説明

発光装置

【課題】配線口における密封性を容易にかつ信頼性高く確保する。
【解決手段】ケース1は筺体11及び蓋体12からなり、筺体11が開口部11a、配線口11b、配線収容部11c、発光収容部11dを有する。配線口11b又は配線口11b近傍の配線収容部11cにブロック体4が配設されている。ブロック体4は、配線3を包囲して、配線3とケース1との間を密封する。筺体11には、ブロック体4に押圧されるシール用リブとしての筺体リブ117が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は発光装置に関し、詳しくは配線口の封止構造を改良した発光装置に関する。本発明の発光装置は、例えば自動車のサイドステップ部に配設されるスカッフプレートに付設される自動車用照明装置に利用して好適である。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車用照明装置として、サイドステップ部に配設されるスカッフプレートに設けられ、文字等の所望形状をLED光源の光により表示する発光装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この発光装置は、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の光透過性材料よりなる導光体と、光源ユニットと、文字板と、光透過性材料よりなるシート状のカバーとを主に備えている。
【0004】
導光体の一面には環状溝が設けられることにより枠状の周縁壁と島状の導光部とが形成されている。導光部の表面(発光面)には、金属板等に所望形状の光通過孔を貫設してなる文字板が配設されている。光源ユニットは、LED光源と光源に電流を供給する配線とを備えている。LED光源は導光部の両側に対向するように配設されている。配線は導光体の側壁に設けられた配線口から外部に取り出されている。導光部の裏面には、LED光源からの光を発光面側に反射させる光反射層が形成されている。導光体の周縁壁にはカバーの周縁部が溶着等により接合されており、これにより発光面側から導光体内へ埃、水等が浸入することを防止している。
【0005】
ところで、スカッフプレートは、ドアの開放時に車外に露出される。このため、上記発光装置においては、防水や防塵のために、シーラーの充填により配線口を封止している。シーラーによる封止は、一般に、シーリング材として室温硬化型シリコーンゴム等を用い、流動性のある液状(ペースト状)シリコーンを配線口に注入、充填してから室温で24時間程度放置して、液状シリコーンを硬化させることにより行われている。
【特許文献1】特開2002−96680号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来の液状シリコーンの硬化による封止では、液状シリコーンを充填する際の注入量や作業方法、硬化時の放置状態及び硬化による体積収縮等により、密封性が低下することがある。このため、シリコーンによる封止後に、密封性の品質評価試験を行わなければならない。
【0007】
したがって、上記従来の発光装置では、液状シリコーンの硬化及び評価試験のために数十時間を要し、納品までに時間がかかるという問題がある。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、配線口の封止構造を改良して、配線口における密封性を容易にかつ信頼性高く確保することのできる発光装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記課題を解決する本発明の発光装置は、筺体及び蓋体からなり、該筺体が開口部、配線口及び該配線口に通じる配線収容部を有し、光透過性材料よりなる該蓋体が該開口部を覆うように該筺体に接合されるケースと、前記ケースに内蔵され、通電により発光する発光部と、前記配線収容部に収容されて一端が前記配線口から取り出されるとともに他端が前記発光部に接続され、該発光部に電流を供給する配線と、弾性材料よりなり、前記配線を包囲しつつ前記配線口又は該配線口近傍の前記配線収容部に配設されて該配線と前記ケースとの間を密封するブロック体と、を備え、前記ケース及び前記ブロック体のうちの少なくとも一方は、他方に押圧されるシール用リブを有していることを特徴とする。
【0010】
本発明の発光装置では、配線を包囲するブロック体が、ケースの筺体に設けられた配線口又は配線口の近傍の配線収容部に配設されており、配線口又はその近傍においてケースと配線との間がブロック体により密封されている。そして、このブロック体による密封性は、ケース及びブロック体の少なくとも一方に設けられたシール用リブが概ね線接触状態で他方に押圧されることにより確保されている。このため、面同士が押圧される場合と比較して、ケース内へのブロック体の組み付けが容易になるとともに密封性も高くなり、密封性の確保が容易かつ確実となる。
【0011】
また、本発明の発光装置の製造においては、各部品を製造した後、配線を包囲したブロック体を筺体の所定位置に圧入により組み込みつつ筺体に蓋体を接合する。これにより、配線口における密封性を安定にかつ信頼性高く確保することができる。
【0012】
本発明の発光装置は、下記(2)〜(6)項に示される構成のうちの少なくとも一つを有していることが好ましい。本発明の発光装置は、下記(2)〜(6)の各項に示される構成をそれぞれ単独で有してもよいし、下記(2)〜(6)の各項に示される構成を適宜二つ以上組み合わせて有してもよい。
【0013】
(2)前記シール用リブは前記ケースの前記筺体に設けられた筺体リブであり、前記筺体リブは、前記ケースに押圧される前記ブロック体の外周面のうち前記蓋体に押圧される蓋体被押圧面以外の面に押圧されていることが好ましい。
【0014】
この構成によると、ブロック体の外周面のうち蓋体被押圧面以外の面に筺体リブが押圧されるので、ブロック体と筺体との間における密封性を容易かつ確実に確保することができる。また、筺体にブロック体を組み付ける際の圧入荷重を低く抑えつつ筺体とブロック体との間における密封性を高くすることができる。
【0015】
(3)前記蓋体は前記筺体に溶着により接合され、前記筺体は前記蓋体との溶着時に溶融して該蓋体と溶着される溶着用リブを有していることが好ましく、また、前記シール用リブとしての前記筺体リブは前記溶着用リブに連設されていることが好ましい。
【0016】
この構成によると、筺体に蓋体を溶着させる時に溶着用リブが溶融する。溶着用リブの溶融部は、筺体と蓋体との界面における隙間等に流れ込んで固化する。また、溶着用リブは、筺体と蓋体との接合面積の増大にも寄与する。このため、筺体と筺体に溶着された蓋体との間における密封性を容易かつ確実に高めることができる。また、溶融用リブと筺体リブとが連設されているので、溶着用リブを介して筺体リブと蓋体とが確実に接合される。このため、筺体に溶着された蓋体と筺体リブとの間における密封性を確実に得ることができる。
【0017】
(4)前記筺体リブは、互いに対向して前記ブロック体の両外側面に押圧される一対の側壁リブを有し、前記一対の側壁リブは、前記筺体の底面から離れるにしたがって互いの間隔が広がるように形成されていることが好ましい。
【0018】
この構成によると、筺体の開口部に近付くに連れて一対の側壁リブの間隔が広くなっているので、筺体にブロック体を圧入により組み付ける際の作業性が向上する。
【0019】
(5)前記ブロック体は、互いに対向しつつ密着されて前記配線を挟持する一対の挟持面を有し、両前記挟持面の双方又は一方には、前記配線に密着される凹条面が形成されていることが好ましい。
【0020】
この構成によると、ブロック体の凹条面に配線を配置しつつ一対の挟持面で配線を挟持することにより、配線をブロック体で容易に包囲して保持することができる。そして、この配線を挟持したブロック体を筺体に圧入することで、組み付け作業性の向上を図れる。
【0021】
(6)前記シール用リブは、該シール用リブの延在方向に対して直角の横断面形状が先細形状とされていることが好ましい。
【0022】
この構成によると、シール用リブが筺体に設けられた筺体リブである場合は、ケース体とブロック体との間で寸法誤差が仮にあったとしても、筺体リブの先細となった先端がブロック体に食い込んで没入することにより、その誤差を容易に吸収することができる。一方、シール用リブがブロック体に設けられたブロック体リブで場合は、ケース体とブロック体との間で寸法誤差が仮にあったとしても、ブロック体リブの先細となった先端が弾性変形することにより、その誤差を容易に吸収することができる。
【0023】
(7)前記シール用リブが複数設けられ、複数の該シール用リブは、前記配線のうち前記ブロック体で包囲されている部分が延びている方向に、並列していることが好ましい。
【0024】
この構成によると、複数の線シールにより多重のシールが可能となり、密封性をより容易かつ確実に確保することができる。
【発明の効果】
【0025】
したがって、本発明の発光装置によると、配線口の封止構造の簡単な改良により、配線口における密封性を容易にかつ信頼性高く確保することができる。よって、液状シリコーンの硬化時間及び評価試験時間の省略により、製品完成後の早期納品が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の発光装置の実施形態について詳しく説明する。なお、説明する実施形態は一実施形態にすぎず、本発明の発光装置は、下記実施形態に限定されるものではない。本発明の発光装置は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者が行い得る変更、改良等を施した種々の形態にて実施することができる。
【0027】
(実施形態1)
図1〜図5に示される実施形態1の発光装置は、本発明の発光装置を自動車用照明装置に適用したものである。より具体的には、この発光装置は、自動車のサイドステップ部に配設されるスカッフプレートに付設されて、文字等の所望形状をLED光源の光により表示しつつ発光する照明装置である。
【0028】
実施形態1の発光装置は、図1に示されるように、ケース1と、発光部2と、配線3と、ブロック体4とを備えている。
【0029】
ケース1は、筺体11と、蓋体12とから構成されている。
【0030】
筺体11は、ABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレンポリマー)やPP(ポリプロピレン)等の合成樹脂よりなり、射出成形により一体に成形したものである。筺体11は、互いに対向する第1側壁111及び第2側壁112と、互いに対向する第3側壁113及び第4側壁114と、底壁115と、仕切壁116とから構成されている。筺体11は、天井面となる部位に設けられた開口部11aと、第1側壁111に設けられた配線口11bとを有している。
【0031】
仕切壁116は、第1〜第4側壁111〜114と同じ高さで、筺体11の第3側壁113から第4側壁114に向かって延設されている。仕切壁116と第4側壁114との間には、配線3を通過させるための隙間11eが形成されている。仕切壁112により、筺体11内は、仕切壁112よりも第1側壁111側の配線収容部11cと、仕切壁112よりも第2側壁112側の発光収容部11dとに仕切られている。
【0032】
配線口11bの近傍における配線収容部11cを区画する筺体11の3つの面(第1側壁111及び仕切壁116の対向内面111a及び116a、並びに底面115a)には、シール用リブとしての2つの筺体リブ117,117が形成されている。2つの筺体リブ117,117は、配線3のうちブロック体4で包囲されている部分が延びている方向に、並列している(図5参照)。また、筺体リブ117は、前記3つの面に亘ってコの字状に連続して延びている(図3参照)。
【0033】
筺体リブ117は、第1側壁111及び仕切壁116の対向内面111a及び116aにそれぞれ形成され、互いに対向する一対の側壁リブ117a及び117bと、底面115aに形成された底壁リブ117cとから構成されている。
【0034】
筺体リブ117は、蓋体リブ117の延在方向に対して直角の横断面形状が先細形状とされている。この筺体リブ117の横断面形状は、必ずしも先細形状である必要はないが、先細形状であることが望ましい。先細形状としては限定されず、断面略三角形状や断面略半円形状等とすることができる。実施形態1では、筺体リブ117の横断面形状は略三角形状とされている(図5参照)。
【0035】
筺体11の第1〜第4側壁111〜114及び仕切壁116の端面(開口部11a側の端面)には、連続して延びる溶着用リブ118が形成されている。溶着用リブ118の横断面形状は略三角形状とされている(図3参照)。
【0036】
第1側壁111の端面に形成された溶着用リブ118と、第1側壁111の対向内面111aに形成された筺体リブ117(側壁リブ117a)とが互いに繋がるように連設されている(図3参照)。同様に、仕切壁116の端面に形成された溶着用リブ118と、仕切壁116の対向内面116aに形成された筺体リブ117(側壁リブ117b)とが互いに繋がるように連設されている(図3参照)。
【0037】
蓋体12は、ポリカーボネートやアクリル樹脂等の光透過性材料よりなり、押出成形により成形したものである。
【0038】
蓋体12の周縁部121(図4参照)等と、筺体11の第1〜第4側壁111〜114の端面及び仕切壁116の端面とが溶着により接合されている。蓋体12と筺体11との溶着方法としては特に限定されないが、振動溶着、特に超音波溶着を採用することが好ましい。実施形態1では、超音波溶着により蓋体12と筺体11とが溶着されている。
【0039】
発光部2の構成は特に限定されず、公知の発光部の構成とすることができる。実施形態1における発光部2は、導光体と、一対のLED光源と、文字板と、反射層とを備えている。導光体は、ポリカーボネート等の光透過性材料よりなり、略直方体形状を呈している。一対のLED光源は、導光体の両外側に配設され、導光体に向けて光を発する。文字板は、所定の文字形状の光透過孔が貫設された金属板よりなり、導光体の発光面に配設されている。反射層は、LED光源から発せられた光を導光体の発光面に向けて反射させるように、導光体の裏面に形成されている。
【0040】
2本の配線3は、配線収容部11cに収容されている。配線3の一端は配線口11bから外部に取り出され、配線3の他端は発光部2のLED光源に接続されている。配線口11bから取り出された配線3の一端は、図示しない電源及び制御回路に接続されている。自動車ドアの開閉に連動させてLED光源への電流供給をオン/オフすることで、LED光源を点灯/消灯させるようにすることができる。
【0041】
ブロック体4は弾性材料よりなる。ブロック体4の弾性材料としては、特に限定されず、オレフィン系熱可塑性エラストマー、EPDM、EVA、PEやPP等を採用することができる。実施形態1におけるブロック体4は、オレフィン系熱可塑性エラストマーから射出成形により一体に成形したものである。
【0042】
ブロック体4は、第1分割体41と、第2分割体42と、第1分割体41及び第2分割体42を互いに連結するインテグラルヒンジ部43とから構成されている。上下に2分割された第1分割体41及び第2分割体42は、インテグラルヒンジ部43を支点として、互いに揺動可能とされている。
【0043】
ブロック体4は、互いに対向しつつ密着されて配線3を挟持する一対の挟持面41a及び42aを有している(図2参照)。すなわち、第1分割体41及び第2分割体42が重ね合わされたときの対向内面が挟持面41a及び42aとされる。挟持面41a及び42aには、それぞれ断面略半円形状の凹条面411及び421が設けられている。なお、挟持面41aの凹条面411と挟持面42aの凹条面421とが合わさることで断面略円形状となり、配線3を挟持面41a及び42a間で挟持したとき、両凹条面411及び421が配線3に密着される。
【0044】
実施形態1の発光装置は、例えば、以下のようにして組み立てることができる。
【0045】
まず、ブロック体4で配線3、3の所定部位を包囲する。すなわち、ブロック体4の第1分割体41及び第2分割体42の凹条面411及び421で配線3,3の所定部位を挟持する。これにより、配線3を凹条面411及び421に密着、保持させる。
【0046】
続いて、発光部2を筺体11の発光収容部11dに収容するとともに、配線3及びブロック体4を筺体11の配線収容部11cに収容する。ブロック体4は、筺体11の配線収容部11cのうち筺体リブ117,117が設けられた部位に圧入する。このとき、筺体リブ117,117がブロック体4を弾性変形させ、筺体リブ117,117の先端がブロック体4の外面に食い込む。ブロック体4と筺体11の筺体リブ117,117とは概ね線接触である。このため、筺体11の配線収容部11cに対するブロック体4の圧入荷重が、面接触で圧入するときの圧入荷重と比べて小さくなる。したがって、ブロック体4を筺体11に容易に組み付けることができる。
【0047】
最後に、蓋体12の周縁部121等と、筺体11の第1〜第4側壁111〜114の端面及び仕切壁116の端面とを超音波溶着により接合する。
【0048】
筺体11と蓋体12との溶着時には、筺体11の第1〜第4側壁111〜114及び仕切壁116の端面に形成されていた溶着用リブ118が溶融により流動する。溶着用リブ118の溶融部は、筺体11の第1〜第4側壁111〜114及び仕切壁116の端面と蓋体12との界面における隙間や、筺体リブ117(側壁リブ117a及び117b)と蓋体12との界面における隙間に流動して、固化する。これにより、筺体11の第1〜第4側壁111〜114及び仕切壁116の端面、筺体リブ117(側壁リブ117a及び117b)並びに蓋体12が、それぞれの界面に隙間を形成することなく一体的に接合される。
【0049】
また、筺体11と蓋体12とが接合されることで、筺体11の配線収容部11cに圧入により収容されていたブロック体4は、ブロック体4の厚さ方向(第1分割体41及び第2分割体42が配線3を挟持する方向)にも圧縮される。これにより、ブロック体4の上面(図4におけるブロック体4の第1分割体41の上面であって、蓋体被押圧面)が蓋体12に押圧されるとともに、ブロック体4の下面(図4におけるブロック体4の第2分割体42の下面)及び両側面が筺体リブ117にさらに押圧される。
【0050】
なお、図4においては、ブロック体4の下面が筺体11の底面115aに当接しており、かつ、ブロック体4の両側面が筺体11の対向内面111a及び116aに当接してように描かれているが、実際には、ブロック体4の下面と底面115aとの間並びにブロック体4の両側面と対向内面111a及び116aとの間には、微小隙間が存在している。
【0051】
したがって、実施形態1の発光装置では、配線口11bの近傍の配線収容部11cにおいて、配線3を包囲するブロック体4により、ケース1の筺体11及び蓋体12と配線3との間が密封されている。そして、このブロック体4による密封性は、ケース1の筺体11に設けられたシール用リブとしての筺体リブ117(一対の側壁リブ117a及び117b並びに底壁リブ117c)が概ね線接触状態でブロック体4に押圧されることにより確保されている。このため、面同士が押圧される場合と比較して、ケース1の筺体11内へのブロック体4の組み付け容易性を確保しつつ、密封性を高くすることができる。したがって、配線口11bの近傍における密封性の確保を容易かつ確実に行うことが可能となる。
【0052】
また、液状シリコーンの硬化により封止する場合と比較して、密封性を安定にかつ信頼性高く確保することができる。特に、断面略三角形状の筺体リブ117により、ブロック体4等の寸法誤差を吸収することができるので、密封性の確保がより安定する。
【0053】
さらに、配線3が延びる方向に並列する2つの筺体リブ117により、多重の線シールが可能となり、密封性をより容易かつ確実に確保することができる。
【0054】
このように実施形態1の発光装置によれば、配線口11bの封止構造の簡単な改良により、配線口11bにおける密封性を容易にかつ信頼性高く確保することができる。よって、液状シリコーンの硬化時間及び評価試験時間の省略により、製品完成後の早期納品が可能となる。
【0055】
(実施形態2)
図6に示される実施形態2の発光装置は、実施形態1の発光装置において、シール用リブとしての筺体リブ117のうち一対の側壁リブ117a及び117bの形状を変更したものである。
【0056】
すわち、実施形態2の発光装置における一対の側壁リブ117a及び117bは、筺体11の底面115aから離れるにしたがって互いの間隔が広がるように形成されている。
【0057】
したがって、実施形態2の発光装置では、筺体11の開口部11aに近付くに連れて一対の側壁リブ117a及び117bの間隔が広くなっているので、筺体11の配線収容部11cにブロック体4を圧入により組み付ける際の作業性が向上する。
【0058】
実施形態2の発光装置におけるその他の構成及び作用効果は、実施形態1の発光装置における構成及び作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
【0059】
(実施形態3)
図7に示される実施形態3の発光装置は、実施形態1の発光装置において、ケース1の筺体11にシール用リブとしての筺体リブ117を設ける代わりに、ブロック体4の外周にブロック体リブ44,44を設けたものである。
【0060】
すわち、実施形態3の発光装置におけるブロック体4の外周面には、凹条面411及び421が延びる方向に対して直角方向に延びるシール用リブとしての環状のブロック体リブ44,44が一体に形成されている。ブロック体リブ44の断面形状は略三角形状とされている。
【0061】
また、実施形態3の発光装置における筺体11には、シール用リブとしての筺体リブが設けられていない。
【0062】
したがって、実施形態3の発光装置では、ブロック体4のブロック体リブ44の先端が弾性変形しつつ、ブロック体4が筺体11の配線収容部11cに圧入により組み付けられる。そして、筺体11と蓋体12とが接合された状態では、ブロック体4の環状のブロック体リブ44がケース1の筺体11及び蓋体12に押圧される。したがって、ブロック体4の全外周とケース1の筺体11及び蓋体12との間における密封性を、環状のブロック体リブ44により、確実に確保することができる。
【0063】
実施形態3の発光装置におけるその他の構成及び作用効果は、実施形態1の発光装置における構成及び作用効果と同様であるため、その説明を省略する。
【0064】
(その他の実施形態)
実施形態1〜3では、シール用リブの断面形状を略三角形状とする例について説明したが、これに限定されない。例えば、略半円形状等の断面形状を有するシール用リブとしてもよい。
【0065】
実施形態1〜3では、ブロック体4をインテグラルヒンジ部43を介して一体的に形成する例について説明したが、例えば完全に分離した2分割品よりなるブロック体4としてもよい。
【0066】
実施形態1〜3では、筺体11とは別体として設けられた発光部2を筺体11に収容する例について説明したが、例えばポリカーボネートやアクリル樹脂等の光透過性材料よりなる導光体から、筺体11と発光部2とを一体に形成してもよい。
【0067】
実施形態1〜3において、蓋体12に対して先に発光部2を組み付け治具等により組み付けるとともに、配線3の所定部位にブロック体4を保持させてから、これら蓋体12、発光部2、配線3及びブロック体4の組み付け品を筺体11に対して組み付けて、筺体11と蓋体12とを接合してもよい。
【0068】
実施形態1〜2において、蓋体12の下面(図1における蓋体12の下面であって、筺体11に接合された時にケース1の内側となる面)に、ブロック体4の蓋体被押圧面(図4におけるブロック体4の第1分割体41の上面)に押圧されるシール用リブ(蓋体リブ)を設けてもよい。この場合、蓋体リブと筺体リブとで環状のシール用リブを形成するように、蓋体リブを設けることが望ましい。なお、蓋体リブは、例えば射出成形により蓋体と一体に形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】実施形態1に係る発光装置の全体構成を示す分解斜視図である。
【図2】実施形態1に係る発光装置におけるブロック体の組み付け前の状態を示す斜視図である。
【図3】実施形態1に係る発光装置において、組み立て前の筺体の要部を示す図1のA−A線部分断面図である。
【図4】実施形態1に係る発光装置の要部を示し、図1のA−A線で切った断面に相当する部分断面図である。
【図5】実施形態1に係る発光装置の要部を示し、図1のB−B線で切った断面に相当する部分断面図である。
【図6】実施形態2に係る発光装置において、組み立て前の筺体の要部を示す図1のA−A線で切った断面に相当する部分断面図である。
【図7】実施形態3に係る発光装置におけるブロック体に配線を組み付けた状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0070】
1…ケース 2…発光部
3…配線 4…ブロック体
11…筺体 12…蓋体
11a…開口部 11b…配線口
11c…配線収容部 11d…発光収容部
117…筺体リブ(シール用リブ) 118…溶着用リブ
117a,117b…側壁リブ
41a,41b…挟持面
44…ブロック体リブ(シール用リブ)
411,421…凹条面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筺体及び蓋体からなり、該筺体が開口部、配線口及び該配線口に通じる配線収容部を有し、光透過性材料よりなる該蓋体が該開口部を覆うように該筺体に接合されるケースと、
前記ケースに内蔵され、通電により発光する発光部と、
前記配線収容部に収容されて一端が前記配線口から取り出されるとともに他端が前記発光部に接続され、該発光部に電流を供給する配線と、
弾性材料よりなり、前記配線を包囲しつつ前記配線口又は該配線口近傍の前記配線収容部に配設されて該配線と前記ケースとの間を密封するブロック体と、を備え、
前記ケース及び前記ブロック体のうちの少なくとも一方は、他方に押圧されるシール用リブを有していることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記シール用リブは前記ケースの前記筺体に設けられた筺体リブであり、
前記筺体リブは、前記ケースに押圧される前記ブロック体の外周面のうち前記蓋体に押圧される蓋体被押圧面以外の面に押圧されることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記蓋体は前記筺体に溶着により接合され、
前記筺体は前記蓋体との溶着時に溶融して該蓋体と溶着される溶着用リブを有し、
前記シール用リブとしての前記筺体リブは前記溶着用リブに連設されていることを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
前記筺体リブは、互いに対向して前記ブロック体の両外側面に押圧される一対の側壁リブを有し、
前記一対の側壁リブは、前記筺体の底面から離れるにしたがって互いの間隔が広がるように形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の発光装置。
【請求項5】
前記ブロック体は、互いに対向しつつ密着されて前記配線を挟持する一対の挟持面を有し、
両前記挟持面の双方又は一方には、前記配線に密着される凹条面が形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の発光装置。
【請求項6】
前記シール用リブは、該シール用リブの延在方向に対して直角の横断面形状が先細形状とされていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の発光装置。
【請求項7】
前記シール用リブが複数設けられ、複数の該シール用リブは、前記配線のうち前記ブロック体で包囲されている部分が延びている方向に、並列していることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−234348(P2009−234348A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−81100(P2008−81100)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000241463)豊田合成株式会社 (3,467)
【Fターム(参考)】