画像通信装置、及びその制御方法
【課題】 本来の宛先とは異なる画像通信装置に送信された画像データを、本来の宛先である画像通信装置に転送できる仕組みを提供することである。
【解決手段】 エラー状態から復帰した画像通信装置からのポーリング要求(F40)をサーバ装置を介して受信した場合に(F41)、復帰した画像通信装置宛のデータが格納されているかを判別する。そして、復帰した画像通信装置宛のデータが格納されていると判別した場合に、エラー状態から復帰した画像通信装置宛へのデータを格納していることを通知する(F43)。そして、エラー状態から復帰した画像通信装置との通信を確立して、格納手段に格納しているデータを転送する(D62)ことを特徴とする。
【解決手段】 エラー状態から復帰した画像通信装置からのポーリング要求(F40)をサーバ装置を介して受信した場合に(F41)、復帰した画像通信装置宛のデータが格納されているかを判別する。そして、復帰した画像通信装置宛のデータが格納されていると判別した場合に、エラー状態から復帰した画像通信装置宛へのデータを格納していることを通知する(F43)。そして、エラー状態から復帰した画像通信装置との通信を確立して、格納手段に格納しているデータを転送する(D62)ことを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続された相手装置と通信して画像データを受信する画像通信装置、及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遠距離オフィス間における情報の伝達方法として、ファクシミリ装置を用いた画像データの送受信が用いられる。ファクシミリ装置による画像データの送受信は、PSTN回線を介してITU−T勧告T.30に従った手順を用いて行われる。
【0003】
また、近年ではこれに加えて、ITU−T勧告T.37に従ってファクシミリデータ形式の画像データを電子メールに添付して送受信するという方法が考えられている。この通信方法によれば、IPネットワークを介してデータの送受信を行うので、上述したITU−T勧告T.30に従ったファクシミリ通信よりも安価に画像データの送受信を行うことが可能となっている。
【0004】
また更に、ITU−T勧告T.38に従ってIPネットワークを介してリアルタイム形式でファクシミリデータの送受信を行うリアルタイム型インターネットファクシミリ通信(以下、IP−FAX通信とする)も考えられている。具体的には、送信側のファクシミリ装置と受信側のファクシミリ装置とがIPネットワークを介して直接接続されて、ITU−T勧告T.30に従ったファクシミリ信号をTCP/IPパケットに変換して送受信する。
【0005】
ところで、上述したIP−FAX通信では、ITU−T勧告H.323の呼制御手順が用いられる。また、最近ではITU−T勧告H.323と同様なセッション制御プロトコルであるSIP(Session Initiation Protocol)が注目されている。
【0006】
ITU−T勧告H.323の呼制御手順とSIPとを比較した場合、ITU−T勧告H.323は様々な規約を含んでいるため比較的複雑な仕様となっている。これに対して、SIPはセッションの開始、変更、終了などの基本的なセッション制御についてのみ規定されているため、比較的シンプルな仕様となっている。このため、SIPは拡張性が高く、他のシステムとの統合が容易であるといった様々なメリットがある。
【0007】
SIPはIP電話等のユーザ端末であるユーザエージェントとプロキシサーバ、リダイレクトサーバ、レジストラサーバの総称であるSIPサーバから構成される。そこで、例えばこのリダイレクトサーバを用いて受信側のファクシミリ装置の代替アドレスを登録しておくことが可能となっている。
【0008】
具体的には、受信側の特定のファクシミリ装置が宛先として指定された場合の画像データの転送先として他のファクシミリ装置をリダイレクトサーバに登録しておく。これにより、送信側のファクシミリ装置が特定の宛先に対して画像データを送信しようとした場合に、リダイレクトサーバから代替アドレスが読み出され、送信側のファクシミリ装置と代替アドレスが示すファクシミリ装置との間の呼接続が開始される。そして、送信側のファクシミリ装置は、代替アドレスが示すファクシミリ装置に対して画像データの送信を行う(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−94662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のSIP機能を利用することで、受信側の画像通信装置が印刷用紙無しの状態やメモリフルの状態、セッション数のフルという負荷が大きい状態となってしまい受信不可能となった場合に、送信側の画像通信装置は代替アドレスへ画像データを送信する。
【0010】
これにより、送信側の画像通信装置においては転送先として設定された代替アドレスに対応する画像通信装置とセッションが確立しファクシミリ通信が完了可能となり、送信側の画像通信装置でいつまでも送信できない状況を打破することができる。しかしながら、この場合、実際に転送先として受信側のユーザが登録したとはいえ、本来受信すべきであった画像通信装置とは異なる画像通信装置に画像データが送信されることになる。即ち、本来受信すべきであった画像通信装置のユーザは、転送先の画像通信装置までわざわざ送信された画像データを取りに行かなければならず、面倒であった。また、転送されてきた画像データを受信した画像通信装置においても、本来自機宛てではない画像データを受信していつまでも記憶していると、メモリ資源が不足してしまう可能性がある。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、本来の宛先とは異なる画像通信装置に送信された画像データを、本来の宛先である画像通信装置に転送できる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成する本発明の画像通信装置は以下に示す構成を備える。
【0013】
ネットワークを介して接続された相手装置と通信可能な画像通信装置であって、前記相手装置において他の画像通信装置が宛先として指定されて送信された画像データを、前記相手装置から受信する受信手段と、前記受信手段が受信した画像データを記憶する記憶手段と、前記他の画像通信装置からの画像データの送信要求を受け付ける受付手段と、前記受付手段が前記送信要求を受け付けた場合に、前記記憶手段に記憶した画像データの中から、前記他の画像通信装置が宛先として指定されて送信された画像データを検索する検索手段と、前記検索手段により検索された画像データを、前記他の画像通信装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、本来の宛先とは異なる画像通信装置に送信された画像データを、本来の宛先である画像通信装置に転送できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態を示す画像通信装置を適用するネットワークシステムの構成を説明するブロック図である。なお、本例はネットワーク対応ファクシミリ装置100を画像通信装置の例として説明するが、ネットワークを介して画像データの通信を行う画像通信装置であれば、他の態様であっても構わない。以下、ネットワーク対応ファクシミリ装置を、NFAXと略記する。
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、本実施形態に記載されている図面はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらにのみ限定する主旨のものではない。
【0018】
図1において、101はCPUであり、ROM108に格納された制御プログラムに基づいてCPUデバイスに接続された各デバイスを制御する。
【0019】
103は表示操作部であり、その表示画面には、例えばウインドウ、アイコン、メッセージ、メニューその他のユーザインタフェース情報が表示操作部I/F部102を介して表示される。
【0020】
表示操作部103には、印刷枚数など指定する各種キーや、表示画面に表示されたアイコン、メニューその他のオブジェクトを指示するポインティングデバイスを備える。
【0021】
104はスキャナ部であり、原稿の読み取りを行う。105は印刷部であり、RAM(ランダムアクセスメモリ)109やHDD(ハードディスクドライブ)110に保存した印刷データの印刷を行う。108はROMであり、各種の制御プログラムやデータを保持する。ROM108には、図7、図11に示すフローチャートに示す手順や、図6,図10に示すセッションを実行するための制御プログラムも格納されている。
【0022】
109はRAMであり、CPU101のワーク領域、エラー処理時のデータの退避領域、制御プログラムのロード領域等を有する。110は内部記録装置としてのHDDであり、各種制御プログラムや印刷データを保存する。外部メモリ112への読み書きは外部メモリI/F111を介して行う。
【0023】
外部メモリ112はUSBメモリなど着脱可能な記録媒体を想定している。113はネットワークI/F部であり、図2に示すSIPサーバや他の情報処理装置やプリンタ等とネットワーク116を介して通信を行うことができる。115はCPUバスであり、アドレスバス、データバス及びコントロールバスを含む。CPU101に対する制御プログラムの提供は、ROM108から行う例を示す。
【0024】
114はT.38プロトコル作成/解析部で、ITU−U勧告T.38に規定されたプロトコルに従ったファクシミリ伝送情報を生成し、また受信したプロトコルからファクシミリ伝送情報を取り出す機能を持つ。
【0025】
106はIPパケット作成/解析部で、ITU−U勧告T.38プロトコルをIPパケットにマッピングし、また受信したIPパケットからITU−U勧告T.38プロトコルを取り出す機能を持つ。107は画像変換制御部で、ファクシミリ送受信する画像の圧縮伸張や変倍、線密度変換を行うユニットである。
【0026】
図2は、図1に示した画像通信装置を含むネットワークシステムの一例を示す図である。例えば3台のNFAXとSIPサーバから構成されるネットワークシステム例である。
【0027】
図2において、NFAXAとNFAXB及びNFAXFは、SIP対応のファクシミリ装置である。また、SIPサーバSは、プロキシサーバ、レジストラサーバ、ロケーションサーバ、リダイレクトサーバの4つのサーバ機能を備えている。これらの各サーバ機能は、SIPに基づいた通信を実行する場合にそれぞれ用いられる。なお、この4つのサーバの機能を1つのSIPサーバ内に実装させても構わないし、4つのサーバの機能を別々のSIPサーバに実装させても構わない。
【0028】
NFAXFが、ファクシミリ送信先であるNFAXAを呼び出す場合、相手先の指定を以下のように行う。本実施形態では、SIP−URI(Uniform Resource Identifier)と呼ばれるアドレス表記「sip:ipfax−a@domain.com」等で指定を行う。
【0029】
このアドレス表記の最初の「sip:」はSIPであることの識別子でプロトコルを指定するものである。また、「@」前の「ipfax−a」は通信先ユーザのID(SIPユーザ名)、「@」後ろの「domain.com」がSIPドメインである。
【0030】
図3は、図2に示したネットワークシステムにおける第1のデータ通信セッションを説明する図である。本例は、送信側のNFAXAが受信側のNFAXBを呼び出す際のSIPの基本通信セッションフロー例である。なお、F1〜F12はセッションを示し、D1はデータ通信ステップを示す。また、本例は、図中の上から下に向かって時系列的にセッションを示している。また、図2と同一のものには同一の符号を付してある。
【0031】
図3において、SIPによるセッションの確立/終了は、メソッドと応答コードにより行われる。
【0032】
送信側のNFAXAは、まず、自身のドメインA内にあるプロキシサーバに対してメソッドINVITEを発行し(F1)、セッションの確立を促す。ここで、プロキシサーバは、SIPサーバSによる機能である。
【0033】
メソッドINVITEを受け取ったプロキシサーバは、応答コード100Trying(NFAXBに対してリクエストを転送中であることを意味する)をNFAXAに返送する(F3)。また、受信側のNFAXBに対しては、メソッドINVITEの転送を試みる(F2)。
【0034】
その際、先程と同様に、受信側のNFAXBは、プロキシサーバに対して応答コード100Tryingを返送する(F4)。
【0035】
そして、プロキシサーバを介して到達したメソッドINVITEは、ここで初めてNFAXBに到達することになる。そして、NFAXBは、応答コード180RingingをNFAXAに対して通知する(F5,F6)。
【0036】
また、ここでNFAXBが呼び出しに応じる場合、応答コード200OKがNFAXAに対して返送され(F7,F8)。
【0037】
そして、NFAXAはメソッドACKによりメソッドINVITEに対する応答を受け取ったことをNFAXBに通知する(F9)。
【0038】
ここで、セッションが確立する(F10)。このセッションの確立後は、ITU−T勧告T.38に準拠したリアルタイムのファクシミリ通信が行われる(D1)。
【0039】
ファクシミリ通信後は、NFAXBからNFAXAにメソッドBYEが発行され(F11)、その応答コード200OKがNFAXAからNFAXBに返送される(F12)。ここで、セッションが終了する。
【0040】
図4は、図2に示したSIPサーバSが備える各サーバ機能と送受信側の各NFAXとの関係を概念的に説明する図である。なお、ここでは説明を分かり易くするために、各サーバ機能は別々の装置として備えられているものとする。また、各サーバ装置とNFAXはそれぞれネットワークを介して、T.38プロトコルで相互に通信可能に構成されている。なお、S401〜S408は通信ステップを示す。
【0041】
まず、送信側のNFAXAが自機のロケーションを登録するフローについて説明する。
【0042】
レジストラサーバ(SIPサーバB)とは、各NFAXの自機アドレス情報を登録するリクエストを、各NFAXから受信するサーバである。また、ロケーションサーバ(SIPサーバC)とは、レジストラサーバ(SIPサーバB)から通知される各NFAXのアドレス情報を蓄積して管理する。
【0043】
なお、各サーバ装置は、コンピュータ装置が備えるハードウエア資源を備え、ネットワーク通信制御ユニットを介してT.38プロトコルでそれぞれ通信可能に構成されている。ここで、ハードウエア資源は、CPU、ROM、RAM等を含むコントローラ部、ハードディスク等の記憶装置を含むものである。
【0044】
また、ロケーションサーバ(SIPサーバC)は蓄積しているアドレス情報に基づいて、後述するリダイレクトサーバ(SIPサーバD)やプロキシサーバ(SIPサーバA)によるアドレス情報の参照要求に応答する。
【0045】
NFAXAは、あらかじめメソッドREGISTER(S401)によりレジストラサーバ(SIPサーバB)へロケーション情報(アドレス情報)を通知する(S402)。そして、レジストラサーバ(SIPサーバB)は通知されたロケーション情報をロケーションサーバ(SIPサーバC)の記憶装置に登録しておく。
【0046】
次に、送信側のNFAXAが受信側のNFAXBを呼び出す処理について説明する。NFAXAからのメソッドINVITE(S403)は、まずプロキシサーバ(SIPサーバA)に転送される。
【0047】
メソッドINVITEを受け取ったプロキシサーバ(SIPサーバA)は、ロケーションサーバ(SIPサーバC)に指定されたアドレスに対応するNFAXのロケーション情報を問い合わせる(S404)。そして、NFAXBを特定する(S405)。
【0048】
そして、プロキシサーバ(SIPサーバA)は、NFAXBにINVITEメソッドを転送する(S406)。以下、図3に示す手順に従って画像データの送信が行われる。
【0049】
次に、リダイレクトサーバの役割について説明する。リダイレクトサーバには各NFAXの代替アドレスを登録しておくことができる。即ち、例えば自機が受信不可能な状態になった場合に、他のNFAXのアドレスを代替アドレスとして登録しておくことが可能である。こうすることにより、自機宛ての発呼が行われた場合には、ロケーションサーバ及びリダイレクトサーバに問い合わせを行うことにより、代替アドレスが読み出される。そして、送信側から送られたメソッドINVITEは代替アドレスが示すNFAXに転送される。
【0050】
図5は、図2に示したネットワークシステムにおける第2のデータ通信セッションを説明する図である。本例は、図4に示したレジストラサーバを介してNFAXCが装置情報を登録する場合のセッションフロー例である。
【0051】
図5において、NFAXCは、レジストラサーバに対してREGISTERリクエストをSIPサーバBに対して行う(F21)。
【0052】
REGISTERリクエストのポイントとしては、SIP―URI(Toヘッダ)と装置のアドレス(CONTACTヘッダ)、有効期限(Expiresヘッダ)である。ここで、NFAXCは、REGISTERリクエストにSIP端末のIPアドレスを入れて送信し、ロケーションサーバへと登録される。そして、SIPサーバBから200OK応答を受け取る(F22)ことにより登録が完了されたこととなる。
【0053】
なお、登録には有効期限があり、期限を過ぎた登録は消去される、また登録が消去される前にもREGISTERリクエストをSIPサーバBに再送信し(F23)、定期的に登録情報を更新する。そして、SIPサーバBから200OK応答を受け取る(F24)ことにより更新登録が完了されたこととなる。
【0054】
これにより最新のアドレスをロケーションサーバに登録しておけ、画像処理装置は常に最新の受け取りが可能となる。また、画像処理装置がオフラインとなった場合にも登録は消去されることとなる。
【0055】
<代替アドレスを用いた転送処理>
図6A、図6Bは、図2に示したネットワークシステムにおける第3のデータ通信セッションを説明する図である。本例は、図2に示したネットワークシステムにおけるデータ通信セッションフロー例である。なお、F31〜F48はセッションを示し、D61及びD62はデータ通信ステップを示す。また、NFAXA、NFAXB、NFAXFにはそれぞれ「1111」、「2222」、「3333」のURI情報がロケーションサーバに登録されているものとする。
【0056】
ネットワークを介して、NFAXA、NFAXB、NFAXFとSIPサーバが接続されている。このとき、NFAXFからSIPサーバを介してNFAXAへと画像データを送信することがユーザにより指定されたものとする。しかしながら、この時NFAXAは何かしらの要因で受信不可能な状態になっているものとする。そして、NFAXAの代替アドレスとしてNFAXBが予めリダイレクトサーバに登録されているものとする。なお、NFAXAが受信不可能な場合とは、印刷用紙が紙無しの状態、メモリフルの状態、電源OFFの状態等が考えられる。
【0057】
NFAXAは、装置内においてユーザにより事前に入力された転送先のアドレスを登録させておく(S601)。そして、NFAXAが受信不可能な状態となってしまった場合(S602)、REGSTERリクエストにより転送先の代替アドレスとして登録すべきアドレス(本実施形態ではNFAXBのアドレス)をSIPサーバに通知して登録指示する(F31)。
【0058】
このようにして転送先の登録が終了すると、NFAXAはSIPサーバから200OK応答を受け取る(F32)。この状態において、NFAXFがNFAXAに対してファクシミリ送信のための発呼を行う(S603)。
【0059】
ここで、SIPサーバはNFAXFからメソッドINVITEを受け取る(F33)。このINVITEには、Toに対応する情報として「1111」が、URIに対応する情報として「1111」が含まれている。To」及び「URI」は、SIPに規定されたアドレス情報であって、「To」はユーザが宛先として指定したNFAXを示し、「URI」は実際にメソッドINVITEなどの制御信号が送られるNFAXを示す。F33では、「To」及び「URI」の両方にNFAXAに対応する「1111」が指定されている。
【0060】
宛先として「1111」が指定されているので、SIPサーバはNFAXAの情報をロケーションサーバより取得することになっているが、前述の通りNFAXAは受信不可状態になっている。そして、SIPサーバSには、NFAXAの代替アドレスとして、NFAXBのアドレスが登録されている。
【0061】
このため、SIPサーバは、メソッドINVITEを転送先であるNFAXBに転送する(F34)。このとき、INVITEの内容は、Toが「1111」で、URIが「2222」となっている。即ち、SIP情報のURIアドレスは、リダイレクトサーバに登録された内容に従って、SIPサーバSによりNFAXBに対応する「2222」と書換えられている。
【0062】
この状態において、S604で、その後、NFAXBがNFAXAに代わってACKメッセージをNFAXFに送り(F35)、正常にセッションが確立され、NFAXFとNFAXBとの間でファクシミリ通信が実行される(D61)。
【0063】
そして、NFAXBからNFAXFにメソッドBYEが発行され(F36)、NFAXFからその応答コード200OKがNFAXBに返送され(F37)、セッションが終了する。
【0064】
一方、NFAXAは、S602で受信不可状態となった後、受信不可状態の要因に適応した特定の処理が実行されて、NFAXAが、再度受信可能な状態へと復帰する(S605)。
【0065】
これにより、REGSTERリクエストにより自機の情報をSIPサーバに再登録指示する(F38)。これに対して、SIPサーバによる登録が終了すると、SIPサーバから200OK応答を受け取る(F39)。
【0066】
その後、NFAXAがNFAXBに対してSIPサーバを介して、ポーリング受信を行うための発呼としてメソッドINVITEする(F40、F41)。その後、NFAXAはNFAXBからのDIS(初期識別)を受け取る(F42、F43)。
【0067】
その際、NFAXBのCPU101はNFAXA宛ての文書がNFAXB内の記憶装置に格納されているかどうかを判別する。そして、NFAXBのCPU101が、NFAXA宛ての文書がNFAXB内の記憶装置に格納されていると判別した場合に、原稿有りのビットを立てて通知する(S606)。なお、通知方法は、これ以外の通知方法であってもよい。
【0068】
一方、NFAXB内の記憶装置に原稿が格納されていなければファクシミリ通信せずに終了し、原稿がNFAXB内の記憶装置に格納されている場合は、NFAXAからDTS(送信命令)をNFAXBが受け取る(F44,F45)。
【0069】
このようにNFAXBのCPU101は、エラー状態から復帰した画像処理装置からのポーリング要求を前記サーバ装置を介して受信した場合に、復帰した画像処理装置宛のデータが格納されているかを判別する。そして、NFAXBのCPU101が復帰した画像処理装置宛のデータが格納されていると判別した場合に、エラー状態から復帰した画像処理装置宛に記憶装置に格納しているデータを転送する。具体的には、上記の通知処理後、以下のデータ転送処理を行う。
【0070】
つまり、NFAXAからACKメッセージをNFAXBに送り(F46)、受信セッションを確立してファクシミリ通信を行う(D62)。
【0071】
そして、NFAXAからNFAXBにBYEが発行され(F47)、NFAXBからそのOKがNFAXAに返送され(F48)、セッションが終了する。
【0072】
このようにして、NFAXBはNFAXA宛てに格納していた文書を送信する。そして、送信終了後にNFAXBの記憶装置に格納されたNFAXA宛て文書を消去する(S607)。
【0073】
図7は、本実施形態を示す画像通信装置における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、本例は、NFAXAにより転送先に指定された図2に示したNFAXBが転送文書を受信した際の処理(S604)の詳細処理例である。なお、S701〜S705、S703−a〜S703−eは各ステップを示す。各ステップは、NFAXBのCPU101がROM108,HDD110に記憶される制御プログラムをRAM109にロードして実行することで実現される。
【0074】
図6Aに示したS604で、NFAXBとSIPサーバとのセッションにおいて、SIPサーバからSIP情報を受取り、CPU101がその情報からToアドレスとURIアドレスを検知する。そして、検知したToアドレスの内容とURIアドレスの内容とを比較して、内容が異なるかどうかを判別する(S701)。ここで、CPU101結果による比較の結果、ToアドレスとURIアドレスが異なっている場合には、他機が宛先として指定されて送信された画像データであると判別する(S702)。そして、そのSIP情報をもとにS703中の処理のいずれかを行ってもよいし、全て行うこととしてもよい。
【0075】
S703中の処理としては、ToアドレスとURIアドレスをもとに通信管理情報等として記録または表示部等に表示させる(S703−a)。これにより、自機が宛先として指定されて送信された画像データであるか、または他機が宛先として指定されて送信され転送されてきた画像データであるかを、NFAXBのユーザが識別することが可能となる。またはToアドレス毎に区別して受信文書数を記録または表示部等に表示させる(S703−b)。さらに、受信した画像データを本来の宛先からのポーリング要求に応えられるように、Toアドレス毎に区別してHDD110に格納する(S703−c)。また、他機が宛先として指定されて送信された画像データであることを識別するための画像情報を受信した画像データに付加して印刷出力する(S703−d)。さらに、他機が宛先として指定されて送信された画像データについては、印刷出力するために所定のパスワードの入力をユーザに要求するように管理する(S703−e)。
【0076】
一方、S701において、CPU101がToアドレスとURIアドレスが同じであると判断した場合は、自機宛ての文書と識別し(S704)、通常のファクシミリ受信処理を行い(S705)、本処理を終了する。
【0077】
なお、転送先のファクシミリ装置で印刷出力した場合は、記憶装置から受信した画像データを削除する処理を実行させてもよい。
【0078】
図8、図9は、本実施形態を示す画像通信装置における通信管理レポートの出力例を示す図である。本例は、図7のS703−eで説明した記録される通信管理レポートの出力例である。
【0079】
特に、Toアドレスに対して、受信時刻と、URIアドレス、FROMアドレス等をレポートリストとして出力する結果例である。
【0080】
図9は、図7のS703−dで説明した転送受信文書である旨を意味する印900(本実施形態では、転送文書としている)をファクシミリ画像にフッター情報等の一部として付加して印刷出力させた場合の例である。
【0081】
本実施形態では、本来の宛先である画像通信装置がエラーから復帰したら、その画像通信装置が転送先にポーリング要求する。これにより、エラーから復帰した画像処理装置自身が他の画像処理装置に指定転送されている本来の転送宛のデータを取得することができる。
【0082】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、F40で、NFAXAがNFAXBに対してSIPサーバを介して、ポーリング受信を行うための発呼としてメソッドINVITEする。これにより、本来の宛先である画像通信装置がエラーから復帰したら、その画像通信装置が転送先にポーリング要求することによりデータを取得する場合について説明した。これに対して、データ転送先の画像通信装置が定期的に本来の宛先の画像通信装置に対してデータの送信を試みるように制御してもよい。以下、その実施形態について詳述する。
【0083】
図10A、図10Bは、図2に示したネットワークシステムにおける第4のデータ通信セッションを説明する図である。本例は、図2に示したネットワークシステムにおけるデータ通信セッションフロー例である。なお、F51〜F68はセッションを示し、D11及びD12はデータ通信ステップを示す。
【0084】
図10に示すように、本システムは、ネットワークを介して、NFAXA、NFAXB、NFAXFとSIPサーバが接続されている。このとき、NFAXFからSIPサーバを介してNFAXAへと画像データを送信することがユーザにより指定されたものとする。しかしながら、この時NFAXAは何かしらの要因で受信不可能な状態になっているものとする。そして、NFAXAの代替アドレスとしてNFAXBが予めリダイレクトサーバに登録されているものとする。なお、NFAXAが受信不可能な場合とは、印刷用紙が紙無しの状態、メモリフルの状態、電源OFFの状態等が考えられる。
【0085】
NFAXAは、装置内においてユーザにより事前に入力された転送先のアドレスをNFAXBとなるように登録させておく(S601)。
【0086】
そして、下記のような要因に基づき、NFAXAが受信不可能な状態となってしまった場合(S602)、REGSTERリクエストにより転送先の代替アドレスとして登録すべきアドレス(本実施形態ではNFAXBのアドレス)をSIPサーバに通知して登録指示する(F51)。ここで、転送先とは、本実施形態ではNFAXBとする例である。
【0087】
なお、NFAXAが受信不可能な状態としては、記録用紙無し状態、メモリフル状態、セッション数がフルとなる負荷大状態、電源OFF状態等を想定している。
【0088】
このようにして転送先の登録が終了すると、NFAXAはSIPサーバから200OK応答を受け取る(F52)。この状態において、NFAXFがNFAXAに対してファクシミリ送信のための発呼を行う(S603)。
【0089】
ここで、SIPサーバはNFAXFがメソッドINVITEを受け取る(F53)。この状況においては、第1実施形態と同様に、SIP情報のToアドレスとURIアドレスはNFAXAに対応する「1111」が設定されている。
【0090】
これを受けて、SIPサーバはNFAXAの情報をロケーションサーバより取得することとなる。しかしながら、前述の受信不可状態のためNFAXAの代替アドレスとしてNFAXBに対応する「2222」が登録されている。
【0091】
このため、SIPサーバは、メソッドINVITEを転送先であるNFAXBに転送する(F34)。このとき、INVITEの内容は、Toが「1111」で、転送先を示すURIが「2222」となっている。即ち、SIP情報のURIアドレスは、リダイレクトサーバに登録された内容に従って、SIPサーバSによりNFAXBに対応する「2222」と書換えられている。
【0092】
この状態において、NFAXBは、ACKメッセージをNFAXFに送り(F55)、正常にセッションが確立される。そして、NFAXFとNFAXBでファクシミリ通信が実行される(D11)。そして、NFAXBからメソッドBYEがNFAXFに対して発行され(F56)、その応答コード200OKがNFAXFからNFAXBに返送され(F57)、セッションが終了する。
【0093】
そして、一定時間経過後(定期的)に(TM1)、NFAXBはリダイレクトサーバによって、NFAXAのアドレスの問い合わせを行う(F58)。そして、SIPサーバからの応答をうけ(F59)、その応答のSIP情報であるアドレスを確認することが可能となる。
【0094】
そして、SIPサーバからの応答した情報によりNFAXAが受信可能状態に復帰されたことを検知すると(S605)、NFAXAは、REGSTERリクエストにより自機のアドレスをSIPサーバに再登録指示する(F60)。
【0095】
このようにして、自機のアドレス再登録が終了すると、NFAXAは、SIPサーバから200OK応答を受け取る(F61)。
【0096】
そして、NFAXBのCPU101は、一定時間経過後(定期的)に(TM2)、リダイレクトサーバによるアドレス問い合わせをSIPサーバに行い(F62)、SIPサーバからの応答(To:1111/URI:1111)を受ける(F63)。ここで、NFAXBのCPU101は、記憶装置に格納されたデータの転送先が変更されているかどうかをSIPサーバに登録された転送先情報に基づいて判別する。つまり、格納しているURIが1111のうち、Toが2222から1111に変更されているか否かを判別する。そして、NFAXBのCPU101がデータの転送先が変更されていると判別した場合に、記憶装置に格納している他の画像処理装置宛のデータを転送するため、以下の処理を行う。
【0097】
そして、NFAXBがSIPサーバにNFAXA宛ての文書(D11に基づく)を送信の接続要求を行う(F64)。そして、NFAXAはNFAXBからのメソッドINVITEをSIPサーバから受け取る(F65)。
【0098】
そして、NFAXAはACKメッセージをNFAXBに送り(F66)、セッションを確立してファクシミリ通信を行い(D12)、NFAXA宛ての文書を記憶装置から読み出して送信する。そして、NFAXBからNFAXAに対してBYEが発行され(F67)、その応答OKが返送され(F68)、セッションが終了する。
【0099】
このようにして、データ送信終了後にNFAXBの記憶装置に格納されたNFAXA宛て文書を消去する(S607)。
【0100】
なお、転送解除に関しては、NFAXAが、再度受信可能な状態へと復帰すると(S605)、REGSTERリクエストにより自機の情報を再登録指示し、転送先の登録が終了すると200OK応答を受け取ることにより成立する。
【0101】
前述の一定時間経過後(定期的)に、NFAXBはリダイレクトサーバによって、NFAXAのアドレスの問い合わせを行った後の処理(S1001)に関して、図11のフローチャートを用いて説明を行う。
【0102】
図11は、本実施形態を示す画像通信装置における第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、本例は、図2に示したNFAXBが転送文書を受信した際の処理(S604)の詳細処理例である。なお、S1101〜S1105は各ステップを示す。各ステップは、NFAXBのCPU101がROM108,HDD110に記憶される制御プログラムをRAM109にロードして実行することで実現される。
【0103】
まず、S1101で、CPU101がリダイレクトサーバを介して得られたSIP情報をもとに、ToアドレスとURIアドレスを比較して両アドレスが異なるかどうかを判定する。その比較結果で、CPU101がToアドレスとURIアドレスが異なると判断した場合は、S1104で、NFAXAが受信可能な状態へと復帰していないと判断する。
【0104】
そして、S1105で、転送文書をそのまま記憶装置に格納したままとし、次のリダイレクトサーバへの確認に備える。ここで、記憶装置は、HDD110、RAM109が含まれる。
【0105】
一方、S1101において、CPU101がToアドレスとURIアドレスとが同じと判断した場合は、S1102で、CPU101は、NFAXAが受信可能な状態へと復帰したと判断する(S1102)。そして、NFAXA宛ての文書を記憶装置内から選択し転送送信の準備して(S1103)、本処理を終了する。
【0106】
以上により、NFAXにおいて受信側に不具合が生じ受信不可能となった場合でも、転送設定された例えばNFAXBへファクシミリ通信することを可能となる。
【0107】
また、NFAXAが送信不可状況を回避できると共に、受信可能状態となった場合、転送設定されたNFAXBから文書を送信者が所望する装置へと送信することも可能となる。
【0108】
さらに、NFAXにおいて受信された文書が自機宛ての文書が、転送文書として送信された他機宛ての文書かを容易に識別することを可能となる。
【0109】
〔第3実施形態〕
以下、図12に示すメモリマップを参照して本発明に係る画像通信装置で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0110】
図12は、本発明に係る画像通信装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0111】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0112】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0113】
本実施形態における図7、図11に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0114】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0115】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0116】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0117】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0118】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0119】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0120】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0121】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではない。例えばそのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行う。そして、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0122】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込ませる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0123】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0124】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の第1実施形態を示す画像処理装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】図1に示した画像処理装置を含むネットワークシステムの一例を示す図である。
【図3】図2に示したネットワークシステムにおける第1のデータ通信セッションを説明する図である。
【図4】図2に示したSIPサーバが備える各サーバ機能と送信側の各NFAXとの関係を説明する図である。
【図5】図2に示したネットワークシステムにおける第2のデータ通信セッションを説明する図である。
【図6A】図2に示したネットワークシステムにおける第3のデータ通信セッションを説明する図である。
【図6B】図2に示したネットワークシステムにおける第3のデータ通信セッションを説明する図である。
【図7】本実施形態を示す画像通信装置における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態を示す画像通信装置における通信管理レポートの出力例を示す図である。
【図9】本実施形態を示す画像通信装置における通信管理レポートの出力例を示す図である。
【図10A】図2に示したネットワークシステムにおける第4のデータ通信セッションを説明する図である。
【図10B】図2に示したネットワークシステムにおける第4のデータ通信セッションを説明する図である。
【図11】本実施形態を示す画像通信装置における第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明に係る画像通信装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0126】
101 CPU
106 IPパケット作成/解析部
107 画像変換制御部
108 ROM
109 RAM
110 HDD
112 外部メモリ
113 ネットワークI/F部
114 T.38プロトコル作成/解析部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して接続された相手装置と通信して画像データを受信する画像通信装置、及びその制御方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、遠距離オフィス間における情報の伝達方法として、ファクシミリ装置を用いた画像データの送受信が用いられる。ファクシミリ装置による画像データの送受信は、PSTN回線を介してITU−T勧告T.30に従った手順を用いて行われる。
【0003】
また、近年ではこれに加えて、ITU−T勧告T.37に従ってファクシミリデータ形式の画像データを電子メールに添付して送受信するという方法が考えられている。この通信方法によれば、IPネットワークを介してデータの送受信を行うので、上述したITU−T勧告T.30に従ったファクシミリ通信よりも安価に画像データの送受信を行うことが可能となっている。
【0004】
また更に、ITU−T勧告T.38に従ってIPネットワークを介してリアルタイム形式でファクシミリデータの送受信を行うリアルタイム型インターネットファクシミリ通信(以下、IP−FAX通信とする)も考えられている。具体的には、送信側のファクシミリ装置と受信側のファクシミリ装置とがIPネットワークを介して直接接続されて、ITU−T勧告T.30に従ったファクシミリ信号をTCP/IPパケットに変換して送受信する。
【0005】
ところで、上述したIP−FAX通信では、ITU−T勧告H.323の呼制御手順が用いられる。また、最近ではITU−T勧告H.323と同様なセッション制御プロトコルであるSIP(Session Initiation Protocol)が注目されている。
【0006】
ITU−T勧告H.323の呼制御手順とSIPとを比較した場合、ITU−T勧告H.323は様々な規約を含んでいるため比較的複雑な仕様となっている。これに対して、SIPはセッションの開始、変更、終了などの基本的なセッション制御についてのみ規定されているため、比較的シンプルな仕様となっている。このため、SIPは拡張性が高く、他のシステムとの統合が容易であるといった様々なメリットがある。
【0007】
SIPはIP電話等のユーザ端末であるユーザエージェントとプロキシサーバ、リダイレクトサーバ、レジストラサーバの総称であるSIPサーバから構成される。そこで、例えばこのリダイレクトサーバを用いて受信側のファクシミリ装置の代替アドレスを登録しておくことが可能となっている。
【0008】
具体的には、受信側の特定のファクシミリ装置が宛先として指定された場合の画像データの転送先として他のファクシミリ装置をリダイレクトサーバに登録しておく。これにより、送信側のファクシミリ装置が特定の宛先に対して画像データを送信しようとした場合に、リダイレクトサーバから代替アドレスが読み出され、送信側のファクシミリ装置と代替アドレスが示すファクシミリ装置との間の呼接続が開始される。そして、送信側のファクシミリ装置は、代替アドレスが示すファクシミリ装置に対して画像データの送信を行う(例えば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2005−94662号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述のSIP機能を利用することで、受信側の画像通信装置が印刷用紙無しの状態やメモリフルの状態、セッション数のフルという負荷が大きい状態となってしまい受信不可能となった場合に、送信側の画像通信装置は代替アドレスへ画像データを送信する。
【0010】
これにより、送信側の画像通信装置においては転送先として設定された代替アドレスに対応する画像通信装置とセッションが確立しファクシミリ通信が完了可能となり、送信側の画像通信装置でいつまでも送信できない状況を打破することができる。しかしながら、この場合、実際に転送先として受信側のユーザが登録したとはいえ、本来受信すべきであった画像通信装置とは異なる画像通信装置に画像データが送信されることになる。即ち、本来受信すべきであった画像通信装置のユーザは、転送先の画像通信装置までわざわざ送信された画像データを取りに行かなければならず、面倒であった。また、転送されてきた画像データを受信した画像通信装置においても、本来自機宛てではない画像データを受信していつまでも記憶していると、メモリ資源が不足してしまう可能性がある。
【0011】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、本来の宛先とは異なる画像通信装置に送信された画像データを、本来の宛先である画像通信装置に転送できる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成する本発明の画像通信装置は以下に示す構成を備える。
【0013】
ネットワークを介して接続された相手装置と通信可能な画像通信装置であって、前記相手装置において他の画像通信装置が宛先として指定されて送信された画像データを、前記相手装置から受信する受信手段と、前記受信手段が受信した画像データを記憶する記憶手段と、前記他の画像通信装置からの画像データの送信要求を受け付ける受付手段と、前記受付手段が前記送信要求を受け付けた場合に、前記記憶手段に記憶した画像データの中から、前記他の画像通信装置が宛先として指定されて送信された画像データを検索する検索手段と、前記検索手段により検索された画像データを、前記他の画像通信装置に送信する送信手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、本来の宛先とは異なる画像通信装置に送信された画像データを、本来の宛先である画像通信装置に転送できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
【0016】
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態を示す画像通信装置を適用するネットワークシステムの構成を説明するブロック図である。なお、本例はネットワーク対応ファクシミリ装置100を画像通信装置の例として説明するが、ネットワークを介して画像データの通信を行う画像通信装置であれば、他の態様であっても構わない。以下、ネットワーク対応ファクシミリ装置を、NFAXと略記する。
【0017】
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施形態を例示的に詳しく説明する。ただし、本実施形態に記載されている図面はあくまで例示であり、本発明の範囲をそれらにのみ限定する主旨のものではない。
【0018】
図1において、101はCPUであり、ROM108に格納された制御プログラムに基づいてCPUデバイスに接続された各デバイスを制御する。
【0019】
103は表示操作部であり、その表示画面には、例えばウインドウ、アイコン、メッセージ、メニューその他のユーザインタフェース情報が表示操作部I/F部102を介して表示される。
【0020】
表示操作部103には、印刷枚数など指定する各種キーや、表示画面に表示されたアイコン、メニューその他のオブジェクトを指示するポインティングデバイスを備える。
【0021】
104はスキャナ部であり、原稿の読み取りを行う。105は印刷部であり、RAM(ランダムアクセスメモリ)109やHDD(ハードディスクドライブ)110に保存した印刷データの印刷を行う。108はROMであり、各種の制御プログラムやデータを保持する。ROM108には、図7、図11に示すフローチャートに示す手順や、図6,図10に示すセッションを実行するための制御プログラムも格納されている。
【0022】
109はRAMであり、CPU101のワーク領域、エラー処理時のデータの退避領域、制御プログラムのロード領域等を有する。110は内部記録装置としてのHDDであり、各種制御プログラムや印刷データを保存する。外部メモリ112への読み書きは外部メモリI/F111を介して行う。
【0023】
外部メモリ112はUSBメモリなど着脱可能な記録媒体を想定している。113はネットワークI/F部であり、図2に示すSIPサーバや他の情報処理装置やプリンタ等とネットワーク116を介して通信を行うことができる。115はCPUバスであり、アドレスバス、データバス及びコントロールバスを含む。CPU101に対する制御プログラムの提供は、ROM108から行う例を示す。
【0024】
114はT.38プロトコル作成/解析部で、ITU−U勧告T.38に規定されたプロトコルに従ったファクシミリ伝送情報を生成し、また受信したプロトコルからファクシミリ伝送情報を取り出す機能を持つ。
【0025】
106はIPパケット作成/解析部で、ITU−U勧告T.38プロトコルをIPパケットにマッピングし、また受信したIPパケットからITU−U勧告T.38プロトコルを取り出す機能を持つ。107は画像変換制御部で、ファクシミリ送受信する画像の圧縮伸張や変倍、線密度変換を行うユニットである。
【0026】
図2は、図1に示した画像通信装置を含むネットワークシステムの一例を示す図である。例えば3台のNFAXとSIPサーバから構成されるネットワークシステム例である。
【0027】
図2において、NFAXAとNFAXB及びNFAXFは、SIP対応のファクシミリ装置である。また、SIPサーバSは、プロキシサーバ、レジストラサーバ、ロケーションサーバ、リダイレクトサーバの4つのサーバ機能を備えている。これらの各サーバ機能は、SIPに基づいた通信を実行する場合にそれぞれ用いられる。なお、この4つのサーバの機能を1つのSIPサーバ内に実装させても構わないし、4つのサーバの機能を別々のSIPサーバに実装させても構わない。
【0028】
NFAXFが、ファクシミリ送信先であるNFAXAを呼び出す場合、相手先の指定を以下のように行う。本実施形態では、SIP−URI(Uniform Resource Identifier)と呼ばれるアドレス表記「sip:ipfax−a@domain.com」等で指定を行う。
【0029】
このアドレス表記の最初の「sip:」はSIPであることの識別子でプロトコルを指定するものである。また、「@」前の「ipfax−a」は通信先ユーザのID(SIPユーザ名)、「@」後ろの「domain.com」がSIPドメインである。
【0030】
図3は、図2に示したネットワークシステムにおける第1のデータ通信セッションを説明する図である。本例は、送信側のNFAXAが受信側のNFAXBを呼び出す際のSIPの基本通信セッションフロー例である。なお、F1〜F12はセッションを示し、D1はデータ通信ステップを示す。また、本例は、図中の上から下に向かって時系列的にセッションを示している。また、図2と同一のものには同一の符号を付してある。
【0031】
図3において、SIPによるセッションの確立/終了は、メソッドと応答コードにより行われる。
【0032】
送信側のNFAXAは、まず、自身のドメインA内にあるプロキシサーバに対してメソッドINVITEを発行し(F1)、セッションの確立を促す。ここで、プロキシサーバは、SIPサーバSによる機能である。
【0033】
メソッドINVITEを受け取ったプロキシサーバは、応答コード100Trying(NFAXBに対してリクエストを転送中であることを意味する)をNFAXAに返送する(F3)。また、受信側のNFAXBに対しては、メソッドINVITEの転送を試みる(F2)。
【0034】
その際、先程と同様に、受信側のNFAXBは、プロキシサーバに対して応答コード100Tryingを返送する(F4)。
【0035】
そして、プロキシサーバを介して到達したメソッドINVITEは、ここで初めてNFAXBに到達することになる。そして、NFAXBは、応答コード180RingingをNFAXAに対して通知する(F5,F6)。
【0036】
また、ここでNFAXBが呼び出しに応じる場合、応答コード200OKがNFAXAに対して返送され(F7,F8)。
【0037】
そして、NFAXAはメソッドACKによりメソッドINVITEに対する応答を受け取ったことをNFAXBに通知する(F9)。
【0038】
ここで、セッションが確立する(F10)。このセッションの確立後は、ITU−T勧告T.38に準拠したリアルタイムのファクシミリ通信が行われる(D1)。
【0039】
ファクシミリ通信後は、NFAXBからNFAXAにメソッドBYEが発行され(F11)、その応答コード200OKがNFAXAからNFAXBに返送される(F12)。ここで、セッションが終了する。
【0040】
図4は、図2に示したSIPサーバSが備える各サーバ機能と送受信側の各NFAXとの関係を概念的に説明する図である。なお、ここでは説明を分かり易くするために、各サーバ機能は別々の装置として備えられているものとする。また、各サーバ装置とNFAXはそれぞれネットワークを介して、T.38プロトコルで相互に通信可能に構成されている。なお、S401〜S408は通信ステップを示す。
【0041】
まず、送信側のNFAXAが自機のロケーションを登録するフローについて説明する。
【0042】
レジストラサーバ(SIPサーバB)とは、各NFAXの自機アドレス情報を登録するリクエストを、各NFAXから受信するサーバである。また、ロケーションサーバ(SIPサーバC)とは、レジストラサーバ(SIPサーバB)から通知される各NFAXのアドレス情報を蓄積して管理する。
【0043】
なお、各サーバ装置は、コンピュータ装置が備えるハードウエア資源を備え、ネットワーク通信制御ユニットを介してT.38プロトコルでそれぞれ通信可能に構成されている。ここで、ハードウエア資源は、CPU、ROM、RAM等を含むコントローラ部、ハードディスク等の記憶装置を含むものである。
【0044】
また、ロケーションサーバ(SIPサーバC)は蓄積しているアドレス情報に基づいて、後述するリダイレクトサーバ(SIPサーバD)やプロキシサーバ(SIPサーバA)によるアドレス情報の参照要求に応答する。
【0045】
NFAXAは、あらかじめメソッドREGISTER(S401)によりレジストラサーバ(SIPサーバB)へロケーション情報(アドレス情報)を通知する(S402)。そして、レジストラサーバ(SIPサーバB)は通知されたロケーション情報をロケーションサーバ(SIPサーバC)の記憶装置に登録しておく。
【0046】
次に、送信側のNFAXAが受信側のNFAXBを呼び出す処理について説明する。NFAXAからのメソッドINVITE(S403)は、まずプロキシサーバ(SIPサーバA)に転送される。
【0047】
メソッドINVITEを受け取ったプロキシサーバ(SIPサーバA)は、ロケーションサーバ(SIPサーバC)に指定されたアドレスに対応するNFAXのロケーション情報を問い合わせる(S404)。そして、NFAXBを特定する(S405)。
【0048】
そして、プロキシサーバ(SIPサーバA)は、NFAXBにINVITEメソッドを転送する(S406)。以下、図3に示す手順に従って画像データの送信が行われる。
【0049】
次に、リダイレクトサーバの役割について説明する。リダイレクトサーバには各NFAXの代替アドレスを登録しておくことができる。即ち、例えば自機が受信不可能な状態になった場合に、他のNFAXのアドレスを代替アドレスとして登録しておくことが可能である。こうすることにより、自機宛ての発呼が行われた場合には、ロケーションサーバ及びリダイレクトサーバに問い合わせを行うことにより、代替アドレスが読み出される。そして、送信側から送られたメソッドINVITEは代替アドレスが示すNFAXに転送される。
【0050】
図5は、図2に示したネットワークシステムにおける第2のデータ通信セッションを説明する図である。本例は、図4に示したレジストラサーバを介してNFAXCが装置情報を登録する場合のセッションフロー例である。
【0051】
図5において、NFAXCは、レジストラサーバに対してREGISTERリクエストをSIPサーバBに対して行う(F21)。
【0052】
REGISTERリクエストのポイントとしては、SIP―URI(Toヘッダ)と装置のアドレス(CONTACTヘッダ)、有効期限(Expiresヘッダ)である。ここで、NFAXCは、REGISTERリクエストにSIP端末のIPアドレスを入れて送信し、ロケーションサーバへと登録される。そして、SIPサーバBから200OK応答を受け取る(F22)ことにより登録が完了されたこととなる。
【0053】
なお、登録には有効期限があり、期限を過ぎた登録は消去される、また登録が消去される前にもREGISTERリクエストをSIPサーバBに再送信し(F23)、定期的に登録情報を更新する。そして、SIPサーバBから200OK応答を受け取る(F24)ことにより更新登録が完了されたこととなる。
【0054】
これにより最新のアドレスをロケーションサーバに登録しておけ、画像処理装置は常に最新の受け取りが可能となる。また、画像処理装置がオフラインとなった場合にも登録は消去されることとなる。
【0055】
<代替アドレスを用いた転送処理>
図6A、図6Bは、図2に示したネットワークシステムにおける第3のデータ通信セッションを説明する図である。本例は、図2に示したネットワークシステムにおけるデータ通信セッションフロー例である。なお、F31〜F48はセッションを示し、D61及びD62はデータ通信ステップを示す。また、NFAXA、NFAXB、NFAXFにはそれぞれ「1111」、「2222」、「3333」のURI情報がロケーションサーバに登録されているものとする。
【0056】
ネットワークを介して、NFAXA、NFAXB、NFAXFとSIPサーバが接続されている。このとき、NFAXFからSIPサーバを介してNFAXAへと画像データを送信することがユーザにより指定されたものとする。しかしながら、この時NFAXAは何かしらの要因で受信不可能な状態になっているものとする。そして、NFAXAの代替アドレスとしてNFAXBが予めリダイレクトサーバに登録されているものとする。なお、NFAXAが受信不可能な場合とは、印刷用紙が紙無しの状態、メモリフルの状態、電源OFFの状態等が考えられる。
【0057】
NFAXAは、装置内においてユーザにより事前に入力された転送先のアドレスを登録させておく(S601)。そして、NFAXAが受信不可能な状態となってしまった場合(S602)、REGSTERリクエストにより転送先の代替アドレスとして登録すべきアドレス(本実施形態ではNFAXBのアドレス)をSIPサーバに通知して登録指示する(F31)。
【0058】
このようにして転送先の登録が終了すると、NFAXAはSIPサーバから200OK応答を受け取る(F32)。この状態において、NFAXFがNFAXAに対してファクシミリ送信のための発呼を行う(S603)。
【0059】
ここで、SIPサーバはNFAXFからメソッドINVITEを受け取る(F33)。このINVITEには、Toに対応する情報として「1111」が、URIに対応する情報として「1111」が含まれている。To」及び「URI」は、SIPに規定されたアドレス情報であって、「To」はユーザが宛先として指定したNFAXを示し、「URI」は実際にメソッドINVITEなどの制御信号が送られるNFAXを示す。F33では、「To」及び「URI」の両方にNFAXAに対応する「1111」が指定されている。
【0060】
宛先として「1111」が指定されているので、SIPサーバはNFAXAの情報をロケーションサーバより取得することになっているが、前述の通りNFAXAは受信不可状態になっている。そして、SIPサーバSには、NFAXAの代替アドレスとして、NFAXBのアドレスが登録されている。
【0061】
このため、SIPサーバは、メソッドINVITEを転送先であるNFAXBに転送する(F34)。このとき、INVITEの内容は、Toが「1111」で、URIが「2222」となっている。即ち、SIP情報のURIアドレスは、リダイレクトサーバに登録された内容に従って、SIPサーバSによりNFAXBに対応する「2222」と書換えられている。
【0062】
この状態において、S604で、その後、NFAXBがNFAXAに代わってACKメッセージをNFAXFに送り(F35)、正常にセッションが確立され、NFAXFとNFAXBとの間でファクシミリ通信が実行される(D61)。
【0063】
そして、NFAXBからNFAXFにメソッドBYEが発行され(F36)、NFAXFからその応答コード200OKがNFAXBに返送され(F37)、セッションが終了する。
【0064】
一方、NFAXAは、S602で受信不可状態となった後、受信不可状態の要因に適応した特定の処理が実行されて、NFAXAが、再度受信可能な状態へと復帰する(S605)。
【0065】
これにより、REGSTERリクエストにより自機の情報をSIPサーバに再登録指示する(F38)。これに対して、SIPサーバによる登録が終了すると、SIPサーバから200OK応答を受け取る(F39)。
【0066】
その後、NFAXAがNFAXBに対してSIPサーバを介して、ポーリング受信を行うための発呼としてメソッドINVITEする(F40、F41)。その後、NFAXAはNFAXBからのDIS(初期識別)を受け取る(F42、F43)。
【0067】
その際、NFAXBのCPU101はNFAXA宛ての文書がNFAXB内の記憶装置に格納されているかどうかを判別する。そして、NFAXBのCPU101が、NFAXA宛ての文書がNFAXB内の記憶装置に格納されていると判別した場合に、原稿有りのビットを立てて通知する(S606)。なお、通知方法は、これ以外の通知方法であってもよい。
【0068】
一方、NFAXB内の記憶装置に原稿が格納されていなければファクシミリ通信せずに終了し、原稿がNFAXB内の記憶装置に格納されている場合は、NFAXAからDTS(送信命令)をNFAXBが受け取る(F44,F45)。
【0069】
このようにNFAXBのCPU101は、エラー状態から復帰した画像処理装置からのポーリング要求を前記サーバ装置を介して受信した場合に、復帰した画像処理装置宛のデータが格納されているかを判別する。そして、NFAXBのCPU101が復帰した画像処理装置宛のデータが格納されていると判別した場合に、エラー状態から復帰した画像処理装置宛に記憶装置に格納しているデータを転送する。具体的には、上記の通知処理後、以下のデータ転送処理を行う。
【0070】
つまり、NFAXAからACKメッセージをNFAXBに送り(F46)、受信セッションを確立してファクシミリ通信を行う(D62)。
【0071】
そして、NFAXAからNFAXBにBYEが発行され(F47)、NFAXBからそのOKがNFAXAに返送され(F48)、セッションが終了する。
【0072】
このようにして、NFAXBはNFAXA宛てに格納していた文書を送信する。そして、送信終了後にNFAXBの記憶装置に格納されたNFAXA宛て文書を消去する(S607)。
【0073】
図7は、本実施形態を示す画像通信装置における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、本例は、NFAXAにより転送先に指定された図2に示したNFAXBが転送文書を受信した際の処理(S604)の詳細処理例である。なお、S701〜S705、S703−a〜S703−eは各ステップを示す。各ステップは、NFAXBのCPU101がROM108,HDD110に記憶される制御プログラムをRAM109にロードして実行することで実現される。
【0074】
図6Aに示したS604で、NFAXBとSIPサーバとのセッションにおいて、SIPサーバからSIP情報を受取り、CPU101がその情報からToアドレスとURIアドレスを検知する。そして、検知したToアドレスの内容とURIアドレスの内容とを比較して、内容が異なるかどうかを判別する(S701)。ここで、CPU101結果による比較の結果、ToアドレスとURIアドレスが異なっている場合には、他機が宛先として指定されて送信された画像データであると判別する(S702)。そして、そのSIP情報をもとにS703中の処理のいずれかを行ってもよいし、全て行うこととしてもよい。
【0075】
S703中の処理としては、ToアドレスとURIアドレスをもとに通信管理情報等として記録または表示部等に表示させる(S703−a)。これにより、自機が宛先として指定されて送信された画像データであるか、または他機が宛先として指定されて送信され転送されてきた画像データであるかを、NFAXBのユーザが識別することが可能となる。またはToアドレス毎に区別して受信文書数を記録または表示部等に表示させる(S703−b)。さらに、受信した画像データを本来の宛先からのポーリング要求に応えられるように、Toアドレス毎に区別してHDD110に格納する(S703−c)。また、他機が宛先として指定されて送信された画像データであることを識別するための画像情報を受信した画像データに付加して印刷出力する(S703−d)。さらに、他機が宛先として指定されて送信された画像データについては、印刷出力するために所定のパスワードの入力をユーザに要求するように管理する(S703−e)。
【0076】
一方、S701において、CPU101がToアドレスとURIアドレスが同じであると判断した場合は、自機宛ての文書と識別し(S704)、通常のファクシミリ受信処理を行い(S705)、本処理を終了する。
【0077】
なお、転送先のファクシミリ装置で印刷出力した場合は、記憶装置から受信した画像データを削除する処理を実行させてもよい。
【0078】
図8、図9は、本実施形態を示す画像通信装置における通信管理レポートの出力例を示す図である。本例は、図7のS703−eで説明した記録される通信管理レポートの出力例である。
【0079】
特に、Toアドレスに対して、受信時刻と、URIアドレス、FROMアドレス等をレポートリストとして出力する結果例である。
【0080】
図9は、図7のS703−dで説明した転送受信文書である旨を意味する印900(本実施形態では、転送文書としている)をファクシミリ画像にフッター情報等の一部として付加して印刷出力させた場合の例である。
【0081】
本実施形態では、本来の宛先である画像通信装置がエラーから復帰したら、その画像通信装置が転送先にポーリング要求する。これにより、エラーから復帰した画像処理装置自身が他の画像処理装置に指定転送されている本来の転送宛のデータを取得することができる。
【0082】
〔第2実施形態〕
上記第1実施形態では、F40で、NFAXAがNFAXBに対してSIPサーバを介して、ポーリング受信を行うための発呼としてメソッドINVITEする。これにより、本来の宛先である画像通信装置がエラーから復帰したら、その画像通信装置が転送先にポーリング要求することによりデータを取得する場合について説明した。これに対して、データ転送先の画像通信装置が定期的に本来の宛先の画像通信装置に対してデータの送信を試みるように制御してもよい。以下、その実施形態について詳述する。
【0083】
図10A、図10Bは、図2に示したネットワークシステムにおける第4のデータ通信セッションを説明する図である。本例は、図2に示したネットワークシステムにおけるデータ通信セッションフロー例である。なお、F51〜F68はセッションを示し、D11及びD12はデータ通信ステップを示す。
【0084】
図10に示すように、本システムは、ネットワークを介して、NFAXA、NFAXB、NFAXFとSIPサーバが接続されている。このとき、NFAXFからSIPサーバを介してNFAXAへと画像データを送信することがユーザにより指定されたものとする。しかしながら、この時NFAXAは何かしらの要因で受信不可能な状態になっているものとする。そして、NFAXAの代替アドレスとしてNFAXBが予めリダイレクトサーバに登録されているものとする。なお、NFAXAが受信不可能な場合とは、印刷用紙が紙無しの状態、メモリフルの状態、電源OFFの状態等が考えられる。
【0085】
NFAXAは、装置内においてユーザにより事前に入力された転送先のアドレスをNFAXBとなるように登録させておく(S601)。
【0086】
そして、下記のような要因に基づき、NFAXAが受信不可能な状態となってしまった場合(S602)、REGSTERリクエストにより転送先の代替アドレスとして登録すべきアドレス(本実施形態ではNFAXBのアドレス)をSIPサーバに通知して登録指示する(F51)。ここで、転送先とは、本実施形態ではNFAXBとする例である。
【0087】
なお、NFAXAが受信不可能な状態としては、記録用紙無し状態、メモリフル状態、セッション数がフルとなる負荷大状態、電源OFF状態等を想定している。
【0088】
このようにして転送先の登録が終了すると、NFAXAはSIPサーバから200OK応答を受け取る(F52)。この状態において、NFAXFがNFAXAに対してファクシミリ送信のための発呼を行う(S603)。
【0089】
ここで、SIPサーバはNFAXFがメソッドINVITEを受け取る(F53)。この状況においては、第1実施形態と同様に、SIP情報のToアドレスとURIアドレスはNFAXAに対応する「1111」が設定されている。
【0090】
これを受けて、SIPサーバはNFAXAの情報をロケーションサーバより取得することとなる。しかしながら、前述の受信不可状態のためNFAXAの代替アドレスとしてNFAXBに対応する「2222」が登録されている。
【0091】
このため、SIPサーバは、メソッドINVITEを転送先であるNFAXBに転送する(F34)。このとき、INVITEの内容は、Toが「1111」で、転送先を示すURIが「2222」となっている。即ち、SIP情報のURIアドレスは、リダイレクトサーバに登録された内容に従って、SIPサーバSによりNFAXBに対応する「2222」と書換えられている。
【0092】
この状態において、NFAXBは、ACKメッセージをNFAXFに送り(F55)、正常にセッションが確立される。そして、NFAXFとNFAXBでファクシミリ通信が実行される(D11)。そして、NFAXBからメソッドBYEがNFAXFに対して発行され(F56)、その応答コード200OKがNFAXFからNFAXBに返送され(F57)、セッションが終了する。
【0093】
そして、一定時間経過後(定期的)に(TM1)、NFAXBはリダイレクトサーバによって、NFAXAのアドレスの問い合わせを行う(F58)。そして、SIPサーバからの応答をうけ(F59)、その応答のSIP情報であるアドレスを確認することが可能となる。
【0094】
そして、SIPサーバからの応答した情報によりNFAXAが受信可能状態に復帰されたことを検知すると(S605)、NFAXAは、REGSTERリクエストにより自機のアドレスをSIPサーバに再登録指示する(F60)。
【0095】
このようにして、自機のアドレス再登録が終了すると、NFAXAは、SIPサーバから200OK応答を受け取る(F61)。
【0096】
そして、NFAXBのCPU101は、一定時間経過後(定期的)に(TM2)、リダイレクトサーバによるアドレス問い合わせをSIPサーバに行い(F62)、SIPサーバからの応答(To:1111/URI:1111)を受ける(F63)。ここで、NFAXBのCPU101は、記憶装置に格納されたデータの転送先が変更されているかどうかをSIPサーバに登録された転送先情報に基づいて判別する。つまり、格納しているURIが1111のうち、Toが2222から1111に変更されているか否かを判別する。そして、NFAXBのCPU101がデータの転送先が変更されていると判別した場合に、記憶装置に格納している他の画像処理装置宛のデータを転送するため、以下の処理を行う。
【0097】
そして、NFAXBがSIPサーバにNFAXA宛ての文書(D11に基づく)を送信の接続要求を行う(F64)。そして、NFAXAはNFAXBからのメソッドINVITEをSIPサーバから受け取る(F65)。
【0098】
そして、NFAXAはACKメッセージをNFAXBに送り(F66)、セッションを確立してファクシミリ通信を行い(D12)、NFAXA宛ての文書を記憶装置から読み出して送信する。そして、NFAXBからNFAXAに対してBYEが発行され(F67)、その応答OKが返送され(F68)、セッションが終了する。
【0099】
このようにして、データ送信終了後にNFAXBの記憶装置に格納されたNFAXA宛て文書を消去する(S607)。
【0100】
なお、転送解除に関しては、NFAXAが、再度受信可能な状態へと復帰すると(S605)、REGSTERリクエストにより自機の情報を再登録指示し、転送先の登録が終了すると200OK応答を受け取ることにより成立する。
【0101】
前述の一定時間経過後(定期的)に、NFAXBはリダイレクトサーバによって、NFAXAのアドレスの問い合わせを行った後の処理(S1001)に関して、図11のフローチャートを用いて説明を行う。
【0102】
図11は、本実施形態を示す画像通信装置における第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、本例は、図2に示したNFAXBが転送文書を受信した際の処理(S604)の詳細処理例である。なお、S1101〜S1105は各ステップを示す。各ステップは、NFAXBのCPU101がROM108,HDD110に記憶される制御プログラムをRAM109にロードして実行することで実現される。
【0103】
まず、S1101で、CPU101がリダイレクトサーバを介して得られたSIP情報をもとに、ToアドレスとURIアドレスを比較して両アドレスが異なるかどうかを判定する。その比較結果で、CPU101がToアドレスとURIアドレスが異なると判断した場合は、S1104で、NFAXAが受信可能な状態へと復帰していないと判断する。
【0104】
そして、S1105で、転送文書をそのまま記憶装置に格納したままとし、次のリダイレクトサーバへの確認に備える。ここで、記憶装置は、HDD110、RAM109が含まれる。
【0105】
一方、S1101において、CPU101がToアドレスとURIアドレスとが同じと判断した場合は、S1102で、CPU101は、NFAXAが受信可能な状態へと復帰したと判断する(S1102)。そして、NFAXA宛ての文書を記憶装置内から選択し転送送信の準備して(S1103)、本処理を終了する。
【0106】
以上により、NFAXにおいて受信側に不具合が生じ受信不可能となった場合でも、転送設定された例えばNFAXBへファクシミリ通信することを可能となる。
【0107】
また、NFAXAが送信不可状況を回避できると共に、受信可能状態となった場合、転送設定されたNFAXBから文書を送信者が所望する装置へと送信することも可能となる。
【0108】
さらに、NFAXにおいて受信された文書が自機宛ての文書が、転送文書として送信された他機宛ての文書かを容易に識別することを可能となる。
【0109】
〔第3実施形態〕
以下、図12に示すメモリマップを参照して本発明に係る画像通信装置で読み取り可能なデータ処理プログラムの構成について説明する。
【0110】
図12は、本発明に係る画像通信装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【0111】
なお、特に図示しないが、記憶媒体に記憶されるプログラム群を管理する情報、例えばバージョン情報,作成者等も記憶され、かつ、プログラム読み出し側のOS等に依存する情報、例えばプログラムを識別表示するアイコン等も記憶される場合もある。
【0112】
さらに、各種プログラムに従属するデータも上記ディレクトリに管理されている。また、各種プログラムをコンピュータにインストールするためのプログラムや、インストールするプログラムが圧縮されている場合に、解凍するプログラム等も記憶される場合もある。
【0113】
本実施形態における図7、図11に示す機能が外部からインストールされるプログラムによって、ホストコンピュータにより遂行されていてもよい。そして、その場合、CD−ROMやフラッシュメモリやFD等の記憶媒体により、あるいはネットワークを介して外部の記憶媒体から、プログラムを含む情報群を出力装置に供給される場合でも本発明は適用されるものである。
【0114】
以上のように、前述した実施形態の機能を実現するソフトウエアのプログラムコードを記録した記憶媒体を、システムあるいは装置に供給する。そして、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0115】
この場合、記憶媒体から読み出されたプログラムコード自体が本発明の新規な機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0116】
従って、プログラムの機能を有していれば、オブジェクトコード、インタプリタにより実行されるプログラム、OSに供給するスクリプトデータ等、プログラムの形態を問わない。
【0117】
プログラムを供給するための記憶媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、MO、CD−ROM、CD−R、CD−RW、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM、DVDなどを用いることができる。
【0118】
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
【0119】
その他、プログラムの供給方法としては、クライアントコンピュータのブラウザを用いてインターネットのホームページに接続する。そして、該ホームページから本発明のコンピュータプログラムそのもの、もしくは、圧縮され自動インストール機能を含むファイルをハードディスク等の記録媒体にダウンロードすることによっても供給できる。また、本発明のプログラムを構成するプログラムコードを複数のファイルに分割し、それぞれのファイルを異なるホームページからダウンロードすることによっても実現可能である。つまり、本発明の機能処理をコンピュータで実現するためのプログラムファイルを複数のユーザに対してダウンロードさせるWWWサーバやftpサーバ等も本発明の請求項に含まれるものである。
【0120】
また、本発明のプログラムを暗号化してCD−ROM等の記憶媒体に格納してユーザに配布し、所定の条件をクリアしたユーザに対し、インターネットを介してホームページから暗号化を解く鍵情報をダウンロードさせる。そして、その鍵情報を使用することにより暗号化されたプログラムを実行してコンピュータにインストールさせて実現することも可能である。
【0121】
また、コンピュータが読み出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけではない。例えばそのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)等が実際の処理の一部または全部を行う。そして、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0122】
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込ませる。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【0123】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0124】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明の第1実施形態を示す画像処理装置の構成を説明するブロック図である。
【図2】図1に示した画像処理装置を含むネットワークシステムの一例を示す図である。
【図3】図2に示したネットワークシステムにおける第1のデータ通信セッションを説明する図である。
【図4】図2に示したSIPサーバが備える各サーバ機能と送信側の各NFAXとの関係を説明する図である。
【図5】図2に示したネットワークシステムにおける第2のデータ通信セッションを説明する図である。
【図6A】図2に示したネットワークシステムにおける第3のデータ通信セッションを説明する図である。
【図6B】図2に示したネットワークシステムにおける第3のデータ通信セッションを説明する図である。
【図7】本実施形態を示す画像通信装置における第1のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図8】本実施形態を示す画像通信装置における通信管理レポートの出力例を示す図である。
【図9】本実施形態を示す画像通信装置における通信管理レポートの出力例を示す図である。
【図10A】図2に示したネットワークシステムにおける第4のデータ通信セッションを説明する図である。
【図10B】図2に示したネットワークシステムにおける第4のデータ通信セッションを説明する図である。
【図11】本実施形態を示す画像通信装置における第2のデータ処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】本発明に係る画像通信装置で読み取り可能な各種データ処理プログラムを格納する記憶媒体のメモリマップを説明する図である。
【符号の説明】
【0126】
101 CPU
106 IPパケット作成/解析部
107 画像変換制御部
108 ROM
109 RAM
110 HDD
112 外部メモリ
113 ネットワークI/F部
114 T.38プロトコル作成/解析部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して接続された相手装置と通信可能な画像通信装置であって、
前記相手装置において他の画像通信装置が宛先として指定されて送信された画像データを、前記相手装置から受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した画像データを記憶する記憶手段と、
前記他の画像通信装置からの画像データの送信要求を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が前記送信要求を受け付けた場合に、前記記憶手段に記憶した画像データの中から、前記他の画像通信装置が宛先として指定されて送信された画像データを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された画像データを、前記他の画像通信装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする画像通信装置。
【請求項2】
前記受信手段は、セッション制御プロトコルに基づいて前記相手装置と通信することにより、前記画像データを受信することを特徴とする請求項1記載の画像通信装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記セッション制御プロトコル情報に含まれるTOアドレス情報毎に区別して、前記画像データを記憶することを特徴とする請求項2に記載の画像通信装置。
【請求項4】
ネットワークを介して接続された相手装置と通信可能な画像通信装置であって、
前記相手装置において他の画像通信装置が宛先として指定されて送信された画像データを、前記相手装置から受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した画像データを記憶する記憶手段と、
前記他の画像通信装置が受信可能な状態であるかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記他の画像通信装置が受信可能な状態であると判定した場合に、
前記記憶手段に記憶された画像データを、前記他の画像通信装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする画像通信装置。
【請求項5】
前記受信手段は、セッション制御プロトコルに基づいて前記相手装置と通信することにより、前記画像データを受信することを特徴とする請求項4記載の画像通信装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記受信手段が前記画像データを受信する際に用いた前記セッション制御プロトコル情報に含まれるURIアドレス情報が、前記ネットワーク上のサーバ装置に登録されているか否かを問い合わせることにより、前記判定を行うことを特徴とする請求項5に記載の画像通信装置。
【請求項7】
ネットワークを介して接続された相手装置と通信可能な画像通信装置の制御方法であって、
前記相手装置において他の画像通信装置が宛先として指定されて送信された画像データを、前記相手装置から受信する受信工程と、
前記受信工程が受信した画像データを記憶手段に記憶する記憶工程と、
前記他の画像通信装置からの画像データの送信要求を受け付ける受付工程と、
前記受付工程が前記送信要求を受け付けた場合に、前記記憶手段に記憶した画像データの中から、前記他の画像通信装置が宛先として指定されて送信された画像データを検索する検索工程と、
前記検索工程により検索された画像データを、前記他の画像通信装置に送信する送信工程と、
を備えることを特徴とする画像通信装置の制御方法。
【請求項8】
前記受信工程は、セッション制御プロトコルに基づいて前記相手装置と通信することにより、前記画像データを受信することを特徴とする請求項7記載の画像通信装置の制御方法。
【請求項9】
前記記憶手段は、前記セッション制御プロトコル情報に含まれるTOアドレス情報毎に区別して、前記画像データを記憶することを特徴とする請求項8に記載の画像通信装置の制御方法。
【請求項10】
ネットワークを介して接続された相手装置と通信可能な画像通信装置の制御方法であって、
前記相手装置において他の画像通信装置が宛先として指定されて送信された画像データを、前記相手装置から受信する受信工程と、
前記受信工程が受信した画像データを記憶手段に記憶する記憶工程と、
前記他の画像通信装置が受信可能な状態であるかどうかを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記他の画像通信装置が受信可能な状態であると判定した場合に、
前記記憶手段に記憶された画像データを、前記他の画像通信装置に送信する送信工程と、
を備えることを特徴とする画像通信装置の制御方法。
【請求項11】
前記受信工程は、セッション制御プロトコルに基づいて前記相手装置と通信することにより、前記画像データを受信することを特徴とする請求項10記載の画像通信装置の制御方法。
【請求項12】
前記判定工程は、前記受信工程が前記画像データを受信する際に用いた前記セッション制御プロトコル情報に含まれるURIアドレス情報が、前記ネットワーク上のサーバ装置に登録されているか否かを問い合わせることにより、前記判定を行うことを特徴とする請求項11に記載の画像通信装置の制御方法。
【請求項1】
ネットワークを介して接続された相手装置と通信可能な画像通信装置であって、
前記相手装置において他の画像通信装置が宛先として指定されて送信された画像データを、前記相手装置から受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した画像データを記憶する記憶手段と、
前記他の画像通信装置からの画像データの送信要求を受け付ける受付手段と、
前記受付手段が前記送信要求を受け付けた場合に、前記記憶手段に記憶した画像データの中から、前記他の画像通信装置が宛先として指定されて送信された画像データを検索する検索手段と、
前記検索手段により検索された画像データを、前記他の画像通信装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする画像通信装置。
【請求項2】
前記受信手段は、セッション制御プロトコルに基づいて前記相手装置と通信することにより、前記画像データを受信することを特徴とする請求項1記載の画像通信装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、前記セッション制御プロトコル情報に含まれるTOアドレス情報毎に区別して、前記画像データを記憶することを特徴とする請求項2に記載の画像通信装置。
【請求項4】
ネットワークを介して接続された相手装置と通信可能な画像通信装置であって、
前記相手装置において他の画像通信装置が宛先として指定されて送信された画像データを、前記相手装置から受信する受信手段と、
前記受信手段が受信した画像データを記憶する記憶手段と、
前記他の画像通信装置が受信可能な状態であるかどうかを判定する判定手段と、
前記判定手段により前記他の画像通信装置が受信可能な状態であると判定した場合に、
前記記憶手段に記憶された画像データを、前記他の画像通信装置に送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする画像通信装置。
【請求項5】
前記受信手段は、セッション制御プロトコルに基づいて前記相手装置と通信することにより、前記画像データを受信することを特徴とする請求項4記載の画像通信装置。
【請求項6】
前記判定手段は、前記受信手段が前記画像データを受信する際に用いた前記セッション制御プロトコル情報に含まれるURIアドレス情報が、前記ネットワーク上のサーバ装置に登録されているか否かを問い合わせることにより、前記判定を行うことを特徴とする請求項5に記載の画像通信装置。
【請求項7】
ネットワークを介して接続された相手装置と通信可能な画像通信装置の制御方法であって、
前記相手装置において他の画像通信装置が宛先として指定されて送信された画像データを、前記相手装置から受信する受信工程と、
前記受信工程が受信した画像データを記憶手段に記憶する記憶工程と、
前記他の画像通信装置からの画像データの送信要求を受け付ける受付工程と、
前記受付工程が前記送信要求を受け付けた場合に、前記記憶手段に記憶した画像データの中から、前記他の画像通信装置が宛先として指定されて送信された画像データを検索する検索工程と、
前記検索工程により検索された画像データを、前記他の画像通信装置に送信する送信工程と、
を備えることを特徴とする画像通信装置の制御方法。
【請求項8】
前記受信工程は、セッション制御プロトコルに基づいて前記相手装置と通信することにより、前記画像データを受信することを特徴とする請求項7記載の画像通信装置の制御方法。
【請求項9】
前記記憶手段は、前記セッション制御プロトコル情報に含まれるTOアドレス情報毎に区別して、前記画像データを記憶することを特徴とする請求項8に記載の画像通信装置の制御方法。
【請求項10】
ネットワークを介して接続された相手装置と通信可能な画像通信装置の制御方法であって、
前記相手装置において他の画像通信装置が宛先として指定されて送信された画像データを、前記相手装置から受信する受信工程と、
前記受信工程が受信した画像データを記憶手段に記憶する記憶工程と、
前記他の画像通信装置が受信可能な状態であるかどうかを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記他の画像通信装置が受信可能な状態であると判定した場合に、
前記記憶手段に記憶された画像データを、前記他の画像通信装置に送信する送信工程と、
を備えることを特徴とする画像通信装置の制御方法。
【請求項11】
前記受信工程は、セッション制御プロトコルに基づいて前記相手装置と通信することにより、前記画像データを受信することを特徴とする請求項10記載の画像通信装置の制御方法。
【請求項12】
前記判定工程は、前記受信工程が前記画像データを受信する際に用いた前記セッション制御プロトコル情報に含まれるURIアドレス情報が、前記ネットワーク上のサーバ装置に登録されているか否かを問い合わせることにより、前記判定を行うことを特徴とする請求項11に記載の画像通信装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10A】
【図10B】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2008−160286(P2008−160286A)
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−344395(P2006−344395)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】
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