説明

発光表示装置及びその駆動方法

【課題】発光面積によって輝度を制限して輝度の変化量を発光率によって異にする発光表示装置及びその駆動方法を提供する。
【解決手段】複数の走査信号、複数の発光制御信号、及び複数のデータ信号の伝達を受けて映像を表現する画素を含む画素部と、前記複数の走査信号及び前記複数の発光制御信号を前記画素部に伝達する走査駆動部と、ビデオデータの伝達を受けて前記複数のデータ信号を生成して前記画素部に伝達するデータ駆動部と、前記画素部の輝度を制限する輝度制御部と、前記輝度制御部は、一フレーム区間でビデオデータを合算したフレームデータを生成して前記フレームデータの大きさによって画素部の輝度の制限範囲を決定し、前記発光制御信号が一フレーム区間に複数の発光区間を持つようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光表示装置及びその駆動方法に関し、より詳細には、発光面積によって輝度を制限し、発光面積によって輝度の変化量を異ならせる発光表示装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、陰極線管に比べて重さと体積が小さい各種平板表示装置が開発されており、特に、発光効率、輝度、及び視野角がすぐれた応答速度の速い発光表示装置が注目されている。
【0003】
発光表示装置としては、有機発光素子を利用した有機発光表示装置と無機発光素子を利用した無機発光表示装置がある。有機発光素子は、有機発光ダイオード(organic light emitting diode:OLED)とも呼ばれ、アノード電極、カソード電極、及びこれらの間に位置して電子と正孔の結合によって発光する有機発光層を含む。
【0004】
無機発光素子は、発光ダイオード(light emitting diode、LED)とも呼ばれ、有機発光ダイオードとは異なり、無機物である発光層、例えば、PN接合された半導体からなる発光層を含む。
【0005】
図1は、従来の技術による発光表示装置を示す構造図である。図1を参照して説明すれば、従来の技術による発光表示装置は、画素部10、データ駆動部20、走査駆動部30、制御部40及び電源供給部50を含む。
【0006】
画素部10は、複数の画素11が配列されて各画素11に発光素子(図示せず)が連結される。そして、行方向に形成されて走査信号を伝達するn個の走査線S1、S2、…Sn−1、Sn、列方向に形成されてデータ信号を伝達するm個のデータ線D1、D2、…Dm−1、Dm、第1電源を伝達するm個の第1電源供給線(図示せず)、及び第1電源ELVddより低い電位を持つ第2電源ELVssを伝達するm個の第2電源供給線(図示せず)が配列される。
【0007】
画素部10は、走査信号、データ信号、第1電源ELVdd、及び第2電源ELVssによって発光素子が発光して映像を表示する。
【0008】
データ駆動部20は、画素部10にデータ信号を印加する手段で、データ駆動部20が画素部10のデータ線D1、D2、…Dm−1、Dmに連結されてデータ信号を画素部10に印加する。
【0009】
走査駆動部30は、走査信号を順次出力する手段で、走査駆動部30は走査線S1、S2、…Sn−1、Snに連結されて走査信号を画素部10の特定の行に伝達し、発光制御信号線E1、E2、…En−1、Enに連結されて発光制御信号を画素部10の特定の行に伝達する。
【0010】
走査信号が伝達された画素部10の特定の行には、データ駆動部20から入力されるデータ信号が印加されてデータ信号による電流が生成される。そして、発光制御信号によって電流が発光素子に流れ、発光素子の発光によって映像が表示される。このとき、すべての行に走査信号及び発光制御信号が順次選択されれば一つのフレームが完成される。
【0011】
電源供給部40は、画素部10に第1電源ELVdd及び第1電源ELVddより低い電位を持つ第2電源ELVssを伝達して、第1電源ELVdd及び第2電源ELVssの電圧差によって各画素10にデータ信号に対応される電流が流れるようにする。
【0012】
前記のように構成される発光表示装置は、高輝度を表現する場合には画素部10に多くの電流が流れるようになり、低輝度を表現する場合には、画素部10に少ない電流が流れるようになる。
【0013】
そして、発光制御信号の幅を制御することによって発光する時間を変化させ輝度を調節することができる。しかしながら、発光制御信号の幅を利用して輝度を調節する場合には、表現しようとする輝度が低い場合、発光制御信号の幅が短くなるが発光する区間は長くなる。このため、発光しない区間が目に感知され、ちらつきの現象であるフリッカー現象が発生するという問題点がある。
【0014】
このような発光表示装置及びその駆動方法に関する従来技術を記載した文献としては、下記の特許文献1、2、及び3等がある。
【特許文献1】大韓民国特許出願公開2004−0072233号公報
【特許文献2】特開平11−24631号公報
【特許文献3】特開2003−280598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
したがって、本発明は前記従来技術の問題点を解決するために創出されたものであり、その目的は、画素部全体の発光面積で高輝度を表現する発光面積が大きい場合には、流れる電流量を制限することによって全体の輝度が低くなるようにし、消費電力を減らしつつ画質の品位を高めることができる発光表示装置及びその駆動方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
前記目的を果たすために本発明の第1側面は、複数の走査信号、複数の発光制御信号、及び複数のデータ信号の伝達を受けて映像を表現する画素を含む画素部と、前記複数の走査信号及び前記複数の発光制御信号を前記画素部に伝達する走査駆動部と、ビデオデータの伝達を受けて前記複数のデータ信号を生成して前記画素部に伝達するデータ駆動部と、前記画素部の輝度を制限する輝度制御部及び前記輝度制御部の出力によって前記発光制御信号を制御する発光制御部を含み、前記輝度制御部は一フレーム区間からビデオデータを合算したフレームデータを生成して前記フレームデータの大きさによって画素部の輝度の制限範囲を決定し、前記発光制御信号が一フレーム区間に複数の発光区間を持つようにする発光表示装置を提供する。
【0017】
本発明の第2側面は、複数の走査信号、複数の発光制御信号、及び複数のデータ信号の伝達を受けて映像を表現する画素を含む画素部と、前記画素部の輝度を制限する輝度制御部と、前記画素部に駆動電圧を伝達する電源供給部及び前記輝度制御部によって制限される輝度によって前記発光制御信号を制御する発光制御部と、を含み、前記輝度制御部は一フレーム区間からビデオデータを合算したフレームデータを生成して前記フレームデータが所定の値以上であれば前記画素部の輝度を制限し、前記フレームデータが所定の値未満であれば前記画素部の輝度を制限せず、前記発光制御部は前記輝度制御部の出力によって一フレーム区間に前記発光制御信号の発光区間の数を決定する発光表示装置を提供する。
【0018】
本発明の第3側面は、一フレーム区間に入力されるビデオデータの合算であるフレームデータを把握する段階と、前記フレームデータの大きさが所定の大きさ以上であれば画素部の輝度を制限し、前記フレームデータの大きさが所定の大きさ未満であれば前記画素部の輝度を制限しない段階と、前記画素部の輝度制限範囲を把握して前記輝度制限範囲が所定の大きさを超えれば前記画素部は一フレーム区間で少なくとも二度発光するようにする段階とを含む発光表示装置駆動方法を提供する。
【発明の効果】
【0019】
上述したように本発明による発光表示装置及びその駆動方法によれば、発光表示装置の発光率に応じて電流の流れを制限するようにしてので、消費電力を減らしつつ画質を高めることができ、高出力の電源供給部を必要としなくなるという効果が得られる。
【0020】
また、本発明による発光表示装置及びその駆動方法によれば、フリッカー現象の発生を防止して画質の品位を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照して説明する。
【0022】
図2は、本発明の一実施形態による発光表示装置の概略構成を示す構造図である。図2を参照して説明すれば、発光表示装置は、画素部100、輝度制御部200、データ駆動部300、走査駆動部400、電源供給部500、及び発光制御部600を含む。
【0023】
画素部100は、複数の画素110が配列されて各画素110に発光素子(図示せず)が連結される。そして、画素部100には、行方向に形成されて走査信号を伝達するn個の走査線S1、S2、…Sn−1、Sn及び発光制御信号を伝達するn個の発光制御信号線E1、E2、…En−1、Enと、列方向に形成されてデータ信号を伝達するm個のデータ線D1、D2、…Dm−1、Dmと、画素に第1電源ELVddを伝達する第1電源線L1と、画素に第2電源ELVssを伝達する第2電源線L2とが配列される。なお、第2電源線L2は等価的に表現されたものであり、画素部100の全領域に形成されて各画素110に電気的に接続されることもできる。
【0024】
輝度制御部200は、輝度制御信号を出力して画像を表現する画素部100の輝度が一定の水準を超えないように輝度を制限する。画素部100の輝度は、高い輝度に発光する面積が大きい場合、高い輝度に発光する面積が小さい場合よりもさらに高い輝度で表現される。
【0025】
例えば、画素部100のすべての画素が最高階調で発光する(プールホワイト:Pull White)場合、画素部100がプールホワイトで発光しない場合よりも、より高い輝度を持つようになる。したがって、前記のように高い輝度で発光する面積が大きい場合には、一定の輝度を低くして表現する。この時、高い輝度で発光する面積によって輝度を制限する範囲を異なるようにし、高い輝度で発光する面積の変化に従って輝度が変化するようにする。
【0026】
輝度制御部200は、一フレームに入力されるビデオデータの合算であるフレームデータの大きさを把握してフレームデータが大きければ、明るく発光する画素部100に流れる電流量が多いと判断し、一フレームに入力されるビデオデータの合算であるフレームデータの大きさが小さければ、画素部100に流れる電流量が少ないと判断する。
【0027】
したがって、輝度制御部200は、フレームデータの大きさが所定の値以上であれば、輝度を制限する輝度制御信号を出力し、画素部100で表現する映像の明るさを全体的に減少させて画像表示をするようにする。
【0028】
輝度制御部200によって画素部100の輝度が制限される場合には、画素部100に流れる電流量を制限することによって高出力の電源供給部500が必要でなくなる。画素部100の輝度が制限されない場合には、発光する画素の発光時間が長く維持されて輝度が高くなる。したがって、発光する画素と発光しない画素の明暗比が大きくなり画素部100の明暗比が向上される。
【0029】
この場合、画素部100に流れる電流量を減少させる方法を用いて画素が発光する時間を減らすようにすれば、電流が供給される時間が減り画素部100に流れる電流量を減少させることができる。
【0030】
しかし、発光する時間が減少しても発光しない時間が長ければ、視覚的に発光しない区間が現われるようになって画面がちらつくフリッカー現象が発生する。フリッカー現象を防止するためには、一フレーム区間で発光する区間を分割して発光しない時間を短くすることで、発光しない区間を視覚的に感知することができないようにし、フリッカー現象を防止することができる。
【0031】
輝度制御部200は、画素部100が発光する時間を調節するために発光制御信号線E1、E2…En−1、Enを通じて伝達される発光制御信号のパルス幅を調節して一フレーム内で発光する発光時間を調節する。具体的には、発光制御信号のパルス幅が長い場合は、画素部100に流入される電流の量を多くして、画素部100の全体輝度が低下されないようにし、発光制御信号のパルス幅が短い場合には、画素部100に流入される電流の量を少なくして、画素部100の全体輝度が低下されるようにする。 そして、発光制御信号が一フレーム区間で複数の発光区間を持つようになれば、画素が一フレーム区間で複数の発光区間を持つようになって発光する区間が分割される。この結果、フリッカー現象が防止される。
【0032】
データ駆動部300は、画素部100にデータ信号を印加する手段であり、赤、青、及び緑の成分を持つビデオデータの入力を受けてデータ信号を生成する。そして、データ駆動部300は、画素部100のデータ線D1、D2、…Dm−1、Dmに連結されて生成されたデータ信号を画素部100に印加する。
【0033】
走査駆動部400は、画素部100に走査信号と発光制御信号を印加する手段であり、走査駆動部400は、走査線S1、S2、…Sn−1、Snと発光信号線E1、E2、…En−1、Enとに連結されて、走査信号と発光制御信号とを画素部100の特定の行に伝達する。走査駆動部400は、輝度制御信号の入力を受けて発光制御信号を出力する。
【0034】
走査信号が伝達された画素110には、データ駆動部300から出力されたデータ信号が伝達される。発光制御信号が伝達された画素110は、発光制御信号によって画素110が発光するようになる。
【0035】
走査駆動部400は、走査信号を生成する走査駆動回路と発光制御信号を生成する発光駆動回路とに区分され、走査駆動回路と発光駆動回路とは一つの構成部分に含まれることができ、また、別途の構成部分に分離することもできる。
【0036】
走査信号が伝達された画素部100の特定の行には、データ駆動部300から入力されるデータ信号が印加され、発光制御信号によってデータ信号に対応される電流が発光素子に伝達されて発光素子の発光によって映像が表示される。この時、すべての行が順次選択されれば一つのフレームが完成される。
【0037】
電源供給部500は、画素部400に第1電源ELVddと第2電源ELVssとを伝達して、第1電源ELVddと第2電源ELVssの差によって各画素にデータ信号に対応する電流が流れるようにする。
【0038】
発光制御部600は、画素部100が発光する時間を調節するために発光制御信号線E1、E2、…En−1、Enを通じて伝達される発光制御信号のパルス幅を調節して一フレーム内で発光する発光時間を調節し、発光制御信号のパルス幅が長ければ画素部100に流入される電流の量を多くして画素部100の全体輝度が低下されないようにし、パルス幅が短ければ画素部100に流入される電流の量を少なくして画素部100の全体輝度が低下されるようにする。
【0039】
また、発光制御部600は、輝度制御信号によって発光制御信号のパルス幅が所定の幅以下であれば、発光制御信号が一フレーム区間で少なくとも二つの発光区間を持つようにして非発光区間の幅を短くすることによって画素が発光しないことを視覚的に感知できないようにし、フリッカー現象を防止する。
【0040】
図3は、本発明の一実施形態による発光表示装置で採用された輝度制御部を示す構造図である。図3を参照して説明すれば、輝度制御部200はデータ合算部210、ルックアップテーブル220及び輝度制御駆動部230を含む。
【0041】
データ合算部210は、一つのフレームに入力される赤、青、及び緑に対する情報を有するビデオデータを合算したフレームデータに対する情報を抽出する。
【0042】
フレームデータは、一フレームに対するすべてのビデオデータが合算され、フレームデータのデータ値が大きければ高諧調を表現するデータが多く含まれており、フレームデータのデータ値が小さければ高諧調を表現するデータが少なく含まれていることが分かる。
【0043】
ルックアップテーブル220は、フレームデータのデータ値によって発光制御信号の発光区間の幅が指定されている。フレームデータの上位ビットを利用して発光区間の幅が指定される。フレームデータの上位5ビットを利用して一フレーム内で画素部100の明るさの程度を把握できるようにする。
【0044】
そして、フレームデータの大きさが大きくなるにつれて画素部100の輝度は増加するが、所定の明るさ以上の明るさになった場合には、画素部100の輝度を制限する。また、画素部100の輝度が増加することによって漸次的に制限する割合をさらに大きくして画素部100の輝度が過度に増加することを防止する。
【0045】
しかしながら、画素部100の輝度の増加によって一律的に輝度を制限する割合を持つようにしてしまうと、画素部100が非常に高い輝度を表現するようになる場合に、輝度の制限の度合いが大きくなってしまい十分に明るい画面を提供することができず、単に、全体的な明るさを落とす結果となる。
【0046】
したがって、輝度を制限する範囲を設定して、画素部100全体がホワイトを表現する場合には、制限する範囲を指定することによって画素部100の輝度を制限する範囲以上に輝度が制限されないようにする。
【0047】
この場合、発光表示装置で表現する映像が停止映像の場合と動画の場合とに区分して、映像の種類によって輝度の制限範囲が異なるようにする。そして、フレームデータの大きさが所定の大きさ以上にならない場合には、輝度を制限しないようにし、また、輝度が高くない場合には輝度を制限しないようにする。
【0048】
表1は、画素部100の輝度によって発光比を最大値の50%まで制限したルックアップテーブル220を現わしたものである。
【0049】
【表1−1】

【0050】
【表1−2】

【0051】
上記の表1は、映像が停止映像の場合に適用することが望ましく、画素部100の発光率(発光面積の割合に等価)が36%以下の場合には輝度を制限せず、発光率が36%を超過する場合には輝度を制限し、最大輝度で発光する面積が増加すれば輝度を制限する割合も増加するようにする。ここで発光率は、下記の数式によって決定される変数である。
【0052】
【数1】

【0053】
そして、過度に輝度を制限することを防止するために最大に制限する割合を50%にして画素部100大部分の画素が最大輝度で発光しても輝度を制限する割合が50%以下にならないようにする。
【0054】
表2は、画素部100の輝度によって発光比を最大値の33%まで制限したルックアップテーブル220を現わしたものである。
【0055】
【表2−1】

【0056】
【表2−2】

【0057】
表2は、映像が動画の場合に適用することが望ましく、発光率が34%以下の場合には輝度を制限せず、発光率が34%を超過する場合には輝度を制限し、最大輝度で発光する面積が増加すれば輝度を制限する割合も増加するようにする。
【0058】
そして、過度に輝度を制限することを防止するために最大に制限する割合を33%にして画素部100大部分の画素が最大輝度で発光しても輝度を制限する割合が33%以下にならないようにする。
【0059】
輝度制御駆動部230は、上位5ビット値の伝達を受けて輝度制御信号を出力する。輝度制御信号は、走査駆動部400に入力されて走査駆動部400を制御して走査駆動部400で輝度制御信号によって発光制御信号を出力する。
【0060】
特に、走査駆動部400が走査駆動回路と発光制御回路に区分された場合、発光制御回路は、輝度制御信号の入力によって発光制御信号を出力する。
【0061】
発光制御信号は、最大発光区間が325に設定されている。したがって、8ビットは256種を表現することができ、9ビットは512種を表現することができるので、表1に現われている発光制御信号の発光区間を生成するためには、輝度制御信号は9ビットの信号を出力するようにすることが望ましい。また、輝度制御信号はスタートパルスを利用することができ、スタートパルスの幅の変化によって発光制御信号の幅が決定されることができる。
【0062】
図4aから図4cは、図2の発光表示装置で採用された発光駆動回路で生成される発光制御信号を示す波形図である。
【0063】
図4aは、一フレームの区間で一度発光することを現わし、図4bは一フレームの区間で二度発光することを表し、図4cは一フレームの区間で四度発光することを表す。
【0064】
図4aから図4cを参照して説明すれば、一フレーム内で画素が発光する区間と発光しない区間とに区分される。図4aのように一フレーム区間で一度発光する場合、発光しない区間が一定時間以上になれば、人の目が発光しない区間を認識することができるようになってちらつき現象、すなわち、フリッカーが発生する。
【0065】
したがって、一フレーム区間で発光する区間を分割して数回発光するようになれば、発光しない区間の合算は同一であるが、発光する区間にある発光しない区間が短くなり、人の目が発光しない区間を認識することができなくなる。これにより、フリッカー現象が発生しなくなる。
【0066】
この時、図4bに図に示されているように一フレームの区間で二度発光させることができ、図4cに図示されているように一フレームの区間で四度発光させることも可能である。また、一フレームの区間でさらに多くの回数に発光させることも可能である。
【0067】
図5は、図4aから4cの発光制御信号を生成する発光駆動回路の一実施形態を示す構造図である。図5を参照して説明すれば、発光駆動回路はシフトレジスターによってスタートパルスSPが入力され、スタートパルスSPをシフトした第1シフト信号1SRを出力し、第1シフト信号1SRを利用して第2シフト信号2SRを出力し、第2シフト信号2SRを利用して第3シフト信号3SRを出力する。
【0068】
このような動作を繰り返してn個のシフト信号を出力し、n個のシフト信号は順次発生するようになる。そして、第1シフト信号1SRと第2シフト信号2SRを演算して一番目の発光制御信号e1を生成し、第2シフト信号2SRと第3シフト信号3SRを演算して二番目の発光制御信号e2を出力し、また、第3シフト信号3SRと第4シフト信号4SRを演算して三番目の発光制御信号e3を出力する。
【0069】
このような動作を繰り返してn個の発光制御信号を発生し、各シフト信号が順次発生するため、n個の発光制御信号は順次発生するようになる。
【0070】
この時、一フレーム区間でスタートパルスSP一つが入力されれば、一フレーム区間で一度発光し、スタートパルスSP二つが入力されれば二度発光し、スタートパルスがSP四つ入力されれば四度発光するようになる。
【0071】
図6aから図6dは、本発明による発光表示装置に入力される発光制御信号の発光比を最大33%まで制限した場合を示す図である。
【0072】
図6aは数学的に計算された発光率と輝度比との関係を示し、図6bは実際に測定された発光率と輝度比の測定値を示す。そして、図6cは数学的に計算された発光率と電流比との関係を示し、図6dは実際に測定された発光率と電流比との関係を示す。
【0073】
図6a及び図6bを参照して説明すれば、所定の輝度以上の輝度で発光する画素が占める面積が約30%以内の場合には、輝度が一定の水準を維持して画面が暗くならず、所定の明るさ以上の輝度で発光する画素が占める面積が約30%以上の場合には、漸次的に減少して過度に明るく表現されないようにして眩しさを防止することができる。
【0074】
図6c及び図6dを参照して説明すれば、明るさの制限をした場合、明るさの制限をしない場合に流れる電流量の約30から35%位の電流量が流れるようになり、電源供給部500にかかる負荷を小さくする。この結果、電源供給部500は、高出力の電源を必要としなくなる。
【0075】
図7aから図7dは、本発明による発光表示装置に入力される発光制御信号の発光比を最大50%まで制限した場合を示す面である。
【0076】
図7aは、数学的に計算された発光率と輝度比との関係を示し、図7bは実際に測定された発光率と輝度比の測定値を示す。そして、図7cは数学的に計算された発光率と電流比との関係を示し、図7dは実際に測定された発光率と電流比との関係を示す。
【0077】
図7a及び図7bを参照して説明すれば、所定の輝度以上の輝度で発光する画素が占める面積が約40%未満の場合には輝度が一定の水準を維持して画面が暗くならず、所定の明るさ以上の輝度で発光する画素が占める面積が約40%以上の場合には漸次的に減少して過度に明るく表現されないようにして眩しさを防止することができる。
【0078】
図7c及び図7dを参照して説明すれば、明るさの制限をした場合に、明るさの制限をしない場合に流れる電流量の約50%位まで電流量を制限する。この結果、電源供給部500にかかる負荷を小さくして電源供給部500は、高出力の電源を必要としなくなる。
【0079】
上述したように、本発明の詳細な説明と図は、単なる本発明の例示的なものであり、これは単に本発明を説明するための目的で使用されたものであって、意味限定や特許請求の範囲に記載された本発明の範囲を制限するために使用されたものではない。よって、前記説明した内容を介して当業者であれば、本発明の技術思想を逸脱しない範囲で多様な変更及び修正が可能であることが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0080】
発光表示装置に関する分野に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】従来の技術による発光表示装置を示す構造図である。
【図2】本発明による発光表示装置の第1実施形態を示す構造図である。
【図3】本発明による発光表示装置で採用された輝度制御部の一実施形態を示す構造図である。
【図4a】図2の発光表示装置で採用された発光駆動回路から生成される発光制御信号を示す波形図である。
【図4b】図2の発光表示装置で採用された発光駆動回路から生成される発光制御信号を示す波形図である。
【図4c】図2の発光表示装置で採用された発光駆動回路から生成される発光制御信号を示す波形図である。
【図5】図4aから図4cの発光信号を生成する発光駆動回路の一実施形態を示す構造図である。
【図6a】本発明による発光表示装置に入力される発光制御信号の発光比を最大33%まで制限した場合における、数学的に計算された発光率と輝度比との関係を示す図面である。
【図6b】本発明による発光表示装置に入力される発光制御信号の発光比を最大33%まで制限した場合における、実際に測定された発光率と輝度比の測定値を示す図面である。
【図6c】本発明による発光表示装置に入力される発光制御信号の発光比を最大33%まで制限した場合における、数学的に計算された発光率と電流比との関係を示す図面である。
【図6d】本発明による発光表示装置に入力される発光制御信号の発光比を最大33%まで制限した場合における、実際に測定された発光率と電流比との関係を示す図面である。
【図7a】本発明による発光表示装置に入力される発光制御信号の発光比を最大50%まで制限した場合における、数学的に計算された発光率と輝度比との関係を示す図面である。
【図7b】本発明による発光表示装置に入力される発光制御信号の発光比を最大50%まで制限した場合における、実際に測定された発光率と輝度比の測定値を示す図面である。
【図7c】本発明による発光表示装置に入力される発光制御信号の発光比を最大50%まで制限した場合における、数学的に計算された発光率と電流比との関係を示す図面である。
【図7d】本発明による発光表示装置に入力される発光制御信号の発光比を最大50%まで制限した場合における、実際に測定された発光率と電流比との関係を示す図面である。
【符号の説明】
【0082】
100 画素部、
110 画素、
200 輝度制御部、
210 データ合算部、
220 ルックアップテーブル、
230 輝度制御駆動部、
300 データ駆動部、
400 走査駆動部、
500 電源供給部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の走査信号、複数の発光制御信号、及び複数のデータ信号の伝達を受けて映像を表現する画素を含む画素部と、
前記複数の走査信号及び前記複数の発光制御信号を前記画素部に伝達する走査駆動部と、
ビデオデータの伝達を受けて前記複数のデータ信号を生成して前記画素部に伝達するデータ駆動部と、
前記画素部の輝度を制限する輝度制御部と 、

前記輝度制御部は、一フレーム区間で前記ビデオデータを合算したフレームデータを生成して前記フレームデータの大きさによって画素部の輝度の制限範囲を決定し、前記発光制御信号が一フレーム区間に複数の発光区間を持つようにすることを特徴とする発光表示装置。
【請求項2】
複数の走査信号と複数の発光制御信号と複数のデータ信号の伝達を受けて映像を表現する画素とを含む画素部と、
前記複数の走査信号及び前記複数の発光制御信号を前記画素部に伝達する走査駆動部と、
ビデオデータの伝達を受けて前記複数のデータ信号を生成して前記画素部に伝達するデータ駆動部と、
前記画素部の輝度を制限する輝度制御部と、
前記輝度制御部の出力によって前記発光制御信号を制御する発光制御部と、を含み、
前記輝度制御部は、一フレーム区間で前記ビデオデータを合算したフレームデータを生成して前記フレームデータの大きさによって画素部の輝度の制限範囲を決定し、
前記発光制御部は、前記制限範囲によって一フレームの区間に前記発光制御信号の発光区間の数を決定することを特徴とする発光表示装置。
【請求項3】
前記輝度制御部は、
前記フレーム区間にあたる前記ビデオデータを合算して前記フレームデータを生成するデータ合算部と、
前記フレームデータによって前記画素の発光時間に対する発光情報を格納するルックアップテーブルと、
前記発光情報によって前記発光制御信号を制御する輝度制御信号を伝達する輝度制御駆動部と、
を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の発光表示装置。
【請求項4】
前記画素部の輝度は、
前記画素が発光する時間によって調節されることを特徴とする請求項1に記載の発光表示装置。
【請求項5】
前記走査駆動部は、前記走査信号を伝達する走査駆動回路及び前記発光制御信号を伝達する発光制御駆動回路に区分され、
前記発光制御駆動回路は、前記輝度制御信号の入力を受けて前記発光制御信号を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の発光表示装置。
【請求項6】
一フレーム区間に入力されるビデオデータの合算であるフレームデータを把握する段階と、
前記フレームデータの大きさが所定の大きさ以上であれば画素部の輝度を制限し、前記フレームデータの大きさが所定の大きさ未満であれば前記画素部の輝度を制限しない段階と、
前記画素部の輝度制限範囲を把握して前記輝度制限範囲が所定の大きさを超えれば、前記画素部は一フレーム区間で少なくとも二度発光するようにする段階と、
を含むことを特徴とする発光表示装置駆動方法。
【請求項7】
前記フレームデータの大きさによって前記画素部が発光する発光時間を決定することを特徴とする請求項6に記載の発光表示装置駆動方法。
【請求項8】
前記発光時間が指定されているルックアップテーブルを具備し、
前記指定された発光時間によって前記発光制御信号の発光区間が決まることを特徴とする請求項7に記載の発光表示装置駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5】
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【図6a】
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【図6b】
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【図6c】
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【図6d】
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【図7a】
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【図7b】
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【図7c】
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【図7d】
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【公開番号】特開2006−285236(P2006−285236A)
【公開日】平成18年10月19日(2006.10.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−79033(P2006−79033)
【出願日】平成18年3月22日(2006.3.22)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】