説明

発光ダイオードランプ

【課題】従来の複数のLEDを一列に配設実装した基板を備えるLEDモジュールを用いて棚下等の直下照明を行う場合、明るい場所が限られる課題があった。また、LEDモジュールの複数のLEDは一つの基板に実装されているため、照射角度をLED個々に設定することができないという課題があった。LEDの照射角度を個々に設定することができる発光ダイオードランプを提供することを目的とする。
【解決手段】この発明に係る発光ダイオードランプ20は、複数のLEDキューブ10を回転自在に帯状に連結する発光ダイオードランプ20であって、LEDキューブ10は、一面が開口した筐体1と、筐体1内に収容され、1個以上のLED3を実装した基板2とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発光ダイオード(LED)を利用した発光ダイオードランプに関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオードは性能が急速に向上し、照明に欠かせない白色発光ダイオードが開発され、明るさにおいても照明として十分使える輝度で発光させることができるようになり、発光ダイオードを本格的に照明に応用しようとする研究が盛んになってきた。
【0003】
図9乃至11は、従来のLEDモジュール100を示す図で、図9はLEDモジュール100の斜視図、図10はLEDモジュール100の平面図、図11はLEDモジュール100の側面図である。
【0004】
図9乃至11に示すように、LEDモジュール100は、下面が開口した細長いバー状の金属ケース101に、複数のLED103を一列に配設実装した基板102を収容している。金属ケース101の長さは、30、60、120cm等である。
【0005】
金属ケース101は、細長い略直方体で、下面と両端とが開口している。
【0006】
金属ケース101は、端部が略コ字状である。金属ケース101の内周面の天面に、LED103を実装した基板102を収容している。
【0007】
金属ケース101の下面は、透光性のカバー104で覆われている。
【0008】
図示はしていないが、金属ケース101の両端には、エンドキャップが取り付けられる。
【0009】
エンドキャップには、電源のリード線(図示せず)又は隣接する他のLEDモジュール100を接続するピンコネクタ(図示せず)が取り付けられる。
【0010】
図9に示すLEDモジュール100は、例えば、棚下等の直下照明に用いられる。
【特許文献1】特開2003−303504号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来の複数のLED103を一列に配設実装した基板102を備えるLEDモジュール100を用いて棚下等の直下照明を行う場合、明るい場所が限られる課題があった。
【0012】
また、LEDモジュール100の複数のLED103は一つの基板102に実装されているため、照射角度をLED103個々に設定することができないという課題があった。
【0013】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、LEDの照射方向を個々に設定することができる発光ダイオードランプを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
この発明に係る発光ダイオードランプは、複数のLEDキューブを回転自在に帯状に連結する発光ダイオードランプであって、
LEDキューブは、
一面が開口した筐体と、
筐体内に収容され、1個以上のLEDを実装した基板とを備えたことを特徴とする。
【0015】
この発明に係る発光ダイオードランプは、LEDにレンズを取り付けることを特徴とする。
【0016】
この発明に係る発光ダイオードランプは、筐体を金属ケースで構成することを特徴とする。
【0017】
この発明に係る発光ダイオードランプは、筐体の外周面を凹凸面とすることを特徴とする。
【0018】
この発明に係る発光ダイオードランプは、LEDキューブが連結方向両端部にメス型ピンコネクタを備え、LEDキューブ同士は、メス型ピンコネクタに連結するオス型ピンコネクタにより回転自在に連結することを特徴とする。
【0019】
この発明に係る発光ダイオードランプは、筐体の開口した一面に、カバーを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
この発明に係る発光ダイオードランプは、LEDを有する複数のLEDキューブを回転自在に帯状に連結する構成にしたので、LEDの照射角度を個々に設定することができる。
【0021】
この発明に係る発光ダイオードランプは、筐体を金属ケースで構成することにより、良好な放熱性が得られる。
【0022】
この発明に係る発光ダイオードランプは、筐体の外周面を凹凸面とすることにより、さらに放熱性が向上する。
【0023】
この発明に係る発光ダイオードランプは、LEDキューブが連結方向両端部にメス型ピンコネクタを備え、LEDキューブ同士は、メス型ピンコネクタに連結するオス型ピンコネクタにより回転自在に連結することにより、容易に複数のLEDキューブを回転自在に帯状に連結することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
実施の形態1.
図1乃至図8は実施の形態1を示す図で、図1はLEDキューブ10の概念図、図2は図3のA−A断面図、図3は発光ダイオードランプ20の分解斜視図、図4は発光ダイオードランプ20の斜視図、図5はLEDキューブ10の照射角度を変化させた状態の発光ダイオードランプ20の斜視図、図6は発光ダイオードランプ20のLED3の接続状態を示す電気回路図、図7は変形例1のLEDキューブ10の断面図、図8は変形例2のLEDキューブ10の断面図である。
【0025】
図1、図2を参照しながらLEDキューブ10の構成を説明する。
【0026】
LEDキューブ10は、略直方体の金属ケース1(筐体の一例)を備える。金属ケース1の一面(使用時に下面となる面)が開口している。金属ケース1は、例えば、アルミケースである。
【0027】
金属ケース1は、放熱性を向上させるために、その外周面を凹凸のある面としている。凸部1aと、凹部1bとで凹凸面を構成し、金属ケース1の外周面の表面積を凹凸のない場合よりも大きくなるようにしている。それにより、放熱性が改善される。
【0028】
金属ケース1の大きさは、一例では、高さHが20mm、幅Dが20mm、長さL(連結方向)が40mmである。
【0029】
金属ケース1の板厚は、一例では、約1mmである。凸部1aの高さ(凹部1bの深さ)は、一例では2〜3mmである。
【0030】
金属ケース1の内部の天面付近に基板2が取り付けられる。基板2には、1個以上のLED3が実装されている。
【0031】
基板2には、LED3を点灯させるために必要な他の電子部品も実装されるが、公知のものであるから、説明は省く。
【0032】
さらに、LED3にレンズ5が取り付けられる。レンズ5がない場合、LED3の配光角度は約120°である。それに対し、LED3をレンズ5付きにすると、配光角度は、30〜60°になる。LED3をレンズ5付きにすると、レンズ5がない場合に比べて、光軸方向の照度は約2倍になる。
【0033】
金属ケース1の開口面には、例えば樹脂製のカバー4が装着される。カバー4には、透明カバー、乳白色カバー、つや消しカバー、レンズ等が用いられる。
【0034】
このように、LEDキューブ10は、内部に少なくとも1個のLED3を備える。そして、LED3はレンズ5付きであるので、照射角度が30〜60°に絞られ、直下照度がレンズ5がない場合に比べて約2倍になる。
【0035】
図3乃至図5より発光ダイオードランプ20の構成を説明する。
【0036】
発光ダイオードランプ20は、複数個のLEDキューブ10をオス型ピンコネクタ6で帯状に連結している。オス型ピンコネクタ6は、隣接するLEDキューブ10を連結し、電気的な接続も行う。
【0037】
図3に示すように、LEDキューブ10には、オス型ピンコネクタ6と連結するメス型ピンコネクタ7が連結方向の両端部に設けられる。
【0038】
図3乃至図5では、3個のLEDキューブ10を2個のオス型ピンコネクタ6により連結する例を示すが、個数は問わない。
【0039】
但し、図6に示すように、LEDキューブ10は、直流電源8(一例では、24ボルト)に並列に接続される。LEDキューブ10の数が増えると、直流電源8に近い部分の基板2のパターンの電流密度が大きくなり、パターンの温度が高くなる。従って、LEDキューブ10の個数は、パターンの温度が許容値を超えないように選択される。
【0040】
3個のLEDキューブ10をオス型ピンコネクタ6により連結すると、図4に示すような発光ダイオードランプ20となる。
【0041】
オス型ピンコネクタ6とメス型ピンコネクタ7とは、360°回転自在に連結される。そのため、オス型ピンコネクタ6で連結されたLEDキューブ10同士は、互いに360°回転可能である。
【0042】
図4のように、3個のLEDキューブ10が同じ方向(真下)を向いている場合は、照射方向が垂直だけとなる。LEDキューブ10はレンズ付きのため、配光角度が30〜60°に絞られる。レンズがない場合に比べて、照度は大きくなるが、照射エリアが狭くなる。
【0043】
しかし、本実施の形態の発光ダイオードランプ20は、個々のLEDキューブ10が360°回転可能なため、夫々のLEDキューブ10を照射が必要なエリアに向けることが可能となる。
【0044】
また、本実施の形態の発光ダイオードランプ20は、基板2のパターンの温度が許容値を超えない範囲で、LEDキューブ10の個数を自由に変えることができる。用途に合わせて、発光ダイオードランプ20のサイズ(長さ)を変えることができる。
【0045】
金属ケース1の形状は、図2の断面形状がコ字状のものに限定されない。例えば、図7の変形例1のLEDキューブ10のように、頂部の形状が屋根形のものでもよい。
【0046】
また、図8の変形例2のLEDキューブ10のように、頂部の形状がドーム形のものでもよい。
【0047】
以上のように、本実施の形態によれば、LEDキューブ10は、内部に1個のLED3を備え、LED3はレンズ5付きであるので、配光角度が30〜60°に絞られ、光軸方向の照度がレンズ5がない場合に比べて約2倍になる。
【0048】
また、オス型ピンコネクタ6で連結されたLEDキューブ10同士は互いに360°回転可能なため、夫々のLEDキューブ10を照射が必要なエリアに向けることが可能となる。
【0049】
また、金属ケース1の外周面を凹凸のある面としているので、放熱性を向上させることができる。
【0050】
以上の説明では、LEDキューブ10のLED3にレンズ5を付加するようにしたが、レンズ5はなくてもよい。この場合でも、個々のLEDキューブ10が360°回転可能なため、夫々のLEDキューブ10を照射が必要なエリアに向けることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】実施の形態1を示す図で、LEDキューブ10の概念図。
【図2】実施の形態1を示す図で、図3のA−A断面図。
【図3】実施の形態1を示す図で、発光ダイオードランプ20の分解斜視図。
【図4】実施の形態1を示す図で、発光ダイオードランプ20の斜視図。
【図5】実施の形態1を示す図で、LEDキューブ10の照射角度を変化させた状態の発光ダイオードランプ20の斜視図。
【図6】実施の形態1を示す図で、発光ダイオードランプ20のLED3の接続状態を示す電気回路図。
【図7】実施の形態1を示す図で、変形例1のLEDキューブ10の断面図。
【図8】実施の形態1を示す図で、変形例2のLEDキューブ10の断面図。
【図9】従来のLEDモジュール100の斜視図。
【図10】従来のLEDモジュール100の平面図。
【図11】従来のLEDモジュール100の側面図。
【符号の説明】
【0052】
1 金属ケース、1a 凸部、1b 凹部、2 基板、3 LED、4 カバー、5 レンズ、6 オス型ピンコネクタ、7 メス型ピンコネクタ、8 直流電源、10 LEDキューブ、20 発光ダイオードランプ、100 LEDモジュール、101 金属ケース、102 基板、103 LED、104 カバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のLED(発光ダイオード)キューブを回転自在に帯状に連結する発光ダイオードランプであって、
前記LEDキューブは、
一面が開口した筐体と、
前記筐体内に収容され、1個以上のLEDを実装した基板と
を備えたことを特徴とする発光ダイオードランプ。
【請求項2】
前記LEDにレンズを取り付けることを特徴とする請求項1記載の発光ダイオードランプ。
【請求項3】
前記筐体を金属ケースで構成することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の発光ダイオードランプ。
【請求項4】
前記筐体の外周面を凹凸面とすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の発光ダイオードランプ。
【請求項5】
前記LEDキューブは連結方向両端部にメス型ピンコネクタを備え、前記LEDキューブ同士は、前記メス型ピンコネクタに連結するオス型ピンコネクタにより回転自在に連結することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の発光ダイオードランプ。
【請求項6】
前記筐体の開口した一面に、カバーを備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の発光ダイオードランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−289650(P2009−289650A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142231(P2008−142231)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(591015625)オスラム・メルコ株式会社 (123)
【Fターム(参考)】