説明

発光装置の製造方法

【課題】反射膜の変色等を抑制し高い出力を維持することができる発光装置の製造方法を提供する。
【解決手段】発光装置の製造方法は、反射膜1bを備える導電部材1を準備する導電部材準備工程と、反射膜上に発光素子3を配置する発光素子配置工程と、原子層堆積法により反射膜上に保護膜5を形成する保護膜形成工程と、を順に有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電部材上に発光素子が設けられた発光装置の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
発光素子を光源とする発光装置において、発光素子の周囲に銀等を含む反射膜を設けて出力を向上させ、さらに反射膜の上にスパッタ、CVD等により無機材料からなる保護膜を形成して反射膜の変色等を抑制する試みがなされている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−224538
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の方法では、反射膜により一旦出力を向上させることができるものの、使用時等において、出力が低下するという問題があった。つまり、スパッタ、CVD等では、材料成分がある程度の直進性をもって目的物に当たることで保護膜が形成されるので、例えば、発光素子の近傍では発光素子自体が障害物となり良質な保護膜を形成することができなかった。そのため、時間の経過に伴いそれらの部分から優先的に反射膜が劣化し変色してしまう等の問題があった。
【0005】
そこで本発明は、反射膜の変色等を抑制し高い出力を維持することができる発光装置の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施態様に係る発光装置の製造方法は、反射膜を備える導電部材を準備する導電部材準備工程と、反射膜上に発光素子を配置する発光素子配置工程と、原子層堆積法により反射膜上に保護膜を形成する保護膜形成工程と、を順に有する。
【0007】
他の実施形態に係る発光装置の製造方法は、導電部材を準備する導電部材準備工程と、導電部材上に発光素子を配置する発光素子配置工程と、導電部材と発光素子とをワイヤーにて電気的に接続するワイヤー接続工程と、導電部材及びワイヤーの表面に反射膜を形成する反射膜形成工程と、原子層堆積法により反射膜の表面に保護膜を形成する保護膜形成工程と、を順に有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は、一実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図2】図2は、図1(f)の破線枠における拡大図である。
【図3】図3は、他の実施形態の発光装置の製造方法を説明するための模式図である。
【図4】図4は、一実施形態の発光装置の製造方法の作用効果を説明するためのものである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明を実施するための形態を、以下に図面を参照しながら説明する。ただし、以下に示す形態は、本発明の技術思想を具体化するための発光装置の製造方法を例示するものであって、本発明を以下に限定するものではない。また、実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は、特定的な記載がない限り、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる例示にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするために誇張していることがある。
【0010】
[実施の形態1]
図1(a)〜(f)に、本実施の形態の発光装置の製造方法の各工程を示す。図2は、図1(f)における破線枠部の拡大模式図である。
【0011】
(導電部材準備工程)
先ず、図1(a)に示すように、母材1a上に反射膜1bが設けられた導電部材1を準備する(導電部材準備工程)。ここでは、母材1aだけでなく反射膜1bも導電性を有している。本実施の形態では、導電部材は母材と反射膜とで構成されている。
【0012】
母材1aは導電性を備えていればよく、その材料は限定されない。母材1aとしては、例えば、銅又は銅合金を使用することができる。
【0013】
反射膜1bは、発光素子3からの光を反射することができればよく、その材料は限定されない。反射膜1bとしては、例えば、銀、アルミニウムを用いることができ、特に反射率の高い銀を含む材料とすることが好ましい。
【0014】
なお、図1(b)〜(f)については、説明の便宜上、母材1a及び反射膜1bは個別に図示しておらず、それらをまとめて導電部材1としている。また、導電部材は反射膜のみからなっていてもよいし、母材1a及び反射膜1bの間に他の部材を介していてもよい。さらに、反射膜1bは母材1aの全面に形成されている必要はなく、例えば発光素子3近傍の領域(領域A(図2))に形成されていれば良い。
【0015】
(パッケージ形成工程)
次に、図1(b)に示すように、例えば、導電部材1に基部2a及び側壁2bを有するパッケージ2を形成することができる(パッケージ形成工程)。
【0016】
パッケージの材料について限定はなく、例えば樹脂、セラミックで形成することができる。樹脂からなるパッケージの場合、導電部材1をパッケージ形成金型(図示せず)に配置して、そこにパッケージ材料となる樹脂を流し込み固めることで、パッケージ2を導電部材1と一体に形成することができる。パッケージの凹部底面には導電部材1の一部が露出している。
【0017】
パッケージ2は、導電部材1と一体に形成されるものであり、絶縁性であればその材料は限定されない。パッケージ2の材料としては、耐光性、耐熱性に優れた電気絶縁性のものが好適に用いられ、例えばポリフタルアミドなどの熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂、ガラスエポキシ、セラミックスを用いることができる。また、本実施の形態ではパッケージ2が側壁2bを有する構成としたが、側壁を必ず設ける必要はない。
【0018】
(発光素子配置工程)
次に、図1(c)に示すように、反射膜1b上に発光素子3を配置する(発光素子配置工程)。具体的には、接着部材(図示せず)を介して、発光素子3を反射膜1bに配置することができる。接着部材は導電性であっても良いし、絶縁性であっても良い。
【0019】
接着部材は、発光素子3を導電部材1に配置し固定するためのものであり、その材料は特に限定されない。例えば、接着部材3を絶縁性とする場合は、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂を用いることができ、接着部材3を導電性とする場合はAu−Sn合金、SnAgCu合金、SnPb合金、InSn合金、Ag、Sn、Agを用いることができる。
【0020】
発光素子3は公知のものを用いることができ、例えば青色発光や緑色発光が可能な窒化物半導体(InAlGa1−X−YN、0≦X、0≦Y、X+Y≦1)からなるLEDとすることができる。
【0021】
(ワイヤー接続工程)
次に、図1(d)に示すように、発光素子3と反射膜1bとを導電性のワイヤー4にて電気的に接続することもできる(ワイヤー接続工程)。ここでは、導電性の反射膜1bを介して、発光素子3と母材1aとが電気的に接続されている。
【0022】
発光素子3が同一面側に一対の電極を有しており(図示せず)、その側を上(発光観測面側)にして発光素子3を配置する場合は、同図に示すように、ワイヤー4もそれぞれ必要になる。この場合、発光素子3の導電部材側が絶縁性を有していれば、接着部材は必ずしも絶縁性部材である必要はなく、熱伝導率を考慮して金属等の導電性部材とすることもできる。他の形態として、発光素子が反対となる両面にそれぞれ電極を有する場合は、一方の電極は導電性の接着部材を介して通電することになるのでワイヤーは一本でよい。一方、発光素子が同一面側に一対の電極を有しておりその側を下(発光観測面側と反対側(導電部材1に対向する側))にして発光素子を配置する場合は、両電極はそれぞれ導電性の接着部材を介して通電することができるのでワイヤーは不要となる。
【0023】
ワイヤー4は、発光素子3と母材1aとを電気的に接続するためのものであり、その材料は限定されない。ワイヤー4の材料としては、例えば、金、銅、白金、アルミニウム、銀の少なくともいずれか1つを含む材料を用いることができる。
【0024】
(保護膜形成工程)
次に、図1(e)に示すように、原子層堆積法(以下、単に「ALD」(Atomic Layer Deposition)ともいう))により反射膜1b上に保護膜5を形成する。つまり、発光観測面側から保護膜5を形成する。スパッタ等の従来の方法と異なり、ALDは反応成分の層を1原子層ごと形成する方法である。以下に、TMA(トリメチルアルミニウム)及び水(HO)を用いて、酸化アルミニウム(Al)の保護膜を形成する場合について説明する。
【0025】
先ず、TMAガスを導入して、目的物である反射膜の表面のOH基とTMAとを反応させる(第1反応)。次に、余剰ガスを排気する。その後、HOガスを導入して、第1反応でOH基と結合したTMAとHOとを反応させる(第2反応)。次に、余剰ガスを排気する。そして、第1反応、排気、第2反応及び排気を1サイクルとして、これを繰り返すことにより、所定の膜厚のAlを形成することができる。
【0026】
スパッタ、CVD等と異なり、ALDでは反応成分の直進性が低いので、障害物近傍であっても、反応成分が同等に供給され反応成分が単分子層ごとに形成される。その結果、障害物近傍の領域も障害物のない他の領域と同様に、より均一な膜厚及び膜質でより良質な保護膜を形成することができる。
【0027】
ALDにより得られる保護膜は、従来の方法で得られる保護膜に比較して良質であり保護力に優れる。したがって、従来の方法で得られる保護膜は障害物のない領域であっても一定の割合で部分的に変色等が生じるが、ALDで得られる保護膜は障害物の有無にかかわらずほとんど変色は見られない。さらに、ALDにより得られる保護膜は膜厚が薄くても十分に反射膜を保護することができるので、従来の方法で得られる保護膜よりも薄く保護膜を形成することができる。これにより、保護膜における光の吸収が抑制できるので、初期特性において光出力の高い発光装置とすることができる。
【0028】
発光素子3の配置後に保護膜5を形成する場合、従来の方法では発光素子3自体が障害物となり、その周囲近傍には保護膜5の材料成分が十分に届かないという問題があった。その結果、保護膜5の質が低下したり膜厚が薄くなったりして、発光素子3近傍の領域(領域A(図2))の反射膜が劣化し変色等していた。保護膜の質が低下等した部分は他の部分に比較してピンホールが多く発生しており、それが原因となって反射膜が硫化、臭化等してしまい変色するものと考えられる。発光素子の周囲近傍は光出力が強いので、発光素子周囲近傍の反射膜の変色により、発光装置の光出力は大きく低下してしまう。
【0029】
そこで、ALDを採用することにより、発光素子近傍の領域(領域A(図2))であっても、膜質等に優れた保護膜5を形成することができる。これにより、領域Aにおける反射膜1bの変色等を抑制することができる。
【0030】
特に、一断面視において、接着部材が発光素子側面まで至らずにその内側にのみ位置する場合は、発光素子底面の周縁部と反射膜との間に間隙が形成されることになる。このような場合であっても、ALDによれば、その間隙における反射膜にも保護膜を形成することができる。
【0031】
ワイヤー接続工程の後で従来の方法により保護膜を形成する場合、ワイヤー4の存在により(ワイヤー4が障害物となり)、ワイヤー4の下部の反射膜1bには保護膜5の材料成分が十分に届かないという問題があった。その結果、保護膜5の質が低下したり膜厚が薄くなったりして、その部分の反射膜1bが変色等していた。特に、ワイヤー4の下部領域のうちワイヤー4と反射膜1bとの接続部近傍の領域(領域B(図2))においては、従来の方法では反射膜1bの変色だけでなく、反射膜1bが腐食されてしまい最終的にワイヤー4が切れてしまうという問題もあった。
【0032】
ところが、ALDであれば、ワイヤー4直下の領域(特に領域B(図2))であっても、膜質等に優れた保護膜5を形成することができる。これにより、領域Bにおける保護膜の劣化を軽減し、変色等だけでなくワイヤーの切断も抑制することができる。
【0033】
図4に、保護膜形成工程の後で発光観測面側から撮影したワイヤーと反射膜との接続部近傍の写真を示す。図4(a)は、ALDによりAlよりなる膜厚30μmの保護膜を形成したものであり、図4(b)は、従来のスパッタによりAlよりなる膜厚30μmの保護膜を形成したものである。これらの写真は、Agよりなる反射膜が硫化しやすいように、硫黄成分過多の状態で一定時間経過させた後に撮影したものである(両者は同一条件での試験である。)。図4(a)に示すように、ALDにより形成した保護膜は、硫化しやすい条件にもかかわらず、ワイヤーから離れた障害物のない領域だけでなくワイヤー直下の領域(図2の領域Bに相当)においても硫化による変色は見られなかった。一方、図4(b)に示すように、スパッタにより形成した保護膜は、ワイヤーから離れた障害物のない領域でも多数の個所で点状に変色しており、ワイヤー直下の領域を含むワイヤーと反射膜との接続部の周辺においては連続的に変色していた(ワイヤーと反射膜との接続部にはワイヤーの微細な凹凸が存在しており、それが障害物となったため、ワイヤー直下の領域だけでなく接続部の周辺全体が変色したものと考えられる。)。これらの実験結果より、ALDで保護膜を形成することで、優れた保護膜を形成することができることが理解できる。
【0034】
発光装置としての光出力を向上させるために、例えば、反射率の高い銀を含む材料よりなるワイヤーを用いて、ワイヤーにより光反射を効果的に行うこともできる。しかし、反射膜が変色するのと同様、銀を含む材料よりなるワイヤーの変色も問題となる。このような場合であっても、ALDであれば、上記理由によりワイヤーの発光観測面側から反対側(反射膜側)にかけてワイヤーの表面全体に保護膜を形成することができるので、ワイヤーの変色等を効果的に抑制することができる。
【0035】
パッケージ形成工程の後で従来の方法により保護膜を形成する場合、パッケージ2の側壁の存在により(パッケージ側壁が障害物となり)、側壁よりなる凹部底面の側壁近傍(領域C(図2))に保護膜5の材料成分が十分に届かないという問題があった。その結果、保護膜5の質が低下したり膜厚が薄くなったりして、その部分の反射膜1bが変色等していた。パッケージ2の側壁近傍における反射膜1bの変色は、領域Aにおける反射膜1bの変色ほど出力に悪影響はないものの、決して無視できない問題である。
【0036】
そこで、ALDを採用することにより、側壁2b近傍の領域(領域C(図2))であっても、膜質等に優れた保護膜5を形成することができる。これにより、領域Cにおける反射膜1bの変色を抑制することができるので、発光装置としての光出力の低下をより軽減することができる。
【0037】
反射膜1bが銀を含む場合、反射率が高い点では有利であるものの、従来の方法では、時間経過に伴い反射膜が変色し出力が低下しやすいという問題があった。しかし、ALDで保護膜を形成すれば、反射膜が銀を含む材料であっても変色等を効果的に防ぐことができるので好ましい。
【0038】
保護膜5としては、例えば、酸化アルミニウム(Al)二酸化珪素(SiO)、窒化アルミニウム(AlN)又は窒化珪素(Si)を採用することができ、好ましくは酸化アルミニウム又は二酸化珪素、より好ましくは酸化アルミニウムとすることができる。これにより、発光素子からの光の吸収が抑制され、保護力に優れた保護膜とすることができる。
【0039】
保護膜5の膜厚としては、1nm以上50nm未満、好ましくは2nm以上25nm未満、より好ましくは3nm以上10nm未満とすることができる。これにより、保護膜としての機能を保ちつつ発光素子からの光の吸収を抑制し出力の高い発光素子とすることができる。
【0040】
図1(e)等では、パッケージ2の凹部底面だけでなく、側壁2bの上面及び内壁にも保護膜5が形成されているが、例えば側壁2bの上面及び内壁には保護膜5を形成しないようにすることもできる。パッケージ2の凹部底面においても、保護膜5を形成しない領域を部分的に設けることもできる。
【0041】
(その他の工程)
図1(f)に示すように、必要に応じて、パッケージの側壁2bよりなる凹部の内側に封止部材6を形成することができる(封止部材形成工程)。さらに、それぞれが発光装置として機能するように導電部材1を切断(導電部材切断工程)した後、必要に応じて導電部材1をパッケージ2の裏面に折り曲げて(導電部材折り曲げ工程)個々の発光装置とすることができる。
【0042】
封止部材6は、発光素子3を封止するためのものであり、発光素子3からの光を外部に透過するものであればその材料は限定されない。封止部材6の材料としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。さらに、封止部材6には、発光素子3からの光により発光する蛍光部材を含有させることもできる。蛍光部材としては公知のものを用いることができ、発光素子3が青色発光する場合は、黄色に発光するYAG系蛍光体、TAG系蛍光体、ストロンチウムシリケート系蛍光体等とすることで、発光装置全体として白色光を得ることができる。
【0043】
[実施の形態2]
図3に基づいて、本実施の形態について説明する。なお、実施の形態1と同様の部材については同様の番号を用いており、重複した説明は省略する。
【0044】
(導電部材準備工程)
先ず、図3(a)に示すように、導電部材1を準備する(導電部材準備工程)。本実施の形態では、実施の形態1と異なり、母材のみで導電部材としており、この段階では反射膜1bは設けられていない。
【0045】
(パッケージ形成工程)
次に、図3(b)に示すように、導電部材1に基部2a及び側壁2bを有するパッケージ2を形成することができる(パッケージ形成工程)。
【0046】
(発光素子配置工程)
次に、図3(c)に示すように、導電部材1上に発光素子3を配置する(発光素子配置工程)。具体的には、接着部材(図示せず)を介して、発光素子3を導電部材1に配置することができる。
【0047】
(ワイヤー接続工程)
次に、図3(d)に示すように、導電部材1と発光素子3とを導電性のワイヤー4にて電気的に接続する(ワイヤー接続工程)。
【0048】
(反射膜形成工程)
次に、導電部材1及びワイヤー4の表面に反射膜1bを形成する(反射膜形成工程)。作図の都合上、図3(e)では、ワイヤー4の表面に反射膜1bが図示されていないが、本実施の形態では実際は導電部材1の表面だけでなくワイヤー4の表面にも反射膜1bが形成されている。反射膜1bは導電部材1とワイヤー4との接合部分も被覆している。
【0049】
これにより、ワイヤー4の表面での光吸収を抑制することができるので、より出力の高い発光装置とすることができる。
【0050】
反射膜1bの形成方法としては、既存の方法を採用することができる。特に、電気めっき法であれば、導体ではない発光素子3の表面に反射膜(金属膜)を形成させることなく、導電部材1及びワイヤー4等の表面に選択的に反射膜1bを形成することができる。なお、反射膜1bの材料については実施の形態1と同様であり銀等とすることができる。
【0051】
(保護膜形成工程)
次に、図3(f)に示すように、ALDにより反射膜1bの表面に保護膜5を形成する。作図の都合上、図3(f)ではワイヤー4の表面に保護膜5が図示されていないが、本実施の形態では実際は、反射膜1bを介して、ワイヤー4の表面にも保護膜5が形成されている。
【0052】
(その他の工程)
図3(g)に示すように、必要に応じて、パッケージの側壁2bよりなる凹部の内側に封止部材6を形成することができる(封止部材形成工程)。さらに、それぞれが発光装置として機能するように導電部材1を切断(導電部材切断工程)した後、必要に応じて導電部材1をパッケージ2の裏面に折り曲げて(導電部材折り曲げ工程)個々の発光装置とすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明に係る発光装置の製造方法は、照明用光源、各種インジケーター用光源、車載用光源、ディスプレイ用光源、液晶のバックライト用光源、センサー用光源、信号機等、種々の発光装置の製造方法に使用することができる。
【符号の説明】
【0054】
1・・・導電部材
1a・・・母材
1b・・・反射膜
2・・・パッケージ
2a・・・基部
2b・・・側壁
3・・・発光素子
4・・・ワイヤー
5・・・保護膜
6・・・封止部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反射膜を備える導電部材を準備する導電部材準備工程と、
前記反射膜上に発光素子を配置する発光素子配置工程と、
原子層堆積法により、前記反射膜の表面に保護膜を形成する保護膜形成工程と、を順に有することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項2】
前記発光素子配置工程と前記保護膜形成工程との間に、前記反射膜と前記発光素子とをワイヤーにて電気的に接続するワイヤー接続工程を有する請求項1に記載の発光装置の製造方法。
【請求項3】
前記導電部材準備工程と前記発光素子配置工程との間に、前記導電部材に側壁を有するパッケージを形成するパッケージ形成工程を有する請求項1又は2に記載の発光装置の製造方法。
【請求項4】
導電部材を準備する導電部材準備工程と、
前記導電部材上に発光素子を配置する発光素子配置工程と、
前記導電部材と前記発光素子とをワイヤーにて電気的に接続するワイヤー接続工程と、
前記導電部材及び前記ワイヤーの表面に反射膜を形成する反射膜形成工程と、
原子層堆積法により、前記反射膜の表面に保護膜を形成する保護膜形成工程と、を順に有することを特徴とする発光装置の製造方法。
【請求項5】
前記反射膜は銀を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の発光装置の製
造方法。
【請求項6】
前記保護膜は、酸化アルミニウム又は二酸化珪素であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の発光装置の製造方法。
【請求項7】
前記反射膜形成工程において、電気めっき法により前記反射膜を形成することを特徴とする請求項4に記載の発光装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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