説明

発光モジュール

【課題】発光素子チップが設けられた基板を簡単に取付可能であり、発光素子チップの放出光を遮光せず発光品位が高く、小型かつ低コストな発光モジュールを提供する。
【解決手段】発光モジュール10は、矩形状の絶縁基板11a上に搭載された複数個のLEDチップ11eと、LEDチップ11eを封止する透明な封止体11dと、絶縁基板11a上の対角部分に配置形成され、LEDチップ11eに接続された外部電極11f,11gと、絶縁基板11aを保持する保持基板14と、絶縁基板11aの角を共有する二辺にそれぞれ交差し、両端部が保持基板14に接続固定された保持接触端子12と、保持接触端子12から下向きに突出し、外部電極11f,11gに接触して電気的に接続される凸部12aとを備え、保持接触端子12における絶縁基板11a上から最も高い部分が、封止体11dにおける絶縁基板11a上から最も高い部分よりも低く形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、絶縁基板上に、複数個の発光素子が配線パターンに電気的に接続された状態で搭載されて封止体で封止された発光部と、絶縁基板の角部分に配置形成された外部電極(正電極外部接続ランド、負電極外部接続ランド)と、配線パターンと外部電極を接続する外部引き出し配線パターンとを備え、外部電極に外部接続配線が接続された発光装置が開示されている。
【0003】
特許文献2には、LEDが片面に実装された基板の当該面に給電端子を有する着脱可能なLED照明光源と、基板のうちLEDが実装されていない基板裏面と接触する熱伝導部材と、基板裏面と熱伝導部材とを押圧しながら給電端子に接続されるコネクタとを備えたLED照明装置が開示されている。
【0004】
特許文献3には、絶縁基板の表面に形成された導体パターンからなるプリント基板と当該プリント基板の第1の主面に実装された発光素子を有し、照明器具の取付面にプリント基板の第2の主面が接触状態で取り付けられる発光モジュールであって、ばね性を有する導電板からなる一対の給電端子を備え、給電端子の各々は、照明器具に固定される第1の端部と導体パターンの一部で構成される給電ランドに電気的に接続される第2の端部とを有し、第1の端部が照明器具に固定された状態で、少なくとも当該第1の端部から第2の端部に至る給電端子部分が弾性変形し、その復元力で、第2の端部がプリント基板の厚み方向に当該プリント基板を取付面に押圧する発光モジュールが開示されている。
尚、給電端子の第2の端部は、銀ろう等によって給電ランドに接合されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−227412号公報
【特許文献2】特許第3989794号公報
【特許文献3】特開2010−278127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の技術において、外部電極と外部接続配線とをハンダ付けを用いて接続した場合には、ハンダ付けによる作業性の悪化と製造コストの増大、余分なハンダが配線パターン間を短絡するおそれ、ハンダ付け時にかかる熱ストレスによる性能低下、ハンダやハンダフラックスが発光部に付着して汚染することによる発光品位の低下、などの問題がある。
【0007】
特許文献2の技術では、カード型LED照明光源を大型のコネクタに挿入して接続させるため(図3、図13参照)、LED照明装置全体が大型化して製造コストも増大するという問題がある。
【0008】
特許文献3の技術では、給電端子の第2の端部が銀ろう等によって給電ランドに接合されているため、前記したハンダ付けと同様の問題がある。
また、特許文献3の技術では、給電端子を十分に長くできないため、その弾性変形量が小さく、給電端子がプリント基板を押圧する押圧力も小さくなることから、プリント基板を十分に保持固定できないという問題もある。
【0009】
本発明は前記問題を解決するためになされたものであって、その目的は、発光素子チップが設けられた基板を簡単に取付可能であり、発光素子チップの放出光を遮光せず発光品位が高く、小型かつ低コストな発光モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、下記のように本発明の各局面に想到した。
【0011】
<第1の局面>
第1の局面は、
矩形状の基板と、
前記基板上に搭載された複数個の発光素子チップと、
前記発光素子チップを封止する透明な封止体と、
前記基板上の対角部分に配置形成され、前記発光素子チップに接続された外部電極と、
前記基板を保持する保持部材と、
前記基板の角を共有する二辺にそれぞれ交差し、両端部が前記保持部材に接続固定された保持接触端子と、
前記保持接触端子から下向きに突出し、前記外部電極に接触して電気的に接続される凸部と
を備えた発光モジュールであって、
前記保持接触端子における前記基板上から最も高い部分が、前記封止体における前記基板上から最も高い部分よりも低く形成されている。
【0012】
従って、第1の局面によれば、保持接触端子によって基板を保持しつつ、保持接触端子の凸部と外部電極との良好な導通が得られる。そのため、特許文献1および特許文献3にてハンダ付けを含むロウ付けを用いる場合における前記問題を回避できる。
また、保持接触端子が基板の角(矩形の頂点)を共有する二辺にそれぞれ交差するため、保持接触端子を十分に長くすることが可能になり、保持接触端子の両端部を保持部材に対して確実に接続固定させつつ、保持接触端子の凸部と外部電極とを確実に接触させることができる。
そして、保持接触端子における基板上から最も高い部分が、封止体における基板上から最も高い部分よりも低く形成されているため、発光素子チップの放出光が保持接触端子で遮光されないことから、発光素子チップから光を効率的に放出できることに加え、発光素子チップの放出光が照射される被照射面に保持接触端子の影が生じるのを防止できる
その結果、発光素子チップが設けられた基板を簡単に取付可能であり、発光素子チップの放出光を遮光せず発光品位が高く、小型かつ低コストな発光モジュールを提供できる。
【0013】
<第2の局面>
第2の局面は、第1の局面において、
前記基板上にて前記複数個の発光素子チップを取り囲むように形成された封止枠を備え、
前記封止体は前記封止枠の内側に充填されて前記発光素子チップを封止し、
前記保持接触端子における前記基板上から最も高い部分が、前記封止枠における前記基板上から最も高い部分よりも低く形成された発光モジュールである。
【0014】
従って、第2の局面によれば、基板上からの封止枠の高さ位置を調整することにより、発光素子チップからの光の放出方向を制御できる。
そして、保持接触端子における基板上から最も高い部分が、封止枠における基板上から最も高い部分よりも低く形成されている。
そのため、第1の局面と同じく、発光素子チップの放出光が保持接触端子で遮光されないことから、発光素子チップから光を効率的に放出できることに加え、発光素子チップの放出光の被照射面に保持接触端子の影が生じるのを防止できる
【0015】
<第3の局面>
第3の局面は、第1または第2の局面において、前記保持接触端子の弾性力により、前記保持接触端子の前記凸部が前記外部電極に向けて押圧される発光モジュールである。
【0016】
従って、第3の局面によれば、第1の局面のように、保持接触端子が基板の角を共有する二辺にそれぞれ交差することから、特許文献3の「給電端子」に比べて、保持接触端子を長くすることが可能になり、保持接触端子の弾性力を高めて外部電極に向けた押圧力を増大できる。
そのため、保持接触端子によって基板を確実に保持できることに加え、保持接触端子と外部電極との接触を確実にして接触抵抗を低減できる。
【0017】
<第4の局面>
第4の局面は、第1〜3の局面において、前記基板における前記発光素子チップが搭載されている面の反対面に面接触する放熱体を備えた発光モジュールである。
従って、第4の局面によれば、発光素子チップが発生する熱を基板から放熱体に伝達させて放熱することが可能になり、発光素子チップの過熱を防止できるため、故障を防止すると共に発光品位を高くできる。
【0018】
<第5の局面>
第5の局面は、第4の局面において、前記放熱体における前記基板と接触する面の反対面に接触する筺体を備え、
前記保持部材は前記筺体上に取付固定され、
前記放熱体および前記基板が前記筺体と前記保持接触端子との間で挟持された発光モジュールである。
【0019】
従って、第5の局面によれば、筺体上からの高さの大きな放熱体を用いる場合でも、放熱体の高さ分をカバーするための別部材を用いることなく、保持接触端子のみで放熱体の高さ分をカバー可能であるため、製造コストの増大を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1(A)は、本発明を具体化した第1実施形態の発光モジュール10の平面図。図1(B)は、発光モジュール10の構造を説明するための一部断面を含む要部透視正面図。
【図2】図2(A)は、発光モジュール10のLED基板11の平面図。図2(B)は、LED基板11の正面図。
【図3】図3(A)は、発光モジュール10の保持接触端子12の平面図。図3(B)は、保持接触端子12の右側面図。図2(C)は、保持接触端子12の正面図。
【図4】図4(A)は、発光モジュール10の放熱体13の平面図。図4(B)は、放熱体13の正面図。
【図5】図5(A)は、発光モジュール10の保持基板14の平面図。図5(B)は、保持基板14に保持接触端子12を取り付けた状態を示す平面図。
【図6】図6(A)は、本発明を具体化した第2実施形態の発光モジュール30の要部透視平面図。図6(B)は、発光モジュール30の構造を説明するための一部断面を含む正面図。
【図7】本発明を具体化した第3実施形態の発光モジュール40の構造を説明するための一部断面を含む正面図。
【図8】図8(A)は、本発明を具体化した第4実施形態の発光モジュール50の構造を説明するための一部断面を含む左側面図。図8(B)は、発光モジュール50の要部透視平面図。図8(C)は、発光モジュール50の構造を説明するための一部断面を含む正面図。
【図9】図9(A)は、発光モジュール50の取付部材51の左側面図。図9(B)は、取付部材51の平面図。
【図10】図10(A)は、発光モジュール50の保持接触端子52の左側面図。図10(B)は、保持接触端子52の平面図。図10(C)は、保持接触端子52の右側面図。
【図11】本発明を具体化した第5実施形態の発光モジュール70の斜視図。
【図12】発光モジュール70の分解斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を具体化した各実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、各実施形態において、同一の構成部材および構成要素については符号を等しくすると共に、同一内容の箇所については重複説明を省略する。
【0022】
<第1実施形態>
図1〜図5に示すように、第1実施形態の発光モジュール10は、LED基板11(絶縁基板11a、発光部11b、封止枠11c、封止体11d、LEDチップ11e、外部電極11f,11g、絶縁膜11h)、保持接触端子12(凸部12a、係止部12b)、放熱体13、保持基板14(取付枠14a、取付孔14b、支持梁部14c、ネジ孔14d)から構成されており、雄ネジ15を用いて筺体16(雌ネジ穴16a)に取付固定される。
尚、筺体16は、例えば、ヒートシンクや、発光モジュール10が取り付けられる発光装置のケースなどである。
【0023】
図2に示すように、LED基板11は、絶縁基板11a、発光部11b、封止枠11c、封止体11d、LEDチップ11e、外部電極11f,11g、絶縁膜11hから構成されている。
絶縁基板11aは正方形で両面が平坦な板状であり、発光部11bは四隅にアールが設けられた矩形の扁平状であり、絶縁基板11aと発光部11bとはそれぞれの中心軸Oを一致させて重ね合わされると共に、中心軸Oを中心とし、発光部11bを絶縁基板11aに対して略45゜回転させて配置した状態で、絶縁基板11a上に発光部11bが設置されている。
【0024】
封止枠11cは四隅にアールが形成された矩形枠状(額縁状)であり、封止枠11cに囲まれた内側部分には封止体11dが注入・充填された封止領域が形成され、その封止領域が発光部11bとなる。
発光部11bには、複数個のLEDチップ11eが間隙を空けて碁盤目状に並べられている。尚、図2では、3個のLEDチップ11eのみを図示してある。
LEDチップ11eは、絶縁基板11a上に実装・搭載され、透明な封止体11dで埋設されることにより封止されている。
換言すれば、発光部11bの外周縁には封止枠11cが配置形成されており、封止枠11cは絶縁基板11a上にて複数個のLEDチップ11eを取り囲むように形成されている。
【0025】
外部電極11f,11gは、絶縁基板11a上の対角部分にて封止枠11cの外側の三角形状の領域に配置形成されている。
LEDチップ11eは絶縁基板11a上に形成された配線層から成る配線パターン(図示略)に接続されて回路が構成され、その配線パターンのうち絶縁基板11a上から露出した部分が外部電極11f,11gとなる。換言すれば、LEDチップ11eと外部電極11f,11gとは、外部電極11f,11gをその一部とする配線パターンを介して接続されている。
絶縁膜11hは、絶縁基板11a上にて発光部11bと封止枠11cと外部電極11f,11gとを除く部分を覆っている。
【0026】
ここで、絶縁基板11aは、窒化アルミニウムなどの絶縁材料のバルク材から成る基板や、アルミニウムなどの金属材料の表面に絶縁層が形成された基板などから構成されている。
また、封止枠11cは合成樹脂から成り、封止体11dは蛍光体を含有したシリコン樹脂から成る。
【0027】
図3に示すように、保持接触端子12は、長手方向の略中央部にて下向きに山形になるよう折り曲げられて突出した線状の凸部12aと、長手方向の両端部にて下向きに折り曲げられた係止部12bとを備え、銅板や真鍮板などの導電性が高く弾性力を有する金属板のプレス加工によって作製されている。
そして、保持接触端子12における特に係止部12bの裏面側には、後述するハンダ付けが容易になるように、金・銀・ハンダなどのメッキが施された上に、ハンダフラックスが塗布されている。
【0028】
図4に示すように、放熱体13は両面が平坦な円板状であり、銅・アルミニウムまたはそれらの合金などの放熱性の高い金属材料から成る。
図5(A)に示すように、保持基板14は外形が正方形板状であり、中央部に配置形成されて四隅にアールが形成された正方形枠状の取付枠14aと、取付枠14aを囲むように貫通形成された取付孔14bと、保持基板14の周縁部の対向する二辺の略中央部に取付枠14aを支持固定する2個の支持梁部14cと、四隅に貫通形成されたネジ孔14dとを備えて一体形成されている。
取付枠14aの内形寸法は、LED基板11の外形寸法に合わせて僅かに大きく形成されている。
【0029】
尚、保持基板14は、エポキシ基板・フェノール基板・ベークライト基板などのプリント配線基板や、アルミニウムなどの金属材料の表面に絶縁層を介して配線パターンが形成された配線基板などから構成されている。
そして、保持基板14の表面側に形成されている配線パターン(図示略)は、支持梁部14c上から取付枠14a上にも延出されて形成されている。
【0030】
発光モジュール10を筺体16に取付固定するには、まず、図5(B)に示すように、保持基板14の取付枠14aの上方からその四隅に保持接触端子12を嵌め込み、保持接触端子12の係止部12bを取付枠14aに係止させた状態で、係止部12bと取付枠14aの表面側に形成されている配線パターンとをハンダ付けすることにより、保持基板14に保持接触端子12を取付固定する。
すると、保持基板14の表面側に形成されている配線パターンと保持接触端子12とが電気的に接続され、保持接触端子12は保持基板14の接続端子として機能する。
【0031】
次に、図1に示すように、発光モジュール10を取付固定する筺体16上の所定箇所に放熱グリス(図示略)を塗布し、その放熱グリス上に放熱体13を載置することにより、放熱体13を放熱グリスを用いて筺体16上に仮固定する。
すると、放熱体13の裏面(放熱体13における絶縁基板11aと接触する面の反対面)と筺体16の表面とが放熱グリスを介して面接触する。
続いて、放熱体13上に放熱グリス(図示略)を塗布し、その放熱グリス上にLED基板11を発光部11bが上向きになるように載置することにより、LED基板11を放熱グリスを用いて放熱体13上に仮固定する。
【0032】
その後で、LED基板11上から保持基板14を被せ、LED基板11を保持基板14の取付枠14aに嵌合させた状態で、筺体16の雌ネジ穴16aに対して保持基板14のネジ孔14dを位置合わせし、保持基板14の上方から雄ネジ15をネジ孔14dに挿入して雌ネジ穴16aに螺着させる。
その結果、LED基板11の絶縁基板11aは保持基板14によって保持される。
また、取付固定されて一体化した保持基板14および保持接触端子12と、筺体16との間で、LED基板11および放熱体13が挟持固定され、LED基板11の裏面(絶縁基板11aにおけるLEDチップ11eが搭載されている面の反対面)と放熱体13の表面とが放熱グリスを介して面接触する。
【0033】
そして、保持接触端子12の下向きに突出した2個の凸部12aがそれぞれ、LED基板11の外部電極11f,11gに線接触して電気的に接続される。
このとき、保持基板14の支持梁部14cが僅かに弾性変形し、その弾性変形による応力が支持梁部14cから取付枠14aに取付固定されている保持接触端子12に作用するため、その応力により保持接触端子12の凸部12aが外部電極11f,11gに向けて押圧され、保持接触端子12と外部電極11f,11gとの接触が確実なものになって接触抵抗が低減される。
【0034】
また、LED基板11の外部電極11f,11gに接触される保持接触端子12以外の2個の保持接触端子12は、LED基板11の外部電極11f,11gが形成されていない対角部分の表面に当接して押圧する。
そのため、4個の保持接触端子12がLED基板11の四隅に当接して押圧することになり、保持基板14に対してLED基板11が位置ズレを起こすことなく確実に保持固定される。
【0035】
ここで、保持接触端子12は、LED基板11の絶縁基板11aの角(正方形の頂点)を共有する二辺にそれぞれ交差して絶縁基板11a上に間隙を空けて配置され、保持接触端子12の両端部は保持基板14に接続固定されている。
また、発光モジュール10の高さ方向にて、保持接触端子12は封止枠11cよりも低くなっている。すなわち、保持接触端子12における絶縁基板11a上から最も高い部分は、封止枠11cにおける絶縁基板11a上から最も高い部分よりも低く形成されている。
【0036】
[第1実施形態の作用・効果]
第1実施形態の発光モジュール10によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
【0037】
[1]保持基板14(保持部材)は、LED基板11の絶縁基板11aを保持する。保持接触端子12の両端部は保持基板14に接続固定されている。保持接触端子12の凸部12aは、LED基板11の外部電極11f,11gに接触して電気的に接続される。
そのため、保持接触端子12によって絶縁基板11aを保持しつつ、保持接触端子12の凸部12aと外部電極11f,11gとの良好な導通が得られる。その結果、特許文献1および特許文献3にてハンダ付けを含むロウ付けを用いる場合における前記問題を回避できる。
また、保持接触端子12が絶縁基板11aの角(正方形の頂点)を共有する二辺にそれぞれ交差するため、保持接触端子12を十分に長くすることが可能になり、保持接触端子12の両端部を保持基板14に対して確実に接続固定させつつ、保持接触端子12の凸部12aと外部電極11f,11gとを確実に接触させることができる。
【0038】
[2]LED基板11の封止枠11cは、絶縁基板11a上にて複数個のLEDチップ11eを取り囲むように形成されている。封止体11dは、封止枠11cの内側に充填されてLEDチップ11eを封止している。
そのため、絶縁基板11a上からの封止枠11cの高さ位置を調整することにより、LEDチップ11eからの光の放出方向を制御できる。
【0039】
[3]保持接触端子12における絶縁基板11a上から最も高い部分が、封止枠11cにおける絶縁基板11a上から最も高い部分よりも低く形成されている。
そのため、LEDチップ11eの放出光が保持接触端子12で遮光されないことから、LEDチップ11eから光を効率的に放出できることに加え、LEDチップ11eの放出光が照射される被照射面に保持接触端子12の影が生じるのを防止できる
【0040】
[4]放熱体13の上面は、LED基板11の絶縁基板11aの裏面(LEDチップ11eが搭載されている面の反対面)に面接触する。
そのため、LEDチップ11eが発生する熱を絶縁基板11aから放熱体13に伝達させて放熱することが可能になり、LEDチップ11eの過熱を防止できるため、故障を防止すると共に発光品位を高くできる。
【0041】
[5]前記[1]〜[4]により、LEDチップ11eが設けられたLED基板11を簡単に取付可能であり、LEDチップ11eの放出光を遮光せず発光品位が高く、小型かつ低コストな発光モジュール10を提供できる。
【0042】
<第2実施形態>
図2および図6に示すように、第2実施形態の発光モジュール30は、LED基板11(絶縁基板11a、発光部11b、封止枠11c、封止体11d、LEDチップ11e、外部電極11f,11g、絶縁膜11h)、保持接触端子12(凸部12a、係止部12b)、放熱体13、保持基板14(ネジ孔14d、取付孔14e)、絶縁板31から構成されており、雄ネジ15を用いて筺体16(雌ネジ穴16a)に取付固定される。
【0043】
第2実施形態において、第1実施形態と異なるのは以下の点だけである。
[ア]保持接触端子12が長手方向に長く形成されると共に、保持接触端子12の係止部12bの高さが高く形成されている。
保持接触端子12における特に両端部の表面側には、後述するハンダ付けが容易になるように、金・銀・ハンダなどのメッキが施された上に、ハンダフラックスが塗布されている。
[イ]放熱体13の板厚が厚く形成されている。
【0044】
[ウ]保持基板14から取付枠14aと取付孔14bと支持梁部14cとが省かれている。
その代わりに、保持基板14の中央部には、四隅にアールが形成された正方形状の取付孔14eが貫通形成されている。
取付孔14eの内形寸法は、LED基板11の外形寸法に合わせて僅かに大きく形成されている。
[エ]保持基板14の裏面側に配線パターン(図示略)が形成されている。
[オ]絶縁板31は絶縁材料の板材から成り、放熱体13を通すための取付孔(図示略)が貫通形成されると共に、保持基板14のネジ孔14dおよび筺体16の雌ネジ穴16aに合わせたネジ孔(図示略)が貫通形成されている。
【0045】
発光モジュール30を筺体16に取付固定するには、まず、保持基板14の取付孔14eの下方からその四隅に保持接触端子12を嵌め込み、保持接触端子12の係止部12bを取付孔14eに係止させた状態で、保持接触端子12の両端部の表面側と保持基板14の裏面側に形成されている配線パターンとをハンダ付けすることにより、保持基板14に保持接触端子12を取付固定する。
【0046】
次に、第1実施形態と同じく、放熱体13を放熱グリスを用いて筺体16上に仮固定する。
そして、放熱体13上から絶縁板31を被せ、放熱体13を絶縁板31の取付孔を通し、放熱体13の表面側を露出させる。
続いて、第1実施形態と同じく、LED基板11を放熱グリスを用いて放熱体13上に仮固定する。
【0047】
その後で、LED基板11上から保持基板14を被せ、LED基板11を保持基板14の取付孔14eを通し、LED基板11の外周端面が保持基板14の上方から完全に露出した状態で、保持基板14の上方から雄ネジ15をネジ孔14dに挿入して筺体16の雌ネジ穴16aに螺着させる。
その結果、LED基板11の絶縁基板11aは保持基板14によって保持される。
また、取付固定されて一体化した保持基板14および保持接触端子12と、筺体16との間で、LED基板11および放熱体13が挟持固定され、LED基板11の裏面と放熱体13の表面とが放熱グリスを介して面接触する。
【0048】
そして、保持接触端子12の下向きに突出した2個の凸部12aがそれぞれ、LED基板11の外部電極11f,11gに線接触して電気的に接続される。
このとき、保持接触端子12が僅かに弾性変形し、その弾性力により保持接触端子12の凸部12aが外部電極11f,11gに向けて押圧され、保持接触端子12と外部電極11f,11gとの接触が確実なものになって接触抵抗が低減される。
尚、絶縁板31は、保持基板14の裏面側に形成されている配線パターンと、筺体16とを絶縁するために設けられている。
【0049】
[第2実施形態の作用・効果]
第2実施形態の発光モジュール30によれば、第1実施形態の[1]〜[5]の作用・効果に加え、以下の作用・効果を得ることができる。
【0050】
[6]保持接触端子12の弾性力により、保持接触端子12の凸部12aがLED基板11の外部電極11f,11gに向けて押圧される。
そして、保持接触端子12が絶縁基板11aの角を共有する二辺にそれぞれ交差することから、特許文献3の「給電端子」に比べて、保持接触端子12を長くすることが可能になり、保持接触端子12の弾性力を高めて外部電極11f,11gに向けた押圧力を増大できる。
そのため、保持接触端子12によって絶縁基板11aを確実に保持できることに加え、保持接触端子12と外部電極11f,11gとの接触を確実にして接触抵抗を低減できる。
【0051】
[7]筺体16は、放熱体13の裏面(絶縁基板13aと接触する面の反対面)に面接触する。保持基板14は筺体16上に取付固定され、放熱体13およびLED基板11は筺体16と保持接触端子12との間で挟持されている。
そのため、筺体16上からの高さが大きく板厚が厚い放熱体13を用いる場合でも、放熱体13の高さ分をカバーするための別部材を用いることなく、保持接触端子12のみで放熱体13の高さ分(板厚分)をカバー可能であるため、製造コストの増大を防止できる。
【0052】
<第3実施形態>
図2,図7に示すように、第3実施形態の発光モジュール40は、LED基板11(絶縁基板11a、発光部11b、封止枠11c、封止体11d、LEDチップ11e、外部電極11f,11g、絶縁膜11h)、保持接触端子12(凸部12a、係止部12b)、放熱体13、保持基板14(ネジ孔14d、取付孔14e)、絶縁板31、リフレクタ41から構成されており、雄ネジ15を用いて筺体16(雌ネジ穴16a)に取付固定される。
【0053】
第3実施形態において、第1実施形態と異なるのは以下の点だけである。
[カ]放熱体13の板厚が厚く形成されている。
[キ]リフレクタ41は内壁面が逆ドーム状に形成されており、リフレクタ41の下端部は保持基板14の表面側に取付固定されている。
【0054】
第3実施形態によれば、放熱体13の板厚分だけLED基板11が筺体16上から嵩上げされるため、リフレクタ41の下端部を保持基板14の表面側に取付固定しても、LED基板11の発光部11bはリフレクタ41の下端部よりも上方に配置されることになり、発光部11bの放出光はリフレクタ41の下端部で遮光されることなくリフレクタ41の内壁面で確実に反射されて効率的に放出される。
【0055】
<第4実施形態>
図2,図8〜図10に示すように、第4実施形態の発光モジュール50は、LED基板11(絶縁基板11a、発光部11b、封止枠11c、封止体11d、LEDチップ11e、外部電極11f,11g、絶縁膜11h)、取付部材51(取付凹部51a、ネジ孔51b、収容凹部51c)、保持接触端子52(凸部52a、連結端子部52b)から構成されており、雄ネジ15を用いて筺体16に取付固定される。
【0056】
図9に示すように、取付部材(ケース)51は略L字形の板状であり、表面側に穿設された取付凹部51aと、貫通形成された2個のネジ孔51bと、裏面側に穿設された収容凹部51cとを備え、無色透明で絶縁性の高い合成樹脂の射出成形により一体形成されている。
図10に示すように、保持接触端子52は略L字形であり、中央の屈曲部分にて下向きに突出した山形状の凸部52aと、両端部に折り曲げ形成された連結端子部52bとを備え、銅板や真鍮板などの導電性が高く弾性力を有する金属板のプレス加工によって作製されている。
【0057】
図8に示すように、発光モジュール50を筺体16に取付固定するには、まず、取付部材51の取付凹部51aに保持接触端子52を嵌め込み、取付部材51に保持接触端子52を取付固定する。
次に、LED基板11を取付固定する筺体16上の所定箇所に放熱グリス(図示略)を塗布し、その放熱グリス上にLED基板11を発光部11bが上向きになるように載置することにより、LED基板11を放熱グリスを用いて筺体16上に仮固定する。
【0058】
続いて、保持接触端子52が取付固定されている2個の取付部材51を筺体16上に載置し、筺体16の雌ネジ穴(図示略)に対して取付部材51のネジ孔51bを位置合わせし、取付部材51の上方から雄ネジ15をネジ孔51bに挿入して筺体16の雌ネジ穴に螺着させることにより、取付固定されて一体化した取付部材51および保持接触端子52を筺体16上に取付固定する。
【0059】
その結果、2個の保持接触端子52の凸部52aがそれぞれ、LED基板11の外部電極11f,11gに当接して電気的に接続される。
このとき、保持接触端子52が僅かに弾性変形し、その弾性力により保持接触端子52の凸部52aが外部電極11f,11gに向けて押圧され、保持接触端子52と外部電極11f,11gとの接触が確実なものになって接触抵抗が低減される。
尚、保持接触端子52の連結端子部52bには、配線ケーブル(図示略)が接続固定される。
【0060】
また、LED基板11の対角部分が、2個の取付部材51の収容凹部51cに嵌め込まれ、取付部材51がLED基板11の対角部分に当接して押圧するため、筺体16に取付固定されている2個の取付部材51に対してLED基板11が位置ズレを起こすことなく確実に保持固定される。
【0061】
ここで、保持接触端子52は、LED基板11の絶縁基板11aの角を共有する二辺にそれぞれ交差して絶縁基板11a上に間隙を空けて配置され、保持接触端子52の両端部は取付部材51に接続固定されている。
また、発光モジュール50の高さ方向にて、保持接触端子52は封止枠11cよりも低くなっている。すなわち、保持接触端子52における絶縁基板11a上から最も高い部分は、封止枠11cにおける絶縁基板11a上から最も高い部分よりも低く形成されている。
【0062】
[第4実施形態の作用・効果]
第4実施形態の発光モジュール50によれば、第1実施形態の前記[2]の作用・効果に加えて、以下の作用・効果を得ることができる。
【0063】
[8]取付部材51(保持部材)は、LED基板11の絶縁基板11aを保持する。保持接触端子52の両端部は取付部材51に接続固定されている。保持接触端子52の凸部52aは、LED基板11の外部電極11f,11gに接触して電気的に接続される。
そのため、保持接触端子52によって絶縁基板11aを保持しつつ、保持接触端子52の凸部52aと外部電極11f,11gとの良好な導通が得られる。その結果、特許文献1および特許文献3にてハンダ付けを含むロウ付けを用いる場合における前記問題を回避できる。
また、保持接触端子52が絶縁基板11aの角を共有する二辺にそれぞれ交差するため、保持接触端子52を十分に長くすることが可能になり、保持接触端子52の両端部を取付部材51に対して確実に接続固定させつつ、保持接触端子52の凸部52aと外部電極11f,11gとを確実に接触させることができる。
【0064】
[9]保持接触端子52における絶縁基板11a上から最も高い部分が、封止枠11cにおける絶縁基板11a上から最も高い部分よりも低く形成されている。
そのため、LEDチップ11eの放出光が保持接触端子52で遮光されないことから、LEDチップ11eから光を効率的に放出できることに加え、LEDチップ11eの放出光が照射される被照射面に保持接触端子52の影が生じるのを防止できる
【0065】
[10]保持接触端子52の弾性力により、保持接触端子52の凸部52aがLED基板11の外部電極11f,11gに向けて押圧される。
そして、保持接触端子52が絶縁基板11aの角を共有する二辺にそれぞれ交差することから、特許文献3の「給電端子」に比べて、保持接触端子52を長くすることが可能になり、保持接触端子52の弾性力を高めて外部電極11f,11gに向けた押圧力を増大できる。
そのため、保持接触端子52によって絶縁基板11aを確実に保持できることに加え、保持接触端子52と外部電極11f,11gとの接触を確実にして接触抵抗を低減できる。
【0066】
[11]前記[2][8]〜[10]により、LEDチップ11eが設けられたLED基板11を簡単に取付可能であり、LEDチップ11eの放出光を遮光せず発光品位が高く、小型かつ低コストな発光モジュール50を提供できる。
【0067】
<第5実施形態>
図11および図12に示すように、第5実施形態の発光モジュール70は、LED基板71(絶縁基板11a、発光部11b、封止枠11c、封止体11d、LEDチップ11e、外部電極11f,11g、絶縁膜11h)、放熱体72(基台72a、本体部72b、雌ネジ穴72c)、取付部材73(放熱体収容凹部73a、基板収容凹部73b、取付面部73c、係合凸部73d、ネジ孔73e)、取付部材74(基板収容凹部74a、フランジ部74b、基台74c)、
取付部材75(係止孔75a)、保持接触端子76(凸部76a、係止部76b)、雄ネジ77から構成されている。
【0068】
LED基板71は、絶縁基板11a、発光部11b、封止枠11c、封止体11d、LEDチップ11e、外部電極11f,11g、絶縁膜11hから構成されている。
LED基板71において、図2に示すLED基板11と異なるのは、発光部11bが円形の扁平状である点と、発光部11bの外周縁に配置形成された封止枠11cが円形枠状(ドーナツ状)である点と、絶縁基板11aの四隅の2箇所ずつに外部電極11f,11gが配置形成されている点である。
【0069】
放熱体72は、円柱状の基台72aと、基台72aの上方に突出した上面が平坦な円柱状の本体部72bと、本体部72bから露出した基台72aにて高さ方向に穿設された2個の雌ネジ穴72cとを備え、銅・銅・アルミニウムまたはそれらの合金などの放熱性の高い金属材料により一体形成されている。
【0070】
取付部材73は略円筒状であり、略円柱状の放熱体収容凹部73aと、放熱体収容凹部73aと連通されて上部に形成された基板収容凹部73bと、放熱体収容凹部73aの周囲を取り囲むように形成されて基板収容凹部73bの底面を構成する取付面部73cと、取付面部73cから上向きに突設されたキノコ状の2個の係合凸部73dと、取付面部73cにて高さ方向に貫通形成されたネジ孔73eとを備えている。
【0071】
2個の取付部材74は、上部に形成された基板収容凹部74aと、基板収容凹部74aを囲むように形成された略平板状のフランジ部74bと、基板収容凹部74aの下方に突設された半円筒状の基台74cとを備えている。
2個の取付部材75は略円弧形で平板状であり、中央部には係止孔75aが貫通形成されている。
各取付部材73〜75はそれぞれ、絶縁性の高い合成樹脂の射出成形により一体形成されている。
【0072】
保持接触端子76の平面形状は略L字形であり、中央の屈曲部分にて下向きに突出した山形状の凸部76aと、両端部にて下向きに折り曲げられた側面形状がコ字形の係止部76bとを備え、銅板や真鍮板などの導電性が高く弾性力を有する金属板のプレス加工によって作製されている。
【0073】
発光モジュール70を組み立てるには、まず、放熱体72の本体部72bに取付部材73の放熱体収容凹部73aを嵌め込み、放熱体72の雌ネジ穴72cに対して取付部材73のネジ孔73eを位置合わせし、取付部材73の取付面部73cの上方から雄ネジ77をネジ孔73eに挿入して雌ネジ穴72cに螺着させることにより、放熱体72に取付部材73を取付固定する。
【0074】
次に、LED基板71の絶縁基板11aの両側に、2個の取付部材74の基板収容凹部74aを嵌め込み、絶縁基板11aと2個の取付部材74とを取付固定すると共に、2個の取付部材74の基台74cを一体化させて円筒状にする。
その結果、LED基板71の絶縁基板11aは2個の取付部材74によって保持される。
続いて、円筒状になっている2個の取付部材74の基台74cを挟み込むように、2個の取付部材75を嵌め込み、LED基板71と取付部材74,75とを取付固定して一体化させる。
【0075】
そして、2個の取付部材74のフランジ部74bにそれぞれ、2個の保持接触端子76を嵌め込み、保持接触端子76の係止部76bでフランジ部74bを挟持させることにより、取付部材74に保持接触端子76を取付固定する。
すると、4個の保持接触端子76の凸部76aがそれぞれ、LED基板71の2個の外部電極11f,11gに当接して電気的に接続される。
このとき、保持接触端子76が僅かに弾性変形し、その弾性力により保持接触端子76の凸部76aが外部電極11f,11gに向けて押圧され、保持接触端子76と外部電極11f,11gとの接触が確実なものになって接触抵抗が低減される。
【0076】
その後で、取付部材73から露出している放熱体72の本体部72bの上面に放熱グリス(図示略)を塗布し、一体化されたLED基板71と取付部材74,75と保持接触端子76とを、取付部材73の基板収容凹部73bに嵌め込み、LED基板71の裏面と本体部72bの上面とをグリスを介して面接触させる。
そして、2個の取付部材75の係止孔75aをそれぞれ、取付部材73の2個の係合凸部73dに挿入して脱落不能に係合させることにより、一体化されたLED基板71と取付部材74,75と保持接触端子76とを、一体化された放熱体72および取付部材73に取付固定する。
このとき、取付部材74のフランジ部74bの外形寸法は、取付部材73の基板収容凹部73bの内形寸法に合わせて形成されているため、取付部材73に対して取付部材74を確実に取付固定できる。
【0077】
ここで、保持接触端子76は、LED基板71の絶縁基板11aの角を共有する二辺にそれぞれ交差して絶縁基板11a上に間隙を空けて配置され、保持接触端子76の両端部は取付部材74に接続固定されている。
また、発光モジュール70の高さ方向にて、保持接触端子76は封止枠11cよりも低くなっている。すなわち、保持接触端子76における絶縁基板11a上から最も高い部分は、封止枠11cにおける絶縁基板11a上から最も高い部分よりも低く形成されている。
【0078】
[第5実施形態の作用・効果]
第5実施形態の発光モジュール70によれば、第1実施形態の前記[2]の作用・効果に加えて、以下の作用・効果を得ることができる。
【0079】
[11]取付部材74(保持部材)は、LED基板71の絶縁基板11aを保持する。保持接触端子76の両端部である係止部76bは取付部材74に接続固定されている。保持接触端子76の凸部76aは、LED基板71の外部電極11f,11gに接触して電気的に接続される。
そのため、保持接触端子76によって絶縁基板11aを保持しつつ、保持接触端子76の凸部76aと外部電極11f,11gとの良好な導通が得られる。その結果、特許文献1および特許文献3にてハンダ付けを含むロウ付けを用いる場合における前記問題を回避できる。
また、保持接触端子76が絶縁基板11aの角を共有する二辺にそれぞれ交差するため、保持接触端子76を十分に長くすることが可能になり、保持接触端子76の係止部76bを取付部材74に対して確実に接続固定させつつ、保持接触端子76の凸部76aと外部電極11f,11gとを確実に接触させることができる。
【0080】
[12]保持接触端子76における絶縁基板11a上から最も高い部分が、封止枠11cにおける絶縁基板11a上から最も高い部分よりも低く形成されている。
そのため、LEDチップ11eの放出光が保持接触端子76で遮光されないことから、LEDチップ11eから光を効率的に放出できることに加え、LEDチップ11eの放出光が照射される被照射面に保持接触端子76の影が生じるのを防止できる
【0081】
[13]放熱体72の本体部72bの上面は、LED基板71の絶縁基板11aの裏面(LEDチップ11eが搭載されている面の反対面)に面接触する。
そのため、LEDチップ11eが発生する熱を絶縁基板11aから放熱体72の本体部72bに伝達させて放熱することが可能になり、LEDチップ11eの過熱を防止できるため、故障を防止すると共に発光品位を高くできる。
【0082】
[14]保持接触端子76の弾性力により、保持接触端子76の凸部76aがLED基板71の外部電極11f,11gに向けて押圧される。
そして、保持接触端子76が絶縁基板11aの角を共有する二辺にそれぞれ交差することから、特許文献3の「給電端子」に比べて、保持接触端子76を長くすることが可能になり、保持接触端子76の弾性力を高めて外部電極11f,11gに向けた押圧力を増大できる。
そのため、保持接触端子76によって絶縁基板11aを確実に保持できることに加え、保持接触端子76と外部電極11f,11gとの接触を確実にして接触抵抗を低減できる。
【0083】
[15]前記[2][11]〜[14]により、LEDチップ11eが設けられたLED基板71を簡単に取付可能であり、LEDチップ11eの放出光を遮光せず発光品位が高く、小型かつ低コストな発光モジュール70を提供できる。
【0084】
<別の実施形態>
本発明は前記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、前記各実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
【0085】
[A]LED基板11から封止枠11cを省き、特許文献1と同様に、絶縁基板11a上に貫通孔を有するシリコンゴムシートを載置し、そのシリコンゴムシートの貫通孔内に封止体11dを注入してLEDチップ11eを充填した後に、シリコンゴムシートを取り除くようにしてもよい。
その場合には、保持接触端子12における絶縁基板11a上から最も高い部分を、封止体11dにおける絶縁基板11a上から最も高い部分よりも低く形成することにより、第1実施形態の前記[2]と同様の作用・効果が得られる。
【0086】
[B]保持接触端子12,52,66の凸部12a,52a,66aは、保持接触端子12,52,66の中央部ではなく、適宜な箇所に設けてもよい。
【0087】
[C]第1〜第4実施形態において、絶縁基板11aと発光部11bとは、略45゜に限らず、適宜な角度だけ回転させて配置してもよい。
また、絶縁基板11aと発光部11bとはそれぞれの中心軸Oを一致させずに重ね合わせてもよい。
【0088】
[D]LEDチップ11eは、光半導体型発光素子のベアチップであれば、例えば、有機EL素子チップなどに置き換えてもよい。
【0089】
[E]絶縁基板11aおよび封止枠11cは、正方形に限らず、長方形を含む矩形状にしてもよい。
【0090】
[F]前記各実施形態を適宜組み合わせて実施してもよく、その場合には組み合わせた実施形態の作用・効果を合わせもたせたり、相乗効果を得ることができる。
【0091】
本発明は、前記各局面および前記各実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様も本発明に含まれる。本明細書の中で明示した論文、公開特許公報、特許公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
【符号の説明】
【0092】
10,30,40,50,70…発光モジュール
11a…絶縁基板
11c…封止枠
11e…LEDチップ(発光素子チップ)
11f,11g…外部電極
12,52,66…保持接触端子
12a,52a,66a…凸部
13,72…放熱体
14…保持基板(保持部材)
51…取付基板(保持部材)
74…取付基板(保持部材)
16…筺体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
矩形状の基板と、
前記基板上に搭載された複数個の発光素子チップと、
前記発光素子チップを封止する透明な封止体と、
前記基板上の対角部分に配置形成され、前記発光素子チップに接続された外部電極と、
前記基板を保持する保持部材と、
前記基板の角を共有する二辺にそれぞれ交差し、両端部が前記保持部材に接続固定された保持接触端子と、
前記保持接触端子から下向きに突出し、前記外部電極に接触して電気的に接続される凸部と
を備えた発光モジュールであって、
前記保持接触端子における前記基板上から最も高い部分が、前記封止体における前記基板上から最も高い部分よりも低く形成された発光モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の発光モジュールにおいて、
前記基板上にて前記複数個の発光素子チップを取り囲むように形成された封止枠を備え、
前記封止体は前記封止枠の内側に充填されて前記発光素子チップを封止し、
前記保持接触端子における前記基板上から最も高い部分が、前記封止枠における前記基板上から最も高い部分よりも低く形成された発光モジュール。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の発光モジュールにおいて、
前記保持接触端子の弾性力により、前記保持接触端子の前記凸部が前記外部電極に向けて押圧される発光モジュール。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の発光モジュールにおいて、
前記基板における前記発光素子チップが搭載されている面の反対面に面接触する放熱体を備えた発光モジュール。
【請求項5】
請求項4に記載の発光モジュールにおいて、
前記放熱体における前記基板と接触する面の反対面に面接触する筺体を備え、
前記保持部材は前記筺体上に取付固定され、
前記放熱体および前記基板が前記筺体と前記保持接触端子との間で挟持された発光モジュール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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