説明

画像電送装置及びこれを用いた画像電送システム

【課題】相互に通信可能に複数接続される画像電送装置において、省エネルギを考慮したファクシミリ機能による代行送信を可能とする。
【解決手段】画像情報を保存する送信情報保存手段6と、複数の画像電送装置の動作状態を保存する動作状態保存手段7と、複数の画像電送装置の電源装置における1次側電源部の送信電力量を算出するための基礎情報を保存する電力基礎情報保存手段8と、保存された基礎情報に基づいて画像電送装置の1次側の送信電力量を算出する1次側送信電力量算出手段9と、算出された画像電送装置の1次側の送信電力量を比較して小さい方の画像電送装置を選択する画像送信選択手段10と、選択された画像電送装置が自機である場合は自機のファクシミリ機能部により画像送信を実行し、他機である場合は他機に対して画像送信を依頼すると共に前記保存された画像情報を他機に送信して実行させる画像送信実行手段11とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像電送装置及びこれを用いた画像電送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1記載の画像処理装置は、1または複数の他の画像処理装置とデータ通信可能に接続された画像処理装置において、原稿画像を読み取る画像読取手段と、自機の画像読取手段で原稿画像を読み取った画像データを、ファクシミリ機能を備えた接続される他の画像処理装置に送信して、ファクシミリ送信を依頼するファクシミリ送信依頼手段と、を備えて成る。
【0003】
また、特許文献2記載のファクシミリ装置は、同一のLAN上に複数接続されるファクシミリ装置であって、スキャナなどの読取手段から読み取られて圧縮符号化された送信文書の画データ量と、前記送信文書のページ毎の属性情報とを記憶する画データメモリと、自ファクシミリ装置を含む前記LAN上のファクシミリ装置から電話回線のトラフィック情報を取得する制御部と、該制御部が取得した前記トラフィック情報を記憶するトラフィック情報記憶部と、前記LANのプロトコルに従い、前記LAN上の他のファクシミリ装置とデータの送受信を行うLANインタフェース部とを備え、前記制御部は、前記トラフィック情報記憶部に記憶された前記トラフィック情報に基づき、最適な代行ファクシミリ装置を選定し、前記送信文書を前記代行ファクシミリ装置へ転送するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−290647号公報(発明の実施の形態、図3)
【特許文献2】特開2002−135476号公報(発明の実施の形態、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、複数の画像電送装置のうちの1の画像電送装置を用いて、省エネルギを考慮したファクシミリ機能による代行送信を可能とする画像電送装置及びこれを用いた画像電送システムを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る画像電送装置は、相互に通信可能に接続されて複数設けられる画像電送装置であって、通信回線を介して少なくとも画像送信可能なファクシミリ機能部と、商用電源に接続される1次側電源部及びこの1次側電源部を介して取り込んだ電力を内部の機能部に供給する2次側電源部から成る電源装置と、送信すべき画像情報を保存する送信情報保存手段と、複数の画像電送装置の動作状態を取得し保存する動作状態保存手段と、複数の画像電送装置の電源装置における1次側電源部の送信電力量を算出するための基礎情報を取得し保存する電力基礎情報保存手段と、この電力基礎情報保存手段に保存された前記基礎情報に基づいて各画像電送装置の1次側電源部の送信電力量を算出する1次側送信電力量算出手段と、この1次側送信電力量算出手段で算出された各画像電送装置の1次側電源部の送信電力量を比較して小さい方の画像電送装置を選択する画像送信選択手段と、この画像送信選択手段にて選択された画像電送装置、前記送信情報保存手段に保存された画像情報、及び前記動作状態保存手段に保存された動作状態に基づいて、前記画像送信選択手段で選択された画像電送装置が自機である場合は自機のファクシミリ機能部により画像送信を実行し、他機である場合は他機に対して画像送信を依頼すると共に前記送信情報保存手段に保存された画像情報を他機に送信して実行させる画像送信実行手段とを備えたものである。
【0007】
請求項2に係る発明は、前記電力基礎情報保存手段は、各画像電送装置の動作状態における画像送信時の電源装置の1次側電源部及び2次側電源部の送信電力量の割合を示す電源効率を保存する電源効率保存部と、各画像電送装置の画像送信時の2次側電源部の送信電力量を保存する2次側送信電力量保存部とを備えて成ることを特徴とする請求項1記載の画像電送装置である。
【0008】
請求項3に係る発明は、前記電力基礎情報保存手段は、各画像電送装置の動作状態における画像送信時の電源装置の1次側電源部及び2次側電源部の送信電力量の割合を示す電源効率を保存する電源効率保存部と、各画像電送装置の画像送信時の2次側電源部の送信電力量を保存する2次側送信電力量保存部と、各画像電送装置の動作状態におけるその動作状態時間を保存する動作状態時間保存部とを備えて成ることを特徴とする請求項1記載の画像電送装置である。
【0009】
請求項4に係る画像電送システムは、相互に通信可能に接続される複数の画像電送装置を有し、前記画像電送装置は、通信回線を介して少なくとも画像送信可能なファクシミリ機能部と、商用電源に接続される1次側電源部及びこの1次側電源部を介して取り込んだ電力を内部の機能部に供給する2次側電源部から成る電源装置と、送信すべき画像情報を保存する送信情報保存手段と、複数の画像電送装置の動作状態を取得し保存する動作状態保存手段と、複数の画像電送装置の電源装置における1次側電源部の送信電力量を算出するための基礎情報を取得し保存する電力基礎情報保存手段と、この電力基礎情報保存手段に保存された前記基礎情報に基づいて各画像電送装置の1次側電源部の送信電力量を算出する1次側送信電力量算出手段と、この1次側送信電力量算出手段で算出された各画像電送装置の1次側電源部の送信電力量を比較して小さい方の画像電送装置を選択する画像送信選択手段と、この画像送信選択手段にて選択された画像電送装置、前記送信情報保存手段に保存された画像情報、及び前記動作状態保存手段に保存された動作状態に基づいて、前記画像送信選択手段で選択された画像電送装置が自機である場合は自機のファクシミリ機能部により画像送信を実行し、他機である場合は他機に対して画像送信を依頼すると共に前記送信情報保存手段に保存された画像情報を他機に送信して実行させる画像送信実行手段とを備えたものである。
【0010】
請求項5に係る画像電送システムは、相互に通信可能に接続される複数の画像電送装置、及び複数の画像電送装置を管理する集中管理装置を有し、前記画像電送装置又は前記集中管理装置は、通信回線を介して少なくとも画像送信可能なファクシミリ機能部と、商用電源に接続される1次側電源部及びこの1次側電源部を介して取り込んだ電力を内部の機能部に供給する2次側電源部から成る電源装置と、送信すべき画像情報を保存する送信情報保存手段と、複数の画像電送装置の動作状態を取得し保存する動作状態保存手段と、複数の画像電送装置の電源装置における1次側電源部の送信電力量を算出するための基礎情報を取得し保存する電力基礎情報保存手段と、この電力基礎情報保存手段に保存された前記基礎情報に基づいて各画像電送装置の1次側電源部の送信電力量を算出する1次側送信電力量算出手段と、この1次側送信電力量算出手段で算出された各画像電送装置の1次側電源部の送信電力量を比較して小さい方の画像電送装置を選択する画像送信選択手段と、この画像送信選択手段にて選択された画像電送装置、前記送信情報保存手段に保存された画像情報、及び前記動作状態保存手段に保存された動作状態に基づいて、前記画像送信選択手段で選択された画像電送装置が自機である場合は自機のファクシミリ機能部により画像送信を実行し、他機である場合は他機に対して画像送信を依頼すると共に前記送信情報保存手段に保存された画像情報を他機に送信して実行させる画像送信実行手段とを備えたものである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に係る発明によれば、複数の画像電送装置のうちの1の画像電送装置を用いて、省エネルギを考慮したファクシミリ機能による代行送信を可能とすることができる。
請求項2に係る発明によれば、各画像電送装置の画像送信時の電源装置の1次側電源部及び2次側電源部の送信電力量の割合を示す電源効率と、各画像電送装置の画像送信時の2次側電源部の送信電力量とに基づいて各画像電送装置の1次側電源部の送信電力量を算出することができる。
請求項3に係る発明によれば、各画像電送装置の画像送信時の電源装置の1次側電源部及び2次側電源部の送信電力量の割合を示す電源効率と、各画像電送装置の画像送信時の2次側電源部の送信電力量と、各画像電送装置の動作状態におけるその動作状態時間とに基づいて各画像電送装置の1次側の送信電力量を算出することができる。
請求項4に係る発明によれば、省エネルギを考慮したファクシミリ機能による代行送信を可能とする画像電送装置を含む、画像電送システムを構成することができる。
請求項5に係る発明によれば、複数の画像電送装置のうちの1の画像電送装置と集中管理装置とを用いて、省エネルギを考慮したファクシミリ機能による代行送信を可能とする画像電送システムを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明による画像電送装置の実施の形態の概要を示す説明図であり、(a)は装置全体を示す概要図であり、(b)は画像電送装置の処理部の内部構成を示すブロック図である。
【図2】処理部内の1次側送信電力量算出手段における1次側電源部の送信電力量の算出動作を示す説明図である。
【図3】本実施形態による画像電送装置が適用された画像電送システムの実施形態を示す説明図である。
【図4】第1の実施形態による画像電送装置の構成を示すブロック図であり、図面を簡略化するため図1(a)に示す画像電送装置のうち処理部の内部構成について具体例を示している。
【図5】図3に示す第1の画像電送装置及び第2の画像電送装置についてその動作状態に応じた電源装置の電源効率を示す表であり、(a)が第1の画像電送装置の電源効率を示し、(b)が第2の画像電送装置の電源効率を示している。
【図6】図5に示す第1及び第2の画像電送装置において画像送信が有る場合の電源効率のデータを基に、待機状態又は印刷状態での1次側の送信電力量を算出した一例を示す表である。
【図7】図5(a)に示す第1の画像電送装置についてその動作状態に応じた電源装置の電源効率及び図6に示す第1の画像電送装置について待機状態又は印刷状態での1次側の送信電力量をまとめて示すグラフである。
【図8】図5(b)に示す第2の画像電送装置についてその動作状態に応じた電源装置の電源効率及び図6に示す第2の画像電送装置について待機状態又は印刷状態での1次側の送信電力量をまとめて示すグラフである。
【図9】画像電送装置全体の1次側の電力量と2次側の電力量との関係を示すグラフである。
【図10】第1の実施形態による画像電送装置の動作を説明するフローチャートである。
【図11】第2の実施形態による画像電送装置の構成を示すブロック図であり、図面を簡略化するため図1(a)に示す画像電送装置のうち処理部の内部構成について具体例を示している。
【図12】図11に示す第2の実施形態の第1及び第2の画像電送装置において待機状態又は印刷状態での電源効率のデータを基に、待機状態又は印刷状態での1次側の送信電力量を算出した一例を示す表である。
【図13】図11に示す第2の実施形態の第1及び第2の画像電送装置において、動作状態が待機状態と印刷状態との間で変化した際の待機状態又は印刷状態での1次側の送信電力量を算出した一例を示す表である。
【図14】第2の実施形態による画像電送装置の動作を説明するフローチャートである。
【図15】本実施形態による画像電送装置が適用された画像電送システムの第2の実施形態を示す説明図である。
【図16】第2の実施形態による画像電送システムにおける集中管理装置の構成を示すブロック図である。
【図17】第2の実施形態による画像電送システムにおける画像電送装置の構成を示すブロック図であり、図面を簡略化するため図1(a)に示す画像電送装置のうち処理部の内部構成について具体例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
〔実施の形態の概要〕
図1は本発明による画像電送装置の実施の形態の概要を示す説明図であり、(a)は装置全体を示す概要図であり、(b)は画像電送装置の処理部の内部構成を示すブロック図である。この実施形態による画像電送装置1は、図1(a)に示されるように、商用電源に接続される1次側電源部2a及びこの1次側電源部2aを介して取り込んだ電力を内部の機能部に供給する2次側電源部2bから成る電源装置2を備え、通信回線3を介して画像情報を少なくとも送信可能なファクシミリ機能部4を有し、該ファクシミリ機能部4による画像情報の送信を処理する処理部5を有して、複数の画像電送装置が相互に通信可能に接続されるようになっており、一般にファクシミリ装置と呼ばれるものである。
【0014】
このような実施形態において、電源装置2の1次側電源部2aは商用電源に電力受給線が接続されて電力を取り込み、2次側電源部2bは前記1次側電源部2aを介して取り込んだ電力を内部の機能部に供給するようになっている。前記ファクシミリ機能部4は、通信回線3を介して画像情報を少なくとも送信可能とするものである。なお、少なくとも送信可能なファクシミリ機能部4を有するとは、例えば送信専用のファクシミリ装置を含む趣旨であり、送信機能に加えて、受信機能、画像読取機能、画像印刷機能のうち一つ又は二つ以上の機能を含むファクシミリ装置であってもよい。
【0015】
ここで、本実施形態においては、複数の画像電送装置のうち、ファクシミリ機能を用いて画像送信を実行する画像電送装置を決めるために、ファクシミリ機能とは別の通信機能を用いて、他の画像電送装置と通信を行って情報を取得する。ファクシミリ機能と別の通信機能としては、LAN(Local Area Network)、USB(Universal Serial Bus)等を用いることができる。また、有線だけでなく無線を用いてもよい。
例えば、LAN回線を利用して他の画像電送装置の情報(動作状態等)を取得する場合には、自機に、予めファクシミリ機能を用いて画像送信を実行する可能性を持つ画像電送装置のIPアドレス(Internet Protocol Address)を登録しておく。そして、ファクシミリ機能を用いて画像送信を実行する指示を受け付けた場合に、登録したIPアドレスに対応する画像電送装置の情報を取得する(詳細は後述する)。なお、予めIPアドレスを設定する必要はなく、他の画像電送装置に通信する必要がある際に、通信回線に接続された画像電送装置を検索し、検索された画像電送装置から情報を取得するようにしてもよい。
【0016】
また、前記処理部5は、前記ファクシミリ機能部4による画像情報の送信を処理するもので、図1(b)に示すように、送信すべき画像情報を保存する送信情報保存手段6と、複数の画像電送装置の動作状態を取得し保存する動作状態保存手段7と、複数の画像電送装置の電源装置2における1次側電源部2aの送信電力量を算出するための基礎情報を取得し保存する電力基礎情報保存手段8と、この電力基礎情報保存手段8に保存された前記基礎情報に基づいて各画像電送装置の1次側電源部2aの送信電力量を算出する1次側送信電力量算出手段9と、この1次側送信電力量算出手段9で算出された各画像電送装置の1次側電源部2aの送信電力量を比較して小さい方の画像電送装置を選択する画像送信選択手段10と、この画像送信選択手段10にて選択された画像電送装置、前記送信情報保存手段6に保存された画像情報、及び前記動作状態保存手段7に保存された動作状態に基づいて、前記画像送信選択手段10で選択された画像電送装置が自機である場合は自機のファクシミリ機能部4により画像送信を実行し、他機である場合は他機に対して画像送信を依頼すると共に前記送信情報保存手段6に保存された画像情報を他機に送信して実行させる画像送信実行手段11とを備えている。なお、図1(b)において、符号12は前記通信回線3を介して他機と情報の送受信を行うインターフェースとしての通信回線接続入出力手段を示し、符号13は処理部5内における各構成要素を接続して情報を送受信する共通母線を示している。
【0017】
このような構成の処理部5において、送信情報保存手段6は、送信すべき画像情報を保存するもので、自機で読み取った画像情報及び通信回線3を介して他機から送られた画像情報等を保存するようになっている。
また、動作状態保存手段7は、前記通信回線3に接続される複数の画像電送装置の動作状態を取得し保存するもので、例えば画像電送装置が待機状態であるか、印刷状態であるかの動作状態を保存するようになっている。
【0018】
さらに、電力基礎情報保存手段8は、前記通信回線3に接続される複数の画像電送装置の電源装置2における1次側電源部2aの送信電力量を算出するための基礎情報を取得し保存するもので、少なくとも各画像電送装置の動作状態における画像送信時の電源装置の1次側電源部2aと2次側電源部2bとの送信電力量の割合を示す電源効率と、各画像電送装置の画像送信時の2次側電源部2bの送信電力量とを保存するようになっている。
【0019】
また、1次側送信電力量算出手段9は、前記電力基礎情報保存手段8に保存された前記基礎情報に基づいて各画像電送装置の1次側電源部2aの送信電力量を算出するものである。この1次側送信電力量算出手段9における1次側電源部2aの送信電力量の算出動作は、図2に示すように行われる。いま、1次側電源部2aの送信電力量(以下「1次側の送信電力量」と略称する)をAとし、2次側電源部2bの送信電力量(以下「2次側の送信電力量」と略称する)をBとし、画像送信時の電源装置2の1次側電源部2a及び2次側電源部2bの送信電力量A,Bの割合を示す電源効率をEとして、2次側の送信電力量Bと電源効率Eとが既知であるとすると、1次側の送信電力量Aは、A=B/Eの式で算出される。
また、画像電送装置の画像送信時の待機状態又は印刷状態などの動作状態を加味する場合は、前記2次側の送信電力量B及び電源効率E以外に、その動作状態時間Tをも用いて1次側の送信電力量Aが算出される。
【0020】
そして、画像送信選択手段10は、前記1次側送信電力量算出手段9で算出された各画像電送装置の1次側の送信電力量Aを比較して小さい方の画像電送装置を選択するものである。また、画像送信実行手段11は、前記画像送信選択手段10にて選択された画像電送装置、前記送信情報保存手段6に保存された画像情報、及び前記動作状態保存手段7に保存された動作状態に基づいて、前記画像送信選択手段10で選択された画像電送装置が自機である場合は自機のファクシミリ機能部4により画像送信を実行し、他機である場合は他機に対して画像送信を依頼すると共に前記送信情報保存手段6に保存された画像情報を他機に送信して実行させるものである。
【0021】
ここで、前記電力基礎情報保存手段8の一つの実施形態は、各画像電送装置の動作状態における画像送信時の電源装置2の1次側電源部2aと2次側電源部2bとの送信電力量A,Bの割合を示す電源効率Eを保存する電源効率保存部と、各画像電送装置の画像送信時の2次側電源部2bの送信電力量Bを保存する2次側送信電力量保存部とを備えて成る。
これにより、図2に示すように、各画像電送装置の動作状態における画像送信時の電源装置2の電源効率Eと、2次側の送信電力量Bとに基づいて各画像電送装置の1次側電源部2aの送信電力量Aを算出して、省エネルギを考慮したファクシミリ機能による代行送信が実行される。
【0022】
また、前記電力基礎情報保存手段8の他の実施形態は、各画像電送装置の動作状態における画像送信時の電源装置2の1次側電源部2aと2次側電源部2bとの送信電力量A,Bの割合を示す電源効率Eを保存する電源効率保存部と、各画像電送装置の画像送信時の2次側電源部2bの送信電力量Bを保存する2次側送信電力量保存部と、各画像電送装置の動作状態におけるその動作状態時間Tを保存する動作状態時間保存部とを備えて成る。
これにより、図2に示すように、各画像電送装置の動作状態における画像送信時の電源装置2の電源効率Eと、2次側の送信電力量Bと、各画像電送装置の動作状態におけるその動作状態時間Tとに基づいて各画像電送装置の1次側電源部2aの送信電力量Aを算出して、省エネルギを考慮したファクシミリ機能による代行送信が実行される。
【0023】
また、本実施形態による画像電送装置が適用される画像電送システムは、相互に通信可能に接続される複数の画像電送装置1を有し、前記画像電送装置1は、通信回線3を介して少なくとも画像送信可能なファクシミリ機能部4と、商用電源に接続される1次側電源部2a及びこの1次側電源部2aを介して取り込んだ電力を内部の機能部に供給する2次側電源部2bから成る電源装置と、送信すべき画像情報を保存する送信情報保存手段6と、複数の画像電送装置の動作状態を取得し保存する動作状態保存手段7と、複数の画像電送装置の電源装置2における1次側電源部2aの送信電力量を算出するための基礎情報を取得し保存する電力基礎情報保存手段8と、この電力基礎情報保存手段8に保存された前記基礎情報に基づいて各画像電送装置の1次側電源部2aの送信電力量を算出する1次側送信電力量算出手段9と、この1次側送信電力量算出手段9で算出された各画像電送装置の1次側電源部2aの送信電力量を比較して小さい方の画像電送装置を選択する画像送信選択手段10と、この画像送信選択手段10にて選択された画像電送装置、前記送信情報保存手段6に保存された画像情報、及び前記動作状態保存手段7に保存された動作状態に基づいて、前記画像送信選択手段10で選択された画像電送装置が自機である場合は自機のファクシミリ機能部4により画像送信を実行し、他機である場合は他機に対して画像送信を依頼すると共に前記送信情報保存手段6に保存された画像情報を他機に送信して実行させる画像送信実行手段11とを備えたものである。
【0024】
さらに、本実施形態による画像電送装置が適用される画像電送システムの他の実施形態は、相互に通信可能に接続される複数の画像電送装置1、及び複数の画像電送装置1を管理する集中管理装置を有し、前記画像電送装置1又は前記集中管理装置は、通信回線3を介して少なくとも画像送信可能なファクシミリ機能部4と、商用電源に接続される1次側電源部2a及びこの1次側電源部2aを介して取り込んだ電力を内部の機能部に供給する2次側電源部2bから成る電源装置と、送信すべき画像情報を保存する送信情報保存手段6と、複数の画像電送装置の動作状態を取得し保存する動作状態保存手段7と、複数の画像電送装置の電源装置2における1次側電源部2aの送信電力量を算出するための基礎情報を取得し保存する電力基礎情報保存手段8と、この電力基礎情報保存手段8に保存された前記基礎情報に基づいて各画像電送装置の1次側電源部2aの送信電力量を算出する1次側送信電力量算出手段9と、この1次側送信電力量算出手段9で算出された各画像電送装置の1次側電源部2aの送信電力量を比較して小さい方の画像電送装置を選択する画像送信選択手段10と、この画像送信選択手段10にて選択された画像電送装置、前記送信情報保存手段6に保存された画像情報、及び前記動作状態保存手段7に保存された動作状態に基づいて、前記画像送信選択手段10で選択された画像電送装置に対して画像送信を依頼すると共に前記送信情報保存手段6に保存された画像情報を送信して実行させる画像送信実行手段11とを備えたものである。
【0025】
以下、添付図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明する。
〔第1の実施形態〕
図3は本実施形態による画像電送装置が適用された画像電送システムの実施形態を示す説明図である。この画像電送システム20は、複数の画像電送装置を相互に通信可能に接続し、夫々の画像電送装置には商用電源に接続される1次側電源部及びこの1次側電源部を介して取り込んだ電力を内部の機能部に供給する2次側電源部から成る電源装置(図1(a)の符号2を参照)を備え、通信回線を介して少なくとも送信可能なファクシミリ機能部(図1(a)の符号4を参照)を具備させたものであって、省エネルギを考慮したファクシミリ機能による代行送信を可能とするもので、通信回線3と、複数の画像電送装置1a,1bと、電話回線21a,21bとを組み合わせて成る。
【0026】
前記通信回線3は、複数の画像電送装置1a,1bを互いに情報通信可能に接続するもので、通信ネットワークと呼ばれるものであり、例えばインターネット等の大規模なネットワークも含むものである。また、前記電話回線21a,21bは、他の場所に設置された他の画像電送装置との間で画像情報を送受信するもので、一つの電話回線21aは第1の画像電送装置1aに接続され、他の電話回線21bは第2の画像電送装置1bに接続される。
【0027】
そして、前記通信回線3に対して、ネットワーク接続が可能な2台の画像電送装置1a,1bが接続されており、各画像電送装置1a,1bは、それぞれ電話回線21a,21bに接続されている。このような状態で、各画像電送装置1a,1bは、それぞれが通信回線3を介して情報を送受信でき、また、それぞれが電話回線21a,21bを介して画像送信を実行できるようになっている。なお、前記画像電送装置1a,1bは必ずしも電話回線21a,21bに接続されていなくてもよく、インターネット等を含む通信回線3に接続されていればよい。また、図3では、2台の画像電送装置1a,1bを通信回線3に接続しているが、本発明はこれに限られず、3台以上の画像電送装置1を接続したものであってもよい。
【0028】
ここで、図3に示す各画像電送装置1a,1bの具体的な構成について、図4を参照して説明する。ここでは、代表的に第1の画像電送装置1aについて説明する。なお、図4においては、図面を簡略化するため図1(a)に示す画像電送装置1のうち処理部5の内部構成について具体例を示している。
図4において、第1の実施形態による画像電送装置1aは、記録紙などの記録媒体に記録された画像を読み取った画像情報又は他機から送られた画像情報等を電話回線21aを介して送信するもので、通信回線3を介して少なくとも画像送信可能なファクシミリ機能部を有し、複数のものが相互に通信可能に接続されており、一般にファクシミリ装置と呼ばれるものである。そして、その内部には、図4に示すように、送信情報保存部22と、動作状態保存部23と、電源効率保存部24と、2次側送信電力量保存部25と、1次側送信電力量算出部26と、画像送信選択実行部27と、通信回線接続入出力部28と、電話回線接続入出力部29とを備えている。なお、この画像電送装置1aは、ファクシミリ機能の不実行により消費電力が低減可能とされている。
【0029】
前記送信情報保存部22は、自機又は他機で送信すべき画像情報を保存しておくもので、自機で読み取った画像情報及び通信回線3を介して他機から送られた画像情報等を保存するようになっており、例えば画像記憶手段から成る。
また、動作状態保存部23は、前記通信回線3に接続された複数の画像電送装置の動作状態を取得し保存するもので、自機及び図3に示す通信回線3に接続された他機が待機状態であるか、印刷状態であるかの動作状態を保存するようになっており、例えば情報記憶手段から成る。
【0030】
電源効率保存部24は、前記待機状態又は印刷状態における自機及び他機の電源装置2(図1(a)参照)の画像送信時の電源効率を保存するもので、例えば情報記憶手段から成る。ここで、電源装置2の画像送信時の電源効率とは、自機及び他機の電源装置2の1次側電源部2aと2次側電源部2bとの送信電力量の割合を示すものである。なお、電源装置2の1次側電源部2aの送信電力量とは、商用電源に画像電送装置の電力受給線を接続した状態で画像送信時に該商用電源側が消費する電力量(交流)をいう。また、電源装置2の2次側電源部2bの送信電力量とは、画像送信時に当該画像電送装置の内部機器で消費する電力量(直流)をいう。
また、2次側送信電力量保存部25は、前記自機及び他機の画像送信時の2次側電源部2bの送信電力量を保存するもので、例えば情報記憶手段から成る。
そして、前記電源効率保存部24と2次側送信電力量保存部25とで、図1に示す画像電送装置1の電源装置2における1次側電源部2aの送信電力量を算出するための基礎情報を取得し保存する電力基礎情報保存手段8を構成している。
【0031】
1次側送信電力量算出部26は、前記電源効率保存部24より読み出した電源効率及び2次側送信電力量保存部25より読み出した2次側電源部2bの送信電力量に基づいて自機及び他機の1次側電源部2aの送信電力量を算出するもので、例えば演算手段から成る。
【0032】
また、画像送信選択実行部27は、前記1次側送信電力量算出部26にて算出された各画像電送装置の1次側電源部2aの送信電力量を比較して小さい方の画像電送装置を選択し、この選択された画像電送装置、前記送信情報保存部22に保存された画像情報、及び前記動作状態保存部23に保存された動作状態に基づいて、前記選択された画像電送装置が自機である場合は自機のファクシミリ機能部4により画像送信を実行し、他機である場合は他機に対して画像送信を依頼すると共に前記送信情報保存部22に保存された画像情報を他機に送信して実行させるもので、例えば比較手段及び中央演算処理手段から成る。なお、この画像送信選択実行部27は、図1(b)に示す画像送信選択手段10及び画像送信実行手段11を組み合わせたものである。
【0033】
なお、図4は、図3に示す第1の画像電送装置1aについて説明したものであるが、第2の画像電送装置1bについても図4と同じに構成されている。
【0034】
図5は、図3に示す第1の画像電送装置1a及び第2の画像電送装置1bについて、その動作状態に応じた電源装置2の電源効率を示す表である。
図5(a)は、第1の画像電送装置1aの電源効率を示している。第1の画像電送装置1aの待機状態において、画像送信が無い(ファクシミリ機能は不実行で、他の機能は生きている)場合の電源効率は30%であり、画像送信が有る(ファクシミリ機能を実行し、他の機能も生きている)場合の電源効率は50%である。また、第1の画像電送装置1aの印刷状態において、画像送信が無い場合の電源効率は80%であり、画像送信が有る場合の電源効率は75%である。
図5(b)は、第2の画像電送装置1bの電源効率を示している。第2の画像電送装置1bの待機状態において、画像送信が無い場合の電源効率は30%であり、画像送信が有る場合の電源効率は40%である。また、第2の画像電送装置1bの印刷状態において、画像送信が無い場合の電源効率は80%であり、画像送信が有る場合の電源効率は85%である。
【0035】
図6は、図5に示す第1及び第2の画像電送装置1a,1bにおいて画像送信が有る場合の電源効率の情報を基に、待機状態又は印刷状態での1次側の送信電力量を算出した一例を示す表である。ここで、1次側の送信電力量をAとし、2次側の送信電力をCとし、画像送信時間をtとし、各動作状態(待機状態又は印刷状態)における電源効率をEとすると、1次側の送信電力量Aは次式で算出される。
A=(C×t)/E …(1)
ここで、上記の(C×t)が図2に示す2次側の送信電力量Bとなる。
【0036】
図6の算出例において、第1の画像電送装置1a及び第2の画像電送装置1bについて、画像送信が有る場合の2次側の送信電力Cは同じ5Wであり、画像送信時間tも同じ3秒であるとする。
いま、第1の画像電送装置1aについて、待機状態での1次側の送信電力量Aを求めると、式(1)に、C=5(W)、t=3(s)、E=0.5を代入して、A=30Wsとして算出される。また、印刷状態での1次側の送信電力量Aを求めると、式(1)に、C=5(W)、t=3(s)、E=0.75を代入して、A=20Wsとして算出される。
次に、第2の画像電送装置1bについて、待機状態での1次側の送信電力量Aを求めると、式(1)に、C=5(W)、t=3(s)、E=0.4を代入して、A=37.5Wsとして算出される。また、印刷状態での1次側の送信電力量Aを求めると、式(1)に、C=5(W)、t=3(s)、E=0.85を代入して、A=17.65Wsとして算出される。
【0037】
図6に示す算出例からすると、待機状態では、1次側電源部2aの画像送信の送信電力量Aは第1の画像電送装置1aの方が小さい(30Ws)ので、第1の画像電送装置1aを用いて画像送信を実行するのがよい。また、印刷状態では、1次側電源部2aの画像送信の送信電力量Aは第2の画像電送装置1bの方が小さい(17.65Ws)ので、第2の画像電送装置1bを用いて画像送信を実行するのがよい。
【0038】
図7は、図5(a)に示す第1の画像電送装置1aについてその動作状態に応じた電源装置2の電源効率、及び図6に示す第1の画像電送装置1aについて待機状態又は印刷状態での1次側の送信電力量をまとめて示す表である。図7(a)は第1の画像電送装置1aの消費電力と電源効率との関係を示し、図7(b)は待機状態での1次側の送信電力量(30Ws)と2次側の送信電力量(15Ws)との関係を示し、図7(c)は印刷状態での1次側の送信電力量(20Ws)と2次側の送信電力量(15Ws)との関係を示している。
【0039】
図8は、図5(b)に示す第2の画像電送装置1bについてその動作状態に応じた電源装置の電源効率、及び図6に示す第2の画像電送装置1bについて待機状態又は印刷状態での1次側の送信電力量をまとめて示す表である。図8(a)は第2の画像電送装置1bの消費電力と電源効率との関係を示し、図8(b)は待機状態での1次側の送信電力量(37.5Ws)と2次側の送信電力量(15Ws)との関係を示し、図8(c)は印刷状態での1次側の送信電力量(17.65Ws)と2次側の送信電力量(15Ws)との関係を示している。
【0040】
そして、図9は、画像電送装置全体の1次側の電力量と2次側の電力量との関係を示すグラフである。図9において、横軸は画像電送装置全体の2次側の電力量を示し、縦軸は画像電送装置全体の1次側の電力量を示し、実線で示す変化曲線C1は第1の画像電送装置1aについて1次側の電力量と2次側の電力量との関係を示し、実線で示す変化曲線C2は第2の画像電送装置1bについて1次側の電力量と2次側の電力量との関係を示している。そして、横軸において、「待機状態」と記載した点は、画像電送装置が待機状態にて消費する電力量とその状態で画像送信する場合の送信電力量とを加算した2次側の電力量を示し、「印刷状態」と記載した点は、画像電送装置が印刷状態にて消費する電力量とその状態で画像送信する場合の送信電力量とを加算した2次側の電力量を示している。
【0041】
このような状態で、第1の画像電送装置1a及び第2の画像電送装置1bはその電源装置2の電源効率が異なるため、第1の画像電送装置1aの変化曲線C1と、第2の画像電送装置1bの変化曲線C2とは、前記「待機状態」と「印刷状態」との間で交差することがある。図9においては、交点Dの左側においては第1の画像電送装置1aの変化曲線C1の方が低い値を示し、交点Dの右側においては第2の画像電送装置1bの変化曲線C2の方が低い値を示している。このことから、縦軸の画像電送装置全体の1次側電源部の電力量をみると、「待機状態」においては、第1の画像電送装置1aの1次側の電力量Waが第2の画像電送装置1bの1次側の電力量Wbよりも小さく、「印刷状態」においては、第2の画像電送装置1bの1次側の電力量Wbが第1の画像電送装置1aの1次側の電力量Waよりも小さいことが分かる。
【0042】
次に、このように構成された画像電送装置の動作について、図10に示すフローチャートを参照して説明する。いま、図3において、第1の画像電送装置1aを自機とし、第2の画像電送装置1bを他機として、自機である第1の画像電送装置1aから他の場所に設置された他の画像電送装置(図示省略)に画像情報を送信しようとする場合について説明する。
【0043】
まず、図4において、画像送信選択実行部27により、各画像電送装置1a,1bにその動作状態を問い合わせる(図10のステップS1)。この場合、第1の画像電送装置1aは、自機の動作状態が待機状態であるのか、印刷状態であるのかを把握して、そのまま動作状態保存部23にその動作状態の情報を保存する。第2の画像電送装置1bについては、前記画像送信選択実行部27は、通信回線接続入出力部28及び通信回線3を介して当該第2の画像電送装置1bの動作状態が待機状態であるのか、印刷状態であるのかを把握して、前記通信回線3及び通信回線接続入出力部28を介して第1の画像電送装置1a内の動作状態保存部23にその動作状態の情報を保存する。
【0044】
次に、前記画像送信選択実行部27により、各画像電送装置1a,1bにその電源装置2の電源効率を問い合わせる(ステップS2)。この場合、第1の画像電送装置1aは、自機の電源効率を把握して、そのまま電源効率保存部24にその電源効率の情報を保存する。第2の画像電送装置1bについては、前記画像送信選択実行部27は、前述と同じ経路を介して当該第2の画像電送装置1bの電源効率を把握して、第1の画像電送装置1a内の電源効率保存部24にその電源効率の情報を保存する。
【0045】
次に、前記画像送信選択実行部27により、各画像電送装置1a,1bにその画像送信時の2次側の送信電力量を問い合わせる(ステップS3)。この場合、第1の画像電送装置1aは、自機の2次側の送信電力量を把握して、そのまま2次側送信電力量保存部25にその2次側の送信電力量の情報を保存する。第2の画像電送装置1bについては、前記画像送信選択実行部27は、前述と同じ経路を介して当該第2の画像電送装置1bの2次側の送信電力量を把握して、第1の画像電送装置1a内の2次側送信電力量保存部25にその2次側の送信電力量の情報を保存する。
【0046】
次に、第1の画像電送装置1a内の1次側送信電力量算出部26は、前記電源効率保存部24から読み出した各画像電送装置1a,1bの電源効率と、前記2次側送信電力量保存部25から読み出した各画像電送装置1a,1bの2次側の送信電力量とから、自機及び他機の1次側の送信電力量を算出する(ステップS4)。そして、この算出された各画像電送装置1a,1bの画像送信時の1次側の送信電力量を画像送信選択実行部27へ送る。
【0047】
次に、画像送信選択実行部27は、前記算出された1次側の送信電力量が、他機(第2の画像電送装置1b)より自機(第1の画像電送装置1a)の方が小さいかどうかを判断する(ステップS5)。そして、自機(第1の画像電送装置1a)の方が小さい場合は、“YES”側に進んで、自機で画像送信を実行する(ステップS6)。この場合、前記画像送信選択実行部27は、自機で読み取って送信情報保存部22に保存してある画像情報を読み出して電話回線接続入出力部29へ送り、図3に示す電話回線21aを介して他の場所に設置された他の画像電送装置(図示省略)に画像情報を送信する。
【0048】
一方、前記ステップS5で、前記算出された1次側の送信電力量が他機(第2の画像電送装置1b)より自機(第1の画像電送装置1a)の方が大きいと判断された場合は、他機を選択して“NO”側に進み、選択した他機(第2の画像電送装置1b)へ画像送信を依頼する(ステップS7)。この場合、前記画像送信選択実行部27は、前記送信情報保存部22に保存してある画像情報を読み出し、通信回線接続入出力部28及び通信回線3を介して送信すべき画像情報を、他機(第2の画像電送装置1b)へ送信する(ステップS8)。すると、前記第2の画像電送装置1bは、図3に示す電話回線21bを介して他の場所に設置された他の画像電送装置(図示省略)に画像情報を送信する。
【0049】
なお、前記ステップS5では、自機と他機の1次側の送信電力量を比較して小さい方を選択するとしたが、図3に示す通信回線3に3台以上の画像電送装置が接続されている場合は、各画像電送装置の1次側の送信電力量を比較して最小である画像電送装置を選択するようにしてもよい。
【0050】
また、以上の説明では、自機(第1の画像電送装置1a)及び他機(第2の画像電送装置1b)の動作状態は、簡単のために待機状態と印刷状態との二つのみとしたが、本発明はこれに限られず、装置使用開始時の暖機運転の状態や、記録媒体に記録された画像情報を図示省略の画像読取部で読み取っている状態や、一時的に全ての機能を停止している状態等、画像電送装置における各種の動作状態も含まれる。
【0051】
〔第2の実施形態〕
図11は第2の実施形態による画像電送装置の構成を示すブロック図である。ここでは、代表的に第1の画像電送装置1aについて説明する。なお、図11においては、図面を簡略化するため図1(a)に示す画像電送装置1のうち処理部5の内部構成について具体例を示している。この実施形態による画像電送装置1aは、図4に示す第1の実施形態による画像電送装置1aに対し、動作状態時間保存部30を追加したものであり、1次側送信電力量算出部26が、電源効率保存部24からの電源効率及び2次側送信電力量保存部25からの2次側の送信電力量並びに動作状態時間保存部30からの動作状態時間から自機及び他機の1次側の送信電力量を算出するようにしたものである。この場合は、前記電源効率保存部24と2次側送信電力量保存部25と動作状態時間保存部30とで、図1(b)に示す電力基礎情報保存手段8を構成している。
【0052】
ここで、動作状態時間保存部30は、自機及び他機の動作状態におけるその動作状態時間を保存するもので、画像電送装置が待機状態である場合のその待機状態時間、印刷状態である場合のその印刷状態時間を保存するようになっており、例えば情報記憶手段から成る。その他は、図4に示す第1の実施形態による画像電送装置1aと同じである。
なお、図11は、図3に示す第1の画像電送装置1aについて説明したものであるが、第2の画像電送装置1bについても図11と同じに構成されている。
【0053】
図12は、図11に示す第2の実施形態の第1及び第2の画像電送装置1a,1bにおいて待機状態又は印刷状態での電源効率の情報を基に、待機状態又は印刷状態での1次側の送信電力量を算出した一例を示す表である。ここで、待機状態での1次側の送信電力量をAsとし、2次側の送信電力をCとし、画像送信時間をtとし、待機状態での電源効率をEsとすると、待機状態での1次側の送信電力量Asは次式で算出される。
As=(C×t)/Es …(2)
前記と同じようにして、印刷状態での1次側の送信電力量をApとし、2次側の送信電力をCとし、画像送信時間をtとし、印刷状態での電源効率をEpとすると、印刷状態での1次側の送信電力量Apは次式で算出される。
Ap=(C×t)/Ep …(3)
【0054】
図12の算出例において、第1の画像電送装置1a及び第2の画像電送装置1bについて、画像送信が有る場合の2次側の送信電力Cは同じ5Wであり、画像送信時間tも同じ6秒であるとする。
いま、第1の画像電送装置1aについて、待機状態での1次側の送信電力量Asを求めると、式(2)に、C=5(W)、t=6(s)、Es=0.5を代入して、As=60.0Wsとして算出される。また、印刷状態での1次側の送信電力量Apを求めると、式(3)に、C=5(W)、t=6(s)、Ep=0.75を代入して、Ap=40.0Wsとして算出される。
次に、第2の画像電送装置1bについて、待機状態での1次側の送信電力量Asを求めると、式(2)に、C=5(W)、t=6(s)、Es=0.4を代入して、As=75.0Wsとして算出される。また、印刷状態での1次側の送信電力量Apを求めると、式(3)に、C=5(W)、t=6(s)、Ep=0.85を代入して、Ap=35.3Wsとして算出される。
【0055】
図12に示す算出例からすると、待機状態では、1次側電源部の画像送信の送信電力量Asは第1の画像電送装置1aの方が小さい(60.0Ws)ので、第1の画像電送装置1aを用いて画像送信を実行するのがよい。また、印刷状態では、1次側電源部の画像送信の送信電力量Apは第2の画像電送装置1bの方が小さい(35.3Ws)ので、第2の画像電送装置1bを用いて画像送信を実行するのがよい。
【0056】
図13は、図11に示す第2の実施形態の第1及び第2の画像電送装置1a,1bにおいて、動作状態が待機状態と印刷状態との間で変化した際の待機状態又は印刷状態での1次側の送信電力量を算出した一例を示す表である。なお、この算出例は、第1及び第2の画像電送装置1a,1b共に待機状態から印刷状態に遷移する際を想定している。
ここで、待機状態での1次側の送信電力量をAsとし、2次側の送信電力をCとし、画像送信時の待機状態時間をTsとし、待機状態での電源効率をEsとすると、待機状態での1次側の送信電力量Asは次式で算出される。
As=(C×Ts)/Es …(4)
前記と同じようにして、印刷状態での1次側の送信電力量をApとし、2次側の送信電力をCとし、画像送信時の印刷状態時間をTpとし、印刷状態での電源効率をEpとすると、印刷状態での1次側の送信電力量Apは次式で算出される。
Ap=(C×Tp)/Ep …(5)
そして、画像送信時の1次側の全送信電力量Atは、次式で算出される。
At=As+Ap …(6)
【0057】
図13の算出例において、第1の画像電送装置1a及び第2の画像電送装置1bについて、画像送信が有る場合の2次側の送信電力Cは同じ5Wであり、画像送信時の待機状態時間Tsも同じ1秒であり、画像送信時の印刷状態時間Tpも同じ5秒であるとする。そして、第1及び第2の画像電送装置1a,1bが画像送信時に待機状態から印刷状態に遷移する際について算出する。
いま、第1の画像電送装置1aについて、待機状態での1次側の送信電力量Asを求めると、式(4)に、C=5(W)、Ts=1(s)、Es=0.5を代入して、As=10.00Wsとして算出される。また、印刷状態での1次側の送信電力量Apを求めると、式(5)に、C=5(W)、Tp=5(s)、Ep=0.75を代入して、Ap=33.33Wsとして算出される。
次に、第2の画像電送装置1bについて、待機状態での1次側の送信電力量Asを求めると、式(4)に、C=5(W)、Ts=1(s)、Es=0.4を代入して、As=12.50Wsとして算出される。また、印刷状態での1次側の送信電力量Apを求めると、式(5)に、C=5(W)、Tp=5(s)、Ep=0.85を代入して、Ap=29.41Wsとして算出される。
【0058】
図13に示す算出例からすると、画像送信時に待機状態から印刷状態に遷移すると想定した場合には、待機状態では、1次側電源部の画像送信の送信電力量Asは第1の画像電送装置1aの方が小さい(10.00Ws)が、その動作の途中で印刷が開始されて印刷状態に遷移すると、各画像電送装置1a,1bの電源効率が変化するため、印刷状態では、1次側電源部の画像送信の送信電力量Apは第2の画像電送装置1bの方が小さくなる(29.41Ws)。
【0059】
この場合、図13の算出例によれば、画像送信時の1次側の全送信電力量Atは、式(6)を適用して、第1の画像電送装置1aについては43.33Wsとなり、第2の画像電送装置1bについては41.91Wsとなる。このことから、1次側の全送信電力量Atは、第2の画像電送装置1bの方が小さくなることが分かる。この図13の算出例においては、画像送信時の動作状態が待機状態から印刷状態に遷移することが分かっている場合は、第1の画像電送装置1aではなく、第2の画像電送装置1bで画像送信した方が消費電力量が低減される。
【0060】
次に、図11に示す第2の実施形態による画像電送装置の動作について、図14に示すフローチャートを参照して説明する。いま、図3において、第1の画像電送装置1aを自機とし、第2の画像電送装置1bを他機として、自機である第1の画像電送装置1aから他の場所に設置された他の画像電送装置(図示省略)に画像情報を送信しようとする場合について説明する。
ここで、図14のステップS11は図10のステップS1と、図14のステップS13は図10のステップS3と、図14のステップS14は図10のステップS2と、図14のステップS16〜S19は図10のステップS5〜S8と同じ動作であるので、動作状態時間保存部30及び1次側送信電力量算出部26に関連して、異なる動作である図14のステップS12とステップS15とについて説明する。
【0061】
図14のステップS12において、画像送信選択実行部27により、各画像電送装置1a,1bに画像送信時の動作状態時間を問い合わせる。すなわち、画像送信時の待機状態時間及び印刷状態時間を問い合わせる。この場合、第1の画像電送装置1aは、自機の画像送信時の待機状態時間及び印刷状態時間を把握して、そのまま動作状態時間保存部30にその待機状態時間及び印刷状態時間の情報を保存する。第2の画像電送装置1bについては、前記画像送信選択実行部27は、通信回線接続入出力部28及び通信回線3を介して当該第2の画像電送装置1bの画像送信時の待機状態時間及び印刷状態時間を把握して、前記通信回線3及び通信回線接続入出力部28を介して第1の画像電送装置1a内の動作状態時間保存部30にその待機状態時間及び印刷状態時間の情報を保存する。
【0062】
次に、図14のステップS15において、第1の画像電送装置1a内の1次側送信電力量算出部26は、電源効率保存部24から読み出した各画像電送装置1a,1bの電源効率と、2次側送信電力量保存部25から読み出した各画像電送装置1a,1bの2次側の送信電力量と、前記動作状態時間保存部30から読み出した各画像電送装置1a,1bの画像送信時の待機状態時間及び印刷状態時間から、自機及び他機の1次側の送信電力量を算出する。そして、この算出された各画像電送装置1a,1bの画像送信時の1次側の送信電力量を画像送信選択実行部27へ送る。
【0063】
その後は、図10に示すステップS5〜S8と同じ動作をして、自機で画像送信を実行する(ステップS17)か、或いは、送信すべき画像情報を、選択した他機(第2の画像電送装置1b)へ送信する(ステップS19)。ステップS19においては、前記第2の画像電送装置1bは、図3に示す電話回線21bを介して他の場所に設置された他の画像電送装置(図示省略)に画像情報を送信する。
【0064】
なお、図14のステップS16では、図10のステップS5と同じく自機と他機の1次側の送信電力量を比較して小さい方を選択するとしたが、図3に示す通信回線3に3台以上の画像電送装置が接続されている場合は、各画像電送装置の1次側の送信電力量を比較して最小である画像電送装置を選択するようにしてもよい。
【0065】
また、以上の説明では、画像送信時に画像電送装置1a,1bの動作状態が待機状態から印刷状態に遷移する際を想定したが、本発明はこれに限られず、動作状態が印刷状態から待機状態に遷移する際、或いは、それ以外の動作状態(装置使用開始時の暖機運転状態、画像情報を図示省略の画像読取部で読み取っている状態、一時的に全ての機能を停止している状態等)との間で動作状態が遷移する際にも適用可能である。
【0066】
図15は本実施形態による画像電送装置が適用された画像電送システムの第2の実施形態を示す説明図である。この実施形態による画像電送システム31は、複数の画像電送装置1a,1bを相互に通信可能に接続すると共に、複数の画像電送装置1a,1bを集中管理装置40にて管理し、夫々の画像電送装置1a,1bには商用電源に接続される1次側電源部及びこの1次側電源部を介して取り込んだ電力を内部の機能部に供給する2次側電源部から成る電源装置(図1(a)の符号2を参照)を備え、通信回線3を介して少なくとも送信可能なファクシミリ機能部(図1(a)の符号4を参照)を具備させたものである。以下に、本実施形態における集中管理装置40及び各画像電送装置1a,1bについて説明する。
【0067】
まず、集中管理装置40は、図16に示すように、送信すべき画像情報を保存する送信情報保存部41と、複数の画像電送装置1a,1bの動作状態(待機状態又は印刷状態等)を取得し保存する動作状態保存部42と、前記画像電送装置1a,1bの動作状態における電源装置2(図1(a)参照)の画像送信時の電源効率を保存する電源効率保存部43と、前記画像電送装置1a,1bの画像送信時の2次側電源部2b(図1(a)参照)の送信電力量を保存する2次側送信電力量保存部44と、前記電源効率保存部43より読み出した電源効率及び2次側送信電力量保存部44より読み出した2次側電源部2bの送信電力量に基づいて各画像電送装置1a,1bの1次側電源部2a(図1(a)参照)の送信電力量を算出する1次側送信電力量算出部45と、この1次側送信電力量算出部45にて算出された各画像電送装置1a,1bの1次側電源部2aの送信電力量を比較して小さい方の画像電送装置を選択し、この選択された画像電送装置、前記送信情報保存部41に保存された画像情報、及び前記動作状態保存部42に保存された動作状態に基づいて、前記選択された画像電送装置に対して画像送信を依頼すると共に前記送信情報保存部41に保存された画像情報を送信して実行させる画像送信選択実行部46と、前記通信回線3を介して各画像電送装置1a,1bと情報の送受信を行うインターフェースとしての通信回線接続入出力部47とを備えており、一般にサーバと呼ばれるものである。
なお、前記画像送信選択実行部46は、通信回線接続入出力部47と接続されており、各画像電送装置1a,1bと情報の送受信を行うことが可能になっている。また、符号48は集中管理装置40内における各構成要素を接続して情報を送受信する共通母線を示している。
【0068】
次に、画像電送装置1(1a,1b,1c)は、図17に示すように、図4に示す実施形態と同様に、通信回線3とのインターフェースとしての通信回線接続入出力部28と、ファクシミリ機能により画像送信を行う電話回線21aとのインターフェースとしての電話回線接続入出力部29とを備えているが、他の機能部は図4に示す実施形態とは異なっている。
すなわち、この実施形態における画像電送装置1は、自機である画像電送装置1について送信すべき画像情報を保持する送信情報保持部51と、自機である画像電送装置1についてその動作状態(待機状態又は印刷状態等)を保持する動作状態保持部52と、自機である画像電送装置1についてその動作状態における電源装置2(図1(a)参照)の画像送信時の電源効率を保持する電源効率保持部53と、自機である画像電送装置1について画像送信時の2次側電源部2b(図1(a)参照)の送信電力量を保持する2次側送信電力量保持部54と、前記各保持部51〜54に保持された情報を前記集中管理装置40に送信する自機状態送信部56とを備えている。なお、図17では、一つの画像電送装置1aについてその内部構成を示し、他の画像電送装置1b,1cについてはその内部構成の図示を省略している。
【0069】
次に、第2の実施形態に係る画像電送システムの動作について説明する。
各画像電送装置1(1a〜1c)は、動作状態保持部52、電源効率保持部53及び2次側送信電力量保持部54に保持している自機の情報を、自機状態送信部56を介して前記集中管理装置40に送り、該集中管理装置40は各画像電送装置1から送られてきたそれらの情報を自分の中の動作状態保存部42、電源効率保存部43及び2次側送信電力量保存部44に保存する。
また、いずれかの画像電送装置1(1a〜1c)から画像送信したい場合(例えば、画像電送装置1に備えられたスキャナ機能にて情報をスキャンする等して画像送信情報を取り込んだような場合など)には、当該画像電送装置1(1a〜1cのいずれか)の送信情報保持部51に保持されている画像情報を、自機状態送信部56を介して集中管理装置40に送り、該集中管理装置40は送られてきたその情報を自分の中の送信情報保存部41に保存する。
【0070】
この状態において、集中管理装置40は、1次側送信電力量算出部45にて、電源効率保存部43から読み出した各画像電送装置1の電源効率と2次側送信電力量保存部44から読み出した各画像電送装置1の2次側の送信電力量とから、各画像電送装置1の1次側の送信電力量を算出し、この算出された各画像電送装置1の1次側の送信電力量を画像送信選択実行部46へ送る。そして、画像送信選択実行部46にて、1次側電源部2aの送信電力量が小さい画像電送装置1を選択し、その選択された画像電送装置1に対して画像送信を依頼すると共に実行すると判断し、その結果を関係する画像電送装置1(1a〜1cのいずれか)に伝える。
【0071】
ここで、送信すべき画像情報の配信方法については、一度集中管理装置40に集めてから送信依頼する画像電送装置1(1a〜1cのいずれか)へ転送する方法と、前記集中管理装置40が、送信すべき画像情報を取り込んだ画像電送装置1(1a〜1cのいずれか)と実際に画像送信する画像電送装置1(1a〜1cのいずれか)との間で橋渡しをする方法の2通りが考えられるが、いずれの方法を用いても差し支えない。
【符号の説明】
【0072】
1,1a,1b…画像電送装置、2…電源装置、2a…1次側電源部、2b…2次側電源部、3…通信回線、4…ファクシミリ機能部、5…処理部、6…送信情報保存手段、7…動作状態保存手段、8…電力基礎情報保存手段、9…1次側送信電力量算出手段、10…画像送信選択手段、11…画像送信実行手段、12…通信回線接続入出力手段、20,31…画像電送システム、21a,21b…電話回線、40…集中管理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相互に通信可能に接続されて複数設けられる画像電送装置であって、
通信回線を介して少なくとも画像送信可能なファクシミリ機能部と、
商用電源に接続される1次側電源部及びこの1次側電源部を介して取り込んだ電力を内部の機能部に供給する2次側電源部から成る電源装置と、
送信すべき画像情報を保存する送信情報保存手段と、
複数の画像電送装置の動作状態を取得し保存する動作状態保存手段と、
複数の画像電送装置の電源装置における1次側電源部の送信電力量を算出するための基礎情報を取得し保存する電力基礎情報保存手段と、
この電力基礎情報保存手段に保存された前記基礎情報に基づいて各画像電送装置の1次側電源部の送信電力量を算出する1次側送信電力量算出手段と、
この1次側送信電力量算出手段で算出された各画像電送装置の1次側電源部の送信電力量を比較して小さい方の画像電送装置を選択する画像送信選択手段と、
この画像送信選択手段にて選択された画像電送装置、前記送信情報保存手段に保存された画像情報、及び前記動作状態保存手段に保存された動作状態に基づいて、
前記画像送信選択手段で選択された画像電送装置が自機である場合は自機のファクシミリ機能部により画像送信を実行し、
他機である場合は他機に対して画像送信を依頼すると共に前記送信情報保存手段に保存された画像情報を他機に送信して実行させる画像送信実行手段とを備えたことを特徴とする画像電送装置。
【請求項2】
前記電力基礎情報保存手段は、各画像電送装置の動作状態における画像送信時の電源装置の1次側電源部及び2次側電源部の送信電力量の割合を示す電源効率を保存する電源効率保存部と、各画像電送装置の画像送信時の2次側電源部の送信電力量を保存する2次側送信電力量保存部とを備えて成ることを特徴とする請求項1記載の画像電送装置。
【請求項3】
前記電力基礎情報保存手段は、各画像電送装置の動作状態における画像送信時の電源装置の1次側電源部及び2次側電源部の送信電力量の割合を示す電源効率を保存する電源効率保存部と、各画像電送装置の画像送信時の2次側電源部の送信電力量を保存する2次側送信電力量保存部と、各画像電送装置の動作状態におけるその動作状態時間を保存する動作状態時間保存部とを備えて成ることを特徴とする請求項1記載の画像電送装置。
【請求項4】
相互に通信可能に接続される複数の画像電送装置を有し、
前記画像電送装置は、
通信回線を介して少なくとも画像送信可能なファクシミリ機能部と、
商用電源に接続される1次側電源部及びこの1次側電源部を介して取り込んだ電力を内部の機能部に供給する2次側電源部から成る電源装置と、
送信すべき画像情報を保存する送信情報保存手段と、
複数の画像電送装置の動作状態を取得し保存する動作状態保存手段と、
複数の画像電送装置の電源装置における1次側電源部の送信電力量を算出するための基礎情報を取得し保存する電力基礎情報保存手段と、
この電力基礎情報保存手段に保存された前記基礎情報に基づいて各画像電送装置の1次側電源部の送信電力量を算出する1次側送信電力量算出手段と、
この1次側送信電力量算出手段で算出された各画像電送装置の1次側電源部の送信電力量を比較して小さい方の画像電送装置を選択する画像送信選択手段と、
この画像送信選択手段にて選択された画像電送装置、前記送信情報保存手段に保存された画像情報、及び前記動作状態保存手段に保存された動作状態に基づいて、
前記画像送信選択手段で選択された画像電送装置が自機である場合は自機のファクシミリ機能部により画像送信を実行し、
他機である場合は他機に対して画像送信を依頼すると共に前記送信情報保存手段に保存された画像情報を他機に送信して実行させる画像送信実行手段とを備えたことを特徴とする画像電送システム。
【請求項5】
相互に通信可能に接続される複数の画像電送装置、及び複数の画像電送装置を管理する集中管理装置を有し、
前記画像電送装置又は前記集中管理装置は、
通信回線を介して少なくとも画像送信可能なファクシミリ機能部と、
商用電源に接続される1次側電源部及びこの1次側電源部を介して取り込んだ電力を内部の機能部に供給する2次側電源部から成る電源装置と、
送信すべき画像情報を保存する送信情報保存手段と、
複数の画像電送装置の動作状態を取得し保存する動作状態保存手段と、
複数の画像電送装置の電源装置における1次側電源部の送信電力量を算出するための基礎情報を取得し保存する電力基礎情報保存手段と、
この電力基礎情報保存手段に保存された前記基礎情報に基づいて各画像電送装置の1次側電源部の送信電力量を算出する1次側送信電力量算出手段と、
この1次側送信電力量算出手段で算出された各画像電送装置の1次側電源部の送信電力量を比較して小さい方の画像電送装置を選択する画像送信選択手段と、
この画像送信選択手段にて選択された画像電送装置、前記送信情報保存手段に保存された画像情報、及び前記動作状態保存手段に保存された動作状態に基づいて、
前記画像送信選択手段で選択された画像電送装置が自機である場合は自機のファクシミリ機能部により画像送信を実行し、
他機である場合は他機に対して画像送信を依頼すると共に前記送信情報保存手段に保存された画像情報を他機に送信して実行させる画像送信実行手段とを備えたことを特徴とする画像電送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−114842(P2011−114842A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−272360(P2009−272360)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】