説明

番組録画装置

【課題】番組の録画に必要な記録媒体の容量が不足した場合に、録画済み番組データの必要部分に影響を与えることなく、残容量を増加させることが可能な番組録画装置を提供する。
【解決手段】番組録画装置1の制御部7は、記録部3に所定の空き容量がないと判定した場合、記録部3に記録されている番組データの中から番組データを選択し、不要部分検出部4に該番組データから不要部分を検出させ、再符号化部5に番組データの不要部分の再符号化処理を行なわせ、記録部3の該番組データについて上書きを行なう。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、テレビ放送やネットワーク等を介して提供される番組を録画する機能を備えた番組録画装置に関し、特に、番組録画装置に番組を録画するために必要となる残容量を増加させる技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、テレビ放送やネットワーク等を介して提供される番組を視聴するに際し、リアルタイムで観る場合もあるが、一旦、番組を録画し、ユーザの都合のいい時間に再生して観るということが行なわれる。または、ユーザは、気に入った番組を録画しておき、何度も視聴するということも行う。これら番組を記録するための番組録画装置は、番組を保存するために取り外しのできないハードディスクを備えているが、そのハードディスクは容量が限られているため、新たな番組を記録するために、残容量をある程度確保する必要があった。
【0003】
番組録画装置に録画を行うために必要となる残容量を増加させる技術としては、次の2種類が考えられる。1つ目は、録画済み番組を消去することにより残容量を増加させる技術である。2つ目は、録画済み番組を録画されているビットレートより低いビットレートで再符号化することにより残容量を増加させる技術である。
【0004】
録画済み番組を消去することにより残容量を増加させるものとして、例えば、番組を録画するに際し、空き容量が不足している場合、録画済み番組の中から、視聴済みの番組、上書き可として指定されているジャンルに属する番組、又は録画日時の最も古い番組を選択して消去する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術によると、録画済み番組から不要な番組を自動的に消去することができる。
【0005】
また、録画済み番組を録画されているビットレートより低いビットレートで再符号化することにより残容量を増加させるものとして、例えば、視聴履歴により番組の評価値を算出し、空き容量が少ないと、録画済みの番組を評価値に応じた記録方式やビットレートで再度記録し直す技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献2に記載の技術によると、評価値の低い番組のみ再符号化されるため、評価値の高い番組の画質を保持することができる。
【0006】
また、例えば、空き容量が少ないと、データ量が最も大きい録画データ、又は動きベクトル積算値が最大の録画データを符号化情報に基づいて選択し、データサイズが小さくなるよう再符号化する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
特許文献3に記載の技術によると、データ量が最も大きい録画データ、又は動きベクトル積算値が最大の録画データを選択することができるので、録画データの画質の劣化を目立たないようにして空き領域を確保することができる。
【特許文献1】特開2001−167522号公報
【特許文献2】特開2003−174624号公報
【特許文献3】特開2006−217076号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、録画済み番組から不要な番組を選択し、当該番組を消去することにより残容量を増加させるが、利用者が消去しても良いと考える不要な番組が存在しない場合に不都合が生じてしまう。また、録画日時の古い番組から自動的に消去する場合、ユーザが保存しておきたい番組であっても消去してしまうため、ユーザの意に反してしまうことがある。
【0008】
また、特許文献2に記載の技術では、評価値が低い番組は、番組全体が再符号化される。すなわち、番組内の必要部分と不要部分の両方が再符号化されるので、必要部分の画質も劣化してしまう。
【0009】
さらに、特許文献3に記載の技術では、必要であるか、不要であるかには関係なく、データ容量の大きいデータの再符号化が行われるので、番組の必要部分も再符号化され、必要部分の画質が劣化するのを避けられない。
【0010】
本発明は、上述の課題を解決するためのものであり、番組の録画に必要な記録媒体の容量が不足した場合に、録画済み番組データの必要部分に影響を与えることなく、残容量を増加させることが可能な番組録画装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
斯かる実情に鑑み、第1の発明による番組録画装置は、番組データを記憶する記録手段と、前記番組データから所定の条件に合致するデータを不要部分データとして検出する不要部分検出手段と、前記番組データにおける前記不要部分データについてデータ処理するデータ処理手段と、前記各手段の制御を行なう制御手段とを備え、前記制御手段は、前記記録手段の残り記録容量を検出し、該残り記録容量が所定値以下の場合、前記記録手段から前記番組データを選択し、前記不要部分検出手段及び前記データ処理手段を制御して、該番組データの前記不要部分データについてデータ処理を行ない、前記残り記録容量を増加させることを特徴とする。
【0012】
また、第2の発明による番組録画装置は、前記データ処理手段が、前記不要部分データについて現データより低いビットレート又は異なる圧縮方式で再符号化処理を行なうことを特徴とする。
【0013】
また、第3の発明による番組録画装置は、前記データ処理手段が、前記再符号化処理を行なう再符号化部と、前記不要部分データについて消去するデータ消去部とを備え、前記制御手段の制御信号により前記再符号化部又は前記データ消去部が前記不要部分データのデータ処理を行なうことを特徴とする。
【0014】
また、第4の発明による番組録画装置は、前記記録手段に、前記番組データを選択する番組分類データ及び前記不要部分データを検出する不要部分分類データが設定されており、前記制御手段は、該記録手段の設定情報を参照して制御を行なうことを特徴する。
【0015】
また、第5の発明による番組録画装置は、前記制御手段が、前記番組分類データごとに、前記不要部分分類データの選択を行なうことを特徴とする。
【0016】
また、第6の発明による番組録画装置は、前記制御手段が、前記番組分類データ又は前記不要部分分類データごとに、前記再符号化処理のビットレート又は圧縮方式の選択を行なうことを特徴とする。
【0017】
また、第7の発明による番組録画装置は、前記制御手段が、前記番組分類データ又は前記不要部分分類データごとに、前記再符号化部又は前記データ消去部を選択する制御信号を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る番組録画装置は、番組の録画に必要な記録媒体の容量が不足した場合に、録画済み番組データの不要部分のみデータ処理を行なうことにより、該番組データの必要部分に影響を与えることなく、残容量を増加させることができる。
【0019】
また、本発明は、録画済み番組データの不要部分について、録画されているビットレートより低いビットレートで再符号化したり、圧縮方式を変更することにより、残容量を増加させることができる。
【0020】
また、本発明は、再符号化処理の他に、録画済み番組データの不要部分の消去処理が選択可能であり、該番組データの必要部分に影響を与えることなく、更に大きな容量を増加させることができる。
【0021】
また、本発明は、番組分類データにより処理をする番組データを、不要部分分類データにより処理をする番組データの不要部分を選択することができる。
【0022】
また、本発明は、番組分類データに不要部分分類データを対応付けているので、番組データの分類ごとに、不要部分の検出を異ならせることができる。
【0023】
また、本発明は、番組分類又は不要部分分類ごとに再符号化処理の詳細を設定しているので、番組分類又は不要部分分類ごとに再符号化処理のビットレートや圧縮方式を異ならせることができる。
【0024】
また、本発明は、番組分類又は不要部分分類ごとにデータの処理方法を設定しているので、番組分類又は不要部分分類ごとに再符号化処理かデータ消去処理かの選択が可能である。
【0025】
また、本発明は、番組データの選択、不要部分の検出、不要部分の処理方法選択の各ステップにおいて条件を詳細に指定することにより、処理を詳細に制御することが可能となり、ユーザのニーズに合わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0027】
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態における番組録画装置の基本構成を示す機能ブロック図である。
番組録画装置1は、アンテナ又はネットワークにより番組データを受信する番組受信部2と、受信した番組データ等を記憶する記録部3と、記録部3に記憶した番組データから不要部分を検出する不要部分検出部4と、番組データの再符号化を行なう再符号化部5と、再生するために記録部3から番組データを読み出し、出力を行なう出力部6と、これらの制御を行なう制御部7と、ユーザの操作を受け付ける操作部8と、を含んで構成される。
【0028】
番組受信部2は、テレビ放送を受信する場合には、アンテナとチューナーにより構成される。また、ネットワークにより番組データを受信する場合、無線、有線を問わない。受信された番組データは、映像データと音声データに分離され、記録部3に記憶される。
【0029】
記録部3は、例えば、番組録画装置1に内蔵又は外付けのハードディスク等であり、番組データ、番組データに付加され、又はテレビ放送の場合は、EPG(Electronic Program Guide)等から取得した番組の属性に関する番組情報、各種設定等を記憶する。
【0030】
不要部分検出部4は、制御部7の制御により、記録部3から該当する番組データを読み出し、制御部7に指定された属性のデータを検出して、番組データにおける該当部分を特定する情報を制御部7に出力する。
【0031】
再符号化部5は、制御部7の制御により、番組データの特定部分について再符号化を行なう。
【0032】
出力部6は、制御部7の制御により、記録部3から該当する番組データを読み出し、表示装置(不図示)に出力を行なう。また、出力部6は、デコーダ機能を備える。
【0033】
制御部7は、番組録画装置1全体の制御を行ない、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備える。
【0034】
操作部8は、ユーザ操作による不図示のリモコン、キーボード、又はマウス等からの入力を受け付け、制御部7に伝達する。
【0035】
以上のような構成である番組録画装置1における番組録画処理について、説明する。
図2は、本実施形態での番組録画処理の流れを示したフローチャート図である。
【0036】
制御部7は、定期的に、又は番組の録画予約が行なわれたこと等をトリガとして、記録部3のハードディスクの空き容量を確認する(ステップS1)。
【0037】
録画予約の場合は、指定された予約情報により必要な容量を予測し、該容量以上の空き領域があるか否かの判定を行なう(S2)。また、予約でなく、リアルタイムの番組データ受信の場合は、予め制御部7に空き容量についての閾値を設定しておき、閾値以上の空き容量があるか判定するとしてもよい。
【0038】
記憶部3に所定の空き容量がない場合(S2で「No」)、空き領域取得処理が行なわれる(S3)。本処理については、後で詳述する。
【0039】
記憶部3に所定の空き容量がある場合(S2で「Yes」)、S4の処理へと進む。
【0040】
所定の空き容量があった場合又は所定の空き容量を確保した後、録画予約による受信である場合、制御部7は、予約情報を管理し、該当する時間になると番組受信部2を制御して番組データの受信を行ない、番組情報と番組データを関連させ、記録部3に記憶する(S4)。また、リアルタイムの受信である場合、ユーザのリモコン等の操作により操作部8から入力信号が伝達されると、制御部7は、番組受信部2を制御して、番組データの受信を行なう。
【0041】
以上のような処理を行なうことにより、常に必要な空き容量を管理して、番組データの録画を行なうことができる。
【0042】
次に、本発明の特徴部分であるS3の空き領域取得処理について説明を行なう。
図3は、空き容量を増加させる処理の流れを示したフローチャート図である。
【0043】
まず、図2のS2で、制御部7は、記録部3に所定の空き容量がないと判定した場合、記憶部3に記憶されている設定を読み出し、記録部3に記録されている番組データの中から設定されている所定の条件に従い、番組データを選択する(S31)。
【0044】
S31における番組データの選択の条件としては、例えば、視聴済みの番組データ、全番組データ、保護されていない番組データ、番組データに優先度が設定されている場合には、指定した優先度の番組データ、指定したジャンルの番組データ、指定した日付より古い番組データ、指定したチャンネルの番組データ、指定した録画画質(所定のビットレートの範囲等)の番組データ、利用者が操作部8より指定した任意の番組データなどが考えられる。
【0045】
番組データを選択する条件の設定方法としては、例えば、制御部7が出力部6を制御して、番組録画装置1に接続されたディスプレイ(不図示)に設定画面を表示させ、利用者がリモコン等を操作することにより操作部8から選択された条件が入力され、制御部7が記録部3に記憶して設定することが考えられる。または、番組録画装置1製造時よりROMに設定されているとしてもよい。
【0046】
以下、S31において、制御部7は、番組1、番組2、…、番組NのN個の番組を選択したものとして説明する。
【0047】
制御部3は、変数nを1に設定して初期化する(S32)。nは、番組1〜番組Nのうち、不要部分検出処理の対象となった番組データの数を表し、1≦n≦Nである。
【0048】
次に、制御部7は、記録部3に記憶されている設定を読み出し、不要部分検出部4に、番組データの不要部分を検出するよう指示する制御信号、不要部分の条件データ、選択した番組データを特定する情報を出力する(S33)。
【0049】
不要部分検出部4は、制御部7からの入力を得て、記録部3より番組データを読み出し、該番組データから不要部分を検出し、録画経過時間やフレーム特定情報など不要部分を特定する区間情報を制御部7に出力する(S34)。
【0050】
S33における番組データ不要部分検出の条件としては、例えば、CM、オープニング、エンディング、次回予告、視聴済み部分、利用者が指定した時間(例えば、番組の最後の2分間など)、音声レベルが一定以下の部分、映像の変化が小さい部分などが考えられる。
【0051】
ところで、番組データを選択したり、番組データの不要部分を検出するためには、番組データ自体から得られる情報又は番組データに付属する情報(番組情報)を利用することが考えられる。番組データ自体から得られる情報の例としては、画像情報、音声情報又は字幕情報等、番組データに付属する情報としてはEPG、番組データに付されたタグ情報などが挙げられる。
【0052】
画像情報から得られるものとしては、例えば、シーン切替回数、エッジ情報、テロップ情報から拾うキーワード又は動きベクトル情報など、音声情報から得られるものとしては、音声レベル又は背景音楽情報などが挙げられる。また、番組データに付属する情報から得られるものとしては、例えば、ジャンル情報、録画日時などが挙げられる。
【0053】
例えば、CMを検出する場合、番組本編がモノラル音声、CMがステレオ音声となっていれば、この音声フォーマットの種別を利用してCMの区間を検出すればよい。
【0054】
また、更に不要部分の検出条件を、番組データの分類ごとに指定可能とすれば、検出処理を詳細に制御することが可能となる。例えば、番組データの分類を優先度とした場合、優先度が「高」の番組は「CM」を検出し、優先度が「低」の番組は「CM」、「オープニング」、「エンディング」、「次回予告」を検出するといった検出処理が可能となる。
【0055】
番組データの分類としては、S31で説明した番組データ選択の条件のように、上記の優先度の他、視聴状態(視聴済みかどうか)、保護状態(保護されているかどうか)、ジャンル、日付、チャンネル、録画画質などが考えられる。
【0056】
番組データの不要部分を検出する条件の設定方法としては、例えば、制御部7が出力部6を制御して、番組録画装置1に接続されたディスプレイ(不図示)に設定画面を表示させ、利用者がリモコン等を操作することにより操作部8から選択された条件が入力され、制御部7が記録部3に記憶して設定することが考えられる。または、番組録画装置1製造時よりROMに設定されているとしてもよい。
【0057】
次に、不要部分検出部4から番組データの不要部分の区間情報を得た制御部7は、記憶部3に設定されている該区間の符号化レベルを読み出し、指定した区間の符号化を指示する制御信号、該区間情報、符号化レベル情報、選択した番組データを特定する情報を再符号化部5に出力する(S35)。
【0058】
制御部7より番組データの不要部分の区間情報、符号化レベル情報、選択した番組データの特定情報の入力を得た再符号化部5は、記録部3より番組データを取得し、該区間情報及び符号化レベル情報に従い、番組データにおける該区間のみ、例えば、元のビットレートより低いビットレートで再符号化して、記録部3の当該番組データを上書きする(S36)。
【0059】
S35における符号化レベルとして、例えば、「標準画質」で再符号化するよう設定されている場合、再符号化部5は、指定された区間の画像データを標準画質で再符号化する。
【0060】
さらに、不要部分の再符号化条件を、番組データの分類ごとに指定可能とすれば、再符号化処理を詳細に制御することが可能となる。例えば、番組データの分類を優先度とした場合、優先度が「高」の番組は「標準画質」で再符号化し、優先度が「低」の番組は「低画質」で再符号化するといったことが可能となる。
【0061】
この他の番組データの分類としては、S33の不要部分の検出条件の説明で示したのと同様、例えば、視聴状態、保護状態、ジャンル、日付、チャンネル、録画画質などが考えられる。
【0062】
また、不要部分の再符号化条件を、不要部分の分類ごとに指定可能とすることも考えられる。この場合、例えば、不要部分の分類が「次回予告」であるときは、「標準画質」で再符号化し、分類が「CM」であるときは、「低画質」で再符号化するといったことが可能となる。
【0063】
この不要部分の分類として、上記の他には、オープニング、エンディング、視聴済み部分、利用者が指定した時間、音声レベルが一定以下の部分、映像の変化が小さい部分などが考えられる。
【0064】
なお、標準画質、低画質等について、それぞれ予めビットレートやMPEG(Moving Picture Experts Group)2、4といった圧縮方式等が規定され、設定されているものとする。また、再符号化レベルの例としては、例えば、レベルを5段階にする等、上記のものに限定されず、レベルとビットレートや圧縮方式等の録画画質についての条件が対応付けて設定されていれば適応可能で、同様の効果が得られる。
【0065】
番組データの不要部分の再符号化条件の設定方法としては、例えば、制御部7が出力部6を制御して、番組録画装置1に接続されたディスプレイ(不図示)に設定画面を表示させ、利用者がリモコン等を操作することにより操作部8から選択された条件が入力され、制御部7が記録部3に記憶して設定することが考えられる。または、番組録画装置1製造時よりROMに設定されているとしてもよい。
【0066】
次に、制御部3は、変数nに1加算して(S37)、変数nと選択番組データ数Nを比較する(S38)。n>Nの場合(S38で「Yes」)、本処理を終了する。n≦Nの場合(S38で「No」)、制御部7は、S33の処理に戻る。
【0067】
以上のような構成により、本発明に係る番組録画装置は、番組の録画に必要な記録媒体の容量が不足した場合に、録画済み番組の不要部分を録画されているビットレートより低いビットレートで再符号化したり、圧縮方式を変更することにより、録画済み番組データの必要部分に影響を与えることなく、残容量を増加させることができる。
【0068】
このことにより、利用者が消去しても良いと考える録画済み番組が存在しない場合でも、録画済み番組の必要部分の画質を保持したまま残容量を増加させることができる。
【0069】
(第2の実施形態)
次に、本発明に係る番組記録装置における別の実施形態について説明する。
図4は、本実施形態における番組録画装置の基本構成を示す機能ブロック図である。
第1の実施形態と同様の機能のものについては、図1と同じ符号を付している。異なる機能のものについて以下に説明し、同一機能のものについては説明を省略する。
【0070】
本実施形態における番組録画装置11は、不要部分検出部4が検出した番組データの不要部分についてデータ処理を行なうデータ処理部12を備える。
【0071】
このデータ処理部12は、再符号化部13及びデータ消去部14を備える。
【0072】
再符号化部13は、第1の実施形態の再符号化部5と同様、設定された符号化レベルに応じて、番組データの指定区間における再符号化を行なう。
【0073】
データ消去部14は、番組データの指定区間におけるデータ消去の処理を行なう。再符号化部13では、映像データについて処理を行なうが、データ消去部14では、映像データと音声データの番組データにおける同一区間に該当する部分について消去処理が必要である。
【0074】
図5は、本実施形態での空き容量を増加させる処理の流れを示したフローチャート図でS41〜S44の処理は、第1の実施形態の図3のS31〜34に、S46、S47、S50及びS51の処理は、図3のS35〜38に該当するので、説明を省略する。
【0075】
S44において、不要部分検出部4から番組データの不要部分の区間情報を得た制御部7は、該当する番組データ又は番組データの該当する区間に関してどの処理を行なうのか記録部3に予め設定されているので、記録部3を参照して判定を行なう(S45)。
【0076】
この番組データの不要部分の処理選択の条件としては、番組自体の分類ごとに指定する場合と、不要部分の分類ごとに指定する場合とについて考えられる。
【0077】
番組の分類ごとに指定する場合、例えば、優先度が「高」の番組データは「再符号化」を選択し、優先度が「低」の番組データは「消去」を選択するといった処理が可能となる。
【0078】
番組の分類としては、図3におけるS33の説明で示したものと同様、上記のような優先度の他に、例えば、視聴状態、保護状態、ジャンル、日付、チャンネル、録画画質などが考えられる。
【0079】
また、不要部分の分類ごとに指定するとした場合、例えば、「次回予告」は「再符号化」を選択し、「CM」は「消去」を選択するといった処理が可能となる。
【0080】
不要部分の分類としては、図3におけるステップS35の説明で示したのと同様、上記のような次回予告、CMの他に、例えば、オープニング、エンディング、視聴済み部分、利用者が指定した時間、音声レベルが一定以下の部分、映像の変化が小さい部分などが考えられる。
【0081】
番組データ、又は番組データの不要部分の分類ごとに処理選択の条件を設定する方法としては、例えば、制御部7が出力部6を制御して、番組録画装置1に接続されたディスプレイ(不図示)に設定画面を表示させ、利用者がリモコン等を操作することにより操作部8から選択された条件が入力され、制御部7が記録部3に記憶して設定することが考えられる。または、番組録画装置1製造時よりROMに設定されているとしてもよい。
【0082】
制御部7は、記録部3の処理の条件を参照した結果、番組データの不要部分について再符号化とすると判定した場合(S45で「Yes」)、更に、記録部3に設定されている該区間の符号化レベルを読み出し、指定した区間の符号化を指示する制御信号、該区間情報、符号化レベル情報、選択した番組データを特定する情報をデータ処理部12に出力する(S46)。
【0083】
制御部7より番組データの不要部分の区間情報、符号化レベル情報、選択した番組データの特定情報の入力を得たデータ処理部12は、再符号化の制御信号を認識し、再符号化部13にこれらデータを伝達する。データを得た再符号化部13は、記録部3より該当する番組データの画像データを取得し、該区間情報及び符号化レベル情報に従い、番組データにおける該区間のみ再符号化して、記録部3の当該番組データを上書きする(S47)。本実施形態における再符号化の方法は、図3のS36における再符号化の方法と同様である。
以下の処理は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0084】
一方、制御部7は、記録部3の処理の条件を参照した結果、番組データの不要部分について消去とすると判定した場合(S45で「No」)、指定した区間の消去を指示する制御信号、該区間情報、選択した番組データを特定する情報をデータ処理部12に出力する(S48)。
【0085】
制御部7より番組データの不要部分の区間情報、選択した番組データの特定情報の入力を得たデータ処理部12は、データ消去の制御信号を認識し、データ消去部14にこれらデータを伝達する。データを得たデータ消去部14は、記録部3より該当する番組データの画像データ及び音声データを取得し、区間情報に従い、画像データ及び音声データにおける同一区間についてデータを消去し、記録部3の当該番組データを上書きする(S49)。
以下の処理は、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
【0086】
以上のような構成により、本発明に係る番組録画装置は、番組データの選択、不要部分の検出、不要部分の処理方法選択の各ステップにおいて、条件を詳細に指定可能とすることにより、ユーザのニーズに合った処理を詳細に制御することが可能となる。
【0087】
また、番組データの不要部分の消去を選択可能とすることにより、録画済み番組データの必要部分を消去することなく、更に大きな容量を増加させることができる。
【0088】
尚、本発明の番組録画装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】第1の実施形態における番組録画装置の基本構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明に係る番組記録装置の番組録画処理の流れを示したフローチャート図である。
【図3】第1の実施形態における番組データの不要部分の処理の流れを示したフローチャート図である。
【図4】第2の実施形態における番組録画装置の基本構成を示す機能ブロック図である。
【図5】第2の実施形態における番組データの不要部分の処理の流れを示したフローチャート図である。
【符号の説明】
【0090】
1、11 番組録画装置
2 番組受信部
3 記録部
4 不要部分検出部
5、13 再符号化部
6 出力部
7 制御部
8 操作部
12 データ処理部
14 データ消去部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
番組データを記憶する記録手段と、
前記番組データから所定の条件に合致するデータを不要部分データとして検出する不要部分検出手段と、
前記番組データにおける前記不要部分データについてデータ処理するデータ処理手段と、
前記各手段の制御を行なう制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記記録手段の残り記録容量を検出し、該残り記録容量が所定値以下の場合、前記記録手段から前記番組データを選択し、前記不要部分検出手段及び前記データ処理手段を制御して、該番組データの前記不要部分データについてデータ処理を行ない、前記残り記録容量を増加させることを特徴とする番組録画装置。
【請求項2】
前記データ処理手段は、前記不要部分データについて現データより低いビットレート又は異なる圧縮方式で再符号化処理を行なうことを特徴とする請求項1に記載の番組録画装置。
【請求項3】
前記データ処理手段は、前記再符号化処理を行なう再符号化部と、前記不要部分データについて消去するデータ消去部とを備え、前記制御手段の制御信号により前記再符号化部又は前記データ消去部が前記不要部分データのデータ処理を行なうことを特徴とする請求項2に記載の番組録画装置。
【請求項4】
前記記録手段には、前記番組データを選択する番組分類データ及び前記不要部分データを検出する不要部分分類データが設定されており、前記制御手段は、該記録手段の設定情報を参照して制御を行なうことを特徴する請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の番組録画装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記番組分類データごとに、前記不要部分分類データの選択を行なうことを特徴とする請求項4に記載の番組録画装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記番組分類データ又は前記不要部分分類データごとに、前記再符号化処理のビットレート又は圧縮方式の選択を行なうことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の番組録画装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記番組分類データ又は前記不要部分分類データごとに、前記再符号化部又は前記データ消去部を選択する制御信号を出力することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか1つに記載の番組録画装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−130502(P2009−130502A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−301693(P2007−301693)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】