説明

病原体の多重定量検出方法

本発明は、単一試料中の複数の病原体の定量検出を可能にする。本方法は、病原体特異的プライマー対の各々から別個のサイズのアンプリコンを生成するための、複数の病原体特異的プライマー対を用いた試料の増幅を含む。さらに、本方法は、病原体特異的プライマー対の各々に対応する複数の競合ポリヌクレオチド標的の使用を含む。この競合ポリヌクレオチドは、公知濃度で反応混合物に添加され、試料中の病原体量の定量化を可能にする。この方法は、個体、好ましくは免疫無防備状態の個体における病原体感染をモニターするために用いることができる。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、複数の所定の病原体のいずれかを含むことが疑われる試料を分析して病原体特異的標的を検出する方法であって、選択された既知の長さの一つまたは複数のアンプリコンの検出が、アンプリコンに対応する病原体特異的標的を含む試料を示す、方法:
a)複数の所定の病原体の各病原体に対応する病原体特異的プライマー対を選択する工程であって、該病原体特異的プライマー対は、対応する病原体の核酸の病原体特異的標的からの、選択された既知の長さのポリヌクレオチドアンプリコンの増幅を媒介することができる、工程;
b)ポリヌクレオチドアンプリコンの増幅を促進する条件下、増幅工程の反応混合物において、複数の所定の病原体のいずれかを含むことが疑われる試料に由来する核酸と複数の病原体特異的プライマー対とを接触させる工程;
c)増幅工程中に、一つまたは複数の間隔で反応混合物のアリコートを取り出す工程;
d)各アリコート中のアンプリコンを分離する工程;および
e)各アリコート中のアンプリコンを検出する工程。
【請求項2】
検出されたアンプリコンを定量化する工程、および検出されたアンプリコンの量と試料中に存在する病原体の量とを相関させる工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
増幅工程が、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅を含む、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
試料由来の核酸が、増幅工程前に逆転写(RT)に供される、請求項1〜3のいずれか一項記載の方法。
【請求項5】
工程(c)のアンプリコンが、キャピラリー電気泳動により分離される、請求項1〜4のいずれか一項記載の方法。
【請求項6】
一つまたは複数の病原体特異的プライマーが、検出可能な標識を含む、請求項1〜5のいずれか一項記載の方法。
【請求項7】
アンプリコンが、検出可能な標識を含む核酸結合色素によって検出される、請求項1〜6のいずれか一項記載の方法。
【請求項8】
検出可能な標識が、蛍光標識、放射性標識、比色標識、磁気標識、および酵素標識からなる群より選択される、請求項6または7記載の方法。
【請求項9】
検出可能な標識が蛍光標識である、請求項6〜8のいずれか一項記載の方法。
【請求項10】
反応混合物のアリコート中の検出可能な標識の量を定量化することによって、試料中の病原体の量を定量化する工程をさらに含む、請求項6〜9のいずれか一項記載の方法。
【請求項11】
病原体が、ウイルス、細菌、原生動物、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項1〜10のいずれか一項記載の方法。
【請求項12】
複数の特異的病原体の標的が、HSV1、HSV2、EBV、CMV、HHV6、HHV7、HHV8、VZV、C型肝炎、B型肝炎、アデノウイルス、EEEV、WNE、JCV、およびBKVからなる群より選択される特異的ウイルス標的を含む、請求項1〜11のいずれか一項記載の方法。
【請求項13】
試料中の少なくとも2つの病原体を検出することができる、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
【請求項14】
試料中の少なくとも3つの病原体を検出することができる、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
【請求項15】
試料中の少なくとも4つの病原体を検出することができる、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
【請求項16】
試料中の少なくとも5つの病原体を検出することができる、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
【請求項17】
試料中の少なくとも6つの病原体を検出することができる、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
【請求項18】
試料中の少なくとも8つの病原体を検出することができる、請求項1〜12のいずれか一項記載の方法。
【請求項19】
全ての病原体特異的プライマー対が、少なくとも1つの共通したセットの反応条件下でポリヌクレオチドの増幅を促進することができる、請求項1〜18のいずれか一項記載の方法。
【請求項20】
試料が病原体宿主試料である、請求項1〜19のいずれか一項記載の方法。
【請求項21】
宿主が哺乳動物である、請求項20記載の方法。
【請求項22】
宿主がヒトである、請求項20または21記載の方法。
【請求項23】
宿主が免疫無防備状態のヒトである、請求項20〜22のいずれか一項記載の方法。
【請求項24】
免疫無防備状態の個体が、移植を受けたことがある、請求項23記載の方法。
【請求項25】
免疫無防備状態の個体が、癌の治療のために化学療法を受けたことがある、請求項23記載の方法。
【請求項26】
免疫抑制治療の経過をモニターするために用いられる、請求項23〜25のいずれか一項記載の方法。
【請求項27】
宿主が、病原体感染に無症候性のヒトである、請求項22〜26のいずれか一項記載の方法。
【請求項28】
宿主の核酸の増幅を含む、請求項20〜27のいずれか一項記載の方法。
【請求項29】
対照核酸分子由来のアンプリコンの増幅によって、試料に由来しない対照核酸分子の存在も検出する、請求項1〜28のいずれか一項記載の方法。
【請求項30】
対照核酸分子が競合核酸分子である、請求項29記載の方法。
【請求項31】
複数の別個の対照核酸分子が検出される、請求項29または30記載の方法。
【請求項32】
対照オリゴヌクレオチドが、既知濃度で反応物中に存在する、請求項29〜31のいずれか一項記載の方法。
【請求項33】
別個の対照オリゴヌクレオチドが、異なった濃度で反応物中に存在する、請求項31記載の方法。
【請求項34】
対照オリゴヌクレオチドによって増幅されるアンプリコンが、病原体特異的プライマー対を用いて増幅される、請求項29〜33のいずれか一項記載の方法。
【請求項35】
対照核酸が、病原体特異的標的核酸と同じ効率で増幅される、請求項29〜33のいずれか一項記載の方法。
【請求項36】
対照核酸分子がDNAおよび/またはRNAである、請求項29〜35のいずれか一項記載の方法。
【請求項37】
病原体特異的プライマーが、病原体の核酸と対照核酸分子とを同じ効率で増幅する、請求項29〜36のいずれか一項記載の方法。
【請求項38】
以下の工程を含む、試料中の複数の所定の病原体を検出および定量化するための方法:
a)複数の病原体の少なくとも1つを含むことが疑われる試料を得る工程であって、各病原体が、病原体特異的ポリヌクレオチドを含む、工程;
b)試料から核酸を単離する工程;
c)複数の病原体特異的ポリヌクレオチドの各々を標的とする病原体特異的プライマー対を選択する工程であって、該プライマー対は、複数の病原体特異的核酸の他のメンバーの各々を標的とする他の病原体特異的プライマー対の各々によって生成されるアンプリコンとは区別される長さのアンプリコンの増幅を媒介することができる、工程;
d)少なくとも1つの競合ポリヌクレオチドを選択する工程であって、該競合ポリヌクレオチドは、1つの病原体特異的プライマー対によるアンプリコンの増幅を媒介するための鋳型として作用することができ、生成される該アンプリコンは、複数の病原体特異的核酸の他のメンバーの各々を標的とする他の病原体特異的プライマー対の各々および他の競合ポリヌクレオチドの各々によって生成されるアンプリコンとは区別される長さのものである、工程;
e)所定量の少なくとも1つの競合ポリヌクレオチドを、試料から単離した核酸に添加して試験混合物を作製する工程;
f)アンプリコンの増幅を促進する条件下、反応混合物において、試験混合物と複数の病原体特異的プライマー対とを接触させる工程;
g)工程(f)で生じたアンプリコンを分離する工程;
h)工程(f)で生じた各アンプリコンの長さを検出する工程;
i)検出された各アンプリコンの長さと、反応混合物中に存在する病原体または競合ポリヌクレオチドとを相関させる工程;
j)工程(f)で生じた各アンプリコンの量を定量化する工程;および
k)試験混合物に添加した所定量の競合ポリヌクレオチドに基づいて、試料中に存在する病原体の量を決定する工程。
【請求項39】
工程(f)の反応混合物のアリコートが、増幅工程中に一つまたは複数の間隔で取り出され、工程(g)から(k)がアリコートにて行われる、請求項38記載の方法。
【請求項40】
試料中に存在する病原体の量が検出可能ではない、請求項38および39の方法。
【請求項41】
工程(f)の増幅が1回の反応で行われる、請求項38〜40のいずれか一項記載の方法。
【請求項42】
工程(g)の分離(resolving)がキャピラリー電気泳動によって行われる、請求項38〜41のいずれか一項記載の方法。
【請求項43】
一つまたは複数の病原体特異的プライマーが、検出可能な標識を含む、請求項38〜42のいずれか一項記載の方法。
【請求項44】
アンプリコンが、検出可能な標識を含む核酸結合色素によって検出される、請求項38〜43のいずれか一項記載の方法。
【請求項45】
検出可能な標識が、蛍光標識、放射性標識、比色標識、磁気標識、および酵素標識からなる群より選択される、請求項43または44記載の方法。
【請求項46】
検出可能な標識が蛍光標識である、請求項43〜45のいずれか一項記載の方法。
【請求項47】
反応混合物のアリコート中の検出可能な標識の量を定量化することによって、試料中の病原体の量を定量化する工程をさらに含む、請求項43〜47のいずれか一項記載の方法。
【請求項48】
病原体が、ウイルス、細菌、原生動物、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項38〜47のいずれか一項記載の方法。
【請求項49】
複数の特異的病原体の標的が、HSV1、HSV2、EBV、CMV、HHV6、HHV7、HHV8、VZV、C型肝炎、B型肝炎、アデノウイルス、EEEV、WNE、JCV、およびBKVからなる群より選択される特異的ウイルス標的を含む、請求項38〜48のいずれか一項記載の方法。
【請求項50】
試料中の少なくとも2つの病原体を検出することができる、請求項38〜49のいずれか一項記載の方法。
【請求項51】
試料中の少なくとも3つの病原体を検出することができる、請求項38〜50のいずれか一項記載の方法。
【請求項52】
試料中の少なくとも4つの病原体を検出することができる、請求項38〜50のいずれか一項記載の方法。
【請求項53】
試料中の少なくとも5つの病原体を検出することができる、請求項38〜50のいずれか一項記載の方法。
【請求項54】
試料中の少なくとも6つの病原体を検出することができる、請求項38〜50のいずれか一項記載の方法。
【請求項55】
試料中の少なくとも8つの病原体を検出することができる、請求項38〜50のいずれか一項記載の方法。
【請求項56】
全ての病原体特異的プライマー対が、少なくとも1つの共通したセットの反応条件下でポリヌクレオチドの増幅を促進することができる、請求項38〜55のいずれか一項記載の方法。
【請求項57】
試料が病原体宿主試料である、請求項38〜56のいずれか一項記載の方法。
【請求項58】
宿主が哺乳動物である、請求項57記載の方法。
【請求項59】
宿主がヒトである、請求項57または58記載の方法。
【請求項60】
宿主が免疫無防備状態のヒトである、請求項57〜59のいずれか一項記載の方法。
【請求項61】
免疫無防備状態の個体が、移植を受けたことがある、請求項60記載の方法。
【請求項62】
免疫無防備状態の個体が、癌の治療のために化学療法を受けたことがある、請求項60記載の方法。
【請求項63】
免疫抑制治療の経過をモニターするために用いられる、請求項60〜62のいずれか一項記載の方法。
【請求項64】
宿主が、病原体感染に無症候性のヒトである、請求項59〜63のいずれか一項記載の方法。
【請求項65】
宿主の核酸の増幅を含む、請求項57〜64のいずれか一項記載の方法。
【請求項66】
競合ポリヌクレオチドが、病原体特異的標的核酸と同じ効率で増幅される、請求項38〜65のいずれか一項記載の方法。
【請求項67】
競合ポリヌクレオチドがDNAおよび/またはRNAである、請求項38〜66のいずれか一項記載の方法。
【請求項68】
試料由来の核酸がDNAおよび/またはRNAである、請求項38〜67のいずれか一項記載の方法。
【請求項69】
DNAおよびRNAが試料から別々に単離される、請求項68記載の方法。
【請求項70】
試料由来の複数の所定の病原体の少なくとも2つの定量化が、1回の反応に組み合わせられる、請求項38〜69のいずれか一項記載の方法。
【請求項71】
試料由来の複数の所定の病原体の少なくとも3つの定量化が、1回の反応に組み合わせられる、請求項38〜70のいずれか一項記載の方法。
【請求項72】
試料が血液である、請求項38〜71のいずれか一項記載の方法。
【請求項73】
免疫抑制治療の経過をモニターするために用いられる、請求項60〜72のいずれか一項記載の方法。
【請求項74】
以下の工程を含む、所定の病原体による感染によって引き起こされる疾患の発症について被験体をモニターする方法:
被験体から試料を得る工程;
少なくとも1つの所定の病原体を示す5つ以上の病原体特異的マーカーを定量化する工程;
試料中の少なくとも1つの所定の病原体の量を算出する工程であって、該量は、試料の容量または重量当りの病原体のコピー数によって表される、工程。
【請求項75】
存在する病原体の量が検出可能ではない、請求項74記載の方法。
【請求項76】
試料中に存在する病原体の量がない、請求項74または75記載の方法。
【請求項77】
被験体が免疫無防備状態の患者である、請求項74〜76のいずれか一項記載の方法。
【請求項78】
被験体が無症候性患者である、請求項74〜77のいずれか一項記載の方法。
【請求項79】
少なくとも1つの所定の病原体の算出された量である、請求項74〜78のいずれか一項記載の方法。
【請求項80】
試料中の少なくとも1つの病原体の量が、免疫無防備状態の患者に対する治療計画を決定するのに用いられる、請求項74〜79のいずれか一項記載の方法。
【請求項81】
患者が、移植体または移植片の受容者であり、免疫抑制療法を受けている、請求項74〜81のいずれか一項記載の方法。
【請求項82】
免疫抑制剤が、免疫無防備状態の患者に投与されたことがあるか、または免疫無防備状態の患者が、現在、免疫抑制剤を受けている、請求項74〜80のいずれか一項記載の方法。
【請求項83】
試料中の関心対象の一つまたは複数の病原体の量が、免疫抑制治療計画の変更を決定する因子である、請求項81または82記載の方法。
【請求項84】
試料中の1つより多い病原体の量が、1回の反応で決定される、請求項74〜83のいずれか一項記載の方法。
【請求項85】
試料中の1つより多い病原体の量が、多重アッセイで決定される、請求項74〜83のいずれか一項記載の方法。
【請求項86】
試料が、血液、唾液、または尿である、請求項74〜85のいずれか一項記載の方法。
【請求項87】
複数の病原体の量が、標的の病原体特異的核酸の増幅を通じて決定される、請求項74〜86のいずれか一項記載の方法。
【請求項88】
モニター法が、感染疾患の出現または進行をモニターするための規則的なスケジュールで行われる、請求項74〜87のいずれか一項記載の方法。
【請求項89】
規則的なスケジュールが、月に約1回である、請求項88記載の方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【公表番号】特表2009−514551(P2009−514551A)
【公表日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−540163(P2008−540163)
【出願日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/043502
【国際公開番号】WO2007/056463
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(508138863)プリメーラ バイオシステムズ インコーポレーティッド (1)
【Fターム(参考)】