説明

画像送信装置

【課題】 送信先に応じた承認者の承認を受けることができる画像送信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 重要度テーブル保持部25内に2以上の重要度が送信先候補及び承認者に対応づけられて保持され、重要度選択部24が、この重要度のいずれかを画像データの重要度として選択する。更に、承認要求送信部28が、画像データの重要度に対応づけられた承認者に対し、承認要求信号を送信する。また、応答受信部29が、承認要求信号に対する応答信号を受信し、画像データ送信部30が、この応答信号に基づいて、選択された送信先へ画像データを送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像送信装置に係り、更に詳しくは、ファクシミリ送信時に承認者の承認を要求する画像送信装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリ送信時に承認者の承認を受けたことを条件としてファクシミリ送信を行う画像送信装置が知られている(例えば、特許文献1)。この画像送信装置が複数のユーザによって使用される場合、承認者の作業負担が大きくなる。このため、特許文献1には、ユーザと承認者とを対応づけて記憶することが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、ファクシミリ送信の送信先と承認者とを対応づけて承認者データベースとして記憶するファクシミリ装置が記載されている。更に、この承認者データベースからユーザにより選択された送信先に対応する承認者を検索し、該当する承認者へファクシミリ送信の承認依頼の電子メールを送信することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−295294号公報
【特許文献2】特開2010−114489号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2に記載されたファクシミリ装置では、各承認者がそれぞれ送信先に対応づけられているため、送信先に応じて適切な承認者を選択することができるが、承認者が変更される度に、送信先ごとに承認者を登録し直す必要がある。特に、同一の承認者に多数の送信先が対応づけられ、これらの送信先の一部を他の承認者に対応づけるように変更する場合、送信先ごとに変更の有無を判断する必要があるため、変更作業が煩雑であるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、送信先に応じた承認者の承認を受けることができる画像送信装置を提供することを目的とする。また、同一の承認者に対応づけられた送信先の一部を変更する際の利便性を向上させることができる画像送信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の本発明による画像送信装置は、2以上の重要度を送信先候補及び承認者に対応づけて保持する重要度テーブル保持手段と、画像データの重要度として、上記重要度のいずれかを選択する重要度選択手段と、上記画像データの重要度に対応づけられた上記送信先候補の中から上記画像データの送信先を選択する送信先選択手段と、上記画像データの重要度に対応づけられた上記承認者に対し、承認要求信号を送信する承認要求送信手段と、上記承認要求信号に対する応答信号を受信する応答受信手段と、上記応答信号に基づいて、選択された上記送信先へ上記画像データを送信する画像データ送信手段とを備えて構成される。
【0008】
この様な構成によれば、送信先候補と承認者とが対応づけられているため、送信先に応じた承認者の承認を受けることができる。また、重要度と承認者とが対応づけられているので、画像データの重要度ごとに承認者を変更することができる。このため、同一の承認者に対応づけられた送信先の一部を他の承認者に対応づけるように変更する場合に、変更作業の煩雑さを抑制することができる。
【0009】
第2の本発明による画像送信装置は、上記構成に加え、上記送信先選択手段が、上記画像データの送信先として、2以上の上記送信先を選択可能であり、上記重要度テーブル保持手段内に保持される上記送信先候補であって、より低い重要度に対応づけられた上記送信先候補が、より高い重要度にも対応づけられるように構成される。
【0010】
この様な構成によれば、高い重要度を選択することにより、低い重要度に対応する送信先も選択することができる。このため、複数の送信先へファクシミリ送信を行う場合、2以上の重要度を選択する必要がない。従って、2以上の承認者の承認を受ける必要がなく、利便性が高い。
【0011】
第3の本発明による画像送信装置は、上記構成に加え、上記重要度選択手段が、ユーザの操作入力に基づいて、上記重要度を選択するように構成される。
【0012】
第4の本発明による画像送信装置は、上記構成に加え、ユーザを指定するユーザ指定手段を備え、上記重要度テーブル保持手段が、上記重要度をユーザに対応づけて保持し、上記重要度選択手段が、指定されたユーザに対応づけられた上記重要度の中から、いずれかの上記重要度を選択するように構成される。
【0013】
この様な構成によれば、ユーザに対応づけられた承認者へ承認要求信号が送信されるので、一部の承認者に過大な負担がかかることを抑制することができる。
【0014】
第5の本発明による画像送信装置は、上記構成に加え、外部入力された上記画像データの属性情報を取得する属性情報取得手段を備え、上記重要度選択手段が、上記属性情報に基づいて、上記重要度を選択するように構成される。
【0015】
この様な構成によれば、画像データの属性情報に基づいて、重要度が選択されるので、ファクシミリ送信時にユーザが重要度を選択する必要がなく、操作の煩雑さを抑制することができる。
【0016】
第6の本発明による画像送信装置は、上記構成に加え、上記送信先選択手段が、上記画像データの重要度に対応づけられた上記送信先候補の中から、ユーザの操作入力に基づいて、送信先を選択するように構成される。
【0017】
第7の本発明による画像送信装置は、上記構成に加え、上記承認要求送信手段が、ユーザの操作入力に基づいて、同一の上記重要度に対応づけられた2以上の上記承認者に対して上記承認要求信号を送信可能であり、上記画像データ送信手段が、上記承認要求信号に対する最初の上記応答信号に基づいて、選択された上記送信先へ上記画像データを送信するように構成される。
【0018】
この様な構成によれば、承認要求信号に対する最初の応答信号に基づいて、画像データを送信するので、承認にかかる時間を短縮することができる。また、ユーザが、承認者の状況を考慮して、適切な承認者を選択することができる。更に、承認要求信号を受信した承認者のうち、いずれか1人が承認作業を行えばよいので、承認者の負担を軽減することができ、利便性が高い。
【発明の効果】
【0019】
本発明による画像送信装置は、送信先候補と承認者とが対応づけられているため、送信先に応じた承認者の承認を受けることができる。また、重要度と承認者とが対応づけられているので、画像データの重要度ごとに承認者を変更することができる。このため、同一の承認者に対応づけられた送信先の一部を他の承認者に対応づけるように変更する場合に、変更作業の煩雑さを抑制することができる。
【0020】
また、高い重要度を選択することにより、低い重要度に対応する送信先も選択することができる。このため、複数の送信先へファクシミリ送信を行う場合、2以上の重要度を選択する必要がない。従って、2以上の承認者の承認を受ける必要がなく、利便性が高い。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態による画像送信装置1を含む画像送信システム100の一構成例を示したシステム図である。
【図2】図1の画像送信装置1の構成例を示したブロック図である。
【図3】図2の画像送信装置1における重要度テーブル保持部25内の承認者テーブル251の構成例を示した図である。
【図4】図2の画像送信装置1における重要度テーブル保持部25内の送信先候補テーブル252の構成例を示した図である。
【図5】図1の画像送信装置1におけるファクシミリ送信処理時の動作の一例を示したフローチャートである。
【図6】本発明の実施の形態2による画像送信装置2の構成例を示したブロック図である。
【図7】本実施の実施の形態3による画像送信装置3における重要度テーブル保持部25内の送信先候補テーブル252の構成例を示した図である。
【図8】本実施の形態の画像送信装置4における重要度テーブル保持部25内の承認者テーブル251の構成例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態による画像送信装置1を含む画像送信システム100の一構成例を示したシステム図である。この画像送信システム100は、画像送信装置1と複数の承認端末装置10とがLAN11を介して接続された通信システムである。この画像送信装置1は、キー入力のための操作キー21と、キー入力に基づく操作情報などを画面表示する表示部22とを備えている。
【0023】
画像送信装置1は、PSTN(公衆電話交換網)に接続されており、図示しない他のファクシミリ装置との間で文書情報の送受信(ファクシミリ送受信)を行うことができる。画像送信装置1の例として、スキャナ機能、プリンタ機能、ファクシミリ機能、複写機能、電子メールの送受信機能を有し、これらの機能を選択的に実行させることができるMFP(Multifunction Peripheral:複合機)がある。
【0024】
この画像送信装置1では、ファクシミリ送信時に承認者の承認を受けることを条件としてファクシミリ送信が行われる。具体的には、ユーザがファクシミリ送信を指示した場合に、ファクシミリ送信の承認を促す承認要求信号が、承認端末装置10へ送信される。この承認要求信号に対し、ファクシミリ送信を承認する旨の応答信号を受信すれば、ファクシミリ送信が行われる。
【0025】
承認要求信号には、例えば、送信予定の画像データ及び送信先のファクシミリ番号が含まれる。ここでは、承認要求信号が、画像送信装置1からLAN11を経由して送信され、承認端末装置10の常駐アプリケーションにより受信されるものとする。
【0026】
承認端末装置10は、承認者の操作入力に基づいて、ファクシミリ送信の承認を行う情報処理装置である。具体的には、画像送信装置1から受信した承認要求信号に対して、ファクシミリ送信を承認するか否かを示す応答信号を画像送信装置1へ送信する動作が行われる。ここでは、応答信号が承認端末装置10の常駐アプリケーションにより画像送信装置1へ送信されるものとする。
【0027】
この画像送信装置1では、2以上の送信先からなる送信先候補と承認者とが対応づけられている。このため、送信先に応じた承認者の承認を受けることができる。
【0028】
図2は、図1の画像送信装置1の構成例を示したブロック図である。この画像送信装置1は、ユーザ指定部23、重要度選択部24、重要度テーブル保持部25、スキャナ部26、送信先選択部27、承認要求送信部28、応答受信部29、画像データ送信部30及びテーブル修正部31により構成される。
【0029】
ユーザ指定部23は、ユーザを指定する動作を行っている。具体的には、操作キー21に対するユーザの操作入力に基づいて、重要度テーブル保持部25内に保持されている2以上のユーザの識別情報から、いずれかのユーザに対応する識別情報を指定する動作を行っている。例えば、識別情報としてユーザ名が指定される。また、ユーザとパスワードとを予め対応づけて重要度テーブル保持部25内に保持し、パスワードが入力された場合に、ユーザ指定部23が、対応するユーザを指定する構成であってもよい。
【0030】
重要度テーブル保持部25は、2以上の重要度を送信先候補及び承認者に対応づけた重要度テーブルを保持する記憶手段である。重要度テーブルは、重要度を承認者に対応づけた承認者テーブル251と、重要度を送信先候補に対応づけた送信先候補テーブル252とからなる。送信先候補は、2以上の送信先からなるグループであり、例えば、社内宛先、社外宛先、あるいは、取引先などのファクシミリ番号のグループを指す。承認者は、誤送信の抑制のために、ファクシミリ送信を行うか否かを判断する第三者であり、予め定められている。例えば、承認者として、その承認者の承認端末装置10のIPアドレスが重要度テーブル保持部25内に保持される。
【0031】
また、重要度テーブル保持部25は、重要度とユーザとを対応づけて保持している。従って、承認者テーブル251では、承認者が、ユーザと重要度との組み合わせに対応づけられている。一方、送信先候補テーブル252では、送信先候補が、ユーザにかかわらず、共通の重要度に対応づけられる。
【0032】
重要度選択部24は、重要度テーブル保持部25に保持されている重要度のいずれかを画像データの重要度として選択する動作を行っている。例えば、操作キー21に対するユーザの操作入力に基づいて、重要度を選択する。より詳しくは、ユーザ指定部23により指定されたユーザに対応づけられた重要度の中から、いずれかの重要度を選択する。
【0033】
スキャナ部26は、原稿の光学読み取りによって画像データを生成する原稿読取部であり、原稿に光を照射する光源装置と、原稿による反射光を受光して受光量に応じた画像データを生成するイメージセンサーと、読取位置を水平方向及び垂直方向に走査させる走査装置などによって構成される。
【0034】
送信先選択部27は、選択された重要度に対応づけられた送信先候補を取得し、この送信先候補から画像データの送信先を選択する動作を行っている。例えば、取引先のファクシミリ番号から、いずれかを選択する動作が行われる。画像データの送信先は、例えば、操作キー21に対するユーザの操作入力に基づいて選択される。ここでは、送信先選択部27が、画像データの送信先として、2以上の送信先を選択可能であるものとする。
【0035】
承認要求送信部28は、選択された重要度に対応づけられた承認者に対し、ファクシミリ送信の承認を促す承認要求信号を送信している。具体的には、承認者の承認端末装置10へLAN11を経由して、承認要求信号を送信している。この承認要求信号は、承認端末装置10の常駐アプリケーションにより受信される。承認要求信号には、スキャナ部26により読み取られた画像データと、送信先選択部27により選択された送信先のファクシミリ番号とが含まれるものとする。
【0036】
応答受信部29は、承認要求信号に対する応答信号を受信する動作を行っている。応答信号は、ファクシミリ送信を承認するか否かの承認結果を示す信号であり、例えば、承認端末装置10の常駐アプリケーションから送信される。
【0037】
画像データ送信部30は、スキャナ部26により読み取られた画像データを選択された送信先へ送信する動作を行っている。この場合に、画像データ送信部30は、応答受信部29が受信した応答信号に基づいて、画像データを送信している。具体的には、ファクシミリ送信を承認する旨の応答信号を受信すれば、ファクシミリ送信が行われる。一方、ファクシミリ送信を承認しない旨の応答信号を受信すれば、ファクシミリ送信は行われない。
【0038】
テーブル修正部31は、重要度テーブル保持部25内の重要度に対応づけられた承認者を変更する動作を行っている。このテーブル修正部31は、管理者用のパスワードが操作キー21により入力されたことを条件として、承認者の変更を行っている。このため、画像送信装置1の管理者のみが、承認者を変更可能となっている。
【0039】
このテーブル修正部31は、重要度に対応づけられた承認者を変更していることから、画像データの重要度ごとに承認者を変更することができる。従って、同一の承認者に対応づけられた送信先の一部を他の承認者に対応づけるように変更する場合に、例えば、送信先と承認者とが対応づけられている場合に比べて、変更作業の煩雑さを抑制することができる。
【0040】
図3は、図2の画像送信装置1における重要度テーブル保持部25内の承認者テーブル251の構成例を示した図であり、ユーザ名、重要度及び承認者名の対応関係が示されている。重要度は、高い順に、「重要度A」、「重要度B」、「重要度C」となる。この承認者テーブル251では、ユーザごとに重要度と承認者名とが対応づけられている。例えば、ユーザ名が「ユーザ1」の場合、「重要度A」と承認者名「承認者1」とが対応づけられ、「重要度B」と承認者名「承認者2」とが対応づけられている。また、ユーザ名が「ユーザ2」の場合、「重要度A」と承認者名「承認者4」とが対応づけられている。
【0041】
この承認者テーブル251では、ユーザ指定部23によりユーザ名が指定され、重要度選択部24により重要度が選択されれば、ユーザ名と重要度との組み合わせに対応する承認者が特定される。このため、テーブル修正部31が承認者を変更する場合、ユーザ名と重要度との組み合わせごとに、承認者を変更することができる。
【0042】
図4は、図2の画像送信装置1における重要度テーブル保持部25内の送信先候補テーブル252の構成例を示した図であり、送信先候補名と重要度との対応関係が示されている。重要度は、高い順に、「重要度A」、「重要度B」、「重要度C」となる。
【0043】
ここでは、送信先候補名「送信先候補1」と「重要度A」とが対応づけられている。また、送信先候補名「送信先候補2」と「重要度C」とが対応づけられ、送信先候補名「送信先候補3」と「重要度B」とが対応づけられている。
【0044】
ここでは、各送信先候補がそれぞれ1つの重要度に対応づけられている。例えば、機密文書用の重要度が、少数の機密文書の送信先のみからなる送信先候補に対応づけられる構成を採用することにより、機密文書の送信先とは異なる送信先へ機密文書が誤送信されることを抑制することができる。
【0045】
図5のステップS101〜S108は、図1の画像送信装置1におけるファクシミリ送信処理時の動作の一例を示したフローチャートである。まず、ユーザにより画像データのファクシミリ送信が指示されると、ユーザ指定部23が、ユーザの操作入力に基づいて、重要度テーブル保持部25に保持されているユーザの識別情報からいずれかを指定する(ステップS101)。次に、重要度選択部24が、指定されたユーザに対応する重要度の中から、画像データの重要度を選択する(ステップS102)。
【0046】
また、送信先選択部27が、選択された重要度に対応づけられた送信先候補を取得し、ユーザの操作入力に基づいて、この送信先候補から送信先を選択する(ステップS103)。更に、選択された送信先へ画像データをファクシミリ送信するための送信ジョブが予約され、承認要求送信部28が、選択された重要度に対応づけられた承認者の承認端末装置10に対し、ファクシミリ送信の承認を促す承認要求信号を送信する(ステップS104,S105)。
【0047】
承認端末装置10から承認結果を示す応答信号を受信した場合、承認結果の判別が行われる(ステップS106)。ファクシミリ送信を承認する旨の応答信号を受信した場合、送信ジョブが実行されて画像データのファクシミリ送信が行われ、処理を終了する(ステップS107)。一方、ファクシミリ送信を承認しない旨の応答信号を受信した場合、送信ジョブが破棄され、画像データの送信は行われない(ステップS108)。
【0048】
本実施の形態によれば、重要度テーブル保持部25が、送信先候補と承認者とを対応づけて保持している。このため、画像データのファクシミリ送信を行う場合に、送信先に応じた承認者の承認を受けることができる。また、承認要求送信部28が、ユーザに対応づけられた承認者へ承認要求信号を送信するので、一部の承認者に過大な負担がかかることを抑制することができる。
【0049】
なお、本実施の形態では、操作キー21に対するユーザの操作入力により、ユーザ指定部23によるユーザの識別情報の指定、重要度選択部24による重要度の選択、並びに、送信先選択部27による送信先の選択が行われる場合の例について説明した。しかしながら、本発明は、操作キー21に対して操作入力が行われる構成に限定されるものではない。例えば、LAN11を介して画像送信装置1と接続された端末装置から操作信号が外部入力され、この操作信号に基づいて、ユーザ指定部23によるユーザの識別情報の指定、重要度選択部24による重要度の選択、又は、送信先選択部27による送信先の選択が行われる構成であっても良い。
【0050】
また、本実施の形態では、承認者へファクシミリ送信の承認を促す承認要求信号が送信され、承認端末装置10の常駐アプリケーションにより受信される場合の例について説明した。しかしながら、本発明は、承認要求信号が常駐アプリケーションにより受信される構成に限定されるものではなく、例えば、承認要求信号として電子メールが承認者へ送信され、承認端末装置10のメール受信アプリケーションにより受信される構成であってもよい。また、承認端末装置10が常駐アプリケーションによる承認要求信号の受信に失敗した場合に、電子メール又は電話などによりファクシミリ送信の承認を促す構成であっても良い。
【0051】
また、本実施の形態では、1つの承認端末装置10へ承認要求信号を送信する場合の例について説明した。しかしながら、本発明は、これに限定されるものではなく、例えば、常駐アプリケーションが起動されていない等の理由により、承認端末装置10が承認要求信号の受信に失敗した場合に、他の承認端末装置10へ承認要求信号が送信される構成であっても良い。
【0052】
また、本実施の形態では、承認端末装置10の常駐アプリケーションからファクシミリ送信を承認するか否かの承認結果を示す応答信号が送信される場合の例について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、承認端末装置10のメール送信アプリケーションから電子メールが応答信号として送信される構成であっても良く、電話回線を介して発呼信号が応答信号として送信される構成であっても良い。
【0053】
また、本実施の形態では、送信先候補が、ユーザに共通の重要度に対応づけられる場合の例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、送信先候補が、ユーザと重要度との組み合わせに対応づけられ、ユーザごとに異なる重要度に対応づけられる構成であってもよい。
【0054】
実施の形態2.
実施の形態1では、ユーザの操作入力に基づいて、重要度が選択されるとともに、スキャナ部26により読み取られた画像データが、画像データ送信部30により送信される場合の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、画像データが外部入力され、この画像データの属性情報に基づいて、重要度が選択される場合の例について説明する。
【0055】
図6は、本発明の実施の形態2による画像送信装置2の構成例を示したブロック図である。図2の場合と比較すれば、スキャナ部26に代えて、画像記憶部40及び属性情報取得部41を備えている点で異なる。図2と同じ構成については、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0056】
画像記憶部40は、外部入力された画像データを保持する記憶手段であり、LAN11を介して接続された端末装置から画像データが入力される。画像データ送信部30は、応答受信部29により受信された応答信号に基づいて、この画像データを送信先へ送信する動作を行っており、それ以外は図2の送信先選択部27と同様である。
【0057】
属性情報取得部41は、画像記憶部40内に保持される画像データの属性情報を取得する動作を行っている。この属性情報とは、例えば、ファイル名又は画像データのヘッダに記載された文字列を指す。
【0058】
重要度選択部24は、属性情報取得部41により取得された属性情報に基づいて、重要度を選択する動作を行っている。例えば、ファイル名に社内宛であることを示す文字列が含まれている場合、社内宛の送信先候補に対応づけられた重要度が指定される。
【0059】
本実施の形態によれば、属性情報取得部41により取得された画像データの属性情報に基づいて、重要度選択部24により重要度が選択されるので、ファクシミリ送信時にユーザが重要度を選択する必要がなく、操作の煩雑さを抑制することができる。
【0060】
実施の形態3.
実施の形態1では、各送信先候補がそれぞれ1つの重要度に対応づけられる場合の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、一部の送信先候補が、2以上の重要度に重複して対応づけられる場合の例について説明する。
【0061】
本実施の形態の重要度テーブル保持部25では、一部の送信先候補が、2以上の重要度に重複して対応づけられる。すなわち、より低い重要度に対応づけられた送信先候補が、より高い重要度にも対応づけられるように保持されている。このため、高い重要度には、低い重要度に比べて多数の送信先候補が対応づけられる。
【0062】
図7は、本実施の形態の画像送信装置3における重要度テーブル保持部25内の送信先候補テーブル252の構成例を示した図であり、送信先候補名と重要度との対応関係が示されている。重要度は、高い順に、「重要度A」、「重要度B」、「重要度C」となる。この送信先候補テーブル252では、一部の送信先候補が、2以上の重要度に重複して対応づけられており、より低い重要度に対応づけられた送信先候補が、より高い重要度にも対応づけられている。
【0063】
具体的には、送信先候補名「送信先候補2」は、最も低い重要度である「重要度C」に対応づけられることから、「重要度C」より高い重要度である「重要度A」及び「重要度B」にも対応づけられる。また、送信先候補名「送信先候補3」は、「重要度B」に対応づけられることから、「重要度B」より高い重要度である「重要度A」にも対応づけられる。一方、送信先候補名「送信先候補1」は、最も高い重要度である「重要度A」に対応づけられることから、他の重要度には対応づけられない。
【0064】
この様な構成を採用すれば、より低い重要度に対応づけられた送信先候補が、より高い重要度にも対応づけられているので、高い重要度を選択することにより、低い重要度に対応する送信先も選択することができる。このため、画像データの送信先として2以上の送信先が送信先選択部27により選択され、複数の送信先へのファクシミリ送信が行われる場合であっても、2以上の重要度を選択する必要がない。従って、2以上の承認者の承認を受ける必要がなく、利便性が高い。
【0065】
実施の形態4.
実施の形態1では、承認要求送信部28が、選択された重要度に対応づけられた承認者へ承認要求信号を送信する場合の例について説明した。これに対し、本実施の形態では、承認要求送信部28が、ユーザの操作入力に基づいて、選択された重要度に対応づけられた承認者に対し、承認要求信号を送信する場合の例について説明する。
【0066】
本実施の形態の重要度テーブル保持部25では、一部の重要度に2以上の承認者が対応づけられている。ここでは、2以上の承認者に対応づけられた重要度が重要度選択部24により選択された場合、承認要求送信部28が、ユーザの操作入力に基づいて、選択された重要度に対応する承認者のうち、いずれか1人の承認者に対して、承認要求信号を送信するものとする。また、2以上の承認者に対して、承認要求信号を送信可能な構成であっても良い。
【0067】
2以上の承認者に対して承認要求信号が送信された場合には、応答受信部29がいずれか1人の承認者からファクシミリ送信を承認する旨の応答信号を受信すれば、画像データ送信部30は、送信先選択部27により選択された送信先へ画像データを送信する。具体的には、承認要求信号に対する最初の応答信号に基づいて、画像データを送信する動作を行う。すなわち、承認要求信号を送信した承認者から最初に受信した応答信号が、ファクシミリ送信を承認する旨の応答信号であれば、ファクシミリ送信を行い、最初に受信した応答信号が、ファクシミリ送信を承認しない旨の応答信号であれば、ファクシミリ送信を行わない。
【0068】
図8は、本実施の形態の画像送信装置4における重要度テーブル保持部25内の承認者テーブル251の構成例を示した図であり、ユーザ名、重要度及び承認者名の対応関係が示されている。図3の例と比較すれば、一部の重要度が複数の承認者に対応づけられている点で異なる。
【0069】
この承認者テーブル251では、ユーザごとに重要度と承認者名とが対応づけられており、一部の重要度が2以上の承認者に対応づけられている。例えば、ユーザ名が「ユーザ1」の場合、「重要度A」と、2つの承認者名「承認者1」及び「承認者2」とが対応づけられている。同様に、「重要度C」と、承認者名「承認者4」及び「承認者5」とが対応づけられている。
【0070】
本実施の形態によれば、画像データ送信部30が、最初に受信した応答信号に基づいて、画像データを送信するので、承認にかかる時間を短縮することができる。また、ユーザが、承認者の状況を考慮して、適切な承認者を選択することができる。更に、承認要求信号を受信した承認者のうち、いずれか1人が承認作業を行えばよいので、承認者の負担を軽減することができ、利便性が高い。
【符号の説明】
【0071】
1〜3 画像送信装置
10 承認端末装置
21 操作キー
22 表示部
23 ユーザ指定部
24 重要度選択部
25 重要度テーブル保持部
26 スキャナ部
27 送信先選択部
28 承認要求送信部
29 応答受信部
30 画像データ送信部
31 テーブル修正部
40 画像記憶部
41 属性情報取得部
100 画像送信システム
251 承認者テーブル
252 送信先候補テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2以上の重要度を送信先候補及び承認者に対応づけて保持する重要度テーブル保持手段と、
画像データの重要度として、上記重要度のいずれかを選択する重要度選択手段と、
上記画像データの重要度に対応づけられた上記送信先候補の中から上記画像データの送信先を選択する送信先選択手段と、
上記画像データの重要度に対応づけられた上記承認者に対し、承認要求信号を送信する承認要求送信手段と、
上記承認要求信号に対する応答信号を受信する応答受信手段と、
上記応答信号に基づいて、選択された上記送信先へ上記画像データを送信する画像データ送信手段とを備えたことを特徴とする画像送信装置。
【請求項2】
上記送信先選択手段は、上記画像データの送信先として、2以上の上記送信先を選択可能であり、
上記重要度テーブル保持手段内に保持される上記送信先候補であって、より低い重要度に対応づけられた上記送信先候補が、より高い重要度にも対応づけられることを特徴とする請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項3】
上記重要度選択手段は、ユーザの操作入力に基づいて、上記重要度を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項4】
ユーザを指定するユーザ指定手段を備え、
上記重要度テーブル保持手段は、上記重要度をユーザに対応づけて保持し、
上記重要度選択手段は、指定されたユーザに対応づけられた上記重要度の中から、いずれかの上記重要度を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項5】
外部入力された上記画像データの属性情報を取得する属性情報取得手段を備え、
上記重要度選択手段は、上記属性情報に基づいて、上記重要度を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項6】
上記送信先選択手段は、上記画像データの重要度に対応づけられた上記送信先候補の中から、ユーザの操作入力に基づいて、送信先を選択することを特徴とする請求項1に記載の画像送信装置。
【請求項7】
上記承認要求送信手段が、ユーザの操作入力に基づいて、同一の上記重要度に対応づけられた2以上の上記承認者に対して上記承認要求信号を送信可能であり、
上記画像データ送信手段が、上記承認要求信号に対する最初の上記応答信号に基づいて、選択された上記送信先へ上記画像データを送信することを特徴とする請求項1に記載の画像送信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−222536(P2012−222536A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−85128(P2011−85128)
【出願日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】