説明

画像読取装置

【課題】撮影対象のサイズに合わせて、撮影部と撮影対象との距離の調整、ならびに、光源部と撮影対象との距離の調整を同時に行うことができ、さらに、照明により白飛現象が発生しにくい画像読取装置を提供すること。
【解決手段】この画像読取装置は、撮影を行う撮影部(1a)と、撮影部を撮影面20に対向させた向きで支持するとともに、撮影部1aと撮影面20との距離を変化させる方向に伸縮可能なアーム2と、アーム2に設けられて撮影面20を斜め方向から照らすとともに、アーム2の伸縮に伴って移動する光源部5と、を具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像を取り込む画像読取装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、CCDやCMOS等で構成されたエリアセンサを備える撮影部を原稿の上方に配置して原稿の画像を取り込む画像読取装置が開発されている(例えば特許文献1)。特許文献1の画像読取装置は、装置を支える脚部に原稿の2辺を突き当てて原稿の位置決めを行い、アーム部によって撮影部が原稿の上方位置に固定される。
【0003】
書籍の紙面等の静止画を取り込む場合、紙面の全体を適宜な照明により照らした状態で撮影が行われると好ましい。
【0004】
一方、紙面に対して撮影部と同一の方向から照明を当てて撮影を行った場合、紙面で直接的に反射された光が撮影部に入射して白飛現象が発生しやすくなることが一般に知られている。白飛現象とは、強い入射光によって撮影部の撮像素子の出力が飽和し、その部分の画像が白く不鮮明になってしまう現象である。
【0005】
また、撮影対象のサイズが大小変化する場合、撮影部と撮影対象との距離を変化させて、撮影画像中に写る撮影対象の大きさを調整することが一般に行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−200291号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
撮影対象のサイズの変更に伴って撮影対象と撮影部との距離を調整する際、照明が撮影対象の全体にいきわたるように、撮影対象と光源部との距離も同時に調整できると便利である。しかしながら、従来、このように両者を同時に調整することのできる画像読取装置は無かった。
【0008】
また、撮影部に光源部を設けることで、上記両者を同時に調整することができると考えられる。しかしながら、この構成では上述のように白飛現象が発生しやすくなるという課題が生じる。
【0009】
本発明の目的は、撮影対象(例えば書籍など)のサイズに合わせて、撮影部と撮影対象との距離の調整、ならびに、光源部と撮影対象との距離の調整を同時に行うことができ、さらに、照明により白飛現象が発生しにくい画像読取装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係る画像読取装置は、撮影を行う撮影部と、前記撮影部を撮影面に対向させた向きで支持するとともに、前記撮影部と前記撮影面との距離を変化させる方向に伸縮可能なアームと、前記アームに設けられて前記撮影面を斜め方向から照らすとともに、前記アームの伸縮に伴って移動する光源部と、を具備する構成を採る。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、アームを伸縮させて撮影部を移動させることで、撮影部に伴って光源部も移動する。従って、撮影対象と撮影部との距離の調整、ならびに、光源部と撮影対象との距離の調整を同時に行うことができる。また、光源部はアームに設けられて撮影面を斜めに照らすので、白飛現象も発生しにくくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1の画像読取装置を示す斜視図
【図2】本発明の実施の形態1の画像読取装置の撮影時の状態の一例を示す平面図
【図3】本発明の実施の形態1の画像読取装置の作用を説明する説明図
【図4】本発明の実施の形態2の画像読取装置の作用を説明する説明図
【図5】本発明の実施の形態1の画像読取装置においてアームの伸縮に伴って光源部を移動させた場合の光の照射範囲の概略を示す説明図
【図6】本発明の実施の形態3に係る画像読取装置の光源部の構成を詳細に示す説明図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の各実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1の画像読取装置を示す斜視図である。
【0015】
この実施の形態1の画像読取装置は、映像を取り込む撮影部1と、撮影部1を支えるアーム2と、アーム2を支持する土台部4と、土台部4から二方向にそれぞれ伸びて装置を支える2つの脚部3,3と、撮影範囲を照らす光源部5と、から主に構成される。
【0016】
撮影部1は、電気的に映像を取り込むカメラ1a(図3参照)を備えている。カメラ1aは、カメラレンズと、カメラレンズにより結像された映像を電気信号に変換して取り込むイメージセンサとを備えている。イメージセンサは、例えばCCD(charge-coupled device)、またはCMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)などの二次元(エリア)センサである。撮影部1は、カメラ1aが下方(脚部3,3に沿った面に対向する方向)を向いた角度で固定的に支持される。
【0017】
なお、撮影部1は、不使用時において、上アーム2aに設けられたヒンジ部を中心に回動して上アーム2aに収納可能にされるが、使用時には、図1〜図3に示すように、上アーム2aに対して所定の角度で固定される。
【0018】
アーム2は、土台部4に支持される下アーム2bと、撮影部1を支持する上アーム2aとから構成される。下アーム2bは、土台部4により所定の角度で固定的に支持される。アーム2には、アーム2の長さを伸縮可能とする伸縮機構が設けられている。伸縮機構は、具体的にはスライド機構であり、例えば上アーム2aの長手方向に設けられた凸部が下アーム2bの長手方向に設けられた凹状のガイド溝(いずれも図示せず)に支持されてアーム2の長手方向にスライド可能にされている。上アーム2aは、一定以上の力を加えることで下アーム2bに対してスライド移動するが、力が加えられなければそのスライド位置が維持される。
【0019】
アーム2のスライド機構には、所定のスライド位置で上アーム2aと下アーム2bとが係止されるストッパーが設けられている。両者が係止されるスライド位置には、複数の位置が設定されている。この構成により、ユーザは、アーム2を規定の複数の長さに段階的に容易に合わせることができる。これらの複数の長さは、撮影対象の書籍が、例えばA4サイズおよびB5サイズなど、規定のサイズである場合に対応して、撮影部1をこれら規定の書籍サイズに合った高さへ移動できる長さに設定されている。
【0020】
なお、アーム2は、不使用時において、土台部4に設けられたヒンジ部を中心に回動して、脚部3,3と平行になる位置まで折り畳み可能にされるが、使用時には、所定の角度で土台部4に固定的に支持される。アーム2が支持される角度は、例えば、画像読込装置を水平面に置いたときに、アーム2の長手方向が鉛直線に対して斜めになる角度(例えば鉛直線を基準に30°〜60°、好ましくは40°〜50°など)に設定されている。
【0021】
光源部5は、上アーム2aの一方の面(原稿載置面20(図3参照)へ向いた面)に設けられている。光源部5は、複数の発光素子(例えばLED:発光ダイオード)5aを有し、これら複数の発光素子5aがアーム2の長手方向に沿って並んで設けられている。光源部5は、アーム2の伸縮時に上アーム2aに伴って位置を上下に変化させる。
【0022】
脚部3,3は、各々が一方向に長い形状であり、各々の一端が土台部4に接続されている。脚部3,3は、画像読込装置が水平面に置かれた場合に、この水平面上で二方向へ伸びて画像読込装置を支える。脚部3,3の上面は平面状にされ、その土台部4に近い箇所には、撮影対象の書籍の一端が合わせられる目印(位置決めマーク)7,7が設けられている。
【0023】
なお、脚部3,3は、不使用時において、土台部4に設けられた支軸を中心に回動して互いに閉じた状態(脚部3,3が互いに平行になるように)に畳むことができるが、使用時には、所定の角度(例えば60°〜120°、好ましくは80°〜100°など)に開かれる。
【0024】
土台部4は、画像読込装置の土台となるものであり、上述のようにアーム2を支持するとともに、上述のように2つの脚部3,3が接続される。また、土台部4の内側中央の端部(脚部3,3に挟まれた真ん中の部分)は、撮影対象の書籍の一端が当接されて位置決めされるストッパー8として機能する。
【0025】
図2は、本発明の実施の形態1の画像読取装置の撮影時の状態の一例を示す平面図である。
【0026】
上記構成の画像読取装置においては、図2に示すように、撮影対象の書籍30が脚部3,3に一部をかぶせた状態で載置される。図示するように書籍30はストッパー8の円弧部分に突き当てられて位置決めされるが、目印マーク7,7は、その延長線がストッパー8の円弧部分と接するような位置関係となっていることか望ましい。書籍30と撮影部1との位置合わせについては後述する。このとき、光源部5の照明が書籍の紙面に斜め方向から照射される。そして、この状態で、撮影部1が動作することで、書籍の紙面の静止画が取り込まれる。ユーザが書籍のページをめくりながら、この静止画の取り込みを繰り返すことで、書籍の複数ページの紙面の静止画が順次取り込まれていく。これらの静止画は、コンピュータに送られて画像処理により書籍30の縁部が直線状に補正された平面状かつ矩形の画像に変換される。
【0027】
図3は、本発明の実施の形態1の画像読取装置の作用を説明する説明図である。
【0028】
図3Aは、アーム2を縮めた状態、図3Bは、アーム2を伸ばした状態である。図3において、画像読取装置の載置面をX−Y平面(水平面)とし、画像読取装置の正面に伸びる方向(アーム2の長手方向の水平方向成分)をX方向とし、画像読取装置の高さ方向をZ方向とする。なお、図3は説明を簡単にするため、脚部3,3等のZ方向の厚み等を省略して描かれている。
【0029】
この画像読取装置は、図3に示すように、脚部3,3が載置される面が撮影対象の書籍が置かれる原稿載置面20となり、カメラ1aの撮影方向(カメラレンズの光軸方向)が略鉛直下方に設定される。
【0030】
また、カメラ1aの画角(図3中に一点鎖線で示す)のうち、アーム2側の境界線fは、アーム2の伸縮方向(この実施の形態ではアーム2の長手方向と同一)とほぼ平行に設定される。境界線fは、カメラ1aの画角内と画角外との境界を表わしている。
【0031】
さらに、アーム2の先端からカメラ1aまでのオフセットL(図3Aの線分PC1−B1と図3Bの線分PC2−B2)は、アーム2の支持部4aから原稿載置面20の一端の位置P0までのオフセット(図3A,Bの線分P0−C)とほぼ同一に設定される。言い換えれば、アーム2の伸縮経路に沿った直線からカメラ1aのカメラレンズの中心までのオフセットLと、上記直線から原稿載置面20の一端の位置P0までのオフセットとがほぼ同一にされる。ここで、オフセットとは、変位量および変位方向を表わしている。また、位置P0は、書籍の端部がストッパー8に当接する位置、或いは、目印7により位置合わせされる書籍の一辺と支持部4aからX方向に伸びる直線との交点の位置である。
【0032】
この実施の形態1の画像読取装置によれば、図3Aに示すように、アーム2を縮めると、カメラ1aから原稿載置面20までの距離は短くなり、それゆえ、カメラ1aの読取範囲W1が小さくなる。一方、図3Bに示すように、アーム2を伸ばすと、カメラ1aから原稿載置面20までの距離は長くなり、それゆえ、カメラ1aの読取範囲W2が大きくなる。図3Aと図3Bとでは、カメラ1aの高さA1,A2は距離Dzだけ異なっている。さらに、これら両方の場合において、カメラ1aの読取範囲W1,W2の一端は位置P0に固定され、他端の位置PE1,PE2が変化している。すなわち、アーム2の伸縮量を変化させても、カメラ1aの画角の一端と原稿載置面20との交点は位置P0に固定される。
【0033】
従って、書籍と撮影部1との位置を調整する場合には、ユーザは、先ず、書籍の一端を位置P0に合わせて書籍を原稿載置面20に置く。続いて、ユーザは、書籍の紙面がカメラ1aの読取範囲に適宜な大きさで収まるように、アーム2の伸縮量を調整する。これらの調整だけで、ユーザは、撮影部1と書籍とを適切な距離および配置に調整することができる。書籍のサイズが異なっても、同様の方法で、ユーザは撮影部1と書籍とを適切な距離および配置に容易に調整することができる。
【0034】
また、図3Aに示すように、アーム2が縮んでいるときには、光源部5は低い位置から原稿載置面20を照らす。一方、図3Bに示すように、アーム2が伸びたときには、光源部5は高い位置から原稿載置面20を照らす。図3Aと図3Bとでは、光源部5の高さは距離Dzだけ異なっている。従って、光源部5は、アーム2を縮めれば、カメラ1aの小さな読取範囲W1を効率的に照らすことができ、アーム2を伸ばせば、照明範囲を広げて大きな読取範囲W2の全体を照らすことができる。
【0035】
さらに、光源部5は、傾斜したアーム2に沿って設けられている。そして、光源部5の照明は、アーム2の伸縮量に関わらずに原稿載置面20に対して斜めに照射される。そのため、照明の直接的な反射光がカメラ1aに入射することが回避され、書籍の紙面で照明が散乱した光がカメラ1aに入射される。それゆえ、主にイメージセンサの出力が飽和することで発生する画像の白とびやスミアが生じることが回避され、カメラ1aは、綺麗で正確な画像を取り込むことができる。また、光源部5が、傾斜したアーム2に設けられ、かつX方向においてアーム2側の境界線fからオフセットLだけ離れていることで、光源部5は必ずカメラ1aの画角の外に配置されることになるため、光源部5の照射光が直接的にカメラ1aのカメラレンズに入射することが回避される。それゆえ、カメラ1aは、綺麗で正確な画像を取り込むことができる。
【0036】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2の画像読取装置の作用を説明する説明図である。
【0037】
実施の形態2の画像読取装置は、装置が載置されるX−Y面を水平面として、脚部3の上面に先端側から根元側(支持部側)へ向かうに従って高くなる傾斜(θs)が設けられている。この傾斜により、撮影対象の書籍を載置した際に上記傾斜に沿って書籍が斜めに保持される。すなわち、原稿載置面20が上記傾斜に沿って斜めに設定される。
【0038】
実施の形態2の画像読取装置は、さらに、原稿載置面20の傾斜(θs)に対応させて、カメラ1aを水平方向から同様の角度θsだけ傾けている。表現を変えれば撮影部1の撮影方向を、脚部3の上面の傾斜に対応して鉛直方向よりアーム2の支持部4aの方へ傾けている。すなわち、カメラ1aの撮影方向(カメラレンズの光軸方向、画角θi+θiの中心方向)が、原稿載置面20とほぼ直交する向きに設定されている。
【0039】
ただし、実施の形態2の画像読取装置においても、実施の形態1と同様に、カメラ1aの画角のうちアーム2側の境界線fは、アーム2の伸縮方向と平行に設定されている。さらに、実施の形態1と同様に、アーム2の先端からカメラ1aまでのオフセットと、アーム2の支持部4aから原稿載置面20の一端の位置P0までのオフセットとが、ほぼ同一にされている(図3A,図3Bを参照)。位置P0は、書籍の端部が当接されるストッパー8の位置、或いは、目印7により位置合わせされる書籍の一辺と支持部4aからX方向に伸びる直線との交点の位置である。
【0040】
この実施の形態2の画像読取装置によれば、実施の形態1と同様に、ユーザは、書籍の一端を位置P0に合わせてアーム2の伸縮量を調整するだけで、撮影部1と書籍とを適切な距離および配置に調整することができる。さらに、この実施の形態2の画像読取装置によれば、原稿載置面20が手前に低く奥に高くなる向きに傾斜しているので、書籍をセットする際および書籍のページをめくる際の作業性が向上し、また、セットされた書籍の視認性が向上する。
【0041】
また、この実施の形態2の画像読取装置によれば、実施の形態1と同様に、アーム2の伸縮によって照明範囲が大小に変化して、カメラ1aの読取範囲W1,W2の大小の変化に対応することができる。また、光源部5の照明は、アーム2の伸縮量に関わらずに原稿載置面20に対して斜めに照射されるので、画像に白飛現象が生じることを防止できる。
【0042】
(実施の形態3)
図5は、本発明の実施の形態1の画像読取装置においてアーム2の伸縮に伴って光源部5を移動させた場合の光の照射範囲の概略を示す説明図であり、図5Aはアーム2を伸ばした状態、図5Bはアーム2を縮めた状態を表している。
【0043】
図5Bに示すアーム2を縮めた状態において、X方向の読取範囲W1は画角との関係で位置P0から位置PE1の間となる。このとき位置PE1における原稿面照度は、カメラ1aの撮影に必要な所望の値を満たすものとする。このとき光源部5の最上部から位置PE1までを結ぶ線分と、水平面とが成す角度をθとする。
【0044】
この状態からアーム2を伸ばすことで読取範囲は拡大し、図5AではX方向の読取範囲W2は位置P0から位置PE2の間となる。このとき、読取範囲W2の最外縁である位置PE2から角度θの線分を付加すると、この線分は光源部5の最上部ではなく光源部5の中間位置(Pz)と交わる。つまり、アーム2を伸ばすのに伴って光源部5も上方に移動するが、光を照射する範囲の観点では、光源部5が必要以上に上方に移動してしまう。このとき、光源部5の最上部から位置Pzの間の部分から照射される光は、水平面における位置PE2から外側に外れた位置PLにも主たる照度分布を持つことになる。すなわち、この部分は、無駄な光を出射する領域(「ロス領域」と称する)だということができる。もちろん、アーム2を伸ばすことで読取範囲の最外縁である位置PE2はより遠方になるため、ロス領域から出射される光も位置PE2の照度増加に寄与することは間違いないが、効率の上では問題がある。
【0045】
図6は、本発明の実施の形態3に係る画像読取装置の光源部5の構成を詳細に示す説明図である。図6において、12は下アーム2bに固定的に取り付けられたガイドアーム、13は光源部5の側部に設けられたガイド溝、14は光源部5と上アーム部2aを回動可能に接続するヒンジ部である。ここで、図6Aはアーム2を縮めた状態を示し、図6Cはアーム2を伸ばした状態を示し、図6Bはアーム2を中間位置にした状態を示す。
【0046】
上記のガイドアーム12、ガイド溝13およびヒンジ部14が、光源部5aの照射角度を変更する角度変更機構の一実施の形態である。
【0047】
図示するように、複数の発光素子5aを備える光源部5は、ヒンジ部14によって回動方向以外は動きを制限され、かつアーム2の伸縮により、固定されたガイドアーム12によってガイド溝13の傾きを変化させる構成とした。この構成から、アーム2を伸ばすと光源部5の光出射面が下を向き、アーム2を縮めると光出射面が上を向くように構成できる。つまり、本構成によれば、アーム2を伸ばすと、複数の発光素子5aが構成する光出射面は原稿載置面20と平行に近くなるように回転し、アーム2を縮めると、この光出射面は原稿載置面20と平行に遠くなるように回転する。これによって、原稿を効率よく照明することが可能となる。
【0048】
以上、本発明の各実施の形態について説明した。
【0049】
なお、上記実施の形態では、光源部5は複数の発光素子5aが並んで構成されると説明したが、光源部5は、例えば、1つの発光素子から構成されても良い。また、この発光素子は、点状または球状の素子であってもよいし、棒状の素子であってもよい。また、光源部5を複数の発光素子から構成する場合には、複数の発光素子のうちアームの伸縮に伴って不要な部分を消灯して必要な部分のみを点灯させる制御が行われてもよい。また、アームの伸縮に伴って発光素子の発光強度を変化させる制御が行われてもよい。
【0050】
また、上記実施の形態では、アームがスライド機構により伸縮する構成としたが、アームは様々な伸縮機構によって伸縮する構成としてもよい。また、アームに二段階のスライド機構を設けて、アームが、固定的に支持される下アームと、下アームに沿ってスライド移動する中アームと、中アームに沿ってスライド移動する上アームとを有する構成としてもよい。この場合、光源部は、中アームに設けて、アームの伸縮に伴う撮影部の移動量よりも光源部の移動量が所定の割合で少なくなる構成としてもよい。
【0051】
また、上記実施の形態では、アームの伸縮方向がカメラ1aの画角の境界線fに沿った方向である構成を例にとって説明したが、カメラ1aと原稿載置面20との距離、ならびに、光源部5と原稿載置面20との距離を変化できれば、アームの伸縮方向はどの方向であってもよい。
【0052】
また、上記実施の形態では、アームの長手方向および/またはアームの伸縮方向を原稿載置面に対して斜め方向とした構成を例にとって説明したが、例えば、アームの長手方向および/またはアームの伸縮方向を鉛直方向としてもよい。この場合、光源部は、アームの側面に光の照射方向を斜め下方に向けて設けられるとよい。このような構成でも、光源部は原稿載置面を斜めに照射するとともに、アームの伸縮に伴って光源部の照明範囲を大小に変化させることができる。
【0053】
また、上記実施の形態では、書籍の紙面を撮影対象とする例をとって説明したが、本発明の画像読取装置は書籍以外の撮影対象にも適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、書籍の紙面を撮影する画像読取装置に適用できる。
【符号の説明】
【0055】
1 撮影部
1a カメラ
2 アーム
3 脚部
4 土台部
4a 支持部
5 光源部
5a 発光素子
7 目印
8 ストッパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影を行う撮影部と、
前記撮影部を撮影面に対向させた向きで支持するとともに、前記撮影部と前記撮影面との距離を変化させる方向に伸縮可能なアームと、
前記アームに設けられて前記撮影面を斜め方向から照らすとともに、前記アームの伸縮に伴って移動する光源部と、
を具備する画像読取装置。
【請求項2】
前記アームは、前記撮影面に対して斜めの向きに支持され、
前記光源部は、前記アームの側面部に設けられている
請求項1記載の画像読取装置。
【請求項3】
前記アームは、
固定アームと前記固定アームに沿ってスライド可能な可動アームとを備え、
前記光源部は、前記可動アームの側面部に設けられている
請求項1記載の画像読取装置。
【請求項4】
前記光源部は、
複数の発光素子を有し、
前記複数の発光素子が前記アームの長手方向に並んで設けられている
請求項1記載の画像読取装置。
【請求項5】
前記アームの伸縮に伴って前記光源部の照射角度を変更する角度変更機構を、
さらに具備する請求項1記載の画像読取装置。
【請求項6】
前記角度変更機構は、
前記アームを伸ばすことで前記光源部の照射角度を前記撮影面の垂直方向へ近づく方へ変更する
請求項5記載の画像読取装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−62783(P2013−62783A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201731(P2011−201731)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【特許番号】特許第4991017号(P4991017)
【特許公報発行日】平成24年8月1日(2012.8.1)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】