説明

疎水性シリカ及びシリコーンゴム中でのこの使用

表面改質剤と、エアロゾルを用いてカリウムでドープされた熱分解シリカとを反応させることにより製造された、カリウムでドープされた疎水性の熱分解シリカ。前記熱分解シリカは、シリコーンゴム中で充填剤として使用されてよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、疎水性シリカ、この製造方法及びシリコーンゴム中でのこの使用に関する。
【0002】
疎水化した熱分解シリカをシリコーンゴム中で充填剤として使用することは公知である(DE 199 43 666 A1)。
【0003】
US 6,331,588は、熱分解シリカを充填剤として含有するLSRシリコーンゴムを記載している。シラノール基のシリコーンゴムのレオロジー特性に対する不所望な影響を避けるために、US 6,331,588によると熱分解シリカの表面を疎水性にする必要がある。
【0004】
この先行技術によれば、LSR(液状シリコーンゴム)の場合には、親水性シリカをin situで疎水化し、同時に極めて高い剪断力にさらし、それによりその粘度及び降伏価を低下させるか、又は予め疎水化されたシリカを同じ理由で高い剪断力にさらす。
【0005】
エアロゾルを用いてカリウムでドープした親水性二酸化ケイ素(シリカ)は、DE 19650500 A1から公知である。
【0006】
カリウムでドープした、表面改質した二酸化ケイ素は、一般的にEP 1236773 A2から公知である。ここで使用されるKCl溶液は0.5KClの濃度を有する。前記親水性二酸化水素のK含量は、300μg/gである。特殊に設計された表面改質した、カリウムドープした二酸化ケイ素は、EP 1236773 A2に記載されていない。
【0007】
本発明は、火炎酸化又は、有利には火炎加水分解の方法において熱分解により製造され、かつ、カリウム0.000001〜40質量%でドープされている疎水性二酸化ケイ素を提供する。
【0008】
本発明の一実施態様において、前記のドープされた酸化物のBET表面積は、10〜1000m2/gであってよく、かつ前記熱分解酸化物のDBP吸収量は、検出可能でないか又はこの熱分解シリカの通常の値の85%未満であってよい。
【0009】
本発明の有利な一実施態様において、ドーピングのために使用されるカリウムの量は、1〜20000ppmの範囲にあってよい。特に、前記二酸化ケイ素のカリウム含量は、この表面改質前に、K2Oの形で0.15〜0.32質量%であってよい。
【0010】
前記シリカの疎水性の性質は、表面改質の手段により確立されてよい。
【0011】
この表面改質は、次のグループの1つ以上の化合物を用いて実施されてよい:
a)(RO)3Si(Cn2n+1)及び(RO)3Si(Cn2n-1)のタイプのオルガノシラン
R=アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル
n=1〜20
b)R′x(RO)ySi(Cn2n+1)及びR′x(RO)ySi(Cn2n-1)のタイプのオルガノシラン
R=アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル
R′=アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル
R′=シクロアルキル
n=1〜20
x+y=3
x=1、2
y=1、2
c)X3Si(Cn2n+1)及びX3Si(Cn2n-1)のタイプのハロオルガノシラン
X=Cl、Br
n=1〜20
d)X2(R′)Si(Cn2n+1)及びX2(R′)Si(Cn2n-1)のタイプのハロオルガノシラン
X=Cl、Br
R′=アルキル、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル
R′=シクロアルキル
n=1〜20
e)X(R′)2Si(Cn2n+1)及びX(R′)2Si(Cn2n-1)のタイプのハロオルガノシラン
X=Cl、Br
R′=アルキル、例えばメチル、エチル、
R′=シクロアルキル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル
n=1〜20
f)(RO)3Si(CH2m−R′のタイプのオルガノシラン
R=アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル
m=0.1〜20
R′=メチル、アリール(例えば−C65、置換したフェニル残基)
−C49、OCF2−CHF−CF3、−C613、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2、−NH−CH2−CH2−NH2
−N(CH2−CH2−NH22
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO(CH25
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH(CH23Si(OR)3
−Sx(CH23Si(OR)3、その際、X=1〜10、かつR=アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル
−SH
−NR′R′′R′′′(R′=アルキル、アリール、R′′=H、アルキル、アリール、R′′′=H、アルキル、アリール、ベンジル、C24NR′′′′NR′′′′′、その際、R′′′′=A、アルキル、及びR′′′′′=H、アルキル)
g)(R′′)x(RO)ySi(CH2m−R′のタイプのオルガノシラン
R′′=アルキル x+y=2
=シクロアルキル x=1、2
y=1、2
m=0.1〜20
R′=メチル、アリール(例えば−C65、置換したフェニル残基)
−C49、−OCF2−CHF−CF3、−C613、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2、−NH−CH2−CH2−NH2、−N(CH2−CH2−NH22
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO−(CH25
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH−(CH23Si(OR)3
−Sx(CH23Si(OR)3、その際、X=1〜10、かつR=メチル、エチル、プロピル、ブチル
−SH −NR′R′′R′′′(R′=アルキル、アリール、R′′=H、アルキル、アリール;R′′′=H、アルキル、アリール、ベンジル、C24NR′′′′R′′′′′、その際R′′′′=A、アルキル、かつR′′′′′=H、アルキル)
h)X3Si(CH2m−R′のタイプのハロオルガノシラン
X=Cl、Br
m=0.1〜20
R′=メチル、アリール(例えば−C65、置換したフェニル残基)
−C49、−OCF2−CHF−CF3、−C613、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2
−NH−CH2−CH2−NH2
−N(CH2−CH2−NH22
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO−(CH25
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH−(CH23Si(OR)3
−Sx(CH23Si(OR)3、その際、X=1〜10、かつR=メチル、エチル、プロピル、ブチル
−SH
i)(R)X2Si(CH2m−R′のタイプのハロオルガノシラン
X=Cl、Br
R=アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル
m=0.1〜20
R′=メチル、アリール(例えば−C65、置換したフェニル残基)
−C49、−OCF2−CHF−CF3、−C613、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2、−NH−CH2−CH2−NH2
−N(CH2−CH2−NH22
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO−(CH25
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH−(CH23Si(OR)3
その際R=メチル、エチル、プロピル、ブチル
−Sx−(CH23Si(OR)3、その際、R=メチル、エチル、プロピル、ブチル、かつX=1〜10
−SH
j)(R)2XSi(CH2m−R′のタイプのハロオルガノシラン
X=Cl、Br
R=アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル
m=0.1〜20
R′=メチル、アリール(例えば−C65、置換したフェニル残基)
−C49、−OCF2−CHF−CF3、−C613、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2、−NH−CH2−CH2−NH2
−N(CH2−CH2−NH22
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO−(CH25
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH−(CH23Si(OR)3
−Sx−(CH23Si(OR)3、その際、X=1〜10、かつR=メチル、エチル、プロピル、ブチル
−SH
k)
【化1】

のタイプのシラザン
R=アルキル
R′=アルキル、ビニル
l)D3、D4、D5のタイプの環式ポリシロキサン、その際、D3、D4、及びD5は、−O−Si(CH32−のタイプの単位3、4または5つを有する、環式ポリシロキサンとして理解される。
例えば、オクタメチルシクロテトラシロキサン=D4
【化2】

m)次のタイプのポリシロキサン又はシリコーンオイル
【化3】

R=アルキル、例えばCn2n+1、その際、nは1〜20であり、アリール、例えばフェニル及び置換されたフェニル残基、(CH2n−NH2、H
R′=アルキル、例えばCn2n+1、その際、nは1〜20であり、アリール、例えばフェニル及び置換されたフェニル残基、(CH2n−NH2、H
R′′=アルキル、例えばCn2n+1、その際、nは1〜20であり、アリール、例えばフェニル及び置換されたフェニル残基、(CH2n−NH2、H
R′′′=アルキル、例えばCn2n+1、その際、nは1〜20であり、アリール、例えばフェニル及び置換されたフェニル残基、(CH2n−NH2、H。
【0012】
本発明は更に、本発明による、表面改質され、カリウムドープされ、熱分解により製造された二酸化ケイ素の製造方法であって、この熱分解により製造され、エアロゾルを用いてカリウムでドープされた二酸化ケイ素を、適した混合容器中に配置し、強力な混合下で前記二酸化ケイ素に、場合により最初に水及び/又は希酸で、次いで表面改質剤又は複数の表面改質剤の混合物で吹付け、そして場合により混合を更に15〜30分間継続し、この後に100〜400℃の温度で1〜6時間の間熱処理(tempering)することにより特徴付けられる製造方法を提供する。
【0013】
使用される水は、酸、例えば塩酸を用いてpH値7〜1に酸性化されてよい。使用される表面改質剤は、適した溶媒、例えばエタノール中に溶解されていてよい。前記混合及び/又は熱処理は、保護ガス雰囲気、例えば窒素中で実施されてよい。
【0014】
本発明は更に、本発明による、エアロゾルを用いてカリウムでドープされた、表面改質された、熱分解により製造された二酸化ケイ素の製造方法において、酸素を排除して、前記二酸化ケイ素を可能な限り均質に表面改質剤と混合し、この混合物を、少量の蒸気と一緒に、そして場合により不活性ガスと一緒に、200〜800℃、有利には400〜600℃の温度に、連続的な単流方法(uniflow process)において、垂直管形加熱炉の形にある処理室中で加熱し、この固体状及びガス状の反応生成物を相互に分離し、次いでこの固体状生成物を場合により脱酸及び乾燥することを特徴とする、エアロゾルを用いてカリウムでドープされた、表面改質された、熱分解により製造された二酸化ケイ素の製造方法を提供する。
【0015】
エアロゾルを用いてカリウムでドープされた、熱分解により製造された二酸化ケイ素は、エアロゾルを火炎、例えば火炎加水分解を用いて熱分解二酸化ケイ素を製造するために使用される火炎中に公知の方法で供給し、このエアロゾルを均質に、火炎酸化又は火炎加水分解のガス混合物とのこの反応前に混合し、このエアロゾル/ガス混合物を完全に火炎中で反応させ、そしてこの生じるカリウムドープした、熱分解により製造された二酸化ケイ素をガス流から公知の方法で分離することにより製造されてよく、この際、前記エアロゾルの出発材料として、カリウム塩を含有する塩の溶液又は懸濁液が使用され、このエアロゾルは、2成分ノズルを用いた噴霧により又はエアロゾル発生器により、有利には超音波方法により、又は様々な種類のエアロゾル産生手段により製造される。
【0016】
前記の塩化カリウム水溶液は、塩化カリウム2.4〜9.0質量%の濃度を有してよい。
【0017】
熱分解二酸化ケイ素の製造のための火炎加水分解の方法は、Ullmanns Enzyklopaedie der technischen Chemie, 第4版, 21巻, 464頁から公知である。エアロゾルを用いてドープされた、熱分解により製造された二酸化ケイ素の製造方法は、DE 19650500から公知である。
【0018】
前記エアロゾル中での前記ドーピング成分の微細な分配及び引き続く火炎加水分解における高温(1000〜2400℃)の結果、その際前記ドーピング成分は特定の条件下で更に粉砕及び/又は溶融されるが、このドーピング媒体は熱分解二酸化ケイ素の形成の間にガス相中で微細に分割された状態で存在し、この結果前記ドーピング成分の熱分解により製造された二酸化ケイ素中への均質な混和が可能になる。しかしながら、出発材料の塩及びこの方法が実施される様式の適した選択により、均質な分配を達成することも可能である。
【0019】
本発明は更に、本発明によるエアロゾルを用いてカリウムでドープされた疎水性の熱分解シリカを充填剤として含有することを特徴とする、シリコーンゴムを提供する。
【0020】
本発明による疎水性の熱分解二酸化ケイ素がシリコーンゴム中に混和される場合には、このシリコーンゴムの完全に新規な特性が得られる。
【0021】
添加されたカリウムのために、前記熱分解二酸化ケイ素の形態は、この一次粒子の相互成長(intergrowth)のより低い程度、そして従ってより低いストラクチャーが達成されるように変更される。この二酸化ケイ素は、DE 19650500により製造されてよい。
【0022】
前記二酸化ケイ素の疎水化はまた、大量の大きな表面積を有する熱分解二酸化ケイ素の混和を可能にし、この結果として優れたレオロジー特性が意外にも達成されてよく、かつこの加硫物は予期できない高い透明度及び機械的特性を示す。エラストマー適用のためには、400000〜600000の分子量を有するポリジメチルシロキサンが使用されてよく、前記ポリジメチルシロキサンは、調節剤、例えばヘキサメチル−又はジビニルテトラメチル−ジシロキサンの添加により製造され、かつ相応する末端基を有する。加硫挙動及び同様に引裂強さ(tear growth resistance)をも改善するために、ビニルメチルジクロロシラン(VMQ)を添加することによって少量(<1%)のビニル基をしばしば置換基として主鎖中に導入してよい。
【0023】
HTVシリコーンゴムは、透明の、高度に粘性のある、自体潮解性の、約10000つのSiO単位の鎖長を有する、15〜30kPasの粘度を有するシリコーンポリマーを意味するものと理解される。架橋剤、充填剤、触媒、着色顔料、付着防止剤、可塑剤、付着促進剤は、前記シリコーンゴムの更なる構成成分として使用される。
【0024】
熱加硫の場合には、この処理温度は典型的には約140〜230℃の範囲にあり、その一方で冷加硫は、20〜70℃の温度で実施される。加硫においては、過酸化物架橋、付加架橋、及び縮合架橋が区別される。
【0025】
過酸化物加硫は、フリーラジカル反応機構を通じて進行し、前記機構においては、過酸化物が温度の作用下で、ポリシロキサンのビニル基又はメチル基に取り付くラジカルへと分解し、ここで、次いで別のポリシロキサン鎖に取り付き、従って空間的な架橋を生じる新規のラジカルを産生する。2つのラジカルの再結合、又は架橋度の上昇に伴って次第に制限される鎖の易動度は、架橋反応の停止を生じる。過酸化物架橋の場合には、様々な過酸化物が、架橋の速度を加工特異的な加工条件に適合すべく、加工方法(例えば、押出、射出成形、圧縮成形)に応じて使用される。例えば、極めて高い架橋速度が押出のためには必要とされ、その一方で射出成形又は圧縮成形による成形品の産生においては、キャビティを充填する間の架橋の開始を回避すべく低い架橋速度が必要である。
【0026】
使用される過酸化物の性質は、このストラクチャーに影響を及ぼし、従って、この加硫物の物理的特性にも影響を及ぼす。過酸化ジアロイル(ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)ペルオキシド、ジベンゾイルペルオキシド)は、ビニル基及びメチル基の両者に架橋する。過酸化ジアルキル(過酸化ジクミル、2,5(ジ−tert−ブチルペルオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン)では他方で、実質的に、ビニル特異的な架橋のみが生じる。
【0027】
この加硫物のショアー硬度は、この混合物中での過酸化物の量によりある程度制御されてよい。過酸化物の量が増加するにつれて、架橋部位のより高い密度のために、このショアー硬度は増加する。しかしながら、過酸化物の過剰使用は、破断点伸び、引張強さ及び引裂強さの減少を生じる。適用に応じて、過酸化物架橋は、永久歪みを減少し、かつ前記過酸化物の開裂生成物を除去すべく、この加硫物の引き続く熱処理を必要とする。過酸化ジクミルに特異的に生じる典型的な芳香族の臭気に加えて、前記開裂生成物はまた、この加硫物の物理的な特性をも損なう可能性がある(例えば、酸性開裂生成物の場合の戻り)。
【0028】
充填剤の場合には、補強性充填剤と非補強性充填剤が区別されるべきである。
【0029】
非補強性充填剤は、シリコーンポリマーとの極端に弱い相互作用により特徴付けられる。これにはチョーク、石英粉末、ケイソウ土、雲母、カオリン、Al(OH)3及びFe23が含まれる。この粒径は、0.1μmのオーダーにある。前記充填剤の目的は、未加硫状態にある化合物の粘度を上昇させ、かつ加硫ゴムのショアー硬度及び弾性率を増加させることである。表面処理した充填剤の場合には、引裂強さの改善も達成することができる。
【0030】
補強性充填剤は、>125m2/gの表面積を有する特に高度に分散したシリカである。この補強作用は、前記充填剤と前記シリコーンポリマーとの間での結合のためである。このような結合は、シリカの表面でのシラノール基(3〜4.5個のSiOH基/nm2)及びα−、ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン中のシラノール基との間で、シロキサン鎖中の酸素に対する水素架橋結合によって形成される。この充填剤/ポリマー相互作用は、粘度の上昇及びガラス転移温度及び結晶化挙動の変化を生じさせる。ポリマー/充填剤結合は機械的特性の改善を生じるが、また同様に、このゴムのクレープ硬化を生じる可能性がある。
【0031】
タルクは、補強性充填剤と非補強性充填剤との中間の位置にある。
【0032】
充填剤は更に、特殊な効果のためにも使用される。これは、熱安定性の増加のための酸化鉄、酸化ジルコニウムまたはジルコン酸バリウムを含む。
【0033】
シリコーンゴムは、更なる構成成分として、触媒、架橋剤、着色顔料、付着防止剤、可塑剤及び付着促進剤を含有してよい。
【0034】
可塑剤は、低い弾性率に調節するために特に必要とされる。内部付着促進剤は、一方ではこの基材と相互作用でき、かつ他方では架橋シリコーンポリマーと相互作用できる、官能性シランベースである(主にRTV1ゴム中での使用)。
【0035】
低分子量の又は単量体のシラノールリッチな化合物(例えばジフェニルシランジオール、H2O)は、クレープ硬化に反対作用する。これらは、充填剤とより迅速に反応することにより、充填剤のシラノール基との強力過ぎる相互作用からシリコーンポリマーを妨げる。相応する効果は、充填剤をトリメチルシリル基で部分的に被覆すること(トリメチルシランを用いた充填剤の処理)によって達成することもできる。
【0036】
シロキサンポリマーを化学的に変性すること(フェニルポリマー、ホウ素含有ポリマー)、又はこのポリマーと有機ポリマー(ブタジエン−スチレンコポリマー)とをブレンドすることも可能である。
【0037】
本発明の有利な一実施態様において、このシリコーンゴムはLSRシリコーンゴムであってよい。
【0038】
液状シリコーンゴム(LSR)は、分子構造の観点で実質的にHTVに相当するが、6分の1のより低い平均分子鎖長を有し、従って1000分の1のより低い粘度を有する(20〜40Pas)。2つの成分(A及びB)を、処理装置中で等量で使用できるようにし、前記成分は既に、充填剤、加硫化剤、及び場合により、その他の助剤を含有する。
【0039】
充填剤として、ここではHTV混合物と同じシリカ及び助剤が使用される。低粘度の出発ポリマーは、特に、均質な分配を達成する必要がある場合には、特別に開発された混合装置中での強力な混和及び十分な混練を必要とする。前記充填剤の取り込みを容易にし、かつクレープ硬化を回避するためには、前記シリカは完全に疎水化される−大抵の場合にはin situで、この混合操作の間に、ヘキサメチルジシラザン(HMDS、またはHMDZ)を用いて疎水化される。
【0040】
LSR混合物の加硫は、ヒドロシリル化によって行われ、即ち、Pt(O)錯体のppm量による触媒作用によりメチルヒドロゲンシロキサン(分子中に少なくとも3個のSiH基を有する)をポリマー中のビニル基へ付加することによって行われ、その際、供給時に架橋剤及び触媒は別個の成分中に含まれている。特別な阻害剤、例えば1−エチニル−1−シクロヘキサノールは、成分の混合の後の早期の加硫開始を抑制し、室温で約3日間の可使時間を生じさせる。この割合は、白金及び阻害剤濃度によってかなり広範囲に調節することができる。
【0041】
付加架橋が、過酸化物加硫とは対照的に、これはHTVの場合には通常であるが、ファーネスブラックにより邪魔されることがないので、LSR混合物は電気伝導性のシリコーンゴム製品の製造においてますます使用されている(HTV混合物において、アセチレンブラックが有利に使用される)。導電性ファーネスブラックは混入され、かつグラファイト又は金属粉体に比べてより容易に分配されることができ、有利には銀である。本発明によるシリコーンゴムは次の利点を有する:
LSR(液状シリコーンゴム)に対する試験は、本発明による実施例5及び6の疎水性のドープされた酸化物が、同じ又は類似の表面積を有するエアロジル(aerosil)(熱分解シリカ)に比較して非常に良好な混和及び分散挙動を示すこと、そしてこの化合物が極めてより低い粘度及び降伏価を有することを示した。特に、この加硫物の顕著な高い透明度が有利である。
【0042】
本発明による疎水性のカリウムドープした二酸化ケイ素でもって、この低ストラクチャー(low structure)のために、極めて低い粘度及び降伏価を既にもたらす材料を使用することが可能である。前記材料は、その疎水性の性質のために、極めて容易にかつ迅速に混和かつ分散できる。従って、これらは、シリコーンゴム混合物の生産の間に高い剪断力に曝されることがない。エネルギー及び材料費の観点における節約は、使用者にとって更なる利点である。加えて、本発明によるシリコーンゴムは、極めて高い透明度の形で改善した光学的特性を示す。
【0043】
実施例
低ストラクチャーの粉体の製造。
DE 196 50 500に説明したとおりのバーナー配置が使用される。
【0044】
例1
塩化カリウム溶液から製造されるエアロジルを用いたドーピング
SiCl4 4.44kg/hを約130℃で蒸発させ、DE 196 50 500によるバーナーの中央の管に移し、水素3.25Nm3/hと、同様にx1:空気5.25Nm3/h及び酸素0.55Nm3/hとを、更に前記管中に供給した。このガス混合物はこの内側バーナーノズルから流れ、水冷した火炎管のバーナー室中へと燃焼した。ケーキングを避けるために、(ジャケット)水素0.5Nm3/h及び窒素0.2Nm3/hを、更に、この中央ノズルを囲むジャケットノズル中に供給した。
【0045】
空気40Nm3/hを更に、前記火炎管中に引き込み、この際前記管はこの周囲からはわずかな減圧下にある。
【0046】
この軸方向の管中に導入される第2のガス成分は、KCl塩の2.5%水溶液から調整されたエアロゾルからなる。使用されるエアロゾル発生器は、2成分ノズルであり、これは、247g/hのエアロゾルの噴霧出力を生じる。この水性の塩のエアロゾルは、キャリアー空気3.5Nm3/hにより外側で加熱されたパイプを通り、この内側ノズルを153℃の出口温度にする。このようにして導入されたカリウム塩含有エアロゾルを火炎中に導入し、この生じる熱分解シリカの特性を相応して変化させた。
【0047】
この火炎加水分解の後に、この反応ガス及び、(酸化)カリウムでドープされたこの生じる熱分解シリカを、減圧の適用により冷却系中にと通じさせ、この粒子ガス流をこれにより、約100〜160℃に冷却させた。この固体を、フィルター又はサイクロン中で廃ガス流から分離した。酸化カリウムでドープしたこの生じる熱分解シリカは、微細に分割した白色粉体の形で得られる。更なる工程において、前記のドープされたシリカに付着する塩酸の残分を、400〜700℃の温度で、空気含有流を用いた処理により除去した。
【0048】
この生じる熱分解シリカのBET表面積は、107m2/gである。分析により決定された酸化カリウムの含量は、0.18質量%である。
【0049】
この製造条件を表1にまとめた。火炎パラメーターを表2に示し、この生じるシリカの更なる分析データを表3に示した。
【0050】
例2
塩化カリウム溶液から製造されるエアロゾルを用いたドーピング
この手法は、例1に示したとおりである:
SiCl4 4.44kg/hを約130℃で蒸発させ、DE 196 50 500によるバーナーの中央の管に移し、水素4.7Nm3/hと、同様に空気5.7Nm3/h及び酸素1.15Nm3/hとを、更に前記管中に供給した。このガス混合物はこの内側バーナーノズルから流れ、水冷した火炎管のバーナー室中へと燃焼した。ケーキングを避けるために、(ジャケット)水素0.5Nm3/h及び窒素0.2Nm3/hを、更に、この中央ノズルを囲むジャケットノズル中に供給した。
【0051】
空気25Nm3/hを更に、前記火炎管中に引き込み、この際前記管はこの周囲からはわずかな減圧下にある。
【0052】
この軸方向の管中に導入される第2のガス成分は、KCl塩の9%水溶液から調整されたエアロゾルからなる。使用されるエアロゾル発生器は、2成分ノズルであり、これは、197g/hのエアロゾルの噴霧出力を生じる。この水性の塩のエアロゾルは、キャリアー空気4Nm3/hにより外側で加熱されたパイプを通り、この内側ノズルを123℃の出口温度にする。このように導入されたカリウム塩含有エアロゾルは、この生じる熱分解シリカの特性を相応して変更させた。
【0053】
この火炎加水分解の後に、この反応ガス及び生じるドープされた熱分解シリカを、減圧の適用により冷却系中にと通じさせ、この粒子ガス流をこれにより、約100〜160℃に冷却させた。この固体を、フィルター又はサイクロン中で廃ガス流から分離した。
【0054】
(酸化)カリウムでドープしたこの生じる熱分解シリカは、微細に分割した白色粉体の形で得られる。更なる工程において、前記シリカに付着する塩酸の残分を、400〜700℃の温度で、空気含有流を用いた処理により除去した。
【0055】
この熱分解シリカのBET表面積は、127m2/gである。
【0056】
この製造条件を表1にまとめた。火炎パラメーターを表2に示し、この生じるシリカの更なる分析データを表3に示した。
【0057】
例3
塩化カリウム溶液から製造されたエアロゾルを用いたドーピング
SiCl4 4.44kg/hを約130℃で蒸発させ、DE 196 50 500によるバーナーの中央の管に移し、水素2.5Nm3/hと、同様に酸素7Nm3/hとを、更に前記管中に供給した。このガス混合物はこの内側バーナーノズルから流れ、水冷した火炎管のバーナー室中へと燃焼した。ケーキングを避けるために、(ジャケット)水素0.3Nm3/h及び窒素0.2Nm3/hを、更に、この中央ノズルを囲むジャケットノズル中に供給した。
【0058】
空気45Nm3/hを更に、前記火炎管中に引き込み、この際前記管はこの周囲からはわずかな減圧下にある。
【0059】
この軸方向の管中に導入される第2のガス成分は、KCl塩の2.48%水溶液から調整されたエアロゾルからなる。使用されるエアロゾル発生器は、2成分ノズルであり、これは、204g/hのエアロゾルの噴霧出力を生じる。この水性の塩のエアロゾルは、キャリアー空気3.5Nm3/hにより外側で加熱されたパイプを通り、この内側ノズルを160℃の出口温度にする。このように導入されるカリウム塩含有エアロゾルは、この生じる熱分解シリカの特性を相応して変化させた。
【0060】
この火炎加水分解の後に、この反応ガス及び、(酸化)カリウムでドープされたこの生じる熱分解シリカを、減圧の適用により冷却系中にと通じさせ、この粒子ガス流をこれにより、約100〜160℃に冷却させた。この固体を、フィルター又はサイクロン中で廃ガス流から分離した。
【0061】
(酸化)カリウムでドープしたこの生じる熱分解シリカは、微細に分割した白色粉体の形で得られる。更なる工程において、前記シリカに付着する塩酸の残分を、400〜700℃の温度で、空気含有流を用いた処理により除去した。
【0062】
この生じる熱分解シリカのBET表面積は、208m2/gである。分析により決定された酸化カリウムの含量は、0.18質量%である。
【0063】
この製造条件を表1にまとめた。火炎パラメーターを表2に示し、この生じるシリカの更なる分析データを表3に示した。
【0064】
例4
塩化カリウム溶液から製造されたエアロゾルを用いたドーピング
SiCl4 4.44kg/hを約130℃で蒸発させ、DE 196 50 500による公知の構造のバーナーの中央の管に移し、水素2.0Nm3/hと、同様に空気6.7Nm3/hとを、更に前記管中に供給した。このガス混合物はこの内側バーナーノズル中から流れ、水冷した火炎管のバーナー室中へと燃焼した。ケーキングを避けるために、(ジャケット)水素0.3Nm3/h及び窒素0.2Nm3/hを、更に、この中央ノズルを囲むジャケットノズル中に供給した。
【0065】
空気35Nm3/hを更に、前記火炎管中に引き込み、この際前記管はこの周囲からはわずかな減圧下にある。この軸方向の管中に導入される第2のガス成分は、KCl塩の2.48%水溶液から調整されたエアロゾルからなる。使用されるエアロゾル発生器は、2成分ノズルであり、これは、246g/hのエアロゾルの噴霧出力を生じる。この水性の塩のエアロゾルは、キャリアー空気3.5Nm3/hにより外側で加熱されたパイプを通り、この内側ノズルを160℃の出口温度にする。このように導入されたカリウム塩含有エアロゾルを火炎中に導入し、この生じる熱分解シリカの特性を相応して変更させた。
【0066】
この火炎加水分解の後に、この反応ガス及び、(酸化)カリウムでドープされたこの生じる熱分解シリカを、減圧の適用により冷却系中にと通じさせ、この粒子ガス流をこれにより、約100〜160℃に冷却させた。この固体を、フィルター又はサイクロン中で廃ガス流から分離した。
【0067】
(酸化)カリウムでドープしたこの生じる熱分解シリカは、微細に分割した白色粉体の形で得られる。更なる工程において、このドープされたシリカに付着する塩酸の残分を、400〜700℃の温度で、空気含有流を用いた処理により除去した。
【0068】
この生じる熱分解シリカのBET表面積は、324m2/gである。分析により決定された酸化カリウムの含量は、0.18質量%である。
【0069】
この製造条件を表1にまとめた。火炎パラメーターを表2に示し、この生じるシリカの更なる分析データを表3に示した。
【0070】
表1
ドープされた熱分解シリカの製造における実験条件
【表1】

【0071】
説明:
一次空気=中央の管中の空気の量;H2中心部=中央の管中の水素;ガス温度=中央の管のノズルでのガス温度;エアロゾルの量=エアロゾルの形に変換される塩の溶液の質量流量;エアロゾル空気=エアロゾル中のキャリアーガス(空気)の量
表2
ドープされた熱分解シリカの製造における火炎パラメーター
【表2】

【0072】
説明:ガンマ中心部=中央の管中の水素の割合;ラムダ中心部=中央の管中の酸素の割合;ガンマ及びラムダの正確な計算及び定義に関しては、EP 0 855 368を参照のこと;vknorm=標準条件(273K、1atm)下での流出速度。
【0073】
表3
例1〜4により得られる試料の分析データ
【表3】

【0074】
説明:pH4%sus=4%の水性懸濁液のpH値;DBP=ジブチルフタラート吸収量、n.e.=装置はこの終点を検出しない。
【0075】
実施例
疎水化操作
例5の製造
例3において説明された親水性の、Kドープされたシリカ2.5kgを混合機中に配置し、強力に混合しながら、最初に水0.125kgで、次いで2成分ノズルを用いて、ヘキサメチルジシラザン0.3kgで吹付けた。この吹付けが完了すると、混合を更なる15分間継続し、この後に25℃での5時間の、次いで120℃での2時間の熱処理が引き続いた。
【0076】
例6の製造
例4において説明された親水性の、Kドープされたシリカ2.5kgを混合機中に配置し、強力に混合しながら、最初に水0.125kgで、次いで2成分ノズルを用いて、ヘキサメチルジシラザン0.45kgで吹付けた。この吹付けが完了すると、混合を更に15分間継続し、この後に25℃での5時間の、次いで120℃での2時間の熱処理が引き続いた。
【0077】
本発明による、カリウムでドープされた、疎水性の、熱分解シリカのシリコーンゴム中での試験
表4
分析データ
【表4】

【0078】
表4からの生成物をLSRシリコーン調製物中で試験した。比較可能である表面積を有する親水性の出発生成物であるエアロジル(熱分解により製造されたシリカ)を、比較材料として使用した。
【0079】
LSRシリコーンゴム
遊星型溶解機中で、20%のシリカを緩やかな速度(50/500min-1遊星型混合機/溶解機プレート)で混和し、次いで30分間高速(100/2000min-1)で分散させた。
【0080】
この混和後、この混合物は、低粘度の流動可能な材料を形成した。30分間の分散後、この粘度はわずかに減少した。
【0081】
この親水性の出発材料が、同じように混和することができないか又は低濃度でのみ混和することができる一方で、例5及び例6は容易に混和されることができ、かつ明らかに良好な湿潤性及び極めて低いレオロジー特性を示し、特に、流動性の尺度である降伏価は0 Paに近かった。
【0082】
同じ濃度において、前記の疎水性の比較可能なシリカは、この高すぎる増粘作用のために、もはや混和されることができなかった(表5)。
【0083】
表5
20%シリカでのレオロジー特性
【表5】

*:この生成物は、高すぎる増粘作用のために、この濃度(20%)で混和されることができなかった。
【0084】
この混合物を次いで架橋させ、この標準的な調製物(0.3%以下の乾燥減量を有する疎水性充填剤に関して最適化されている)は、架橋剤の量(触媒及び阻害剤は未変更のままである)が、この使用される親水性充填剤のより高い乾燥減量に応じて増加するように変更されている。
【0085】
表6
20%のシリカを有する加硫物の機械的及び光学的特性
【表6】

【0086】
機械的及び光学的試験の結果を表6にまとめた。例6による混合物の驚異的に高い透明度が特に言及されるべきであり、これは、その他のいかなる生成物でも達成できなかった。本発明によるシリカを含有する混合物の高い引裂強さもまた意外であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
火炎酸化又は、有利には火炎加水分解の方法において熱分解により製造され、かつ、カリウム0.000001〜40質量%でドープされている疎水性二酸化ケイ素。
【請求項2】
以下のグループからの1つ以上の化合物:
a)(RO)3Si(Cn2n+1)及び(RO)3Si(Cn2n-1)のタイプのオルガノシラン
R=アルキル
n=1〜20
b)R′x(RO)ySi(Cn2n+1)及びR′x(RO)ySi(Cn2n-1)のタイプのオルガノシラン
R=アルキル
R′=アルキル
R′=シクロアルキル
n=1〜20
x+y=3
x=1、2
y=1、2
c)X3Si(Cn2n+1)及びX3Si(Cn2n-1)のタイプのハロオルガノシラン
X=Cl、Br
n=1〜20
d)X2(R′)Si(Cn2n+1)及びX2(R′)Si(Cn2n-1)のタイプのハロオルガノシラン
X=Cl、Br
R′=アルキル
R′=シクロアルキル
n=1〜20
e)X(R′)2Si(Cn2n+1)及びX(R′)2Si(Cn2n-1)のタイプのハロオルガノシラン
X=Cl、Br
R′=アルキル
R′=シクロアルキル
n=1〜20
f)(RO)3Si(CH2m−R′のタイプのオルガノシラン
R=アルキル
m=0.1〜20
R′=メチル、アリール(例えば−C65、置換したフェニル残基)
−C49、OCF2−CHF−CF3、−C613、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2、−NH−CH2−CH2−NH2
−N(CH2−CH2−NH22
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO(CH25
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH−(CH23Si(OR)3
−Sx(CH23Si(OR)3、その際、X=1〜10
かつ
R=アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル
−SH
−NR′R′′R′′′(R′=アルキル、アリール、R′′=H、アルキル、アリール;R′′′=H、アルキル、アリール、ベンジル、C24NR′′′′R′′′′′、その際R′′′′=A、アルキル、かつR′′′′′=H、アルキル)
g)(R′′)x(RO)ySi(CH2m−R′のタイプのオルガノシラン
R′′=アルキル x+y=2
=シクロアルキル x=1、2
y=1、2
m=0.1〜20
R′=メチル、アリール(例えば−C65、置換したフェニル残基)
−C49、−OCF2−CHF−CF3、−C613、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2、−NH−CH2−CH2−NH2
−N(CH2−CH2−NH22
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO(CH25
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH−(CH23Si(OR)3
−Sx(CH23Si(OR)3、その際、X=1〜10
かつ
R=アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル
−SH
−NR′R′′R′′′(R′=アルキル、アリール、R′′=H、アルキル、アリール;R′′′=H、アルキル、アリール、ベンジル、C24NR′′′′R′′′′′、その際R′′′′=A、アルキル、かつR′′′′′=H、アルキル)
h)X3Si(CH2m−R′のタイプのハロオルガノシラン
X=Cl、Br
m=0.1〜20
R′=メチル、アリール(例えば−C65、置換したフェニル残基)
−C49、−OCF2−CHF−CF3、−C613、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2
−NH−CH2−CH2−NH2
−N(CH2−CH2−NH22
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO−(CH25
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH−(CH23Si(OR)3
−Sx(CH23Si(OR)3、その際、X=1〜10、
かつ
R=アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル
−SH
i)(R)X2Si(CH2m−R′のタイプのハロオルガノシラン
X=Cl、Br
R=アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル
m=0.1〜20
R′=メチル、アリール(例えば−C65、置換したフェニル残基)
−C49、−OCF2−CHF−CF3、−C613、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2、−NH−CH2−CH2−NH2
−N−(CH2−CH2−NH22
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO−(CH25
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH−(CH23Si(OR)3
−Sx(CH23Si(OR)3、その際、X=1〜10
かつ
R=アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル
−SH
j)(R)2XSi(CH2m−R′のタイプのハロオルガノシラン
X=Cl、Br
R=アルキル
m=0.1〜20
R′=メチル、アリール(例えば−C65、置換したフェニル残基)
−C49、−OCF2−CHF−CF3、−C613、−O−CF2−CHF2
−NH2、−N3、−SCN、−CH=CH2、−NH−CH2−CH2−NH2
−N(CH2−CH2−NH22
−OOC(CH3)C=CH2
−OCH2−CH(O)CH2
−NH−CO−N−CO−(CH25
−NH−COO−CH3、−NH−COO−CH2−CH3、−NH−(CH23Si(OR)3
−Sx(CH23Si(OR)3、その際、X=1〜10
かつ
R=アルキル、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル
−SH
k)
【化1】

のタイプのシラザン
R=アルキル
R′=アルキル、ビニル
l)D3、D4、D5のタイプの環式ポリシロキサン、例えばオクタメチルシクロテトラシロキサン=D4
【化2】

m)次のタイプのポリシロキサンまたはシリコーンオイル
【化3】

R=アルキル、アリール、(CH2n−NH2、H
R′=アルキル、アリール、(CH2n−NH2、H
R′′=アルキル、アリール、(CH2n−NH2、H
R′′′=アルキル、アリール、(CH2n−NH2、H
で表面改質されていることを特徴とする、請求項1記載の、エアロゾルを用いてカリウムでドープされ、熱分解により製造された、疎水性の又は表面改質された二酸化ケイ素。
【請求項3】
請求項1又は2記載の表面改質した二酸化ケイ素の製造方法において、エアロゾルを用いてカリウムでドープされ、熱分解により製造された二酸化ケイ素を、適した混合容器中に配置し、強力な混合下で前記二酸化ケイ素に、場合により最初に水及び/又は希酸で、次いで表面改質剤又は複数の表面改質剤の混合物で吹付け、そして場合により混合を更に15〜30分間継続し、この後に100〜400℃の温度で1〜6時間の間熱処理することを特徴とする、請求項1又は2記載の表面改質した二酸化ケイ素の製造方法。
【請求項4】
請求項1又は2記載のエアロゾルを用いてカリウムでドープされ、熱分解により製造され、表面改質された二酸化ケイ素の製造方法において、酸素を排除して、前記二酸化ケイ素を可能な限り均質に表面改質剤と混合し、この混合物を、不活性ガスと一緒に、200〜800℃、有利には400〜600℃の温度に、連続的な単流方法において、垂直管形加熱炉の形にある処理室中で加熱し、この固体状及びガス状の反応生成物を相互に分離し、次いでこの固体状生成物を場合により脱酸及び乾燥することを特徴とする、請求項1又は2記載のエアロゾルを用いてカリウムでドープされ、熱分解により製造され、表面改質された二酸化ケイ素の製造方法。
【請求項5】
請求項1又は2記載の表面改質した二酸化ケイ素のシリコーンゴム中での使用。
【請求項6】
請求項1又は2記載のエアロゾルを用いてカリウムでドープされた疎水性の熱分解シリカを充填剤として含有することを特徴とする、シリコーンゴム。
【請求項7】
前記充填剤が、火炎酸化又は火炎加水分解の方法において熱分解により製造され、かつ、ドーピング物質0.000001〜40質量%でドープされている酸化物であり、このドープされた酸化物のBET表面積が10〜1000m2/gであり、かつこの熱分解酸化物のDBP吸収量が、検出可能でないか又はこの熱分解シリカの通常の値の85%未満であることを特徴とする、請求項6記載のシリコーンゴム。
【請求項8】
シリコーンゴムがLSRシリコーンゴムであることを特徴とする、請求項6又は7記載のシリコーンゴム。

【公表番号】特表2008−520531(P2008−520531A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541727(P2007−541727)
【出願日】平成17年10月29日(2005.10.29)
【国際出願番号】PCT/EP2005/011606
【国際公開番号】WO2006/053632
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(501073862)エボニック デグサ ゲーエムベーハー (837)
【氏名又は名称原語表記】Evonik Degussa GmbH
【住所又は居所原語表記】Rellinghauser Strasse 1−11, D−45128 Essen, Germany
【Fターム(参考)】