説明

病原性細菌の毒素産生抑制剤

【課題】
抗生物質の濫用は院内感染をもたらしたため、耐性菌を出現させない感染症治療薬の開発が望まれている。耐性菌を出現させにくい治療薬として、殺菌作用は示さず毒素産生のみを抑制する薬剤が注目されているが、従来の手法は抗菌スペクトルが狭い欠点を持つ。つまり、耐性菌を生じさせず抗菌スペクトルの広い毒素産生抑制剤の開発が望まれる。
【解決手段】
エチレンジアミン四酢酸は細菌内のポリリン酸合成の阻害を介して、細菌のオートインデューサーの合成を抑制する結果、毒素産生の低下をもたらすことを見出して本発明を完成した。つまり、本薬剤は毒素産生を低下させる治療薬および予防薬である。本薬剤は、グラム陽性菌にもグラム陰性菌にも作用する広い抗菌スペクトルを持ち、また、耐性菌を生じさせにくいと考えられる治療薬および予防薬である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患者における細菌感染症の治療および予防のための方法に関する。本発明の方法は、ほとんどのグラム陰性菌感染症およびグラム陽性菌感染症に適用可能である。本発明は、毒素の産生を制御している細胞シグナル伝達物質自体の合成を阻害することにより、毒素の産生を抑制するものであり、細菌感染症の抑制および治療に用いることができる。
【背景技術】
【0002】
感染症の治療には抗生物質などの抗菌薬が用いられているが、抗菌薬の濫用が抗生物質の全く効かない多剤耐性菌の出現を誘起するに至り、院内感染を引き起こすこととなった。現状では、院内感染に対する有効な治療方法はなく、大きな医療上の問題を抱えたままである。
【0003】
この院内感染の主要な病原性細菌は緑膿菌(Pseudomonas aureus) と黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aeruginosa)である。これらの細菌はヒトの健康に対して深刻な脅威を与えるため、本明細書ではこれ以後、グラム陰性菌感染症の代表例として緑膿菌を、グラム陽性菌感染症の代表例として黄色ブドウ球菌を用いるが、これは本発明の範囲をいかなる形でも限定するものではない。
【0004】
緑膿菌と黄色ブドウ球菌はともにヒトの日和見病原体の典型であり、免疫機能が低下した患者に感染し、時には患者を死に至らしめる。どちらの病原性細菌も消毒薬や抗生物質
に対する抵抗力が元から高い上、後天的に薬剤耐性を獲得したものも多いため、いったん発症すると治療が困難である。
【0005】
このように多剤耐性を獲得した病原性細菌に対して、もはや抗生物質はその効力を発揮できない。つまり、抗生物質をはじめとする抗菌剤の使用には限界があり、抗生物質とは全く作用機序の異なる治療薬および予防薬の開発が望まれている。さらに、この新しい治療薬および予防薬には耐性菌が出現しにくいという条件が必要である。
【0006】
近年、多剤耐性菌をはじめとする多くの病原性細菌の毒素産生は、自身が生産するオートインデューサーと呼ばれる細胞シグナル伝達物質によって促進されることが明らかになった。このオートインデューサーの構造は、菌種によって異なり、特にグラム陰性菌とグラム陽性菌とでは全くその構造が異なっている。グラム陰性菌はホモセリンラクトンという化合物であるのに対し、グラム陽性菌は環状のオリゴペプチドである。
【0007】
そこで、オートインデューサーレベルを調節して病原性を制御する試みが行われるようになった。オートインデューサーの作用を抑制するために、プリンストン ユニバーシティ社は2003年にオートインデューサーとよく似た構造を持つ物質(アナログ)(特許文献1)を用い、ハプトゲン リミテッド社は2006年にオートインデューサーの抗体(特許文献2)を用いて、毒素産生を抑制する方法を開発した。これらの方法は、病原菌の増殖は抑制せず毒素の産生だけを抑制するので、選択圧が生じず、耐性菌が出現しにくい感染症治療薬および予防薬として注目されている。
【特許文献1】特表2003−532698号
【特許文献2】特表2006−508910号
【0008】
しかし、上記に挙げたこれらの方法は、個々の病原性細菌によって構造の異なるオートインデューサーを標的としているため、特定の病原性細菌にしか作用しないという抗菌スペクトルの狭さが問題となっている。つまり、感染症が発生した際には、感染した病原性細菌を特定する必要があり、その煩雑さとともに、病原性細菌の特定に時間を要し症状が悪化する場合も多い。したがって、抗菌スペクトルの広い新たな毒素産生抑制剤の開発が望まれている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、細菌のオートインデューサーの合成を抑制することによって、ヒト、動物および植物に対する病原性細菌の毒性を制御する方法であり、かつ耐性菌が出現しにくく抗菌スペクトルの広い方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は前期課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、エチレンジアミン四酢酸(以下、EDTAと表す)は細菌内のポリリン酸合成の阻害を介して、細菌のオートインデューサーの合成を抑制することを見出して本発明を完成した。
【0011】
EDTAによる病原性細菌のオートインデューサーの合成抑制は、病原性細菌の毒素産生の低下をもたらす。即ち本発明は、EDTAを用いる病原性細菌の毒素産生調節方法である。オートインデューサー自体の合成を抑制するので、抗菌スペクトルが広く、耐性菌を出現させにくい方法である。
【発明の効果】
【0012】
治療または予防の対象とする細菌は、アクチノバチルス-アクチノミセテムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans)、アシネトバクター-バーマニー(Acinetobacter baumannii)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、ブルセラ属菌(Brucella sp.)、カンピロバクター属菌(Campylobacter sp.)、カプノシトファガ属菌(Capnocytophaga sp.)、カルジオバクテリウム-ホミニス(Cardiobacterium hominis)、エイケネレラ-コロデンス(Eikenella corrodens)、野兎病菌(Francisella tularensis)、軟性下疳菌(Haemophilus ducreyi)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、ヘリコバクター-ピロリ菌(Helicobacter pylori)、キンゲラ-キンガエ(Kingella kingae)、レジオネラ-ニューモフィラ菌(Legionella pneumophila)、パスツレラ-ムルトシダ(Pasteurella multocida)、シトロバクター属菌(Citrobacter sp.)、エンテロバクター属菌(Enterobacter sp.)、大腸菌(Escherichia coli)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、プロテウス属菌(Proteus sp.)、腸炎菌(Salmonella enteriditis)、チフス菌(Salmonella typhi)、霊菌(Serratia marcescens)、シゲラ属菌(Shigella sp.)、エルシニア-エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)、ペスト菌(Yersinia pestis)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、モラクセラ-カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、ベイヨネラ属菌(Veillonella sp.)、バクテロイデス-フラジリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス属菌(Bacteroides sp.)、プレボテラ属菌(Prevotella sp.)、フソバクテリウム菌属(Fusobacterium sp.)、鼠咬症スピリルム(Spirillum minus)、エロモナス属菌(Aeromonas sp.)、プレシオモナス-シゲロイデス(Plesiomonas shigelloides)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)、ビブリオ-バルニフィカス(Vibrio vulnificus)、アシネトバクター属(Acinetobacter sp.)、フラボバクテリウム属菌(Flavobacterium sp.)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、ブルクホルデリア-セパシア(Burkholderiacepacia)、ブルクホルデリア-シュードマレイ(Burkholderia pseudomallei)、キサントモナス-マルトフィリア(Xanthomonas maltophilia)、ステノトロフォモナス-マルトフィラ(Stenotrophomonas maltophila)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、バシラス属細菌(Bacillus spp.)、クロストリジウム属細菌(Clostridium spp.)および連鎖球菌属細菌(Streptococcus spp.)からなる群より選択される。
【0013】
抗菌物質による治療法は細菌に直接作用して死滅を引き起こすが、本発明は、毒素産生を低下させる目的でオートインデューサーを標的とする。このため、治療法に対して耐性のある菌株が出現する可能性ははるかに低いと考えられる。
【0014】
EDTAはポリリン酸合成の阻害を介して作用するが、これはポリリン酸合成酵素の活性に必要なマグネシムをキレートして除去しているからである。薬剤耐性菌の多くは細胞内に侵入した薬剤を細胞外に排出して耐性を獲得しているが、EDTAが細胞外に排出されても細胞外のマグネシムを除去でき、ポリリン酸合成酵素の活性を抑えられるので有効性を失わない。即ち、従来の方法よりも耐性菌の出現する可能性がさらに低い方法と考えられる。
【0015】
本発明は、細菌感染症を治療するために投与すること、または感染のリスクが高い場合に予防薬として投与することも可能と考えられる。感染がすでに存在する場合には、EDTAを単独で、または抗菌抗体もしくは抗生物質もしくは他の抗菌療法と組み合わせて投与することができる。
【0016】
本薬剤の投与量は、治療しようとする疾患または障害、治療しようとする個体の組織、年齢および状態などに応じて幅広い範囲が考えられ、最終的には医師が用いるべき適切な投与量を決定すると考えられる。
【0017】
本薬剤はヒトや動物や植物の感染症治療薬および予防薬として製剤化することができる。また、治療法を、既存の治療法の有効性を高めるために用いることもできる。
【0018】
組成物はEDTAだけを含む薬剤として提供してもよく、一般的には密封容器内にある状態で提供することができ、さらにキットの部分として提供してもよい。また、EDTAを他の複数の薬剤と混合して投薬してもよい。
【0019】
本発明の方法は、細菌によって引き起こされる短期的または長期的、急性または慢性の病気あるいは疾患に対して適用することができる。
【0020】
本発明の治療法および予防法は、抗生物質の投与をさらに含むことができる。抗生物質は、ペニシリンもしくはペニシリン誘導体などのβ-ラクタム系抗生物質、カナマイシン、アンピシリン、クロラムフェニコール、テトラサイクリン、フルオロキノロン、ゲンタマイシン、イミペネム、および/もしくはカルベニシリン、またはそれらの組み合わせなどであってよい。EDTAの投与は、抗生物質の投与と同時でも投与の前後でもよい。本発明の治療法および予防法は、ヒトにも獣医学用にも、さらには植物病理用にも等しく適用可能である。
【0021】
薬学的組成物は、経口的(口腔内または舌下を含む)、直腸内、鼻内、皮膚、腟内、皮下、筋肉内、静脈内または皮内の経路による投与を行うことができる。
【0022】
経口投与用に調製された薬学的組成物は、カプセル剤または錠剤、粉剤または顆粒剤、液剤、シロップ剤または懸濁剤として提供することができる。
【0023】
局所適用のために調製された薬学的組成物は、軟膏、クリーム剤、懸濁剤、ローション剤、粉剤、液剤、ペースト剤、ゲル剤、噴霧剤、エアロゾル剤または油剤として製剤化できる。眼に対する局所適用のために調製された薬学的組成物には、有効成分が水性溶媒中に溶解または懸濁化された点眼薬が含まれる。口腔内への局所適用のために調製された薬学的組成物には、バッカル錠剤、トローチ剤および含嗽剤が含まれる。
【0024】
直腸内投与のために調製された薬学的組成物は、坐薬または浣腸剤として提供することができる。
【0025】
鼻内投与のために調製された担体が固体である薬学的組成物は、鼻から吸入する様式で鼻腔を介した急速吸入によって投与される粗末が含まれる。担体が液体である、スプレー式点鼻薬または点鼻薬としての投与のために適した組成物には、EDTAの水溶液または油性溶液が含まれる。
【0026】
吸入による投与のために調製された薬学的組成物には、さまざまな種類の定量噴霧加圧噴霧装置、ネブライザーまたは吸入器によって生成される微粒子状物質またはミストが含まれる。
【0027】
腟内投与のために調製された薬学的組成物は、ペッサリー、タンポン、クリーム剤、ゲル剤、ペースト剤、発泡体または噴霧製剤として提供することができる。
【0028】
避腸的投与のために調製された薬学的組成物には、水性および非水性の滅菌注射液ならびに水性および非水性の滅菌懸濁液が含まれる。即時調製による注射液および懸濁液は、滅菌した粉末、顆粒および錠剤から調製することもできる。
【0029】
つぎに、本発明のEDTAが毒素産生抑制作用を示す原理について説明する。
【0030】
(試験例1;細胞内ポリリン酸蓄積量に対する抑制作用)
細胞内のポリリン酸蓄積量が減少すると、オートインデューサーの合成が低下し、毒素産生を抑制することが示されている(Raidら,2000)。ポリリン酸の合成は、ポリリン酸キナーゼという酵素が行っており、この酵素はマグネシウムを要求する。EDTAにはマグネシウムを奪い去る性質があるため、ポリリン酸キナーゼ活性を抑制し、細胞内のポリリン酸蓄積量を低下させる作用が期待される。そこで、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)をTSB培地(トリプチックソイブロス)で低細胞密度(吸光度 600 nm=0.9)まで培養した後、遠心分離によって菌体を回収した後、EDTAを含むTSB培地に懸濁し、高細胞密度(吸光度 600 nm=1.8)となるように調製した。EDTAの添加は、100 ミリモル/リットル(以下 mMと略す)となるように蒸留水に溶解し、2モル/リットルの水酸化ナトリウムによってpH=7.0に調製し、最終濃度が10 mMとなるように添加して行った。その後3時間培養を行った後、細胞内ポリリン酸蓄積量の増加量を測定した。その結果を図1に示す。EDTAは、大幅に細胞内ポリリン酸蓄積量を減少させることが示された。
【0031】
(試験例2;オートインデューサー合成関連遺伝子の転写抑制作用)
上記の実験で、実際にオートインデューサーの合成も抑制されていることを確かめることにした。オートインデューサー合成関連遺伝子(agrB)が読み取られてmRNA(メッセンジャーRNA)に転写され、転写されたmRNAがタンパク質に変換されるので、このmRNA量の減少は、実際にオートインデューサーの合成量が減少していることを意味している。そこで、オートインデューサー合成関連遺伝子(agrB)のmRNA量を定量的PCR(real−time PCR)法によって調べた。その結果を図2に示す。EDTAはオートインデューサー合成関連遺伝子のmRNAの転写も明らかに抑制していた。つまり、EDTAは細胞内に蓄積するポリリン酸量を減少させることによってオートインデューサーの合成を抑制していることが示され、これが毒素産生抑制効果をもたらすEDTAの原理である。
【実施例】
【0032】
(実施例1;緑膿菌での効果)
つぎに、本発明が毒素産生を抑制する効果を、実験例を挙げて説明する。
本発明を1mMないし10 mM添加し、Luria−Bertani medium(LB培地)で緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)を24時間、37℃で培養した。その後、本菌の病原因子であるピオシアニン毒素およびエラスターゼを測定した。生成されたピオシアニン毒素は、遠心分離によって菌体を除去して得られた上澄み液の吸光度(波長570 nm)を測定して求めた。エラスターゼ活性は、上記と同様にして得られた上澄み液にCBBエラスチン(CBB;赤色色素)を加えて10時間培養後、吸光度(波長波長405 nm)を測定して求めた。なお、遠心分離によって得られた沈殿(菌体)のタンパク量を測定し、菌体量の目安とした。その結果を表1に示す。EDTAの添加によって、菌体量(菌体タンパク量)の減少はわずかであったのに対し、ピオシアニン毒素の産生は大幅に減少した。この病原性細菌の主要な毒素であるエラスターゼも、ピオシアニン毒素と同様に大幅な抑制が認められた。この結果は、EDTAが緑膿菌の増殖をほとんど阻害することなく、毒素の産生を特異的に抑制したことを示している。
【0033】
【表1】



【0034】
(実施例2;黄色ブドウ球菌での効果)
黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)をTSB培地で低細胞密度(吸光度吸光度 600 nm=0.9)まで培養した後、遠心分離によって菌体を回収した後、10mMの抑制剤を含むTSB培地に懸濁させ、高細胞密度(吸光度600 nm=1.8)となるように調製した。その後3時間培養を行った後、病原性関連因子(カタラーゼ)遺伝子(catA)のmRNA量を定量的PCR法によって調べた。その結果を図3に示す。EDTAの添加は、カタラーゼの遺伝子発現量を減少させていた。つまり、EDTAには黄色ブドウ球菌の病原性因子の発現も抑制する効果があることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0035】
耐性菌の出現により効力を失いつつある抗生物質に代わる感染症治療薬および予防薬としての利用できる。また、現在、有効な治療方法のない院内感染菌に対する効果的な治療薬および予防薬としての利用も可能である。さらには、歯周病や口臭に対する効果的な治療薬および予防薬としての利用も可能である。ヒト以外でも、家畜・ペットなどの動物および植物の感染症に対する治療薬および予防薬として利用できる可能性がある。それ以外では、下水管を詰まらせる細菌が生成するバイオフィルムの産生抑制剤あるいは予防薬として利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】黄色ブドウ球菌の細胞内に蓄積したポリリン酸の増減量に対するEDTAの効果を表している。
【図2】黄色ブドウ球菌におけるオートインデューサー合成関連遺伝子(agrB)のmRNAへの転写量に対するEDTAの効果を表している。
【図3】黄色ブドウ球菌における毒素カタラーゼ遺伝子のmRNAへの転写量に対するEDTAの効果を表している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エチレンジアミン四酢酸を薬効成分とする病原性細菌の毒素産生抑制剤としての感染症治療薬および予防薬。
【請求項2】
エチレンジアミン四酢酸を成分とする液剤、懸濁剤、散剤、顆粒剤、細粒剤、錠剤、カプセル剤、シロップ剤および静脈注射剤や筋肉注射剤の毒素産生抑制剤としての感染症治療薬および予防薬。
【請求項3】
治療または予防の対象とする細菌が、アクチノバチルス-アクチノミセテムコミタンス(Actinobacillus actinomycetemcomitans)、アシネトバクター-バーマニー(Acinetobacter baumannii)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、ブルセラ属菌(Brucella sp.)、カンピロバクター属菌(Campylobacter sp.)、カプノシトファガ属菌(Capnocytophaga sp.)、カルジオバクテリウム-ホミニス(Cardiobacterium hominis)、エイケネレラ-コロデンス(Eikenella corrodens)、野兎病菌(Francisella tularensis)、軟性下疳菌(Haemophilus ducreyi)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、ヘリコバクター-ピロリ菌(Helicobacter pylori)、キンゲラ-キンガエ(Kingella kingae)、レジオネラ-ニューモフィラ菌(Legionella pneumophila)、パスツレラ-ムルトシダ(Pasteurella multocida)、シトロバクター属菌(Citrobacter sp.)、エンテロバクター属菌(Enterobacter sp.)、大腸菌(Escherichia coli)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、プロテウス属菌(Proteus sp.)、腸炎菌(Salmonella enteriditis)、チフス菌(Salmonella typhi)、霊菌(Serratia marcescens)、シゲラ属菌(Shigella sp.)、エルシニア-エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)、ペスト菌(Yersinia pestis)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、モラクセラ-カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、ベイヨネラ属菌(Veillonella sp.)、バクテロイデス-フラジリス(Bacteroides fragilis)、バクテロイデス属菌(Bacteroides sp.)、プレボテラ属菌(Prevotella sp.)、フソバクテリウム菌属(Fusobacterium sp.)、鼠咬症スピリルム(Spirillum minus)、エロモナス属菌(Aeromonas sp.)、プレシオモナス-シゲロイデス(Plesiomonas shigelloides)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、腸炎ビブリオ(Vibrio parahaemolyticus)、ビブリオ-バルニフィカス(Vibrio vulnificus)、アシネトバクター属(Acinetobacter sp.)、フラボバクテリウム属菌(Flavobacterium sp.)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、ブルクホルデリア-セパシア(Burkholderiacepacia)、ブルクホルデリア-シュードマレイ(Burkholderia pseudomallei)、キサントモナス-マルトフィリア(Xanthomonas maltophilia)、ステノトロフォモナス-マルトフィラ(Stenotrophomonas maltophila)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、バシラス属細菌(Bacillus spp.)、クロストリジウム属細菌(Clostridium spp.)および連鎖球菌属細菌(Streptococcus spp.)からなる群より選択される、請求項1〜2のいずれかに記載の治療薬および予防薬。













【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2010−95489(P2010−95489A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−269304(P2008−269304)
【出願日】平成20年10月20日(2008.10.20)
【出願人】(308032378)
【Fターム(参考)】