説明

異種抗体溶液の生成のための疎水性相互作用クロマトグラフィーまたはヒンジ領域改変の使用

本発明は、2つの型のポリペプチド二量体を含む混合物から、少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介しては結合されない二量体から、少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合される二量体を、分離または優先的に合成する方法を記載する。これらの型は、疎水性相互作用クロマトグラフィーを使用して互いに分離され得る。さらに、本発明は、少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合される二量体または少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介しては結合されない二量体の優先的な整合性を生じる連結ペプチドに関する。本発明はまた、組成物に関し、その中において、多数の二量体が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合されるか、または多数の二量体が少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介しては結合されない。本発明はなおさらに、新規の結合分子(例えば、本発明の連結ペプチドを含む)に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つの結合部位および少なくとも2本のポリペプチド鎖を有するポリペプチド二量体を含む組成物であって、該少なくとも2本のポリペプチド鎖が、少なくとも1つの重鎖部分および合成連結ペプチドを含み、50%を超える該ポリペプチド二量体が、少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合されているポリペプチド鎖を含む、組成物。
【請求項2】
90%を超える前記ポリペプチド二量体が、少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記ポリペプチド鎖が、前記連結ペプチドを介してVL、VHまたはCH1に遺伝的に融合されたCH3ドメインを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリペプチド鎖が、CH2ドメインの全てまたは部分を欠損している、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリペプチド二量体が、2つ以上の鎖間ジスルフィド結合を介して結合されている、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
前記重鎖部分が、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4からなる群より選択されるアイソタイプの抗体に由来する、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
前記重鎖部分が、γ1ヒンジ、γ2ヒンジ、γ3ヒンジおよびγ4ヒンジからなる群より選択されるヒンジ領域に由来するアミノ酸配列を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記重鎖部分が、キメラヒンジを含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記合成連結ペプチドが、IgG1ヒンジドメインの少なくとも一部分、IgG3ヒンジドメインの少なくとも一部分を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
前記結合部位が、個々に、抗原結合部位、レセプターのリガンド結合部分、およびリガンドのレセプター結合部分、からなる群より選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
前記ポリペプチド二量体が、4本のポリペプチド鎖を含み、そして該ポリペプチド鎖のうち2本が、少なくとも1つの重鎖部分および合成連結ペプチドを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
少なくとも2つの結合部位および少なくとも2本のポリペプチド鎖を有するポリペプチド二量体を含む組成物であって、該少なくとも2本のポリペプチド鎖が、少なくとも1つの重鎖部分および合成連結ペプチドを含み、50%を超える該ポリペプチド二量体が、少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合されているポリペプチド鎖を含み、そして該連結ペプチドが、Kabatナンバリングシステムの243位にプロリン残基を含む、組成物。
【請求項13】
90%を超える前記ポリペプチド二量体が、少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合されている、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記合成連結ペプチドが、Kabatナンバリングシステムの239位または242位にシステイン残基をさらに含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
少なくとも1本の前記ポリペプチド鎖が、前記連結ペプチドを介してVL、VHまたはCH1に結合されているCH3ドメインを含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項16】
前記合成連結ペプチドが、Kabatナンバリングシステムの244位にアラニン残基を、そして245位にプロリン残基をさらに含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項17】
結合分子での処置から恩恵を受ける被験体を処置する方法であって、該方法は、請求項1または請求項11のいずれか1項に記載の組成物を被験体に投与して、その結果、処置が生じる工程を包含する、方法。
【請求項18】
前記被験体が、癌を罹患している、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記被験体が、リンパ腫を罹患している、請求項17に記載の方法。
【請求項20】
前記被験体が、自己免疫疾患または自己免疫障害を罹患している、請求項17に記載の方法。
【請求項21】
前記被験体が、炎症性疾患または炎症性障害を罹患している、請求項17に記載の方法。
【請求項22】
前記結合部位が、個々に、抗原結合部位、レセプターのリガンド結合部位、およびリガンドのレセプター結合部位からなる群より選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項23】
請求項1または請求項12のいずれか1項に記載のポリペプチド鎖をコードするヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
【請求項24】
請求項23に記載の核酸分子を含む、宿主細胞。
【請求項25】
前記ポリペプチド二量体が、4本のポリペプチド鎖を含み、そして該ポリペプチド鎖のうち2本が、少なくとも1つの重鎖部分および合成連結ペプチドを含む、請求項12に記載の組成物。
【請求項26】
配列番号8〜配列番号15、および配列番号53からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、連結ペプチド。
【請求項27】
配列番号8〜配列番号15、および配列番号53からなる群より選択されるアミノ酸配列からなる、連結ペプチド。
【請求項28】
ポリペプチド鎖をコードする核酸分子であって、該核酸分子が、配列番号16、配列番号20、配列番号21、配列番号38、配列番号42、配列番号46および配列番号47からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
【請求項29】
ポリペプチド鎖をコードする核酸分子であって、該核酸分子が、配列番号24および配列番号25からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む、核酸分子。
【請求項30】
配列番号18、配列番号22、配列番号23、配列番号40、および配列番号44からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、ドメイン欠失抗体分子。
【請求項31】
配列番号26および配列番号27からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む、ドメイン欠失抗体分子。
【請求項32】
配列番号31に示されるアミノ酸配列を含む、抗体分子。
【請求項33】
配列番号35に示されるアミノ酸配列を含む、抗体分子。
【請求項34】
第一のポリペプチド二量体と第二のポリペプチド二量体とを分離する方法であって、該第一のポリペプチド二量体は、少なくとも2つの結合部位および少なくとも2本のポリペプチド鎖を含み、該少なくとも2本のポリペプチド鎖は、重鎖部分を含み、そして該第一のポリペプチド二量体は、少なくとも1つのジスルフィド結合を介して結合されているポリペプチド鎖を含み、かつ該第二のポリペプチド二量体は、少なくとも2つの結合部位および少なくとも2本のポリペプチド鎖を含み、該少なくとも2本のポリペプチド鎖は、重鎖部分を含み、そして該第二のポリペプチド二量体は、少なくとも1つのジスルフィド結合を介して結合していないポリペプチド鎖を含み、以下:
i)該第一のポリペプチド二量体および該第二のポリペプチド二量体を含む混合物を、媒体に接触させ、該媒体は、該ポリペプチド二量体を該媒体に結合させる条件下での疎水性相互作用に基づいて該ポリペプチド鎖を分離する媒体である、工程;ならびに
ii)該第一のポリペプチド二量体を収集し、それにより該第一のポリペプチド二量体および該第二のポリペプチド二量体を分離する工程、
の工程を包含する、方法。
【請求項35】
前記収集する工程が、ほぼ中性のpHで約120mS/cmの伝導率を有する溶液と接触させる工程を包含する、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記伝導率が、約116mS/cmである、請求項34に記載の方法。
【請求項37】
該第一のポリペプチド二量体および第二のポリペプチド鎖のいずれもが該媒体に結合するように、前記媒体を、工程ii)の前に、ほぼ中性のpHで約140mS/cmの伝導率を有する溶液と接触させる工程をさらに包含する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記ポリペプチド鎖が、合成連結ペプチドを介してVL、VHまたはCH1ドメインに結合されているCH3ドメインを含む、請求項34に記載の方法。
【請求項39】
前記第一のポリペプチド二量体および第二のポリペプチド二量体の重鎖部分が、IgG1、IgG2、IgG3およびIgG4からなる群より選択されるアイソタイプの抗体に由来する、請求項34に記載の方法。
【請求項40】
前記重鎖部分が、γ1ヒンジ、γ2ヒンジ、γ3ヒンジ、およびγ4ヒンジからなる群より選択されるヒンジ領域に由来するアミノ酸配列を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項41】
前記結合部位が、抗原結合部位、レセプターのリガンド結合部位、およびリガンドのレセプター結合部位からなる群より、個々に選択される、請求項34に記載の方法。
【請求項42】
ポリペプチド二量体の少なくとも1つの結合部位が、2B8、Lym 1、Lym 2、LL2、Her2、B1、MB1、BH3、B4、B72.3、CC49、および5E10からなる群より選択される抗体由来の少なくとも1つのCDRを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
ポリペプチド二量体の少なくとも1つの結合部位が、リガンドの前記レセプター結合部分を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
ポリペプチド二量体の少なくとも1つの結合部位が、レセプターの前記リガンド結合部分を含む、請求項41に記載の方法。
【請求項45】
請求項34に記載の方法により調製される第一のポリペプチド二量体を含む、組成物。
【請求項46】
結合分子での処置から恩恵を受ける被験体を処置する方法であって、該方法は、該被験体に、請求項45の組成物を投与して、その結果、処置が生じる工程を包含する、方法。
【請求項47】
前記ポリペプチド二量体が、4本のポリペプチド鎖を含み、そして該ポリペプチド鎖のうち2本が、少なくとも1つの重鎖部分を含む、請求項34に記載の方法。
【請求項48】
第一の適切に折りたたまれた抗体分子を第二の不適切に折りたたまれた抗体分子から分離するための方法であって、該第一の抗体分子および第二の抗体分子の各々が、4本のポリペプチド鎖を含み、該鎖のうち少なくとも2本が、少なくとも1つの重鎖部分を含み、かつ該鎖のうち少なくとも2本が、少なくとも1つの軽鎖部分を含み、該方法は、以下
i)該第一の抗体分子および第二の抗体分子を含む混合物を、抗体分子を疎水性相互作用に基づいて分離する媒体と接触させる工程、
ii)該媒体を、ほぼ中性のpHで約120mS/cmの伝導率を有する溶液と接触させ、その結果、該第一の抗体分子は該媒体に結合されず、かつ該第二の抗体分子は該媒体に結合され、それにより該第一の抗体分子と該第二の抗体分子とを分離する工程、
を包含する、方法。
【請求項49】
請求項48に記載の方法により調製される第一のポリペプチドを含む、組成物。
【請求項50】
細胞により産生される第一のポリペプチド二量体の量を第二のポリペプチド二量体に比べて増加させるための方法であって、該第一のポリペプチド二量体および第二のポリペプチド二量体は、少なくとも二つの結合部位および少なくとも2本のポリペプチド鎖を含み、該少なくとも2本のポリペプチド鎖は、重鎖部分を含み、該第一の二量体は、少なくとも1つのジスルフィド結合を介して結合されているポリペプチド鎖を含み、かつ該第二の二量体は、少なくとも1つのジスルフィド結合を介して結合されていないポリペプチド鎖を含み、該方法は、該細胞により産生される該第一のポリペプチド二量体の量が、該第二のポリペプチド二量体の量に比べて増加されるように、該ポリペプチド鎖を、合成連結ペプチドを含むように操作する工程を包含する、方法。
【請求項51】
請求項50に記載の方法により作製される、組成物。
【請求項52】
前記ポリペプチド二量体が、4本のポリペプチド鎖を含み、そして該ポリペプチド鎖のうちの2本が、少なくとも1つの重鎖部分および合成連結ペプチドを含む、請求項50に記載の組成物。
【請求項53】
配列番号37のアミノ酸配列を含む合成連結ペプチドを含むポリペプチドであって、該ポリペプチドは、天然に生じるIgG3分子ではない、ポリペプチド。
【請求項54】
前記ポリペプチドが、IgG4分子である、請求項53に記載のポリペプチド。
【請求項55】
前記ポリペプチドが、VLA−4に結合する、請求項54に記載のポリペプチド。
【請求項56】
細胞により産生されるIgG4分子の集団において、少なくとも1つのジスルフィド結合を介して結合されているポリペプチド鎖を含む二量体の量を増加させるための方法であって、該方法は、IgG4分子の集団において少なくとも1つのジスルフィド結合を介して結合されているポリペプチドを含む二量体の量が増加されるように、該細胞に合成連結ペプチドを含むIgG4分子を発現させる工程を包含する、方法。
【請求項57】
少なくとも2つの結合部位および少なくとも2本のポリペプチド鎖を有するポリペプチド二量体を含む組成物であって、該少なくとも2本のポリペプチド鎖は、少なくとも1つの重鎖部分を含み、かつCH2ドメインの全てまたは一部分を欠損し、50%を超える該ポリペプチド二量体が、少なくとも1つの鎖間ジスルフィド結合を介して結合されているポリペプチド鎖を含む、組成物。
【請求項58】
前記ポリペプチド二量体が、4本のポリペプチド鎖を含み、そして該ポリペプチド鎖のうち2本が、少なくとも1つの重鎖部分を含む、請求項57に記載の組成物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19A】
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【図19B】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公表番号】特表2007−535296(P2007−535296A)
【公表日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−517784(P2006−517784)
【出願日】平成16年6月28日(2004.6.28)
【国際出願番号】PCT/US2004/020944
【国際公開番号】WO2005/000898
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(592221528)バイオジェン・アイデック・エムエイ・インコーポレイテッド (224)
【Fターム(参考)】