説明

発光装置

【課題】複雑な構造とすることなく、従来よりも密閉性に優れた空間に発光素子を備え、
かつ作業性に優れた封止技術を提供することにより、発光素子の劣化を防ぎ、信頼性の向
上を図ることを目的とする.
【解決手段】本発明では、密閉性に優れた封止構造を形成するために二重構造の封止を行
う。なお、この場合において、素子が形成される素子基板(以下、第1の基板ともいう)
と、封止に用いる封止基板(以下、第2の基板ともいう)にそれぞれサイズの異なる基板
を用いて、両基板が重ならない領域(以下、オフセット領域という)を設けることにより
、二重構造における外側のシールパターンを形成する場合における作業性を良くすること
を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の電極間に有機化合物を含む膜(以下、「有機化合物層」と記す)を設
けた素子に電界を加えることで、蛍光又は燐光が得られる発光素子を用いた発光装置及び
その作製方法に関する。具体的には、上記発光素子を有する素子基板を封止することによ
り発光装置を完成させる。なお、本発明における発光装置とは、発光素子を用いた画像表
示デバイス、発光デバイスもしくは光源(照明装置含む)を指す。また、発光素子にコネ
クター、例えばFPC(Flexible Printed Circuit)もしくはTAB(Tape Automated B
onding)テープもしくはTCP(Tape Carrier Package)が取り付けられたモジュール、
TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または発光素子に
COG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全
て発光装置に含むものとする。
【背景技術】
【0002】
薄型軽量、高速応答性、直流低電圧駆動などの特徴を有する材料を発光体として用いた
発光素子は、次世代のフラットパネルディスプレイへの応用が期待されている。特に、発
光素子をマトリクス状に配置した発光装置は、従来の液晶表示装置と比較して、視野角が
広く視認性が優れる点に優位性があると考えられている。
【0003】
発光素子の発光機構は、一対の電極間に電界発光層を挟んで電圧を印加することにより
、陰極から注入された電子および陽極から注入された正孔が電界発光層中の発光中心で再
結合して分子励起子を形成し、その分子励起子が基底状態に戻る際にエネルギーを放出し
て発光するといわれている。励起状態には一重項励起と三重項励起が知られ、発光はどち
らの励起状態を経ても可能であると考えられている。
【0004】
しかしながら、発光装置は、その作製において、他の液晶表示装置等の表示装置とは異
なる問題を有している。
【0005】
発光素子は、水分により劣化することが知られており、具体的には、水分の影響により
電界発光層と電極間において剥離が生じたり、電界発光層を形成する材料が変質したりす
ることにより、ダークスポットと呼ばれる非発光領域が生じたり、発光面積が縮小したり
して所定の発光が維持できなくなるといった問題が生じる。なお、このような発光素子の
劣化は、素子を長時間駆動させた際における信頼性の低下にもつながる。
【0006】
このような問題を解決する方法としては、素子の外表面を防湿性フィルムで覆う方法(
例えば、特許文献1参照。)や、素子基板に気密ケースを貼り合わせたりすることにより
、発光素子を外部と遮断された密閉空間に備えるといった技術(封止技術)が知られてい
る(例えば、特許文献2〜3参照。)。
【0007】
しかし、このような封止基板等を設けた場合であっても、時間の経過に伴い発光素子が
備えられた空間に水分や、酸素等の気体が侵入する可能性があり、より完全な封止力が期
待される。
【0008】
また、封止の際には、密閉空間が水分や酸素を含まないようするために、湿度が低く、
かつ窒素等の不活性ガス雰囲気といった特定の条件(以下、嫌気条件という)下で処理を
行う必要がある。そのため作業性の良さも重要な要件である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平5−101884号公報
【特許文献2】特開平5−36475号公報
【特許文献3】特開平5−89959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明では複雑な構造とすることなく、従来よりも密閉性に優れた空間に発光
素子を備え、かつ作業性に優れた封止技術を提供することにより、発光素子の劣化を防ぎ
、信頼性の向上を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
そこで、本発明では、密閉性に優れた封止構造を形成するために二重構造の封止を行う
。なお、この場合において、素子が形成される素子基板(以下、第1の基板ともいう)と
、封止に用いる封止基板(以下、第2の基板ともいう)にそれぞれサイズの異なる基板を
用いて、両基板が重ならない領域(以下、オフセット領域という)を設けることにより、
二重構造における外側のシールパターンを形成する場合における作業性を良くすることを
特徴とする。
【0012】
また、素子基板と封止基板との張り合わせは、湿度を露点で−60℃以下に抑え、かつ
窒素等の不活性ガス雰囲気からなる嫌気条件下で行うこととする。なお、必要に応じて真
空条件下で行うことも可能である。
【0013】
なお、本発明において、第1のシールパターンを素子基板または封止基板上に形成し、
素子基板と貼り合わせた後、オフセット領域を有する一方の基板(サイズの大きい方の基
板)のオフセット領域から、オフセット領域を有しない他方の基板(サイズの小さい方の
基板)の端部にかけて、ディスペンサーを用いて第2のシールパターンを形成することを
特徴とする。
【0014】
なお、ここで形成される第2のシールパターンは、毛管現象を利用することにより素子
基板と封止基板との間の隙間に注入される。なお、本発明では、サイズの小さい基板の周
囲4辺に、連続的に第2のシールパターンを形成することから、サイズの小さい基板の周
囲4辺に接してオフセット領域を有する必要がある。
【0015】
なお、本発明において第1のシールパターンを形成する第1のシール剤および第2のシ
ールパターンを形成する第2のシール剤の材料としては、粘性率が30〜500Pa・s
(25℃)で、比重が1〜1.5(25℃)のエポキシ系の樹脂を用いることが好ましい
。第1のシール剤と第2のシール剤に用いる材料は、同一のものでも良いが、異なる材料
を用いてもよい。なお、毛管現象を利用する場合において、第2のシール剤108の材料
には、比較的粘性率の低い材料(粘性率が200Pa・s(25℃)以下)を用いること
が好ましい。
【0016】
なお、この場合において、第1のシールパターンは、基板同士を貼り合わせた際に素子
基板上に形成される画素部が完全に囲まれるように形成する必要がある。また、第2のシ
ールパターンについてもオフセット領域を有しない基板(サイズの小さい方の基板)の端
部(4辺全て)を完全に覆うように形成する必要がある。
【0017】
なお、本発明の構成は、平面方向に大きさの異なる第1の基板と第2の基板との間であ
って、前記第1の基板または前記第2の基板のいずれか一方に、発光素子を複数有する画
素部が形成された発光装置の作製方法であって、前記第1の基板または前記第2の基板上
に所定の領域を囲むように第1のシールパターンを形成し、前記第1の基板または前記第
2の基板のいずれか一方に形成された前記画素部が、前記第2の基板における所定の領域
に重なるように前記第1の基板と前記第2の基板とを貼り合わせ、前記第1の基板または
前記第2の基板のいずれか一方のオフセット領域から、前記第1の基板または前記第2の
基板のいずれか他方の基板端部にかけて第2のシールパターンを形成することにより、前
記第1の基板及び前記第2の基板との隙間周辺を封じることを特徴とする発光装置の作製
方法である。
【0018】
また、本発明では、上記構成に加えて乾燥剤を備えた封止基板を用いて発光装置を作製
する場合においても同様である。
【0019】
さらに本発明の他の構成として、複数の画素部が形成された同一の素子基板上に対して
、各画素部にそれぞれ一枚ずつ封止基板を貼り合わせることにより複数の発光装置の封止
構造を同時に完成させることができる。なお、この場合には、封止基板がサイズの小さい
基板となり、素子基板がサイズの大きい基板となるため、素子基板上にオフセット領域を
有する。
【0020】
なお、この場合には、先に説明したように第2のシールパターンを形成した後、第1の
シールパターンに用いる第1のシール剤および第2のシールパターンに用いる第2のシー
ル剤を硬化させ、第1の基板を、第2の基板で貼り合わされた画素部毎に切り離すことに
より複数の発光装置を同時に形成することができる。
【0021】
なお、上記構成において、
第1の基板および第2の基板に形成された第1のシールパターンに用いる第1のシール
剤および第2のシールパターンに用いる第2のシール剤を紫外線照射、加熱、または紫外
線照射と加熱との組み合わせにより硬化させることを特徴とする。
【0022】
なお、上記各構成において、
前記第1のシール剤として用いるエポキシ系樹脂の粘性率が、前記第2のシール剤とし
て用いるエポキシ系樹脂の粘性率よりも高いこと特徴とする。
【0023】
また、本発明の発光装置は、平面方向に大きさの異なる第1の基板と第2の基板との間
であって、前記第1の基板または前記第2の基板のいずれか一方に、発光素子を複数有す
る画素部が形成された発光装置であって、前記第1の基板、前記第2の基板、および前記
第1のシールパターンで囲まれた第1の空間に位置する前記画素部と、前記第1の基板と
対向する前記第2の基板に備えられた1または2以上の乾燥剤と、前記第1の基板または
前記第2の基板のいずれか一方のオフセット領域から、前記第1の基板または前記第2の
基板のいずれか他方の基板端部にかけて形成された第2のシールパターンとを有し、前記
乾燥剤のうち少なくとも1つは、前記第1の空間の外側であって、第1の基板、前記第2
の基板、前記第1のシールパターン、および前記第2のシールパターンで囲まれた第2の
空間に備えられていることを特徴とする発光装置である。
【0024】
なお、上記構成において、前記第1のシールパターンで囲まれた前記所定の領域の外側
に形成される乾燥剤(以下、第1の乾燥剤ともいう)は、第1のシールパターンに用いる
第1のシール剤から放出される水分や酸素の他、第2のシールパターンに用いる第2のシ
ール剤を通して外部から侵入する水分や酸素等を吸収することができる。その他にも、本
発明では、第1のシールパターンで囲まれた領域の内部に乾燥剤(以下、第2の乾燥剤と
もいう)を設けることにより、同じ空間に備えられている発光素子から放出される水分や
酸素等を吸収させることができる。このような構成とすることにより、先に説明した封止
構造に加え、封止構造の内部に存在する(もしくは、侵入した)水分や酸素等を除去する
ことができるので、発光素子の劣化防止により効果的である。
【発明の効果】
【0025】
本発明を実施することにより、従来よりも密閉性に優れた発光装置の封止構造を形成す
ることができる。さらに、本発明の封止方法は作業性に優れたものであることから発光素
子の劣化を防ぎ、信頼性を向上させるだけでなく、歩留まりやスループットの向上を図る
こともできる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の発光装置の封止構造について説明する図。
【図2】本発明の発光装置の封止方法について説明する図。
【図3】本発明の発光装置の封止構造について説明する図。
【図4】封止基板の構造について説明する図。
【図5】本実施形態3について説明する図。
【図6】発光装置の画素部の構造について説明する図。
【図7】本発明の発光装置の封止構造について説明する図。
【図8】本発明の発光装置の封止構造について説明する図。
【図9】電気器具について説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明の実施形態について、以下に説明する。
(実施の形態1)
図1(A)は、本発明を実施したアクティブマトリクス型の発光装置の上面図である。
【0028】
図1(A)において、101は素子基板、102は封止基板、103は画素部、104
は駆動回路部、105は端子部、106は第1のシールパターン、108は第2のシール
パターンであり、素子基板101に封止基板102が第1のシールパターン106、およ
び第2のシールパターン108により貼り合わされた構造である。なお、本発明における
発光装置は、素子基板101と封止基板102を貼り合わせた際に重ならない領域(オフ
セット領域107)を有している。
【0029】
素子基板101の材料としては、特に限定されないが、封止基板102と貼り合わせる
ため、熱膨張係数が同一のものとすることが好ましい。なお、電界発光層で生じた光を素
子基板101側から出射させる構造(以下、下面出射構造という)とする場合には、透光
性を有する基板、例えばガラス基板、石英基板、プラスチック基板とする。また、光を封
止基板102側から出射させる構造(以下、上面出射構造という)とする場合には、半導
体基板や金属基板をも用いることができる。素子基板101には、発光素子を複数有する
画素部103、駆動回路部104、端子部105が設けられている。
【0030】
ここでは、画素部105と駆動回路部104とを囲んで第1のシールパターン106が
配置される例を示している。また、第1のシールパターン106は、端子部15(または
端子電極から延びた配線)において一部重なって形成される。
【0031】
さらに、第2のシールパターン108は素子基板101と封止基板102との隙間周辺
を封じるように設けられている。
【0032】
ここで、図1(B)は図1(A)をA−A’で切断した断面図である。なお、画素部1
03および駆動回路部104は、素子基板101、封止基板102、および第1のシール
パターン106により囲まれた空間に配置されている。また、第2のシールパターン10
8は、オフセット領域107の一部に形成されており、かつ素子基板101と封止基板1
02との隙間周辺を封じるように形成されている。
【0033】
次に、図1で示す封止構造を作製する方法について、図2を用いて説明する。なお、図
2では一枚の基板から1つの画素部を有する発光装置を形成する例を示している。
【0034】
まず、図2(A)に示す画素部103、駆動回路部104および端子部(ここでは、図
示しない)が形成された素子基板101と封止基板102を貼り合わせる(図2(B))
。なお、ここで用いる封止基板102にはディスペンサーを用いて第1のシールパターン
106を形成しておく。封止基板102に形成される第1のシールパターン106は、封
止基板102を素子基板101と貼り合わせた際に素子基板101上の画素部103およ
び駆動回路部を囲む位置になるように形成する。
【0035】
また、素子基板と封止基板との張り合わせは、湿度を露点で−60℃以下に抑え、かつ
窒素等の不活性ガス雰囲気からなる嫌気条件下で行うものとする。なお、先に述べた第1
のシールパターン106の形成についてもこのような嫌気条件で行うのが好ましい。
【0036】
次に、図2(C)に示すように素子基板101上のオフセット領域107にディスペン
サー109を用いて第2のシールパターン108を形成する。なお、ここで形成される第
2のシールパターン108は、毛管現象を利用することにより図2(D)で示すように素
子基板101と封止基板102との隙間周辺を封じるように形成することができる。なお
、本発明においては、封止基板102の周囲4辺を同様にして、かつ連続的に第2のシー
ルパターン108を形成することから、封止基板102の周囲4辺にオフセット領域10
7を有していることが必要となる。
【0037】
ここで第1のシールパターン106に用いる第1のシール剤、および第2のシールパタ
ーン108に用いる第2のシール剤としては、エポキシ系の樹脂を用いる。なお、本発明
において、第1のシール剤と第2のシール剤に用いる材料は、同一のものでも良いが、異
なる材料を用いることができる。なお、これらの材料は、粘性率が30〜500Pa・s
(25℃)で、比重が1〜1.5(25℃)である。また、紫外光(365nm)の照射
に伴う硬化性(UV硬化性)が4000〜12000mJ/cm2程度の材料を用いたが
、素子(TFT、発光素子)への影響を考えると紫外光の照射をより少なくすることが好
ましい。なお、本発明において第2のシールパターン108は、毛管現象を利用して基板
間の隙間周辺を封じるように形成することから、第2のシールパターン108に用いる第
2のシール剤には、比較的粘性率の低い材料を用いることが好ましい。
【0038】
なお、上記シール剤の材料としては、ナガセケムテックス(株)製のカチオンUV硬化
型エポキシ系樹脂(XNR5516シリーズ)、三井化学(株)製のXUCシリーズ、共
立化学産業(株)製のワールドロック等を用いることができる。
【0039】
本実施例では、特に第1のシール剤に粘性率の高い材料を用い、第2のシール剤に粘性
率の低い材料を用いることとする。具体的には、第1のシール剤として、ナガセケムテッ
クス(株)製のXNR5516シリーズ(粘性率:370Pa・s(25℃))を用い、
第2のシール剤としてナガセケムテックス(株)製のXNR5516シリーズ(粘性率:
130Pa・s(25℃))を用いることとする。
【0040】
なお、このように第1のシールパターン106および第2のシールパターン108によ
り素子基板101および封止基板102を封止することにより、二重構造を形成すること
ができるので、従来よりも密閉性の高い封止を形成することができる。さらに、本発明の
方法を用いて2種類のシールパターンを2段階に分けて形成することにより、2種類のシ
ールパターンが予め形成されている封止基板を用いて封止を行う場合に比べて両基板に対
するシール剤の密着性を均一にすることができる。すなわち、予め封止基板上にシールパ
ターンを形成する場合に、封止基板に対するシール剤の密着性が、後で貼り合わせる素子
基板に対する密着性よりも高くなってしまうという問題を解決することができる。
【0041】
次に、紫外線照射および熱処理を行って第1のシールパターン106、及び第2のシー
ルパターン107を硬化させる。なお、このときの処理条件としては、紫外線を6000
mJ(365nm)照射した後、80℃で1時間熱処理を行う。なお、紫外線の照射条件
としては、紫外線を12000mJ(365nm)照射することも可能である。
【0042】
以上に示した作製方法により、図1に示す封止構造を形成することができる。
【0043】
なお、本実施の形態で示す基板間(素子基板、封止基板)距離(図2においてaで示す
距離)は、2〜20μm程度であり、ディスペンサーのノズルサイズ(直径)は数十μm
である。これに対して、素子基板101の基板表面から封止基板102の基板表面まで(
図2においてbで示す距離)は、0.1〜1.1mm程度の段差があるため、図2(D)
で示す構造を容易に得ることができる。
【0044】
(実施の形態2)
本実施の形態2においては、実施の形態1で示した構造とは異なる構造を有する発光装
置について図3、図4を用いて説明する。
【0045】
図3(A)に、発光装置の上面図を示す。なお、図3(A)において、301は素子基
板、302は封止基板、303は画素部、304は駆動回路部、305は端子部、306
は第1のシールパターン、308は第2のシールパターンであり、この部分は図1(A)
で示したものと同様であるが、封止基板302側に備えられた乾燥剤(第1の乾燥剤31
0、第2の乾燥剤311)を有する点で図1(A)とは異なる。
【0046】
ここで、図4により封止基板302の構造について説明する。素子基板301に貼り合
わせる封止基板302は、図4(A)に示す封止基板302は、図4(B)に示すように
基板411の所定の位置に窪み401を形成し、この窪み401に第1の乾燥剤310お
よび第2の乾燥剤311をそれぞれ備えた後、ディスペンサーにより第1のシールパター
ン306を形成したものである。なお、本実施の形態2における封止基板の形成は、嫌気
条件において行うものとし、第1の乾燥剤および第2の乾燥剤は、固体粉末状の乾燥材料
をそれぞれ、水分透過性に優れ、かつ酸素等の気体透過性に優れた材料からなる袋に封入
したものを各所定の窪みに両面テープで貼り付けることにより備えるものとする。
【0047】
そして、図4(A)に示す封止基板を素子基板に貼り合わせることにより、図3(A)
に示す発光装置が形成される。
【0048】
なお、本実施の形態2における発光装置は、封止基板に乾燥剤が設けられる点でのみ実
施の形態1と異なるため、素子基板301と封止基板302を貼り合わせた後で、第2の
シールパターン308を形成する方法については、実施の形態1で示した方法で行えばよ
い。なお、本実施の形態2における発光装置の場合にも、素子基板301と封止基板30
2を貼り合わせた際に重ならない領域(オフセット領域307)を有している。
【0049】
ここで、図3(B)は図3(A)をA−A’で切断した断面図である。なお、画素部3
03、駆動回路部304、および封止基板302に備えられた第2の乾燥剤311は、素
子基板301、封止基板302、および第1のシールパターン306により囲まれた空間
に配置されている。また、第2のシールパターン308は、オフセット領域307の一部
に形成されており、かつ素子基板301と封止基板302との隙間周辺を封じるように形
成されている。
【0050】
また、図3(C)は図3(A)をB−B’で切断した断面図である。なお、本実施の形
態2において第1の乾燥剤310は、素子基板301、封止基板302、第1のシールパ
ターン306、および第2のシールパターン308により囲まれた空間に配置されている

【0051】
なお、第1の乾燥剤310は、第1のシールパターン306に用いる第1のシール剤か
ら放出される水分や酸素の他、第2のシールパターン308に用いる第2のシール剤を通
して外部から侵入する水分や酸素等を吸収することができる。これに対して、第2の乾燥
剤311は、同じ空間に備えられている発光素子から放出される水分や酸素等を吸収する
ことができる。そのため、実施の形態1に示した封止構造に加え、封止構造の内部に存在
する(もしくは、侵入した)水分や酸素等を除去することができるので、さらに発光素子
の劣化を防ぐことができる。
【0052】
第2の乾燥剤311については、素子基板301上の画素部303と重なる位置に形成
されることから、上面出射構造の発光装置を形成する場合には設けることができない。な
お、この場合には、第1の乾燥剤310のみ設ける構造とすればよい。
【0053】
(実施の形態3)
本実施の形態3では、1枚の基板に複数の画素部および駆動回路部を形成する場合、い
わゆる多面取りの場合について図5により説明する。
【0054】
ここでは1枚の基板を用いて4つのパネルを形成する例を示す。
【0055】
まず、嫌気条件で封止基板502上にディスペンサーで第1のシールパターン506を
所定の位置に形成する(図5(A))。ここでは、第1のシールパターン506に用いる
第1のシール剤として、ナガセケムテックス(株)製のXNR5516シリーズ(粘性率
:370Pa・s(25℃))を用いる。
【0056】
次に、図5(B)に示す複数の画素部および駆動回路部503が設けられた素子基板5
01と、第1のシールパターン506が設けられた複数の封止基板502とをそれぞれ貼
り合わせる(図5(C))。なお、第1のシールパターン506によって素子基板501
と複数の封止基板502を貼り合わせる場合には、湿度を露点で−60℃以下に抑え、か
つ窒素等の不活性ガス雰囲気からなる嫌気条件下で行うものとする。
【0057】
封止基板502を貼り合わせた後で、オフセット領域から素子基板501および封止基
板502の間の隙間にかけて第2のシールパターン508を形成する。なお、第2のシー
ルパターン508に用いる第2のシール剤としてナガセケムテックス(株)製のXNR5
516シリーズ(粘性率:130Pa・s(25℃))を用い、その形成方法については
、実施の形態1を参照すればよい。さらに、TFTおよび電界発光層を保護するためのメ
タルマスクを用いて紫外線照射を行い、第1のシール剤および第2のシール剤を硬化させ
る。なお、紫外線照射に加えて、熱処理を行ってもよい。
【0058】
次に、スクライバー装置を用いてスクライブライン512を形成する(図5(E)。ス
クライブライン512は、第2のシールパターン508から0.5mm程度のマージンを
考慮して形成すればよい。
【0059】
次に、ブレイカー装置を用いて基板を分断する(図5(F))。こうして、1枚の基板
から4つのパネルを作製することができる。
【0060】
また、本実施の形態は、実施の形態1または実施の形態2と自由に組み合わせすること
ができる。
【0061】
また、本実施の形態3では、複数の画素部および駆動回路部が形成された素子基板50
1を大型基板とし、複数の封止基板502を素子基板(大型基板)501上の各画素部お
よび駆動回路部503に貼り合わせ、これを分断することにより、複数のパネルを完成さ
せる場合について示すが、本発明はこれに限られることはなく、逆に封止基板に大型基板
を用い、素子基板を複数封止基板に貼り合わせて複数のパネルを形成する構成とすること
もできる。
【0062】
さらに、第1のシールパターン506を形成する基板は、本実施の形態3に示すように
封止基板502上に形成する必要はなく、素子基板501上に形成することもできる。
【0063】
(実施の形態4)
本実施の形態4では、発光装置の画素部の構成について、図6の断面図を用いて説明す
る。
【0064】
図6において、601は素子基板、605はゲート絶縁膜、622はTFTであって、
チャネル形成領域602、ソース領域603、ドレイン領域604上にゲート絶縁膜60
5を介して形成されたゲート電極606の他、配線607を有する。また、611は第1
の電極、612は絶縁層、614は電界発光層、615は第2の電極であり、第1の電極
611、電界発光層614および第2の電極615からなる素子は発光素子616である
。さらに、602は、発光素子616等を空間617に備える封止基板である。
【0065】
素子基板601上に設けられたTFT622(pチャネル型TFT)は、発光する電界
発光層614に流れる電流を制御する素子である。また、ここでは図示しないが、一つの
画素には、他にもTFT(nチャネル型TFTまたはpチャネル型TFT)を一つ、また
は複数設けている。なお、ここでは、一つのチャネル形成領域602を有するTFTを示
したが、特に限定されず、複数のチャネルを有するTFTとしてもよい。
【0066】
本実施の形態において、第1の電極611は、発光素子616の陽極として機能する。
この場合における第1の電極611の材料としては、TiN、TiSixNy、WSix、
WNx、WSixNy、NbN、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物
(IZO)の他、Ti、Ni、W、Mo、Cr、Pt、Zn、Sn、In、またはMoか
ら選ばれた元素、または前記元素を主成分とする合金材料もしくは化合物材料を主成分と
する膜またはそれらの積層膜を総膜厚100nm〜800nmの範囲で用いればよい。こ
こでは、第1の電極611として窒化チタン膜を用いる。窒化チタン膜を第1の電極61
1として用いる場合、表面に紫外線照射や塩素ガスを用いたプラズマ処理を行って仕事関
数を増大させることが好ましい。
【0067】
また、第1の電極611の端部(および配線607)を覆う絶縁層612(バンク、隔
壁、障壁、土手などと呼ばれる)を有している。絶縁層612としては、無機材料(酸化
シリコン、窒化シリコン、酸化窒化シリコンなど)、感光性または非感光性の有機材料(
ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイミドアミド、レジストまたはベンゾシクロブ
テン)、またはこれらの積層などを用いることができるが、ここでは窒化シリコン膜で覆
われた感光性の有機樹脂を用いる。例えば、有機樹脂の材料としてポジ型の感光性アクリ
ルを用いた場合、絶縁物の上端部のみに曲率半径を有する曲面を持たせることが好ましい
。また、絶縁物として、感光性の光によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或い
は光によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。
【0068】
また、電界発光層614は、蒸着法または塗布法を用いて形成する。なお、信頼性を向
上させるため、電界発光層614の形成前に真空加熱を行って脱気を行うことが好ましい
。例えば、蒸着法を用いる場合、真空度が5×10−3Torr(0.665Pa)以下
、好ましくは10−4〜10−6Paまで真空排気された成膜室で蒸着を行う。蒸着の際
、予め、抵抗加熱により電界発光層を形成する材料は気化しており、蒸着時にシャッター
が開くことにより基板の方向へ飛散する。気化した前記材料は、上方に飛散し、メタルマ
スクに設けられた開口部を通って基板に蒸着される。
【0069】
蒸着法を用いる場合には、例えばAlq、部分的に赤色発光色素であるナイルレッド
をドープしたAlq、Alq、p−EtTAZ、TPD(芳香族ジアミン)を蒸着法
により順次積層することで白色を得ることができる。
【0070】
また、スピンコートを用いた塗布法により有機化合物を含む層を形成する場合には、塗
布した後に真空加熱で焼成することが好ましい。この場合には、例えば正孔注入層として
作用するポリ(エチレンジオキシチオフェン)/ポリ(スチレンスルホン酸)水溶液(P
EDOT/PSS)を全面に塗布、焼成し、その後、発光層として作用する発光中心色素
(1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン(TPB)、4−ジシアノメチ
レン−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノ−スチリル)−4H−ピラン(DCM1)
、ナイルレッド、クマリン6など)ドープしたポリビニルカルバゾール(PVK)溶液を
全面に塗布、焼成すればよい。なお、PEDOT/PSSは溶媒に水を用いており、有機
溶剤には溶けない。従って、PVKをその上から塗布する場合にも、再溶解する心配はな
い。また、PEDOT/PSSとPVKは溶媒が異なるため、異なる成膜室で成膜するこ
とが好ましい。
【0071】
また、電界発光層614を単層とすることもでき、ホール輸送性のポリビニルカルバゾ
ール(PVK)に電子輸送性の1,3,4−オキサジアゾール誘導体(PBD)を分散さ
せてもよい。また、30wt%のPBDを電子輸送性材料として分散し、4種類の色素(
TPB、クマリン6、DCM1、ナイルレッド)を適当量分散することで白色発光が得ら
れる。
【0072】
また、615は、導電膜からなる第2の電極、即ち、発光素子の陰極(或いは陽極)で
ある。第2の電極615の材料としては、MgAg、MgIn、AlLi、CaF、C
aNなどの合金、または周期表の1族もしくは2族に属する元素とアルミニウムとを共蒸
着法により形成した透光性を有する膜を用いればよい。ここでは、第2の電極を通過させ
て発光させる上面出射型であるので、1nm〜10nmのアルミニウム膜、もしくはLi
を微量に含むアルミニウム膜を用いる。第2の電極615としてAl膜を用いる構成とす
ると、電界発光層614と接する材料を酸化物以外の材料で形成することが可能となり、
発光装置の信頼性を向上させることができる。また、1nm〜10nmのアルミニウム膜
を形成する前に陰極バッファ層としてCaF、MgF、またはBaFからなる透光
性を有する層(膜厚1nm〜5nm)を形成してもよい。
【0073】
また、第2の電極615の低抵抗化を図るため、発光領域とならない領域に第2の電極
615と接して補助電極を設けてもよい。また、第2の電極615を形成する場合には抵
抗加熱を用いた蒸着法により、蒸着マスクを用いて選択的に形成すればよい。
【0074】
また、本実施の形態4の場合には、発光素子の構成が上面出射構造を有していることか
ら空間617には乾燥剤は設けない構成とする。なお、下面出射構造の場合には、実施の
形態2において、図3で示したように画素部に乾燥剤を設ける構成とすればよい。
【0075】
(実施の形態5)
本実施の形態5では、アクティブマトリクス型の発光装置の外観図について図7に説明
する。なお、図7(A)は、発光装置を示す上面図、図7(B)は図7(A)をA−A’
で切断した断面図である。点線で示された701は駆動回路部(ソース側駆動回路)、7
02は画素部、703は駆動回路部(ゲート側駆動回路)である。また、704は封止基
板、705は第1のシールパターンであり、第1のシールパターン705で囲まれた内側
707は、空間になっている。さらに706は乾燥剤であり、また、第1のシール剤70
5と乾燥剤706を囲んで素子基板710のオフセット領域に第2のシールパターン71
5が形成される。
【0076】
なお、708はソース側駆動回路701及びゲート側駆動回路703に入力される信号
を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキ
ット)709からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る
。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(P
WB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけ
でなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
【0077】
次に、断面構造について図7(B)を用いて説明する。基板710上には駆動回路部及
び画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路701と、
画素部702が示されている。
【0078】
なお、ソース側駆動回路701はnチャネル型TFT723とpチャネル型TFT72
4とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路を形成するTFTは、公
知のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施
の形態では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要
はなく、基板上ではなく外部に形成することもできる。
【0079】
また、画素部702はスイッチング用TFT711と、電流制御用TFT712とその
ドレインに電気的に接続された第1の電極713とを含む複数の画素により形成される。
なお、第1の電極713の端部を覆って絶縁層714が形成されている。
【0080】
第1の電極713上には、電界発光層716、および第2の電極717がそれぞれ形成
されている。なお、具体的な構成については、実施の形態4を参照すればよい。
【0081】
また、第2の電極717は全画素に共通の配線としても機能し、接続配線708を経由
してFPC709に電気的に接続されている。
【0082】
また、素子基板710上に形成された発光素子718を封止するために第1のシールパ
ターン705により封止基板704を貼り合わせる。なお、封止基板の所望の位置には、
予め乾燥剤706が備えられている。そして、素子基板701、封止基板704、および
シール剤705で囲まれた空間707に発光素子718が備えられた構造になっている。
【0083】
さらに、第1のシールパターン705が形成された領域と、乾燥剤706が備えられて
いる領域の外側に第2のシールパターン715が形成されている。
【0084】
なお、第1のシールパターン705に用いる第1のシール剤および第2のシールパター
ン715に用いる第2のシール剤としてはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、
これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。
【0085】
また、本実施の形態では封止基板704を構成する材料としてガラス基板や石英基板の
他、FRP(Fiberglass-Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、マ
イラー、ポリエステルまたはアクリル等からなるプラスチック基板を用いることができる

【0086】
以上のようにして発光素子718を空間707に封入し、さらに第2のシールパターン
715で封止することにより、発光素子718を外部から完全に遮断することができ、外
部から水分や酸素といった有機化合物層の劣化を促す物質が侵入することを防ぐことがで
きる。なお、本実施の形態の場合においては、発光素子718が上面出射型であることか
ら、発光素子(画素部)と重なる位置には乾燥剤を設けないが、下面出射型の発光素子が
形成される場合には、実施の形態2に示したように発光素子(画素部)と重なる位置に乾
燥剤を設けることができる。従って、信頼性の高い発光装置を得ることができる。
【0087】
なお、本実施の形態5は実施の形態1乃至4と自由に組み合わせることができる。
【0088】
(実施の形態6)
本実施の形態6では、実施の形態1乃至3、または実施の形態5において示した封止構
造に加えて図8に示すような封止構造とすることもできる。
【0089】
なお、図8では、素子基板801、封止基板802、および第1のシールパターン80
6により囲まれた空間に発光装置の画素部803、駆動回路部804、および第2の乾燥
剤811を備え、第1のシールパターンの外側に第1の乾燥剤810を備え、その外部に
形成された第2のシールパターン808により封止するという本発明の封止構造が、さら
に水分等の侵入を防ぐ効果のある保護膜812で覆われる構造を示している。
【0090】
本実施の形態において、保護膜812は、炭素を主成分とするDLC膜(Diamon
d like Carbon膜)や窒化アルミニウム(AlN)膜や窒化珪素膜(SiN
)や、これらの積層膜を用いることができる。
【0091】
なお、ここでいうDLC膜とは、膜厚3〜50nmのダイヤモンドライクカーボン膜、
またはアモルファスカーボン膜である。DLC膜は短距離秩序的には炭素間の結合として
、SP結合をもっているが、マクロ的にはアモルファス状の構造となっている。DLC
膜の組成は炭素が70〜95原子%、水素が5〜30原子%であり、非常に硬く絶縁性に
優れている。加えて、DLC膜は、化学的に安定で変化しにくい薄膜である。また、DL
C膜の熱伝導率は200〜600W/m・Kであり、駆動時に発生する発熱を放熱させる
ことができる。このようなDLC膜は、水蒸気や酸素などのガス透過率が低いという特徴
もある。また、微少硬度計による測定で、15〜25GPaの硬度を有することが知られ
ている。
【0092】
なお、保護膜はプラズマCVD法(代表的には、RFプラズマCVD法、マイクロ波C
VD法、電子サイクロトロン共鳴(ECR)CVD法、熱フィラメントCVD法など)、
燃焼炎法、スパッタ法、イオンビーム蒸着法、レーザー蒸着法などで形成することができ
る。
【0093】
なお、図8に示す構造からも分かるように本発明の封止構造は、第2のシールパターン
806を形成することにより、素子基板801と封止基板802との段差がフラットにな
っている。そのため、保護膜812をカバレッジ良く形成するのに適した構造であるとい
える。
【0094】
以上のようにして、先の実施の形態1〜5において示した封止構造に保護膜で覆うとい
う構成を組み合わせることにより、外部からの水分や酸素などの侵入を防ぐ効果をさらに
高めることができる。
【0095】
(実施の形態7)
発光素子を用いた発光装置は自発光型であるため、液晶表示装置に比べ、明るい場所で
の視認性に優れ、視野角が広い。従って、本発明の発光装置を用いて様々な電気器具を完
成させることができる。
【0096】
本発明により作製した発光装置を用いて作製された電気器具として、ビデオカメラ、デ
ジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーショ
ンシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、ノート型パーソナ
ルコンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型
ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的にはデジタルビデ
オディスク(DVD)等の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装
置)などが挙げられる。特に、斜め方向から画面を見る機会が多い携帯情報端末は、視野
角の広さが重要視されるため、発光素子を有する発光装置を用いることが好ましい。それ
ら電気器具の具体例を図9に示す。
【0097】
図9(A)は表示装置であり、筐体2001、支持台2002、表示部2003、スピ
ーカー部2004、ビデオ入力端子2005等を含む。本発明により作製した発光装置を
その表示部2003に用いることにより作製される。発光素子を有する発光装置は自発光
型であるためバックライトが必要なく、液晶表示装置よりも薄い表示部とすることができ
る。なお、表示装置は、パソコン用、TV放送受信用、広告表示用などの全ての情報表示
用表示装置が含まれる。
【0098】
図9(B)はデジタルスチルカメラであり、本体2101、表示部2102、受像部2
103、操作キー2104、外部接続ポート2105、シャッター2106等を含む。本
発明により作製した発光装置をその表示部2102に用いることにより作製される。
【0099】
図9(C)はノート型パーソナルコンピュータであり、本体2201、筐体2202、
表示部2203、キーボード2204、外部接続ポート2205、ポインティングマウス
2206等を含む。本発明により作製した発光装置をその表示部2203に用いることに
より作製される。
【0100】
図9(D)はモバイルコンピュータであり、本体2301、表示部2302、スイッチ
2303、操作キー2304、赤外線ポート2305等を含む。本発明により作製した発
光装置をその表示部2302に用いることにより作製される。
【0101】
図9(E)は記録媒体を備えた携帯型の画像再生装置(具体的にはDVD再生装置)で
あり、本体2401、筐体2402、表示部A2403、表示部B2404、記録媒体(
DVD等)読み込み部2405、操作キー2406、スピーカー部2407等を含む。表
示部A2403は主として画像情報を表示し、表示部B2404は主として文字情報を表
示するが、本発明により作製した発光装置をこれら表示部A、B2403、2404に用
いることにより作製される。なお、記録媒体を備えた画像再生装置には家庭用ゲーム機器
なども含まれる。
【0102】
図9(F)はゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)であり、本体2
501、表示部2502、アーム部2503を含む。本発明により作製した発光装置をそ
の表示部2502に用いることにより作製される。
【0103】
図9(G)はビデオカメラであり、本体2601、表示部2602、筐体2603、外
部接続ポート2604、リモコン受信部2605、受像部2606、バッテリー2607
、音声入力部2608、操作キー2609、接眼部2610等を含む。本発明により作製
した発光装置をその表示部2602に用いることにより作製される。
【0104】
ここで図9(H)は携帯電話であり、本体2701、筐体2702、表示部2703、
音声入力部2704、音声出力部2705、操作キー2706、外部接続ポート2707
、アンテナ2708等を含む。本発明により作製した発光装置をその表示部2703に用
いることにより作製される。なお、表示部2703は黒色の背景に白色の文字を表示する
ことで携帯電話の消費電力を抑えることができる。
【0105】
なお、将来的に有機材料の発光輝度が高くなれば、出力した画像情報を含む光をレンズ
等で拡大投影してフロント型若しくはリア型のプロジェクターに用いることも可能となる

【0106】
また、上記電気器具はインターネットやCATV(ケーブルテレビ)などの電子通信回
線を通じて配信された情報を表示することが多くなり、特に動画情報を表示する機会が増
してきている。有機材料の応答速度は非常に高いため、発光装置は動画表示に好ましい。
【0107】
また、発光装置は発光している部分が電力を消費するため、発光部分が極力少なくなる
ように情報を表示することが好ましい。従って、携帯情報端末、特に携帯電話や音響再生
装置のような文字情報を主とする表示部に発光装置を用いる場合には、非発光部分を背景
として文字情報を発光部分で形成するように駆動することが好ましい。
【0108】
以上の様に、本発明により作製された発光装置の適用範囲は極めて広く、本発明の発光
装置をあらゆる分野の電気器具に適用することが可能である。また、本実施の形態7の電
気器具は実施の形態1乃至6を実施して作製された発光装置を用いることにより完成させ
ることができる。
【符号の説明】
【0109】
101 素子基板
102 封止基板
103 画素部 104 駆動回路部
105 端子部
106 第1のシールパターン
107 オフセット領域
108 第2のシールパターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
素子基板と、
前記素子基板上に設けられた画素部及び駆動回路部と、
封止基板と、
フレキシブルプリントサーキットと、
前記画素部及び前記駆動回路部を囲むように、前記素子基板と前記封止基板との間に設けられた第1のシールパターンと、
前記第1のシールパターンを囲むように、前記封止基板の端部に設けられた第2のシールパターンと、
を有し、
前記画素部は、薄膜トランジスタと、前記薄膜トランジスタ上に設けたれた第1の絶縁層と、前記第1の絶縁層上に設けられた配線と、前記配線上に設けられた有機樹脂を含む第2の絶縁層と、前記第2の絶縁層上に設けられた電界発光層と、を有し、
前記フレキシブルプリントサーキットは、前記配線と電気的に接続され、
前記フレキシブルプリントサーキットと前記配線とが電気的に接続される部分は、前記第2のシールパターンに覆われていないことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記第2のシールパターンは、紫外線照射、加熱、または紫外線照射及び加熱によって硬化されたものであることを特徴とする発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−69534(P2012−69534A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−1924(P2012−1924)
【出願日】平成24年1月10日(2012.1.10)
【分割の表示】特願2010−169102(P2010−169102)の分割
【原出願日】平成14年9月6日(2002.9.6)
【出願人】(000153878)株式会社半導体エネルギー研究所 (5,264)
【Fターム(参考)】