説明

留め具

【課題】取付部材および被取付部材をワンタッチで取り付けることができる留め具に関するものである。
【解決手段】留め具は、雌部材11に雄部材を挿入することにより、雄部材により、雌部材に設けられたスリット114を開拡して、固定するものである。雌部材は、挿入孔111が設けられているフランジ部112と、フランジ部から下方に延びる筒部113と、筒部に設けられた複数個のスリット114とから少なくとも構成されている。雄部材は、頭部と、軸部と、脚部とから少なくとも構成されている。雄部材は、頭部から下方に延び、雌部材の筒部に挿入されて、筒部を開拡する軸部が成形されている。軸部は、下端部において、雌部材11の筒部113に挿入された際に、筒部113の下部を曲げ、円筒形にすることができる。脚部は、係止部が設けられ、取付部材および被取付部材を挟んだ際にガタ付かないようになっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付部材および被取付部材をワンタッチで取り付けることができるとともに、前記取付部材および被取付部材の厚さにかかわらず、ガタ付きがなく、かつ、抜け止めしないように取り付けることができる留め具に関するものである。また、本発明は、前記取付部材および被取付部材を容易に取り付けることができると同時に、解除する際に、工具を何等使用することなく、取り外すことができる留め具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の留め具は、たとえば、実開平6−40428号公報に記載されている。図6(イ)および(ロ)は従来の留め具を説明するための一部切り欠いた正面図、(ハ)は上面図である。図6(イ)から(ハ)において、プッシュリベットは、リベット本体(雌部材)61と、ピン(雄部材)62とから構成されている。前記リベット本体61は、フランジ611、筒部612、スリット613とから構成されている。また、ピン62は、頭部621、軸部622、ドライバー溝623とから構成されている。また、前記フランジ611および頭部621の間に工具挿入溝624が設けられている。
【0003】
前記ピン62は、リベット本体61のフランジ611から挿入され、筒部612を拡開することにより、図示されていない取付部材および被取付部材を固定することができる。また、前記プッシュリベットは、リベット本体61とピン62の係合を解除する場合、ドライバー625のような工具を使用して、工具挿入溝624に挿入し、こじ開けるようにしていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平6−40428号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来のプッシュリベットは、リベット本体61とピン62の弾性により取付部材および被取付部材を取り付けていた。前記プッシュリベットは、再利用に際し、部材自身がへたる場合があり、元に戻らなく、抜けてしまうことがあり、信頼性に問題があった。また、前記プッシュリベットは、取付部材および被取付部材が薄い場合、開孔部にガタができるという問題があった。また、前記プッシュリベットは、前記取付部材と被取付部材の係合を解除する場合、工具を用いて強制的に解除しなければならなかった。
【0006】
以上のような課題を解決するために、本発明は、取付部材および被取付部材の厚さが薄いものであっても、係合部にガタ付きがなく、かつ、雄部材および雌部材が抜けることのない留め具を提供することを目的とする。また、本発明は、前記取付部材および被取付部材の係合にガタ付きがなく、抜けることがないと同時に、前記雌部材から前記雄部材を解除する際に、特別の工具を必要としない留め具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(第1発明)
本発明の留め具は、挿入孔が設けられているフランジ部と、前記フランジ部から下方に延びる筒部と、前記筒部に設けられたスリットとから構成されている雌部材;
頭部と、前記頭部から下方に延び、前記雌部材の筒部に挿入されて、前記筒部を開拡する軸部と、前記軸部から上部に向かって外方に広がるとともに、前記筒部のスリットから外方に突出した係止部を備えている脚部とから構成されている雄部材;
前記雄部材を前記雌部材の挿入孔に押し込み、前記筒部を外方に拡開させて、取付部材と被取付部材の取付孔の縁に当接させて固定するとともに、前記脚部の係止部が前記スリットの外方に突出し、前記取付部材と被取付部材の取付孔の縁に当接させて固定することを特徴とする留め具。
【0008】
(第2発明)
第2発明の留め具において、前記脚部の先端は、前記頭部の下部から両端に向けて突出し、前記取付部材と被取付部材との係止を解除するための操作部であることを特徴とする。
【0009】
(第3発明)
第3発明の留め具において、前記操作部は、楔形に成形され、前記操作部が前記頭部と前記フランジ部との間に入り込むことにより、雌部材と雄部材とが引き離されることを特徴とする。
【0010】
(第4発明)
第4発明の留め具において、前記操作部またはフランジ部は、少なくとも一方に、傾斜部が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の留め具によれば、弾性に富んだ雌部材の筒部の拡開、および雄部材における脚部が前記筒部のスリットから外方に突出し、取付部材と被取付部材の開孔縁に係止し、前記取付部材および被取付部材の厚さが異なる場合であっても、ガタ付きがなく、また、雄部材の抜けを防ぐことができる。
【0012】
本発明によれば、留め具における雄部材および雌部材が搬送中にバラバラにならずに一体にするための係止部を有するため、組み立てが迅速にできる。また、前記雄部材および雌部材は、取付部材および被取付部材の開孔部に挿入された後、前記雄部材の頭部を押すことにより、前記雌部材の筒部が拡開して、前記被取付部材および取付部材が互いに固定されるとともに、組み立てが容易で、かつ、迅速にできる。
【0013】
本発明によれば、頭部の下部に操作部を設け、前記操作部の両端を内部方向に押すだけで、前記取付部材および被取付部材が留め具から解除されるため、工具を使用することなく、前記雌部材および雄部材の係合を容易に解除させることができる。
【0014】
本発明によれば、操作部を楔形に成形、あるいはフランジの一部に傾斜部を設けることにより、前記操作部を押すだけで、工具を使用することなく、簡単に前記雄部材および雌部材の係合を容易に解除させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】(イ)および(ロ)は本発明の実施例である雌部材の一部切欠き平面図、(ハ)は本発明の実施例である雌部材の上面図、(ニ)は(ハ)のA−A断面図である。(実施例1)
【図2】(イ)および(ロ)は本発明の実施例である雄部材の一部切欠き平面図、(ハ)は本発明の実施例である雄部材の上面図である。
【図3】(イ)は雌部材と雄部材が離れている状態を説明する平面図、(ロ)は雌部材と雄部材が一部係合している状態を説明する平面図、(ハ)は雌部材と雄部材が完全に係合した状態を説明する平面図である。
【図4】本発明の実施例であり、雌部材と雄部材によって、取付部材および被取付部材を取り付けた状態を説明するための平面図である。
【図5】本発明の他の実施例を説明するための図である。(実施例2)
【図6】(イ)および(ロ)は従来例における留め具の一部切欠き正面図、(ハ)は上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(第1発明)
第1発明の留め具は、取付部材および被取付部材に設けられた取付孔に挿入されて、前記両者を互いに取り付けるものである。前記留め具は、雌部材に雄部材を挿入することにより、前記雄部材により、雌部材に設けられたスリットを有する筒部を拡開して、取付部材および被取付部材が互いに外れないように固定するものである。前記雌部材は、挿入孔が一体に設けられているフランジ部と、前記フランジ部から下方に一体に延びている筒部と、前記筒部に設けられたほぼ十字状に切られスリットとから少なくとも構成されている。前記十字状に切られたスリットは、後述する脚部、およびスライド凸部を挿入できる溝状に成形されている。前記雌部材および雄部材は、たとえば、金型を用いて、弾性を有する合成樹脂部材により成形される。
【0017】
前記雄部材は、頭部と、軸部と、脚部とから少なくとも構成されている。前記雄部材は、前記頭部から下方に延び、前記雌部材の筒部に挿入されて、前記筒部を拡開する軸部が成形されている。前記軸部は、前記雌部材の前記十字状に切られたスリットに挿入できる一対の脚部、ほぼ対角状に両側に設けられたスライド凸部、および、下端部において、前記雌部材の筒部に挿入された際に、前記筒部の下部を曲げることができる円筒部とから構成されている。また、前記脚部は、下部から上部に向かって外方に広がるような形状に設けられているとともに、中間部近傍に取付部材および被取付部材を係止し、あるいは後述の操作部を押すことにより前記脚部を抜け易くする係止部を備えている。前記係止部は、前記脚部において、緩やかに膨らんだ突起とすることができる。前記脚部に設けられた係止部は、厚めの取付部材および被取付部材を挟んだ際にガタ付かないようにすることもできる。
【0018】
前記取付部材および被取付部材の取り付けに際し、前記雄部材は、前記雌部材の挿入孔に押し込まれる。前記複数のスリットを備えた筒部は、前記雄部材の挿入によって、外方に拡開され、前記取付部材と被取付部材が係止される。また、前記脚部は、前記筒部のスリットから外方に一部が突出し、前記取付孔の縁に当接され、前記取付部材と被取付部材とが固定される。前記留め具は、前記雄部材の脚部が前記取付部材と被取付部材の開孔部に係止し、前記取付部材および被取付部材の厚さが異なる場合であっても、ガタ付きがなく、また、雄部材の抜けを防ぐことができる。すなわち、本発明の留め具は、前記取付部材および被取付部材が薄い場合、前記係止部の上に係止され、厚い場合、前記係止部の傾斜部を利用して固定しているため、厚さが異なってもガタ付かずに固定することができる。
【0019】
前記雄部材および雌部材は、弾性を有する合成樹脂等により金型で成形された後、前記雄部材を雌部材に挿入する。前記雄部材は、前記脚部に設けられたスライド凸部に設けられた仮止め凸部を前記雌部材のフランジの下部に係合させた状態で、組み立て工場に搬送される。前記雄部材および雌部材は、搬送中にバラバラにならず一体になっている。そして、前記雄部材および雌部材は、取付部材および被取付部材の開孔部に挿入された後、前記雄部材の頭部を押すことにより、前記雌部材の筒部が拡開して、互いに固定され、組み立てが迅速にできる。また、前記雄部材および雌部材は、十字状に設けられている脚部とスライド凸部をスリットおよびスライド溝に安定して、迅速に挿入することができる。
【0020】
(第2発明)
第2発明の留め具は、前記雄部材に設けられた前記脚部の先端に、操作部が設けられている。前記脚部の先端は、前記頭部の下部から上方に向けて延出されているとともに、前記頭部の下部に沿って、両端に向けて突出した一対の操作部が成形されている。前記操作部は、前記頭部の下部において、両端を内部方向に押すことにより、係止部に係止されていた前記取付部材と被取付部材との係止が解除される。前記操作部は、両端をつまむだけで、内部方向に押すことができ、前記脚部が狭まり、雌部材の拡開が元に戻り、前記取付部材と被取付部材との係合を工具を使用することなく、前記雌部材および雄部材の係合を容易に解除させることができる。
【0021】
(第3発明)
第3発明の留め具は、前記操作部が楔形に成形されているとともに、雌部材のフランジ部に前記操作部を出し入れできる凹部が成形されている。前記操作部は、両端を押すことにより、前記頭部と前記フランジ部との間に成形された凹部に入り込み、前記雌部材と雄部材とを引き離すことができる。前記留め具は、前記操作部を楔形に成形することにより、前記操作部をつまむことにより、簡単に雌部材の拡開を解除することができる。
【0022】
(第4発明)
第4発明の留め具は、前記操作部またはフランジ部の少なくとも一方に、傾斜部を設けている。前記傾斜部は、前記操作部の下部、またはフランジ部における凹部の先端部に設けられている。前記操作部は、前記傾斜部に設けられた斜面により、雄部材の引き上げを容易にする。
【実施例】
【0023】
図1(イ)および(ロ)は本発明の実施例である雌部材の一部切欠き平面図、(ハ)は本発明の実施例である雌部材の上面図、(ニ)は(ハ)のA−A断面図である。図1(イ)から(ニ)において、留め具は、図示されていない取付部材および被取付部材に設けられた開孔部(図4符号43参照)に挿入されて、前記両者を互いに取り付けるものである。前記留め具は、自動車の内装部等に取り付ける以外に、航空機、鉄道あるいは住宅設備等の内装に適用できる。また、前記留め具は、アパレル分野のバックル、配管留め、配送ボックスのロック等に使用することができる。
【0024】
前記留め具は、雌部材11(図1)および雄部材21(図2)から構成されている。前記雌部材11および前記雄部材21は、図4に示す取付部材41および被取付部材42の開孔部43に挿入される。前記雌部材11は、前記雄部材21を挿入孔111に挿入すると、ほぼ十字状に成形されたスリット114およびスライド溝118の協働により、前記雄部材21の軸部が筒部113を拡開させて、前記取付部材および前記被取付部材が互いに外れないように固定するものである。
【0025】
前記雌部材11は、挿入孔111が設けられているフランジ部112と、前記フランジ部112から下方に一体に延びる筒部113と、前記筒部113に設けられた複数個のスリット114およびスライド溝118とから少なくとも構成されている。前記スリット114およびスライド溝118は、前記筒部113の下部が十字に切られ、上部において、フランジ部112の下部に一体に連設されている。
【0026】
前記フランジ部112は、上部に、後述する雄部材21の頭部211を嵌合できる頭部挿入凹部115が成形されている。また、前記フランジ部112は、前記頭部挿入凹部115の両端がなく、かつ、深さが深い操作部挿入凹部116が成形されている。前記雌部材11および雄部材21は、たとえば、金型を用いて、合成樹脂部材により成形されている。
【0027】
図2(イ)および(ロ)は本発明の実施例である雄部材の一部切欠き平面図、(ハ)は本発明の実施例である雄部材の上面図である。図2(イ)から(ハ)において、前記雄部材21は、頭部211と、軸部212と、脚部214、214′と、スライド凸部219、219′とから少なくとも構成されている。前記雄部材21は、前記頭部211から下方に延びる軸部212が、前記雌部材11の筒部113に挿入され、前記スリット114およびスライド溝118により、前記筒部113を拡開する。前記スライド凸部219、219′は、前記雌部材11に成形されたスライド溝118を案内として挿入されるとともに、第1仮止凸起220、220′第2仮止凸起221、221′によって、後述の係止部217、217′と仮止めができる。
【0028】
前記軸部212は、下端部において、前記雌部材11の筒部113に挿入された際に、前記筒部113の下部を曲げることができるほぼ円筒部213を成形するこすることができる。前記円筒部213は、下方を膨出することにより、前記雌部材11を構成する筒部113の拡開をスリット114およびスライド溝118とともに確実にすることができる。また、前記脚部214、214′および前記スライド凸部219、219′は、断面が十字状に成形されており、前記雌部材11のスリット114およびスライド溝118に真っ直ぐに挿入される。
【0029】
また、前記軸部212は、下部から上部に向かって外方に広がる一対の脚部214、214′が設けられているとともに、中間部近傍に取付部材および被取付部材を係止することができるとともに、操作部215、215′を押して雄部材21を抜け易くする係止部217、217′を備えている。前記脚部214、214′は、係止部217に弾性を持たせている。前記係止部217、217′は、前記脚部214、214′において、緩やかに膨らんだ突起とすることができる。前記脚部214、214′に設けられた係止部217、217′は、前記比較的厚めの取付部材および被取付部材を挟んだ際にガタ付かないような傾斜を持った形状になっている。
【0030】
前記留め具は、前記雄部材21に設けられた前記脚部214、214′の先端で、頭部211の下部に位置する部分に、一対の操作部215、215′が設けられている。前記脚部214、214′の上部先端は、前記頭部211の下部から上方に向けて延出されているとともに、前記頭部211の下部に沿って、両端に向けて突出した一対の操作部215、215′が一体に連設されている。
【0031】
前記操作部215、215′は、前記頭部211の下部において、両端を内部方向に、つまむように押すことにより、係止部217、217′に係止されていた前記取付部材と被取付部材との係止が緩むとともに、前記係止部217、217′の傾斜が凹むことにより前記雄部材21の係合を容易に解除する。前記操作部215、215′は、両端をつまんで内部方向に押すだけで、前記脚部214、214′が狭まる方向に移動し、前記雌部材の拡開を元の位置に戻すことができるため、前記取付部材と被取付部材との係合を工具を使用することなく、また、前記雌部材11および雄部材21の係合を容易に解除させることができる。
【0032】
前記留め具は、前記操作部215、215′の形状が前記頭部211の下部に向かって傾斜している楔形に成形されている。また、前記雌部材11のフランジ部112は、前記操作部215、215′が出し入れできる操作部挿入凹部116が頭部挿入凹部115の下部に成形されている。前記操作部215、215′は、両端をつまむように押すだけで、前記頭部211と前記フランジ部112との間に成形された操作部挿入凹部116に入り込み、前記雌部材11と雄部材21とを引き離すことができる。
【0033】
前記留め具は、前記操作部215、215′またはフランジ部112の少なくとも一方に、傾斜部117(図1(ロ)参照)を設けることができる。前記傾斜部117は、前記操作部215、215′の下部、またはフランジ部112における操作部挿入凹部116の先端部に設けることができる。前記操作部215、215′は、前記傾斜部117に設けられた斜面により、雄部材21の引き上げを容易にする。
【0034】
図3(イ)は雌部材と雄部材が離れている状態を説明する平面図、(ロ)は雌部材と雄部材が一部係合している状態を説明する平面図、(ハ)は雌部材と雄部材が完全に係合した状態を説明する平面図である。図3(イ)において、雌部材11と雄部材21は、それぞれ別の金型により成形される、二つの部品から構成されている。
【0035】
図3(ロ)において、前記雌部材11は、前記雄部材21が一部挿入されている状態になっている。前記雄部材21は、係合部217、217′が雌部材11のフランジ部112の下部に係合している。前記雌部材11および雄部材21は、前記フランジ部112に対する係合部217、217′の係合により、二つの部品がばらばらにならず、常に一対の状態になっているため、組み立を迅速に行うことができる。図3(ハ)において、前記雄部材21は、頭部211を下部に押し下げられて、雌部材11の挿入孔に押し込まれる。
【0036】
図4は本発明の実施例であり、雌部材と雄部材によって、取付部材および被取付部材を取り付けた状態を説明するための平面図である。図4において、取付部材41および被取付部材42は、開孔部43に雌部材11を挿入した後、雄部材21の軸部213を押し込む。前記雌部材11における複数のスリット114およびスライド溝118を備えた筒部113は、前記雄部材21の挿入によって、外方に拡開され、取付部材41と被取付部材42が脚部214の前記係止部217の上部に係止される。
【0037】
また、前記脚部214は、前記筒部113のスリット114から外方に一部が突出し、前記開孔部43の縁に当接され、前記取付部材41と被取付部材42とが固定される。前記留め具は、前記雄部材21の脚部214が前記取付部材41と被取付部材42の開孔部43に係止し、前記取付部材41および被取付部材42の厚さが異なる場合でも、ガタ付きがなく、また、雄部材21の抜けを防ぐことができる。
【0038】
図5本発明の他の実施例を説明するための図である。図5において、留め具は、雌部材51と、雄部材52とから構成され、合成樹脂等により金型で成形されている。前記雌部材51および雄部材52は、前記実施例とほぼ同じ形状のものである。本実施例の雄部材52は、脚部523に操作部がない点で、前記実施例と異なっている。前記留め具は、取り外しが不要な場合であり、操作部の部分がなくなっている。前記脚部523は、係止部524によって、取付部材および被取付部材が取り付けられる形状であれば良い。
【0039】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではない。そして、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、種々の設計変更を行うことが可能である。本発明の留め具は、特許請求の範囲に記載された範囲により、各部の形状および寸法を一部変更することができることはいうまでもない。また、本発明の留め具は、使用場所により、異なる公知または周知の材料を用い、弾性等を任意に変えることができる。
【符号の説明】
【0040】
11・・・雌部材
111・・・挿入孔
112・・・フランジ部
113・・・筒部
114・・・スリット
115・・・頭部挿入凹部
116・・・操作部挿入凹部
117・・・傾斜部
21・・・雄部材
211・・・頭部
212・・・軸部
213・・・円筒部
214、214′・・・脚部
215、215′・・・操作部
216、216′・・・楔状部
217、217′・・・係止部
41・・・取付部材
42・・・被取付部材
43・・・開孔部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
挿入孔が設けられているフランジ部と、
前記フランジ部から下方に延びる筒部と、
前記筒部に設けられたスリットと、
から構成されている雌部材;
頭部と、
前記頭部から下方に延び、前記雌部材の筒部に挿入されて、前記筒部を拡開する軸部と、
前記軸部から上部に向かって外方に広がるとともに、前記筒部のスリットから外方に突出した係止部を備えている脚部と、
から構成されている雄部材;
前記雄部材を前記雌部材の挿入孔に押し込み、前記筒部を外方に拡開させて、取付部材と被取付部材の取付孔の縁に当接させて固定するとともに、前記脚部の係止部が前記スリットの外方に突出し、前記取付部材と被取付部材の取付孔の縁に当接させて固定することを特徴とする留め具。
【請求項2】
前記脚部の先端は、前記頭部の下部から両端に向けて突出し、前記取付部材と被取付部材との係止を解除するための操作部であることを特徴とする請求項1に記載された留め具。
【請求項3】
前記操作部は、楔形に成形され、前記操作部が前記頭部と前記フランジ部との間に入り込むことにより、雌部材と雄部材とが引き離されることを特徴とする請求項2記載された留め具。
【請求項4】
前記操作部またはフランジ部は、少なくとも一方に、傾斜部が設けられていることを特徴とする請求項3に記載された留め具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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