説明

発光装置および発光装置の製造方法

【課題】有機発光素子が形成された基板と封止板との間の空間を光硬化性樹脂で満たした発光装置であって、光硬化性樹脂を硬化させるために封止板側から照射される紫外光から有機化合物層を保護できる発光装置、およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】第1電極、少なくとも発光層を含む1層以上の有機化合物層、および不透明な第2電極を有しこれらがこの順序で積層された有機発光素子、ならびに前記有機発光素子における前記有機化合物層の露出部分を覆う、波長が380nm以下の紫外光を反射または吸収する光遮断層を有する光遮断層付き有機発光素子と、前記光遮断層付き有機発光素子の前記第1電極側に、前記第1電極に接して配置された透明な第1基板と、前記第1基板の前記光遮断層付き有機発光素子側に、前記第1基板に対向して配置された第2基板と、前記第1基板と前記第2基板との間に、光遮断層付き有機発光素子を覆いつつ充填された光硬化性樹脂の光硬化物部とを有することを特徴とする発光装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光装置の製造方法および発光装置に関し、より詳細には有機発光素子に樹脂で封止板を接着してなる発光装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一対の電極から有機化合物層に電荷を注入することで発光する有機発光素子は、大気中の水分や酸素によって発光効率の低下など品質悪化が起こる。このため、通常ガラスなどの封止板を有機発光素子が形成されている基板に接着剤で貼り付けて、有機発光素子を大気から遮断するように気密封止している。接着剤としては熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂が用いられ、硬化に要する時間の短い光硬化性樹脂を用いることが望ましいが、硬化させるために照射する紫外光によって有機化合物層が劣化するという問題がある。
【0003】
有機発光素子を構成する一対の電極のうち、封止板に近い電極が金属などの不透明な材料から形成されている場合、有機発光素子に封止板側から紫外光を照射しても、有機化合物層は不透明電極によって紫外光から保護される。この時、基板によって反射された一部の紫外光による有機化合物層の劣化を防止するため、特許文献1では、基板の光取り出し面に紫外線吸収層を設けた上で封止板側から紫外光照射を行うことが提案されている。
【0004】
一方、特許文献2には有機発光素子が形成された基板と封止板との間の全面に熱硬化性の接着層を形成することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−126868
【特許文献2】特開2003−203762
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来技術において、基板と封止板との接着層を光硬化性樹脂により形成した場合、特許文献1に記載されているように基板の光取り出し面に紫外光吸収層を設けただけでは、紫外光による有機化合物層の劣化を十分に抑えることはできなかった。
【0007】
本発明は有機発光素子が形成された基板と封止板との間の空間を光硬化性樹脂で満たした発光装置であって、光硬化性樹脂を硬化させるために封止板側から照射される紫外光から有機化合物層を保護できる発光装置、およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明者らは有機化合物層の劣化の原因を追究した結果、基板の光取出し面において反射した紫外光だけでなく、有機化合物層の表面のうち、封止板側の不透明電極によって覆われていない部分から入射した光が、有機化合物層内で拡散し、有機化合物層における透明電極と不透明電極との間の領域にまで到達することが、紫外光による有機化合物層の劣化の原因であることを突き止め、以下の手段により上記課題を解決することを見出し、本発明を完成した。
【0009】
本発明は、たとえば以下の[1]〜[10]に関する。
[1]
第1電極、少なくとも発光層を含む1層以上の有機化合物層、および不透明な第2電極を有しこれらがこの順序で積層された有機発光素子、ならびに前記有機発光素子における前記有機化合物層の露出部分を覆う、波長が380nm以下の紫外光を反射または吸収する光遮断層を有する光遮断層付き有機発光素子と、
前記光遮断層付き有機発光素子の前記第1電極側に、前記第1電極に接して配置された透明な第1基板と、
前記第1基板の前記光遮断層付き有機発光素子側に、前記第1基板に対向して配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に、光遮断層付き有機発光素子を覆いつつ充填された光硬化性樹脂の光硬化物部と
を有することを特徴とする発光装置。
【0010】
[2]
前記光遮断層が、熱硬化性樹脂を含む光遮断層形成材料の熱硬化物である、上記[1]に記載の発光装置。
【0011】
[3]
前記光遮断層が、粘性液体状またはペースト状である、上記[1]に記載の発光装置。
[4]
前記光遮断層が、前記光硬化物部と前記第1基板および前記有機発光素子との間であって、前記発光装置を前記第1基板の光取り出し面の法線方向の外方から見た際に前記第1基板と前記第2基板とが重なる部分の全領域に設けられている、上記[1]〜[3]のいずれか一つに記載の発光装置。
【0012】
[5]
透明な第1基板上に、第1電極、少なくとも発光層を含む有機化合物層、および不透明な第2電極を有しこれらがこの順序で積層された有機発光素子を形成する第1工程と、
前記有機発光素子における前記有機化合物層の露出部分を、波長が380nm以下の紫外光を反射または吸収する光遮断層で覆うことで、前記第1基板上に光遮断層付き有機発光素子を形成する第2工程と、
第2基板が、前記第1基板の前記光遮断層付き有機発光素子側に、前記第1基板に対向するように配置され、光硬化性樹脂部が、前記第1基板と前記第2基板との間に、前記光遮断層付き有機発光素子を覆いつつ充填された構造を形成する第3工程と、
前記第3工程の後に、前記光硬化性樹脂部を、前記第2基板側の外方から紫外光を照射して硬化させることで前記第2基板を前記第1基板および前記光遮断層付き有機発光素子に接着させる第4工程と
を含む発光装置の製造方法。
【0013】
[6]
前記第2工程において、前記有機発光素子における前記有機化合物層の露出部分を、熱硬化性樹脂を含む光遮断層形成材料で覆い、その後、前記材料を熱硬化させて前記光遮断層を形成する、上記[5]に記載の発光装置の製造方法。
【0014】
[7]
前記光遮断層形成材料が着色されており、前記第4工程において、紫外光を照射する光源として紫外光および可視光を放出する光源を用いることにより、前記光硬化性樹脂および前記熱硬化性樹脂を共に硬化させることを特徴とする、上記[6]に記載の発光装置の製造方法。
【0015】
[8]
前記光遮断層が、粘性液体状またはペースト状である、上記[5]に記載の発光装置の製造方法。
【0016】
[9]
前記第2工程において、前記有機発光素子および前記第1基板の露出部分であって、第2基板と接着される予定の領域のすべてを前記光遮断層で覆う、上記[5]〜[8]のいずれか一つに記載の発光装置の製造方法。
【0017】
[10]
前記第4工程において、前記第1基板の前記第2基板とは反対側の面に、波長が380nm以下の紫外光を吸収する光吸収部材を配置して紫外光を照射する、上記[5]〜[9]のいずれか一つに記載の発光装置の製造方法。
【発明の効果】
【0018】
本発明により、有機化合物層の劣化が少なく、高品質の有機発光素子を有する発光装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明に係る発光装置の一例の概略断面図である。
【図2】図2は、本発明に係る発光装置の一例の概略断面図である。
【図3】図3は、本発明に係る発光装置の製造方法の一例を示す。
【図4】図4は、本発明に係る発光装置の製造方法の第2工程の一例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明をさらに詳細に説明する。
図1は、本実施の形態が適用される発光装置を説明した概略断面図である。なお、便宜上、第1基板11から第2基板15に向かう積層方向を「上」という。
【0021】
図1に例示した発光装置10は、第1基板11と、第1基板11上に設けられた第1電極12、第1電極12上に設けられた少なくとも発光層を含む有機化合物層13および有機化合物層13上に設けられた第2電極14を有する有機発光素子20を有する。有機発光素子20における有機化合物層13の露出部分、つまり有機化合物層13の上部表面であって第2電極14で覆われていない領域および有機化合物層13の側部表面を含む領域には、この露出部分を覆うように紫外光を反射または吸収する光遮断層16が設けられて、有機発光素子20および光遮断層16からなる光遮断層付き有機発光素子30が構成されている。さらに、第1基板11には、有機発光素子20を外気から遮断するための第2基板15が、第1基板11と第2基板15との間に満たされた光硬化性樹脂部17aの光硬化物17により、光遮断層付き有機発光素子30を覆いつつ接着されている。
【0022】
第1基板11は、第1電極12、有機化合物層13および第2電極14からなる有機発光素子20を形成するための支持体となるものである。第1基板11には、発光装置10に要求される機械的強度を満たす材料が用いられる。
【0023】
第1基板11は、有機発光素子から発せられる光を第1基板11側から発光装置10の外部へ取り出すため、この光に対して透明であることが必要である。このような透明な第1基板11に用いられる材料としては、具体的には、サファイアガラス、ソーダガラス、石英ガラスなどのガラス類;アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂などの透明樹脂;シリコーン樹脂;窒化アルミ、アルミナなどの、透明な金属窒化物や透明な金属酸化物などが挙げられる。
【0024】
第1基板11として、上記透明樹脂からなる樹脂フィルム等を使用する場合は、この樹脂フィルム等の水蒸気、酸素などのガスに対するガス透過性が低いことが好ましい。ガス透過性が高い樹脂フィルム等を使用する場合は、光の透過性を大きく損なわない範囲でガスの透過を抑制するバリア性薄膜を形成することが好ましい。
【0025】
第1基板11の厚さは、要求される機械的強度にもよるが、好ましくは、0.1mm〜10mm、より好ましくは0.25mm〜2mmである。
第1電極12は、第1電極12と第2電極14との間に電圧を印加されることで、有機化合物層13に電荷を注入する。以下、第1電極12が陽極であり、第2電極14が陰極である場合について説明する。
【0026】
陽極である第1電極12には、電気伝導性を有する材料が使用される。具体的には、仕事関数の高い材料が使用され、仕事関数は、4.5eV以上であることが好ましく、その上限値は、たとえば6.5eV程度である。加えてこの材料は、アルカリ性水溶液による表面処理の前後で、電気抵抗が顕著に変化しないことが好ましい。なお仕事関数は、例えば、紫外線光電子分光分析法により測定することができる。
【0027】
さらに第1電極12は、有機化合物層13から入射された光を第1基板11側から発光装置10の外部へ出射させるために、この光に対して好ましくは透明性を有する。
第1電極12に用いられる、このような条件を満たす材料としては、金属酸化物が好ましく、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(酸化インジウム亜鉛)、酸化スズなどが挙げられる。第1電極12の厚さは、例えば、2nm〜2μmである。ただし導電性が高いという観点では、50nm以上が好ましい。
【0028】
有機化合物層13は、発光層を含む1層または積層された複数層の有機化合物を含む層からなる。発光層は、第1電極12と第2電極14との間に電圧を印加することで発光する発光材料を含む。このような発光材料としては、公知の発光材料を使用することができ、発光性ポリマー化合物及び発光性非ポリマー化合物のいずれも使用することができる。本実施の形態では、発光材料として、発光性有機材料である燐光性有機化合物または金属錯体を使用することが好ましい。金属錯体の中には燐光性を示すものもあり、かかる金属錯体も好ましく用いられる。
【0029】
本実施の形態においては、特にシクロメタル化錯体を用いることが、発光効率向上の観点から非常に望ましい。シクロメタル化錯体としては、例えば、2−フェニルピリジン誘導体、7,8−ベンゾキノリン誘導体、2−(2−チエニル)ピリジン誘導体、2−(1−ナフチル)ピリジン誘導体、2−フェニルキノリン誘導体等の配位子を有するIr、PtおよびAu等の錯体が挙げられ、イリジウム(Ir)錯体が特に好ましい。シクロメタル化錯体は、シクロメタル化錯体を形成するのに必要な配位子以外に、他の配位子を有していてもよい。なお、シクロメタル化錯体には、三重項励起子から発光する化合物も含まれ、このような化合物は発光効率向上の観点から好ましい。
【0030】
また、発光性ポリマー化合物としては、MEH−PPV(ポリ[2−メトキシ−5−(2−エチルヘキシルオキシ)−1,4−フェニレンビニレン])などのポリ−p−フェニレンビニレン(PPV)誘導体;ポリフルオレン誘導体、ポリチオフェン誘導体等のπ共役系のポリマー化合物;色素分子とテトラフェニルジアミン誘導体またはトリフェニルアミン誘導体とを主鎖または側鎖に導入したポリマー;等が挙げられる。発光性ポリマー化合物と発光性非ポリマー化合物とを併用してもよい。
【0031】
発光層は発光材料とともにホスト材料を含み、ホスト材料中に発光材料が分散されていてもよい。このようなホスト材料は、電荷輸送性を有していることが好ましく、正孔輸送性化合物や電子輸送性化合物であることが好ましい。
【0032】
有機化合物層13は、第1電極12から正孔を受け取り、発光層へ輸送するための正孔輸送層を含んでいてもよい。正孔輸送層は、第1電極12と発光層との間に設けられる。
このような正孔輸送層を形成する正孔輸送材料としては、公知の材料を使用することができ、例えば、TPD(N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’ジアミン);α−NPD(4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル);m−MTDATA(4、4’,4’’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン)等のトリフェニルアミン誘導体;ポリビニルカルバゾール;上記トリフェニルアミン誘導体に重合性置換基を導入して重合したポリマー化合物などが挙げられる。上記正孔輸送材料は、1種単独でも、2種以上を混合して用いてもよく、異なる正孔輸送材料から形成された複数の正孔輸送層を積層してもよい。
【0033】
正孔輸送層の厚さは、正孔輸送層の導電性などに依存するため、一概に限定できないが、好ましくは1nm〜5μm、より好ましくは5nm〜1μm、特に好ましくは10nm〜500nmである。
【0034】
また、上記正孔輸送層と第1電極12との間に、正孔注入障壁を緩和するために正孔注入層が設けられていてもよい。上記正孔注入層を形成する材料としては、銅フタロシアニン、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)との混合物(PEDOT:PSS)、フルオロカーボン、二酸化ケイ素などの公知の材料が用いられるほか、上記正孔輸送層に用いられる正孔輸送材料と2,3,5,6−テトラフルオロテトラシアノ−1,4−ベンゾキノンジメタン(F4TCNQ)などの電子受容体との混合物を用いることもできる。
【0035】
上記有機化合物層13は、陰極である第2電極14から電子を受け取り、発光層へ輸送するための電子輸送層を、発光層と第2電極14との間に含んでいてもよい。このような電子輸送層に用いることができる材料としては、キノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体などが挙げられる。更に具体的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾールなどが挙げられる。
【0036】
また、上記電子輸送層と発光層との間に、正孔が発光層を通過することを抑え、発光層内で正孔と電子とを効率よく再結合させる目的で、正孔ブロック層が設けられていてもよい。この正孔ブロック層も有機化合物層13に含まれる層の1つとして捉えることができる。上記正孔ブロック層を形成するために、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体などの公知の材料が用いることができる。
【0037】
第2電極14は、第2電極14と第1電極12との間に電圧を印加されることで、有機化合物層13に電子を注入する。
第2電極14は、電気伝導性を有し、かつ可視光および紫外光に対して不透明である。可視光に対して不透明であることにより、発光層から発せられた光が発光装置背面へ漏れることを防止し、紫外光に対して不透明であることにより、第2基板の外方から照射される紫外光が発光層に入射することを防ぐ。第2電極14としては、発光層から発せられた光を第1基板11側から発光装置10の外部へ出射させるために、この光に対してさらに光反射性を有するものが好ましい。また、発光層への電子の注入を容易にするため、仕事関数が低く、かつ化学的に安定であることが好ましい。第2電極14に用いられる、このような条件を満たす材料としては、具体的には、Al、MgAg合金、AlLiやAlCaなどのAlとアルカリ(土類)金属の合金等の材料を例示することができる。
【0038】
第2電極14の厚さは10nm〜1μmが好ましく、50nm〜500nmがより好ましい。
また、第2電極14から有機化合物層13への電子の注入障壁を下げて電子の注入効率を上げる目的で、陰極バッファ層を、第2電極14に隣接して有機化合物層13側に設けてもよい。陰極バッファ層に使用される材料としては、第2電極14より仕事関数の低い金属材料などが好適である。例えば、アルカリ金属(Na、K、Rb、Cs)、アルカリ土類金属(Sr、Ba、Ca、Mg)、希土類金属(Pr、Sm、Eu、Yb)、あるいはこれら金属のフッ化物、塩化物、酸化物から選ばれる単体あるいは2つ以上の混合物を使用することができる。陰極バッファ層の厚さは0.1nm〜50nmが好ましく、0.1nm〜20nmがより好ましく、0.5nm〜10nmがより一層好ましい。
【0039】
光遮断層16は、波長が380nm以下の紫外光を反射または吸収する。これにより、第1基板11と第2基板15とを接着するために両基板間に充填された光硬化性樹脂部17aを硬化するために、第2基板15側の外方から照射された紫外光が、有機化合物層13に到達することによる、有機化合物層13の劣化を防止する。ここで、「光遮断層16が、波長が380nm以下の紫外光を反射または吸収する」とは、光遮断層16の厚さ方向での、波長が380nm以下の紫外光領域(波長の下限値は200nm)における任意波長の光の透過率(380nm以下の紫外光領域のすべてにおける、特定波長の単色光の透過率)が10%以下であることを意味する。この透過率は、好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。
【0040】
上記透過率は、光遮断層16に含有させる紫外光遮断物質の種類を適宜選択することによって調整できる。さらに光遮断層16の厚さを増減させて上記透過率を調整してもよい。
【0041】
光遮断層16は、波長が380nm以下の紫外光を吸収または反射する物質(以下これらを合わせて紫外光遮断物質という)を含み、好ましくは紫外光を吸収する物質を含む。紫外光を吸収する物質としては紫外光吸収化合物や黒色の物質が挙げられる。紫外光吸収化合物としてはサリチル酸系化合物、ベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、トリアジン系化合物、シアノアクリレート系化合物、無機酸化物などが挙げられ、具体的には2,4−ジヒドロキシ−ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、4−ドデシルオキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルフォベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチル)ベンゾトリアゾール、フェニルサリシレート、p−オクチルフェニルサリシレート、p−tert−ブチルフェニルサリシレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、2−[4−〔(2−ヒドロキシ−3−ドデシルオキシプロピル)オキシ〕−2−ヒドロキシフェニル]−4,6−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−1,3,5−トリアジン、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、シリカ、アルミナなどが挙げられる。
【0042】
黒色の物質(すなわち、可視光も吸収する物質)としては、カーボン粉末や金属粉、金属酸化物などが挙げられる。
紫外光遮断物質として、金属粉など導電性の物質が用いられる場合は、第2電極14と光遮断層16との間で導通が起こることを防ぐため、第2電極14と光遮断層16との間に、絶縁層18(図示せず。)が設けられる。この場合、絶縁層18を、有機化合物層13と光遮断層16との間、あるいは本発明の実施の態様によっては有機発光素子20と光遮断層16との間にも設けてもよい。この絶縁層18に用いられる材料としては、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物;酸化ケイ素(二酸化ケイ素)、酸化アルミニウム等の金属酸化物;フッ化ナトリウム、フッ化マグネシウムなどの金属フッ化物;ポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、パリレン等の高分子化合物などが挙げられる。この絶縁層18の厚さは、好ましくは10nm〜500μm、さらに好ましくは50nm〜100μmである。
【0043】
上記の紫外光遮断物質は、熱硬化性樹脂(フェノール樹脂、メラニン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂など)の熱硬化物や、ポリイミドペースト、マレイミドワニス、ポリアミドペーストなどのバインダーに分散されていてもよく、バインダーの性状は、固体状、粘性液体状、ペースト状のいずれであってもよい。このような樹脂バインダーの中に分散される紫外光遮断物質の割合は、樹脂バインダーと紫外光遮断物質との合計100質量%に対して、1質量%〜90質量%が好ましく、20質量%〜80質量%がさらに好ましく、光遮断層16のすべての場所において紫外光の透過率が10%以下となるような割合であることが好ましい。
【0044】
第2電極14は、発光層から発せられる光および第2基板の外方から照射される紫外光に対して不透明であるので、第2基板15側の外方から照射された紫外光から、第2電極14の下に設けられている有機化合物層13を保護することができる。
【0045】
有機発光素子20における有機化合物層13の露出部分、つまり有機化合物層13の上部および側部であって、第2電極14で覆われていない領域には、この露出部分を覆うように光遮断層16が設けられている。したがって、光遮断層16により、有機化合物層13において第2電極14で覆われていない部分から有機化合物層13に入射され、第2電極14の下の発光部分に到達する紫外光を、遮断することができる。
【0046】
また図2に示すように、光遮断層16が、第1基板11上の有機発光素子20および第1基板11において、光硬化物部17によって第2基板15と接着される領域(ただし、第2電極の露出部分は、この領域に含まれてもよく含まれなくてもよい。)のすべてを覆うように設けられていると(つまり、光遮断層16が、光硬化物部17と第1基板11および有機発光素子20との間であって、発光装置10を第1基板11の光取り出し面の法線方向の外方から見た際に第1基板11と第2基板15とが重なる部分の領域(ただし、第2電極14と第2基板15とが重なる部分は、この領域に含まれてもよく含まれなくてもよい。)のすべてに設けられていると)、第2基板15側の外方から照射された紫外光による有機化合物層13へのダメージをより軽減できる点で好ましい。
【0047】
その厚さは、上記紫外光遮断物質の紫外光領域における光線透過率などにもよるが、通常0.1〜500μm、好ましくは0.2〜50μm程度である。厚みが薄すぎると光遮断層にピンホールが発生したりするおそれがあり、厚すぎると発光装置の小型化などの観点から好ましくない。
【0048】
光遮断層付き有機発光素子30の露出部、すなわち光遮断層付き有機発光素子30の上部または側部を覆う保護層が、第1基板11上の光遮断層付き有機発光素子30に接して設けられてもよい。このような保護層の材料としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物、窒化ケイ素、酸化ケイ素等のシリコン化合物などを用いることができる。また、これらの保護層が積層されていてもよい。
【0049】
第2基板15は、第1基板11の上に有機発光素子上を覆って配置される、有機発光素子を外気から遮断する封止板である。第2基板15としては、水分や酸素等のガス透過性が低いものが好ましく、また本発明の発光装置10の製造過程で第2基板15の下部に設けられる光硬化性樹脂部17aの光硬化性樹脂を硬化させるために紫外光を透過することが必要である。このようなものとしてはガラス板、表面にバリア膜を形成したプラスチック板などが挙げられる。また、第2基板15は、光遮断層付き有機発光素子30に対向する部分に凹みを有していてもよい。
【0050】
光硬化性樹脂部17aの光硬化性樹脂は、光硬化されて、第2基板15を、光遮断層付き有機発光素子30を覆って第1基板に接着させるとともに、大気中の水分や酸素が有機発光素子中へ拡散することを防止する。
【0051】
光硬化性樹脂として用いられる樹脂には特に制限はなく、市販の光硬化性樹脂がそのまま使用できる。第1基板11と第2基板15との間には、光硬化性樹脂の光硬化物17が、光遮断層付き有機発光素子30を覆いつつ充填されている(好ましくは隙間なく充填されている)ため、発光装置10内へ第2基板15側の外方から入射した紫外光は、第2基板15の第1基板11側の面で反射されにくく、容易に光遮断層付き有機発光素子30へ到達するが、光遮断層16によって有機発光素子20の紫外光による劣化を効果的に防止することができる。
【0052】
<発光装置の製造方法>
本発明の発光装置の製造方法は、透明な第1基板11上に、透明な第1電極12、少なくとも発光層を含む有機化合物層13、および不透明な第2電極14を有しこれらがこの順序で積層された有機発光素子20を形成する第1工程と、
前記有機発光素子20における有機化合物層13の露出部分を、直接、または他の層(前記絶縁層18など)を介して、波長が380nm以下の紫外光を反射または吸収する光遮断層16で覆うことで、前記第1基板上に光遮断層付き有機発光素子30を形成する第2工程と、
第2基板15が、前記第1基板11の前記光遮断層付き有機発光素子30側に、前記第1基板11に対向するように配置され、光硬化性樹脂部17aが、前記第1基板11と第2基板15との間に、前記光遮断層付き有機発光素子30を覆いつつ充填された構造を形成する第3工程と、
前記第3工程の後に、前記光硬化性樹脂部17aを、前記第2基板15側の外方から紫外光を照射して硬化させることで前記第2基板15を前記第1基板11および前記光遮断層付き有機発光素子30に接着させる第4工程と
を含んでいる。
【0053】
第1電極12および第2電極14を形成するには、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法などのドライ法、スピンコーティング法、ディップコーティング法、インクジェット法、印刷法(スクリーン印刷法など)、スプレー法、ディスペンサー法などの塗布法を用いることができる。有機化合物層13を形成するにも同様の手法を使用することができるが、有機化合物層13に含まれる各層の成膜には、抵抗加熱蒸着法または塗布法がより好ましく、ポリマー有機化合物を含む層の成膜を行うには特に塗布法が好ましい。塗布法により成膜を行う場合は、成膜を行いたい層を構成する材料を、有機溶媒や水等の所定の溶媒に溶解または分散させた塗布溶液の塗布を行う。塗布を行う際にはスピンコーティング、スプレーコーティング、ディップコーティング法、インクジェット法、スリットコーティング法、ディスペンサー法、印刷等の種々の方法を使用することができる。塗布を行った後は、加熱あるいは真空引きを行って塗布溶液を乾燥させることで所望の層が形成される。
【0054】
絶縁層18を形成するにも、第1電極12および第2電極14の形成と同様の手法を使用することができる。
光遮断層16を形成するには、上記の第1電極11の形成と同様な方法が用いられる。紫外光遮断物質が樹脂バインダー中に分散されている場合、光遮断層16は、塗布法により形成することが好ましい。樹脂バインダーがフェノール樹脂、メラニン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂から形成される場合、光遮断層16形成材料の塗布を行った後、得られた塗膜をさらに室温に放置するか加熱することによって樹脂を硬化させる。熱硬化樹脂の硬化は、後工程(第4工程)での光硬化性樹脂の硬化と同時に行ってもよい。
【0055】
第3工程を実施する方法としては、光遮断層付き有機発光素子30が形成された第1基板11の光遮断層付き有機発光素子30側表面および/または第2基板15表面に光硬化性樹脂部を形成し、これらの基板同士を貼り合わせる方法、および予め所定の間隔をおき、かつ光遮断層付き有機発光素子30が内側に向くように第1基板11および第2基板15を固定し、これらの基板の間に光硬化性樹脂を流し込む方法が挙げられる。
【0056】
その後、第4工程では第2基板15側の外方から紫外光を照射することによって光硬化性樹脂を硬化させ、光遮断層付き有機発光素子30を封止する。紫外光の照射は、通常、光硬化性樹脂が1〜10000mW/cm2程度の紫外光を受けるように、かつ2〜60秒程度行えばよい。この紫外光の照射の際、有機化合物層13は、不透明な第2電極14および光遮断層16によって、紫外光から保護される。
【0057】
熱硬化樹脂を用いて光遮断層16を形成する場合、熱硬化樹脂を含む光遮断層16を着色しておき、かつ紫外光を照射する光源としてハロゲンランプやHIDランプなどを用いて紫外光と同時に可視光も照射すると、光硬化性樹脂を硬化させると同時に熱硬化性樹脂の硬化も行うことができ、製造工程が簡略化される。
【0058】
また、照射した紫外光が、第1基板11の光が取り出される側の面で反射して、有機化合物層13を劣化させることを防ぐために、第1基板11の光が取り出される側の面に特許文献1などに記載された光遮断層を形成してもよい。
【0059】
こうして製造された発光装置10においても、有機化合物層13は、不透明な第2電極14および光遮断層16によって、第2基板15側から入射する、外光に含まれる紫外光から保護されるため、本発明の発光装置10は、長期間安定に使用することができる。
【実施例】
【0060】
以下、本発明について実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はかかる実施例によりなんら限定されるものではない。
【0061】
[発光材料溶液の調製]
WO2010−16512号公報の実施例1に記載された方法に従って下記式で表わされる燐光発光性ポリマー化合物(A)を合成した。ポリマー化合物(A)の重量平均分子量は52,000、各繰り返し単位のモル比はk:m:n=6:42:52であった。
【0062】
【化1】

この燐光発光性ポリマー化合物(A)3質量部を97質量部のトルエンに溶解させ、発光材料溶液(以下、「溶液A」ともいう。)を調製した。
【0063】
[発光装置の作製]
(実施例1)
発光装置として、図1に示した発光装置10を、以下の方法により作製した。
【0064】
まず第1基板11としての石英ガラスからなるガラス基板(25mm角、厚さ1mm)上に、スパッタ装置(キヤノンアネルバ株式会社製E−401s)を用いて、スパッタリング法により第1電極12として厚さ150nmのITOの薄膜を形成した。
【0065】
次に、第1電極12上に、溶液Aをスピンコート法(回転速度:3000rpm)により塗布し、窒素雰囲気下、140℃で1時間放置し乾燥することで、有機化合物層13として80nmの膜厚の発光層を形成した。
【0066】
さらに有機化合物層13上に、陰極バッファ層としてフッ化ナトリウム層(厚さ4nm)、および第2電極14としてアルミニウム層(厚さ130nm)をこの順で蒸着法により形成することで有機発光素子20を作製した。有機発光素子20は、有機発光素子20を第2電極14側から見下ろした際の有機化合物層13の面積が、第1電極12と第2電極14とが重なる領域よりも大きくなるように作製された。
【0067】
次に、スパッタ装置を用いて、第1基板11上の有機発光素子20を覆うように絶縁層18としてSiO2層(厚さ100nm)を形成した。
次に、エポキシ系熱硬化性樹脂65質量%、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンを30質量%およびカーボン粉末5質量%を混合した光遮断層用組成物を、有機化合物層13の露出部を覆うように、スクリーン印刷法により塗布し、光遮断層16(厚さ50μm)を形成した。
【0068】
なお、別途石英ガラス基板上に上記の光遮断層用組成物を50μmの厚さで成膜した後80℃に加熱して硬化させることで形成した膜の厚さ方向での光透過率は、380nm以下の紫外光領域のどの波長に対しても10%以下であった。
【0069】
次に、光遮断層付き有機発光素子30が形成された第1基板11上に、光遮断層付き有機発光素子30全体を覆うようにエポキシ系光硬化性樹脂をディスペンサーを用いて配置し、その上から第2基板15として石英ガラスからなるガラス基板(20mm角、厚さ1mm)を載せることで光硬化性樹脂を押し拡げ、第1基板11と第2基板15との間の空間に光硬化性樹脂を充填した。
【0070】
次に、表面に紫外光遮断層として黒色塗料を塗布した台の上に、第1基板11を密着させ、第2基板15側からメタルハライドランプを用いて10秒間光照射(1000mW/cm2)を行うことで、光硬化性樹脂および熱硬化性樹脂を硬化させた。
【0071】
以上により発光装置10を作製した。
作製した発光装置10に、定電圧電源電流計(ケイスレーインスツルメンツ株式会社製SM2400)を用いて段階的に電圧を印加し、発光装置10の第1基板11の光取り出し面に垂直な方向における発光強度を輝度計(株式会社トプコン製BM−9)で計測した。そして、電流密度に対する発光強度の比から発光効率を決定したところ、45cd/Aであった。
【0072】
(比較例1)
光遮断層16を形成しなかったこと以外は実施例1と同様に発光装置を作製し、発光効率を測定したところ、33cd/Aであった。
【符号の説明】
【0073】
10:発光装置
11:第1基板
12:第1電極
13:有機化合物層
14:第2電極
15:第2基板
16:光遮断層
17:光硬化性樹脂の硬化物部
17a:光硬化性樹脂部
20:有機発光素子
30:光遮断層付き有機発光素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1電極、少なくとも発光層を含む1層以上の有機化合物層、および不透明な第2電極を有しこれらがこの順序で積層された有機発光素子、ならびに前記有機発光素子における前記有機化合物層の露出部分を覆う、波長が380nm以下の紫外光を反射または吸収する光遮断層を有する光遮断層付き有機発光素子と、
前記光遮断層付き有機発光素子の前記第1電極側に、前記第1電極に接して配置された透明な第1基板と、
前記第1基板の前記光遮断層付き有機発光素子側に、前記第1基板に対向して配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に、光遮断層付き有機発光素子を覆いつつ充填された光硬化性樹脂の光硬化物部と
を有することを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記光遮断層が、熱硬化性樹脂を含む光遮断層形成材料の熱硬化物である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記光遮断層が、粘性液体状またはペースト状である、請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記光遮断層が、前記光硬化物部と前記第1基板および前記有機発光素子との間であって、前記発光装置を前記第1基板の光取り出し面の法線方向の外方から見た際に前記第1基板と前記第2基板とが重なる部分の全領域に設けられている、請求項1〜3のいずれか一つに記載の発光装置。
【請求項5】
透明な第1基板上に、第1電極、少なくとも発光層を含む有機化合物層、および不透明な第2電極を有しこれらがこの順序で積層された有機発光素子を形成する第1工程と、
前記有機発光素子における前記有機化合物層の露出部分を、波長が380nm以下の紫外光を反射または吸収する光遮断層で覆うことで、前記第1基板上に光遮断層付き有機発光素子を形成する第2工程と、
第2基板が、前記第1基板の前記光遮断層付き有機発光素子側に、前記第1基板に対向するように配置され、光硬化性樹脂部が、前記第1基板と前記第2基板との間に、前記光遮断層付き有機発光素子を覆いつつ充填された構造を形成する第3工程と、
前記第3工程の後に、前記光硬化性樹脂部を、前記第2基板側の外方から紫外光を照射して硬化させることで前記第2基板を前記第1基板および前記光遮断層付き有機発光素子に接着させる第4工程と
を含む発光装置の製造方法。
【請求項6】
前記第2工程において、前記有機発光素子における前記有機化合物層の露出部分を、熱硬化性樹脂を含む光遮断層形成材料で覆い、その後、前記材料を熱硬化させて前記光遮断層を形成する、請求項5に記載の発光装置の製造方法。
【請求項7】
前記光遮断層形成材料が着色されており、前記第4工程において、紫外光を照射する光源として紫外光および可視光を放出する光源を用いることにより、前記光硬化性樹脂および前記熱硬化性樹脂を共に硬化させることを特徴とする、請求項6に記載の発光装置の製造方法。
【請求項8】
前記光遮断層が、粘性液体状またはペースト状である、請求項5に記載の発光装置の製造方法。
【請求項9】
前記第2工程において、前記有機発光素子および前記第1基板の露出部分であって、第2基板と接着される予定の領域のすべてを前記光遮断層で覆う、請求項5〜8のいずれか一つに記載の発光装置の製造方法。
【請求項10】
前記第4工程において、前記第1基板の前記第2基板とは反対側の面に、波長が380nm以下の紫外光を吸収する光吸収部材を配置して紫外光を照射する、請求項5〜9のいずれか一つに記載の発光装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−16395(P2013−16395A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−149297(P2011−149297)
【出願日】平成23年7月5日(2011.7.5)
【出願人】(000002004)昭和電工株式会社 (3,251)
【Fターム(参考)】