説明

発光モジュールの光学的アラインメント方法、それによる発光モジュールの構成、組立て方法及び光学機械への取付け方法

【課題】精度良く容易に行うことができ、設備コストを低く抑える上、自動化を可能とした発光モジュールの光学的アラインメント方法、それによる発光モジュールの構成、組立て方法及び光学機械への取付け方法を提供する。
【解決手段】発光ユニットの発光素子に光点を取ってから、所定の結像位置に照らして前記光点と前記所定の結像位置との間の距離を求めて総光路とする第1工程と、前記総光路の半分を取って前記距離中の中心垂直線を求める第2工程と、レンズの光学軸方向における両端点を求めて厚さを決定する第3工程と、前記レンズに前記厚さの半分を取って前記光学軸方向と垂直になる中心線を求める第4工程と、前記中心線と前記中心垂直線とを合わせて前記発光ユニットと前記所定の結像位置との間に前記レンズを設置する第5工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学的アラインメント方法に関し、特にプリンタ、複写機などの光学機器に使用される発光モジュールの光学的アラインメント方法、それによる発光モジュールの構成、組立て方法及び光学機械への取付け方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般、プリンタ、複写機などの光学機器では、感光ドラムに発光モジュールからの照射光によって画像データに応じた静電潜像が形成されてから、この静電潜像はトナーを有する現像手段によって現像されてトナー像となり、続いて用紙が供給され、前記感光ドラム上のトナー像が転写ローラにより用紙に転写されるという作動になっている。
【0003】
前記発光モジュールの光源としては、小型、軽量、安価の利点を有するため、近年、発光素子として発光ダイオードが多く使用されるようになってきた。例を挙げると、図12と図13に示すように、その一側面に開口121が開けてあるケーシング12と、複数個の発光ダイオードから排列してなる発光ダイオードアレイ131を有し、且つ前記発光ダイオードアレイ131がケーシング12内に開口121と対面するように設置されている発光ユニット13と、ケーシング12の開口121内に設置されていて発光ユニット13の発光を屈折させ、その光学軸の方向を基準として所定の結像位置IP(例えば前記感光ドラム)へ投光するレンズ14とを備えてなるものがある。
【0004】
ところで、発光ユニット13の発光が所定の結像位置IPへ良好に投射すること、即ち鮮明な静電潜像が形成されることが光学機械の解像度に係わるため、従来から、発光ユニット13とレンズ14との間の相対位置の高精度な位置合わせを得るための光学的アラインメント方法が行われてきている。
【0005】
前記光学的アラインメント方法の一例として、下記手順による、いわゆるアクティブ・アラインメントが挙げられる(特許文献1参照)。即ち、
1.ケーシング12内の所定位置にある発光ユニット13に駆動電圧を印加し発光させる。
2.所定の結像位置にある電荷結合素子(CCD)を介して前記発光がレンズ14により屈折させられて該電荷結合素子に投射したスポットサイズを観察しながら、スポットサイズが最適なものになるように、人工的にレンズ14を図1におけるX軸、Y軸、Z軸の3軸方向及びX軸回り、Y軸回り、Z軸回りの回転方向の3回転方向、全て6方向に微動させ位置を調整する。
3.スポットサイズが最適になった時、レンズ14を当該位置に固定する。
【0006】
しかしながら、前記従来の発光モジュールの光学的アラインメント方法においては、人力で試行錯誤を重ねてレンズに対する6方向に沿う位置調整を行う作業が長時間を要し、自動化し難いだけではなく、複雑な6軸位置調整装置と安定した高精度な載置ステージと前もって発光ユニットを駆動させるための別途の制御装置という設備も必要である欠点がある。
【特許文献1】特開2003−307655号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記欠点に鑑みてなされたものであり、即ち、精度良く容易に行うことができ、設備コストを低く抑える上、自動化を可能とした発光モジュールの光学的アラインメント方法、それによる発光モジュールの構成、組立て方法及び光学機械への取付け方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するために、発明者は研究に研究を重ねた結果、まず、発光モジュールを、そのケーシング内の所定位置にある発光ユニットの発光をレンズにより屈折させて所定の方向に投光するようにさせる光学的アラインメント方法であって、前記発光ユニットの発光素子に光点を取ってから、所定の結像位置に照らして前記光点と前記所定の結像位置との間の距離を求めて総光路とする第1工程と、前記総光路の半分を取って前記距離中の中心垂直線を求める第2工程と、前記レンズの光学軸方向における両端点を求めて厚さを決定する第3工程と、前記レンズに前記厚さの半分を取って前記光学軸方向と垂直になる中心線を求める第4工程と、前記中心線と前記中心垂直線とを合わせて前記発光ユニットと前記所定の結像位置との間に前記レンズを設置する第5工程とを備える、発光モジュールの光学的アラインメント方法を提供する。
【0009】
そして、本発明は、この光学的アラインメント方法により、発光モジュールを設計・構成したり、発光モジュールの組立て方法及び光学機械への取付け方法を提供する。
【0010】
即ち、発光モジュールを設計・構成するために、前記第1工程は、まず前記発光ユニットと前記所定の結像位置との間に前記所定の結像位置と所定距離を有する参考点を決定することができる。
【0011】
発光モジュールを構成するために、前記参考点の決定に引き続いて電荷結合素子で前記光点と前記参考点とを取ってから、総光路を計算することができる。
【0012】
発光モジュールを設計・構成するために、また、前記第3工程は、電荷結合素子で前記両端点を取ってから、レンズの厚さを計算することができる。
【0013】
発光モジュールを設計・構成するために、前記中心垂直線が前記ケーシング内にあるように、前記ケーシングの、前記発光ユニットの投光方向にある長さを決定する上、前記中心垂直線における前記ケーシング内の両端近くにある二点を前記参考点とすることができる。
【0014】
発光モジュールを設計・構成するために、前記第3工程は、前記両端点を二対とし、それぞれによりレンズの厚さを計算し、そして、第4工程は前記二対の両端点によって計算した厚さの中心点をそれぞれ取ってから連結し、前記中心線を求めることができる。
【0015】
そして、前記設計により、本発明は、その一側面に開口が開けてあるケーシングと、少なくとも一の発光素子からなり、且つ前記ケーシング内に前記開口と対面するように設置されている発光ユニットと、前記ケーシングの前記発光ユニットと前記開口との間に設置されていて前記発光ユニットの発光を屈折させ、その光学軸の方向を基準として所定の結像位置へ投光するレンズとを備えてなる発光モジュールにおいて、前記ケーシングの、前記発光ユニットの投光方向にある長さが前記発光ユニットと前記所定の結像位置との間の、総光路となる距離の半分より長くて、該総光路の中心垂直線が前記ケーシングの開口内にあり、また、前記レンズの厚さの中心線が前記中心垂直線と重なっている発光モジュールを提供する。
【0016】
前記中心垂直線と前記中心線の位置は、前記光学的アラインメント方法の対応部分により求められることができる。
【0017】
前記レンズは、その光学軸の周りの少なくとも一部からそれを支持している支持枠を介して前記ケーシング内に設置されているのが好ましい。
【0018】
本発明は、また、結像手段を有する光学機械に使用される発光モジュールであって、前記支持枠の、前記ケーシングの内壁に臨んでいる端面近くに前記ケーシングと連結になっている固定手段があり、この固定手段の所定位置が前記結像手段の結像位置と所定距離に設定されていてこの発光モジュールを前記光学機械に装入する際の参考点となる発光モジュールを提供する。
【0019】
前記支持枠は、その光学軸の周りから前記レンズを挟んでいる一対の壁面を有し、この一対の壁面のいずれにも前記レンズに外嵌となっている長溝が設けられているものが挙げられる。
【0020】
前記一対の壁面中の一つが支持枠に取外し可能に取り付けられているものが好ましい。
【0021】
前記ケーシングの、前記取外し可能な壁面と対応する面も、それに取外し可能に取り付けられているのが好ましい。
【0022】
前記発光素子として、発光ダイオードが使用されているのが好ましい。
【0023】
最後に、本発明は、前記発光ユニットを前記ケーシング内に前記開口と対面するように設置する発光ユニット設置工程と、前記レンズを、前記ケーシングの開口から、その厚さの中心線が前記総光路の中心垂直線と重なるように前記ケーシングの前記発光ユニットと前記開口との間に入れて固定するレンズ設置工程とを含む発光モジュールの組立て方法を提供し、特に前記結像手段を有する光学機械に使用される発光モジューを組み立てる場合、前記発光ユニットを前記ケーシング内に前記開口と対面するように設置する発光ユニット設置工程と、前記支持枠と前記固定手段とで、前記レンズを、前記ケーシングの開口から、その厚さの中心線が前記総光路の中心垂直線と重なるように前記ケーシングの前記発光ユニットと前記開口との間に入れて固定するレンズ設置工程とを含む組立て方法を提供する。
【0024】
また、前記結像手段を有する光学機械に使用される発光モジューを、該モジュールをその結像手段の光源として使用する光学機械に取り付ける際、前記固定手段の前記所定位置を前記結像手段の結像位置と前記所定距離を空けるようにすることが好ましい。
【0025】
前記固定手段の前記所定位置を参考点として前記光学的アラインメント方法の対応部分を行うこと、並びに、前記中心垂直線と前記中心線の位置、及び、それらが互いに重なることをもチェックし調整することが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、発光モジュールを簡単に設計・構成し、発光モジュールの組立て及び光学機械への取付けを容易に行わせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施形態に係る発光モジュールの分解斜視図である。図2は、図1の発光モジュールの組立て済みの断面図である。図3は、発光ユニットの発光が所定の結像位置IPへ投射する光路を示す模式図である。この発光モジュールは、一般のプリンタ、複写機などの光学機器に、結像手段の光源として使用されるものであって、主として、ケーシング2と、発光ユニット3と、レンズ4とを備えてなる。
【0029】
ケーシング2は、その一長方形の側面が開口20となっている長形箱体である。図中の座標におけるZ軸は、開口20を通してケーシング2の底面23と垂直になるとともに、組立済みの発光ユニット3とレンズ4の光学軸方向にもなる方向を表し、X軸はZ軸と垂直になるとともに、ケーシング2の長手方向にも沿う方向を表し、Y軸はZ軸とX軸と共に垂直になる上、ケーシング2の幅方向にも沿う方向を表す。
【0030】
発光ユニット3は、ケーシング2の底面23に、そのX軸方向に沿って複数個の発光ダイオードから排列してなる発光ダイオードアレイ31が前記底面23の中央位置になるように取り付けられている。
【0031】
ケーシング(2)内の開口20近くに支持枠21が設けられている。該支持枠21は、一対の壁面211、212からY軸方向に互いに合わさっていてその間に発光ダイオードアレイ31を見せる隙間210が形成されている。壁面211の、ケーシング2の底面23に臨んでいる両端面近くにケーシング2と連結になっている固定手段213、213があり、これらの固定手段213、213の所定位置が前記結像手段の結像位置IPと所定距離ZPRに設定されていてこの発光モジュールを前記光学機械に装入する際の参考点となる。
【0032】
この実施形態では、壁面212は支持枠21に取外し可能に取り付けられており、ケーシング2の、前記取外し可能な壁面212と対応する面22もケーシング2に取外し可能に取り付けられている。また、一対の壁面211、212のいずれの内面にもX軸の方向に沿う長溝214、215が互いに対応するように設けられている。
【0033】
レンズ4は、図3に示すように複数個の円柱形の屈折率分布型レンズ素子から排列してなるレンズアレイ41を有し、且つ発光ユニット3の発光を屈折させ、その光学軸の方向(Z軸方向)を基準として所定の結像位置IPへ投光するように、その光学軸の周りから一対の壁面211、212に挟まれていて長溝214、215に外嵌されている。
【0034】
レンズ4は、出射光の出射幅が入射光の入射幅と同じものである上、それが、発光ユニット3からレンズ4の入射面までの入射光の物体距離Lと、レンズ4の出射面から所定の結像位置IPまでの出射光の像面距離L′とが等しいように配置されている。
【0035】
即ち、レンズ4の光学軸の方向にある厚さをZとすると、発光ユニット3と所定の結像位置IPとの間の、総光路TCとなる距離は、L+L′+Zになり、つまりTC=2L+Zである。
【0036】
また、前記の構成においては、ケーシング2の、発光ユニット3の投光方向(Z軸方向)にある長さが発光ユニット3と所定の結像位置IPとの間の、総光路TCとなる距離の半分より長くて、該総光路TCの中心垂直線がケーシング2の開口20内にあり、また、レンズ4の厚さの中心線が前記中心垂直線と重なっている。
【0037】
光学機械の解像度、即ちその発光ユニットの発光が所定の結像位置へ良好に投射するかどうかの評価指標として、通常、変調伝達関数(Modulation Transfer Function;MTF(%))が使用されている。MTFが高ければ高いほど、光学機械の解像度が良くなる。
【0038】
図4A、4B、5A、5B、6A、6Bを参照すると、MTFの特性が一層分かる。即ち、図4A、4Bに示すようにレンズ4と結像位置IPとの間の相対位置が変わると、または図5A、5Bに示すようにレンズ4と発光ユニット3との間の相対位置が変わると、MTFが急に低減してしまうため、従来のアクティブ・アラインメントの方法において、人力で試行錯誤を重ねてレンズに対する6方向に沿う位置調整を行う作業が僅かな不注意でMTFに悪い影響を及ぼす可能性が大である。ただし、この実施形態のように、レンズ4の厚さの中心線が総光路TCの中心垂直線と重なると、図6A、6Bに示すように、総光路TCの所定程度の変化にもかかわらず、そのMTFが良い値に安定的に確保される。
【0039】
次に、前記発光モジュールを設計・構成するための光学的アラインメント方法の一例について説明する。図7は、前記発光モジュールの光学的アラインメント方法の流れを示すフローチャートである。図8は、前記発光モジュールの組立て済みの縦断面図である。図9は、Z軸方向から見た前記発光モジュールの部分分解斜視図である。
【0040】
図7〜図9を参照しつつ、該光学的アラインメント方法の工程を説明する。
【0041】
まず、発光ダイオードアレイと所定の結像位置との間の総光路を求める(ステップS1)。
【0042】
詳細には、発光ユニット3の発光ダイオードアレイ31に2光点を取ってから、所定の結像位置IPに照らして前記光点と該所定の結像位置IPとの間の距離を求めて総光路TCとする。
【0043】
もっと詳細には、発光ユニット3と所定の結像位置IPとの間に所定の結像位置IPと所定距離ZPRを有する固定手段213、213の端点213A、213Aを参考点と決定し、そして電荷結合素子(CCD・不図示)で前記2光点と前記参考点とを取ってから、前記2光点からの2の総光路TCを計算する。
【0044】
次に、前記距離中の中心垂直線を求める(ステップS2)。
【0045】
詳細には、前記2の総光路TCの半分の所にある点をそれぞれ取って連結し、前記距離中の中心垂直線L1を求める。
【0046】
本実施形態の発光モジュールは、設計時に、すでに、中心垂直線L1がケーシング2内にあるように、ケーシング2の、発光ユニット3の投光方向(Z軸方向)にある長さを決定する上、中心垂直線L1におけるケーシング2内の両端近くにある固定手段213、213の端点213A、213Aを前記参考点とした。
【0047】
そして、レンズの厚さを決定する(ステップS3)。
【0048】
詳細には、レンズ4の光学軸方向における両端点42、43を求めて厚さZを決定する。
【0049】
もっと詳細には、電荷結合素子でそれぞれレンズ4の光学軸方向と垂直になる方向にある両端にそれぞれその両側の光学軸方向にある二対の両端点42、43を取ってから、レンズ4のそれぞれの両端点42、43の間にある2の厚さZを計算する。
【0050】
更に、レンズの中心線を求める(ステップS4)。
【0051】
詳細には、二対の両端点42、43によって計算した厚さの中心点をそれぞれ取ってから連結し、中心線L2を求める。
【0052】
もっと詳細には、レンズ4の前記2の厚さZの半分の所にある点を取って連結し、前記光学軸方向と垂直になる中心線L2を求める。
【0053】
それから、中心線と中心垂直線とを合わせてレンズを設置する(ステップS5)。
【0054】
詳細には、中心線L2と中心垂直線L1とを合わせて発光ユニット3と所定の結像位置IPとの間にレンズ4を設置する。
【0055】
前記実施形態の発光モジュールでは、中心垂直線L1がケーシング2内にあるので、このステップ5では、レンズ4は、実際に、ケーシング2内に入れる。また、この時、中心線L2と中心垂直線L1とが同一になるので、レンズ4の光学軸方向も図中のZ軸方向と同一になる。
【0056】
以下、前記発光モジュールを組み立てる方法を説明する。
【0057】
図10及び図11もZ軸方向から見た前記発光モジュールの部分分解斜視図であり、図9に加えて発光モジュールを組み立てる過程を示す説明図である。
【0058】
まず、発光ユニット3の発光ダイオードアレイ31をケーシング2内に開口20、特にその中心位置と対面するように底面23に設置する。
【0059】
次に、支持枠21と固定手段213、213とで、レンズ4を、一般のピックアンドプレース装置により、ケーシング2の開口20から、その厚さZの中心線L2が総光路TCの中心垂直線L1と重なるようにケーシング2の発光ユニット3と開口20との間に入れて固定する。
【0060】
そして、順に支持枠21に壁面212を、更にケーシング2にその取外し可能な面22を取付けて発光モジュールを組み立て終える。
【0061】
その上、この発光モジュールをその結像手段の光源として使用する光学機械に取り付ける際、固定手段213、213の端点213A、213Aを前記結像手段の結像位置IPと所定距離ZPRを空けるようにする。
【0062】
続いて中心垂直線L1と中心線L2の位置、及び、それらが互いに重なること、をもチェックし調整する。
【0063】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定して狭義に解釈されるものではなく、本発明の思想の範囲内において種々の変形や変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
叙上のように、本発明の光学的アラインメント方法により、発光モジュールを簡単に設計・構成し、発光モジュールの組立て及び光学機械への取付けを容易に行わせることができるので、設備コストを低く抑える上、自動化を可能とした。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施形態に係る発光モジュールの分解斜視図。
【図2】図1の発光モジュールの組立て済みの断面図。
【図3】発光ユニットの発光が所定の結像位置IPへ投射する光路を示す模式図。
【図4A】レンズと結像位置との一関係を示す図。
【図4B】図4Aの場合のMTFの特性を示すグラフ。
【図5A】レンズと結像位置との他の関係を示す図。
【図5B】図5Aの場合のMTFの特性を示すグラフ。
【図6A】本実施形態におけるレンズと結像位置との関係を示す図。
【図6B】図6Aの場合のMTFの特性を示すグラフ。
【図7】発光モジュールの光学的アラインメント方法の流れを示すフローチャート。
【図8】発光モジュールの組立て後の縦断面図である。
【図9】Z軸方向から見た発光モジュールの部分分解斜視図。
【図10】Z軸方向から見た発光モジュールの部分分解斜視図。
【図11】Z軸方向から見た発光モジュールの部分分解斜視図。
【図12】従来の発光モジュールの分解斜視図。
【図13】従来の発光モジュールの組立て後の断面図。
【符号の説明】
【0066】
2 ケーシング
20 開口
21 支持枠
210 隙間
211、212 壁面
213 固定手段
213A (固定手段の)端点
214、215 長溝
22 ケーシングの取外し可能な面
23 底面
3 発光ユニット
31 発光ダイオードアレイ
4 レンズ
41 レンズアレイ
42、43 (レンズの)端点
IP 結像位

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光モジュールを、そのケーシング内の所定位置にある発光ユニットの発光をレンズにより屈折させて所定の方向に投光するようにさせる光学的アラインメント方法であって、
前記発光ユニットの発光素子に光点を取ってから、所定の結像位置に照らして前記光点と前記所定の結像位置との間の距離を求めて総光路とする第1工程と、
前記総光路の半分を取って前記距離中の中心垂直線を求める第2工程と、
前記レンズの光学軸方向における両端点を求めて厚さを決定する第3工程と、
前記レンズに前記厚さの半分を取って前記光学軸方向と垂直になる中心線を求める第4工程と、
前記中心線と前記中心垂直線とを合わせて前記発光ユニットと前記所定の結像位置との間に前記レンズを設置する第5工程とを備えることを特徴とする、発光モジュールの光学的アラインメント方法。
【請求項2】
前記第1工程は、まず前記発光ユニットと前記所定の結像位置との間に前記所定の結像位置と所定距離を有する参考点を決定し、そして電荷結合素子で前記光点と前記参考点とを取ってから、総光路を計算することを特徴とする請求項1に記載の発光モジュールの光学的アラインメント方法。
【請求項3】
前記第3工程は、電荷結合素子で前記両端点を取ってから、レンズの厚さを計算することを特徴とする請求項1に記載の発光モジュールの光学的アラインメント方法。
【請求項4】
前記中心垂直線が前記ケーシング内にあるように、前記ケーシングの、前記発光ユニットの投光方向にある長さを決定する際に、前記中心垂直線における前記ケーシング内の両端近くにある二点を前記参考点とすることを特徴とする請求項2に記載の発光モジュールの光学的アラインメント方法。
【請求項5】
前記第3工程は、前記両端点を二対とし、それぞれによりレンズの厚さを計算し、そして、前記第4工程は、前記二対の両端点によって計算した厚さの中心点をそれぞれ取ってから連結し、前記中心線を求めることを特徴とする請求項3に記載の発光モジュールの光学的アラインメント方法。
【請求項6】
その一側面に開口が開けてあるケーシングと、
少なくとも一の発光素子からなり、且つ前記ケーシング内に前記開口と対面するように設置されている発光ユニットと、
前記ケーシングの前記発光ユニットと前記開口との間に設置されていて前記発光ユニットの発光を屈折させ、その光学軸の方向を基準として所定の結像位置へ投光するレンズとを備えてなる発光モジュールにおいて、
前記ケーシングの、前記発光ユニットの投光方向にある長さが前記発光ユニットと前記所定の結像位置との間の、総光路となる距離の半分より長くて、該総光路の中心垂直線が前記ケーシングの前記開口内にあり、
また、前記レンズの厚さの中心線が前記中心垂直線と重なっていることを特徴とする発光モジュール。
【請求項7】
前記中心垂直線と前記中心線の位置が請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学的アラインメント方法により求められたことを特徴とする請求項6に記載の発光モジュール。
【請求項8】
前記レンズは、その光学軸の周りの少なくとも一部からそれを支持している支持枠を介して前記ケーシング内に設置されていることを特徴とする請求項6に記載の発光モジュール。
【請求項9】
結像手段を有する光学機械に使用される発光モジュールであって、前記支持枠の、前記ケーシングの内壁に臨んでいる端面近くに前記ケーシングと連結になっている固定手段があり、この固定手段の所定位置が前記結像手段の結像位置と所定距離に設定されていてこの発光モジュールを前記光学機械に装入する際の参考点となることを特徴とする請求項8に記載の発光モジュール。
【請求項10】
前記支持枠は、その光学軸の周りから前記レンズを挟んでいる一対の壁面を有し、この一対の壁面のいずれにも前記レンズに外嵌となっている長溝が設けられていることを特徴とする請求項8に記載の発光モジュール。
【請求項11】
前記一対の壁面中の一つが前記支持枠に取外し可能に取り付けられていることを特徴とする請求項10に記載の発光モジュール。
【請求項12】
前記ケーシングの、前記取外し可能な壁面と対応する面も、それに取外し可能に取り付けられていることを特徴とする請求項11に記載の発光モジュール。
【請求項13】
前記発光素子として、発光ダイオードが使用されていることを特徴とする請求項6に記載の発光モジュール。
【請求項14】
請求項6、7、8、10、11、12、13のいずれか一項に記載の発光モジュールを組み立てる方法であって、
前記発光ユニットを前記ケーシング内に前記開口と対面するように設置する発光ユニット設置工程と、
前記レンズを、前記ケーシングの前記開口から、その厚さの中心線が前記総光路の中心垂直線と重なるように前記ケーシングの前記発光ユニットと前記開口との間に入れて固定するレンズ設置工程とを含むことを特徴とする発光モジュールを組立て方法。
【請求項15】
請求項9に記載の発光モジュールを組み立てる方法であって、
前記発光ユニットを前記ケーシング内に前記開口と対面するように設置する発光ユニット設置工程と、
前記支持枠と前記固定手段とで、前記レンズを、前記ケーシングの前記開口から、その厚さの中心線が前記総光路の中心垂直線と重なるように前記ケーシングの前記発光ユニットと前記開口との間に入れて固定するレンズ設置工程とを含むことを特徴とする発光モジュールを組立て方法。
【請求項16】
請求項9に記載の発光モジュールを、該発光モジュールをその結像手段の光源として使用する光学機械に取り付ける際、前記固定手段の前記所定位置を前記結像手段の結像位置と前記所定距離を空けるようにすることを特徴とする、発光モジュールの光学機械への取り付け方法。
【請求項17】
前記固定手段の前記所定位置を参考点として請求項2に記載の光学的アラインメント方法を行うことを特徴とする、請求項16に記載の、発光モジュールの光学機械への取り付け方法。
【請求項18】
前記中心垂直線と前記中心線の位置、及び、それらが互いに重なること、をもチェックし調整することを特徴とする、請求項17に記載の発光モジュールの取り付け方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−145953(P2012−145953A)
【公開日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−41194(P2012−41194)
【出願日】平成24年2月28日(2012.2.28)
【分割の表示】特願2007−220103(P2007−220103)の分割
【原出願日】平成19年8月27日(2007.8.27)
【出願人】(511019465)環旭電子股▲分▼有限公司 (1)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSAL SCIENTIFIC INDUSTRIAL(SHANGHAI)CO.,LTD
【出願人】(511019487)環鴻科技股▲分▼有限公司 (4)
【氏名又は名称原語表記】UNIVERSAL GLOBAL SCIENTIFIC INDUSTRIAL CO.,LTD
【Fターム(参考)】