説明

発光装置の製造方法及び発光装置

【課題】バンクにより囲まれた区画領域に発光素子を形成する際、形成された発光素子の膜厚のばらつきが抑えられて良好な発光特性を有する発光装置の製造方法及び発光装置を提供する。
【解決手段】区画領域8を挟んで互いに対向する位置に親液性バンク14aと該親液性バンク14a上に形成された撥液性バンク14bとで構成されるバンク14を形成した。そして、撥液性バンク14bの上層部Tを化学的機械的研磨法(CMP)を使用して、その上層部Tを平坦化した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光装置の製造方法及び発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、機能材料で基板上に所定のパターンを形成してディスプレイといった発光装置を製造する技術が開発されているが、近年においては、機能材料を所定の溶媒中に溶解または分散して形成された液状組成物を吐出ヘッドから吐出して、基板の所望の位置に塗布させることでパターンを形成する、所謂、液滴吐出法が注目されている。この液滴吐出法は、機能材料をパターン形成に使用される量しか使用しないので、例えば、基板全面に機能材料を塗布するスピンコート法に比べて、使用する機能材料が少なくて済むなどの利点がある。
【0003】
ところで、例えば有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(以下、「有機ELディスプレイ」という)の画素パターンを液滴吐出法で形成する場合、基板上に吐出した液状組成物が隣接する画素に流出するのを防ぐため、基板上にバンク(仕切部材)を設け、バンクにより囲まれた区画領域に液状組成物を吐出するようにしている。このとき、区画領域内に塗布された液状組成物は、その中央部分が盛り上った凸状態となり、溶媒を除去すると、バンクに向かうに連れて膜厚が厚くなって前記中央部分が凹んだ凹状形状となる。その結果、溶媒を除去した後、機能材料で構成された機能層(たとえば、発光層)は、その膜厚の分布が不均一なものとなることから、発光ムラ(色ムラ)が発生する問題が生じる。
【0004】
そこで、バンクの側面と区画領域の底面に形成された画素電極との間に、バンクの側面から画素電極に向けて傾斜した連結面を設けることで、溶媒を除去して形成される機能層を連結面に接触させて、機能層を平坦化させる技術が開示されている(たとえば、特許文献1)。
【特許文献1】特開2004−198486号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記有機ELディスプレイといった各種発光装置では、高効率な発光特性を得る等のために各種配線が複雑に引き回されている。そして、区画領域周辺にも、配線が引き回されている。このため、バンクの上層部の表面形状が、区画領域周辺のあるバンクの下方の下地の構造の影響を受けて凹凸形状を成す。従って、区画領域を挟んで互いに対向する位置に設けられたバンクの各上層部の表面形状がその区画領域の中心に対して対称にならない場合がある。そのため、液滴吐出法を使用して区画領域内に塗布された液状組成物は、その周縁部がバンクの各上層部の表面上に塗布されるが、上層部の表面形状がその区画領域の中心に対して対称でないことから、溶媒を除去する時に、区画領域に塗布された液状組成物は、バンクに引っ張られるので、膜厚が不均一な膜が形成されてしまうという問題が生ずる。
【0006】
そこで、本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、バンクにより囲まれた区画領域に発光素子を形成する際、形成された発光素子の膜厚のばらつきが抑えられて良好な発光特性を有する発光装置の製造方法及び発光装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発光装置の製造方法は、基板上に、一方向に沿って互いに所定の間隔で配置された複数の第1の配線と、該複数の第1の配線の各々と交差するように互いに所定の間隔で配置された複数の第2の配線と、前記複数の第1の配線と前記複数の第2の配線とを覆うように形成して、前記第1の配線と前記第2の配線との交差部に対応して区画領域を形成するバンクと、前記バンクによって形成された前記各区画領域にそれぞれ形成された発光素子とを備えた発光装置の製造方法において、前記バンクを形成するバンク形成工程と、前記バンクの上層部を平坦化するバンク平坦化工程と、前記バンクによって形成された前記各区画領域に発光層を形成する発光層形成工程とを含んでいる。
【0008】
これによれば、バンクの上層部の表面形状は平坦になる。従って、発光素子が、たとえば、2つの電極層に挟まれた発光層を備えたエレクトロルミネッセンス素子構造を有した素子であり、且つ、その発光層が液滴吐出法によって形成されるようにした場合、区画領域内に吐出された液状組成物が、区画領域の中心に対して対称の位置に塗布される。この結果、液状組成物中の溶媒を除去する時に、区画領域に塗布された液状組成物は、互いに対向する位置に設けられた各バンクによって均一に引っ張られるので、形成される発光層の膜厚が区画領域内において均一になる。このため、発光素子の膜厚のばらつきが抑えられて良好な発光特性を有する発光素子を形成することができる。
【0009】
この発光装置の製造方法において、前記バンク平坦化工程は、化学的機械的研磨法によって行われるようにしてもよい。
これによれば、バンクの上層部の表面形状は、確実に平坦化される。従って、形成される発光層の膜厚が区画領域内において均一になる。
【0010】
この発光装置の製造方法において、前記発光層形成工程は、液滴吐出法によって行われるようにしてもよい。
これによれば、発光材料をパターン形成に使用される量しか使用しないので、例えば、基板全面に機能材料を塗布するスピンコート法に比べて、使用する発光材料の量を少なくすることができる。また、真空装置等といった大型の装置を使用すること無く、少量の材料で均一な膜厚を有した発光層を有する発光素子を形成することができる。
【0011】
本発明の発光装置は、上記記載の発光装置の製造方法によって製造されている。
これによれば、バンクの上層部の表面形状は平坦になる。従って、発光素子が、たとえば、2つの電極層に挟まれた発光層を備えたエレクトロルミネッセンス素子構造を有した素子であり、且つ、その発光層が液滴吐出法によって形成されるようにした場合、区画領域内に吐出された液状組成物が、区画領域の中心に対して対称の位置に塗布される。この結果、液状組成物中の溶媒を除去する時に、区画領域に塗布された液状組成物は、互いに対向する位置に設けられた各バンクによって均一に引っ張られるので、形成される発光層の膜厚が区画領域内において均一になる。このため、発光素子の膜厚のばらつきが抑えられて良好な発光特性を有する発光素子を形成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、本発明の一実施形態として、発光装置を有機ELディスプレイ(有機EL装置)に適用した場合について図面に従って説明する。図1は、有機ELディスプレイの正面図である。
【0013】
図1に示すように、有機ELディスプレイ1は、ディスプレイ部2と、該ディスプレイ部2の下側部(図1中Y矢印方向)に接続されたフレキシブル回路基板3とから構成されている。
【0014】
ディスプレイ部2は、基板4を備えている。基板4は、本実施形態では、ガラス板で構成されている。基板4は、その中央に略四角形状の表示領域5を備えている。基板4上であって、表示領域5以外の領域(以下、「非表示領域」という)6には、一対の走査線駆動回路7等が形成されている。
【0015】
表示領域5には、列方向(図1中Y矢印方向)にn個、行方向(図1中X矢印方向)にm個の区画領域8が、それぞれ等ピッチで形成されている。そして、m×n個の各区画領域8に対応して、赤用画素9R、緑用画素9G、青用画素9Bがマトリクス状に形成されている。そして、行方向に沿っては、赤用画素9R→緑用画素9G→青用画素9B→赤用画素9R→緑用画素9G→…→赤用画素9R→緑用画素9G→青用画素9Bの順に繰り返して形成されている。また、Y矢印方向(列方向)に沿っては、同色の画素9R,9G,9Bが形成されている。
【0016】
また、非表示領域6には、一対の走査線駆動回路7が形成されている。各走査線駆動回路7は、協働してn行ある画素9R,9G,9B群を順次走査して一行の画素9R,9G,9Bを選択するための走査信号(電圧信号)を順次出力する。
【0017】
一方、フレキシブル回路基板3上には、データ線駆動回路10と制御回路11とが形成されている。データ線駆動回路10は、前記走査線駆動回路7が出力した走査信号によって選択された行の各画素9R,9G,9B群に対して、その各画素9R,9G,9Bから出射される光の輝度(発光輝度)を決定する電気信号としての画像信号を出力する。制御回路11は、各走査線駆動回路7及びデータ線駆動回路10の駆動を制御するための各種制御信号を生成し、その生成した制御信号を各駆動回路7,10にそれぞれ出力する。
【0018】
また、各画素9R,9G,9Bには、画素9R,9G,9Bを駆動させるための駆動電力が供給されるようになっている。そして、各画素9R,9G,9Bを順次走査してその選択された各画素9R,9G,9B群における発光輝度をデータ線駆動回路10によって制御することにより、任意の画像が表示領域5上に表示される。
【0019】
図2(a)に、m×n個ある区画領域8のうちの一つの区画領域8及びその周辺の配線パターンを説明する平面図を示し、図2(b)に、図2(a)中a−a線断面図を示す。
図2(a)に示すように、X矢印方向に沿って形成された走査信号を供給する第2の配線としての走査線LXと、Y矢印方向に沿って形成された画像信号を供給するデータ線LYと、前記データ線LYに平行になるように形成された駆動電力を供給する第1の配線としての給電線LZに挟まれる領域に、前記区画領域8が形成されている。そして、この区画領域8には、有機EL素子OLED及び該有機EL素子OLEDを駆動するための周辺回路が総て配置されている。
【0020】
詳しくは、周辺回路は、スイッチングトランジスタQsw、保持容量Cp及び駆動トラン
ジスタQdを備えている。
スイッチングトランジスタQswは、例えば、NチャネルMOS構造を有した薄膜トランジスタ(TFT)であって、走査線LXからの走査信号がゲートに供給される。そして、走査線LXから走査信号が供給されると、スイッチングトランジスタQswはオンになり、その結果、データ線LYから画像信号がスイッチングトランジスタQswのドレイン/ソース間に供給される。
【0021】
保持容量Cpは、給電線LZに沿って形成された第1電極用配線12Aと、絶縁層(図
2(b)参照)Mを挟んでその下方(基板4側)に形成された第2電極用配線12Bとから構成されている。第1電極用配線12Aは、コンタクトホールHを介して給電線LZと電気的に接続されている。第2電極用配線12Bは、第1電極用配線12Aと平行になる
ように形成され、その一端がスイッチングトランジスタQswのソースに接続されている。そして、保持容量Cpは、スイッチングトランジスタQswのドレイン/ソース間に供給さ
れた画像信号に応じた電荷量を蓄積する。
【0022】
駆動トランジスタQdは、例えば、NチャネルMOS構造を有した薄膜トランジスタ(
TFT)である。駆動トランジスタQdのゲートには、スイッチングトランジスタQswの
ドレイン/ソース間に供給された画像信号が供給されるようになっている。そして、ゲートに供給された画像信号の電圧値に応じて、即ち、保持容量Cpに蓄積された電荷量に対
応した電圧値に応じて、ドレイン/ソース間の導電率が制御され、同電圧値に応じた電流が駆動電流として有機EL素子OLEDに供給されるようになっている。
【0023】
図2(b)に示すように、基板4の上方には区画領域8を区画形成するバンク14が形成されている。詳しくは、基板4上に、Y矢印方向に所定長さだけ延設されるようにして前記第2電極用配線12Bが形成されている。また、基板4上全面には、第2電極用配線12B上に渡って絶縁層Mが形成されている。従って、第2電極用配線12Bが形成された領域に対応した絶縁層Mの表面は、その周囲の絶縁層Mに比べて凸状に盛り上った形状になる。
【0024】
そして、その盛り上った絶縁層M上には、第2電極用配線12Bと平行になるようにして第1電極用配線12Aが形成されている。つまり、第1電極用配線12Aと第2電極用配線12Bとは絶縁層Mを挟んで対向する位置に形成されている。また、絶縁層M上には、第1電極用配線12Aに隣接して並設するようにデータ線LYが延設されている。
【0025】
さらに、絶縁層M上全面には、第1電極用配線12A及びデータ線LY上に渡って第1の層間絶縁層S1が形成されている。従って、第1電極用配線12A及びデータ線LYが形成された領域に対応した第1の層間絶縁層S1の表面は、その周囲の第1の層間絶縁層S1に比べて凸状に盛り上った形状になる。
【0026】
そして、第1電極用配線12Aによって盛り上った第1の層間絶縁層S1上には、Y矢印方向に延設された給電線LZが形成されている。また、第1の層間絶縁層S1上全面には、給電線LZ上に渡って第2の層間絶縁層S2が形成されている。従って、第2の層間絶縁層S2の給電線LZが形成された領域に対応した位置は、その周囲に比べて凸形状に盛り上っている。また、第2の層間絶縁層S2のデータ線LYが形成された領域に対応した位置は、その周囲に比べて凸形状に盛り上っている。
【0027】
尚、第2の層間絶縁層S2の給電線LZが形成された領域は、その下層に、前記したように、第1及び第2電極用配線12A,12Bが積層されている一方、第2の層間絶縁層S2のデータ線LYが形成された領域は、その下層に、前記したように、データ線LYのみが積層されている。このため、第2の層間絶縁層S2の給電線LZが形成された領域が第2の層間絶縁層S2において最も高く盛り上っている。
【0028】
そして、その給電線LZによって最も盛り上った部分を除いた第2の層間絶縁層S2上であって、走査線LX(図2(a)参照)と、データ線LYと、給電線LZとに挟まれる領域には、略長方形状を成す陽極としての画素電極13が形成されている。
【0029】
また、第2の層間絶縁層S2上であって、画素電極13の外周縁を取り囲む位置には、バンク14が形成されている。そして、このバンク14によって前記区画領域8が形成されている。
【0030】
バンク14は、基板4側に形成された第1のバンクとしての親液性バンク14aと、該
親液性バンク14a上に形成された第2のバンクとしての撥液性バンク14bとから構成されている。そして、親液性バンク14aは、第1及び第2電極用配線12A,12B、及びデータ線LYが形成された領域を被覆するように第2の層間絶縁層S2上に形成されている。従って、親液性バンク14aの上端面は、凸状に盛り上った形状になる。
【0031】
また、撥液性バンク14bは、親液性バンク14a上に形成されている。そして、親液性バンク14aの周縁部は、撥液性バンク14bより画素電極13側に張り出すようにして形成されている。各撥液性バンク14bの上層部Tの表面形状は平坦になっている。従って、区画領域8を挟んで互いに対向する位置に設けられた撥液性バンク14bの上層部Tの表面形状は、その区画領域8の中心線Lo(図2(a)参照)に対して対称になっている。
【0032】
画素電極13上には、正孔輸送層16、発光層17の順に積層されてなる機能層18が形成されている。発光層17は、有機材料で構成されている。撥液性バンク14b及び発光層17上全面に渡って陰極19が形成されている。そして、画素電極13と、該画素電極13と相対して形成した陰極19と、画素電極13と陰極19との間に機能層18とを備えたエレクトロルミネッセンス素子としての有機EL素子OLEDが構成されている。
【0033】
このような構成を有する有機ELディスプレイ1は、図2(b)に示すように、正孔輸送層16の膜厚が区画領域8内に渡って均一になっている。また、各正孔輸送層16上に形成される発光層17も、正孔輸送層16と同様に、その膜厚が区画領域8内に渡って均一になっている。
【0034】
次に、前記のような構造を有する有機ELディスプレイ1の製造方法について図3〜図7に従って説明する。
先ず、ガラス板である基板4を洗浄した後に、プラズマCVD法によって珪素層を成膜し、その後、レーザアニールすることで成膜した珪素層を多結晶化する。この多結晶化された層は、駆動トランジスタQdやスイッチングトランジスタQswといった各種薄膜トランジスタ(TFT)のチャンネルを形成する層と同じ層であり、配線として使用する領域には不純物ドーピングして低抵抗化する。更に、図3(a)示すように、基板4上の所定に位置に、フォトリソグラフィー法等を使用することで第2電極用配線12Bをパターニング形成する。その後、図3(b)示すように、基板4上全面に、第2電極用配線12B上に渡って酸化珪素(SiO)を、例えば、プラズマ法によって成膜して絶縁層Mを形成する。
【0035】
続いて、第2電極用配線12Bと重なるように絶縁層M上に、例えばスパッタ法により形成したアルミニウム層をフォトリソグラフィー法等を使用することで、第1電極用配線12Aをパターニング形成する。また、このとき、同時に、絶縁層M上に第1電極用配線12Aに隣接して並設するようにデータ線LYを形成する。このとき、データ線LYは、第2電極用配線12B上に形成された絶縁層M上には形成せず、基板4上に形成された絶縁層M上に形成する(図3(c)参照)。
【0036】
その後、図3(d)示すように、絶縁層M上全面に、第1電極用配線12A及びデータ線LY上に渡って酸化珪素(SiO)を、たとえばプラズマCVD法によって成膜して第1の層間絶縁層S1を形成する。従って、第1電極用配線12Aが形成された領域に対応した第1の層間絶縁層S1は、その周囲の領域に比べて第1及び第2電極用配線12A,12Bの膜厚の分だけ凸状に盛り上っている。また、データ線LYが形成された領域に対応した第1の層間絶縁層S1は、その周囲の領域に比べてデータ線LYの膜厚の分だけ凸状に盛り上っている。
【0037】
続いて、第1電極用配線12Aが形成された領域に対応した第1の層間絶縁層S1上に、例えばスパッタ法により形成したアルミニウム層を、フォトリソグラフィー法等を使用することで、給電線LZをパターニング形成する。更に、第1の層間絶縁層S1上、及び、給電線LZ上に渡って酸化珪素(SiO)を、たとえばプラズマCVD法によって成膜することで第2の層間絶縁層S2を形成する(図4(a)参照)。
【0038】
従って、給電線LZが形成された領域に対応した第2の層間絶縁層S2は、その周囲の領域に比べて第1及び第2電極用配線12A,12B、及び給電線LZの膜厚の分だけ凸状に盛り上っている。また、データ線LYが形成された領域に対応した第1の層間絶縁層S1は、その周囲の領域に比べてデータ線LYの膜厚の分だけ凸状に盛り上っている。
【0039】
そして、図4(b)に示すように、第2の層間絶縁層S2上であって、走査線LX(図2(a)参照)と、データ線LYと、給電線LZとに挟まれる領域に、例えば、スパッタ法で形成したインジウム−錫酸化物(ITO)といった光透過性を有する導電材料を成膜する。そして、その後に、フォトリソグラフィー法等を使用することで、パターニングして画素電極13を形成する。
【0040】
次に、図4(c)に示すように、第2の層間絶縁層S2上の、給電線LZの上方に対応する領域及び画素電極13の周縁部を含む領域を開口部KoとするマスクKを設け、該マスクK越しに、酸化珪素(SiO)を蒸着法によって成膜する。その後、マスクKを除去すると、図4(d)に示すように、第2の層間絶縁層S2上の凸形状に盛り上った位置に親液性バンク14aが形成される。従って、その上層部が凸状に盛り上った親液性バンク14aが形成される。
【0041】
続いて、図5(a)に示すように、撥液性バンク14bとなる層を形成する。(バンク形成工程)撥液性バンク14bを形成するには、まず、溶媒に溶かした感光性のアクリル樹脂やポリイミド樹脂等の有機樹脂をスピンコート或いはスリットコート法等を用いて親液性バンク14a及び画素電極13上の全面に渡って塗布する。更に、100〜150℃程度の温度で熱処理を行い、塗布した有機樹脂から溶媒を除去し、膜化して有機樹脂層15を形成する。この熱処理の温度は、樹脂の感光性を用いてパターン形成ができる範囲で高くした方が膜の強度が高くなるため望ましい。また、後の工程で研磨することを考慮して、形成する撥液性バンク14bの膜厚よりも1〜2μm程度厚い膜厚で形成することが望ましい。
【0042】
次に、図5(b)に示すように、化学的機械的研磨法(CMP)を使用して、形成した有機樹脂層15の表面を平坦化する。つまり、所定のスラリーSpを塗布しながらパッドPgを回転させて有機樹脂層15の上層部を研磨する(バンク平坦化工程)。
【0043】
スラリーSpには有機材料の化学的機械的研磨に好適なものを使用する。例えば、砥粒と酸化剤を混合したものを好適に使用することができる。更にpH調整剤を加えたもので
あっても良い。酸化剤としては、過酸化水素水、硝酸第2鉄、ヨウ素酸カリウム等の酸性酸化剤や、水酸化カリウム、塩酸ヒドロキシアミン、モノエタノールアミン等の強アルカリ性アミン塩、ペルオキソ系化合物等を用いることができる。砥粒としては、アルミナの粒子、酸化ジルコニウムの粒子を使用することができる。特に砥粒としてアルミナを、酸化剤として過酸化水素水を用い、アルカリ性に調整したスラリーSpを用いることで良好な研磨を行うことができる。この結果、有機樹脂層15の上層部Tをほぼ平坦にすることができる。
【0044】
洗浄を行い、スラリーSpを除去した後、所定のパターンで露光及び現像を行い、有機樹脂層15をパターニングして撥液性バンク14bを形成する(図5(c)参照)。撥液
性バンク14bは親液性バンク14a上に画素電極13を取り囲む様に配置される。更に150℃以上の温度で熱処理を行い、形成した撥液性バンク14bの膜の特性を安定化させる。
【0045】
4フッ化メタン等の含フッ素ガスを用いたプラズマ処理を行い、撥液性バンク14bの表面を撥液化する。この時、画素電極13の表面はフッ素との反応性が低いため、撥液化されることは無い。
【0046】
続いて、画素電極13上に正孔輸送層16を形成する。本実施形態では、液滴吐出法を用いて正孔輸送層16を形成する。具体的には、図6(a)に示すように、正孔輸送層材料が溶媒中に溶解または分散した液状組成物Lを吐出可能とする液滴吐出ヘッド20を選択する。この液滴吐出ヘッド20は、X矢印方向に沿って延設された案内レール21に支持されてX矢印方向または反X矢印方向(走査方向)に移動可能である。
【0047】
そして、液滴吐出ヘッド20の位置を案内レール21に沿って調整して、液滴吐出ヘッド20に形成されたノズルNが、所定の画素電極13(例えば、1行目の画素電極13)と対向する位置に合わせる。この状態で、ノズルNから液滴化した液状組成物Lを吐出して区画領域8内に塗布する。すると、親液性バンク14aに接触することによって画素電極13上全面に液状組成物Lが濡れ広がる。また、撥液性バンク14bによって隣接した他の画素電極13上には液状組成物Lが濡れ広がることはない。さらに、このとき、撥液性バンク14bの上層部Tの表面形状は平坦化されているので、撥液性バンク14bの上層部Tに接触した液状組成物Lは、区画領域8の中心線Loに対して対称の位置に塗布される。
【0048】
以降、液滴吐出ヘッド20をX矢印方向に沿って各画素ピッチずつ移動させながら、ノズルNから液滴化した液状組成物Lを吐出して、1行分のm個の区画領域8内に液状組成物Lを塗布する。その後、他の行の区画領域8内にも前記と同様にして、液状組成物Lを順次塗布することで全ての区画領域8内に液状組成物Lを塗布する。
【0049】
その後、液状組成物Lが塗布された基板4を、例えば、図示しない密閉容器中に載置し、その容器内を減圧することで、塗布された液状組成物中の溶媒を蒸発させて除去する。この結果、図6(b)に示すように、各画素電極13上に正孔輸送層16が形成される。このとき、区画領域8を取り囲む撥液性バンク14bの上層部Tの表面の凹凸は区画領域8に対してほぼ対称となるため、撥液性バンク14bの上層部Tに塗布された液状組成物Lは、互いに対向する位置に設けられた各撥液性バンク14bによって均一に引っ張られる。この結果、形成される正孔輸送層16の膜厚は、各区画領域8内において均一となる。
【0050】
その後、赤用発光層材料が溶媒中に溶解または分散した液状組成物Lrを吐出する液滴吐出ヘッド30を順次選択する。そして、前記と同様にして、図7(a)に示すように、液滴吐出ヘッド30のノズルNrから液滴化した液状組成物Lrを区画領域8に吐出して先に形成した各正孔輸送層16上に塗布する(発光層形成工程)。
【0051】
このとき、撥液性バンク14bの上層部Tの表面形状は平坦化されているので、撥液性バンク14bの上層部Tに接触した液状組成物Lrは、区画領域8の中心に対して対称の位置に塗布される。
【0052】
以降、同様に、緑用発光層材料が溶媒中に溶解または分散した液状組成物を吐出する液滴吐出ヘッド、青用発光層材料が溶媒中に溶解または分散した液状組成物を吐出する液滴吐出ヘッドを順次選択する(図示略)。そして、各液滴吐出ヘッドのノズルから液滴化し
た液状組成物を区画領域8内に吐出して先に形成した各正孔輸送層16上に塗布する。このときも、前記と同様に、撥液性バンク14bの上層部Tの表面形状は平坦化されているので、撥液性バンク14bの上層部Tに接触した液状組成物は、区画領域8の中心に対して対称の位置に塗布される。
【0053】
その後、再び、各液状組成物が塗布された基板4を、例えば、図示しない密閉容器中に載置し、その容器内を減圧することで、塗布された液状組成物中の溶媒を蒸発させて除去する。
【0054】
この結果、区画領域8を取り囲む撥液性バンク14bの上層部Tの表面の凹凸は区画領域8に対してほぼ対称となるため、撥液性バンク14bの上層部Tに塗布された液状組成物は、互いに対向する位置に設けられた各撥液性バンク14bによって均一に引っ張られる。この結果、形成される発光層17の膜厚は、図7(b)に示すように、各区画領域8内において均一となる。
【0055】
その後、撥液性バンク14b及び各発光層17上に、LiF層、Ca層、Al層等を蒸着方法等により積層し、陰極19を形成する。さらに、ディスプレイ部2と、別途製造されたフレキシブル回路基板3とを接続して、有機ELディスプレイ1が製造される。
【0056】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態によれば、区画領域8を挟んで互いに対向する位置に親液性バンク14aと該親液性バンク14a上に形成された撥液性バンク14bとで構成されるバンク14を形成した。そして、撥液性バンク14bの上層部Tを平坦化した。その結果、各撥液性バンク14bの上層部Tの表面形状は、その区画領域8の中心に対してほぼ対称にすることができる。
【0057】
従って、液滴吐出法を用いて正孔輸送層16を形成する際、撥液性バンク14bの上層部Tに接触した正孔輸送層材料が溶媒中に溶解または分散した液状組成物Lが、区画領域8の中心に対して対称の位置に塗布される。この結果、液状組成物L中の溶媒を除去する時に、撥液性バンク14bの上層部Tに塗布された液状組成物Lは、互いに対向する位置に設けられた各撥液性バンク14bによって均一に引っ張られるので、区画領域8内において、正孔輸送層16の膜厚を均一にすることができる。
(2)本実施形態によれば、化学的機械的研磨法(CMP)を使用して、撥液性バンク14bの上層部Tを研磨して撥液性バンク14bの上層部Tを平坦化するようにした。従って、撥液性バンク14bの上層部Tを確実に平坦化することができる。
(3)本実施形態によれば、発光層17も正孔輸送層16と同様に液滴吐出法を用いて形成したので、撥液性バンク14bの上層部Tに接触した液状組成物が、区画領域8の中心に対して対称の位置に塗布される。この結果、液状組成物中の溶媒を除去する時に、撥液性バンク14bの上層部Tに塗布された液状組成物は、互いに対向する位置に設けられた各撥液性バンク14bによって均一に引っ張られるので、区画領域8内において、発光層17の膜厚を均一にすることができる。
(4)本実施形態によれば、各有機EL素子OLEDの膜厚のばらつきを抑えることができるので、良好な発光特性を有する有機ELディスプレイ1を実現することができる。
(5)本実施形態によれば、液滴吐出法を用いて正孔輸送層16及び発光層17を形成するようにしたので、正孔輸送層材料及び発光材料をパターン形成に使用される量しか使用しないので、例えば、基板4全面に正孔輸送層材料及び発光材料を塗布するスピンコート法に比べて、使用する正孔輸送層材料及び発光材料の量を少なくすることができる。また、真空装置等といった大型の装置を使用すること無く、少量の正孔輸送層材料で均一な膜厚を有した正孔輸送層16、及び少量の発光材料で均一な膜厚を有した発光層17を有する有機EL素子OLEDを形成することができる。
(6)有機膜は容易に厚い膜を形成することが可能であり、平坦化の為に研磨する膜厚を含めて成膜を行っても成膜工程への影響が少なく効率的に生産することが可能である。例えば、駆動回路と配線との間の層間絶縁膜等の無機膜にCMPを行い平坦化を行おうとした場合、研磨する膜厚を含めて成膜すると、成膜時間が長くなり生産性が低下する。また、成膜のために真空装置が必要であり、成膜の能力を向上するためのコストも高い。
(第2実施形態)
次に、有機ELディスプレイ1の他の製造方法について図8に従って説明する。この第2実施形態に係る有機ELディスプレイ1の製造方法は、撥液性バンク14bの形成工程が異なっている他は、上記第1実施形態と同じである。従って、上記第1実施形態と異なる撥液性バンク14bの形成工程のみについて説明する。
【0058】
図8(a)に示すように、上記第1実施形態と同様にして、親液性バンク14aを形成した後、溶媒に溶かしたアクリル樹脂やポリイミド樹脂等の有機樹脂をスピンコート或いはスリットコート法等を用いて親液性バンク14a及び画素電極13上の全面に渡って塗布する。その後、更に熱処理を行い、塗布した有機樹脂から溶媒を除去し、膜化して有機樹脂層15を形成する。この熱処理は、有機樹脂から十分に溶媒が除去され、膜の特性が安定する様な条件で行うことが望ましい。例えばアクリル樹脂の場合180〜200℃の温度で30分程度行う。また、ポリイミド樹脂では200〜400℃の温度で2時間以上行うと良い。
【0059】
次に、化学的機械的研磨法(CMP)を使用して、形成した有機樹脂層の表面を平坦化する。この化学的機械的研磨法(CMP)処理は、上記第1実施形態とほぼ同様である。
有機樹脂層15の表面を平坦化した後、図8(b)に示すように、感光性のレジスト等をスピンコート或いはスリットコート法を用いて塗布する。続いて、熱処理によりレジストを膜化してレジスト膜RAを形成する。その後、図8(c)に示すようにその後、所定のパターンで露光し現像することによりレジスト膜RAをパターニングしてレジストパターンRBを形成する。
【0060】
次に、プラズマにより、レジストパターンRB及び有機樹脂層15をエッチングする。レジスト膜と有機樹脂層のエッチングレートが適当な選択比を有する様にエッチング条件を選ぶことで、レジストパターンRBを有機樹脂層15に転写することができる。この様なエッチングは、エッチングガスとして酸素を用いた減圧雰囲気でのプラズマにより容易に行うことができる。この様な工程を用いて撥液性バンク14bを形成する。
【0061】
上記したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態によれば、化学的機械的研磨法(CMP)を行う前に有機樹脂層を十分に安定化させることができる。この結果、化学的機械的研磨法(CMP)時の膜剥がれや局所的なエッチングを防ぎ、高い平坦性を有する撥液性バンク14bを安定して形成することができる。
(第3実施形態)
次に、第1及び第2実施形態で説明した発光装置としての有機ELディスプレイ1の電子機器の適用について図9に従って説明する。有機ELディスプレイ1は、モバイル型のパーソナルコンピュータ、携帯電話、デジタルカメラ等種々の電子機器に適用できる。
【0062】
図9は、大型テレビ70の斜視図である。この大型テレビ70は、有機ELディスプレイ1を搭載した大型テレビ用の表示ユニット71と、スピーカー72と、複数の操作ボタン73とを備えている。この場合でも、有機ELディスプレイ1を用いた表示ユニット71は、その各有機EL素子OLEDの正孔輸送層16及び発光層17は、その形状や膜厚のばらつきが無いので、輝度ムラのない表示品位の優れた画像を表示する大型テレビを提供することができる。
【0063】
尚、発明の実施形態は、上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように実施してもよい。
○上記第1及び第2実施形態では、撥液性バンク14bの上層部Tを化学的機械的研磨法(CMP)を使用することで平坦化したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の方法を使用することによって撥液性バンク14bの上層部Tを平坦化するようにしてもよい。本実施形態のように、撥液性バンク14bがアクリル樹脂やポリイミド樹脂等といった低融点材料で形成されている場合では、たとえば、リフロー等が挙げられる。
【0064】
○上記第1及び第2実施形態では、有機EL素子OLEDは、画素電極13、正孔輸送層16、発光層17及び陰極19で構成した。これを、画素電極13、正孔輸送層16、発光層17及び陰極19以外に、例えば、発光層17と陰極19との間に電子輸送層を備えた構成の有機EL素子に適応してもよい。この場合においても、液滴吐出法によって電子輸送層を形成することで、電子輸送層の各膜厚を均一にすることができる。
【0065】
○上記第1及び第2実施形態では、液滴吐出法を用いて正孔輸送層16及び発光層17を形成するようにしたが、これに限定されるものではない。例えば、発光材料を含んだ液状組成物Lをディスペンサーを用いて凹状領域8内全面に塗布するようにしてもよい。このようにすることで、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0066】
○上記第1及び第2実施形態では、発光素子として有機EL素子OLEDを使用したが、これに限定されるものではない。要は、少なくとも一部の層が液状組成物によって形成される発光素子であればどんな発光素子であってもよい。
【0067】
○上記第1及び第2実施形態では、発光装置として有機ELディスプレイ1に適用したが、本発明は、これに限定されない。発光装置として、たとえば、光プリンタの光書き込みヘッドにも適用可能である。
【0068】
図10(a)に、光プリンタの光書き込みヘッドに使用される素子基板の上面図を示し、図10(b)に、その拡大図を示す。
図10(a)に示すように、光書き込みヘッド80は、EL素子部81、走査線駆動回路82、素子基板83及び図示しない各種駆動素子を備えている。
【0069】
図10(b)に示すように、EL素子部81は、素子基板83上に形成されている。詳しくは、素子基板83上に、横方向に複数個の有機EL素子85が直線上に連なって形成された有機EL素子85群が、縦方向に半ピッチずれて3列並んで配置されている。つまり、千鳥格子状に有機EL素子85が配置されている。
【0070】
走査線駆動回路82は、素子基板83上のEL素子部81に隣接して形成され、図示しない走査線を介して各有機EL素子85に電気的に接続されている。また、走査線駆動回路82は、その両端側に外部接続端子87が接続され、各走査線に走査信号を出力するタイミングを制御する制御信号等を出力する図示しない外部制御回路に電気的に接続されるようになっている。また、各種駆動素子は、上記第1実施形態と同様な周辺回路である。そして、素子基板83上にはEL素子部81及び走査線駆動回路82を封止する封止基板88が設けられている。
【0071】
そして、各有機EL素子85の間には、上記第1及び第2実施形態と同様なバンクBが形成されている。このような構成をした光書き込みヘッド80においても、上記第1及び第2実施形態と同様に、バンクBの上層部が化学的機械的研磨法(CMP)を使用することで平坦化されている。従って、上記各実施形態と同様な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】有機ELディスプレイの正面図。
【図2】(a)は、区画領域及びその周辺の配線パターンを説明するための平面図、(b)は、(a)中a−a線断面図。
【図3】(a)〜(d)は、それぞれ、第1実施形態に係る有機ELディスプレイの製造方法を説明するための図。
【図4】同じく、(a)〜(d)は、それぞれ、有機ELディスプレイの製造方法を説明するための図。
【図5】同じく、(a)〜(c)は、それぞれ、第1実施形態に係る有機ELディスプレイの製造方法を説明するための図。
【図6】同じく、(a)及び(b)は、それぞれ、第1実施形態に係る有機ELディスプレイの製造方法を説明するための図。
【図7】同じく、(a)及び(b)は、それぞれ、第1実施形態に係る有機ELディスプレイの製造方法を説明するための図。
【図8】(a)〜(c)は、それぞれ、第2実施形態に係る有機ELディスプレイの製造方法を説明するための図。
【図9】第3実施形態に係る電子機器としての大型テレビの斜視図。
【図10】(a),(b)は、それぞれ、別例を説明するための図。
【符号の説明】
【0073】
OLED…発光素子としての有機エレクトロルミネッセンス素子、T…上層部、1…発光装置としての有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、2…基板、8…区画領域、13…陽極としての画素電極、14…バンク、14a…第1のバンクとしての親液性バンク、14b…第2のバンクとしての撥液性バンク、17…発光層、19…陰極。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に、一方向に沿って互いに所定の間隔で配置された複数の第1の配線と、該複数の第1の配線の各々と交差するように互いに所定の間隔で配置された複数の第2の配線と、
前記複数の第1の配線と前記複数の第2の配線とを覆うように形成して、前記第1の配線と前記第2の配線との交差部に対応して設けられた発光層と
前記発光層を区画するように配置された隔壁と
を備えた発光装置の製造方法において、
前記隔壁を形成する隔壁形成工程と、
前記隔壁の上層部を平坦化する隔壁平坦化工程と、
前記隔壁によって区画された領域に発光層を形成する発光層形成工程と
を含むことを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の発光装置の製造方法において、
前記隔壁平坦化工程は、化学的機械的研磨法によって行われることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の発光装置の製造方法において、
前記隔壁が有機樹脂により形成されていることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項4】
請求項1または2に記載の発光装置の製造方法において、
前記発光層形成工程は、液滴吐出法によって行われることを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一つに記載の発光装置の製造方法によって製造されたことを特徴とする発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−95610(P2007−95610A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−286408(P2005−286408)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】