説明

疲労した対象のためのD−リボースの使用

疲労を自覚している45〜65歳のベビーブーマーにおいて、低用量のD−リボースが健康状態レベルを向上させ、疲労の知覚を減少させる。用量は、0.100〜3.0グラムを1日2回、1日合計0.200〜6.0グラムである。D−リボース投与で、心肺パラメータの客観測定から健康状態の向上が確認され、アンケートからクオリティ・オブ・ライフ及び精神状態の向上が確認される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2008年8月20日付で提出された米国仮特許出願第61/189,498号及び2009年2月20付で提出された同第61/208,122号の優先権を主張するものである。
【背景技術】
【0002】
心虚血、うっ血性心不全、肺機能低下等の状態によりATPレベルが低くなっている人のエネルギーレベルの回復に天然の五炭糖であるD−リボースの経口投与又は静脈内投与が有益であることが過去20年間の多くの研究で示されてきた。激しい運動をしている人のようにエネルギー必要量が高くなっている健常者にもD−リボースの補給は有益である。
【0003】
細胞のエネルギー通貨はアデノシン三リン酸(ATP)である。同化作用中、栄養素の代謝に由来するエネルギーがATPの高エネルギーリン酸結合に変換される。この結合中のエネルギーは、エネルギー消費期間中に消費される。エネルギー消費中、ATPは高エネルギー結合を1個失ってADPを形成し、これはAMPへと加水分解され得る。AMP及びその代謝物質であるアデニン、ヒポキサンチン、キサンチン、及びイノシンは筋肉細胞から自由に拡散でき、サルベージ経路を介したATPの再合成に利用できないことがある。エネルギー蓄積工程は、細胞内で2つの基本的プロセス中に起こる。酸化的リン酸化は、酸素を最終電子受容体としてクレブストリカルボン酸回路を介して循環脂肪酸、グルコース、並びに筋肉内のグリコーゲン及びトリグリセリドを分解及びリン酸化することでATPを補充する。嫌気的リン酸化は、ミオキナーゼ反応等のキナーゼ反応を介する循環グルコース及び筋肉内グリコーゲンに由来するエムデン・マイヤーホフ解糖経路を介してATPを提供する。乳酸が嫌気的解糖の最終産物である。
【0004】
ATPの高エネルギーリン酸結合の生成が酸化的であるか嫌気的であるかに関わらず、また、生成に用いられる基質に関係なく、ATP分子の前駆体自体が利用できなければATPを合成することはできない。ATP分子の再合成は、新生経路又はサルベージ経路で起こり得る。新生経路による合成はゆっくりである。リボースは通常の食事中には非常に少量であり、体内でペントースリン酸回路を介してグルコースから合成される。新生合成経路では、リボースは、5−ホスホリボシル−1−リン酸ピロリン酸(PRPP)へとリン酸化され、アデノシンと縮合して中間体のアデノシン一リン酸(AMP)を形成する。AMPは高エネルギー結合を介して更にリン酸化されてアデノシン二リン酸(ADP)及びATPを形成する。通常、AMP合成は主にサルベージ経路により起こると考えられるが、分解産物が細胞から拡散する無酸素症又は虚血の後では新生経路の活性が増加する。
【0005】
ヌクレオチドサルベージ経路を介したATP合成では、組織中に存在し得るヌクレオチド前駆体がAMPに変換され、更にATPへとリン酸化される。アデノシンは直接リン酸化されてAMPになり、一方、分解産物であるキサンチン及びイノシンは最初にPRPPによってリボシル化され、次いでAMPに変換される。AMPは、高エネルギー結合を介して更にリン酸化されてアデノシン二リン酸(ADP)及びATPを形成する。
【0006】
ATPは、筋収縮、脳機能、消化等の全ての身体機能に必要である。ATPの不足は、疲労感、思考力(mental capacity)の低下、「気力(get up and go)」の欠如、及びクオリティ・オブ・ライフの低下を招き得る。疾病又は疾患がなければ、十分な栄養状態にあるほとんどの人は長時間の又は極度の運動中にだけ疲労を経験する。公知の心血管障害、肺障害、又は代謝障害のない疲労した対象は、通常の機能に十分なATPレベルを有していると考えられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
「ベビーブーマー」とは、1946〜1964年に生まれた人と定義され、現在、その数は約8千万人である。この集団に含まれる米国人の約20%が、特に多くの人がその職業で成功し、成功に必要な要求が大きくなった時、日常の正常なライフスタイルに影響し得る疲労を訴える。疲労の知覚は曖昧であり、疲れ(tiredness)、眠気(drowsiness)、嗜眠(lethargy)、不快感(malaise)、脱力感(weakness)、エネルギー不足等の症状が含まれる。多くのベビーブーマーが、高いレベルのキャリアを続けるため及び将来をクオリティ・オブ・ライフの高い真の「老後(golden years)」にするために、より高いエネルギー状態を取り戻そうとしている。現在高齢化しているベビーブーマーのような健康であるが座っている時間の長い(sedentary)高齢者に栄養補助が有益であることを推定させる理論的根拠はない。
【課題を解決するための手段】
【0008】
公知の心血管障害、肺障害、若しくは代謝障害又は公知の運動若しくは肉体労働によるエネルギー消費増加のない、疲労した高齢対象に、1.5又は3.0グラムのD−リボースを1日2回(bid)、2週間経口投与した。1日にD−リボースを6グラムの高用量対象は、心血管系のパラメータの有意な向上を示した。すなわち、適度な運動に対する心仕事量の減少、有酸素能力、呼吸効率、及びO2摂取効率の向上により評価される健康状態レベルが改善された。対象が自覚する疲労レベルは平均で50%低減された。
【0009】
D−リボースを1.5グラムで1日2回、すなわち1日3.0グラムの用量の対象は、第2週での向上は高用量の場合より少なかったが、更に2週間投与を続けたところ、客観評価及び主観評価の両方で正の傾向が見られた。
【0010】
D−リボースは白色の粉末であり、少量の水に含めて投与したが、ロゼンジ、錠剤、又は徐放性錠剤に配合してもよく、食物に振りかけてもよい。単一生成物としての投与に加えて、D−リボースは他の栄養補助食品、医薬品、食品、飲料と組み合わせて投与してもよい。
【0011】
低用量の対象で、測定したパラメータの向上レベルが第1週から第2週、第4週へと増加したことから、慢性的に又は長期間、向上が増大すること及びD−リボースサプリメントが投与されるべきであることが示差される。用量の回数及び量と、1日に摂取されるD−リボースの合計量との両方が重要である。各用量は、少なくとも1日2回反復の0.100〜3.0グラムであり得る。低用量で与える場合、D−リボースの1日摂取合計量は1.0〜6.0グラムであるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】無酸素性作業閾値の検出の典型例を示す図である。
【図2】D−リボース経口投与2週間後の無酸素性作業閾値の変化を示す図である。
【図3】無酸素性作業閾値におけるMETSに対する心拍数の割合を示す図である。
【図4】無酸素性作業閾値における純エネルギー消費を示す図である。
【図5】SF−36アンケートの概要を図表で表した図である。
【図6】疲労アンケートを要約した図である。
【図7】疲労軽減傾向を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
多くの人は、加齢と共に、動作が遅くなり、運動が減り、同じ量の食事をし、体重が増加する。このサイクルは負のスパイラルに入り(self−feeding)、心疾患、糖尿病等の健康問題を招き得る。多くの人にとって座り仕事である仕事の日の終りには、活動的に定期的な運動をしようとする人はわずかであり、多くの人は、運動するためのエネルギーが不足し、運動への熱意又は動機がほとんどなくなっており、疲労及び疲れを訴える。理論的には、これらの人はおそらく、望ましくない基礎代謝指数(BMI)値及びエネルギー産生経路の「ダウンレギュレーション」によりデコンディショニングされており、これがサイクルに入り、不活動性が持続されてしまっている。45歳を超えるベビーブーマーの加齢によるこれらの負の影響は、対象が職業的成功を収め、エネルギーを増大させクオリティ・オブ・ライフを向上させるために副作用のない自然な手段を見つけたい時に現れる。以下の研究は、疲労状態を改善し、それに伴う全ての利点と共に、更なる身体的活動を促進することさえできるほどにD−リボースの補給が座りがちなサイクルを打破する助けとなるかどうかが調べられるように計画した。
【0014】
パイロット研究は45歳〜65歳の健常な高齢者に注目した。登録された対象は65歳以下であったが、45歳から更なる高齢までの全ての高齢者に補給が推奨される。
【実施例】
【0015】
実施例1:対象の選択及び評価
疲労の原因となる激しい運動又は肉体労働をしておらず、少なくとも1ヶ月間、通常の日常的状態と同じように疲労及び疲れを自覚している45歳を超える高齢対象20人を登録してパイロット研究を行った。以下の選択基準で更に詳細に記載しているように、対象はいずれも心臓/肺又は代謝/内分泌の疾患病歴がない。高齢対象の疲労の原因は未知である。健康の認知及び感覚の低下も高齢者に共通しているので、原因は精神的なものであると仮説を立てることができる。不健康な人又は激しい運動をする人に関する前述の研究で、ATPレベルの上昇又は維持に、用量5〜8グラムのD−リボースを1日2〜4回摂取することが推奨されることが見出された。本研究のような低量がこれらの対象に十分であることは分かっていなかった。本研究では、健康であるが座っている時間の長い高齢対象では、対象のATPレベルは既に最適レベルであると予想された。D−リボースでATPレベルを上昇させることが疲労の改善にいくらか有益であるという仮説を試験するために、2種類の用量、1.5グラム又は3.0グラムで1日2回(bid)のD−リボース経口投与を選択した。各対象は、少量の水に溶解させたD−リボースを経口で2週間摂取した。実験評価は、ベースライン並びに試験期間中の第1週及び第2週に行った。低用量実験は更に2週間続けた。主観評価及び客観評価のパラメータには、最大下運動の成績、安静時エネルギー消費及び最大下エネルギー消費、SF−36クオリティ・オブ・ライフ評価、並びに疲労を評価するための主観的アンケートが含まれる。
【0016】
A.選択基準
研究に選択できるのは、肺障害、心障害、又は代謝障害の臨床診断を過去に受けたことのない45〜65歳の男女の対象とした。対象は、心肺分析法を用いた最大下漸増トレッドミル運動を行える必要があった。軽度の未処置の高血圧前症(per−hypertension)(120/70より高いが140/90より低い。)は許容可能である。用法、繰り返しの臨床訪問、及び研究アンケートの記入に協力することについて対象の承諾を得た。対象は、研究前の少なくとも一ヶ月間及び研究期間中、クレアチン、カルニチン等の別のアデニンヌクレオチド増強サプリメントを摂取していないべきである。以前の実験における不承諾又は妊娠を更なる除外基準とした。
【0017】
B.評価
ベースライン及び2週間の処置期間中、対象が感じた疲労活性レベルをモニターした。対象者に以下の質問に対して10段階評価(1=死にそう〜10=素晴らしい)をお願いした:あなたのエネルギーはどうですか(1=エネルギーなし、10=素晴らしい);睡眠はどうですか(1=睡眠なし、10=目を覚ますことなく8時間);精神の明瞭さ(mental clarity)はどうですか(1=「ぼんやりする(brain fog)」、10=良好な明瞭さ);痛みはどれだけひどいですか:全体的な健康感はどうですか。第1週及び第2週に、ベースラインでの症状と比べた疲労症状の全体的な評価の記載も対象にお願いした。5段階尺度は、とても良い、やや良い、変化なし、やや悪い、とても悪い、である。研究者らは、第1週及び第2週に対象が同じままであるか改善されているかを決定するために、いくつかの評価の終点を選択した。その結果を疲労に対する視覚的アナログ尺度(VAS)で表した。
【0018】
SF−36クオリティ・オブ・ライフアンケートも用いた。対象が参加した普段の活動に関するアンケートに記入するように対象にお願いした。これらの活動には、家事、散歩、庭仕事、及び対象者が日常的に階段を使用したかどうかが含まれる。更に、過去1週間のうち気分が良かった日数;疲労のために抜かした仕事又は日常的な雑用;どれだけ疲れていると感じたか;及び朝起床時の状態を対象に尋ねた。
【0019】
C.心肺運動負荷試験
CPXをベースにしたソフトウェアに組み込まれた標準式を用いて安静時(BMR)及び無酸素性作業閾値(AT)の両方においてエネルギー消費を計算した。対象のATで計算された値から安静時の値を引くことで純エネルギー消費を求めた。更に、完全な活動のログを用いて、D−リボース摂取中の第1週及び第2週を通した累積的な(1日及び1週間の)エネルギー消費の潜在的変化を決定した。更に、無酸素性作業閾値でコンピュータで計算したように有酸素パワーの逆数又はWRに対するVO2の割合を計算することで仕事効率を求めた。図1は、運動プログラム及びAT点の例を示す図である。
【0020】
組織の酸素灌流を減少させる酸素消費の増大によるエネルギー代謝が酸化的リン酸化から嫌気的リン酸化にシフトする特定の運動段階を表すATの最初の段階で対象は定常状態を維持できることが分かっているので、無酸素性作業閾値でのエネルギー消費の計算式は、一部、実際に測定された安静時エネルギー消費(RER)及びその運動レベルにおけるVO2に基づく。ATの間隔は体調及びトレーニングに応じて人によって異なる。訓練されていない、比較的デコンディショニングされている個体は、高いATを有する持久力の必要な選りすぐりの運動選手に比べて、ATが低い。ATでは、骨格筋代謝のための燃料がいくらかのバランスで混在している。この点は、得られる最大VO2の40〜60%で生じる。例えば、AT開始直前にRERが0.85で等量の脂肪と炭水化物が酸化されると仮定すると、1リットルの酸素消費に対して式:VO2(L/min)×4.862kcal/minを用いてエネルギー消費を計算できる。同様に、定常状態下で個体のRERが0.89であれば、L/minで表した絶対VO2に因子4.911を掛ける。純エネルギー消費は、対象の安静時エネルギー消費(REE)又はBMRを引いて計算される。ATにおける対象の活動レベルを表すためにMETS又は純代謝等量も用いた。
【0021】
D.最大下トレッドミル運動負荷プロトコール
本研究では、ramp漸増トレッドミル運動負荷プロトコールをその後行った。患者がボルグスケール6〜20で14を超えるきつさのレベルをつけるまで、トレッドミル速度を0.3mph毎分で漸増させ、傾斜を毎分2%増加させた。6分間の試験時間中、トレッドミル運動は0mphから3.0mphまで増加させ、高さは0%から12%まで増加させた。感じたきつさの指標であるボルグスケールは、7(非常に非常に楽)から、13(ややきつい)、19(非常に非常にきつい)である。どの患者にもボルグスケールで14を超えて運動するようにはお願いせず、その時点で運動を止め、ボルグスケール14に到達した時間を記録した。
【0022】
本願中で評価した種々のパラメータのより詳細な説明は米国特許出願第11/118,613号に記載されており、その教示を参照により本明細書に援用する。
【0023】
実施例2:パイロット研究
提唱されている評価プロトコールを試験するための研究を行った。20人の対象に1.5グラム又は3.0グラムのD−リボースを1日2回、2週間経口投与した。以下の結果は、3.0グラムのD−リボースを1日2回、すなわち1日合計6グラム投与された対象において2週間の終わりに測定されたパラメータの上昇又は低下を示す。
1)AT開始時の純エネルギー消費は32%上昇した。p<0.0005。
2)AT開始時における安静時エネルギー消費は8.2%上昇した。
3)AT開始時のVO2は18%上昇した。p<0.001。
4)AT開始時の心拍数は9.2%上昇した。p=0.012。
【0024】
図2に、D−リボース補給2週間後のAT開始のシフト及びパラメータの改善を示す。表1にパラメータの変化をまとめる。
【0025】
【表1】

【0026】
これらの結果は、この短期間の間でさえ、エネルギー効率が改善されたことを示している。ほとんどの対象でATでの脂肪基質から燃焼された平均カロリーは有意に変化しなかったが、5人の対象では脂肪燃焼カロリーが事実上増加していた。
【0027】
METSに対する心拍数の割合は11.7%低下し、換気効率の勾配は8.5%低下した。吸気力(inspiratory drive)に連動する酸素脈は8.9%低下し、このことは一回心仕事量が小さくなったことを示している可能性がある。ATでの酸素脈の変化と吐かれたCO2との積は60.8%上昇し、これはかなりの効率改善を示す測定値であり得る。図3は、これらの結果を図表で示したものであり、ATでのMETSに対する心拍数の割合の低下を示しており、このことはATにおいて同じ量の仕事をするために心臓がさほど激しく働く必要がないことを示している。この細胞レベルでのエネルギー利用の測定は、健康状態レベルの向上を反映している。図4も、ATにおける純エネルギー消費を示し、これは行われた仕事の目安となる。したがって、D−リボースを2週間補給した後の身体はエネルギー利用がより効率的である。
【0028】
図5は、SF−36アンケートの分析結果を示す図である。ベースラインのアンケートは、クオリティ・オブ・ライフの低下が頻繁に起こっていることを示していた。最も大きく改善された症状は「活力」であり、社会生活機能、心の健康、精神的健康、及び思考力の向上は、心血管疾患を有する対象又は適度を超える強い強度の運動をしている健康な対象を用いた以前の研究でも見られておらず、予想されていなかった。
【0029】
9人の対象が疲れの主観評価であるVAS用紙を記入した。0(疲労なし)から10(非常に疲れた)の尺度で、平均スコアはベースラインでは47、第2週では20であった。複数の観察結果が興味深いものであった:対象の1人は80から20への改善を報告し;別の1人の対象は評価50のままであり;最初の評価が低い対象では変化がなかった。図6に、これらの結果と全参加者の合成スコアを棒グラフに要約する。
【0030】
低用量のD−リボースを投与された対象は複数のパラメータで正の傾向を示した。第2週の疲労アンケートは、高用量のD−リボースほどではないが、わずかに疲労の減少を示した。そこで、D−リボースの投与を更に2週間続けた。図7に示すように、継続的な改善が見られた。SF−36アンケートへの回答は、第4週において、全体的健康感、活力、及び精神的見通し(mental outlook)の症状で改善を示していた。客観測定は主観測定ほどの結果は示さなかったが、明らかなCPXパラメータの正の傾向があり、これは第2週から第4週にかけて大きくなった。これらの結果に基づけば、0.100グラムという低用量でさえ、D−リボースの1日合計量が1.0〜6.0グラムであれば、対象の疲労症状を軽減できることが予想される。例えば、対象が0.100グラムの用量を摂取する場合、対象は補給の効果を得るために1日に10用量分を摂ることになる。
【0031】
D−リボースの摂取は、鼓腸、下痢等の胃腸の痛みを引き起こす可能性があることが知られており、また、血糖を低下させ得る。本研究中の対象では、高用量、低用量のいずれでも、D−リボース投与の副作用はなかった。
【0032】
要約すると、健康であるが座っている時間が長い45歳を超える高齢のベビーブーマーにD−リボースを投与すると、対象の活力及びクオリティ・オブ・ライフが向上した。驚くべきことに、対象は精神機能の向上を報告した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
疲労を経験している高齢対象に有効量のD−リボースを経口投与することを含み、疲労症状が軽減される、方法。
【請求項2】
前記D−リボースの有効量が、0.1〜3グラムを少なくとも1日2回投与するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記D−リボースの有効量が、1日0.2〜6グラムである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記疲労症状が、疲れ、眠気、嗜眠、不快感、及び/又は脱力感を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記有効量のD−リボースが、単一生成物として又は他の栄養補助食品、医薬品、又は食品と組み合わせて投与される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記有効量のD−リボースが、ロゼンジ、錠剤、又は徐放性錠剤に配合されているか、水に溶解されている、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記有効量のD−リボースが、食物に振りかけられる、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
クオリティ・オブ・ライフの低下を経験している高齢対象に有効量のD−リボースを経口投与することを含み、クオリティ・オブ・ライフの低下の症状が軽減される、方法。
【請求項9】
前記D−リボースの有効量が、0.1〜3グラムを少なくとも1日2回投与するものである、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記D−リボースの有効量が、1日に1〜6グラムである、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記クオリティ・オブ・ライフの低下が、活力、社会生活機能、精神的健康、及び/又は思考力の低下を含む、請求項7に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−500261(P2012−500261A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523814(P2011−523814)
【出願日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際出願番号】PCT/US2009/004738
【国際公開番号】WO2010/021713
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(500579545)バイオエナジー インコーポレイティド (8)
【Fターム(参考)】