説明

画面遷移評価システム、評価装置及び被検査装置

【課題】機能設定用等の複数の設定画面の遷移を正確に評価することが可能となる画面遷移評価システム、評価装置及び被検査装置を提供する。
【解決手段】評価装置は、評価の順番に従って表示画面上の押下位置の座標情報を被検査装置へ送信する。また、被検査装置は、表示画面上の押下位置の座標情報を受信した場合には、この押下位置の座標情報に応じた操作ボタン情報と第2表示画面識別情報とから、次に遷移する第3表示画面識別情報を取得する。そして、被検査装置は、この第3表示画面識別情報に対応する表示用画面情報を評価装置へ送信する。そして、評価装置は、表示用画面情報を受信した場合には、送信した押下位置の座標情報に対応して遷移する表示画面の評価用画面情報と被検査装置から受信した表示用画面情報とを比較評価する。そして、評価装置は、この比較評価した評価結果を記憶する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルが装着された表示装置に表示される操作画面の遷移を評価する画面遷移評価システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネルが装着された表示装置に表示される操作画面上を押下することによってモード選択画面や各種機能設定画面の切り替えが行われる装置が種々提案されている。
【0003】
例えば、タッチパネル上を押下した指サイズを検出し、その検出結果に応じて表示画面上に表示された入力範囲内の反応エリアサイズの設定を行うように構成された画像形成装置がある(例えば、特許文献1参照。)。このような画像形成装置では、複数の入力範囲が、表示画面上に隣接して表示されている場合でも、ユーザは意図する入力操作を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−357045号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した特許文献1に記載された画像形成装置では、開発設計段階において、モード選択画面や各種機能設定画面の切り替え画面の評価をする場合には、評価者がチェックリストに基づいて目視でタッチパネル上を指で押下して確認する必要がある。このため、評価者が表示画面の見間違いや、欠陥の見落としを行う虞があるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、上述した問題点を解決するためになされたものであり、機能設定用等の複数の設定画面の遷移を正確に評価することが可能となる画面遷移評価システム、評価装置及び被検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため請求項1に係る画面遷移評価システムは、表示画面を切り替えて表示する表示手段と、前記表示手段の表示画面上の押下位置を検出する押下位置検出手段と、前記押下位置検出手段によって検出された押下位置の座標情報を取得する座標情報取得手段と、を有する被検査装置と、前記被検査装置と双方向通信可能に接続された評価装置と、を備え、前記評価装置は、予め定められた評価の順番を記憶する評価手順記憶手段と、前記評価手順記憶手段に記憶された第1表示画面識別情報に対応する押下位置の座標情報を記憶する操作座標記憶手段と、前記第1表示画面識別情報に対応した評価用画面情報を記憶する画面情報記憶手段と、前記押下位置の座標情報を前記被検査装置へ送信する座標情報送信手段と、を有し、前記被検査装置は、第2表示画面識別情報に対応する表示用画面情報を記憶する画像情報記憶手段と、前記座標情報送信手段から前記押下位置の座標情報を受信した場合には、この受信した座標情報に応じた操作ボタン情報と前記第2表示画面識別情報とを共に特定する座標情報特定手段と、前記座標情報特定手段により特定された前記操作ボタン情報と前記第2表示画面識別情報とから、遷移する第3表示画面識別情報を取得して、その取得した第3表示画面識別情報より前記画像情報記憶手段に記憶された前記表示用画面情報を取得する画面情報取得手段と、前記画面情報取得手段により取得した前記表示用画面情報を前記評価装置へ送信する画面情報送信手段と、を有し、該評価装置は、前記表示用画面情報を受信した場合には、前記座標情報送信手段を介して送信した前記押下位置の座標情報に対応して遷移する表示画面の評価用画面情報と当該受信した表示用画面情報とを比較評価する評価手段と、前記評価手段によって評価した評価結果を記憶する評価結果記憶手段と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に係る画面遷移評価システムでは、評価装置は、評価の順番に従って表示画面上の押下位置の座標情報を被検査装置へ送信する。また、被検査装置は、表示画面上の押下位置の座標情報を受信した場合には、この押下位置の座標情報に応じた操作ボタン情報と第2表示画面識別情報とから、次に遷移する第3表示画面識別情報を取得する。そして、被検査装置は、この第3表示画面識別情報に対応する表示用画面情報を評価装置へ送信する。
【0009】
そして、評価装置は、表示用画面情報を受信した場合には、送信した押下位置の座標情報に対応して遷移する表示画面の評価用画面情報と被検査装置から受信した表示用画面情報とを比較評価する。そして、評価装置は、この比較評価した評価結果を記憶する。
【0010】
これにより、評価者による目視でタッチパネル上を指で押下して設定画面の遷移を確認する評価方法に替えて、評価装置によって被検査装置の表示画面の遷移を正確に評価することが可能となると共に、評価時間の短縮化を図ることが可能となる。また、被検査装置の開発者は、評価装置に記憶されている評価結果を検討することによって、表示画面の切り替え動作不良等の解析を容易に行うことが可能となり、被検査装置の開発設計期間の短縮化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施例に係る画面遷移評価システムを示したブロック図である。
【図2】評価シナリオDBに格納される評価シナリオテーブルの一例を示す図である。
【図3】操作座標DBに格納される操作座標テーブルの一例を示す図である。
【図4】評価用画像部品DBに格納される評価装置側部品テーブルの一例を示す図である。
【図5】評価結果DBに格納される評価結果テーブルの一例を示す図である。
【図6】操作ボタンDBに格納される操作ボタンテーブルの一例を示す図である。
【図7】遷移画面DBに格納される遷移画面テーブルの一例を示す図である。
【図8】画像部品DBに格納されるMFP側部品テーブルの一例を示す図である。
【図9】評価装置のCPUが実行する「画面遷移評価処理」とMFPのCPUが実行する「設定画面切り替え処理」を示すフローチャートである。
【図10】図9の「画像部品比較処理」のサブ処理を示すサブフローチャートである。
【図11】設定画面の画像部品及びその配置位置の一例を示す図である。
【図12】評価装置の液晶ディスプレイに表示された評価結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明に係る遷移画面評価システムを具体化した一実施例に基づいて図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】
[遷移画面評価システムの概略構成]
本実施例に係る遷移画面評価システム1の概略構成について図1に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施例に係る遷移画面評価システム1は、パーソナルコンピュータ等から構成された評価装置2と、この評価装置2とUSBケーブルによって接続された被検査装置の一例としての多機能周辺装置(以下、「MFP(Multi Function Peripheral)」という。)3とから構成されている。
【0014】
このMFP3は、電話機能、ファクシミリ機能、PCプリント機能、メディアプリント機能、スキャナ機能、及び、コピー機能などの各種機能を有しており、電話機能による通話やファクシミリ機能によるデータ送信を行うために電話回線網55と接続されている。
【0015】
先ず、遷移画面評価システム1を構成する評価装置2の概略構成について説明する。
評価装置2は、CPU11、RAM12、ROM13、時間を計測するタイマ14、入出力ポート15、液晶ディスプレイ(LCD)21、操作部22、データ記録部23、MFP3等の外部の装置を接続するためのUSBインターフェース25等を備えている。
【0016】
CPU11、RAM12、ROM13、タイマ14、入出力ポート15は、バス線17により相互に接続されて、相互にデータのやり取りが行われる。また、液晶ディスプレイ21、操作部22、データ記録部23、USBインターフェース25は、バス線17に対して入出力ポート15を介して相互に接続されている。
【0017】
ROM13は、各種のプログラムを記憶させておくものであり、後述のMFP3の液晶ディスプレイ(LCD)43に表示される機能設定用の複数の設定画面の遷移を評価する「画面遷移評価処理」(図9参照)等の各種プログラムが記憶されている。そして、CPU11は、かかるROM13に記憶されている各種のプログラムに基づいて各種の演算及び制御を行なう。
【0018】
また、RAM12は、CPU11により演算された各種の演算結果やパラメータ等を一時的に記憶させておくためのものである。また、RAM12には、後述の「シナリオID」を記憶するシナリオID記憶領域12Aと、後述の「実行順番」を記憶する実行順番記憶領域12Bとが設けられている(図9参照)。
【0019】
また、操作部22は、キーボードやマウス等から構成され、MFP3の機能設定用の複数の設定画面の遷移を評価する「画面遷移評価処理」の実行開始や、評価結果の解析を行う際等に操作される。そして、CPU11は、操作部22から入力される信号に基づいて、対応する各種の動作を実行すべく制御を行う。尚、操作部22としては、液晶ディスプレイ21の前面に設けたタッチパネルによって構成することもできる。
【0020】
データ記録部23は、外部記憶装置及び記憶媒体としてのハードディスク(図示せず)と、ハードディスクに記憶された所定のプログラム等を読み出すとともにハードディスクに所定のデータを書き込む為のドライバとを備えている。また、このハードディスクには、評価シナリオデータベース(評価シナリオDB)23A、操作座標データベース(操作座標DB)23B、評価用画像部品データベース(評価用画像部品DB)23C、評価結果データベース(評価結果DB)23Dが格納されている。また、このハードディスクには、各機能設定用の設定画面を構成する複数の画像部品のそれぞれのビットマップデータが、予め記憶されている。
【0021】
この評価シナリオDB23Aには、後述の評価シナリオテーブル61(図2参照)が格納されている。また、操作座標DB23Bには、後述の操作座標テーブル62(図3参照)が格納されている。また、評価用画像部品DB23Cには、後述の評価装置側部品テーブル63(図4参照)が格納されている。また、評価結果DB23Dには、後述の評価結果テーブル64(図5参照)が格納されている。
【0022】
また、データ記録部23には、MS−DOS(登録商標)やウィンドウズ(登録商標)システム等の各種オペレーティングシステム(OS)に加えて、MFP3や外部の電子機器に対してデータの送受信を行うための通信用プロトコル、ブラウザや当該OSにて実行可能なワープロソフトや各種アプリケーションソフトウェアが必要に応じて格納されている。
【0023】
次に、遷移画面評価システム1を構成するMFP3の概略構成について説明する。
MFP3は、CPU31、RAM32、ROM33、入出力ポート35、メモリカードスロット41、操作キー42、液晶ディスプレイ(LCD)43、液晶ディスプレイ43の表面に装着されたタッチパネル44、計時回路45、スキャナ46、プリンタ47、評価装置2等の外部の装置を接続するためのUSBインターフェース48、送受話器51、NCU52、モデム53等を備えている。
【0024】
CPU31、RAM32、ROM33、入出力ポート35は、バス線37により相互に接続されて、相互にデータのやり取りが行われる。また、メモリカードスロット41、操作キー42、液晶ディスプレイ43、タッチパネル44、計時回路45、スキャナ46、プリンタ47、USBインターフェース48、送受話器51、NCU52、モデム53は、バス線37に対して入出力ポート35を介して相互に接続されている。
【0025】
ROM33は、各種のプログラムを記憶させておくものであり、後述の評価装置2から座標情報を受信した場合に実行する「設定画面切り替え処理」(図9参照)等の各種プログラムが記憶されている。そして、CPU11は、かかるROM33に記憶されている各種のプログラムに基づいて各種の演算及び制御を行なうものである。また、RAM32は、CPU31により演算された各種の演算結果やパラメータ等を一時的に記憶させておくためのものである。また、RAM32には、後述の「画面ID」を記憶する画面ID記憶領域32Aが設けられている(図9参照)。
【0026】
また、ROM33には、操作ボタンデータベース(操作ボタンDB)33A、遷移画面データベース(遷移画面DB)33B、画像部品データベース(画像部品DB)33Cが記憶されている。この操作ボタンDB33Aには、後述の操作ボタンテーブル71(図6参照)が格納されている。また、遷移画面DB33Bには、後述の遷移画面テーブル72(図7参照)が格納されている。
【0027】
また、画像部品DB33Cには、後述のMFP側部品テーブル73(図8参照)が格納されている。また、液晶ディスプレイ43に表示される各機能設定用の設定画面は、複数の画像部品から構成されており、ROM33には、各設定画面を構成する複数の画像部品のそれぞれのビットマップデータが、予め記憶されている。
【0028】
また、ROM33には、MFP3を制御するためのリアルタイムOSや制御プログラムが必要に応じて格納されている。
メモリカードスロット41は、SDカード(登録商標)やメモリスティック(登録商標)等のメモリカード41Aが挿入可能に構成されている。そして、ユーザは、メモリカードスロット41に装着されたメモリカード41A内に記憶される画像データを選択してプリンタ47により印刷し、スキャナ46で読み取られた画像データを記憶することもできる。
【0029】
操作キー42には、電話機能やファクシミリ機能を利用する場合に電話番号を入力するための数字ボタンや、MFP3の電源のオン/オフを行うための電源ボタン等の各種ボタンが設けられている。液晶ディスプレイ43には、ユーザが実行する機能を設定するための設定画面(図11参照)が表示されたり、操作手順や実行中の処理の状態が表示されると共に、機能設定用の設定画面上のタッチパネル44の押下に対応して、次の設定画面に切り替え表示される。
【0030】
また、タッチパネル44は、液晶ディスプレイ43の表面部に装着された透明なパネル状のタッチスイッチであり、液晶ディスプレイ43の画面に表示された操作ボタン等を押下することによって各種指示コマンドを入力することが可能に構成されている。尚、タッチパネル44は、液晶ディスプレイ43の画面を直接押下する光センサ液晶方式等で構成してもよい。
【0031】
計時回路45は、現在の日時を刻む時計機能を有する既知の回路である。スキャナ46は、載置用ガラス板(不図示)上に載置された原稿紙面の画像を、この載置用ガラス板の下側に配置された原稿読み取り用のセンサ(不図示)により読み取る。また、この読み取れた画像データは、RAM32における所定の記憶領域に格納される。
【0032】
プリンタ47は、筐体内部に配置された所謂インクジェットプリンタで構成され、C(シアン)、M(マゼンダ)、Y(イエロー)、K(ブラック)の4色のインクを使用する印刷ヘッド、紙送り装置、回復装置を備え、記録用紙に画像のカラー印刷を行う。送受話器51は、ユーザが電話機能を使用して、電話回線網55を介して接続される外部装置との間で通話を行う場合に使用される。非通話時には、送受話器51はフック(不図示)が設けられた載置台(不図示)上に置かれ、通話時には載置台から取り上げられて使用される。
【0033】
NCU52は、電話回線網55と接続されており、電話回線網55へのダイヤル信号の送出や、電話回線網55からの呼出信号の応答などの制御を行うものである。モデム53は、ファクシミリ機能により送信が指示された画像データを、電話回線網55に伝送可能な信号に変調してNCU52を介して送信したり、電話回線網55からNCU52を介して入力された信号を受信し、液晶ディスプレイ43に表示可能な画像データや、プリンタ47で記録可能な画像データに復調する。
【0034】
次に、評価装置2の評価シナリオDB23Aに格納される評価シナリオテーブル61の一例について図2に基づいて説明する。この評価シナリオテーブル61には、MFP3の液晶ディスプレイ43に表示される機能設定用の複数の設定画面を評価する順番が記憶されている。
【0035】
図2に示すように、評価シナリオテーブル61は、「シナリオID」と、「実行順番」と、「画面ID」と、「操作ボタン」とから構成されている。
この「シナリオID」は、MFP3の液晶ディスプレイ43に表示された設定画面の各操作ボタン上を押下して1つの機能を設定する一連の操作毎に付与された識別番号であり、各機能を設定する一連の操作の評価順番に従って識別番号が記憶されている。
【0036】
例えば、「日付と時刻」、「使用言語」、印刷する「文書スタイル」等の各パラメータの初期設定を行う設定画面(図11参照)の評価を最初に行う場合には、「日付と時刻」を設定する一連の操作に対して「シナリオID」として「1」の識別番号が付与されている。また、「使用言語」を設定する一連の操作に対して「シナリオID」として「2」の識別番号が付与され、「文書スタイル」を設定する一連の操作に「シナリオID」として「3」の識別番号が付与され、順番に記憶されている。
【0037】
また、「実行順番」は、各「シナリオID」毎に、当該機能を設定する一連の操作の各操作を実行する順番であり、実行順番の番号が記憶されている。例えば、「シナリオID」として「1」が付与された「日付と時刻」を設定する一連の操作には、「1」番から「5」番までの実行順番が記憶されている。つまり、「日付と時刻」の設定は、5段階の設定画面の操作によって設定することができる。
【0038】
また、「画面ID」は、MFP3の液晶ディスプレイ43に表示される機能設定用の設定画面に付与された識別番号であり、各実行順番に対応して液晶ディスプレイ43に表示される設定画面の画面IDが記憶されている。また、「操作ボタン」は、各機能設定用の設定画面上で押下する操作ボタンであり、各実行順番に対応して設定画面上で押下する操作ボタンが記憶されている。
【0039】
次に、評価装置2の操作座標DB23Bに格納される操作座標テーブル62の一例について図3に基づいて説明する。この操作座標テーブル62には、MFP3の液晶ディスプレイ43に表示される機能設定用の設定画面上の押下位置を表す座標情報が記憶されている。図3に示すように、操作座標テーブル62は、「画面ID」と、「操作ボタン」と、「押下座標位置」とから構成されている。
【0040】
この「画面ID」には、MFP3の液晶ディスプレイ43に表示される機能設定用の設定画面に付与された識別番号が記憶されている。また、「操作ボタン」には、「画面ID」に対応する機能設定用の設定画面上で押下する操作ボタンが記憶されている。また、「押下座標位置」には、MFP3の液晶ディスプレイ43の表示画面上の押下位置の座標情報、つまり、タッチパネル上の押下位置の座標情報が記憶されている。尚、液晶ディスプレイ43の表示画面の左上隅に原点(0,0)が設定され、右方向にX軸が設定されると共に、下方向にY軸が設定されている。
【0041】
次に、評価装置2の評価用画像部品DB23Cに格納される評価装置側部品テーブル63の一例について図4に基づいて説明する。この評価装置側部品テーブル63は、後述のMFP側部品テーブル73と同じ構成であり、MFP3の液晶ディスプレイ43に表示される機能設定用の各設定画面を構成する画像部品の情報とその配置位置を表す座標情報が記憶されている。
【0042】
図4に示すように、評価装置側部品テーブル63は、「画面ID」と、各「画面ID」に対応する「部品ID」と「表示位置」の複数個の組み合わせが記憶されている。この「画面ID」には、MFP3の液晶ディスプレイ43に表示される機能設定用の設定画面に付与された識別番号が記憶されている。また、「部品ID」には、「画面ID」に対応する機能設定用の設定画面を構成する画像部品毎に付与された識別番号が記憶されている。
【0043】
また、「表示位置」には、「部品ID」が付与された画像部品の液晶ディスプレイ43の表示画面上の配置位置を表す座標情報が記憶されている。尚、「表示位置」には、各画像部品の四隅のうちの予め定められたいずれか一隅または各画像部品の中央位置等が配置される座標情報として記憶されている。
【0044】
次に、評価装置2の評価結果DB23Dに格納される評価結果テーブル64の一例について図5に基づいて説明する。この評価結果テーブル64には、MFP3の液晶ディスプレイ43に表示される機能設定用の設定画面の評価結果が記憶される。
図5に示すように、評価結果テーブル64は、「シナリオID」と、「実行順番」と、「結果」と、「受信データ」とから構成されている。
【0045】
この「シナリオID」と「実行順番」は、上記評価シナリオテーブル61を構成する「シナリオID」と「実行順番」に対応している。また、「結果」には、上記評価シナリオテーブル61を構成する「シナリオID」と「実行順番」に対応して、後述のようにMFP3から受信した画像部品情報(図9参照)の評価結果の合否が記憶される。つまり、「結果」には、MFP3から受信した画像部品情報の評価結果が合格の場合には、「○」が記憶され、評価結果が不合格の場合には、「×」が記憶される。
【0046】
また、「受信データ」には、MFP3から受信した画像部品情報の評価結果が不合格の場合に限り、この受信した画像部品情報が記憶される。これにより、評価結果テーブル64のデータ容量の削減化を図ることができる。尚、MFP3から受信した画像部品情報の評価結果に関わらず、上記評価シナリオテーブル61を構成する「シナリオID」と「実行順番」に対応して、MFP3から受信した画像部品情報を「受信データ」にそれぞれ記憶するようにしてもよい。
【0047】
次に、MFP3の操作ボタンDB33Aに格納される操作ボタンテーブル71の一例について図6に基づいて説明する。この操作ボタンテーブル71には、MFP3の液晶ディスプレイ43に表示される機能設定用の各設定画面上に設けられた各操作ボタンに対して、予め設定されている表示画面上のタッチパネル44の検出可能領域が記憶されている。
図6に示すように、操作ボタンテーブル71は、「画面ID」と、「左下座標」と、「左上座標」と、「右下座標」と、「右上座標」と、「操作ボタン」とから構成されている。
【0048】
この「画面ID」には、MFP3の液晶ディスプレイ43に表示される機能設定用の設定画面に付与された識別番号が記憶されている。また、「左下座標」、「左上座標」、「右下座標」、「右上座標」には、「画面ID」に対応する設定画面上の各操作ボタンに対して、予め設定されている表示画面上のタッチパネル44の矩形状の検出可能領域の左下隅、左上隅、右下隅、右上隅の各座標情報が記憶されている。また、「操作ボタン」には、「左下座標」、「左上座標」、「右下座標」、「右上座標」の各座標情報で決定される表示画面上のタッチパネル44の矩形状の検出可能領域に対応する操作ボタンの種類が記憶されている。
【0049】
次に、MFP3の遷移画面DB33Bに格納される遷移画面テーブル72の一例について図7に基づいて説明する。この遷移画面テーブル72には、MFP3の液晶ディスプレイ43に表示される機能設定用の各設定画面上に設けられた各操作ボタンを押下した場合に、次に遷移する機能設定用の設定画面が記憶されている。
図7に示すように、遷移画面テーブル72は、「画面ID」と、「操作ボタン」と、「遷移する画面ID」とから構成されている。
【0050】
この「画面ID」には、MFP3の液晶ディスプレイ43に表示される機能設定用の設定画面に付与された識別番号が記憶されている。また、「操作ボタン」には、「画面ID」に対応する機能設定用の設定画面上の操作ボタンの種類が記憶されている。また、「遷移する画面ID」には、MFP3の液晶ディスプレイ43に表示される設定画面の各操作ボタン上を押下した場合に、次に遷移する機能設定用の設定画面に付与された識別番号が記憶されている。
【0051】
次に、MFP3の画像部品DB33Cに格納されるMFP側部品テーブル73の一例について図8に基づいて説明する。このMFP側部品テーブル73は、上記の評価装置側部品テーブル63と同じ構成であり、MFP3の液晶ディスプレイ43に表示される機能設定用の各設定画面を構成する画像部品の情報とその配置位置を表す座標情報が記憶されている。
【0052】
図8に示すように、MFP側部品テーブル73は、「画面ID」と、各「画面ID」に対応する「部品ID」と「表示位置」の複数個の組み合わせが記憶されている。この「画面ID」には、MFP3の液晶ディスプレイ43に表示される機能設定用の設定画面に付与された識別番号が記憶されている。また、「部品ID」には、「画面ID」に対応する機能設定用の設定画面を構成する画像部品毎に付与された識別番号が記憶されている。
【0053】
また、「表示位置」には、「部品ID」が付与された画像部品の液晶ディスプレイ43の表示画面上の配置位置を表す座標情報が記憶されている。尚、「表示位置」には、各画像部品の四隅のうちの予め定められたいずれか一隅または各画像部品の中央位置等が配置される座標情報として記憶されている。
【0054】
次に、このように構成された画面遷移評価システム1において、評価装置2のCPU11が実行する「画面遷移評価処理」と、MFP3のCPU31が実行する「設定画面切り替え処理」とについて図9乃至図12に基づいて説明する。
【0055】
[画面遷移評価処理]
先ず、図9に基づいて評価装置2のCPU11が実行する「画面遷移評価処理」について説明する。
図9に示すように、ステップ(以下、Sと略記する)11において、CPU11は、評価開始の指示が入力されるのを待つ(S11:NO)。具体的には、CPU11は、液晶ディスプレイ21の表示画面に表示した評価開始ボタン(不図示)上にポインタが移動して、操作部22を構成するマウスの左ボタンがクリックされるのを待つ。そして、評価開始の指示が入力された場合には(S11:YES)、CPU11は、S12の処理に移行する。
【0056】
S12において、CPU11は、シナリオID記憶領域12AからシナリオIDを読み出し、このシナリオIDに「1」を代入して、再度、シナリオID記憶領域12Aに記憶する。つまり、CPU11は、シナリオIDを初期化する。
続いて、S13において、CPU11は、実行順番記憶領域12Bから実行順番を読み出し、この実行順番に「1」を代入して、再度、RAM12に記憶する。つまり、CPU11は、実行順番を初期化する。
【0057】
そして、S14において、CPU11は、RAM12の各記憶領域12A、12BからシナリオIDと実行順番とを読み出し、それぞれを評価シナリオテーブル61の「シナリオID」、「実行順番」として、該当する「画面ID」と「操作ボタン」の各データを読み出す。そして、CPU11は、評価シナリオテーブル61から読み出した「画面ID」と「操作ボタン」の各データを押下座標位置取得用データとしてRAM12に記憶する。
【0058】
その後、S15において、CPU11は、押下座標位置取得用データとして記憶した「画面ID」と「操作ボタン」の各データをRAM12から読み出し、それぞれを操作座標テーブル62の「画面ID」、「操作ボタン」として、該当する「押下座標位置」のデータを読み出す。そして、CPU11は、操作座標テーブル62から読み出した「押下座標位置」のデータをMFP3へ送信する座標情報としてRAM12に記憶する。
【0059】
そして、S16において、CPU11は、MFP3へ送信する座標情報として記憶した「押下座標位置」のデータをRAM12から読み出し、USBインターフェース25を介してMFP3へ送信する。
【0060】
続いて、S17において、CPU11は、USBインターフェース25を介してMFP3から表示用画面情報としての画像部品情報を受信するのを待つ(S17:NO)。この画像部品情報は、後述のように、CPU11が送信した「押下座標位置」のデータに対応して、MFP3の液晶ディスプレイ43に次に遷移して表示された機能設定用の設定画面の各画像部品の部品IDと各画像部品の表示位置を表す配置位置座標情報等から構成されている。
【0061】
そして、USBインターフェース25を介してMFP3から表示用画面情報としての画像部品情報を受信した場合には(S17:YES)、CPU11は、S18の処理に移行する。S18において、CPU11は、後述の「画像部品比較処理」のサブ処理(図10参照)を実行する。
【0062】
その後、S19において、CPU11は、実行順番記憶領域12Bから実行順番を読み出し、この実行順番に「1」加算して、再度、実行順番記憶領域12Bに記憶する。つまり、CPU11は、実行順番を更新する。続いて、S20において、CPU11は、RAM12の各記憶領域12A、12BからシナリオIDと実行順番とを読み出し、それぞれを評価シナリオテーブル61の「シナリオID」、「実行順番」として、該当する「シナリオID」と「実行順番」がある否かを判定する判定処理を実行する。
【0063】
そして、RAM12の各記憶領域12A、12Bから読み出したシナリオIDと実行順番に対応する「シナリオID」と「実行順番」が評価シナリオテーブル61にあると判定した場合には(S20:YES)、CPU11は、再度、S14以降の処理を実行する。
一方、RAM12の各記憶領域12A、12Bから読み出したシナリオIDと実行順番に対応する「シナリオID」と「実行順番」が評価シナリオテーブル61に無いと判定した場合には(S20:NO)、CPU11は、S21の処理に移行する。
【0064】
S21において、CPU11は、シナリオID記憶領域12AからシナリオIDを読み出し、このシナリオIDに「1」加算して、再度、シナリオID記憶領域12Aに記憶する。つまり、CPU11は、シナリオIDを更新する。
続いて、S22において、CPU11は、シナリオID記憶領域12AからシナリオIDを読み出し、このシナリオIDを評価シナリオテーブル61の「シナリオID」として、該当する「シナリオID」がある否かを判定する判定処理を実行する。
【0065】
そして、シナリオID記憶領域12Aから読み出したシナリオIDに対応する「シナリオID」が評価シナリオテーブル61にあると判定した場合には(S22:YES)、CPU11は、再度、S13以降の処理を実行する。
一方、シナリオID記憶領域12Aから読み出したシナリオIDに対応する「シナリオID」が評価シナリオテーブル61に無いと判定した場合には(S22:NO)、CPU11は、S23の処理に移行する。
【0066】
S23において、CPU11は、MFP3の液晶ディスプレイ43に表示された機能設定用の複数の設定画面の遷移の評価結果を液晶ディスプレイ21に表示後(図12参照)、当該処理を終了する。
【0067】
[設定画面切り替え処理]
次に、図9に基づいてMFP3のCPU31が起動された際に実行する「設定画面切り替え処理」について説明する。
図9に示すように、S111において、CPU31は、画面ID記憶領域32Aから画面IDを読み出し、この画面IDに「1」を代入して、再度、画面ID記憶領域32Aに記憶する。つまり、CPU31は、画面IDを初期化する。そして、CPU31は、画面ID記憶領域32Aから画面IDを読み出し、この画面IDをMFP側部品テーブル73の「画面ID」とする。
【0068】
そして、CPU31は、この「画面ID」に対応する「部品ID」と「表示位置」の複数個の組み合わせをMFP側部品テーブル73から読み出す。その後、CPU31は、各「部品ID」に対応する画像部品のビットマップデータをROM33から読み出し、それぞれを表示画面の「表示位置」の座標位置に配置して、液晶ディスプレイ43に表示する。つまり、CPU31は、液晶ディスプレイ43に起動時の初期設定用画面、即ち、「画面ID」が「1」の機能設定用の設定画面を表示する(図11参照)。
【0069】
続いて、S112において、CPU31は、USBインターフェース48を介して評価装置2から座標情報、つまり、「押下座標位置」のデータを受信するのを待つ(S112:NO)。そして、USBインターフェース48を介して評価装置2から座標情報、つまり、「押下座標位置」のデータを受信した場合には(S112:YES)、CPU31は、受信した座標情報をRAM32に記憶後、S113の処理に移行する。
【0070】
S113において、CPU31は、画面ID記憶領域32Aから画面IDを読み出す。つまり、CPU31は、液晶ディスプレイ43に現在表示している機能設定用の設定画面の「画面ID」を画面ID記憶領域32Aから読み出す。
そして、S114において、CPU31は、この画面ID記憶領域32Aから読み出した画面IDを操作ボタンテーブル71の「画面ID」とする。また、CPU31は、評価装置2から受信した座標情報をRAM32から読み出す。
【0071】
続いて、CPU31は、この「画面ID」に対応する操作ボタンテーブル71の「左下座標」、「左上座標」、「右下座標」、「右上座標」で決定される矩形状の各検出可能領域から、受信した座標情報で特定される座標位置を含む検出可能領域を抽出する。そして、CPU31は、この抽出した検出可能領域に対応する「操作ボタン」のデータを操作ボタンテーブル71から読み出し、表示画面上のタッチパネル44が押下された操作ボタンの種類としてRAM32に記憶する。
【0072】
続いて、S115において、CPU31は、画面ID記憶領域32Aから画面IDを読み出し、また、RAM32からタッチパネル44が押下された操作ボタンの種類を読み出し、それぞれを遷移画面テーブル72の「画面ID」、「操作ボタン」とする。そして、CPU31は、該当する「遷移する画面ID」のデータを読み出し、「遷移する設定画面の画面ID」としてRAM32に記憶する。つまり、CPU31は、次に遷移する機能設定用の設定画面の画面IDを取得する。
【0073】
そして、S116において、CPU31は、RAM32から「遷移する設定画面の画面ID」を読み出し、MFP側部品テーブル73の「画面ID」とする。そして、CPU31は、この「画面ID」に対応する「部品ID」と「表示位置」の複数個の組み合わせをMFP側部品テーブル73から読み出し、次に遷移する設定画面の画像部品情報としてRAM32に記憶する。
【0074】
続いて、S117において、CPU31は、RAM32から次に遷移する設定画面の画像部品情報を読み出す。そして、CPU31は、次に遷移する設定画面の画像部品情報を構成する各「部品ID」に対応する画像部品のビットマップデータをROM33から読み出し、それぞれを表示画面の「表示位置」の座標位置に配置して、液晶ディスプレイ43に表示する。
【0075】
ここで、液晶ディスプレイ43に表示される機能設定用の設定画面の一例について図11に基づいて説明する。
図11に示すように、「画面ID」が「1」の設定画面は、各種パラメータの初期設定を行う設定画面であり、「Date&Timeボタン」の画像部品81、「Local Languageボタン」の画像部品82、「Initial Setボタン」の画像部品83、「スクロールボタン」の画像部品84、「戻るボタン」の画像部品85等から構成されている。
【0076】
「Date&Timeボタン」は、「日付と時刻」の設定開始を指示する操作ボタンである。また、「Local Languageボタン」は、「使用言語」の設定開始を指示する操作ボタンである。また、「Initial Setボタン」は、印刷する「文書スタイル」の設定開始を指示する操作ボタンである。また、「スクロールボタン」は、上ボタン又は下ボタンを押下することによって、左側の上下三段に表示されている各操作ボタンを1つずつスクロールダウン、スクロールアップさせる指示を入力することができる。また、「戻るボタン」は、押下することによって、最後の操作の前の状態に戻すことができる。
【0077】
また、「画面ID」が「2」の設定画面は、「戻るボタン」の画像部品91、テンキーから入力された西暦を表示する「西暦表示欄」の画像部品92、テンキーを構成する「1」〜「0」ボタンの各画像部品93〜102、「西暦表示欄」に表示されている数字の最終入力数字を1文字ずつ削除する「修正ボタン」の画像部品103、入力を確定する「OKボタン」の画像部品104から構成されている。
【0078】
また、「画面ID」が「3」の設定画面は、「画面ID」が「2」の設定画面とほぼ同じ構成であるが、「西暦表示欄」の画像部品92に替えて、テンキーから入力された暦の月を表示する「月表示欄」の画像部品106が表示される。また、「画面ID」が「4」の設定画面は、「画面ID」が「3」の設定画面とほぼ同じ構成であるが、「月表示欄」の画像部品106に替えて、テンキーから入力された暦の日付を表示する「日付表示欄」の画像部品107が表示される。
【0079】
また、「画面ID」が「5」の設定画面は、「画面ID」が「4」の設定画面とほぼ同じ構成であるが、「日付表示欄」の画像部品107に替えて、テンキーから入力された時刻を表示する「時刻表示欄」の画像部品108が表示される。
【0080】
そして、図9に示すように、S118において、CPU31は、画面ID記憶領域32Aから画面IDを読み出し、また、RAM32から「遷移する設定画面の画面ID」を読み出し、この画面IDに「遷移する設定画面の画面ID」を代入して、再度、画面ID記憶領域32Aに記憶する。つまり、CPU31は、液晶ディスプレイ43に現在表示している機能設定用の設定画面に付与された「画面ID」を画面ID記憶領域32Aに記憶する。
【0081】
その後、S119において、CPU31は、RAM32から次に遷移する設定画面の画像部品情報を再度読み出し、この次に遷移する設定画面の画像部品情報をUSBインターフェース48を介して評価装置2へ送信後、再度、S112以降の処理を実行する。つまり、CPU31は、液晶ディスプレイ43に現在表示している機能設定用の設定画面の画像部品情報をUSBインターフェース48を介して評価装置2へ送信後、再度、S112以降の処理を実行する。
【0082】
[画像部品比較処理]
次に、上記S18において、CPU11が実行する「画像部品比較処理」のサブ処理について図10に基づいて説明する。
図10に示すように、S211において、CPU11は、USBインターフェース25を介してMFP3から受信した画像部品情報をMFP側画像部品情報としてRAM12に記憶する。
【0083】
そして、S212において、CPU11は、RAM12の各記憶領域12A、12BからシナリオIDと実行順番とを読み出す。そして、CPU11は、このシナリオIDを評価シナリオテーブル61の「シナリオID」とすると共に、この実行順番に「1」加算した数値を評価シナリオテーブル61の「実行順番」として、該当する「画面ID」を読み出し、次の実行順番の「画面ID」としてRAM12に記憶する。
【0084】
その後、S213において、CPU11は、次の実行順番の「画面ID」をRAM12から読み出す。そして、CPU11は、この「画面ID」を評価装置側部品テーブル63の「画面ID」として、この「画面ID」に対応する「部品ID」と「表示位置」の複数個の組み合わせを読み出し、評価装置側画像部品情報としてRAM12に記憶する。
【0085】
続いて、S214において、CPU11は、RAM12からMFP側画像部品情報と評価装置側画像部品情報と読み出し、MFP側画像部品情報と評価装置側画像部品情報とが一致するか否かを判定する判定処理を実行する。そして、MFP側画像部品情報と評価装置側画像部品情報とが一致すると判定した場合には(S214:YES)、CPU11は、S215の処理に移行する。
【0086】
S215において、CPU11は、RAM12の各記憶領域12A、12BからシナリオIDと実行順番とを読み出す。そして、CPU11は、この読み出したシナリオIDを評価結果テーブル64の「シナリオID」に記憶し、この読み出した実行順番を評価結果テーブル64の「実行順番」に記憶する。また、CPU11は、MFP側画像部品情報と評価装置側画像部品情報とが一致した旨、つまり、評価結果が合格した旨を表す「○」を評価結果テーブル64の「結果」に記憶する。
【0087】
その後、CPU11は、メインフローチャートに戻り、S19の処理に移行する。従って、CPU11は、評価結果テーブル64の「受信データ」には、何も記憶しない。尚、CPU11は、評価結果テーブル64の「受信データ」に「0」を記憶するようにしてもよい。
【0088】
一方、MFP側画像部品情報と評価装置側画像部品情報とが一致しないと判定した場合には(S214:NO)、CPU11は、S216の処理に移行する。S216において、CPU11は、RAM12の各記憶領域12A、12BからシナリオIDと実行順番とを読み出す。そして、CPU11は、この読み出したシナリオIDを評価結果テーブル64の「シナリオID」に記憶し、この読み出した実行順番を評価結果テーブル64の「実行順番」に記憶する。
【0089】
また、CPU11は、MFP側画像部品情報と評価装置側画像部品情報とが一致しない旨、つまり、評価結果が不合格である旨を表す「×」を評価結果テーブル64の「結果」に記憶する。また、CPU11は、RAM12からMFP側画像部品情報を読み出し、評価結果テーブル64の「受信データ」に記憶する。その後、CPU11は、メインフローチャートに戻り、S19の処理に移行する。
【0090】
ここで、上記S23において、不合格の評価結果を液晶ディスプレイ21に表示した一例を図12に基づいて説明する。尚、機能設定用の複数の設定画面の遷移の評価結果が全て合格の場合には、CPU11は、液晶ディスプレイ21に、「合格」と表示するようにしてもよい。
【0091】
先ず、CPU11は、評価結果テーブル64に記憶された「結果」のデータを順次読み出す。そして、図5に示すように、「結果」に不合格を表す「×」のデータが記憶されていた場合には、この不合格の「結果」に対応する「シナリオID」が「1」、「実行順番」が「5」及び「受信データ」が「112,(X91,Y91),18,(X72,Y72),20,・・・」の各データを読み出し、不合格の画像部品情報としてRAM12に記憶する。
【0092】
また、CPU11は、この「シナリオID」が「1」及び「実行順番」が「5」を評価シナリオテーブル61の「シナリオID」、「実行順番」として、該当する「画面ID」と「操作ボタン」の各データ「5」、「OKボタン」を読み出し、不合格の画像部品情報としてRAM12に記憶する。更に、CPU11は、この「画面ID」の「5」を評価装置側部品テーブル63の「画面ID」として、この「画面ID」に対応する「部品ID」と「表示位置」の複数個の組み合わせを読み出し、評価用画面情報としてRAM12に記憶する。
【0093】
そして、CPU11は、RAM12から評価用画面情報と不合格の画像部品情報とを読み出す。そして、CPU11は、評価用画面情報を構成する各「部品ID」に対応する画像部品のビットマップデータをデータ記録部23から読み出し、それぞれを表示画面の「表示位置」の座標位置に配置して、「画面ID」が「5」の「時刻」設定用の設定画面を「正解画面」として表示する。
【0094】
また、CPU11は、不合格の画像部品情報を構成する各「部品ID」に対応する画像部品のビットマップデータをデータ記録部23から読み出し、それぞれを表示画面の「表示位置」の座標位置に配置して、「日付」設定用の設定画面を「MFP表示画面」として表示する。つまり、CPU11は、「画面ID」が「4」の設定画面を「MFP表示画面」として表示する。また、CPU11は、「シナリオID」が「1」、「実行順番」が「5」、「画面ID」が「5」、「操作手順」が「OKボタン」を表示すると共に、「結果」欄に「不合格」を表示する。
【0095】
以上詳細に説明した通り、本実施例に係る画面遷移評価システム1では、評価装置2のCPU11は、評価シナリオテーブル61に記憶された評価の順番に従って液晶ディスプレイ43の表示画面上の押下位置の座標情報をMFP3へ送信する。また、MFP3のCPU31は、受信した押下位置の座標情報と液晶ディスプレイ43に表示している設定画面の「画面ID」とから、次に「遷移する画面ID」を取得する。
【0096】
そして、MFP3のCPU31は、この「遷移する画面ID」をMFP側部品テーブル73の「画面ID」として、この「画面ID」に対応する「部品ID」と「表示位置」を順次読み出す。そして、CPU31は、この読み出した「部品ID」と「表示位置」の組み合わせデータを次に遷移する設定画面の画像部品情報として評価装置2へ送信する。一方、評価装置2のCPU11は、次の実行順番の「画面ID」を評価装置側部品テーブル63の「画面ID」として、この「画面ID」に対応する「部品ID」と「表示位置」を順次読み出す。
【0097】
そして、CPU11は、この読み出した「部品ID」と「表示位置」の組み合わせデータを評価装置側画像部品情報として、MFP3から受信した画像部品情報と一致するか否かを判定する比較評価処理を実行し、評価結果を評価結果テーブル64に記憶する。また、CPU11は、評価結果を液晶ディスプレイ21に表示する。
【0098】
これにより、評価者による目視でタッチパネル44上を指で押下して、MFP3の液晶ディスプレイ43に表示された設定画面の遷移を確認する評価方法に替えて、評価装置2によって液晶ディスプレイ43の表示画面の遷移を正確に評価することが可能となると共に、評価時間の短縮化を図ることが可能となる。また、MFP3の設定画面の表示プログラムを開発する開発者は、評価装置2の評価結果テーブル64に記憶されている評価結果を検討することが可能となる。従って、開発者は、MFP3の設定画面の切り替え動作不良等の解析を容易に行うことが可能となり、MFP3の設定画面の表示プログラムの開発設計期間の短縮化を図ることが可能となる。
【0099】
また、評価装置2のCPU11は、評価装置側部品テーブル63から読み出した「部品ID」と「表示位置」の組み合わせデータと、MFP3から受信した画像部品情報とが一致するか否かを評価する。これにより、CPU11は、MFP3の液晶ディスプレイ43に表示される設定画面の遷移を正確、且つ迅速に評価することができ、評価の高精度化および評価時間の更なる短縮化を図ることができる。
【0100】
尚、本発明は前記実施例に限定されることはなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることは勿論である。例えば、以下のようにしてもよい。
【0101】
(A)例えば、上記S119において、CPU31は、上記S117において液晶ディスプレイ43に表示した設定画面のビットマップデータを評価装置2へ送信するようにしてもよい。そして、上記S214において、CPU11は、評価装置側画像部品情報によって作成された設定画面のビットマップデータと、MFP3から受信した設定画面のビットマップデータとが一致するか否かを判定するようにしてもよい。
【0102】
(B)例えば、CPU11は、上記S215の処理を実行後、メインフローチャートに戻って、S21の処理に移行するようにしてもよい。これにより、CPU11は、不合格の評価結果を検出した場合には、次の「シナリオID」の評価に移行することが可能となり、評価時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0103】
(C)例えば、上記S214において、MFP側画像部品情報の「部品ID」と評価装置側画像部品情報の「部品ID」とが一致するか否かを判定するだけの判定処理を実行するようにしてもよい。これにより、評価時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0104】
(D)例えば、評価装置2のデータ記録部23の評価用画像部品DB23Cに予め評価装置側部品テーブル63を格納しないようにしてもよい。そして、上記S11において、評価開始の指示が入力された場合に(S11:YES)、CPU11は、USBインターフェース25を介してMFP3へMFP側部品テーブル73を送信するように指示する。そして、CPU11は、MFP3からMFP側部品テーブル73を受信して、このMFP側部品テーブル73を評価装置側部品テーブル63としてデータ記録部23の評価用画像部品DB23Cに記憶後、S12の処理に移行するようにしてもよい。
【0105】
これにより、評価装置2は、MFP3の機種毎の評価装置側部品テーブル63をデータ記録部23の評価用画像部品DB23Cに記憶する必要が無く、データ記録部23の記憶容量の小型化を図ることができる。
【0106】
(E)例えば、評価装置2と複数台のMFP3をLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネット、携帯電話回線網、電話回線網55等の通信回線網によって接続し、評価装置2のCPU11は、複数台のMFP3の評価を同時に並行して行うようにしてもよい。
【0107】
(F)例えば、評価装置2のCPU11は、評価結果テーブル64の「結果」に不合格を表す「×」が所定個数以上(例えば、3個以上である。)ある場合には、不合格になった「シナリオID」、「実行順番」、「結果」、「受信データ」の各データをMFP3へ送信するようにしてもよい。
【0108】
そして、MFP3のCPU31は、不合格になった「シナリオID」、「実行順番」、「結果」、「受信データ」の各データを受信した場合には、プリンタ47によって印刷出力するようにしてもよい。これにより、開発者は、MFP3の設定画面の切り替え動作不良等の解析を迅速に行うことが可能となり、MFP3の設定画面の表示プログラムの開発設計期間の短縮化を図ることが可能となる。
【0109】
(G)例えば、操作座標テーブル62の「押下座標位置」に、操作ボタン上の複数カ所の押下位置の座標情報を記憶するようにしてもよい。そして、CPU11は、押下位置の各座標情報に対してS16〜S18の処理をそれぞれ実行するようにしてもよい。これにより、CPU11は、液晶ディスプレイ43に表示された設定画面の各操作ボタンの押下位置のバラツキに対する評価結果を取得することが可能となる。
【符号の説明】
【0110】
1 画面遷移評価システム
2 評価装置
3 MFP
11、31 CPU
12、32 RAM
13、33 ROM
23 データ記録部
21、43 液晶ディスプレイ
44 タッチパネル
25、48 USBインターフェース
61 評価シナリオテーブル
62 操作座標テーブル
63 評価装置側部品テーブル
64 評価結果テーブル
71 操作ボタンテーブル
72 遷移画面テーブル
73 MFP側部品テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を切り替えて表示する表示手段と、前記表示手段の表示画面上の押下位置を検出する押下位置検出手段と、前記押下位置検出手段によって検出された押下位置の座標情報を取得する座標情報取得手段と、を有する被検査装置と、
前記被検査装置と双方向通信可能に接続された評価装置と、
を備え、
前記評価装置は、
予め定められた評価の順番を記憶する評価手順記憶手段と、
前記評価手順記憶手段に記憶された第1表示画面識別情報に対応する押下位置の座標情報を記憶する操作座標記憶手段と、
前記第1表示画面識別情報に対応した評価用画面情報を記憶する画面情報記憶手段と、
前記押下位置の座標情報を前記被検査装置へ送信する座標情報送信手段と、
を有し、
前記被検査装置は、
第2表示画面識別情報に対応する表示用画面情報を記憶する画像情報記憶手段と、
前記座標情報送信手段から前記押下位置の座標情報を受信した場合には、この受信した座標情報に応じた操作ボタン情報と前記第2表示画面識別情報とを共に特定する座標情報特定手段と、
前記座標情報特定手段により特定された前記操作ボタン情報と前記第2表示画面識別情報とから、遷移する第3表示画面識別情報を取得して、その取得した第3表示画面識別情報より前記画像情報記憶手段に記憶された前記表示用画面情報を取得する画面情報取得手段と、
前記画面情報取得手段により取得した前記表示用画面情報を前記評価装置へ送信する画面情報送信手段と、
を有し、
該評価装置は、
前記表示用画面情報を受信した場合には、前記座標情報送信手段を介して送信した前記押下位置の座標情報に対応して遷移する表示画面の評価用画面情報と当該受信した表示用画面情報とを比較評価する評価手段と、
前記評価手段によって評価した評価結果を記憶する評価結果記憶手段と、
を有することを特徴とする画面遷移評価システム。
【請求項2】
前記被検査装置は、前記画面情報取得手段により前記表示用画面情報を取得した場合には、表示画面を該表示用画面情報の表示画面に切り替えて表示するように制御する切替表示制御手段を有することを特徴とする請求項1に記載の画面遷移評価システム。
【請求項3】
前記被検査装置は、前記切替表示制御手段によって表示画面が切り替え表示された場合には、前記第3表示画面識別情報を記憶するように制御する記憶制御手段を有することを特徴とする請求項2に記載の画面遷移評価システム。
【請求項4】
前記評価用画面情報と前記表示用画面情報とは、前記表示画面を構成する画像部品の識別番号と該画像部品の配置位置座標情報とから構成され、
前記評価手段は、前記座標情報送信手段を介して送信した前記押下位置の座標情報に対応して遷移する表示画面の評価用画面情報と受信した表示用画面情報とが一致するか否かを評価することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の画面遷移評価システム。
【請求項5】
前記座標情報送信手段を介して送信した前記押下位置の座標情報に対応して遷移する表示画面の評価用画面情報と受信した表示用画面情報とが一致しないと評価された場合には、前記評価結果記憶手段は、当該表示用画面情報を評価結果と共に記憶することを特徴とする請求項4に記載の画面遷移評価システム。
【請求項6】
予め定められた評価の順番を記憶する評価手順記憶手段と、
前記評価手順記憶手段に記憶された第1表示画面識別情報に応じた被検査装置の表示画面上の押下位置の座標情報を記憶する操作座標記憶手段と、
前記第1表示画面識別情報に対応した評価用画面情報を記憶する画面情報記憶手段と、
前記押下位置の座標情報を前記被検査装置へ送信する座標情報送信手段と、
前記被検査装置から送信された前記押下位置の座標情報に対応した表示用画面情報を受信する画面情報受信手段と、
前記表示用画面情報を受信した場合には、前記座標情報送信手段を介して送信した前記押下位置の座標情報に対応して遷移する表示画面の評価用画面情報と当該受信した表示用画面情報とを比較評価する評価手段と、
前記評価手段によって評価した評価結果を記憶する評価結果記憶手段と、
を備えたことを特徴とする評価装置。
【請求項7】
表示画面を切り替えて表示する表示手段と、
前記表示手段の表示画面上の押下位置を検出する押下位置検出手段と、
前記押下位置検出手段によって検出された押下位置の座標情報を取得する座標情報取得手段と、
第2表示画面識別情報に対応する表示用画面情報を記憶する画像情報記憶手段と、
評価装置から送信された前記表示画面の押下位置の座標情報を受信する座標情報受信手段と、
前記座標情報受信手段を介して前記押下位置の座標情報を受信した場合には、この受信した座標情報に応じた操作ボタン情報と前記第2表示画面識別情報とを共に特定する座標情報特定手段と、
前記座標情報特定手段により特定された前記操作ボタン情報と前記第2表示画面識別情報とから、遷移する第3表示画面識別情報を取得して、その取得した第3表示画面識別情報より前記画像情報記憶手段に記憶された前記表示用画面情報を取得する画面情報取得手段と、
前記画面情報取得手段により取得した前記表示用画面情報を前記評価装置へ送信する画面情報送信手段と、
を備えたことを特徴とする被検査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−113491(P2011−113491A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271790(P2009−271790)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】