙判定部」の一例)
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、原稿の読取データが白紙かどうかをページ毎に判定し、原稿を全ページ読み取った後に白紙判定されたページの画像を表示して、ユーザに削除するべき画像を選択させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−289476号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のものは、メモリに対して白紙データを含む原稿の読取データを全て記憶するので、原稿読取中に、メモリの使用量が限界量を超えて、メモリエラーを起こす恐れがあった。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、メモリエラーの発生を抑制することにより、読取処理のスループットが低下するのを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される画像読取装置は、原稿の画像を読み取る読取部と、前記読取部の読み取った読取データを記憶する記憶部と、前記記憶部に記憶された読取データから白紙データを判定する白紙判定処理を実行する白紙判定部と、前記記憶部の使用量が限界量以上になる場合に、前記白紙判定部にて判定された白紙データを前記記憶部から削除する削除部と、前記白紙データの削除後、画像の読み取りを継続するように前記読取部を制御する制御部と、を備える。この構成によれば、画像読取中に記憶部の使用量が一時的に限界量を超えても、白紙データの削除により、使用量を限界量以下に下げられる。そのため、読取処理を継続することが可能となり、読取処理のスループットが低下することを抑制できる。
【0006】
また、上記画像読取装置において、原稿を搬送する搬送部を備え、前記読取部は、前記搬送部により搬送される原稿の画像を読み取るようにしてもよい。
【0007】
また、上記画像読取装置において、前記制御部は前記読取部を制御する第一機能部と、前記白紙データを判定する白紙判定部として機能する第二機能部とを備え、前記記憶部の使用量が前記限界量を超えた場合に、前記白紙データを判定する処理を実行するようにしてもよい。
【0008】
また、上記画像読取装置において、前記制御部と前記白紙判定部は互いに独立して動作する異なるディバイスであり、前記白紙判定部は、前記読取部にて原稿1ページ分の画像が読み取られる度に、前記白紙判定処理を行い、前記記憶部は、前記白紙判定処理の結果である白紙判定処理情報を、判定対象の白紙データと対応させて記憶し、前記削除部は、前記白紙判定処理情報に基づいて、白紙データを削除するようにしてもよい。
【0009】
また、上記画像読取装置において、白紙データについて、より白紙に近いかどうかに基づいて、削除の優先度を決定する決定部と、前記削除部は、前記記憶部の使用量が限界量以上になった場合に、前記白紙データのうち、優先度の高い白紙データを優先して削除するようにしてもよい。
【0010】
また、上記画像読取装置において、前記決定部は、白紙データのうち、原稿縁部に定型画像が形成された白紙データは、削除の優先度を低くしてもよい。
【0011】
また、上記画像読取装置において、前記白紙判定部は、所定濃度以上の画素数が第一閾値以下である読取データを白紙データと判断し、前記決定部は、前記白紙データのうち、所定濃度以上の画素数が、前記第一閾値以下の第二閾値を下回っている場合、削除の優先度を高くするようにしてもよい。
【0012】
また、上記画像読取装置において、前記記憶部に記憶される読取データが非白紙であり、かつ前ページの読取データが非白紙データである場合に、記憶する非白紙の読取データに対してフラグを付与するフラグ付与部を備えるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、メモリエラーの発生を抑制することにより、読取処理のスループットが低下するのを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】実施形態1において複合機の斜視図
【図2】画像読取ユニットの断面図
【図3】複合機の電気的構成を示すブロック図
【図4】メモリエラー回避シーケンスのフローチャート図
【図5】実施形態2において複合機の電気的構成を示すブロック図
【図6】メモリエラー回避シーケンスのフローチャート図
【図7】メモリエラー回避シーケンスのサブフローを示す図
【図8】RAMのデータ構成を示す図
【図9】メモリエラー回避シーケンスのサブフローを示す図
【図10】実施形態3においてメモリエラー回避シーケンスのサブフローを示す図態4にて、白紙ページ情報を示す図
【図11】実施形態4において定型画像の説明図
【図12】メモリエラー回避シーケンスのサブフローを示す図
【図13】実施形態5において、白紙ページ情報の説明図
【図14】メモリエラー回避シーケンスのサブフローを示す図
【図15】メモリエラー回避シーケンスのサブフローを示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
<実施形態1>
実施形態1を図1ないし図4を用いて説明する。
【0016】
1.複合機の外観構成
図1は本発明の画像形成装置、画像読取装置の一例である複合機1の外観を示す斜視図であり、図2は画像読取ユニット5の断面図である。
【0017】
図1に示すように、複合機1はボックス型の本体部2の上方に画像読取ユニット5を配置している。画像読取ユニット5は原稿を読み取るものであり、図2に示すように、CIS(本発明の「読取部」の一例)30、ADF40、原稿載置部50を含む。原稿載置部50は、台枠51、透明なガラス板からなる第1プラテンガラス52、第2プラテンガラス53、及びこれらのガラス52、53の中間に配置された中間枠54を含む。原稿カバー48は、原稿載置部50を覆う閉姿勢と原稿載置部50を開放する開姿勢とに回動可能であり、複合機1の本体部2の後側に連結されている。原稿カバー48上に、ADF40が設けられている。
【0018】
ADF40はADFカバー41、原稿トレイ42、搬送路43、給紙ローラ44A、一対の搬送ローラ44B、一対の排紙ローラ44C等の各種ローラ、これら各種ローラを駆動するADFモータ66、排紙トレイ46、および押圧部材47を含む。ADF40は、原稿トレイ42に載置されている原稿を給紙ローラ44Aにより、一枚ずつ搬送して、第2プラテンガラス53上を通過させ、排紙トレイ46に排出する。押圧部材47は、第2プラテンガラス53上を通過する原稿が第2プラテンガラス53から浮かないように、原稿を第2プラテンガラス53に押圧する。さらに、ADF40には、原稿トレイ42にセットされた原稿を検出するための、フォトセンサ等の原稿センサ49が設けられている。尚、ADF40のうち、搬送路43、給紙ローラ44A、搬送ローラ44B、排紙ローラ44C、ADFモータ66が、本発明の「搬送部」の一例である。
【0019】
CIS30は、原稿載置部50の下方に設けられている。CIS30は、複数の受光素子が図2の紙面垂直方向に直線状に配列されているリニアイメージセンサ33、RGB3色の発光ダイオードなどで構成される光源31、原稿で反射された光源31からの反射光をリニアイメージセンサ33の各受光素子に結像させるロッドレンズアレイ32、これらが搭載されるキャリッジ34、およびキャリッジ34を搬送する図示しない搬送機構を含む。リニアイメージセンサ33は、受光素子に結像した反射光の輝度や色度を検出し、原稿の画像に基づくデータを生成する。
【0020】
画像読取ユニット5は、第1プラテンガラス52にセットされた原稿を読み取るときはFBモータ(図略)によってCIS30を第1プラテンガラス52に平行な副走査方向(図2中のA方向)に搬送しながら原稿を1ラインずつ読み取る。一方、ADF40によって搬送される原稿を読み取るときは、画像読取ユニット5は、FBモータによってCIS30を第2プラテンガラス53の直下に移動させ、第2プラテンガラス上の読取位置Pを通過する原稿を、イメージセンサ33によって1ラインずつ読み取る。
【0021】
さらに、複合機1の前側には、各種のボタンからなり、ユーザからの操作指令を受け付ける操作部11、複合機1の状態を表示する液晶ディスプレイからなる表示部12が設けられている。
【0022】
2.電気的構成
図3は複合機1の電気的構成を示すブロック図である。複合機1は、CPU(本発明の「白紙判定部」、「削除部」、「制御部」の一例)60Aと、ROM61と、RAM(本発明の「記憶部」の一例)63と、A/D変換器65と、モータ制御回路67と、出力装置71と、表示部12と、ボタンやセンサスイッチ類を備えている。A/D変換器65は、CIS30から出力されるアナログ値の出力信号をデジタル値の出力信号に変換する回路である。モータ制御回路67は、ADFモータ66のドライバである。
【0023】
CPU60Aは、次の4つの機能を担うものである。
(1)読取部制御機能(本発明の「第一機能部」の機能に対応)
(2)画像処理、白紙判定機能(本発明の「第二機能部」の機能に対応)
(3)出力処理機能
(4)メモリエラー回避機能
【0024】
読取部制御機能とは、画像読取ユニット5のADF40やCIS30を制御して、ADF40により搬送される原稿をCIS30にて自動読み取りさせる機能である。
【0025】
画像処理機能とは、A/D変換器65から画像データ(本発明の「読取データ」に対応)を読み出して、ガンマ補正やシェーディング補正等の画像処理を施す機能である。そして、CPU60Aは画像処理された画像データを、RAM63に記憶させるメモリ操作も併せて行う。
【0026】
白紙判定機能とは、RAM63に記憶された画像データが、白紙データか判定する機能である。白紙データの判定は、画像データについて、1ページごとに基準濃度を超える画素数を、まず求める。そして、求めた画素数と、白紙判定の閾値として設定された第一閾値を比較し、求めた画素数が第一閾値を下回っている場合に、当該画像データが、白紙の原稿が読み取られて生成された白紙データと判断するものである。
【0027】
また、出力処理機能とは、画像読取ユニット5にて読み取った画像データを出力する機能である。複合機1は出力装置71として通信装置と、記録装置(印刷装置)を備えており、CPU60Aはこれら通信装置や記録装置を制御することにより、画像読取ユニット5にて読み取った画像データを通信装置を用いてFAX送信し、また、読み取った画像データを被記録媒体に記録(印刷)する。
【0028】
メモリエラー回避機能とは、RAM63の使用量が限界量以上になることを自動回避する機能である。このメモリエラー回避機能については、次に説明するメモリエラー回避シーケンスにて詳しく説明を行う。
【0029】
ROM61には、CPU60Aが実行する各種のプログラム(メモリエラー回避シーケンスを実行するためのプログラム)や、プログラムの実行に用いるデータなどを記憶している。また、RAM63は、CPU60Aが各処理を実行するための主記憶装置として用いられると共に、画像読取ユニット5で読み取った画像データを記憶する役割も兼用している。
【0030】
3.メモリエラー回避シーケンス
本実施形態の複合機1は、RAM63の使用量が限界量以上になる場合に、RAM63に記憶された白紙データを削除することで、メモリエラーが起きることを抑制する機能を備えている。尚、ここでいう、メモリエラーというのは、RAM63の使用量が限界量を超えた場合に、画像の読み込み処理や通信、印刷処理が中止状態と制御されることを意味する。
【0031】
以下、図4を参照してメモリエラー回避シーケンス処理内容を、RAM63の使用量が限界量以上にならない場合と、限界量以上になる場合に、分けて説明する。
【0032】
<RAM63の使用量が限界量以上にならない場合>
ここでは、ユーザが複合機1で2枚の原稿をメモリ送信する場合を例にとって説明する。原稿トレイ42に2枚の原稿がセットされ、ユーザにより操作部11のスタートキーが押されると、まず、原稿を読み取る処理が開始される。具体的には、ADF40の駆動により、原稿トレイ42上にセットされた1ページ目の原稿が、表面を上に向けた状態で搬送路43に送りだされる(S10)。
【0033】
その後、送り出された原稿(ここでは、1ページ目の原稿)の先端が読取位置Pに達すると、CIS30による原稿の読み取りが行われる。具体的には、第2プラテンガラス53上の読取位置Pを通過する原稿を、イメージセンサ33が1ライン読み取る。イメージセンサ33が読み取った画像データは、その後A/D変換器65にてデジタル信号に変換される。そして、CPU60AはA/D変換器65から画像データを読み出して、ガンマ補正やシェーディング補正を行う(S20、S30)。
【0034】
CPU60AはS30にて各種補正を行うと、その後、RAM63にアクセスして、RAM63の使用量が限界量以上か判定する(S40)。尚、RAM63の使用量の判定は、RAM63に設けられたメモリカウンタ63Aのカウント値に基づいて判断する。メモリカウンタ63Aは、RAM63の空き容量が減るに従って、カウント値をカウントダウンするものであり、空き容量が全くない状態では、カウント値が「ゼロ」になる。この実施形態では、カウント値の閾値をゼロよりも大きい「CX」に設定してあり、メモリカウンタ63Aのカウント値が「CX」以下の場合には、RAM63の使用量は限界量以上であると判断し、「CX」以上の場合には、使用量は限界量以上ではないと判断する。尚、ここでは、限界量以上ではないとして説明を続ける。
【0035】
RAM63の使用量が限界量以上でない場合(NOの場合)、CPU60Aは、S30で補正した画像データを、RAM63へ格納する(S50)。これにて、原稿のうち1ライン目の画像データが、RAM63に格納されることになる。
【0036】
その後、全ラインの読み取りが完了するまでは、S60の判定処理でNO判定され、S10〜S50までの処理が順に実行される。そのため、CIS30により原稿の読み取り、A/D変換器65によるデータ変換、CPU60Aによる画像データの補正処理がライン単位で実行され、その後、各ラインの画像データはRAM63へ格納される。
【0037】
そして、全ラインの読み取りが完了すると、S60でYES判定され、処理はS70に移る。一方、読み取り完了後の1ページ目の原稿は、ADF40により排紙トレイ46上に排紙される。
【0038】
S70では、次ページがあるか、すなわち原稿トレイ42に原稿が有るかどうかが、原稿センサ49の出力に基づいて判定される。ここではメモリ送信する2枚の原稿のうち1枚目しか読み取りを完了しておらず、原稿トレイ42には原稿が残されている。そのため、原稿センサ49の出力がオンとなり、CPU60AにてYES判定される。
【0039】
S70でYES判定された場合、ADF40の駆動により、原稿トレイ42上にセットされた2ページ目の原稿が、表面を上に向けた状態で搬送路43に送りだされる(S10)。その後、1ページ目の原稿と同じ手順で、2ページ目の原稿の読み取りがCIS30によりライン単位で行われ、読み取った画像データはデータ変換、補正処理が行われた後、RAM63へ格納される。
【0040】
その後、2ページ目の原稿について、全ラインの読み取りが完了すると、2ページ目の原稿は排紙トレイ46上に排紙される。その後、再び、S70にて、次ページがあるか、すなわち原稿トレイ42に原稿が有るかどうか判定される。この段階では、メモリ送信する全2ページの原稿の読み取りを完了しており、原稿トレイ42に残された原稿は無いことから、S70でNO判定され、処理はS80に移行する。
【0041】
S80では、RAM63へ格納した画像データが、白紙データかどうか判定する処理がCPU60Aにより実行される。具体的には、CPU60Aは、画像データについて、1ページごとに、基準濃度を超える画素数を求め、求めた画素数と白紙判定の閾値として設定された第一閾値と比較する。そして、求めた画素数が第一閾値を下回っている場合に、白紙と判断する。
【0042】
そして、白紙データと判断された場合、CPU60Aはその画像データをRAM63から除去する(S90)。一方、白紙データでない場合には、画像データをRAM63から削除することなく、次に、全ページ分、白紙判定を行ったか判定する(S100)。そして、全ページ分白紙判定を行い、白紙データを削除する処理が完了すると、S100にてYES判定され、処理はS110に移行する。
【0043】
S110では、CPU60Aにより印字やFAX送信等の出力処理が実行される。ここでは、RAM63に記憶した2ページの画像データを、メモリ送信する処理が実行される。かくして、一連の処理は終了する。
【0044】
<RAM63の使用量が限界量以上になる場合>
尚、ここでは5枚の原稿をメモリ送信するものとする。そして、5枚のうち4ページ目までは、RAM63の利用量が限界量以上になることなく読み取りは完了し、5ページ目の読み取り途中で、RAM63の使用量が限界量以上になったものとする。
【0045】
RAM63の使用量が限界量以上になると、S40の判定処理にてYES判定され、処理はS120に移行する。S120では、CPU60Aにて、RAM63に格納した読み取り済みの画像データ(1ページ分の画像データ)に、白紙データが含まれているか判定する処理が実行される。尚、このS120の判定は、S80の判定と同様に、基準濃度を超える画素数を求め、それを白紙判定の閾値として設定された第一閾値と比較することにより行う。尚、CPU60Aの実行するS120の処理により、本発明の「白紙判定部」の機能が実現されている。
【0046】
また、白紙データの判定は、例えばRAM63への格納順(新しく順)に行われる。従って、ここでは、まず、4ページ目の画像データが、白紙データか判定される。4ページ目の画像データが白紙データでない場合には、次ページ、すなわちページ目について白紙データかどうか判定する処理が行われる。そして、3ページ目も、白紙データでない場合には、次ページ、すなわち2ページ目が白紙データかどうか判定する処理が行われる。このように、S120では、白紙データが検出されるまで、判定処理が繰り返し行われ、白紙データが検出された時点で、YES判定される。ここでは、3ページ目の画像データが白紙データと判定されたものとする。
【0047】
S120でYES判定された場合、処理はS130に移行する。S130では、CPU60Aにより、S120にて白紙データと判定された画像データをRAM63から削除する処理が実行される。従って、ここでは、3ページ目の画像データがRAM63から削除されることになる。そして、画像データの削除によりRAM63の使用量は下がり、限界量を下回る状態に戻る。尚、CPU60Aの実行するS130の処理により、本発明の「削除部」の機能が実現されている。
【0048】
S130の処理後はS50に戻ることから、その後、CPU60Aにて、読み取り途中の画像データ、すなわち5ページの画像データをRAM63に記憶させる処理が行われることになる。
【0049】
その後の処理は、2枚の原稿をメモリ送信する場合を例にとって説明した場合と同様に、1ページ分の読み取りが完了していなければ、S10〜S60の処理が繰り返されることとなり、CPU60Aの制御にて、CIS30による画像の読み取りが継続される。そして、全5枚の読み取りが完了するとS70にてNO判定されて、処理はS80〜S100に移行する。尚、S130で白紙データを削除した後、S50に戻ってS10〜S60の処理をCPU60Aが実行することにより、本発明の制御部の機能が実現されている。
【0050】
そして、S80〜S100では、RAM63へ格納した画像データが、白紙データかどうか判定する処理がCPU60Aにより実行され、白紙データと判定された画像データは削除されることになる。ここでは、全5枚の原稿のうち、3ページ目と4ページ目の画像データは、S120で白紙判定済みであることから、残る原稿、すなわち1ページ目、2ページ目、5ページ目の画像データについて白紙データか判定する処理が行われ、白紙データと判定された画像データは削除されることになる。ここでは、白紙データである判定された画像データはなかったものとする。
【0051】
その後、処理はS110に移行して出力処理が実行される。この例では、全5枚のうち、削除された3ページ目の原稿を除く、残り4枚の原稿、すなわち1ページ目、2ページ目、4ページ目、5ページ目の画像データがメモリ送信される。かくして、一連の処理は終了する。
【0052】
次に、S120にてNO判定される場合、すなわち、RAM63に格納した画像データに、白紙データが含まれていない場合の説明を行う。
【0053】
S120でNO判定されると、その後処理はS140に移行する。S140では、CPU60Aにてメモリフル処理を実行するかどうかが、判定される。メモリフル処理は、読み取り中の画像データは破棄することにより、RAM63にそれ以上データを記憶させないようにする一方、RAM63に格納済みの画像データについては出力する処理である。
【0054】
メモリフル処理の実行の可否は、ユーザ設定することが出来、メモリフル処理を実行しない設定の場合、S140でNO判定され、処理はそこで終了する。この場合、読み取り済みの4ページ分の画像データはメモリ送信されることなく、処理が終了することになる。
【0055】
一方、ユーザがメモリフル処理を実行する設定にしている場合、S140でYES判定され、S150に移行する。S150では、メモリフル処理が実行される。すなわち、5ページの原稿はCIS30にて画像を読み取られることなく、搬送路43を送られて、排紙トレイ46に排紙されることになる。
【0056】
その後、処理はS110に以降して、画像の読み取りを中止した5ページ目の原稿を除く、1ページ目〜4ページ目の画像データをメモリ送信する処理が実行される。
【0057】
以上説明したように、画像の読取中にRAM63の使用量が一時的に限界量を超えても、白紙データの削除により、使用量を限界量以下に下げられる。そのため、CIS30による原稿の読取処理を継続することが可能となり、読取処理のスループットが低下することを抑制できる。
【0058】
また、特に一度の読み取り処理で複数枚の原稿を読み取るADFでは、RAM63の使用量が限界量を超え易い。この点本技術の適用により、使用量が限界量を超えることを抑制できるので、読取処理のスループットの低下を抑制できる。
【0059】
本構成では、CPU60Aが読取部制御機能と白紙判定機能を兼用するので、両処理を並行処理できない。そこで、RAM63の使用量が限界量以上になった場合に、白紙データの判定処理(S120の処理)を実行することにより、画像を読み取る毎に白紙データの判定処理を実行する場合に比べて、読取処理のスループットが低下することを抑制できる。
【0060】
<実施形態2>
次に、本発明の実施形態2を図5ないし図9によって説明する。実施形態1では、CPU60Aに対して、(1)読取部制御機能、(2)画像処理、白紙判定機能、(3)出力処理機能、(4)メモリエラー回避機能の4つの機能を負担させるものを説明した。
【0061】
実施形態2は、上記4機能のうち、(2)画像処理、白紙判定機能を、画像処理回路83に実行させるようにしたものであり、図5にて示すように、実施形態1に対して画像処理回路83とダイレクトメモリコントローラ81が追加された構成となっている。
【0062】
尚、ダイレクトメモリコントローラ81は、画像処理回路83にてガンマ補正やシェーディング補正を行った画像データを、RAM63に書き込む機能を担うものである。また、CPU60Bと画像処理回路83が本発明の異なるディバイスに対応する。すなわち、CPU60Bが本発明の「制御部、削除部」に対応するディバイスであり、画像処理回路83が本発明の「白紙判定部」に対応するディバイスである。
【0063】
実施形態2は、画像処理回路83が、CIS30による原稿の読み取りと同時並行的に、読み取った画像データの白紙判定を行っていることから、実施形態1のメモリエラー回避シーケンスに対してS65の処理を新たに加えて、原稿を1ページ読み取る度に、画像処理回路83が判定した白紙判定結果をRAM63に書き込むようにしている。
【0064】
以下、実施形態2のメモリエラー回避シーケンス(図6参照)の処理内容を、RAM63の使用量が限界量以上にならない場合と、限界量以上になる場合に、分けて説明する。
【0065】
<RAM63の使用量が限界量以上にならない場合>
ここでは、ユーザが複合機1で2枚の原稿をメモリ送信する場合を例にとって説明する。原稿トレイ42に2枚の原稿がセットされ、ユーザにより操作部11のスタートキーが押されると、まず、原稿を読み取る処理が開始される。具体的には、ADF40の駆動により、原稿トレイ42上にセットされた一枚目の原稿が、表面を上に向けた状態で搬送路43に送りだされる(S10)。
【0066】
その後、送り出された原稿(ここでは、1ページ目の原稿)の先端が読取位置Pに達すると、CIS30による原稿の読み取りが行われる。具体的には、第2プラテンガラス53上の読取位置Pを通過する原稿を、イメージセンサ33が1ライン読み取る。イメージセンサ33が読み取った画像データは、その後A/D変換器65にてデジタル信号に変換される。そして、画像処理回路83はA/D変換器65から画像データを読み出して、ガンマ補正やシェーディング補正を行う(S20、S30)。
【0067】
その後、メモリコントローラ81はRAM63にアクセスして、RAM63の使用量が限界量以上か判定する(S40)。尚、このS40の判定は、実施形態1と同様に、メモリカウンタ63Aのカウント値を閾値「CX」と比較することにより行う。
【0068】
RAM63の使用量が限界量以上でない場合、メモリコントローラ81は、S30で補正した画像データを画像処理回路83から読み出してRAM63へ格納する(S50)。これにて、1ライン目の画像データがRAM63に格納されることになる。
【0069】
その後、全ラインの読み取りが完了するまでは、S60の判定処理でNO判定され、S10〜S50までの処理が順に実行される。そのため、CIS30により原稿の読み取り、A/D変換器65によるデータ変換、CPU60Bによる画像データの補正処理がライン単位で実行され、その後、各ラインの画像データはRAM63へ格納される。
【0070】
画像処理回路83は、S10〜S50の処理が繰り返される間、CIS30から読み出した画像データの濃度を検出し、基準濃度を超える画素数を検出する。そして、画像処理回路83は、全ラインの読み取りが完了した時点で、画像データが白紙データかページ単位で判定する。すなわち、基準濃度を超える画素数を第一閾値と比較し、その大小関係により、そのページが白紙データか判定する。
【0071】
一方、メモリエラー回避シーケンスは、全ラインの読み取りが完了すると、S60にてYES判定され、処理はS65に移行する。S65では、画像処理回路83から白紙判定結果を読み出してRAM63に対して書き込む処理がCPU60Bにより実行される。
【0072】
具体的には、S65の処理は、図7に示すS151〜S153と処理から構成されていて、画像処理回路83から白紙判定結果を読み出す処理がまず実行され、その後、読み出した白紙判定結果に応じて、メタ情報部に白紙ページ情報が書き込まれる。
【0073】
図8を参照して詳しく説明すると、RAM63には、画像データを記憶させる領域と、メタ情報を書き込むためのメタ情報部とが設けられている。メタ情報は画像データの要約情報であり、各画像データについてページ番号、開始アドレス、サイズ、白紙情報、前ページのメタ情報アドレス、次ページのメタ情報アドレスを含む。
【0074】
この例では、画像処理回路83から白紙判定結果が「白紙でない」場合には、「白紙ページ情報」として「00」が書き込まれることになる。一方、読み出した白紙判定結果が「白紙データ」の場合には、「白紙ページ情報」として「01」が書き込まれることになる。尚、白紙ページ情報が本発明の「白紙判定処理情報」に対応する。また、RAM63が、メタ情報として白紙ページ情報を記憶することにより、本発明の「前記記憶部は、前記白紙判定処理の結果である白紙判定処理情報を、判定対象の白紙データと対応させて記憶し」が実現されている。
【0075】
図6に戻って説明を続けると、S65に続く、S70では、実施形態1と同様に、CPU60Bにて次ページがあるか判定される。ここではメモリ送信する2枚の原稿のうち1ページ目しか読み取りを完了しておらず、原稿トレイ42には2ページ目の原稿が残されている。そのため、S70では、CPU60BにてYES判定される。
【0076】
S70でYES判定された場合には、ADF40の駆動により、原稿トレイ42上にセットされた2ページ目の原稿が、表面を上に向けた状態で搬送路43に送りだされる。
【0077】
その後、2ページ目の原稿について全ラインの読み取りが完了するまでは、1ページ目と同様にS10〜S50までの処理が順に実行され、CIS30による原稿の読み取り、A/D変換器65によるデータ変換、画像処理回路83による補正処理、メモリコントローラ81による画像データのRAM63へ格納が、ライン単位で実行されることになる。
【0078】
そして、画像処理回路83は、S10〜S50の処理が繰り返される間、CIS30から読み出した画像データの濃度を検出し、基準濃度を超える画素数を検出する。そして、画像処理回路83は、2ページ目について、全ラインの読み取りが完了した時点で、2ページ目の画像データが白紙データか判定する。
【0079】
一方、メモリエラー回避シーケンスは、全ラインの読み取りが完了すると、S60にてYES判定され、処理はS65に移行する。そして、S65では、白紙判定結果をRAM63に対して書き込む処理がCPU60Bにて実行される。
【0080】
すなわち、画像処理回路83から白紙判定結果をまず読み出し、読み出した白紙判定結果が「白紙でない」場合、RAM63のメタ情報部に、白紙ページ情報として「00」の情報を書き込む。一方、読み出した白紙判定結果が「白紙データ」の場合には、「白紙ページ情報」として「01」を書き込む。
【0081】
S65の処理が終了すると、次にS70にて、次ページがあるか判定される。この段階では、メモリ送信する全2枚の原稿の読み取りを完了しており、原稿トレイ42に残された原稿は無いことから、S70でNO判定され、処理はS90に移行する。
【0082】
S90では、CPU60Bにより、白紙データを削除する処理が行われる。具体的には、RAM63のメタ情報部から各画像データについて白紙ページ情報を読み取り、白紙ページ情報として「01」の情報が登録されている画像データを削除する。
【0083】
その後、処理はS110に移行して出力処理が実行される。これにより、RAM63に記憶された画像データ(ただし、S90で削除された画像データを除く)をメモリ送信する処理が実行される。かくして、一連の処理は終了する。
【0084】
<RAM63の使用量が限界量以上になる場合>
尚、ここでは5枚の原稿をメモリ送信するものとする。そして、5枚のうち4ページ目までは、RAM63の使用量が限界量以上になることなく原稿の読み取りとRAM63に対するメタ情報の書き込みは完了し、5ページ目の原稿を読み取る途中でRAM63の使用量が限界量以上になり、S40でYES判定されたのとする。
【0085】
S40でYES判定された場合、CPU60Bにて図9に示すS171〜S183の処理が実行され、着目ページを1ページ目から順に更新しながら白紙ページ情報を判定する処理が行われることになる。すなわち、まずS171では、メタ情報部の着目ページが1ページ目に設定される。続く、S173では、着目ページである1ページ目の白紙ページ情報が「01」か、判定される。
【0086】
例えば、着目ページである1ページ目の白紙ページ情報が「00」、すなわち白紙でない場合、S173でNO判定され、処理はS175に移行する。S175では次ページがあれば、NO判定されることから、次にS177に移行して着目ページを次ページに設定する処理が実行される。このように、着目ページの白紙ページ情報が「01」でない場合には、着目ページが1ページから順に更新されることになる。
【0087】
着目ページが更新されると、その後処理はS173に戻り、更新された着目ページの白紙ページ情報が「01」か、判定される。そして、更新されたページの白紙ページ情報が「01」であれば、S173にてYES判定され、処理はS181へ移行する。ここでは、2ページ目の白紙情報が「01」であるものとする。
【0088】
S181では、白紙ページ情報が「01」である画像データを開放、すなわち削除する処理がCPU60Bにて実行されることになる。従って、S181では、2ページ目の画像データが開放される。具体的には、2ページ目のメタ情報を全削除することにより、画像データを開放する。続く、S183では、ページのつなぎ処理が実行される。尚、CPU60Bにて実行されるS171、S173、S175、S177、S181の処理、すなわち白紙ページ情報が「01」であるページを検索してそのページの画像データを削除する処理により、本発明の「前記削除部は、前記白紙判定処理情報に基づいて、白紙データを削除する」が実現されている。
【0089】
このように、S181にて、画像データを開放して削除することにより、RAM63の使用量は下がり、限界量を下回る状態に戻る。その後、処理は、図6のS50に戻ることから、読み取り途中の画像データ、すなわち5ページ目の画像データをRAM63に記憶させる処理が行われることになる。
【0090】
その後の処理は、2枚の原稿をメモリ送信する場合を例にとって説明した場合と同様に処理が進められる。すなわち、全5ページの読み取りが完了するとS70にてNO判定されて、処理はS90に移行する。
【0091】
S90では、CPU60Bにより、白紙データを削除する処理が行われる。具体的には、RAM63のメタ情報部から各画像データについて白紙ページ情報を読み取り、白紙ページ情報として「01」の情報が登録されている画像データはメタ情報を開放して削除する。
【0092】
その後、処理はS110に移行して出力処理が実行される。S110では、全5枚の画像データのうち、削除されなかった画像データをメモリ送信する処理が実行される。従って、2枚目以外に削除されたデータがない場合には、全5枚のうち、残り4枚の原稿、すなわち1ページ目、3ページ目、4ページ目、5ページ目の原稿がメモリ送信されることとなる。かくして、一連の処理は終了する。
【0093】
尚、RAM63の使用量が限界量になるまでに読み取った全4ページ中に白紙データが含まれていない場合は、S173にて、4ページ目の白紙ページ情報を判定した後、S175では、次のページが無く、「次ページは現在読み取り中」の状態となるので、YES判定されることになる。そして、S175でYES判定されると、処理はそこで終了する。従って、この場合、読み取り済みの画像データ、すなわち1ページ目〜4ページ目までの画像データは、メモリ送信されないことになる。また、この場合、複合機1は読み取り済みの画像データを削除したり、ユーザに報知したりするなどのエラー対応を実行する。
【0094】
以上説明したように、画像読取中にRAM63の使用量が一時的に限界量を超えても、白紙データの削除により、使用量を限界量以下に下げられる。そのため、CIS30による原稿の読取処理を継続することが可能となり、読取処理のスループットが低下することを抑制できる。
【0095】
また、本構成では、1ページごと白紙判定処理を行って、白紙ページ情報をRAM63のメタ情報部に記憶している。そのため、RAM63にアクセスして白紙ページ情報をチェックすることで白紙ページを特定することが可能であり、RAM63の使用量を下げるにあたり、RAM63に記憶された各画像データの白紙判定を行う必要がない。そのため、RAM63の使用量を下げる処理を短時間で行うことが可能となることから、読取処理のスループットが低下することを抑制できる。
【0096】
<実施形態3>
次に、本発明の実施形態3を図10によって説明する。実施形態2では、RAM63の使用量が限界量以上になる場合、S171〜S183の処理を実行して白紙データを開放して削除することでRAM63の使用量を下げるようにした。
【0097】
実施形態3は、RAM63の使用量が限界量以上になる場合に、白紙データを開放して削除することでRAM63の使用量を下げる点は共通している。相違点は、実施形態2が白紙データを1ページだけ削除するのに対して、実施形態3はRAM63に記憶された白紙データを全て削除する点にある。
【0098】
尚、具体的な処理の違いとしては、上記変更に伴って、図10に示すようにS183の処理後、S175に移行する点と、S185の処理を新たに設けている点が相違している。
【0099】
このように、実施形態3では、RAM63の使用量が限界量以上になる場合、RAM63に記憶された白紙データを全て削除するので、白紙データを1ページ分だけ削除する場合に比べて、RAM63の使用量について限界量に対する余裕ができる。そのため、それ以降の読み取り中に、RAM63の使用量が限界量を超える可能性が少なくなるので、読取処理のスループットが低下することを抑制できる。
【0100】
<実施形態4>
次に、本発明の実施形態4を図11〜図12によって説明する。実施形態2では、白紙ページ情報を、白紙でない「00」と、白紙データ「01」の2パターンの情報から構成した。
【0101】
実施形態4は、白紙ページ情報のパターンを2パターンから3パターンに拡張した点が、実施形態2と相違しており、実施形態4では、白紙ページ情報を、白紙でない「00」と、定型画像を含まない白紙データ「01」と、定型画像を含む白紙データ「02」から構成している。
【0102】
ここで、定型画像とは、原稿縁部にあたる上部や下部(図11中に点線枠で示す)に、年月日やファイル名など定型的に用いられる画像を意味する。そして、定型画像を含む白紙データとは、定型画像だけを含み、それ以外の画像は含まない画像データを意味する。また、定型画像を含まない白紙データは、定型画像を含めて画像が全く含まない画像データを意味する。
【0103】
尚、CIS30で読み取った画像データを、これら3パターンに分類するには、まず、原稿のうち上下を除く中央領域(図11の斜線で示す領域)を対象として、基準濃度を超える画素数を求めて、それを白紙判定の閾値として設定された第一閾値と比較する。これにより判定対象の画像データが白紙データか、非白紙か判定できる。
【0104】
そして、次に白紙データを対象として、今度は上部又は下部に定型画像が印字されているかどうかを、光学文字認識(OCR)の技術や画素の濃度から判別することにより、そのデータが定型画像を含む白紙データか、定型画像を含まない白紙データか再分類できる。
【0105】
尚、これら白紙データ情報の判定(分類)は、実施形態2と同様に画像処理回路83が実行し、その結果をCPU60BがRAM63のメタ情報部に白紙ページ情報として書き込むようになっている(図7のS151とS153)。
【0106】
そして、実施形態4は、実施形態2のメモリエラー回避シーケンス(図6、図7、図9)に対してS40でYES判定された後の処理が相違していて、RAM63の使用量が限界量以上になる場合に、白紙データのうち、定型画像を含まない白紙データを優先的に削除し、定型画像を含まない白紙データが存在しない場合に、定型画像を含む白紙データを削除する。
【0107】
具体的に説明すると、実施形態4では、図6のS40でYES判定された場合、図12に示すS201に移行し、CPU60Bにより、「target」が「01」に設定される。続く、S203では、CPU60Bにより、着目ページが「1ページ目」に設定される。続く、S205では、着目ページについて、白紙ページ情報が「target」か判定される。ここでは、着目ページは1ページであり、「target」が「01」であることから、1ページ目の白紙データ情報が「01」、すなわち定型画像を含まない白紙データかどうか、CPU60Bにより判定されることになる。
【0108】
ここで、1ページ目の白紙データ情報が「01」でない場合には、S207の判定処理後、S210に移行して着目ページを次ページに更新する処理がCPU60Bにて実行される。その後、処理はS205に戻り、更新された着目ページについて白紙ページ情報が「target」、すなわち「01」か判定される。このような処理が繰り返されることで、着目ページを更新しながら、そのページの白紙ページ情報が「target」、すなわち「01」か判定される。
【0109】
そして、白紙データ情報が「01」である着目ページが現れれば、S205でYES判定されることから、その後、処理はS213に移行して画像データを開放する処理がCPU60Bにより実行され、続くS215ではページのつなぎ処理が、CPU60Bにより実行される。そして、ページのつなぎ処理が完了すると、処理は図6のS50に戻ることになる。これらS213、S215の処理は、図9のS181、S183と同じ処理である。
【0110】
一方、白紙データ情報が「01」である着目ページが無ければ、最後のページについてS205の判定処理が行われた後、S207、S209ではいずれもYES判定されることから、S211にて、CPU60Bにより「target」が「02」に設定される。
【0111】
その後、処理はS203に戻ることから、今度は、着目ページを更新しながら、そのページの白紙ページ情報が「02」か、すなわち定型画像を含む画像データか判定される。そして、白紙データ情報が「02」である着目ページが現れれば、S205でYES判定されることから、その後、処理はS213に移行して画像データを開放する処理が実行され、続くS215ではページのつなぎ処理が実行される。そして、ページのつなぎ処理が完了すると、処理は図6のS50に戻ることになる。
【0112】
一方、白紙データ情報が「02」である着目ページが無ければ、最後のページについてS205の判定処理が行われた後、S207でYES判定、S209でN0判定されることから、その時点で処理は終了する。
【0113】
このように、実施形態4では、RAM63の使用量が限界量以上になる場合に、白紙データのうち、定型画像を含まない白紙データを優先的に削除するようにしている。従って、読取処理のスループットが低下することを抑制しつつも、定型画像を含む白紙データを極力削除せず、残しておくことが可能となる。尚、実施形態4において、CPU60Bが実行するS201〜211の処理、すなわち削除対象となる画像データの白紙ページ情報を、まず「01」に設定し、該当するページがない場合には、「02」に再設定する処理により、本発明の「決定部」の機能が実現されている。
【0114】
<実施形態5>
次に、本発明の実施形態5を図13〜図15によって説明する。実施形態2では、白紙ページ情報を、白紙でない「00」と、白紙データ「01」の2パターンの情報から構成した。
【0115】
実施形態5は、白紙ページ情報のパターンを2パターンから3パターンに拡張した点が、実施形態2と相違しており、実施形態5では、白紙ページ情報を、白紙でない「00」と、白紙データ「01」と、白紙でなく、これより前のページにも白紙なし「03」の3パターンとしている。
【0116】
ここで、具体例を挙げると、例えば、図13に示すように全5ページの原稿を読み取った場合に、4ページ目のみ白紙で、それ以外が全て白紙でない場合には、1ページ目から3ページまでが、「白紙でなく、これより前のページにも白紙なし」となり、白紙ページ情報は「03」になる。そして、4ページ目は白紙データであるから、白紙ページ情報は「01」になる。また、5ページ目は白紙でないから、白紙ページ情報は「00」になる。
【0117】
このように、白紙ページ情報として、「白紙でなく、これより前のページにも白紙なし」の情報を追加しておけば、RAM63から白紙データをサーチする際の手間が、幾らか省けるというメリットがある。
【0118】
というのも、着目ページの更新順を、RAM63に対する記憶の若い順に定めておけば、図13の例では、5ページ〜3ページの白紙ページ情報から白紙データの有無をサーチすればよく、少なくとも、1ページ目と2ページ目については、サーチの対象から除外することが可能となるからである。
【0119】
そして、実施形態5は実施形態2のメモリエラー回避シーケンス(図6、図7、図9)に対してS65の処理と、S40でYES判定された後の処理が相違しており、以下、実施形態2に対して処理が異なる箇所について説明を行う。
【0120】
図14は、図6のS65の詳細を説明したものであり、S251からS265の処理をCPU60Bが実行することで、画像処理回路83の白紙判定結果から上記した「00」、「01」、「03」の3パターンの情報を、RAM63のメタ情報部に書き込むことができる。
【0121】
具体的に説明すると、S251では、画像処理回路83の白紙判定結果を読み込み、それが白紙データであれば、処理はS255に移行する。S255では、そのページについて、メタ情報部の白紙ページ情報が「01」に設定される。
【0122】
一方、白紙でない場合、処理はS253に移行する。S253では、画像データのメタ情報部の白紙ページ情報が「00」に設定される。その後、処理はS261に移行する。S261では、一番先頭のページかどうか判定される。一番先頭のページであれば、S261ではYES判定され、その後、処理はS265に移行する。S265では、そのページについて、メタ情報部の白紙ページ情報が「03」に設定される。すなわち、そのページの白紙ページ情報が、S253にて設定した「00」から「03」に再設定される。
【0123】
一方、一番先頭のページでない場合、S261ではNO判定され、その後、処理はS263に移行する。S263では、前ページのメタ情報部の白紙ページ情報は「03」か判定される。「03」であれば、S265に移行して先の処理を行い、「03」でない場合は、処理は終了することになる。
【0124】
図15は、図6のS40でYES判定された場合、すなわちRAM63の使用量が限界量以上になる場合に、CPU60Bにて実行される処理である。まず、S301では、CPU60Bにより着目ページが「最終ページ」に設定される。続く、S303では、着目ページについて、白紙ページ情報を判定する処理がCPU60Bにより行われる。
【0125】
白紙ページ情報が「01」の場合、その後、処理はS313に移行して画像データを開放する処理が実行され、続くS315ではページのつなぎ処理が実行される。そして、ページのつなぎ処理が完了すると、処理は図6のS50に戻ることになる。これらS315、S315の処理は、図9のS181、S183と同じ処理である。
【0126】
次に、白紙データ情報が「03」である場合、その時点で処理は終了する。
【0127】
そして、白紙データ情報が「00」である場合、その後、S305にて判定処理を行い、次にS307にて着目ページを更新、すなわち最終ページの前ページに更新する処理が実行される。その後、処理はS303に戻ることになる。尚、実施形態5の白紙データ情報「03」が本発明の「フラグ」に対応する。また、CPU60Bにより実行されるS251、S253、S261、S265の処理により、本発明の「フラグ付与部」の機能が実現されている。
【0128】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0129】
(1)上記実施形態1〜実施形態5では、RAM63の使用量が限界量以上になる場合に、RAM63から白紙データを削除するようにしたが、限界量に一定の幅を持たせて使用量が限界量の設定範囲に含まれる状態になった段階(すなわち、限界レベルに近いニアフル状態)で、白紙データを削除することも可能である。
【0130】
(2)上記実施形態4では、白紙データについて、定型画像を含まない白紙データと、定型画像を含む白紙データの2パターンを設けて、定型画像を含まない白紙データを優先的に削除する例を示した。削除の優先度は、実施形態4にて開示した方法に限られるものではなく、より白紙に近いかどうかに基づいて、削除の優先度を決定してやればよい。
【0131】
例えば、白紙判定の閾値として設定された第一閾値に加えて、第一閾値以下の第二閾値を設定し、白紙データのうち、所定濃度以上の画素数が第二閾値を下回っている白紙データについて削除の優先度を高くするようにCPU60Bにて決定すればよい。
【符号の説明】
【0132】
1…複合機(本発明の「画像読取装置」一例)
5…画像読取ユニット
30…CIS(本発明の「読取部」の一例)
40…ADF(本発明の「搬送部」の一例)
43…搬送路
60A…CPU(本発明の「制御部」、「白紙判定部」、「削除部」の一例)
60B…CPU(本発明の「制御部」、「削除部」、「決定部」、「フラグ付与部」の一例)
61…ROM
63…RAM(本発明の「記憶部」の一例)
65…A/D変換器
71…出力装置
81…ダイレクトメモリコントローラ
83…画像処理回路(本発明の「白紙判定部」の一例)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像を読み取る読取部と、
前記読取部の読み取った読取データを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された読取データから白紙データを判定する白紙判定処理を実行する白紙判定部と、
前記記憶部の使用量が限界量以上になる場合に、前記白紙判定部にて判定された白紙データを前記記憶部から削除する削除部と、
前記白紙データの削除後、画像の読み取りを継続するように前記読取部を制御する制御部と、を備えた画像読取装置。
【請求項2】
原稿を搬送する搬送部を備え、
前記読取部は、前記搬送部により搬送される原稿の画像を読み取る請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記制御部は前記読取部を制御する第一機能部と、前記白紙データを判定する白紙判定部として機能する第二機能部とを備え、前記記憶部の使用量が前記限界量を超えた場合に、前記白紙データを判定する処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記制御部と前記白紙判定部は互いに独立して動作する異なるディバイスであり、
前記白紙判定部は、前記読取部にて原稿1ページ分の画像が読み取られる度に、前記白紙判定処理を行い、
前記記憶部は、前記白紙判定処理の結果である白紙判定処理情報を、判定対象の白紙データと対応させて記憶し、
前記削除部は、前記白紙判定処理情報に基づいて、白紙データを削除する請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項5】
白紙データについて、より白紙に近いかどうかに基づいて、削除の優先度を決定する決定部と、
前記削除部は、前記記憶部の使用量が限界量以上になった場合に、前記白紙データのうち、優先度の高い白紙データを優先して削除する請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記決定部は、白紙データのうち、原稿縁部に定型画像が形成された白紙データは、削除の優先度を低くする請求項5に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記白紙判定部は、所定濃度以上の画素数が第一閾値以下である読取データを白紙データと判断し、
前記決定部は、前記白紙データのうち、所定濃度以上の画素数が、前記第一閾値以下の第二閾値を下回っている場合、削除の優先度を高くする請求項5に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記記憶部に記憶される読取データが非白紙であり、かつ前ページの読取データが非白紙データである場合に、記憶する非白紙の読取データに対してフラグを付与するフラグ付与部を備える請求項2ないし請求項7に記載の画像読取装置。
【請求項1】
原稿の画像を読み取る読取部と、
前記読取部の読み取った読取データを記憶する記憶部と、
前記記憶部に記憶された読取データから白紙データを判定する白紙判定処理を実行する白紙判定部と、
前記記憶部の使用量が限界量以上になる場合に、前記白紙判定部にて判定された白紙データを前記記憶部から削除する削除部と、
前記白紙データの削除後、画像の読み取りを継続するように前記読取部を制御する制御部と、を備えた画像読取装置。
【請求項2】
原稿を搬送する搬送部を備え、
前記読取部は、前記搬送部により搬送される原稿の画像を読み取る請求項1に記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記制御部は前記読取部を制御する第一機能部と、前記白紙データを判定する白紙判定部として機能する第二機能部とを備え、前記記憶部の使用量が前記限界量を超えた場合に、前記白紙データを判定する処理を実行することを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記制御部と前記白紙判定部は互いに独立して動作する異なるディバイスであり、
前記白紙判定部は、前記読取部にて原稿1ページ分の画像が読み取られる度に、前記白紙判定処理を行い、
前記記憶部は、前記白紙判定処理の結果である白紙判定処理情報を、判定対象の白紙データと対応させて記憶し、
前記削除部は、前記白紙判定処理情報に基づいて、白紙データを削除する請求項2に記載の画像読取装置。
【請求項5】
白紙データについて、より白紙に近いかどうかに基づいて、削除の優先度を決定する決定部と、
前記削除部は、前記記憶部の使用量が限界量以上になった場合に、前記白紙データのうち、優先度の高い白紙データを優先して削除する請求項4に記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記決定部は、白紙データのうち、原稿縁部に定型画像が形成された白紙データは、削除の優先度を低くする請求項5に記載の画像読取装置。
【請求項7】
前記白紙判定部は、所定濃度以上の画素数が第一閾値以下である読取データを白紙データと判断し、
前記決定部は、前記白紙データのうち、所定濃度以上の画素数が、前記第一閾値以下の第二閾値を下回っている場合、削除の優先度を高くする請求項5に記載の画像読取装置。
【請求項8】
前記記憶部に記憶される読取データが非白紙であり、かつ前ページの読取データが非白紙データである場合に、記憶する非白紙の読取データに対してフラグを付与するフラグ付与部を備える請求項2ないし請求項7に記載の画像読取装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2012−209714(P2012−209714A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−73214(P2011−73214)
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月29日(2011.3.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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