説明

癌及び乾癬等の血管依存性疾患を処置するための医薬の製造における2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の使用

【課題】本発明は、血管依存性疾患の処置のための医薬の製造に関する。
【解決手段】本発明は、血管依存性疾患の処置のための医薬の製造における2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の使用に関する。より詳細には、本発明はアポトーシス減少を示す2つの血管依存性疾患、即ち癌及び乾癬の処置のための上記化合物、並びにそのカルシウム及びカリウム塩の使用に関する。本発明はさらに非静止細胞における前記化合物のファミリーの抗増殖、抗移動、抗血管新生及びアポトーシス促進能を開示する。さらに本発明は腫瘍、及び特にグリオーマの処置において知られている細胞増殖抑制薬における前記化合物の増強作用を詳述する。本発明はさらに、慢性の乾癬性斑の処置における組み合わされたそれらの抗増殖、抗血管新生及びアポトーシス促進能に基づく前記化合物の治療効果に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸を含有する医薬組成物、並びに強力な細胞増殖、脈管形成(血管依存性疾患)を特徴とする疾患、及び特に癌又は乾癬の場合のように、アポトーシスの減少をさらに有する血管依存性疾患を処置するための医薬の製造におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
悪性腫瘍は、制御不能な細胞増殖に加え、それらの正常な腫瘍周辺組織に侵入する能力を特徴とする。腫瘍の侵入は以下の連続的な段階:a)腫瘍細胞が細胞外マトリックスのタンパク質に接着する段階、b)細胞外マトリックスのタンパク質が、腫瘍細胞が利用する細胞外の空隙を形成するタンパク分解酵素により分解する段階、c)細胞質膜の新たな部分の合成及び細胞骨格の再組織(Giese A,Westphal M.Neurosurgery 1996;39;235〜252)を必要とする動的且つ複雑な機構により移動(migrate)する段階、により進展した複雑な過程である。正常な腫瘍周辺組織に侵入する腫瘍塊からの細胞は、それらの障害された細胞死の遺伝的プログラムを有し、したがって、移動し腫瘍周辺の無傷の組織に侵入する腫瘍細胞はアポトーシスを免れる(Mariani Iら Clin.Cancer Res 7:2480〜2489,2001)。一団となった腫瘍細胞が2から3mmの体積に達すると、腫瘍細胞はこの初期腫瘍の低酸素状態に対抗する大量の血管新生因子を合成し、(Folkman J.N.Engl J Med 285:1182〜1186,1971;Carmeliet P,Jain RK.Nature 407:249〜257,2000;Yancopoulos GDら Nature 407:242〜248,2000)、腫瘍周辺血管を活性化することにより新たな血管(血管新生)を形成し、腫瘍に侵入して酸素及び栄養を供給し、腫瘍からの代謝産物を除去する。腫瘍が侵入する間に起こる同じ細胞過程(運動性及びアポトーシスの欠如)が腫瘍の血管新生の間に求心的に起こる。したがって、腫瘍細胞及び内皮細胞の侵入能力を抑制することは、腫瘍の拡大の抑制、血管新生の減少及びアポトーシスの促進により腫瘍の増殖を遅らせるはずである。したがって、癌に対する効果的な処置は、移動、血管新生を抑制し、及び正常な細胞中にこれらの作用を生成することなくアポトーシスを増大させることである。
【0003】
腫瘍学では、臨床進展の様々な段階において、多くの抗腫瘍剤及び抗血管新生剤が存在し(Brem S.Cancer Control 6:436〜458,1999)、その多くは体が血管新生の正の調節剤の作用に対抗するために用いるペプチドである(Hagerdorn M,Bikfalvi A.Crit Rev Onc Hemat 34:89〜110,2000)。しかし、これらのペプチドは著しく分子量の低い化合物と比較すると、それらの薬理学上の不便さが明らかである。他方、それらの分子構造に芳香環を含有し、成長因子により誘導される細胞分裂促進作用の抑制剤として作用する種々の合成化合物は、静止細胞又は非腫瘍細胞に対し細胞毒性を有する(Lozano RM J Mol Biol 281:899〜9115,1998)。したがって、無傷な細胞、静止細胞、非腫瘍細胞に対し低毒性の抗腫瘍性、抗血管新生及びアポトーシス促進活性(proapoptotic activity)を有する化合物を見出すことが依然として求められている。現在、古い医薬について新しい治療上の適用を探索することに非常に大きな関心がある。これとの関連で種々の抗生物質が、ラパマイシン(Morice MCら N Engl J Med 346:1773〜1780,2002)若しくはネオマイシン(Cuevas P.ら Neurol Res 224:389〜391,2002)の場合のようにそれらの抗菌活性に加え、抗増殖活性を有するか、又はノルフロキサシン(フルオロキノロン)のように抗不安薬として有用である(Johnstone TBら Nat Med 10;31〜32,2004)ことが最近証明されている。
【0004】
乾癬は世界の人口の2〜3%が罹患している血管依存性の慢性疾患であり、アポトーシスによる細胞死の減少を伴う、表皮過形成(epidermic hyperplasia)、炎症細胞及びTリンパ球の真皮−表皮浸潤(dermo−epidermic infiltration)及び非常に明白な脈管形成の進展を特徴とする(Kocak Mら Int J Dermatol 42:789〜793,2003)。現在、乾癬に対する治癒的な処置は存在しない。抗乾癬処置は疾患の広がり及び重度に応じ、局所性又は全身性である。主に用いられる抗乾癬局所療法は種々のタイプのコルチコイドからなるが、これらの化合物の拡張使用は、皮膚萎縮、皮膚線条及び毛細血管拡張症を伴う(Baker BS,Fry L.Cutis 1999;64:315〜318)。免疫抑制剤による全身性の治療は、非常に重い副作用を伴う(Wolina V.ら Clin Rheumatol 2001:20:406〜410)。例えば、乾癬の処置に対するシクロスポリンの使用は腎臓毒性(間質性線維症及び尿細管萎縮)、高血圧、低マグネシウム血症、高カルシウム血症及び肝機能障害を生じさせる場合がある(Travis L,Weinberg JM.Drugs of Today 2002;38:847〜865)。乾癬の処置に対して他の免疫抑制剤、タクロリムス、を常用することは、高血圧、腎臓毒性及び免疫抑制を生じさせる場合がある(Jegasothy BVら Arch Dermatol 1992;128:781〜785)。最近、タクロリムス免疫抑制剤の局所的適用がマウスの皮膚の発癌を促進することが記載されている(Niwa Y,Terashima T,Sumi H,B J Dermatol 2003;149;960〜967)。したがって、最も一般的な抗乾癬化合物に伴うこのような副作用を生成しない新規な効果的な抗乾癬化合物が求められている。
【0005】
2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸は、2,5−ジヒドロキシ安息香酸の誘導体であり、種々の塩(主にカルシウム、カリウム、及びマグネシウム)の形態に薬理学的に処方されており、安定性を付与する。2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸は70年代から経口血管刺激薬(oral vasculotropic medicine)として使用されてきた。
【0006】
2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸は血小板凝集を抑制し、糖尿病性網膜症の患者の毛細血管浸透性及び血液粘性を増大させる(Bayer J.ら Dtsch.Mod Wschr 1980;46;160〜1608;Banarroch I.S.ら Ophthalmic Res 1985;17;131〜138;Michal M,Giessinger N.Thromb Res 1988;51:593〜605)。この化合物のヒトにおける代謝及び薬物動態は1974年から知られている(Benakis A.ら Therapie 1974;29;211〜219)。最近の実験は2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸が、細胞毒性作用を発現することなく、ラット内皮細胞中の酸化窒素シンターゼ[内皮酸化窒素シンターゼ(eNOS)]の内皮のアイソフォームの活性を増大させることを証明した(Suscheck C.ら Bt J Pharmacol 1997;122;1502〜1508)。さらに、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸は、ヒトのペニス動脈の生体外(in vitro)弛緩を可能にする(Angulo Jら Br J Pharmacol 2003;139:854〜862)。2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸(カルシウム又はマグネシウム塩として処方されている)が生体外抗酸化活性を有することの実験的証拠が存在する(Brunet Jら Fundam Clin Pharmacol 12;205〜212,1998)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸及び/又はその塩の新規な活性の発見に基づき、それらの抗増殖、抗移動、抗血管新生及び非静止細胞におけるアポトーシス促進能に関係し、組み合わせた活性は、非腫瘍の無傷な細胞又は静止細胞に対する毒性の原因となることなく、アポトーシスによる細胞死の欠損を伴う高増殖性、細胞侵入及び過度の血管新生により特徴的な癌等の血管依存性疾患を処置するための有用な化合物としてそれらを使用することが正当であることを示す。グリオーマ(gliomas)は顕著な血管新生能を有し、及び顕著にアポトーシスが欠損した非常に侵入性の腫瘍であるため、グリオミック(Gliomic)腫瘍細胞が実験に用いられてきた(Merzak A,Pikington GJ.Cancer Metastasis Rev 16:155〜177,1997)。
【0008】
本発明はまた、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸及び/又はその塩が、組み合わされた形態において、抗増殖、抗血管新生及びアポトーシス促進作用を有し、したがって、その治療上の有効性が高増殖、急性真皮血管新生及びアポトーシス欠損により特徴的な慢性の乾癬性斑において評価されたという証明された事実に基づいている(Karasek MA,Cutis 64:319〜322,1999)。
【0009】
本発明は、癌及び他の血管依存性疾患に対する新規な処置の探索に関し、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸及び/又はその塩が成長及び移動を抑制し、線維芽細胞成長因子(FGF)により誘導される生体内(in vivo)血管新生を抑制する能力と同様に、生体外(in vitro)腫瘍細胞においてアポトーシスを誘導するそれらの能力を証明したという事実に基づいている。したがって、これらの能力の組合せにより、上述の化合物が他の重い脈管形成関連疾患(血管依存性疾患)の処置に対するのと同様に、悪性腫瘍及び血液学的新生疾患の処置に対して有用となる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
塩の形態で製剤化された2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸は下記の分子式:
【化1】


式中、Met=金属であり、nは塩において用いられる金属原子価の関数である。一般にnは先の塩の金属カチオン、一価(K)又は二価(Ca又はMg)に対応する0、1又は2である、による市販品(例えば、カリウム塩はMerck Farma y Quimica SA,Mollet del valles,Barcelonaで入手可能である)である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】48時間処理後のC6細胞培養物における2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカルシウム塩(A)及びカリウム塩(B)の種々の濃度による処理の抗増殖作用を示すヒストグラムである。縦軸:595nmにおける吸光度;横軸:μM。
【図2】パネルAは48時間後のC6細胞の対照培養物の外観を示す。パネルBは50μMの2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸(カルシウム塩)により48時間処理したC6細胞の培養物の画像を示す。パネルCは100μMの2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカリウム塩により48時間処理したC6の培養物を示す。
【図3】2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の抗増殖作用が壊死(白いヒストグラム)によるものでなくアポトーシス(線の入ったヒストグラム)によることが観測される代表的なヒストグラムである。A:2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカルシウム塩による処理。B:2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカリウム塩による処理。縦軸:405nmにおける吸光度;横軸:時間(単位:時間)。
【図4】アポトーシス細胞のin situ検出のためのTUNEL法により処理したグリオミックC6細胞の画像である。アポトーシス核を暗色で示し、非アポトーシス細胞の細胞の核及び細胞質を明色で示す。矢印はアポトーシス核を示す。A及びBは対照細胞、C及びDは2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸で処理した細胞である。B及びDの写真はそれぞれA及びCの写真の枠部分を拡大した写真に相当する。
【図5】種々の細胞増殖抑制化合物、A)シスプラチン(5μg/ml);B)ビンクリスチン(0.1μg/ml);C)パクリタキセル(5μg/ml)及びD)5−フルオロウラシル(100μg/ml)を用いた2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の化学療法の増強作用(抗増殖作用として評価する)を示すヒストグラムである。縦軸:595nmにおける吸光度;横軸:白いヒストグラム(対照)、ドットが付されたヒストグラム(細胞増殖抑制薬;第1日)、線の入ったヒストグラム(2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸+細胞増殖抑制薬;第1日)、方形ヒストグラム(2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸(0日)+細胞増殖抑制薬;第1日)。
【図6】対照実験及び細胞を2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸により処理した他の実験(B)における細胞移動の写真画像である。対照細胞は培養中に傷害された細胞を完全に再生し、一方、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸により処理された細胞の細胞移動は培養物の傷害された領域を完全に被覆することができない。水平線は培養中になされた初期の長手方向の傷害を画定する。
【図7】対照培養物(白いヒストグラム)におけるC6細胞の移動能力及び2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸により処理した培養物(黒いヒストグラム)におけるC6細胞の移動能力を示すヒストグラムである。移動能力は再生のパーセント(培養物中になされた長手方向の傷害の被覆された領域のパーセント)として(縦軸)に示されている。
【図8】17日間のインキュベーションによる2羽のニワトリの胚の画像である。パネルAは3μgのbFGF+0.1%のヘパリンにより処理された胚に相当する。パネルBは3μgのbFGF+0.1%のヘパリン+100μMの2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカリウム塩により処理された胚の外観を示す。パネルAは、該物質の放出媒体として使用されたニトロセルロースディスクはほとんど血管がないように見えることから2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の抗血管新生作用を示す。
【図9】左肘の後部領域に位置する過角化症の乾癬性斑の画像である。画像Aは処置を始める前の乾癬性斑の外観である。画像Bは、活性成分として2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカリウム塩を5%含有するクリームによる6日間の処置後の同じ斑の外観である。画像Cは、5%の2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカリウム塩により2週間処置した後の乾癬性斑の外観を示す。画像に示した数字は、写真を撮った日に対応する。
【発明を実施するための形態】
【0012】
2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の新規な生物活性は、どの塩により処方された2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸も細胞増殖、移動及び血管新生の抑制において同様の作用を有するため、ベンゼン環に結合するカチオンには依存しない。本発明はカリウム及びカルシウム塩として処方された2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の活性のみを記載するが、該化合物のいかなる薬学上許容される塩も本発明の範囲内である。用語「薬学上許容される塩」は、製剤形態として用いることのできる金属塩又は付加塩を含む。2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の薬学上許容される塩は有機又は無機の酸又は塩基から、適当な酸又は塩基と該化合物とを反応させることによる従来の方法により得ることができる。
【0013】
2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸を含有する医薬組成物は、例えば全身性、経口、非経口、尿道、直腸又は局所性投与の、適当などの投与形態において存在していてもよく、それに対し必要な薬学上許容される賦形剤は所望の投与形態の製剤に含まれる。
【0014】
以下の実施例は本発明を説明し支持するが、本発明の範囲を限定するものと理解すべきではない。
【実施例】
【0015】
(例1)
2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の抗増殖能を示す試験
この生体外の検討はラットのグリオミック細胞(C6系)を用いた、異なる3つの3重の実験において行った。該細胞は、DMEM Dulbecco改変Eagle培地(Gibco,Paisley UK)、7.5%の胎児血清(Gibco)10単位/mlのペニシリン(Gibco)及び10μg/mlのストレプトマイシン(Gibco)よりなる培地中で培養した。培養は湿潤雰囲気中で37℃に維持した。細胞増殖に対する2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の作用を評価するために、ウェル当たり2×10個のC6細胞を24ウェル(直径15mm)プレートに播種した。実験培養物は該化合物(2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカルシウム又はカリウム塩)の種々のマイクロモル濃度(μM)により48時間処理した。対照の培養物は、該化合物を添加することなしに48時間存続した。培養物の写真は倒立顕微鏡を用い48時間後に撮影し、次に培養物をクリスタルバイオレット(Merk Farma y Quimica SA.Mollet del Valles,Barcelona)により着色し、及びスペクトル測光法を用い、ウェル当たりの細胞数を測定した。図1に示すように、種々の濃度の該化合物による処理は細胞増殖の用量依存的抑制を示し、濃度100μMの2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカルシウム塩により88%抑制される(A)。同濃度の2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカリウム塩により74%抑制された(B)。IC50はカルシウム塩について25μM付近及びカリウム塩について40から50μMの間である。図1Aと図1Bを比較すると、該化合物のカルシウム塩による処理後と同じパーセントの細胞増殖を抑制することが観察され、同じ効果を得るためには2倍濃度のカリウム塩が必要である。このことは該化合物のカルシウム塩が水溶液中で塩から分離する2個の活性原理分子(2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸)を含有するという事実による。図2は、処理を行わない48時間後のC6細胞の培養物の画像(A)、濃度50μMの2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカルシウム塩により48時間処理したC6細胞の培養物に相当する別の画像(B)、及び3番目は濃度100μMの該酸のカリウム塩により48時間処理したC6細胞の培養物に相当する画像(C)を示す。この検討は該化合物による処理が新生物細胞における増殖を抑制することを示し、マイトジェン因子により生体外で刺激された正常な血管平滑筋細胞において観察される該化合物の抗増殖作用を裏付ける(Pares−Herbute Nら Int J Angiol 8:S5〜S10,1999)。2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の抗増殖活性が細胞毒性又はアポトーシス促進作用のいずれにより媒介されるかを識別するために、本発明者等は以下の例において詳述する、種々の実験を行った。
【0016】
(例2)
2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のアポトーシス促進能を示す試験
この分析は例1に記載された操作に従いC6細胞を用いて行った。分析した化合物のアポトーシス促進作用を示すために、本発明者等はDNAの細胞内分解及びin situのアポトーシス核を検出する2つの異なる方法を用いた。
【0017】
DNAの細胞内分解の検出
ヒストンに関連するDNA断片を定量する酵素免疫測定法は、アポトーシスの発現を測定するのに適していると考えることができる(Aragane Yら J Cell Biol 1998;140:171〜182)。この方法は、壊死においては細胞質膜が分解し、培養媒体中にDNAが出現するのに対し、アポトーシスでは細胞膜が無傷で残るため分解されたDNAが細胞内に残ることから、壊死による死とアポトーシスによる死を区別することができる(Aragane Yら J Cell Biol 140:171〜182,1998)。
【0018】
細胞死検出ELISAplusキット(Boehringer Mannheim,Mannheim,Germany)を製造元の指示に従って使用し、本発明者等は4、16、24及び48時間におけるC6(2×10)細胞培養物中のDNAの分解を測定した。対照の培養物は処理を施さなかったが、50から200μM(図3A)の2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカリウム塩を実験培養物に添加した。また、25から100μMの2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカルシウム塩を添加する実験を行った(図3B)。すべての実験は異なる3つの実験において3重測定により行った。
【0019】
図3A及び図3Bは以下の事項を示す:a)2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の抗増殖作用は主にアポトーシス促進活性により媒介される、b)該化合物のカルシウム又はカリウム塩を用いるアポトーシス促進作用が同様であることから、分子に結合したカチオンは該化合物の活性を決定しない、c)最大のアポトーシス促進作用は該化合物により48時間処理した細胞において得られる、d)最大の効果はカルシウム塩に対して25μM及びカリウム塩に対して50μMの濃度により得られ、細胞増殖の検討におけるIC50に一致する。細胞死に関与する2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の抗増殖機構がアポトーシスによることが証明され、本発明者等は以下の方法を用い、かかる作用をグリオミック細胞の顕微鏡による検討により定量的に評価した。
【0020】
アポトーシス核のin situ検出(TUNEL法)
3つの独立した実験を3回繰り返した。対照の培養物からのC6細胞及び(それぞれ50μM及び100μMのカルシウム及びカリウム塩)により24時間処理した培養物からのC6細胞をガラススライドに付着させ、4%のパラホルムアルデヒドの緩衝溶液(pH7.4)により実験室の温度で1時間固定し、その後細胞を洗浄し、0.1%のトリトンX−100溶液により透過性とした。次にTUNEL法[(末端デオキシヌクレオチド転移酵素(TdT)−媒介dUTPニック及びラベリング(Gavrieli Y,Sherman Y,Bensasson SA.J Cell Biol 119:493〜501,1992))を適用する前に細胞を洗浄した。アポトーシス核のin situ検出のためのキット(In situ Cell Death Detection Kit Boehringer Mannheim,Mannheim,Germany)を使用した。該方法の種々の段階はキットの製造元の指示に従った。最終的に細胞を緑色光(green light)により染色した(Fluka,AG,Switzerland)。TUNEL反応はアポトーシス核においてのみ起こる。
【0021】
非常に類似した結果が該化合物のカルシウム及びカリウム塩により得られるが、本発明の対象である該化合物のカリウム塩により得られた結果のみを示す。細胞は、6個の対照培養物及び2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸(100μM)により処理した6個の培養物からの細胞を付着させた12個のスライドにおける異なる6領域において計測した。非アポトーシス及びアポトーシス細胞の総数を以下に示す:
【表1】


処理細胞の総数は該化合物の抗増殖作用により対照細胞の総数より少ない。
【0022】
図4の画像はTUNEL法を用いた、対照培養物の実験領域(A及びB)と該化合物により処理した別の培養物の実験領域(C及びD)を示す。画像に示すように、対照細胞において2個のみのアポトーシス核が観察されるのに対し、本発明の対象である該化合物により処理した細胞においては、107個のアポトーシス核と8個のみの正常核(非アポトーシス)が存在する。
【0023】
これらのデータは、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸が腫瘍のアポトーシスの誘導に有用な重要なアポトーシス促進活性を有する化合物であることを示す。2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸が正常なヒト細胞におけるアポトーシスを抑制することが証明されている(Braber R,Farine JC,Lora GA.Apoptosis 4:4111〜49,1998)ので、この化合物は癌の処置に対する有力な分子候補である。
【0024】
化学療法及び放射線療法の治療不成功に関与するメカニズムの1つは、アポトーシスにより細胞死を誘導するこれらの処置が、主に腫瘍細胞中に抗アポトーシスタンパク質を高発現することにより効果を奏さないことである(Sellers WR,Fisher DE.J Clin Invest 104:1655〜1661,1999;Branch P.ら Oncogene 19:3138〜3145,2000)。したがって、アポトーシス促進化合物は化学療法及び放射線療法の処置における補助薬として臨床的に大いに使用することができる。
【0025】
2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のアポトーシス促進作用が示されると、本発明者等は種々の細胞増殖抑制薬の抗増殖作用を増大させるためにこの化合物の性能を評価した。以下の例は2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸が、シスプラチン、ビンクリスチン、パクリタキセル、5−フルオロウラシル等の腫瘍学において用いられる種々の細胞増殖抑制化合物の治療効果をいかに増大させ得るかを示す。
【0026】
(例3)
化学療法の増強作用における2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の能力を示す試験
本発明者等はこの検討のために、例1に記載の条件と同じ条件で生体外で培養したC6細胞を用いた。ウェル当たり1×10個のC6細胞を24ウェルプレートで培養した。3タイプの処理を行った:a)播種後24時間、細胞を以下の医薬;シスプラチン(5μg/ml)、ビンクリスチン(0.1μg/ml)、パクリタキセル(5μg/ml)及び5−フルオロウラシル(100μg/ml)の1つでそれぞれ処理する;b)播種後24時間、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸(カリウム塩、100μM)及び以下の医薬;シスプラチン(5μg/ml)、ビンクリスチン(0.1μg/ml)、パクリタキセル(5μg/ml)及び5−フルオロウラシル(100μg/ml)の1つで一緒に処理する;c)播種時(0日)に、細胞を2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸(カリウム塩、100μM)により前処理した。翌日、培養物を以下の医薬;シスプラチン(5μg/ml)、ビンクリスチン(0.1μg/ml)、パクリタキセル(5μg/ml)及び5−フルオロウラシル(100μg/ml)の1つによってさらに処理した。対照の培養物は2日間の処理を施さなかった。48時間(2日)後、例1に使用された細胞と同一の形態の細胞をすべての培養物において評価した。この検討は3重の独立した実験において3回繰り返した。
【0027】
図5(A、B、C及びD)は種々の細胞増殖抑制薬の増強作用における2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の効果を評価するために行った実験のヒストグラムを示す。シスプラチン、ビンクリスチン及び5−フルオロウラシルによる処理はC6細胞の増殖を50%抑制し、一方、パクリタキセルによる処理は細胞増殖を67%抑制する。2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸+細胞増殖抑制薬(シスプラチン、ビンクリスチン及び5−フルオロウラシル)の併用処理は細胞増殖を84%抑制する。2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸+パクリタキセルによる併用処理は細胞増殖を86%抑制する。細胞培養物を2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸で前処理し、その後以下の細胞増殖抑制薬:シスプラチン、ビンクリスチン及び5−フルオロウラシルにより前処理する場合、細胞増殖を90%抑制する。パクリタキセルを用いると、細胞増殖の抑制は92%に達する。
【0028】
上記の結果は、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸と化学療法剤を同時に処理することにより、その治療効果が増大し、その上この化学的増強効果は細胞を2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸により前処理したときにより高い。これらのデータは化学療法及び放射線療法に関連する処置における補助薬としての2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の使用を支持する。
【0029】
(例4)
2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の抗移動能を示す試験
分析は3つの異なる3重の実験において行った。細胞移動の抑制についての2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の能力を評価するために、20mmのプレートにおいて生体外で培養した2×10個のC6細胞を用いた。対照の培養物に対し及び100μMの2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカリウム塩を用いて処理した培養物において無菌マイクロピペットを用い、長手方向に傷害した(0日)。蛍光顕微鏡(luminaous microscope)に接続した写真システムを用いてデジタル写真を撮影し、傷害領域をコンピュータ形態プログラム(Moticam.Motic.Barcelona)を用いて画定した。24時間後再度写真を撮影し、傷害の境界を最初の2枚の写真(0日)とそれらの24時間後に得られた写真とを重ねて記録し、細胞の移動により被覆された傷害領域のパーセントを計算した。これらの値を処理により得られた再生のパーセントとして表した。図6は対照実験(A)及び細胞を本発明の対象である化合物により24時間処理した他の実験(B)の代表例を示す。この図において観察されるように、非処理細胞は傷害を完全に再生する(図6A)が、該化合物により処理した細胞は移動して傷害のすべての領域を被覆することができない(図6B)。すべての実験のパーセントデータを示す図7は、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸が腫瘍細胞の移動を64%まで抑制することを示す。
【0030】
(例5)
2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の抗血管再生能を示す試験
この分析のために、本発明者等は生体内の抗血管再生物質の活性試験用に胎児の絨毛尿膜を用いた(Zilberberg L.ら J Biol Chem 2003;278:35564〜35573)。本発明者等は線維芽細胞成長因子(bFGF)の基本的形態である、血管再生促進化合物を用いた(Meghna Uら Blood 2003;102:2108〜2114)。
【0031】
受精卵をインキュベーター中に37℃、湿度80%で保管する。4日後、卵殻の最も狭い端部に孔を開け、1mlのアルブミンを採取する。次いで、孔をパラフィンフィルム(Parafilm M Laboratory Film Chicago IL.USA)で覆う。この操作は、胚が殻の上部に付着するのを妨げる空気室を形成する。インキュベーションの13日目に、空気室における殻を割り、処理を行う。20の胚を、ニトロセルロースペーパーディスクに染み込ませた、3μgのbFGF+0.1%のヘパリンの溶液5μlにより処理する。その後、殻をパラフィンフィルムで密封する。翌日、半数の胚(n=10)において、殻の覆いを除き、生理的食塩水(5μl)に溶解した100μMの2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカリウム塩を有するニトロセルロースペーパーディスクを再度浸漬する。次に殻の孔を再度パラフィンフィルムで覆う。実験を終了する17日目に、比較検討のためニトロセルロース片を写真撮影する。
【0032】
図8は3μgのbFGF+0.1%のヘパリンにより処理した胚(A)及び翌日に100μMの2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカリウム塩溶液を添加した別の胚(B)に相当する2つの画像を示し、画像Aはニトロセルロースディスクが血管によりどの程度侵入されるかを示し、一方、画像Bはディスク内の非常に少ない血管侵入を示す。コンピュータシステム(Moticam Motic.Barelona)を用いたニトロセルロースディスクの画像の形態定量は、該化合物の抗血管新生作用(bFGF+ヘパリンにより処理した胚中の血管により被覆されたディスクの領域=35±8.6%対bFGF+ヘパリン+2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカリウム塩により処理した胚中の血管により被覆されたディスクの領域=2±1.5%;p<0.0001;unpaired student t検定)を示す。50μMの該化合物のカルシウム塩を用いて同様の結果を得た。この実験は、本発明の対象である該化合物がbFGFにより誘導された血管新生作用を中和し得る抗血管新生活性を有することを示す。
【0033】
(例6)
乾癬性傷害における試験
本発明者等はこの検討のために、皮膚疾患の局所的処置として通常の手段であるこの型の製剤用のクリーム中に2.5及び5%で処方した2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカリウム塩を用いた。2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸の塩の選択された濃度は、糖尿病性網膜症の処置に用いる濃度範囲内:1日当たり6錠の500mgの2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸カルシウム塩である(Benakis Aら Therapie 1974;29:211〜219)。本発明者等はクリームの水相として蒸留水を用いた。脂肪相はセチルアルコール、ステアリックアルコール又はワセリンにより構成することができる。スパンはクリームの調製において効果的な乳化剤である。製品の両方の製剤(2.5及び5%)は臨床的に効果的であることを示すが、最も大きい治療上の利点は5%の濃度により得られる。したがって、本発明者等はクリーム中に5%で処方された該酸により得られた結果を示す。以下の例は乾癬の局所的処置のための効果的なクリームを示すが、この例によって本発明の範囲を限定するものではない。
I.活性部分(5.6%の2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカリウム塩)、
II.不活性部分(賦形剤としてセチルアルコール(2.5%)、ステアリルアルコール(2.5%)、液体ワセリン(30%)、白色ソフトパラフィン(20%)、ソルビタンオレアート(5%)及び蒸留水(c.s.p.100g))。
【0034】
該処置の臨床的有効性は、以下の評価:(0)なし;(1)軽度;(2)中等度及び(3)重度を割り振る、落屑兆候(D)、紅斑(E)及び浸入(I)を定量する指標により評価した(Freeman AKら J Am.Acad Dermat 2003;48:564〜568)。図9は3つの画像:処置前、5%の2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカリウム塩により処置した左肘の伸展領域に位置する同じ慢性の乾癬斑の処置後6日及び13日を示す。観察できるように、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカリウム塩を含有するクリームによる1日2回の局所的な処置が、過角化症(hyperkeratosis)のほとんど全面的な消失による斑の早期(6日)の非常に顕著な「除去」をもたらす。処置の第2週の終わりにクリームの治療効果がより明らかとなる。かかる処置はDEI指標(DEI全体の前処置=6±1.57対DEI全体の後処置=1±0.58;p<0.0001;unpaired student t検定)の全体の値の顕著な減少をもたらす。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管依存性疾患の処置に適用可能な医薬を製造するための2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその薬学上許容される塩のいずれかの使用。
【請求項2】
血管依存性疾患がさらにアポトーシスの減少を示す、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
製造された医薬が癌の処置に適用するための医薬である、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
製造された医薬が、癌の処置において細胞増殖抑制薬の抗増殖性効果を増大させるために用いられることを特徴とする、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
医薬の製造に好ましい塩が、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカリウム塩であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれかに記載の使用。
【請求項6】
医薬の製造に好ましい塩が、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカルシウム塩であることを特徴とする、請求項1から4までのいずれかに記載の使用。
【請求項7】
製造された医薬が、適切な量の少なくとも1種の薬学上許容される賦形剤をさらに含有する、請求項1から6までのいずれかに記載の使用。
【請求項8】
製造された医薬が乾癬の処置に適用するための医薬である、請求項1に記載の使用。
【請求項9】
医薬の製造に好ましい塩が、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカリウム塩であることを特徴とする、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
医薬の製造に好ましい塩が、2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカルシウム塩であることを特徴とする、請求項8に記載の使用。
【請求項11】
製造された医薬が、適切な量の少なくとも1種の薬学上許容される賦形剤をさらに含有する、請求項8から10までのいずれかに記載の使用。
【請求項12】
前記医薬が局所適用製剤からなることを特徴とする、請求項8から11までのいずれかに記載の使用。
【請求項13】
前記医薬が、
薬学上有効な量の2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸又はその薬学上許容される塩のいずれか、
薬学上許容される量の少なくとも1種のアルコール、
薬学上許容される量の少なくとも1種の乳化剤、
薬学上許容される量の少なくとも1種の賦形剤、
液相、特にワセリンを含有する、薬学上許容される量の少なくとも1種の賦形剤、
蒸留水
を組成として含有するクリーム又は軟膏であることを特徴とする、請求項12に記載の使用。
【請求項14】
前記医薬が、
5%の2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸のカリウム塩、
2.5%のセチルアルコール、
2.5%のステアリックアルコール、
30%の液体ワセリン、
30%の白色ソフトパラフィン、
5%スパン(ソルビタンオレアート)、
適量100gの蒸留水
を含有する組成のクリーム又は軟膏であることを特徴とする、請求項13に記載の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−12413(P2012−12413A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−219725(P2011−219725)
【出願日】平成23年10月4日(2011.10.4)
【分割の表示】特願2006−553602(P2006−553602)の分割
【原出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【出願人】(506279296)
【Fターム(参考)】