説明

発光モジュール及び照明装置

【課題】EL素子を用いた発光モジュールにおいて、発光部から基板内に導光された光を正面方向へ取り出すことにより、光利用効率を向上させる。
【解決手段】発光モジュール3は、透光性を有する基板21上に発光部22が形成された平面状の発光パネル2を備える。発光パネル2は、基板21上において発光部22よりも外方に導出された電極パッド23a,23bと、発光部22の側端部から電極パッド23a,23bを被覆するように設けられた封止樹脂部材7と、を有する。封止樹脂部材7は、透光性又は光反射性を有する。この構成によれば、発光部22から基板21に導光された光の一部が封止樹脂部材7に入射し、封止樹脂部材7の非発光面側の面で全反射される、又は基板21と封止樹脂部材7との界面で反射されて、基板21から発光モジュール3の正面方向に出射されるので、光利用効率を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源にEL素子を用いた発光モジュール及びそれを用いた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機EL素子は、低電圧で高輝度の発光が可能であり、有機化合物の種類によって様々な発光色が得られ、また、平面状の発光パネルとしての製造が容易である。そのため、近年、有機EL素子を用いた発光パネルを備えた発光モジュールが注目されている。
【0003】
この種の発光モジュールを図10に示す。発光モジュール103は、透光性を有する基板121上に透明電極121aを介して発光部122が形成された発光パネル102と、この発光パネル102に給電するための配線基板106と、を備える(例えば、特許文献1参照)。発光パネル102は、発光部122から透明電極122aを介して導出された電極パッド123と、発光部122を封止する封止缶124と、を有する。配線基板106は、接着テープ等の固定部109によって発光パネル102に固定される。発光パネル102は、電極パッド123と配線基板106上に設けられた電極パッド162とがボンディングワイヤ(以下、ワイヤ108)によって結線されることによって配線基板106と電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−200627号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記のような発光モジュール103においては、発光部122から出射された一部の光Lが、基板121を透過することなく、基板121内に導光される。この基板121内に導光された光Lは、側方方向へ導光されて基板121の側端部や発光モジュール103の非発光方向に出射され、有効光として利用されない。その結果、発光モジュール103の正面方向へ出射される光が少なくなり、光利用効率が悪くなる。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、発光部から基板内に導光された光を正面方向へ取り出すことにより、光利用効率を向上させることができる発光モジュール及びそれを用いた照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発光モジュールは、透光性を有する基板上に発光部が形成された平面状の発光パネルを備えた発光モジュールであって、前記発光パネルは、前記基板上において前記発光部よりも外方に導出されて該発光部に電気的に接続される電極パッドと、前記発光部の側端部から前記電極パッドを被覆するように設けられた封止部材と、を有し、前記封止部材は、透光性又は光反射性を有することを特徴とする。
【0008】
上記発光モジュールにおいて、前記発光パネルの非発光面側を覆うケースを更に備え、前記ケースは、前記封止部材と対向する面が光反射性を有することが好ましい。
【0009】
上記発光モジュールにおいて、前記封止部材は、光散乱性を有する材料を含有することが好ましい。
【0010】
この発光モジュールにおいて、前記封止部材は、略白色の材料から形成されていることが好ましい。
【0011】
この発光モジュールにおいて、前記基板における前記発光部よりも外方に位置する面に、前記発光部から出射されて前記基板内に導光された光を拡散させる層が設けられていることが好ましい。
【0012】
上記発光モジュールは照明装置に用いられることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、発光部から基板に導光された光の一部が封止部材に入射し、封止部材の非発光面側の面で全反射される、又は基板と封止部材との界面で反射されて、基板から発光モジュールの正面方向に出射されるので、光利用効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施形態に係る発光モジュールを用いた照明装置の分解斜視図。
【図2】同発光モジュールの発光パネル及び回路基板の斜視図。
【図3】同発光モジュールの発光パネル及び回路基板の正面図。
【図4】同発光モジュールの発光パネル及び回路基板の一部拡大斜視図。
【図5】図3のA−A線側断面図。
【図6】図3のB−B線側断面図。
【図7】上記実施形態の変形例に係る発光モジュールの側断面図。
【図8】上記実施形態の別の変形例に係る発光モジュールの側断面図。
【図9】上記実施形態の更に別の変形例に係る発光モジュールの側断面図。
【図10】従来の発光モジュールの側断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明の一実施形態に係る発光モジュール及びこの発光モジュールを用いた照明装置について、図1乃至図6を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態の照明装置1は、有機EL素子を用いた平面状の発光パネル2を有する発光モジュール3(光源部)と、この発光モジュール3と着脱自在となるように構成された装着部4と、を備える。装着部4は取付面4aを介して天井や壁に取り付けられ、発光モジュール3は、この装着部4に装着されて居住空間等に対して光を照射する。
【0016】
発光モジュール3は、発光パネル2の発光面側(図1の下方向)に設けられて光を出射する透光性を有するカバー51と、発光パネル2の非発光面側(図1の上方向)に設けられてカバー51を保持するケース52と、を備える。これらカバー51及びケース52はパッケージ5を構成する。このパッケージ5に、発光パネル2と、発光パネル2の非発光面側に載置されて発光パネル2に給電するための配線基板6とが収納される。装着部4は、発光パネル2を点灯制御するための回路基板41と、この回路基板41を収容するハウジング42と、を備える。
【0017】
発光パネル2は、図2乃至図4に示すように、透光性を有する矩形状の基板21と、この基板21上に、所定形状にパターニングされた透明電極(不図示)を介して、発光機能を有する発光層、光反射性を有する陰極を順に積層した発光部22と、を有する。これら基板、透明電極(陽極)、発光層、陰極には、有機EL素子の製造において汎用される材料が適宜に用いられる。
【0018】
また、基板21上には、配線基板6が設けられる面であって、配線基板6よりも外方の位置に、複数の発光パネル側電極パッド23a,23bが形成されている。発光パネル側電極パッド23a,23bは、基板21の両端部に沿って夫々複数形成され、透明電極22a(後述する図5参照)等を介して発光部22と電気的に接続され、陽極に相当するパッド23a及び陰極に相当するパッド23bが交互に並ぶように配置される。このように、複数の発光パネル側電極パッド23a,23bを発光部22の周囲に分散して配置することにより、発光部22に流れる電流を均一化し、発光部22の面発光輝度を均一化することができる。発光部22は、水分や酸素等から有機材料を含む発光部22の発光層等を保護する封止缶24(後述する図5も参照)に覆われている。この封止缶24は、発光部22の陰極側の外形に対応した箱状となるように、ガラス等の透光性を有する材料から形成されている。また、発光パネル側電極パッド23a,23bは、封止樹脂部材7によって被覆されている。
【0019】
配線基板6には、難燃性及び低導電率を両立した基材が中央が開口した枠型状になるように形成された部材が用いられる。この基材には、ガラス繊維布にエポキシ樹脂等を含侵させて硬化させたガラス繊維板、例えば、FR−4等が用いられる。配線基板6には、ケース52(図1参照)と対向する面に、配線基板6と装着部4の回路基板41とを電気的に接続する端子部61が設けられている。端子部61は、配線基板6に接合される固定部61a及びこの固定部61aから立設された平刃型の接触部61bから構成される。この接触部61bが、ケース52に形成された溝部53(上記図1参照)を通して、装着部4側に露出する。本例においては、一対の端子部61が、配線基板6の一方の端部に設けられている。
【0020】
また、配線基板6上には、上面視において発光パネル側電極パッド23a,23bと近接する位置に形成された複数の配線基板側電極パッド62a,62bが形成されている。更に、配線基板6には、端子部61と電気的に接続された陽極線及び陰極線(不図示)が形成されている。これら電極線が絶縁材料によって被覆されると共に、発光パネル2と対向する面とは反対側の面において、それらの一部が露出して配線基板側電極パッド62a,62bと接続される。配線基板側電極パッド62a,62bは、発光パネル2の陽極及び陰極に夫々電気的に接続された発光パネル側電極パッド23a,23bと夫々導電性を有するボンディングワイヤ(以下、ワイヤ8)によって結線される。発光パネル2と配線基板6とは、耐熱性、耐湿性及び応力緩和性に優れる芯材入りのアクリル系両面接着テープ等の固定部9(後述する図5も参照)によって接着固定される。
【0021】
発光モジュール3のパッケージ5(カバー51及びケース52)及び装着部4の構成について、上述した図1を参照して説明する。カバー51は、ケース52側の面が開口した箱状に形成されており、発光パネル2からの光を出射する光出射面51aと、この光出射面51aの外周縁から立設されて発光パネル2の外周面を覆う側壁51bと、を有する。側壁51bは、その内周面が、発光パネル2の外周面に適合するように形成されている。こうすれば、カバー51に発光パネル2を嵌め込むだけで、発光パネル2及び配線基板6の位置決めを容易に行なうことができる。カバー51の側壁51bは、その外周面にカバー51をケース52に係合させるための複数の嵌合爪51cを有する。これら嵌合爪51cは、光出射面51aの外周方向に突出するように形成され、側壁51bの外周面に所定間隔で設けられている。カバー51の構成材料としては、例えば、透明なABS樹脂やアクリル樹脂、ポリスチレン樹脂等のプラスチック材料等が用いられる。
【0022】
ケース52は、カバー51側の面(裏面側)が開口した箱形状に形成されている。また、ケース52は、凹形状の主面52aと、この主面52aの外周縁から立設されてカバー51の側壁51bの外周を覆う側壁52bと、を有する。側壁52bは、その内周面にカバー51の嵌合爪51cが嵌合される複数の嵌合溝(不図示)を有する。これら嵌合溝は、側壁52bにおいて嵌合爪51cに対応する位置に設けられている。
【0023】
また、ケース52は、その表面側の周部が装着部4側に凸状となるように形成され、凸状となった部分の裏面側において配線基板6を収容する凹状の配線基板収容部54を有する。この配線基板収容部54は、配線基板6に対応する枠状に形成されている。また、ケース52は、その非発光面側の一端部に一対の係合部55を有する。係合部55は、装着部4の発光モジュール3が装着される装着面4bに設けられた被係合部(不図示)と係合する。係合部55は先端が外側に向いたフック形状に形成され、装着部4の被係合部は係合部55に対応した形状に形成されている。係合部55が被係合部に係合された状態で、発光モジュール3は装着部4に対して回動自在とされる。また、ケース52は、主面52aのうち係合部55が設けられている一端部とは他方側の端部に保持部56を有する。保持部56は、装着部4の装着面4aに設けられている被保持部43に保持される。保持部56は係合部55と同様に先端が外側に向いたフック形状に形成され、被保持部43は保持部56に対応した形状に形成されている。これら保持部56及び被保持部43は、発光モジュール3を装着部4へ装着した状態で保持する。つまり、発光モジュール3は、係合部55を装着部4の被係合部に係止させ、この係止された端部を軸として、他方側の端部を回動させ、保持部56を被保持部43に係止させることで、装着部4に装着される。
【0024】
ケース52の構成材料には、カバー51の構成材料と同様のものの他、表面に絶縁処理が施されたアルミニウム等の金属材料等の透明性がない材料が用いられてもよく、側壁6bが僅かに撓むように所定の弾性を有する材料が好適に用いられる。なお、ケース52の主面52aと側壁52bとを接続する角部は、図例のように、一部面取りされていることが好ましい。こうすれば、発光モジュール3の外観をスリム化することができる。
【0025】
装着部4は、上述した回路基板41及びハウジング42に加え、端子部61(図2参照)と回路基板41とを電気的に接続する一対の端子受部44を備える。ハウジング42は、発光モジュール3側に凸状に形成されて、回路基板41を収容する凹状の回路基板収容部45を有する。また、ハウジング42には、端子部61を挿通させる貫通溝46が設けられている。なお、回路基板41上には、回路基板41を保護するための保護部材47が載置される。回路基板41には、配線基板6と同様の基材が用いられ、矩形状に形成された基材の発光モジュール3側の面に、発光パネル2を点灯駆動するための駆動ドライバ等の各種素子(不図示)が実装される。また、回路基板41には、端子受部44との接合部及び外部給電用端子48が設けられ、これら接合部、外部給電用端子48及び駆動ドライバ等が回路基板41に設けられた配線パターンによって電気的に接続される。端子受部44は、所定形状に屈曲した一対の略L字形状の金属片であり、一方の端部が回路基板41に固定され、他方の端部が発光モジュール3側へ立設されて接触部を成し、この接触部がクリップ状に形成されて、貫通溝46を挿通した端子部61を挟持する。これにより、端子受部44と端子部61との電気的な接続がなされる。
【0026】
次に、発光パネル2及び配線基板6の接合構造について、上述した図4に加えて、図5及び図6を参照して説明する。図5は、配線基板側電極パッド62a及びワイヤ8が設けられた位置(図4のA−A線)における側断面を、図6は、配線基板側電極パッド62a及びワイヤ8が設けられていない位置(図4のB−B線)における側断面を示す。なお、図5は、陽極に相当する各電極パッド23a,62aを通る断面を示している。一方、陰極に相当する各電極パッド23b,62bを通る断面は、発光部22から発光パネル側電極パッド23bへの電極取り出し構造が異なるが、各電極パッド23b,62bの接合構造は、陽極側の接合構造と同様であり、図示を省略した。また、図5及び図6では便宜上カバー51の図示を、図6では発光部22の透明電極22aの図示を省略している。これらの省略は、後述する変形例の図示においても同様である。配線基板6は、封止缶24上に接着テープ等の固定部9によって接着固定されている。固定部9は、配線基板6の封止缶24と対向する面において、配線基板側電極パッド62a,62bが形成された箇所の直下位置に設けられている。この固定部9は、配線基板側電極パッド62a,62bの夫々に対応するように点状に配されていてもよいし、各配線基板側電極パッド62a,62bに沿う線状に配されていてもよい(図3も参照)。発光パネル2と配線基板6が固定された状態で、配線基板側電極パッド62a,62bと発光パネル側電極パッド23a,23bとがワイヤ8により結線される。
【0027】
ワイヤ8は、各パッド間に複数本(図例では3本)結線されることが望ましい。こうすれば、いずれかのワイヤ8が断線した場合でも、他のものが断線されなければ、各パッド間の電気的接続は切断されないので、発光部22を均一に発光させることができる。ワイヤ8には、例えば、純アルミニウム線が用いられる。この純アルミニウム線は、超音波接合により、常温かつ短時間で、各電極端子を構成する導電層とを接合することができる。ワイヤ8の径は、発光パネル2の消費電流や材質等を考慮して決定される。例えば、消費電流が1Aである場合、安全率50%を考慮に入れて、溶断電流が2Aの100μm線径以上のワイヤのが用いられる。なお、アルミニウムの他に、銅や金のワイヤも用いてもよい。
【0028】
ワイヤ8のボンディングが完了した後、発光部22を封止する封止缶24の側端部から発光パネル側電極パッド23a,23bを被覆するように封止樹脂部材7が設けられる。この封止樹脂部材7には、透光性を有する樹脂材料、例えば、シリコーン樹脂やエポキシ樹脂等が用いられる。上記樹脂材料に、基板21を構成する材料と同等の屈折率又は基板21よりも高い屈折率を有する材料を用いれば、基板21と封止樹脂部材7との界面における全反射を抑制することができる。封止樹脂部材7は、これらの樹脂材料が、封止缶24の側端部から発光パネル側電極パッド23a,23bを被覆するように、ディスペンサ等によって塗布されることにより形成される。つまり、発光パネル側電極パッド23a,23bは、接合されたワイヤ8の接合端部と共に封止樹脂部材7によって被覆されている。このとき、封止樹脂部材7は、樹脂材料を塗布した際に、封止缶24の側端部側及びワイヤ8の近傍において流動性が低くなるので、これらの近傍において厚みが厚くなり、基板21の周縁側へ向かうほど、厚みが薄くなる。そのため、封止樹脂部材7のケース52に対向する面は、周縁方向に傾斜する斜面となる。
【0029】
この構成によれば、図6に示すように、発光部22から基板21に導光された光の一部、例えば、光L1は、封止樹脂部材7に入射し、封止樹脂部材7がケース52と向かい合う界面において全反射される。そして、全反射された光L1は、基板21を透過して、基板21から発光モジュール3の光照射(正面)方向に出射される。また、基板21から封止缶24に入射した光L2も、封止缶24の側端部から封止樹脂部材7に入射し、上記界面において全反射されて、基板21から出射される。
【0030】
また、ケース52は、封止樹脂部材7と対向する面が光反射性を有するように構成されている。例えば、封止樹脂部材7と対向する面に白色塗料等の光を反射しやすい材料が塗布される、又は反射性の高い金属薄膜が形成される。この構成によれば、封止樹脂部材7に入射し、上記界面に対する入射角が小さい光L3は、全反射されることなく、封止樹脂部材7を透過するが、ケース52で反射されて、封止樹脂部材7及び基板21を透過して、発光モジュール3の正面方向に出射される。しかも、ケース52は、端部側が傾斜するように形成されているので、封止樹脂部材7を透過した光L3を効果的に反射することができる。また、発光部22から側方方向へ出射されて、基板21に入射することなく、封止缶24に入射した光L4も、封止樹脂部材7に入射して、発光モジュール3の正面方向へ出射させることができる。このように、発光モジュール3によれば、発光部22から基板21内に導光された光を正面方向へ取り出すことにより、光利用効率を向上させることができる。また、封止樹脂部材7を設けたことにより、発光部22への水分や酸素等の浸入を防止すると共に、発光パネル側電極パッド23a,23bとワイヤ8との接合箇所を保護することができる。
【0031】
上記実施形態の変形例に係る発光モジュール3について、図7を参照して説明する。この変形例に係る発光モジュール3においては、封止樹脂部材7に光散乱性を有する材料71が含有されている。この光散乱性を有する材料71としては、例えば、酸化チタン等の光散乱性粒子が用いられる。この構成によれば、封止樹脂部材7に入射した光L5は、光散乱性を有する材料71によって拡散されて発光モジュール3の正面方向へ出射する。また、光散乱性を有する材料71によって拡散された光のうち、非発光面方向へ向かう光は、封止樹脂部材7がケース52と向かい合う界面で全反射され、又はケース52で反射されて、発光モジュール3の正面方向へ取り出される。そのため、この変形例においても、上記実施形態同様に、発光部22から基板21内に導光された光を正面方向へ取り出すことにより、光利用効率を向上させることができる。
【0032】
上記実施形態の別の変形例に係る発光モジュール3について、図8を参照して説明する。この変形例に係る発光モジュール3においては、封止樹脂部材7’が略白色材料から形成されている。この構成によれば、発光部22から基板21に導光された光の一部、例えば、光L6は、基板21と封止樹脂部材7’との界面において反射され、発光モジュール3の正面方向へ出射される。また、封止樹脂部材7’からケース52側へ出射されて喪失する光が少なくなるので、光利用効率を高めることができる。
【0033】
上記実施形態の更に別の変形例に係る発光モジュール3について、図9を参照して説明する。この変形例に係る発光モジュール3においては、基板21における封止缶24(発光部22)よりも外方に位置する面に、発光部22から出射されて基板21内に導光された光を拡散させる拡散層21aが設けられている。また、封止樹脂部材7’は、上記変形例と同様、略白色材料から形成されている。拡散層21aは、基板21上に反射材を印刷する、又は基板21にミゾ加工やマイクロプリズム加工を施す等によって形成される。この構成によれば、拡散層21aによって、発光部22から基板21に入射し、基板21内を全反射しながら導光される光L7の全反射を抑制すると共に、この光L7を略白色の封止樹脂部材7’で反射することにより、正面方向へ取り出すことができる。
【0034】
本発明は上記実施形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変更が可能である。例えば、配線基板側電極パッド62a,62bが、ワイヤ8が接合された状態でこれらを保護するための樹脂部材によって被覆されていてもよい。また、この樹脂部材は、上述した発光パネル側電極パッド23a,23bを被覆する封止樹脂部材7と一体的に形成されていてもよい。また、配線基板側電極パッド62a,62bを被覆する封止樹脂は、その高さがアーチ状に結線されたワイヤ8の頂頭部よりも低くなるように形成されることが望ましい。こうすれば、発光パネル2の厚みが増すことなく、発光モジュール3をスリム化することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 照明装置
2 発光パネル
21 基板
21a 光拡散層(光を拡散させる層)
22 発光部
23a 発光パネル側電極パッド(電極パッド)
23b 発光パネル側電極パッド(電極パッド)
3 発光モジュール
52 ケース
7 封止樹脂部材(封止部材)
7’ 封止樹脂部材(封止部材)
71 光拡散性を有する材料

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透光性を有する基板上に発光部が形成された平面状の発光パネルを備えた発光モジュールであって、
前記発光パネルは、前記基板上において前記発光部よりも外方に導出されて該発光部に電気的に接続される電極パッドと、前記発光部の側端部から前記電極パッドを被覆するように設けられた封止部材と、を有し、
前記封止部材は、透光性又は光反射性を有することを特徴とする発光モジュール。
【請求項2】
前記発光パネルの非発光面側を覆うケースを更に備え、
前記ケースは、前記封止部材と対向する面が光反射性を有することを特徴とする請求項1に記載の発光モジュール。
【請求項3】
前記封止部材は、光散乱性を有する材料を含有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光モジュール。
【請求項4】
前記封止部材は、略白色の材料から形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の発光モジュール。
【請求項5】
前記基板における前記発光部よりも外方に位置する面に、前記発光部から出射されて前記基板内に導光された光を拡散させる層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の発光モジュール。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の発光モジュールを用いた照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−69574(P2013−69574A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−208014(P2011−208014)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】