説明

疎水変性されたカチオン性多糖類を含む非エアロゾルパーソナルケア組成物

カチオン性多糖類であって、疎水性置換基及びカチオン性置換基で疎水変性された、カチオン性多糖類と、発泡性界面活性剤と、水を含む担体と、潤滑剤等の任意の補助成分とを含む、非エアロゾルシェービング組成物としての使用に好適な、パーソナルケア組成物。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
過去1世紀にわたって、シェービング補助剤の形態は変化かつ進化している。20世紀初めにはシェービング用石鹸及びブラシが使用され、石鹸をマグカップの中に入れ、ブラシでこすって泡を発生させていた。第二次世界大戦後、殺虫剤を放出するために開発されたエアロゾル技術が再適用され、最初のエアロゾルシェービングフォームが生まれた。これらのシェービングフォームは、原位置で混合したときに大量のクリーム状の泡を形成する、薄い石鹸水及び揮発性炭化水素からなる。現在使用されている別の人気のある形態は、1970年代後半に開発された、後発泡シェービングゲルである。圧力下で保持されるとき、透明で安定した乳剤を形成するように、アミン系石鹸が揮発性炭化水素と合わせられる。いったん分注されて、機械的に撹拌されると、これらのゲルは、濃厚なフォームに転換する。エアロゾルが圧倒的に最も広く使用されているシェービング補助剤の形態であるが、それらはほぼ例外なく、石鹸技術に基づいている。石鹸は、特に硬水中で皮膚には刺激が強く、生成物の高いpHのために、含むことができる成分の種類を限定し得る。エアロゾルシェービングゲルは、シェービングゲルが充填される内部コンパートメントと、作動時にシェービングゲルが分注されるようにする高圧ガスで充填される外部チャンバとを有するパッケージも必要とする。
【0002】
非エアロゾルシェービング補助剤は、皮膚有益剤の封入を可能にするために広範囲のpHにわたって配合され得、かつそれほど高価ではない容器内にパッケージ化され得る。現在販売されている非エアロゾルシェービング補助剤の2つの主な種類は、乳剤(クリーム/ローション)又はゲルのいずれかであり、通常、ポリマーで粘性を付与された界面活性剤系からなる。ほとんどの非エアロゾルシェービング補助剤は、pH 5〜9の範囲に収まり、これにより、いくつもの増粘剤の使用、ひいては透明、半透明、又は不透明な生成物の開発が可能になる。パーソナルケア組成物への種々のポリマーの添加が知られている。例えば、米国特許公開第2007/0207106号、米国特許第5,902,574号及び同第5,262,154号を参照されたい。これらのポリマー材料の多くを添加することが、増粘効果をもたらすと記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許公開第2007/0207106号
【特許文献2】米国特許第5,902,574号
【特許文献3】米国特許第5,262,154号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、これらのポリマー材料の多くを添加することは、非エアロゾルシェービングゲル等の組成物を濁らせるか、あるいは不透明にさせると考えられており、一部の消費者にとって美的に不快であり得る。したがって、望ましい美的外観を有する高粘度の潤滑性ゲルを生成することができる、種々のpHレベル(低pH、すなわち、4未満を含む)及び更により低いpHで使用され得る、所望の粘度又はレオロジーをもたらすことができる新規のポリマーの継続的な必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様は、約0.1%〜約3%のカチオン性多糖類であって、このカチオン性多糖類が疎水性置換基及びカチオン性置換基で疎水変性された、カチオン性多糖類と、約5%〜約30%の発泡性界面活性剤と、約50%〜約90%の水を含む担体と、潤滑剤等の任意の補助成分とを含む、非エアロゾルシェービング組成物としての使用に好適なパーソナルケア組成物を提供する。
【発明を実施するための形態】
【0006】
1.疎水変性されたカチオン性多糖類
本発明のパーソナルケア組成物は、疎水性置換基及びカチオン性置換基で変性された、疎水変性されたカチオン性多糖類を含む。疎水変性されたカチオン性多糖類は、約0.1重量%〜約3重量%、又は約0.25重量%〜約2.5重量%、又は約0.5重量%〜約2.3重量%、又は約1重量%〜約2重量%のレベルで使用される。好適な疎水変性されたカチオン性多糖類の非限定的な例は、セルロース、デンプン、及びグア誘導体、具体的には、誘導体化されたヒドロキシエチルセルロースエーテル(SoftCAT(商標)の商標名で販売されているもの等)を含む。
【0007】
疎水変性された四級化ヒドロキシエチルセルロースエーテルの非限定的な例には、米国特許第2007 0031362 A1号の中で言及される、Union Carbideから入手可能なもの、及び当業者によってSoftCATと呼ばれ得るものが挙げられる。
【0008】
「疎水変性された四級化セルロースエーテル」は、四級アンモニウム基を含有するセルロースエーテル誘導体を指す。一実施形態において、四級化セルロースエーテルは、4,000〜10,000個のアンヒドログルコース反復単位を有し、かつ
(a)8〜24個の炭素原子を有するアルキル基又はアリールアルキル基を含む、アンヒドログルコース単位の1モル当たり、平均0.0003〜0.08モルの置換基、及び
(b)式II
[R](Az−1z (II)を有する置換基であって、
式中、
・R、R、及びRはそれぞれ独立して、−CH又は−Cであり、
・Rは、−CH−CHOH−CH−又は−CHCH−であり、
・Az−は、アニオンであり、かつ
・zは、1、2、又は3である、置換基、で置換された、セルロースエーテルを含む。
【0009】
好ましくは、これらのセルロースエーテルは、1.0〜3.0、より好ましくは、1.5〜2.5のM.S.(ヒドロキシエチル)を有する。M.S.(ヒドロキシエチル)は、アンヒドログルコース単位の1モル当たり、エーテル結合によって付着されたヒドロキシエチル基の平均モル数を指定する。セルロースエーテルは、少なくとも4,000個のアンヒドログルコース反復単位、好ましくは、少なくとも4,500個のアンヒドログルコース反復単位、より好ましくは、少なくとも5,000個のアンヒドログルコース反復単位、最も好ましくは、少なくとも6,000個のアンヒドログルコース反復単位を有する。セルロースエーテルは、最大10,000個のアンヒドログルコース反復単位、好ましくは、最大9,000個のアンヒドログルコース反復単位、最も好ましくは、最大8,000個のアンヒドログルコース反復単位を有する。そのようなセルロースエーテルは、商業的に容易に入手可能である。あるいは、そのようなセルロースエーテルは、当該技術分野において既知の方法によってセルロースから調製され得る。
【0010】
典型的なセルロースエーテルには、例えば、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルカルボキシルメチルセルロース、又はそれらの混合物が含まれる。好ましいセルロースエーテルには、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースが含まれる。他の好適なセルロースエーテルは、ヒドロキシエチル基を含む。上述のセルロースエーテルは、本発明の四級化セルロースエーテルを形成するために、疎水性置換基及びカチオン性窒素含有置換基で誘導体化され得る。
【0011】
本発明のセルロースエーテル誘導体は、以下に記載される疎水性置換基(a)及びカチオン性置換基(b)で置換されたセルロースエーテルである。
【0012】
本発明による使用に好適な疎水性置換基(a)は、8〜24個の炭素原子、好ましくは10〜24個の炭素原子、より好ましくは12〜18個の炭素原子、最も好ましくは12〜15個の炭素原子を有する、アルキル基又はアリールアルキル基を含む。本明細書で使用される「アリールアルキル基」という用語は、芳香族構造及び脂肪族構造の両方を含有する基を意味する。最も好ましい脂肪族疎水性置換基は、ドデシル基であり、それは、最も好ましくは直鎖である。疎水性置換基は、典型的には、カチオン性又は非イオン性である。疎水性置換基としての使用に好適な多くの疎水性物質含有試薬が市販されている。加えて、そのような疎水性物質含有試薬を調製するための方法、及びそのような疎水性置換基を含むためにセルロースエーテルを誘導体化するための方法が、当業者に知られている。例えば、米国特許第4,228,277号、同第4,663,159号、及び同第4,845,175号に留意されたい。
【0013】
本発明による使用に好適な好ましい疎水性置換基(a)は、式(I)
(Az−1/z (I)を有し、
式中、
・R及びRはそれぞれ独立して、−CH又は−Cであり、
・Rは、−CH−CHOH−CH−又は−CHCH−であり、
・Rは、8〜24個の炭素原子を有するアルキル基又はアリールアルキル基であり、
・Az−は、アニオンであり、かつ
・zは、1、2、又は3である。
【0014】
好ましくは、R、より好ましくは、R及びRの両方が、−CHである。好ましくは、Rは、−CH−CHOH−CH−である。好ましくは、Rは、−C(2n+1)であり、式中、nは、8〜24、より好ましくは10〜18、最も好ましくは12である。Az−は、ホスフェート、ニトレート、サルフェート、又はハロゲン化物等の、zの原子価を有するアニオンである。塩化物は、最も好ましくは、イオンである。Zは、好ましくは1又は2、より好ましくは1である。最も好ましい疎水性置換基(a)は、R、R、R、R、Az−、及びzのうちの2つ以上、好ましくはそれらそれぞれが上述の好ましい意味を有するものである。
【0015】
他の好ましい疎水性置換基には、8〜24個の炭素原子、好ましくは10〜24個の炭素原子、より好ましくは12〜18個の炭素原子、最も好ましくは12〜15個の炭素原子を有するアルキル基又はアリールアルキル基を含む、疎水性物質含有試薬由来のものが含まれる。ノニルフェニルグリシジルエーテル若しくはドデシルフェニルグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル、又は1,2−エポキシヘキサデカン及びそれらの対応するクロロヒドリン等のアルファ−オレフィンエポキシド、又はアルキルハロゲン化物、例えば、臭化ドデシル、及びそれらの混合物が好ましい。
【0016】
置換基(a)の平均置換レベルは、アンヒドログルコース単位の1モル当たり、少なくとも0.0003モル、好ましくは少なくとも0.0005モル、かつアンヒドログルコース単位の1モル当たり、最大0.08モル、好ましくは最大0.07モル、最も好ましくは最大0.05モルである。2つ以上の特定の疎水性置換基は、全体の置換レベルが上で説明された範囲内にあるという条件で、セルロースエーテル上で置換され得る。
【0017】
本発明による使用に好適なカチオン性置換基(b)は、式II(上記)を有する。好ましくは、Rは、−CHである。より好ましくは、R、R、及びRは、−CHである。好ましくは、Rは、−CH−CHOH−CH−である。Az−は、ホスフェート、ニトレート、サルフェート、又はハロゲン化物等のzの原子価を有するアニオンである。塩化物は、最も好ましくは、イオンである。Zは、好ましくは1又は2、より好ましくは1である。最も好ましいカチオン性置換基(b)は、R、R、R、R、Az−、及びzのうちの2つ以上、好ましくはそれらそれぞれが上述の好ましい意味を有するものである。
【0018】
疎水性置換された好ましい四級化セルロースポリマーは、パーソナルケア製品評議会(以前は米国化粧品工業会)の業界において、ポリクオタニウム−67と呼ばれており、SL、SX、及びSKシリーズのポリマーを含むSoftCAT(商標)の商標名でDow Chemical(Amerchol Corp.)から入手可能である。
【0019】
2.発泡性界面活性剤
洗浄又はクレンジング組成物(シェービング調製組成物等)であり得るパーソナルケア組成物は、全体レベルの約60%〜約99.99%で、1つ以上の発泡性界面活性剤及び水等の担体を含み得る。発泡性界面活性剤は、本明細書において、水と合わせられ、かつ機械的に撹拌されるときにフォーム又は泡を発生させる界面活性剤と定義される。好ましくは、これらの界面活性剤又は界面活性剤の組み合わせは、低刺激性であるべきであり、これらの界面活性剤が、依然として泡を生成することができるのと同時に、十分なクレンジング又は洗浄利益を提供するが、皮膚又は毛髪を過度に乾燥させないことを意味する。
【0020】
多種多様の発泡性界面活性剤は、本明細書において有用であり、アニオン性発泡性界面活性剤、非イオン性発泡性界面活性剤、両性発泡性界面活性剤、及びそれらの混合物からなる群から選択されるものを含む。一般に、発泡性界面活性剤は明らかに水溶性である。組成物中で使用されるとき、発泡性界面活性剤の少なくとも約4%は、約10を超えるHLB値を有する。そのような界面活性剤の例は、米国特許第5,624,666号に見られる。また、カチオン性界面活性剤も、必要な発泡性界面活性剤の全体的な発泡特性に悪影響を与えないのであれば、任意成分として使用することができる。
【0021】
これらの界面活性剤の濃度は、組成物の約10重量%〜約20重量%、あるいは約5重量%〜約25重量%、あるいは約2重量%〜約30重量%である。皮膚刺激の問題を回避するために、アニオン性界面活性剤を含有する組成物は、約1.1:1〜約1:1.5、あるいは約1.25:1〜約1:2、及びあるいは約1.5:1〜約1:3の両性及び/又は双極性界面活性剤に対するアニオン性界面活性剤の組成物の重量比を有するべきである。
【0022】
本発明の組成物において有用なアニオン性発泡性界面活性剤は、McCutcheon’s,Detergents and Emulsifiers,North American edition(1986)(allured Publishing Corporationにより出版)、McCutcheon’s,Functional Materials,North American Edition(1992)、及び米国特許第3,929,678号に開示されている。本明細書では、多種多様なアニオン性発泡性界面活性剤が有用である。アニオン性発泡性界面活性剤の非限定的な例としては、サルコシネート、サルフェート、スルホネート、イセチオネート、タウレート、ホスフェート、ラクチレート、グルタメート、及びそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0023】
本明細書において有用な他のアニオン性材料は、典型的には約8〜約24個の炭素原子、好ましくは約10〜約20個の炭素原子を有する脂肪酸、モノアルキル、ジアルキル、及びトリアルキルホスフェート塩、式RCON(CH)CHCHCOMに相当するアルカノイルサルコシネートの石鹸(すなわち、アルカリ金属塩、例えば、ナトリウム又はカリウム塩)であり、式中、Rは、約10〜約20個の炭素原子を有するアルキル又はアルケニルであり、かつMは、アンモニウム、ナトリウム、カリウム、及びアルカノールアミン(例えば、トリエタノールアミン)等の水溶性カチオンである。2−アミノエタンスルホン酸として既知のタウリンに基づくタウレート、及びグルタメート、特にC〜C16の炭素鎖を有するグルタメートも有用である。
【0024】
本明細書で有用な好ましいアニオン性発泡性界面活性剤の非限定的な例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、トリデセス硫酸ナトリウム、セチル硫酸アンモニウム、セチル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム、ラウロイル乳酸トリエタノールアミン、カプロイル乳酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、ココイルサルコシン酸ナトリウム、ラウロイルメチルタウリン酸ナトリウム、ココイルメチルタウリン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、及びココイルグルタミン酸ナトリウム、並びにそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0025】
本明細書の組成物での使用に好適な両性又は双極性の洗浄性界面活性剤には、毛髪ケア又は他のパーソナルケアクレンジングでの使用において既知のものが含まれる。そのような両性の洗浄性界面活性剤の濃度は、組成物の約1重量%〜約10重量%、あるいは約0.5重量%〜約20重量%であり得る。好適な双性イオン性又は両性界面活性剤の非限定的な例は、米国特許第5,104,646号及び同第5,106,609号に記載されている。
【0026】
本発明の組成物での使用のための非イオン性発泡性界面活性剤は、allured Publishing Corporationによって出版されたMcCutcheon’s,Detergents and Emulsifier,North American edition(1986)、及びMcCutcheon’s,Functional Materials,North American Edition(1992)に開示されており、それら両方共に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。本明細書で有用な非イオン性発泡性界面活性剤には、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、アルコキシル化脂肪酸エステル、発泡性スクロースエステル、アミンオキシド、及びそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
【0027】
非イオン性界面活性剤の他の例としては、アミンオキシドが挙げられる。アミンオキシドは、一般式、RNOに相当し、式中、Rは、約8〜約18個の炭素原子を有するアルキル基、アルケニル基、又はモノヒドロキシアルキル基、0〜約10個のエチレンオキシド部分、及び0〜約1個のグリセリル部分を含有し、R及びRは、例えば、メチル、エチル、プロピル、ヒドロキシエチル、又はヒドロキシプロピル基のように約1〜約3個の炭素原子及び0〜約1個のヒドロキシ基を含有する。本発明での使用に好適なアミンオキシドの例としては、ジメチル−ドデシルアミンオキシド、オレイルジ(2−ヒドロキシエチル)アミンオキシド、ジメチルオクチルアミンオキシド、ジメチル−デシルアミンオキシド、ジメチル−テトラデシルアミンオキシド、3,6,9−トリオキサヘプタデシルジエチルアミンオキシド、ジ(2−ヒドロキシエチル)−テトラデシルアミンオキシド、2−ドデコキシエチルジメチルアミンオキシド、3−ドデコキシ−2−ヒドロキシプロピルジ(3−ヒドロキシプロピル)アミンオキシド、ジメチルヘキサデシルアミンオキシドが挙げられる。
【0028】
本明細書での使用のための好ましい発泡性界面活性剤は、以下のものであり、アニオン性発泡性界面活性剤は、ラウロイルサルコシン酸アンモニウム、トリデセス硫酸ナトリウム、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、ミリストイルサルコシン酸ナトリウム、ラウレス硫酸アンモニウム、ラウレス硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ココイルイセチオン酸アンモニウム、ココイルイセチオン酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウム、ラウロイル乳酸ナトリウム、ラウロイル乳酸トリエタノールアミン、及びそれらの混合物からなる群から選択され、非イオン性発泡性界面活性剤は、ラウラミンオキシド、ココアミンオキシド、デシルポリグルコース、ラウリルポリグルコース、スクロースココエート、C12〜14グルコサミド、スクロースラウレート、及びそれらの混合物からなる群から選択され、両性発泡性界面活性剤は、ラウロアンホ二酢酸二ナトリウム、ラウロアンホ酢酸ナトリウム、セチルジメチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ココベタイン、セチルベタイン、ラウラミドプロピルベタイン、ココアミドプロピルヒドロキシスルタイン、及びそれらの混合物からなる群から選択される。
【0029】
1つの好適な発泡性界面活性剤は、ポリグリセリル脂肪酸エステルである。一実施形態において、ポリグリセリル脂肪酸エステル界面活性剤は、式:
【化1】

を有し、式中、nは、1〜10であり、Xは、水素原子であるか、あるいは少なくとも1つのXが長鎖アシル基であり、3つ以下のXが長鎖アシル基であるという条件で、C12〜22脂肪酸又はN−脂肪酸アシル中性アミノ酸由来の長鎖アシル基である。一実施形態において、ポリグリセリル脂肪酸エステル界面活性剤は、ポリグリセリル−10オレエート、ポリグリセリル−6ステアレート、ポリグリセリル−10ステアレート、ポリグリセリル−8ジパルミテート、ポリグリセリル−10ジパルミテート、ポリグリセリル−10ベヘネート、及びポリグリセリル−12トリラウレートからなる群から選択される。
【0030】
3.担体
本発明のパーソナルケア組成物は、担体も含む。一実施形態において、担体は、水を含む。担体は、好ましくは皮膚科学的に許容され、担体が、角質組織への局所適用に好適であり、良好な美的特性を有し、本発明の活性物質及び任意の他の成分と適合性があり、かつ安全性又は毒性についてのいかなる問題も引き起こさないことを意味する。一実施形態において、パーソナルケア組成物は、担体の約50重量%〜約99.99重量%、好ましくは約60重量%〜約99.9重量%、より好ましくは約70重量%〜約98重量%、更により好ましくは約80重量%〜約95重量%の組成物を含む。
【0031】
4.補助剤成分
a.潤滑剤
一実施形態において、前記パーソナルケア組成物は、潤滑性水溶性ポリマー、水不溶性粒子、ヒドロゲル形成ポリマー、及びそれらの混合物から選択される少なくとも1つの潤滑剤を含む。
【0032】
潤滑性水溶性ポリマーは、概して、約300,000〜15,000,000ダルトンを超える分子量、好ましくは約1,000,000ダルトンを超える分子量を有し、かつポリマーを水溶性にするためにポリマー鎖上に十分な数の親水性部分又は置換基を含む。ポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、又はターポリマーであってもよい。好適な潤滑性水溶性ポリマーの例としては、ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、及びポリアクリルアミドが挙げられる。好ましい潤滑性水溶性ポリマーは、ポリエチレンオキシド、及びより具体的には、約500,000〜約5,000,000ダルトンの分子量を有するポリエチレンオキシドを含む。好適なポリエチレンオキシドの例には、PEG−23M、PEG−45M、及びPEG−90Mがある。潤滑性水溶性ポリマーは、約0.005重量%〜約3重量%、好ましくは約0.01重量%〜約1重量%のレベルであり得る。
【0033】
非水溶性粒子としては、無機粒子又は有機ポリマー粒子を挙げてよい。無機粒子の例としては、二酸化チタン、シリカ、シリケート、及びガラスビーズが挙げられ、ガラスビーズが好ましい。有機ポリマー粒子の例としては、ポリテトラフルオロエチレン粒子、ポリエチレン粒子、ポリプロピレン粒子、ポリウレタン粒子、ポリアミド粒子、又はこのような粒子の2つ以上の混合物が挙げられる。
【0034】
ヒドロゲル形成性ポリマーは、水中でおよそナノメートルスケールの組織化された3次元のドメインを形成する、極めて親水性のポリマーである。ヒドロゲル形成ポリマーは、概して、約1,000,000ダルトンを超える分子量を有し(より低い分子量も可能であるが)、典型的には、少なくとも部分的に、又は軽く架橋され、少なくとも部分的に水不溶性であり得るが、ポリマーがポリマーマトリックス内でかなりの量の水を補足するか、あるいはそれに結合することができ、それによって、三次元領域を形成するように、十分な数の親水性部分も含む。概して、ヒドロゲル形成ポリマーは、約0.0005重量%〜約3重量%、又は約0.001重量%〜約0.5重量%、又は約0.002重量%〜約0.1重量%の量のシェービング組成物中に含まれる。
【0035】
好適なヒドロゲル形成性ポリマーの例としては、多価アルコールで部分的にエステル化されたポリアクリル酸又はポリメタクリル酸;親水性ポリウレタン;軽く架橋されたポリエチレンオキシド;軽く架橋されたポリビニルアルコール;軽く架橋されたポリアクリルアミド;疎水変性ヒドロキシアルキルセルロース;ヒドロキシエチルメタクリレート;及び架橋されたヒアルロン酸が挙げられる。好ましいヒドロゲル形成性ポリマーは、グリセリンで部分的にエステル化された(例えば、約40%〜60%、好ましくは約50%エステル化された)ポリアクリル酸を含む。そのようなポリマーには、アクリル酸グリセリル/アクリル酸コポリマーが含まれる。アクリル酸グリセリル/アクリル酸コポリマーは、非常に親水性が高く、1,000,000ダルトンを超える分子量を有し、かつ概して、グリセリンで部分的にエステル化された(典型的には、約50%エステル化された)ポリアクリル酸主鎖を含む。アクリル酸グリセリル/アクリル酸コポリマーは、水を保持する包接化合物を形成し、この水が、放出時に皮膚に対して潤滑性及び潤いを供給すると考えられる。アクリル酸グリセリル/アクリル酸コポリマーを包含するシェービングゲル組成物は、改善されたゲル構造及び低減された摩擦係数(すなわち、向上された潤滑性)を有することが見出されてきた。例えば、米国特許第2006/00257349号の10を参照されたい。
【0036】
用語「水分散性」とは、本明細書で使用されるとき、物質が水に実質的に分散性又は可溶性のいずれかであることを意味する。水分散性表面活性剤は、好ましくは、(石鹸、遮断石鹸、洗剤、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又はそれらのうちの1つ以上の混合物を含むが、それらに限定されない)以下の第5項に記載される任意の発泡性界面活性剤のうちの1つ以上等の泡を形成することができるものである。
【0037】
b.極性溶媒
一実施形態において、担体は、極性溶媒を含む。極性溶媒のレベルは、約1%〜約20%、又は約5%〜約10%であり得る。本明細書において有用な極性溶媒は、3−ブチレングリコール、プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ソルビトール、及び周囲温度で液体形態である他の糖類、グリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、エトキシ化グルコース、1,2−ヘキサンジオール、ヘキサントリオール、ジプロピレングリコール、エリスリトール、トレハロース、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、グルコース、フルクトース、コンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸ナトリウム、アデノシンリン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、ピロリドンカルボネート、グルコサミン、シクロデキストリン、及びそれらの混合物等の多価アルコールを含む。2〜約6個の炭素原子及び2〜約6個のヒドロキシ基を含有するポリオール等のポリオールが好ましく(例えば、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール、グリセリン、及び1,2−プロパンジオール)、同様に使用され得る。ブチレン、ペンチレン、又はヘキシレングリコール、及びそれらの混合物が最も好ましい。
【0038】
理論に縛られることを意図することなく、1つ以上の極性溶媒の添加が、良好な潤滑を維持しながら、パーソナルケア組成物の粘度の減少及び透明度の改善を可能にすることが考えられている。
【0039】
c.サリチル酸
本発明のパーソナルケア組成物は、サリチル酸化合物、そのエステル、その塩、又はそれらの組み合わせを含み得る。本発明の組成物において、サリチル酸化合物は、好ましくは、サリチル酸の約0.1重量%〜約5重量%、好ましくは約0.2重量%〜約2重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約2重量%の組成物を含む。
【0040】
d.他の補助剤成分
本発明の組成物は、所与の製品の種類に従来用いられている他の様々な成分を、それらが本発明の効果を容認し難いほど変更しないという条件で含有してもよい。これらの成分は、皮膚への適用のためのパーソナルケア組成物に対して安全かつ有効な量で含まれるべきである。
【0041】
CTFA Cosmetic Ingredient Handbook、第2版(1992)には、スキンケアに関連する業界で一般に使用される様々な非限定的な化粧品及び医薬品の成分が記載されており、それらは本発明の組成物への使用に好適である。これらの成分の種類の例としては、研磨剤;吸着剤;芳香剤、顔料、着色剤/染料、精油、皮膚感覚剤、収斂剤等の美的成分(例えば、丁子油、メントール、カンファー、ユーカリ油、オイゲノール、メンチルラクテート、ウィッチヘーゼル留出物);抗ニキビ剤;固化防止剤;消泡剤;抗菌剤(例えば、ヨードプロピルブチルカーバメート);酸化防止剤;結合剤;生物学的添加物;緩衝剤;充填剤;キレート化剤;化学添加物;染料;美容収斂剤;美容殺生剤;変性剤;薬用収斂剤;外用鎮痛剤;脂肪アルコール及び脂肪酸;被膜形成剤又は材料、例えば、組成物の被膜形成特性及び持続性を支援するためのポリマー(例えば、エイコセンのコポリマー及びビニルピロリドンのコポリマー);不透明化剤;pH調整剤;推進剤;還元剤;封鎖剤;皮膚漂白及び美白剤;皮膚コンディショニング剤;皮膚緩和剤及び/又は皮膚回復剤及び誘導体;皮膚治療剤;増粘剤;並びにビタミン及びその誘導体が挙げられる。
【0042】
更なる好適な皮膚治療活性物質の更なる非限定的な例は、米国特許第2003/0082219号の第I項(すなわち、ヘキサミジン、酸化亜鉛、及びナイアシンアミド)、米国特許第5,665,339号の第D項(すなわち、冷却剤、皮膚コンディショニング剤、日焼け止め剤及び顔料、並びに薬剤)、及び米国特許第2005/0019356号(すなわち、落屑活性物質、抗ニキビ活性物質、キレート剤、フラボノイド、並びに抗菌及び抗真菌活性物質)に包含されている。他の有用な任意の成分には、抗しわ活性物質及び/又は抗萎縮活性物質、酸化防止剤及び/又はラジカルスカベンジャー(Racial Scavengers)、抗炎症剤、脂肪沈着防止剤、日焼け活性物質、皮膚美白剤、日焼け止め活性物質、水溶性ビタミン、粒子状物質、並びにそれらの組み合わせが含まれる。
【0043】
本発明のパーソナルケア組成物は、非エアロゾル組成物である。一実施形態において、パーソナルケア組成物は、揮発性後発泡剤を含んでいないか、あるいは実質的に含んでいない。「実質的に含んでいない」とは、成分が意図的に組成物に添加されることはないが、処理過程からの持ち越しとして微量に存在し得ることを意味する。
【0044】
i.コンディショニング剤
本発明の組成物は、湿潤剤、保湿剤、又は皮膚コンディショナーからなる群から選択されるコンディショニング剤を含んでもよく、それぞれ、約0.01重量%〜約40重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約30重量%、更により好ましくは約0.5重量%〜約15量%の組成物のレベルで存在し得る。これらの材料には、グアニジン;尿素;グリコール酸及びグリコール酸塩(例えば、アンモニウム及び四級アルキルアンモニウム);乳酸及び乳酸塩(例えば、アンモニウム及び四級アルキルアンモニウム);その多種多様の形態のうちのいずれかのアロエベラ(例えば、アロエベラゲル);ソルビトール、マンニトール、グリセロール、ヘキサントリオール、ブタントリオール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール等のポリヒドロキシ化合物;ポリエチレングリコール;糖類(例えば、メリビオース)及びデンプン;糖類及びデンプン誘導体(例えば、アルコキシ化グルコース、フルクトース、スクロース等);ヒアルロン酸;ラクタミドモノエタノールアミン;アセトアミドモノエタノールアミン;スクロースポリエステル;ワセリン;並びにそれらの混合物が含まれるが、それらに限定されない。
【0045】
本発明において湿潤剤(humectants)とも呼ばれる好適な保湿剤には、尿素、グアニジン、グリコール酸及びグリコール酸塩(例えば、アンモニウム及び四級アルキルアンモニウム)、乳酸及び乳酸塩(例えば、アンモニウム及び四級アルキルアンモニウム)、その多種多様の形態のうちのいずれかのアロエベラ(例えば、アロエベラゲル)、ポリヒドロキシアルコール(ソルビトール、グリセロール、ヘキサントリオール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール等)、ポリエチレングリコール、糖類及びデンプン、糖類及びデンプン誘導体(例えば、アルコキシル化グルコース)、ヒアルロン酸、ラクタミドモノエタノールアミン、アセトアミドモノエタノールアミン、並びにそれらの混合物が含まれる。
【0046】
ii.増粘剤(濃厚剤及びゲル化剤を含む)
本発明の組成物は、好ましくは約0.05重量%〜約10重量%、より好ましくは約0.1重量%〜約5重量%、更により好ましくは約0.25重量%〜約4重量%の組成物の1つ以上の増粘剤を含み得る。増粘剤の非限定的な種類には、カルボン酸ポリマー(アクリル酸由来の1つ以上のモノマーを含有する架橋された化合物、置換アクリル酸、並びにこれらのアクリル酸及び置換アクリル酸の塩及びエステルであり、架橋剤が、2つ以上の炭素−炭素二重結合を含有し、かつ多価アルコールに由来する);架橋ポリアクリレートポリマー(米国特許第5,100,660号、同第4,849,484号、同第4,835,206号、同第4,628,078号、及び同第4,599,379号、並びに欧州特許第228,868号に記載されるポリマー等のカチオン性ポリマー及び非イオン性ポリマーの両方を含む);ポリマースルホン酸(アクリロイルジメチルタウレート及びビニルピロリドンのコポリマー等)及び疎水変性されたポリマースルホン酸(アクリロイルジメチルタウレート及びベヘネス−25メタクリレートのクロスポリマー等);ポリアクリルアミドポリマー(ポリアクリルアミド、イソパラフィン、及びラウレス−7、並びにアクリルアミドと、アクリル酸で置換されたアクリルアミドと、置換アクリル酸とのマルチブロックコポリマー等の置換された分岐又は非分岐ポリマーを含む非イオン性ポリアクリルアミドポリマー等);多糖類(多糖類ゲル化剤の非限定的な例としては、セルロース、カルボキシメチルヒドロキシエチルセルロース、セルロースアセテートプロピネートカルボキシネート、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、微結晶セルロース、セルロース硫酸ナトリウム、及びそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる);ガム(すなわち、アカシア、寒天、アルギン、アルギン酸、アルギン酸アンモニウム、アミロペクチン、アルギン酸カルシウム、カラギーナンカルシウム、カルニチン、カラギーナン、デキストリン、ゼラチン、ジェランガム、グアーガム、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、ヘクトライト、ヒアルロン酸、ケイ酸、ヒドロキシプロピルキトサン、ヒドロキシプロピルグアー、インドゴム、昆布、ローカストビーンガム、納豆ガム、アルギン酸カリウム、カラギーナンカリウム、アルギン酸プロピレングリコール、スクレロチウムガム、カルボキシメチルデキストランナトリウム、カラギーナンナトリウム、トラガカントガム、キサンタンガム、及びそれらの混合物等のガム剤);並びに結晶質、ヒドロキシル含有脂肪酸、脂肪酸エステル又は脂肪酸ワックス(Heuxらの米国特許第6,967,027号、Westlandらの同第5,207,826号、Turbakらの同第4,487,634号、Turbakらの同第4,373,702号、及びJohnsonらの同第4,863,565号、Yangらの米国特許公開第2007/0027108号に開示される、微小繊維細菌性セルロース構造体等)からなる群から選択されるものが含まれる。
【0047】
5.組成物のpH
本発明のパーソナルケア組成物は、好ましくは約9未満、より好ましくは約7未満のpHを有する。一実施形態において、組成物は、約10未満、より好ましくは約9.5未満、最も好ましくは約9未満のpHを有する。一実施形態において、組成物は、約5未満又は約4未満のpHを有する。好ましい一実施形態において、組成物は、約2.5〜約4.5の範囲のpHを有する。約4未満のpHレベルでの使用に好適な発泡性界面活性剤は、アルキルスルホネート、パレススルホネート、スルホベタイン、アルキルヒドロキシスルタイン、アルキルグルコシド、及びそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0048】
6.使用方法
本組成物は、好ましくは、非エアロゾルシェービングフォーム又はゲル等の脱毛調製物である。本発明のパーソナルケア組成物は、シェービング(電気かみそり、再利用型又は使い捨て型であり得る電動又は手動かみそり、及びそれらの組み合わせを介する、ウェット又はドライシェービング)、脱毛、電気分解療法、ワックス又は脱毛剤、並びに発毛の調整を支援するためのエネルギー送達デバイスを含むが、それらに限定されない、種々の脱毛適用(適用前、適用と同時に、及び/又は適用後)と組み合わせて使用され得る。エネルギー送達デバイスの非限定的な例には、光、熱、音波(超音波及び電波周波数を含む)、電気エネルギー、磁気エネルギー、電磁エネルギー(を含む高周波及びマイクロ波)、並びにそれらの組み合わせが挙げられる。光エネルギーは、レーザー、ダイオードレーザー、ダイオードレーザーバー、ダイオードレーザーアレイ、フラッシュランプ、超短パルス光(IPL)源、及びそれらの組み合わせなどのデバイスによって付与してよいが、これらに限らない。例えば、米国特許第2006/0235370A1号を参照されたい。
【0049】
本発明は、前記脱毛技術のうちの1つ以上の結果であり得る皮膚刺激を治療する方法を含み、前記方法は、治療される皮膚の一部を形成するために、パーソナルケア組成物を皮膚の一部に適用する工程であって、前記パーソナルケア組成物は、ナフタレニルケトンを含む、工程と、前記治療される皮膚の一部に近接した少なくとも1つの痛覚受容体を下方制御する工程とを含む。一実施形態において、前記方法は、パーソナルケア組成物を適用する工程の前に、毛髪を前記皮膚の一部から少なくとも部分的に除去する工程を更に含む。別の実施形態では、前記方法は、パーソナルケア組成物を適用する工程の後に、毛髪を前記治療される皮膚の一部から少なくとも部分的に除去する工程を更に含む。
【0050】
7.製造方法
本発明の一実施形態は、パーソナルケア組成物を作製する方法を提供する。本組成物を作製する1つの方法は、
a.全体のバッチを保持するのに十分な容器中に水を量り分ける工程と、
b.羽根車を有するオーバーヘッドミキサーを容器の中に挿入し、渦を作製するために撹拌を強める工程と、
c.カチオン性多糖類及びPEGポリマー粉末を事前にブレンドする工程と、
d.合体するまで、ポリマーブレンドを渦の中に添加する工程と(添加は撒き散らすことによって実行され得る)、
e.rpmを増加させて十分な混合を維持しながら、ポリマーを水和させるために、バッチを70℃に加熱し始める工程と、
f.バッチが70℃になった時点で、界面活性剤を添加し、均一になるまで混合する工程と、
g.バッチを45℃未満に冷却し始める工程と、
h.45℃未満になった時点で、芳香剤、保存料、グリセリン/グリコール、及び他の温度感受性添加剤を添加する工程と、
i.適量の水で35℃未満に冷却する工程であって、
ニキビコントロール活性物質を有する生成物においては、工程f.の添加中にサリチル酸を添加し、
水溶性活性物質を有する生成物においては、工程h.の添加中にバッチに添加し、
油溶性活性物質を有する生成物においては、工程f.の添加中にバッチに添加する、工程と、を含む。
【0051】
8.組成物特性
a.濁度
一実施形態において、パーソナルケア組成物は、本明細書に開示される濁度計試験方法によって測定されるとき、約320NTU未満、あるいは約250NTU未満、あるいは未満約200NTU未満、あるいは約150NTU未満、あるいは約100NTU未満の濁度を含む。約150未満、あるいは約100未満の濁度を有する組成物は、「透明である」と見なされる一方で、約320未満、あるいは約250未満の濁度を有する組成物は、「半透明である」と見なされる。
【0052】
本明細書で使用される濁度は、Hach Company,Loveland,COのHach Model 2100AN Turbidimeter(「濁度計(Turbimeter)」)を用いて決定される。StablCalは、Hach Companyの商標である。
【0053】
濁度計濁度方法:濁度計は、0.1NTU〜7500NTUの濁度を測定する。濁度計は濁度測定の比濁原理に基づいて操作する。濁度計の光学システムは、タングステンフィラメントランプ、散乱光を測定するための90°検出器及び透過光検出器を含む。濁度計のマイクロプロセッサーは、90°検出器からの信号と透過光検出器の信号との比を計算する。この比法は色及び/又は光吸収物質からの干渉を修正し、ランプ輝度における変動を補正する。
【0054】
較正は、この濁度計と共に提供されるStablCal(登録商標)Secondaryスタンダードによる。希釈されていない試料が試料セル中に含有され、外側のセル壁は水及び指紋がつかないように拭かれる。濁度又は迷光に寄与し得る試料セルの壁の上にある小さな欠陥及び傷を被覆するために、シリコーンオイルの薄いコーティングが試料セルの外側の壁に適用される。測定が行われ、結果はNTU単位で表示される。全ての試料は平衡化され、25℃で測定される。試料は作製後24時間以内に測定される。
【0055】
b.粘度
粘度測定は、スピンドルT−Cを5rpmで使用しながら、ヘリパスを有するBrookfield粘度計を用いて決定される。試料生成物は、高さ約11cm×幅5cmの寸法を有し、かつ少なくとも8cmの深さまで充填されるガラス瓶の中に注がれ、測定前に24時間静置させる。T−Cスピンドルは、粘度計に取り付けられ、試料の上端上に設置される。ヘリパスが作動し、スピンドルは、5rpmで回転しながら、生成物の中に緩徐に入る。粘度は、試料の均一性を確認するために、スピンドルが生成物の中に更に入り続けるときに監視される。最終粘度は、試料の約半分を過ぎたときに読み取られる。
【0056】
c.シェービング中の潤滑試験
本明細書で定義されるシェービング潤滑中の「ISL」試験によって測定された減少した摩擦によって示されるように、本発明のパーソナルケア組成物が、シェービング中の潤滑の利点を提供することが見出された。高摩擦の皮膚表面が皮膚の膨隆をもたらすため、シェービング中に摩擦を減少させることは重要である。皮膚が膨隆するとき、刃が皮膚と係合する可能性が高く、皮膚刺激の可能性を増加させる。したがって、摩擦を減少させることによって、生成物は皮膚を保護する助けとなる。加えて、より低摩擦は、起こり得る刺激の原因にもなり得る皮膚上の抵抗を弱める結果となる。この方法は、シェービング調製物の摩擦係数(CoF)の測定を可能にする。
【0057】
シェービング中の潤滑試験方法:シェービングプロセス中の潤滑を模倣するよう設計された装置は、摩擦力(例えば、インストロン型器具)を測定し、かつ約9.8N〜約980.7N(約1kg〜約100kg)の荷重計を含有することができる器具に接続される。すすぎ装置は、1)すすぎ中に手によって毛髪に及ぼされる圧力を模倣するために、約0.07MPa〜約0.48MPa(約10psi〜約70psi)の圧力を供給するように開閉することができる、空気作動型締め付けデバイスと、2)締め付けデバイスの2つの対向する側面に取り付けられる、本明細書に記載の角質組織モデルと、3)シャワー状態を模倣するために、約50mL/分〜約1000mL/分の水流量を供給することができる、1つ以上の噴霧ノズルを含む。
【0058】
手順:すすぎ装置を、294.2N(30kg)の荷重計を装備したStable Micro Systems TA XT Plus(商標)テキスチャーアナライザー(TA)の基部に取り付け、締め付け具を中央に揃えるか、あるいは荷重計に垂直に整列させる。水流量を約200mL/分に、水温を40℃+/−3℃(103°F+/−2°F)に調整する。TA締め付け具への空気圧を約0.21MPa(30psi)に設定する。器具測定設定を以下のように設定する:TA設定、張力圧縮、長さ130mmの引っ張りでの試験速度−10.0mm/秒。合計10回のストロークでマクロを設定する。第1の5回のストロークを水なしで実行し、次に、第2の5回のストロークにおいて、水を2分15秒間手動で出す。試験中、データ(グラム単位の力)は、処理したKTMの上向き引っ張り中にのみ収集され、帰路では収集されない。ピストンの前側及び裏側の両方のパッドを、ポリウレタン皮膚パッド(詳細については、日本特許第2006233367号を参照のこと)で被覆する。
【0059】
5.08cm×22.9cm(2インチ×9インチ)の不織布KTMの一片を、30秒間熱い(約40℃+/−3℃(103°F+/−2°F)水道水下で湿らせる。2g+/−0.1gのエアロゾルシェービングゲル又は1g+/−0.1gのエアロゾルシェービングフォームを、不織布KTM上に設置し、30秒間静かに泡立たせて手で広げる。余分なフォームを不織布KTMの裏側に擦り込む。不織布KTMをTAの中に装填し、試験マクロを開始する。5回目のストロークが終わった時点で、すすぎ水を出す。1)KTMが取り付けられた荷重計を約10mm/秒の速度で上昇させるよう器具に指示し、2)締め付け具を開放し、かつ3)荷重計を低下させるよう器具に指示する試験手順を開始する。所定の回数、例えば、10回の手順が実行され得るまで、この手順を繰り返す。それぞれの試料の合間に、先に行った試験由来の任意の可能性のある蓄積を除去するために、ポリウレタン皮膚パッドを、一片の不織布KTM及びアルコールで拭く。乾燥摩擦及びすすぎ摩擦のグラム単位での全体の摩擦力(又は他の好適な力の単位)を計算することによって、どの生成物が最も心地良い感触を有すると予想されるかを評価するために、生成物は相互と比較してランク付けされ得る。
【0060】
本明細書で定義される「KTM」とは、角質組織を代表する1つ以上の物理的性質を有し得る、1つ以上の人工基質を指す「角質組織模倣体」を意味する。本適用のために使用されるKTMは、Lenzing,IncのTENCELである。他のKTMに関する更なる詳細は、2009年9月4日に出願されたBattagliaらの米国特許第61/239,908号の第I項に開示されている。
【実施例】
【0061】
以下の試料を、上述の本開示物を作製する方法に従って作製する。適量とは、100%に達するのに十分な量を意味する。全ての値は、重量パーセントである。
【0062】
表A:比較実施例。異なる種類のカチオン性ポリマーを有する試料。試料6は、本発明の範囲内にあり、かつポリクオタニウム−67、疎水性置換基及びカチオン性置換基を有する疎水変性されたカチオン性多糖類がパーソナルケア組成物に含まれるときに観察される、望ましい組成特性を実証する。重要なことには、これらの試料において、所望の組成特性が他のカチオン性ポリマーでは観察されなかったことが見出された(試料1〜5を参照のこと)。粘度、シェービング中の潤滑、及び濁度測定を、上述の第8項に記載の試験方法に従って行う。志願者は、ポリクオタニウム67を含む組成物が、他のカチオン性ポリマーと比較して、高粘度で示されるような十分な濃密度、低いISL値で示されるような十分なシャワー中の潤滑、及び低濁度値で示されるような組成物の透明度を提供することを見出した。
【表1】

【0063】
以下の表B〜Hに示される試料7〜33は、本発明によるパーソナルケア組成物の非限定的な例を提供する。
【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【0064】
本明細書に開示される全ての割合は、別途明記されない限り、組成物中に見られる指定された材料自体の重量であり、したがって、例えば、原料中に見られる担体、不純物、及び副生成物に関連した重量を除外する。
【0065】
本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最大数値限定は、それより小さいあらゆる数値限定を、そのような小さい数値限定が本明細書に明示的に記載されたものとして包含すると理解されるべきである。本明細書全体にわたって記載されるあらゆる最小数値限定は、それより大きいあらゆる数値限定を、そのようなより大きい数値限定が本明細書に明示的に記載されているかのように含む。本明細書全体にわたって記載されるあらゆる数値範囲は、そのようなより広い数値範囲内にあるあらゆるより狭い数値範囲を、そのようなより狭い数値範囲が本明細書に全て明示的に記載されているかのように含む。
【0066】
特に指定がない限り、本明細書の明細、実施例、及び「特許請求の範囲」における全ての割合、比率、及び百分率は重量基準であり、全ての数値限定は、当該技術分野により提供される通常の程度の精度で使用される。本明細書に開示した寸法及び値は、記述された正確な数値に厳しく限定されるものと理解すべきでない。むしろ、特に言及しない限り、そのようなそれぞれの寸法は、記述された値と、その値の周辺の機能的に同等の範囲との両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するよう意図されている。全ての測定は、別途明記されない限り、23℃で行われる。
【0067】
「発明を実施するための形態」において引用する全ての文献は、その関連部分において参照として本明細書に組み込まれるものであるが、いずれの文献の引用も、こうした引用が本発明の先行技術であることを容認するものとして解釈すべきではない。本書における用語のいずれかの意味又は定義が、参考として組み込まれた文献におけるいずれかの意味又は定義と相反する限りにおいては、本文書においてその用語に与えられた意味又は定義が適用されるものとする。
【0068】
特に指定のない限り、前置詞の「a」、「an」、及び「the」は「1つ以上」を意味する。
【0069】
本発明の特定の諸実施形態を図示し、記載したが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが当業者には自明である。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の「特許請求の範囲」で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.0.1%〜3%、好ましくは0.25%〜2.5%のカチオン性多糖類であって、疎水性置換基及びカチオン性置換基で疎水変性されたカチオン性多糖類、
b.5%〜30%の発泡性界面活性剤、
c.水を含む50%〜90%の担体、及び
d.任意の補助成分、
を含む、パーソナルケア組成物。
【請求項2】
前記疎水変性されたカチオン性多糖類が、4,000〜10,000個のアンヒドログルコース反復単位を有し、かつ
(a)8〜24個の炭素原子を有するアルキル基又はアリールアルキル基を含む、アンヒドログルコース単位の1モル当たり、平均0.0003〜0.08モルの置換基、及び
(b)式[R](Az−1zを有する置換基であって、
式中、R、R、及びRがそれぞれ独立して、−CH又は−Cであり、Rが、−CH−CHOH−CH−又は−CHCH−であり、Az−が、アニオンであり、かつzが、1、2、又は3である、置換基、
で置換されたセルロースエーテルを含む、請求項1に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項3】
前記セルロースエーテルが、アンヒドログルコース単位の1モル当たり、平均0.0005〜0.07モルの前記置換基(a)を含む、請求項2に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項4】
前記セルロースエーテルが、アンヒドログルコース単位の1モル当たり、平均0.1〜0.6モルの前記置換基(b)を含む、請求項2又は3に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項5】
前記置換基(a)が、式:R(Az−1/zを有し、
式中、R及びRがそれぞれ独立して、−CH又は−Cであり、Rが、−CH−CHOH−CH−又は−CHCH−であり、Rが、8〜24個の炭素原子を有するアルキル基又はアリールアルキル基であり、Az−が、アニオンであり、かつzが、1、2、又は3である、請求項2〜4のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項6】
前記疎水変性されたカチオン性多糖類が、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルカルボキシルメチルセルロース、又はそれらの混合物からなる群から選択されるセルロースエーテル、好ましくは、ヒドロキシエチルセルロースを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項7】
前記セルロースエーテルが、アンヒドログルコース単位の1モル当たり、平均1.0〜3.0モルのヒドロキシエチル基を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項8】
a.ポリエチレンオキシド、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、及びそれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、潤滑性水溶性ポリマー、
b.無機粒子、有機ポリマー粒子、及びそれらの混合物のうちの少なくとも1つを含む、水不溶性粒子、
c.多価アルコールで部分的にエステル化されたポリアクリル酸又はポリメタクリル酸、親水性ポリウレタン、軽く架橋されたポリエチレンオキシド、軽く架橋されたポリビニルアルコール、軽く架橋されたポリアクリルアミド、疎水変性ヒドロキシアルキルセルロース、ヒドロキシエチルメタクリレート、及び架橋されたヒアルロン酸のうちの少なくとも1つを含む、ヒドロゲル形成ポリマー、及び
d.それらの混合物、
から選択される潤滑剤を更に含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項9】
1%〜20%の少なくとも1つの極性溶媒を更に含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項10】
前記極性溶媒が、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、ヘキシレングリコール、プロパンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、ソルビトール、及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項9に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項11】
前記発泡性界面活性剤が、5%〜20%のアルキルスルホネート、パレススルホネート、スルホベタイン、アルキルヒドロキシスルタイン、アルキルグルコシド、アルキルポリグルコシド、及びそれらの混合物を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項12】
0.5〜2.0%のサリチル酸を更に含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。
【請求項13】
9未満、より好ましくは7未満、更により好ましくは2.5〜4.5の組成物pHを有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載のパーソナルケア組成物。

【公表番号】特表2013−516498(P2013−516498A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−548242(P2012−548242)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際出願番号】PCT/US2011/021066
【国際公開番号】WO2011/088168
【国際公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(593093249)ザ ジレット カンパニー (349)
【Fターム(参考)】