説明

発光素子、発光装置、及び照明装置

【課題】安価な材料を用いて、光取り出し効率の高い固体発光素子を提供する。または、該固体発光素子を用いた高効率な発光装置、または該発光装置を用いた高効率な照明装置を提供する。
【解決手段】第1の面に半球状の構造と、第2の面に凹凸の構造を備える低屈折率の部材と、その凹凸の構造を平坦化する高屈折率の接合層と、該高屈折率の接合層の平坦な面に発光面を接する発光体を有し、該低屈折率の部材の凹凸の構造は少なくとも第1の面に形成された半球状の構造の外形より内側に設けられ、該発光体の発光領域の外形が該半球状の構造の外形より小さく、且つ半球状の構造と重なるように、該発光体を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発光素子、該発光素子を用いた発光装置、及び該発光装置を備える照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
屈折率が大気より高い領域で発光する固体発光素子では、当該発光素子の内部で発せられる光の一部が大気との界面において全反射してしまう条件がある。その結果、固体発光素子の内部から光を大気側に取り出す効率が100%より小さくなってしまうという問題がある。
【0003】
この問題を解決するために、固体発光素子の表面に構造体(例えば凹凸構造)を設ける構成が報告されている。
【0004】
例えば、非特許文献1では、高屈折率ガラス基板と高屈折率レンズとを組み合わせる構成や、高屈折率ガラス基板と大気との界面に凹凸構造を設ける構成が開示されており、発光素子の光取り出し効率が改善されている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「White organic light−emitting diodes with fluorescent tube efficiency」,Nature,14 May 2009,Vol.459,p.234−239
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
可視光を透過し、高い屈折率を備えた材料(例えば、ガラスや樹脂など)は種類が少なく高価である。そのため、非特許文献1に示される構成を適用した発光素子は、コストが高くなってしまうという問題がある。
【0007】
本発明は、このような技術的背景のもとでなされたものである。したがって、本発明の一態様は、安価な材料を用いて、光取り出し効率の高い固体発光素子を提供することを目的の一とする。または、該固体発光素子を用いた高効率な発光装置、または該発光装置を用いた高効率な照明装置を提供することを目的の一とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、高屈折率の材料の使用量、低屈折率の光学部材、並びに該光学部材に対する発光体の配置に着眼した。
【0009】
そして、第1の面に半球状の構造と、第2の面に凹凸の構造を備える低屈折率の部材と、その凹凸の構造を平坦化する高屈折率の接合層と、該高屈折率の接合層の平坦な面に発光面を接する発光体を有し、該低屈折率の部材の凹凸の構造は少なくとも第1の面に形成された半球状の構造の外形より内側に設けられ、該発光体の発光領域の外形が該半球状の構造の外形より小さく、且つ半球状の構造と重なるように、該発光体を設ける構成に想到し、上記課題の解決に至った。
【0010】
発光体の発光面が該高屈折率の接合層の平坦な面に接する構成とすることで、発光体からの光を高屈折率の接合層に効率良く取り出せる。さらに、凹凸の構造が形成された界面を介して高屈折率の接合層に低屈折率の部材が接する構成とすることで、高屈折率の接合層を透過した光を低屈折率の部材に効率良く取り出せる。また、高屈折率の材料の使用量を低減する効果を奏する。加えて、発光体の発光領域の外形を低屈折率の部材の半球状の構造に重ね、該構造の外形より小さい構成とすることで、低屈折率の部材を透過した光を大気に効率よく取り出せる。
【0011】
すなわち、本発明の一態様は、第1の面に半球状の構造と、第2の面に凹凸の構造を備える低屈折率の部材と、凹凸の構造を平坦化する低屈折率の部材より屈折率が高い高屈折率の接合層と、高屈折率の接合層の平坦な面に発光面が接する発光体と、を有し、低屈折率の部材の凹凸の構造は少なくとも第1の面に形成された半球状の構造の外形より内側に設けられ、発光面を含む面に投影した発光体の発光領域の外形が、半球状の構造の外形より小さく、且つ半球状の構造と重なるように該発光体が設けられている発光素子である。
【0012】
上記本発明の一態様によれば、屈折率の高い領域と低い領域が接する界面に凹凸の構造もしくは半球状の構造を形成する。これにより、屈折率の高い発光体からの光を、屈折率の低い部材を介して、さらに屈折率の低い大気に効率良く取り出すことができる。また、高屈折率の材料の使用量を低減できる。これにより、製造コストを低減できる。
【0013】
また、本発明の一態様は、半球状の構造の屈折率がnであり、発光面を含む面に投影した発光体の発光領域の外形が、発光面を含む面に投影した半球状の構造の外形と中心を同一にし、且つ半球状の構造の外形に相似であって、発光体の発光領域の外形が半球状の構造の外形の(1/n)倍の範囲に含まれる上記の発光素子である。
【0014】
上記本発明の一態様によれば、光の全反射が極力抑制され、これにより発光体から発せられた光は半球状の構造を通じて外部に取り出される。
【0015】
また、本発明の一態様は、低屈折率の部材の屈折率が1.0より高く1.6未満であり、高屈折率の接合層の屈折率が1.6以上1.9以下である上記の発光素子である。
【0016】
上記本発明の一態様によれば、低屈折率の部材に適用可能な屈折率1.6未満の材料は多様にあり、且つ比較的安価に購入ができる。これにより、製造コストを低減できる。また、大気との屈折率差も小さいため、効率よく大気に光を取り出せる。また、高屈折率の接合層の屈折率が1.6以上1.9以下であると、屈折率が1.6以上1.9以下の範囲に含まれる固体発光体からの発光を効率よく取り出せる。
【0017】
また、本発明の一態様は、高屈折率の接合層の平坦な面上に第1の電極と、第1の電極と重なる第2の電極と、第1の電極と第2の電極の間に発光性の有機物を含む層と、を有し、第1の電極が発光性の有機物が発する光を透過する上記の発光素子である。
【0018】
上記本発明の一態様によれば、高屈折率の接合層により平坦化された凹凸の構造上に第1の電極が形成される。これにより、凹凸の構造に起因する第1の電極と第2の電極の短絡の発生を抑止でき、信頼性に優れた発光素子を提供できる。
【0019】
また、本発明の一態様は、高屈折率の接合層と、発光体の間に屈折率1.6以上1.9以下の窒化膜を含む上記の発光素子である。
【0020】
上記本発明の一態様によれば、高屈折率接合層と第1の電極との間に屈折率が1.6以上1.9以下の窒化膜を有する。これにより、光の取り出し効率を損なうことなく、固体発光体への不純物の拡散を防ぐことができる。例えば、該固体発光素子が有機EL素子である場合、低屈折率の部材や高屈折率の接合層に含まれる水分がEL層に浸入することを防ぐことが可能であり好ましい。
【0021】
また、本発明の一態様は、低屈折率の部材が、支持体と、支持体の一方の面に半球状の構造と、他方の面に凹凸の構造を備え、支持体と半球状の構造の屈折率の差、及び支持体と凹凸の構造の屈折率の差が共に0.15以下である上記の発光素子である。
【0022】
上記本発明の一態様によれば、支持体と半球状の構造の屈折率の差、及び支持体と凹凸の構造の屈折率の差を共に0.15以下に抑制する。これにより、界面の屈折率段差による反射が低減し、発光体から発せられた光は半球状の構造を通じて効率よく外部に取り出すことができる。また、低屈折率の部材に用いる材料の選択が容易となり、製造コストを低減できる。
【0023】
また、本発明の一態様は、低屈折率の部材が、支持体と、支持体の一方の面に半球状の構造と、他方の面に凹凸の構造を有し、半球状の構造又は凹凸の構造の少なくとも一方が、支持体とともに成型される上記の発光素子である。
【0024】
上記本発明の一態様によれば、支持体と半球状の構造又は支持体と凹凸の構造の少なくとも一方の間に光学的な段差が形成されない。これにより、低屈折率の部材の内部の界面で散乱されることがなくなり、光の取り出し効率を向上することができる。また、構造を支持体と共に同一の工程で形成できるため、工程数を削減でき便宜である。
【0025】
また、本発明の一態様は、上記の発光素子を複数並べて備える発光装置である。
【0026】
上記本発明の一態様によれば、安価な材料を用いて、光取り出し効率の高い固体発光素子を複数用いて発光装置を構成できる。これにより、高効率な発光装置を提供できる。
【0027】
また、本発明の一態様は、上記の発光素子を備える照明装置である。
【0028】
上記本発明の一態様によれば、高効率な発光装置を用いて照明装置を構成できる。これにより、高効率な照明装置を提供できる。
【0029】
なお、本明細書において、EL層とは発光素子の一対の電極間に設けられた層を示すものとする。従って、電極間に挟まれた発光性の有機化合物を含む発光層はEL層の一態様である。
【0030】
また、本明細書において、物質Aを他の物質Bからなるマトリクス中に分散する場合、マトリクスを構成する物質Bをホスト材料と呼び、マトリクス中に分散される物質Aをゲスト材料と呼ぶものとする。なお、物質A並びに物質Bは、それぞれ単一の物質であっても良いし、2種類以上の物質の混合物であっても良いものとする。
【0031】
なお、本明細書中において、発光装置とは画像表示デバイス、もしくは光源(照明装置含む)を指す。また、発光装置にコネクター、例えばFPC(Flexible printed circuit)もしくはTAB(Tape Automated Bonding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光素子が形成された基板にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て発光装置に含むものとする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、安価な材料を用いて、光取り出し効率の高い固体発光素子を提供できる。または、高効率な発光装置、または該発光装置を用いた高効率な照明装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】実施の形態に係わる固体発光装置の構成を説明する図。
【図2】実施の形態に係わる固体発光素子の構成を説明する図。
【図3】実施の形態に係わる固体発光素子の構成を説明する図。
【図4】実施の形態に係わる固体発光装置の構成を説明する図。
【図5】実施の形態に係わる固体発光装置の構成を説明する図。
【図6】実施の形態に係わる固体発光素子の構成を説明する図。
【図7】実施の形態に係わる固体発光装置の構成を説明する図。
【図8】実施の形態に係わる固体発光体の構成を説明する図。
【図9】実施の形態に係わる固体発光装置を用いた照明装置を説明する図。
【図10】実施の形態に係わる固体発光体の構成を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0034】
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨及びその範囲から逸脱することなくその形態及び詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。従って、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分又は同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略する。
【0035】
(実施の形態1)
本実施の形態では、第1の面に半球状の構造と、第2の面に凹凸の構造を備える低屈折率の部材と、その凹凸の構造を平坦化する高屈折率の接合層と、該高屈折率の接合層の平坦な面に発光面を接する発光体を有し、該低屈折率の部材の凹凸の構造は少なくとも第1の面に形成された半球状の構造の外形より内側に設けられ、該発光体の発光領域の外形が該半球状の構造の外形より小さく、且つ半球状の構造と重なるように、該発光体が設けられた固体発光素子と、該固体発光素子をアレイ状に複数並べた発光装置について図1、乃至図4を参照して説明する。
【0036】
本実施の形態で例示する固体発光装置190の構成を図1に示す。図1(A)は固体発光素子180がマトリクス状に配置された固体発光装置190の断面図であり、図1(B)は固体発光装置190の光取り出し面側から観察した正面図である。なお、図1(A)は図1(B)の切断線M−Nにおける断面図に相当する。
【0037】
固体発光素子180の構成を、図2を用いて詳細に説明する。固体発光素子180は、低屈折率の部材150と、高屈折率の接合層160と、固体発光体170を有する。また、隔壁140は固体発光体170と隣接する他の固体発光体の間に設けられ、固体発光体170は隣接する他の固体発光体から独立した発光領域を備える。
【0038】
<低屈折率の部材の構成>
低屈折率の部材150は第1の面に半球状の構造151を、第2の面に凹凸の構造152を備える。低屈折率の部材150は固体発光体170が発する光を透過し、屈折率が1.0より高く1.6より低いものが好ましい。特に、可視光を透過し屈折率が1.4以上1.6未満の材料を用いることが好ましい。
【0039】
屈折率が1.0より高く1.6より低い材料は種類が豊富なため、安価で入手が容易あり、材料の選択の自由度が高い。また、材料の選択の自由度が高いため、製造方法の選択の自由度も高まり、製造が容易になる。
【0040】
低屈折率の部材150は、例えばガラスや樹脂などを用いて形成すればよい。樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアクリルニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリアミド樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、またはポリ塩化ビニル樹脂などを用いることができる。
【0041】
半球状の構造151は頂点を通る断面において円弧を含む。例えば、底面が円形であって、頂点を通る断面が半円であるものは半球状の構造の一態様である。また、底面が多角形であって、頂点を通る断面が円弧(半円等)を含むもの(傘状の構造とも言うことができる)も半球状の構造の一態様である。半球状の構造の底面の形が円である場合は、多角形の角の数が多い場合と実質的に同一である。底面が多角形であると、隣接する半球状の構造同士を隙間無く配置することができる。例えば、三角形、四角形、六角形の場合、最密に充填して平面に配置できる。特に、底面が六角形の半球状の構造は、光の取り出し効率を高めるため好ましい。
【0042】
なお、異なる形や異なる大きさの半球状の構造を配置して、発光装置を構成してもよい。例えば、隣接する大きな半球状の構造の隙間に、小さな半球状の構造をもうけて、光の取り出し効率を高めることもできる。
【0043】
また、半球状の構造(本明細書において、平面で一部が切除された球状の構造も含むものとする)は、設計上の微差により、扁平等が生じているものも含む。半球状の構造(本明細書において、平面で一部が切除された球状の構造も含むものとする)と大気との間において、全反射を極力小さくすることが可能な形状を採用することができる。
【0044】
凹凸の構造152は規則的な形状であっても、不規則な形状であっても良い。また、隣接する固体発光素子180が備える凹凸の構造と連続する形状であっても、不連続な形状であってもよい。凹凸の構造152の谷底から頂点までの高さは0.1μm〜100μm程度であればよく、隣接する頂点の間隔が1μm以上100μm以下程度であると好ましい。凹凸の構造を設けることにより、屈折率の高い高価な材料を用いて半球状の構造を作る必要がなくなり、製造が容易になる。
【0045】
凹凸の構造152に用いることができる規則的形状としては、例えば円錐、三角錐、四角錐、六角錐等の錐体をその例に挙げることができる。特に、三角錐、四角錐、六角錐等は、最密に充填できるため好ましい。最密充填に近づけるほど、固体発光体の発する光が全反射する条件を満たしがたくなり、光の取り出し効率が高まる効果を奏する。
【0046】
また、凹凸の構造152は単層であっても、複数の層を積層したものであってもよい。例えば、屈折率が1.0より高く1.6より低く、透光性とバリア性を有する無機材料膜を高屈折率の接合層との界面に備える構成とすることが好ましい。例えば酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜を用いることができる。透光性とバリア性を有する無機材料膜は、光の取り出し効率を低下することなく、固体発光体への不純物の拡散を防ぐことができる。例えば、該固体発光体が有機EL素子である場合にも、水分等の不純物が発光体の内部に浸入する現象を抑制でき、固体発光素子の信頼性を向上できる。
【0047】
半球状の構造151、及び凹凸の構造152は金型を用いて形成してもよい。特に、低屈折率の部材150を同一の材料を用いて射出成型法等により半球状の構造151、及び凹凸の構造152を備えて一体成型すると、それぞれの構造の間に屈折率段差が生じ難く、迷光を減らすことができる。その結果、固体発光体が発する光の取り出し効率を向上できる(図2(B)参照)。
【0048】
凹凸の構造152は、図2(C)に示すように固体発光体170の発光領域と重なる矢印で示す領域にのみ形成する構成としてもよい。このような構成とすることで、低屈折率の部材150の力学的な強度を高めることができる。
【0049】
凹凸の構造152は、例えば、エッチング法、砥粒加工法(サンドブラスト法)、マイクロブラスト加工法、液滴吐出法や、印刷法(スクリーン印刷やオフセット印刷などパターンが形成される方法)、スピンコート法などの塗布法、ディッピング法、ディスペンサ法、インプリント法、ナノインプリント法等を適宜用いて形成できる。
【0050】
低屈折率の部材150は、複数の部材を組み合わせた構成であってもよい。例えば、低屈折率の部材が、支持体の一方の面に半球状の構造やマイクロレンズアレイを接着した構成であっても、他方の面に凹凸の構造が施されたフィルムを接着した構成であってもよい。図2(D)は支持体153の第1の面に半球状の構造151を、第2の面に凹凸の構造152を貼り合わせた構成の一例である。なお、複数の部材を貼り合わせた構成とする場合は、用いる部材並びに接着剤の屈折率を実質的に同じ(屈折率の差が0.15以下)とする構成が好ましい。そうすることで、低屈折率の部材150の内部の屈折率段差を抑制できる。その結果、迷光を減らすことができ、固体発光体が発する光の取り出し効率を向上できる。
【0051】
<高屈折率の接合層の構成>
高屈折率の接合層160は一方の面を低屈折率の部材150の凹凸の構造152と接し、他方に平坦な面を備える。
【0052】
高屈折率の接合層160は固体発光体170が発する光を透過し、屈折率が1.6以上のものが好ましく、屈折率が1.7以上2.1以下の材料を用いることが特に好ましい。屈折率が1.6より高い材料は固体発光体の屈折率と同等か、またはそれ以上である。依って、固体発光体と平面を介して接する構成であっても、全反射する条件を満たし難く、導波光が生じがたくなるため好ましい。一方、屈折率が1.6より高い材料は材料の選択の自由度が制限されるうえ、比較的高価である。
【0053】
しかし、本実施の形態で例示する高屈折率の接合層160は低屈折率の部材150の凹凸の構造152を埋め、表面が平坦になる程度の厚みがあればよい。これにより、屈折率が1.6以上の高価な材料の使用量を低減でき、接合層160の形成が容易になる。
【0054】
また、高屈折率の接合層160は低屈折率の部材150の凹凸の構造152の凹部を埋め、平坦な表面を形成する。これにより、凹凸に起因する膜厚ムラや、カバレッジ不良等が起こり難くなり、固体発光体170の形成が容易になる。
【0055】
高屈折率の接合層160は、高屈折率のガラスや樹脂を用いて構成する。高屈折率の樹脂としては、臭素が含まれる樹脂、硫黄が含まれる樹脂などが挙げられ、例えば、含硫黄ポリイミド樹脂、エピスルフィド樹脂、チオウレタン樹脂、又は臭素化芳香族樹脂などを用いることができる。また、PET(ポリエチレンテレフタラート)、TAC(トリアセチルセルロース)なども用いることができる。
【0056】
高屈折率の接合層160は単層であっても、複数の層を積層したものであってもよい。例えば、屈折率が1.6以上の無機材料膜、特に窒化膜を含む構成とすることが好ましい。例えば窒化珪素膜、窒化アルミニウム膜、窒化酸化珪素膜、酸化アルミニウム膜等を用いることができる。窒化膜は、光の取り出し効率を低下することなく、固体発光体への不純物の拡散を防ぐことができる。例えば、該固体発光体が有機EL素子である場合にも、水分等の不純物が発光体の内部に浸入する現象を抑制でき、固体発光素子の信頼性を向上できる。
【0057】
高屈折率の接合層160の形成方法としては、接着強度や加工のしやすさなどを考慮し、材料にあった種々の方法を適宜選択すればよい。前述の樹脂を、例えばスピンコート法、スクリーン印刷法を用いて成膜し、熱または光によって硬化することができる。
【0058】
<固体発光体の構成>
固体発光体170は屈折率が1.6以上の発光層を含んで構成される。固体発光体170としては、例えば有機EL素子、無機EL素子、及びLED等を挙げることができる。
【0059】
<固体発光素子の構成>
固体発光体は高い信頼性が期待できるが、大気より屈折率が高い領域で光が生じるため、大気中に効率良く光を取り出す工夫が求められる。屈折率の高い領域から低い領域に光が進行する場合、その界面で全反射が起こることにより、屈折率の低い領域に光を取り出せない条件があるためである。
【0060】
本実施の形態で例示する固体発光素子は、第1の面に半球状の構造と、第2の面に凹凸の構造を備える低屈折率の部材と、その凹凸の構造を平坦化する高屈折率の接合層と、該高屈折率の接合層の平坦な面に発光面を接する発光体を有し、該低屈折率の部材の凹凸の構造は少なくとも第1の面に形成された半球状の構造の外形より内側に設けられ、該発光体の発光領域の外形が該半球状の構造の外形より小さく、且つ半球状の構造と重なるように、該発光体を備える(図3(B)参照)。この構成により、屈折率の高い固体発光体から屈折率の低い大気中に効率よく光を取り出すことができる理由について、図3を用いて以下に説明する。
【0061】
本実施の形態においては、固体発光素子180の固体発光体170に有機EL素子を用いる場合について説明する。具体的には、固体発光体170は第1の電極101と第2の電極102の間に発光性の有機化合物を含む層103を挟んで備える。発光性の有機化合物を含む層103が発する光を第1の電極101は透過し、第2の電極102は反射する。また、隔壁140は垂直または逆テーパー型の形状を備え、固体発光体170を隣接する固体発光体から分離している(図3(A)参照)。なお、第1の電極101及び第2の電極102は、それぞれ図示されていない配線を介して電源と接続される。例えば、第2の電極102に重ねて導電膜104を、回り込み性のよい成膜方法(例えばスパッタリング法)を用いて成膜すると、固体発光体170の第2の電極102を隣接する固体発光体の第2の電極と接続できる(図10(A)参照)。また、第2の電極102を回り込み性のよい成膜方法を用いて成膜しても同様の効果が得られる。
【0062】
また、図3(A)の右側に隔壁の変形例を示す。固体発光素子180bは、順テーパー型の隔壁140bを備える。隔壁140bは、第1の電極101bと発光性の有機化合物を含む層103bの間を電気的に絶縁し、固体発光体170bを隣接する固体発光体から分離している。また、順テーパー型の隔壁140bとすることで、固体発光体170bの第2の電極102bを隣接する固体発光体の第2の電極と接続できる。なお、図3(A)に例示する固体発光体170bの第1の電極101bは、隣接する固体発光体の第1の電極と接続されている。よって、固体発光体170bは隣接する発光体と並列に接続されているということができる。
【0063】
なお、低屈折率の部材150が備える凹凸の構造152は高屈折率の接合層160により平坦化されている。高屈折率の接合層160が平坦化した表面上に第1の電極101を形成することで、第1の電極101が平坦になり、第1の電極101と第2の電極102の短絡が防止できる。依ってこのような構成は、固体発光体170の信頼性を向上する効果を奏する。
【0064】
固体発光体170は、第1の電極101と第2の電極102に閾値以上の電圧を加えることにより、発光性の有機化合物を含む層103が発光する。次いで、当該発光は、発光性の有機化合物が発する光に対し透光性を備える第1の電極101を透過して、高屈折率の接合層160との界面に進行する。なお、本明細書中において、固体発光体の発光が生じる領域を、発光領域と呼ぶこととする。また、固体発光体から高屈折率の接合層に光が放出される面を発光面と呼ぶこととする。
【0065】
従って、図3(B)においては、固体発光体170が発する光が透過する第1の電極101と高屈折率の接合層160が接する界面が発光面となる。また、固体発光体170の発光領域を発光面を含む面165に投影した形が、発光領域の外形171となる。
【0066】
高屈折率の接合層160は固体発光体170と同様に大気より高い屈折率を備えるため、固体発光体170が発する光の大部分は高屈折率の接合層160との界面で全反射することなく、高屈折率の接合層160に進入できる。
【0067】
高屈折率の接合層160に進入した光は、低屈折率の部材150に設けられた凹凸の構造152に進行する。凹凸の構造152は、発光面と平行でない角度を備えるため、界面において全反射が繰り返され難い。その結果、固体発光体170が発する光が低屈折率の部材150の内部まで、高い効率で進入できる。
【0068】
図3(B)に示すように、屈折率がnの低屈折率の部材は、さらに屈折率が低い大気に接する半球状の構造を備える。また、発光面を含む面165に投影した半球状の構造151の外形の直径r1に比べ、固体発光体170の発光領域の外形171の直径r2は小さい。また、半球状の構造151と重なるように該発光体が設けられている。これにより、発光体から発せられた光は半球状の構造を通じて外部に取り出される。
【0069】
特に、発光領域の外形171が発光面を含む面165に投影した半球状の構造151の外形に相似であって、半球状の構造151の外形の(1/n)倍の範囲に含まれるように構成されている場合、言い換えると、r2がr1の(1/n)倍と等しい構成において、光の全反射が極力抑制され、発光体から発せられた光を、半球状の構造を通じて大気中に効率良く取り出すことができる。半球状の構造151の外周部に近い領域に進入する光は、全反射を繰り返し取り出しにくい。依って、その領域を避けて発光領域を設ける構成とすることで、取り出し効率の低下を防ぐことができる。
【0070】
<変形例>
本実施の形態の変形例を図4に示す。図4に例示する固体発光装置390は、六角形の発光面と、底面が六角形の半球状の構造を備える他は、図1に例示する固体発光装置190と同じ構成を備える。
【0071】
図4(A)は固体発光素子380がマトリクス状に配置された固体発光装置390の断面図であり、図4(B)は固体発光装置390の光取り出し面側から観察した正面図である。なお、図4(A)は図4(B)の切断線M−Nにおける断面図に相当し、図4(C)は図4(B)の切断線P−Qにおける断面図に相当する。
【0072】
固体発光素子380は六角形の発光領域を備える固体発光体370と、高屈折率の接合層360と、第1の面に凹凸の構造を、第2の面に半球状の構造を備える低屈折率の部材350を有する。固体発光体370の発光領域を発光面を含む面に投影した発光領域の外形と、半球状の構造351の外形(半球状の構造の底面の外形とも言える)は中心を同一にして共に六角形である。また、屈折率がnの低屈折率の部材350において、固体発光体370の発光領域の外形は半球状の構造351の外形の(1/n)倍の範囲に含まれる。
【0073】
半球状の構造351は、底面の角から頂点に向かう稜線を備える。稜線を通る断面において、当該稜線は円弧を含む。なお、半球状の構造351は傘のような半球状の構造と言い換えることができる。なお、本変形例で例示する固体発光素子380の固体発光体370は、上述の固体発光素子180の固体発光体170と同様の構成を備える。具体的には、第1の電極と第2の電極の間に発光性の有機化合物を挟んで備える。また、固体発光体370の第1の電極及び第2の電極は、それぞれ図示されていない配線を介して電源と接続される。例えば、第2の電極に重ねて導電膜304を、回り込み性のよい成膜方法(例えばスパッタリング法)を用いて成膜すると、固体発光体370の第2の電極を隣接する固体発光体の第2の電極と接続できる。また、第2の電極を回り込み性のよい成膜方法を用いて成膜しても同様の効果が得られる。
【0074】
本変形例で例示する固体発光装置は一方の面に複数の半球状の構造を備え、該半球状の構造の外形と、隣接する他の半球状の構造の外形が隙間無く接している。また、固体発光体の発光領域の外形は半球状の構造の外形の(1/n)倍の範囲に含まれる。このような構成とすることで、同一の面積内に固体発光素子を高い密度で配置できるため、固体発光装置を小型化できる。
【0075】
特に、光を取り出しがたい半球状の構造の外周部を避けて、固体発光体の発光領域を半球状の構造の外形の(1/n)倍とすることで、光取り出し効率を低減することなく固体発光装置の面積を最小にできる。且つその光取り出し効率を最大にできる。
【0076】
本実施の形態で例示した、第1の面に半球状の構造と、第2の面に凹凸の構造を備える低屈折率の部材と、その凹凸の構造を平坦化する高屈折率の接合層と、該高屈折率の接合層の平坦な面に発光面を接する発光体を有し、該低屈折率の部材の凹凸の構造は少なくとも第1の面に形成された半球状の構造の外形より内側に設けられ、該発光体の発光領域の外形が該半球状の構造の外形より小さく、且つ半球状の構造と重なるように、該発光体を設けた固体発光素子は、高い屈折率を備える材料の使用量を低減できるため、安価な材料を用いて、光取り出し効率の高い固体発光素子を提供できる。
【0077】
また、該固体発光素子をアレイ状に配置した発光装置は、安価な材料を用いた光取り出し効率が高い固体発光素子により構成されているため、光取り出し効率が高く、安価である。
【0078】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0079】
(実施の形態2)
本実施の形態では、実施の形態1とは異なる態様の固体発光素子と、該固体発光素子をアレイ状に配置した発光装置について、図5および図6を参照して説明する。本実施の形態で例示する固体発光素子は、第1の面に半球状の構造と、第2の面に半球状の凹み構造を備える低屈折率の部材と、その半球状の凹み構造を平坦化する高屈折率の接合層と、該高屈折率の接合層の平坦な面に発光面を接する発光体を有する。また、低屈折率の部材の半球状の凹み構造は、第1の面に形成された半球状の構造の外形より内側に設けられている。さらに、該発光体は複数のサブ固体発光体を含み、サブ固体発光体の発光領域の外形は半球状の凹み構造の外形よりも小さく、その発光領域の外形が半球状の凹み構造の外形と重なるように、該サブ固体発光体が設けられている(図6参照)。
【0080】
本実施の形態で例示する固体発光装置290、および固体発光素子280の構成を図5に示す。図5(A)はサブ固体発光体が複数配置された固体発光素子280の断面図であり、図5(B)は固体発光素子280がアレイ状に配置された固体発光装置290の光取り出し面側から観察した正面図である。なお、図5(A)は図5(B)の切断線M−Nにおける断面図に相当する。
【0081】
固体発光素子280の構成を、図5(A)を用いて詳細に説明する。固体発光素子280は、低屈折率の部材250と、高屈折率の接合層260と、固体発光体270を有する。
【0082】
固体発光体270は、図5(A)に示すように小さなサブ固体発光体270a、サブ固体発光体270b、サブ固体発光体270cを含む複数のサブ固体発光体で構成されている。隔壁240はサブ固体発光体の間に設けられ、それぞれの発光領域を分離している。
【0083】
<低屈折率の部材の構成>
低屈折率の部材250は第1の面に半球状の構造251を、第2の面に半球状の凹み構造252を備える他は、実施の形態1で例示した低屈折率の部材150と同様の材料、方法を用いて形成することができる。具体的には、固体発光体270が発する光を透過し、屈折率が1.0より高く1.6より低い材料を用いて、例えば、射出成型法等を用いて形成すればよい。よって、詳細については実施の形態1の記載を参酌することができる。
【0084】
半球状の凹み構造252が備える半球状の凹みは、例えば直径が1μm以上100μm以下程度であればよく、互いが最密充填される配置が好ましい。最密充填に近づけるほど、単位面積あたりにサブ固体発光体の発光領域が占める面積を高めることができ、固体発光素子280を明るくすることができる。
【0085】
<高屈折率の接合層の構成>
高屈折率の接合層260は一方の面を低屈折率の部材250の半球状の凹み構造252と接し、他方に平坦な面を備え、実施の形態1で例示した高屈折率の接合層160と同様の材料、方法を用いて形成することができる。具体的には、高屈折率の接合層260は固体発光体270が発する光を透過し、屈折率が1.6以上の材料を用い、スピンコート法、スクリーン印刷法等で半球状の凹み構造252を埋め、表面を平坦にするように形成すればよい。よって、詳細については実施の形態1の記載を参酌することができる。
【0086】
<固体発光体の構成>
固体発光体270は屈折率が1.6以上の発光層を含んで構成される。固体発光体270としては、例えば有機EL素子、無機EL素子、及びLED等を挙げることができる。
【0087】
<固体発光素子の構成>
固体発光体は高い信頼性が期待できるが、大気より屈折率が高い領域で光が生じるため、大気中に効率良く光を取り出す工夫が求められる。屈折率の高い領域から低い領域に光が進行する場合、その界面で全反射が起こることにより、屈折率の低い領域に光を取り出せない条件があるためである。
【0088】
本実施の形態で例示する固体発光素子は、第1の面に半球状の構造と、第2の面に半球状の凹み構造を備える低屈折率の部材と、その半球状の凹み構造を平坦化する高屈折率の接合層と、該高屈折率の接合層の平坦な面に発光面を接する発光体を有する。低屈折率の部材の半球状の凹み構造は、第1の面に形成された半球状の構造の外形より内側に設けられている。該発光体は複数のサブ固体発光体を含み、該サブ固体発光体の発光領域の外形は半球状の凹み構造の外形よりも小さく、その発光領域の外形が半球状の凹み構造の外形と重なるように、該サブ固体発光体が設けられている。この構成により、屈折率の高い固体発光体から屈折率の低い大気中に、効率よく光を取り出すことができる理由について以下に説明する。
【0089】
本実施の形態においては、固体発光素子280の固体発光体270に有機EL素子を用いる場合について説明する。具体的には、固体発光体270を構成するサブ固体発光体のそれぞれは第1の電極201と第2の電極202の間に発光性の有機化合物を含む層203を挟んで備える。発光性の有機化合物を含む層203が発する光を第1の電極201は透過し、第2の電極202は反射する。また、隔壁240は逆テーパー型の形状を備え、サブ固体発光体のそれぞれの発光領域を分離している(図5(A)参照)。
【0090】
なお、低屈折率の部材250が備える半球状の凹み構造252は高屈折率の接合層260により平坦化されている。高屈折率の接合層260が平坦化した表面上に第1の電極201を形成することで、第1の電極201が平坦になり、第1の電極201と第2の電極202の短絡が防止できる。依ってこのような構成は、固体発光体270の信頼性を向上する効果を奏する。
【0091】
固体発光体270は、第1の電極201と第2の電極202に閾値以上の電圧を加えることにより、発光性の有機化合物を含む層203が発光する。次いで、当該発光は、発光性の有機化合物が発する光に対し透光性を備える第1の電極201を透過して、高屈折率の接合層260との界面に進行する。
【0092】
なお、図6においては、固体発光体270が発する光が透過する第1の電極201と高屈折率の接合層260が接する界面が発光面となる。なお、サブ固体発光体270cの発光領域を発光面を含む面265に投影した形がサブ発光領域の外形271cとなり、固体発光体270の発光領域を発光面を含む面265に投影した形が、発光領域の外形271となる。また、本実施の形態ではサブ固体発光体270cを例に説明するが、固体発光体270が備える他のサブ固体発光体についても同様の説明を適用することができる。
【0093】
高屈折率の接合層260はサブ固体発光体270cと同様に大気より高い屈折率を備えるため、サブ固体発光体270cが発する光の大部分は高屈折率の接合層260との界面で全反射することなく、高屈折率の接合層260に進入できる。
【0094】
高屈折率の接合層260に進入した光は、低屈折率の部材250に設けられた半球状の凹み構造252に進行する。半球状の凹み構造252は、発光面と平行でない多様な角度を備えるため、界面において全反射が繰り返され難い。また、発光面を含む面265に投影したサブ固体発光体270cの発光領域の外形271cの直径r4は、半球状の凹み構造252の外形の直径r3より小さい。また、その発光領域の外形271cの直径r4が半球状の凹み構造252と重なるようにサブ固体発光体270cが設けられている。その結果、サブ固体発光体270cが発する光は、高屈折率の接合層260で埋められた半球状の凹み構造252の内部まで効率よく進入し、さらに半球状の凹み構造252を介して低屈折率の部材250に進入する。
【0095】
なお、固体発光体270が備える他のサブ固体発光体が発する光も、サブ固体発光体270cが発する光と同様に、半球状の凹み構造252を介して低屈折率の部材250に効率よく進入する。
【0096】
固体発光素子280が備える、屈折率がnの低屈折率の部材250は、さらに屈折率が低い大気に接する半球状の構造251を有する(図5(A)参照)。発光面を含む面265に投影した半球状の構造251の外形の直径r1に比べ、固体発光体270の発光領域の外形271の直径r2は小さい。また、半球状の構造251と重なるように固体発光体270が設けられている。これにより、発光体から発せられた光は半球状の構造251を通じて外部に取り出される。
【0097】
特に、発光面を含む面265に投影した半球状の構造251の外形に相似であって、半球状の構造251の外形の(1/n)倍の範囲に含まれるように発光領域の外形271が構成されている場合、言い換えると、r2がr1の(1/n)倍と等しい構成において、光の全反射が極力抑制され、発光体から発せられた光を、半球状の構造を通じて大気中に効率良く取り出すことができる。半球状の構造251の外周部に近い領域に進入する光は、全反射を繰り返し、取り出しにくい。依って、その領域を避けて発光領域を設ける構成とすることで、光取り出し効率の低下を防ぐことができる。なお、本実施の形態で例示するサブ固体発光素子のサブ固体発光体は、実施の形態1の固体発光素子180の固体発光体170と同様の構成を備える。具体的には、第1の電極と第2の電極の間に発光性の有機化合物を挟んで備える。また、サブ固体発光体の第1の電極及び第2の電極は、それぞれ図示されていない配線を介して電源と接続される。例えば、第2の電極に重ねて導電膜204を、回り込み性のよい成膜方法(例えばスパッタリング法)を用いて成膜すると、サブ固体発光体の第2の電極を隣接するサブ固体発光体の第2の電極と接続できる(図10(B)参照)。また、第2の電極を回り込み性のよい成膜方法を用いて成膜しても同様の効果が得られる。
【0098】
<変形例>
本実施の形態の変形例を図7に示す。図7に例示する固体発光装置490は、六角形の発光面と、六角形の底面を有する半球状の構造を備える他は、図5に例示する固体発光装置290と同じ構成を備える。
【0099】
図7(A)は固体発光素子480がマトリクス状に配置された固体発光装置490の断面図であり、図7(B)は固体発光装置490の光取り出し面側から観察した正面図である。なお、図7(A)は図7(B)の切断線M−Nにおける断面図に相当し、図7(C)は図7(B)の切断線M−Lにおける断面図に相当する。
【0100】
固体発光素子480はサブ固体発光体を六角形状に配置して備える固体発光体470と、高屈折率の接合層460と、半球状の凹み構造を第1の面に、半球状の構造を第2の面に備える低屈折率の部材450を有する。六角形状に配置したサブ固体発光体の発光領域を発光面を含む面に投影した発光領域の外形と、半球状の構造451の外形(底面の外形とも言える)は中心を同一にして共に六角形である。また、屈折率がnの低屈折率の部材450において、固体発光体470の発光領域の外形は半球状の構造451の外形の(1/n)倍の範囲に含まれる。
【0101】
半球状の構造451は、底面の角から頂点に向かう稜線を備える。稜線を通る断面において、当該稜線は円弧を含む。
【0102】
本変形例で例示する固体発光装置は一方の面に複数の半球状の構造を備え、該半球状の構造の外形と、隣接する他の半球状の構造の外形が隙間無く接している。また、固体発光体の発光領域の外形は半球状の構造の外形の(1/n)倍の範囲に含まれる。このような構成とすることで、同一の面積内に固体発光素子を高い密度で配置できるため、固体発光装置を小型化できる。
【0103】
特に、半球状の構造の外周部の光を取り出しがたい領域を避けて、固体発光体の発光領域の外形を半球状の構造の外形の(1/n)倍とすることで、固体発光装置の面積を最小にできる。且つその光取り出し効率を最大にできる。
【0104】
また、該固体発光素子をアレイ状に配置した発光装置は、安価な材料を用いた光取り出し効率が高い固体発光素子により構成されているため、光取り出し効率が高く、安価である。
【0105】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0106】
(実施の形態3)
本実施の形態では、実施の形態1又は実施の形態2で説明した固体発光素子に適用できる発光体の構成、及びその作製方法の一例について図8を参照して説明する。
【0107】
本実施の形態で例示する発光体は、第1の電極、第2の電極、並びに発光物質を含む有機層を備える。第1の電極と第2の電極は一方が陽極として機能し、他方が陰極として機能する。発光物質を含む有機層は第1の電極と第2の電極の間に設けられ、該有機層の構成は第1の電極と第2の電極の極性、及び材質に合わせて適宜選択すればよい。以下に発光体の構成の一例を例示するが、発光体の構成がこれに限定されないことは言うまでもない。
【0108】
<発光体の構成例1.>
発光体の構成の一例を図8(A)に示す。図8(A)に示す発光体は、陽極1101と陰極1102の間に発光物質を含む有機層1103が挟んで設けられている。
【0109】
陽極1101と陰極1102の間に、閾値電圧より高い電圧を印加すると、発光物質を含む有機層1103に陽極1101の側から正孔(ホール)が注入され、陰極1102の側から電子が注入される。注入された電子と正孔は有機層1103において再結合し、有機層1103に含まれる発光物質が発光する。
【0110】
発光物質を含む有機層1103は、少なくとも発光物質を含む発光層を備えていればよく、発光層以外の層と積層された構造であっても良い。発光層以外の層としては、例えば正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、並びにバイポーラ性(電子及び正孔の輸送性の高い)の物質等を含む層が挙げられる。具体的には、正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層(ホールブロッキング層)、電子輸送層、電子注入層等が挙げられ、これらを陽極側から適宜積層して用いることができる。
【0111】
<発光体の構成例2.>
発光体の構成の他の一例を図8(B)に示す。図8(B)に例示する発光体は、陽極1101と陰極1102の間に発光物質を含む有機層1103が挟んで設けられている。さらに、陰極1102と発光物質を含む有機層1103との間には中間層1104が設けられている。なお、当該発光体の構成例2の発光物質を含む有機層1103には、上述の発光体の構成例1と同様の構成が適用可能であり、詳細については、発光体の構成例1の記載を参酌できる。
【0112】
中間層1104は少なくとも電荷発生領域を含んで形成されていればよく、電荷発生領域以外の層と積層された構成であってもよい。例えば、第1の電荷発生領域1104c、電子リレー層1104b、及び電子注入バッファー1104aが陰極1102側から順次積層された構造を適用することができる。
【0113】
中間層1104における電子と正孔の挙動について説明する。陽極1101と陰極1102の間に、閾値電圧より高い電圧を印加すると、第1の電荷発生領域1104cにおいて、正孔(ホール)と電子が発生し、正孔は陰極1102へ移動し、電子は電子リレー層1104bへ移動する。電子リレー層1104bは電子輸送性が高く、第1の電荷発生領域1104cで生じた電子を電子注入バッファー1104aに速やかに受け渡す。電子注入バッファー1104aは発光物質を含む有機層1103に電子を注入する障壁を緩和し、発光物質を含む有機層1103への電子注入効率を高める。従って、第1の電荷発生領域1104cで発生した電子は、電子リレー層1104bと電子注入バッファー1104aを経て、発光物質を含む有機層1103のLUMO準位に注入される。
【0114】
また、電子リレー層1104bは、第1の電荷発生領域1104cを構成する物質と電子注入バッファー1104aを構成する物質が界面で反応し、互いの機能が損なわれてしまう等の相互作用を防ぐことができる。
【0115】
<発光体の構成例3.>
発光体の構成の他の一例を図8(C)に示す。図8(C)に例示する発光体は、陽極1101と陰極1102の間に発光物質を含む有機層1103が2つ挟まれて設けられている。さらに、発光物質を含む有機層1103と、発光物質を含む有機層1103との間には中間層1104が設けられている。なお、陽極と陰極の間に挟持する発光物質を含む有機層は二つに限定されない。発光物質を含む有機層の間に中間層を挟んで、発光物質を含む有機層を陽極と陰極の間に三つ以上積層してもよい。なお、当該発光体の構成例3の発光物質を含む有機層1103には、上述の発光体の構成例1と同様の構成が適用可能であり、また当該発光体の構成例3の中間層1104には、上述の発光体の構成例2と同様の構成が適用可能である。よって、詳細については、発光体の構成例1、または発光体の構成例2の記載を参酌できる。
【0116】
発光物質を含む有機層1103の間に設けられた中間層1104における電子と正孔の挙動について説明する。陽極1101と陰極1102の間に、閾値電圧より高い電圧を印加すると、中間層1104において正孔(ホール)と電子が発生し、正孔は陰極1102側に設けられた発光物質を含む有機層1103へ移動し、電子は陽極1101側に設けられた発光物質を含む有機層1103へ移動する。陰極1102側に設けられた発光物質を含む有機層1103に注入された正孔は、陰極1102側から注入された電子と再結合し、当該有機層1103に含まれる発光物質が発光する。また、陽極1101側に設けられた発光物質を含む有機層1103に注入された電子は、陽極1101側から注入された正孔と再結合し、当該有機層1103に含まれる発光物質が発光する。依って、中間層1104において発生した正孔と電子は、それぞれ異なる発光物質を含む有機層において発光に至る。
【0117】
なお、発光物質を含む有機層同士を接して設けることで、両者の間に中間層と同じ構成が形成される場合は、発光物質を含む有機層同士を接して設けることができる。具体的には、発光物質を含む有機層の一方の面に電荷発生領域が形成されていると、当該電荷発生領域は中間層の第1の電荷発生領域として機能するため、発光物質を含む有機層同士を接して設けることができる。
【0118】
発光体の構成例1乃至構成例3は、互いに組み合わせて用いることができる。例えば、発光体の構成例3の陰極と発光物質を含む有機層の間に中間層を設けることもできる。
【0119】
<発光体に用いることができる材料>
次に、上述した構成を備える発光体に用いることができる具体的な材料について、陽極、陰極、発光物質を含む有機層、第1の電荷発生領域、電子リレー層、並びに電子注入バッファーの順に説明する。
【0120】
<陽極に用いることができる材料>
陽極1101は、仕事関数の大きい(具体的には4.0eV以上が好ましい)金属、合金、電気伝導性化合物、およびこれらの混合物などを用いることが好ましい。具体的には、例えば、インジウム錫酸化物(ITO:Indium Tin Oxide)、珪素若しくは酸化珪素を含有したインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide)、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物等が挙げられる。
【0121】
これらの導電性金属酸化物膜は、通常スパッタにより成膜されるが、ゾル−ゲル法などを応用して作製しても構わない。例えば、インジウム亜鉛酸化物膜は、酸化インジウムに対し1〜20wt%の酸化亜鉛を加えたターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。また、酸化タングステン及び酸化亜鉛を含有した酸化インジウム膜は、酸化インジウムに対し酸化タングステンを0.5〜5wt%、酸化亜鉛を0.1〜1wt%含有したターゲットを用いてスパッタリング法により形成することができる。
【0122】
この他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、チタン(Ti)、または金属材料の窒化物(例えば、窒化チタン等)、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物、チタン酸化物等が挙げられる。また、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)、ポリアニリン/ポリ(スチレンスルホン酸)(PAni/PSS)等の導電性ポリマーを用いても良い。
【0123】
但し、陽極1101と接して第2の電荷発生領域を設ける場合には、仕事関数を考慮せずに様々な導電性材料を陽極1101に用いることができる。具体的には、仕事関数の大きい材料だけでなく、仕事関数の小さい材料を用いることもできる。第2の電荷発生領域を構成する材料については、第1の電荷発生領域と共に後述する。
【0124】
<陰極に用いることができる材料>
陰極1102に接して第1の電荷発生領域1104cを、発光物質を含む有機層1103との間に設ける場合、陰極1102は仕事関数の大小に関わらず様々な導電性材料を用いることができる。
【0125】
なお、陰極1102および陽極1101のうち少なくとも一方を、可視光を透過する導電膜を用いて形成する。可視光を透過する導電膜としては、例えば酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などを挙げることができる。また、光を透過する程度(好ましくは、5nm〜30nm程度)の金属薄膜を用いることもできる。
【0126】
<発光物質を含む有機層に用いることができる材料>
上述した発光物質を含む有機層1103を構成する各層に用いることができる材料について、以下に具体例を示す。
【0127】
正孔注入層は、正孔注入性の高い物質を含む層である。正孔注入性の高い物質としては、例えば、モリブデン酸化物やバナジウム酸化物、ルテニウム酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物等を用いることができる。この他、フタロシアニン(略称:HPc)や銅フタロシアニン(略称:CuPc)等のフタロシアニン系の化合物、或いはポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)(PEDOT/PSS)等の高分子等によっても正孔注入層を形成することができる。
【0128】
なお、第2の電荷発生領域を用いて正孔注入層を形成してもよい。正孔注入層に第2の電荷発生領域を用いると、仕事関数を考慮せずに様々な導電性材料を陽極1101に用いることができるのは前述の通りである。第2の電荷発生領域を構成する材料については第1の電荷発生領域と共に後述する。
【0129】
正孔輸送層は、正孔輸送性の高い物質を含む層である。正孔輸送性の高い物質としては、例えば、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPBまたはα−NPD)やN,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニル−[1,1’−ビフェニル]−4,4’−ジアミン(略称:TPD)、4−フェニル−4’−(9−フェニルフルオレン−9−イル)トリフェニルアミン(略称:BPAFLP)、4,4’,4’’−トリス(カルバゾール−9−イル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:MTDATA)、4,4’−ビス[N−(スピロ−9,9’−ビフルオレン−2−イル)−N―フェニルアミノ]ビフェニル(略称:BSPB)などの芳香族アミン化合物、3−[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA1)、3,6−ビス[N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)−N−フェニルアミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCA2)、3−[N−(1−ナフチル)−N−(9−フェニルカルバゾール−3−イル)アミノ]−9−フェニルカルバゾール(略称:PCzPCN1)等が挙げられる。その他、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、1,3,5−トリス[4−(N−カルバゾリル)フェニル]ベンゼン(略称:TCPB)、9−[4−(10−フェニル−9−アントラセニル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CzPA)等のカルバゾール誘導体、等を用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質である。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。なお、正孔輸送性の高い物質を含む層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。
【0130】
これ以外にも、ポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの高分子化合物を正孔輸送層に用いることができる。
【0131】
発光層は、発光物質を含む層である。発光物質としては、以下に示す蛍光性化合物を用いることができる。例えば、N,N’−ビス[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N,N’−ジフェニルスチルベン−4,4’−ジアミン(略称:YGA2S)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(10−フェニル−9−アントリル)トリフェニルアミン(略称:YGAPA)、4−(9H−カルバゾール−9−イル)−4’−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)トリフェニルアミン(略称:2YGAPPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:PCAPA)、ペリレン、2,5,8,11−テトラ−tert−ブチルペリレン(略称:TBP)、4−(10−フェニル−9−アントリル)−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBAPA)、N,N’’−(2−tert−ブチルアントラセン−9,10−ジイルジ−4,1−フェニレン)ビス[N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン](略称:DPABPA)、N,9−ジフェニル−N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPPA)、N−[4−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)フェニル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPPA)、N,N,N’,N’,N’’,N’’,N’’’,N’’’−オクタフェニルジベンゾ[g,p]クリセン−2,7,10,15−テトラアミン(略称:DBC1)、クマリン30、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,9−ジフェニル−9H−カルバゾール−3−アミン(略称:2PCABPhA)、N−(9,10−ジフェニル−2−アントリル)−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPAPA)、N−[9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−2−アントリル]−N,N’,N’−トリフェニル−1,4−フェニレンジアミン(略称:2DPABPhA)、9,10−ビス(1,1’−ビフェニル−2−イル)−N−[4−(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアントラセン−2−アミン(略称:2YGABPhA)、N,N,9−トリフェニルアントラセン−9−アミン(略称:DPhAPhA)、クマリン545T、N,N’−ジフェニルキナクリドン(略称:DPQd)、ルブレン、5,12−ビス(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6,11−ジフェニルテトラセン(略称:BPT)、2−(2−{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−6−メチル−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:DCM1)、2−{2−メチル−6−[2−(2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCM2)、N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)テトラセン−5,11−ジアミン(略称:p−mPhTD)、7,14−ジフェニル−N,N,N’,N’−テトラキス(4−メチルフェニル)アセナフト[1,2−a]フルオランテン−3,10−ジアミン(略称:p−mPhAFD)、2−{2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTI)、2−{2−tert−ブチル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:DCJTB)、2−(2,6−ビス{2−[4−(ジメチルアミノ)フェニル]エテニル}−4H−ピラン−4−イリデン)プロパンジニトリル(略称:BisDCM)、2−{2,6−ビス[2−(8−メトキシ−1,1,7,7−テトラメチル−2,3,6,7−テトラヒドロ−1H,5H−ベンゾ[ij]キノリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン−4−イリデン}プロパンジニトリル(略称:BisDCJTM)、SD1(商品名;SFC Co., Ltd製)などが挙げられる。
【0132】
また、発光物質としては、以下に示す燐光性化合物を用いることもできる。例えば、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラキス(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス[2−(3’,5’−ビストリフルオロメチルフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CFppy)(pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIracac)、トリス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(ppy))、ビス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(ppy)(acac))、ビス(ベンゾ[h]キノリナト)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bzq)(acac))、ビス(2,4−ジフェニル−1,3−オキサゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(dpo)(acac))、ビス[2−(4’−パーフルオロフェニルフェニル)ピリジナト]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(p−PF−ph)(acac))、ビス(2−フェニルベンゾチアゾラト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(bt)(acac))、ビス[2−(2’−ベンゾ[4,5−α]チエニル)ピリジナト−N,C3’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(btp)(acac))、ビス(1−フェニルイソキノリナト−N,C2’)イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:Ir(piq)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス[2,3−ビス(4−フルオロフェニル)キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:Ir(Fdpq)(acac))、(アセチルアセトナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)(acac))、2,3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリン白金(II)(略称:PtOEP)、トリス(アセチルアセトナト)(モノフェナントロリン)テルビウム(III)(略称:Tb(acac)(Phen))、トリス(1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオナト)(モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(DBM)(Phen))、トリス[1−(2−テノイル)−3,3,3−トリフルオロアセトナト](モノフェナントロリン)ユーロピウム(III)(略称:Eu(TTA)(Phen))、(ジピバロイルメタナト)ビス(2,3,5−トリフェニルピラジナト)イリジウム(III)(略称:Ir(tppr)(dpm))などが挙げられる。
【0133】
なお、これらの発光物質は、ホスト材料に分散させて用いるのが好ましい。ホスト材料としては、例えば、NPB(略称)、TPD(略称)、TCTA(略称)、TDATA(略称)、MTDATA(略称)、BSPB(略称)などの芳香族アミン化合物、PCzPCA1(略称)、PCzPCA2(略称)、PCzPCN1(略称)、CBP(略称)、TCPB(略称)、CzPA(略称)、9−フェニル−3−[4−(10−フェニル−9−アントリル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:PCzPA)、4−フェニル−4’−(9−フェニル−9H−カルバゾール−3−イル)トリフェニルアミン(略称:PCBA1BP)などのカルバゾール誘導体、PVK(略称)、PVTPA(略称)、PTPDMA(略称)、Poly−TPD(略称)などの高分子化合物を含む正孔輸送性の高い物質や、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンズオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(BOX))、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ))などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体、さらに、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)や、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、9−[4−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)フェニル]−9H−カルバゾール(略称:CO11)、3−(4−ビフェニリル)−4−フェニル−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)などの電子輸送性の高い物質を用いることができる。
【0134】
電子輸送層は、電子輸送性の高い物質を含む層である。電子輸送性の高い物質としては、例えば、Alq(略称)、Almq(略称)、BeBq(略称)、BAlq(略称)など、キノリン骨格またはベンゾキノリン骨格を有する金属錯体等を用いることができる。また、この他Zn(BOX)(略称)、Zn(BTZ)(略称)などのオキサゾール系、チアゾール系配位子を有する金属錯体なども用いることができる。さらに、金属錯体以外にも、PBD(略称)や、OXD−7(略称)、CO11(略称)、TAZ(略称)、BPhen(略称)、BCP(略称)、2−[4−(ジベンゾチオフェン−4−イル)フェニル]−1−フェニル−1H−ベンゾイミダゾール(略称:DBTBIm−II)なども用いることができる。ここに述べた物質は、主に10−6cm/Vs以上の電子移動度を有する物質である。なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。また、電子輸送層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層を二層以上積層したものを用いてもよい。
【0135】
また、高分子化合物を用いることもできる。例えば、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)などを用いることができる。
【0136】
電子注入層は、電子注入性の高い物質を含む層である。電子注入性の高い物質としては、リチウム(Li)、セシウム(Cs)、カルシウム(Ca)、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF)等のアルカリ金属、アルカリ土類金属、またはこれらの化合物が挙げられる。また、電子輸送性を有する物質中にアルカリ金属又はアルカリ土類金属又はそれらの化合物を含有させたもの、例えばAlq中にマグネシウム(Mg)を含有させたもの等を用いることもできる。この様な構造とすることにより、陰極1102からの電子注入効率をより高めることができる。
【0137】
これらの層を適宜組み合わせて発光物質を含む有機層1103を形成する方法としては、種々の方法(例えば、乾式法や湿式法等)を適宜選択することができる。例えば、用いる材料に応じて真空蒸着法、インクジェット法またはスピンコート法などを選んで用いればよい。また、各層で異なる方法を用いて形成してもよい。
【0138】
<電荷発生領域に用いることができる材料>
第1の電荷発生領域1104c、及び第2の電荷発生領域は、正孔輸送性の高い物質とアクセプター性物質を含む領域である。なお、電荷発生領域は、同一膜中に正孔輸送性の高い物質とアクセプター性物質を含有する場合だけでなく、正孔輸送性の高い物質を含む層とアクセプター性物質を含む層とが積層されていても良い。但し、第1の電荷発生領域1104cを陰極側に設ける積層構造の場合には、正孔輸送性の高い物質を含む層が陰極1102と接する構造となり、第2の電荷発生領域を陽極側に設ける積層構造の場合には、アクセプター性物質を含む層が陽極1101と接する構造となる。
【0139】
なお、電荷発生領域において、正孔輸送性の高い物質に対して質量比で、0.1以上4.0以下の比率でアクセプター性物質を添加することが好ましい。
【0140】
電荷発生領域に用いるアクセプター性物質としては、遷移金属酸化物や元素周期表における第4族乃至第8族に属する金属の酸化物を挙げることができる。具体的には、酸化モリブデンが特に好ましい。なお、酸化モリブデンは、吸湿性が低いという特徴を有している。
【0141】
また、電荷発生領域に用いる正孔輸送性の高い物質としては、芳香族アミン化合物、カルバゾール誘導体、芳香族炭化水素、高分子化合物(オリゴマー、デンドリマー、ポリマー等)など、種々の有機化合物を用いることができる。具体的には、10−6cm/Vs以上の正孔移動度を有する物質であることが好ましい。但し、電子よりも正孔の輸送性の高い物質であれば、これら以外のものを用いてもよい。
【0142】
<電子リレー層に用いることができる材料>
電子リレー層1104bは、第1の電荷発生領域1104cにおいてアクセプター性物質がひき抜いた電子を速やかに受け取ることができる層である。従って、電子リレー層1104bは、電子輸送性の高い物質を含む層であり、またそのLUMO準位は、第1の電荷発生領域1104cにおけるアクセプター性物質のアクセプター準位と、発光物質を含む有機層1103のLUMO準位との間に位置する。具体的には、およそ−5.0eV以上−3.0eV以下とするのが好ましい。
【0143】
電子リレー層1104bに用いる物質としては、例えば、ペリレン誘導体や、含窒素縮合芳香族化合物が挙げられる。なお、含窒素縮合芳香族化合物は、安定な化合物であるため電子リレー層1104bに用いる物質として好ましい。さらに、含窒素縮合芳香族化合物のうち、シアノ基やフルオロ基などの電子吸引基を有する化合物を用いることにより、電子リレー層1104bにおける電子の受け取りがさらに容易になるため、好ましい。
【0144】
ペリレン誘導体の具体例としては、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物(略称:PTCDA)、3,4,9,10−ペリレンテトラカルボキシリックビスベンゾイミダゾール(略称:PTCBI)、N,N’−ジオクチルー3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(略称:PTCDI−C8H)、N,N’−ジヘキシルー3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸ジイミド(略称:Hex PTC)等が挙げられる。
【0145】
また、含窒素縮合芳香族化合物の具体例としては、ピラジノ[2,3−f][1,10]フェナントロリン−2,3−ジカルボニトリル(略称:PPDN)、2,3,6,7,10,11−ヘキサシアノ−1,4,5,8,9,12−ヘキサアザトリフェニレン(略称:HAT(CN))、2,3−ジフェニルピリド[2,3−b]ピラジン(略称:2PYPR)、2,3−ビス(4−フルオロフェニル)ピリド[2,3−b]ピラジン(略称:F2PYPR)等が挙げられる。
【0146】
その他にも、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(略称:TCNQ)、1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物(略称:NTCDA)、パーフルオロペンタセン、銅ヘキサデカフルオロフタロシアニン(略称:F16CuPc)、N,N’−ビス(2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−ペンタデカフルオロオクチル)−1、4、5、8−ナフタレンテトラカルボン酸ジイミド(略称:NTCDI−C8F)、3’,4’−ジブチル−5,5’’−ビス(ジシアノメチレン)−5,5’’−ジヒドロ−2,2’:5’,2’’−テルチオフェン(略称:DCMT)、メタノフラーレン(例えば[6,6]−フェニルC61酪酸メチルエステル)等を電子リレー層1104bに用いることができる。
【0147】
<電子注入バッファーに用いることができる材料>
電子注入バッファー1104aは、第1の電荷発生領域1104cから発光物質を含む有機層1103への電子の注入を容易にする層である。電子注入バッファー1104aを第1の電荷発生領域1104cと発光物質を含む有機層1103の間に設けることにより、両者の注入障壁を緩和することができる。
【0148】
電子注入バッファー1104aには、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、およびこれらの化合物(アルカリ金属化合物(酸化リチウム等の酸化物、ハロゲン化物、炭酸リチウムや炭酸セシウム等の炭酸塩を含む)、アルカリ土類金属化合物(酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩を含む)、または希土類金属の化合物(酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩を含む))等の電子注入性の高い物質を用いることが可能である。
【0149】
また、電子注入バッファー1104aが、電子輸送性の高い物質とドナー性物質を含んで形成される場合には、電子輸送性の高い物質に対して質量比で、0.001以上0.1以下の比率でドナー性物質を添加することが好ましい。なお、ドナー性物質としては、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類金属、およびこれらの化合物(アルカリ金属化合物(酸化リチウム等の酸化物、ハロゲン化物、炭酸リチウムや炭酸セシウム等の炭酸塩を含む)、アルカリ土類金属化合物(酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩を含む)、または希土類金属の化合物(酸化物、ハロゲン化物、炭酸塩を含む))の他、テトラチアナフタセン(略称:TTN)、ニッケロセン、デカメチルニッケロセン等の有機化合物を用いることもできる。なお、電子輸送性の高い物質としては、先に説明した発光物質を含む有機層1103の一部に形成することができる電子輸送層の材料と同様の材料を用いて形成することができる。
【0150】
以上のような材料を組み合わせることにより、本実施の形態に示す発光体を作製することができる。この発光体からは、上述した発光物質からの発光が得られ、その発光色は発光物質の種類を変えることにより選択できる。また、発光色の異なる複数の発光物質を用いることにより、発光スペクトルの幅を拡げて、例えば白色発光を得ることもできる。なお、白色発光を得る場合には、互いに補色となる発光色を呈する発光物質を用いればよく、例えば補色となる発光色を呈する異なる層を備える構成等を用いることができる。具体的な補色の関係としては、例えば青色と黄色、あるいは青緑色と赤色等が挙げられる。
【0151】
なお、本実施の形態は、本明細書で示す他の実施の形態と適宜組み合わせることができる。
【0152】
(実施の形態4)
本実施の形態では、電子機器の一例について説明する。
【0153】
図9(A)は、本発明の発光装置を、照明装置である電気スタンドとして用いた例である。電気スタンドは、筐体1001と、光源1003とを有している。そして、光源1003として、本発明の発光装置が用いられている。
【0154】
図9(B)は、本発明の発光装置を、室内の照明装置として用いた例である。照明装置は、筐体1004と、光源1006とを有している。そして、光源1006として、本発明の発光装置が用いられている。
【0155】
本実施の形態は、他の実施の形態と適宜組み合わせて実施することができる。
【符号の説明】
【0156】
101 第1の電極
101b 第1の電極
102 第2の電極
102b 第2の電極
103 層
103b 層
104 導電膜
140 隔壁
140b 隔壁
150 部材
151 構造
152 構造
153 支持体
160 接合層
165 発光面を含む面
170 固体発光体
170b 固体発光体
171 外形
180 固体発光素子
180b 固体発光素子
190 固体発光装置
201 第1の電極
202 第2の電極
203 層
204 導電膜
240 隔壁
250 部材
251 構造
252 構造
260 接合層
265 発光面を含む面
270 固体発光体
270a サブ固体発光体
270b サブ固体発光体
270c サブ固体発光体
271 外形
271c 外形
280 固体発光素子
290 固体発光装置
304 導電膜
350 部材
351 構造
360 接合層
370 固体発光体
380 固体発光素子
390 固体発光装置
450 部材
451 構造
460 接合層
470 固体発光体
480 固体発光素子
490 固体発光装置
1001 筐体
1003 光源
1004 筐体
1006 光源
1101 陽極
1102 陰極
1103 有機層
1104 中間層
1104a 電子注入バッファー
1104b 電子リレー層
1104c 第1の電荷発生領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の面に半球状の構造と、第2の面に凹凸の構造を備える低屈折率の部材と、
前記凹凸の構造を平坦化する前記低屈折率の部材より屈折率が高い高屈折率の接合層と、
前記高屈折率の接合層の平坦な面に発光面が接する発光体と、を有し、
前記低屈折率の部材の凹凸の構造は少なくとも第1の面に形成された半球状の構造の外形より内側に設けられ、
前記発光面を含む面に投影した前記発光体の発光領域の外形が、前記半球状の構造の外形より小さく、且つ半球状の構造と重なるように該発光体が設けられている発光素子。
【請求項2】
前記半球状の構造の屈折率がnであり、
前記発光面を含む面に投影した前記発光体の前記発光領域の外形が、前記発光面を含む面に投影した前記半球状の構造の外形と中心を同一にし、且つ前記半球状の構造の外形に相似であって、大きさが(1/n)倍の範囲に含まれる請求項1記載の発光素子。
【請求項3】
前記低屈折率の部材の屈折率が1.0より高く1.6未満であり、
前記高屈折率の接合層の屈折率が1.6以上1.9以下である請求項1又は請求項2記載の発光素子。
【請求項4】
前記高屈折率の接合層の平坦な面上に第1の電極と、
前記第1の電極と重なる第2の電極と、
前記第1の電極と前記第2の電極の間に発光性の有機物を含む層と、を有し、
前記第1の電極が発光性の有機物が発する光を透過する請求項1乃至請求項3記載の発光素子。
【請求項5】
前記高屈折率の接合層と、前記発光体の間に屈折率1.6以上1.9以下の窒化膜を含む請求項1乃至請求項4記載の発光素子。
【請求項6】
前記低屈折率の部材が、
支持体と、
前記支持体の一方の面に半球状の構造と、
他方の面に凹凸の構造を備え、
前記支持体と前記半球状の構造の屈折率の差、及び前記支持体と前記凹凸の構造の屈折率の差が共に0.15以下である請求項1乃至請求項5記載の発光素子。
【請求項7】
前記低屈折率の部材が、
支持体と、
前記支持体の一方の面に半球状の構造と、
他方の面に凹凸の構造を有し、
前記半球状の構造又は前記凹凸の構造の少なくとも一方が、前記支持体とともに成型される請求項6記載の発光素子。
【請求項8】
請求項1乃至請求項7記載の発光素子を複数並べて備える発光装置。
【請求項9】
請求項1乃至請求項7記載の発光素子を備える照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−109230(P2012−109230A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229903(P2011−229903)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】