説明

発光装置

【課題】金属エッチング副産物による発光セル内の電気的短絡を防止することができる発光素子及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】発光装置は、基板と、第1電極と、第1導電型窒化物半導体層と、第1の面に粗面を備えた第2導電型窒化物半導体層と、活性層と、第1導電型窒化物半導体層の一部に接触する反射金属層と、反射金属層の一部を覆う保護金属層と、第1導電型窒化物半導体層の一部と保護金属層の一部とを覆う第1絶縁層と、保護金属層と第1電極と電気的に接続する第1接続金属と、基板と第1導電型窒化物半導体層との間に配置されたボンディング金属と、を備え、第1電極は第2導電型窒化物半導体層の粗面が形成された第1の面と同じ基板の側にある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子及びその製造方法に関し、より詳しくは、反射金属層を有する発光素子及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、窒化ガリウム(GaN)、窒化ガリウムアルミニウム(AlGaN)等のようなIII族元素の窒化物半導体は、熱的安定性に優れ、直接遷移型のエネルギーバンド構造を有しており、最近、青色及び紫外線領域の発光素子用物質として多くの脚光を浴びている。特に、窒化インジウムガリウム(GaInN)を用いた青色及び緑色の発光素子は、大規模なフルカラーフラットパネルディスプレイ、信号灯、室内照明、高密度光源、高解像度出力システム、光通信等様々な応用分野に活用されている。
【0003】
このようなIII族元素の窒化物半導体は、それを成長させることができる同種の基板を製造することが困難であり、類似した結晶構造を有する異種基板上に有機金属化学気相成長(MOCVD)法または分子線エピタキシー(MBE)法等の工程によって成長させることにより形成される。異種基板としては、六方晶系の構造を有するサファイア基板が主に用いられる。
【0004】
サファイア基板を用いる場合、サファイア基板が絶縁性であるので、電極パッドが全て基板の上部に位置する水平型構造の発光素子が製造され、P型窒化ガリウム層が発光素子の上側に位置する。P型窒化ガリウム層は、エピタキシャル成長の限界により、抵抗が大きく、相対的に薄く形成される。P型窒化ガリウム層上に通常電流拡散のための透明電極及びパッドが形成される。また、大面積発光素子の場合、広い面積にわたって電流を拡散させるために、P型窒化ガリウム層及び/またはN型窒化ガリウム層の上に、パッドから延びるブランチラインが形成される。一方、サファイア基板の底面には、発光素子の下部に向かう光を反射させるために、通常反射金属層が形成される。
【0005】
しかしながら、従来の発光素子に採用される透明電極及びパッド、さらにはパッドから延びるブランチラインが光放出面上に形成されることにより、これらが活性層から放出された光を吸収して発光効率を減少させる。さらに、前記反射金属層は、前記活性層から相当離れており、このため、光が反射金属層で反射され、外部に放出されるまでにその相当量が損失してしまう。
【0006】
また、光取り出し効率(light extraction efficiency)を向上させるために、光放出面を粗く形成する技術が研究されている。しかし、P型窒化ガリウム層の高い抵抗のため、P型窒化ガリウム層を厚く形成することができず、光放出面を粗く形成することに限界があった。
【0007】
一方、発光ダイオードを交流電源に直接接続して連続的に光を放出する交流駆動型の発光ダイオードが製品化されている。高電圧交流電源に直接接続して使用可能な発光ダイオードは、例えば、特許文献1(国際公開番号WO2004/023568(A1)号)に「複数の発光素子を有する発光装置」(LIGHT-EMITTING DEVICE HAVING LIGHT-EMITTING ELEMENTS)という題目で、サカイら(SAKAI et. al.)により開示されている。
【0008】
特許文献1によると、LEDがサファイア基板のような絶縁性基板上に二次元的に接続されたLEDアレイが形成される。このようなLEDアレイが前記サファイア基板上で逆並列に接続される。その結果、交流電源機構によって駆動可能な単一チップ発光素子が提供される。
【0009】
前記交流駆動型の発光素子は、成長基板として用いられた基板、例えば、サファイア基板上に発光セルを形成するので、発光セルの構造に制限があり、光取り出し効率を向上させるのに限界があった。このような問題点を解決するために、基板分離工程を適用し、交流駆動型の発光素子を製造する方法が、「熱伝導性基板を有する発光ダイオード及びその製造方法」との名称で、特許文献2(韓国特許登録公報第10‐0599012号)に開示されている。
【0010】
図1乃至図4は、従来技術による交流駆動型発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【0011】
図1を参照すると、犠牲基板21上に、バッファ層23、N型半導体層25、活性層27、及びP型半導体層29を備える半導体層が形成され、前記半導体層上に第1の金属層31が形成される。前記犠牲基板21とは別の基板51上に第2金属層53が形成される。第1金属層31は、反射金属層を有していてもよい。前記第2金属層53が前記第1金属層31と接合され、前記基板51が半導体層の上部にボンディングされる。
【0012】
図2を参照すると、前記基板51がボンディングされた後、レーザリフトオフ(LLO)技術をよって犠牲基板21が分離される。また、前記基板21が分離された後、残存するバッファ層23は除去され、N型半導体層25の表面が露出する。
【0013】
図3を参照すると、フォトエッチング工程によって、前記半導体層25、27、29及び前記金属層31、53がパターニングされ、互いに離隔した金属パターン40及び前記各金属パターンの一部領域上に位置する発光セル30が形成される。発光セル30は、パターニングされたP型半導体層29a、活性層27a、及びN型半導体層25aを有する。
【0014】
図4を参照すると、前記発光セル30の上部面とそれに隣接した金属パターン40を電気的に接続する金属配線57が形成される。前記金属配線57は、前記発光セル30を接続し、発光セルの直列アレイを形成する。前記金属配線57を接続するために、N型半導体層25a上に電極パッド55が形成されてもよく、金属パターン40上にも電極パッドが形成されてもよい。このようなアレイは、二つ以上形成され、これらのアレイが逆並列で接続され、交流電源下で駆動可能な発光ダイオードが提供される。
【0015】
上述した従来技術によると、基板を多様に選択することで、発光ダイオードの熱放出性能を改善することができ、N型半導体層25aの表面を処理することで、光取り出し効率を向上させることができる。また、第1金属層31aが反射金属層を有し、発光セル30から基板51側に進行する光を反射させるので、発光効率をさらに改善することができる。
【0016】
しかしながら、上述した従来技術は、前記半導体層25、27、29及び金属層31、53をパターニングする間、金属物質のエッチング副産物が、発光セル30の側壁に付着し、N型半導体層25aとP型半導体層29aとの間に電気的短絡をもたらしてしまう。また、前記半導体層25、27、29をエッチングする間、露出する第1金属層31aの表面がプラズマによってダメージを受けやすい。第1金属層31aが、AgまたはAlのような反射金属層を有する場合、このようなエッチングダメージはさらに悪化する。プラズマによる金属層31aの表面のダメージは、その上に形成される配線57または電極パッドの接着力を落とし、素子不良を招くことがある。
【0017】
一方、上記した従来技術によると、第1金属層31が反射金属層を有し、これにより、発光セル30から基板側に進行する光を再度反射させる。しかし、発光セル30間の空間では、反射金属層のエッチングダメージまたは酸化によって、光の反射を期待し難い。さらには、金属パターン40間の領域は基板51が露出するので、光が基板51によって吸収されて損失してしまう。
【0018】
また、配線57が、N型半導体層25aの上部面、すなわち、光放出面上に接続されるので、活性層25aから発生した光が光放出面上の配線57及び/または電極パッド55に吸収され、光損失が生じてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】国際公開番号WO2004/023568(A1)号
【特許文献2】韓国特許登録公報第10‐0599012号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、金属エッチング副産物による発光セル内の電気的短絡を防止することができる発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【0021】
また、他の目的は、発光セル間の空間から基板側に進行する光の損失を減少させることができる発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【0022】
また、また他の目的は、光放出面から放出された光の損失を減少させ、発光効率を改善することができる発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【0023】
また、さらに他の目的は、反射金属層がエッチングまたは酸化によって変質することを防止することができる発光素子及びその製造方法を提供することにある。
【0024】
上記技術的課題を解決するために、本発明は、光放出面上に形成される透明電極及びパッドを除去し、改善された発光効率を有する発光素子及びその製造方法を提供する。
【0025】
上記他の技術的課題を解決するために、本発明は、光の反射経路を減少させ、光損失を防止することができる発光素子及びその製造方法を提供する。
【0026】
上記また他の技術的課題を解決するために、本発明は、大面積用として適合した発光素子及びその製造方法を提供する。
【0027】
上記さらに他の技術的課題を解決するために、光放出面側の窒化物半導体層が基板側の窒化物半導体層に比べて相対的に厚い発光素子及びその製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0028】
本発明は、発光素子及びその製造方法を提供する。本発明の一態様によると、交流駆動型の発光素子が提供される。この発光素子は、基板と、前記基板の上部に互いに離隔して配置された複数個の発光セルであり、それぞれ、第1導電型上部半導体層、活性層、及び第2導電型下部半導体層を有し、前記活性層及び前記下部半導体層は、前記上部半導体層の一部領域の下方に位置する複数個の発光セルと、前記基板と前記複数個の発光セルとの間に位置し、前記発光セルを接続し、発光セルの直列アレイを形成する配線と、前記発光セルと前記基板との間に位置し、前記発光セル及び前記配線を覆う中間絶縁層と、前記中間絶縁層と前記発光セルとの間に設けられた第1反射金属層と、を備える。
【0029】
前記配線が前記上部半導体層の下方に位置するので、前記上部半導体層の上部面から放出される光が、配線及び/または電極パッドによって損失することが防止される。また、前記上部半導体層が、それぞれの前記活性層及び前記下部半導体層に比べて広い幅を有するので、前記配線は、前記上部半導体層の下部面に接続されてもよい。従って、従来の交流駆動型の発光ダイオードとは異なり、金属のエッチング副産物が発光セルの側面に付着することが防止される。
【0030】
一方、前記中間絶縁層と前記基板との間に第2反射金属層が設けられるようにしてもよい。前記第2反射金属層は、発光セル間の空間から前記基板側に進行する光を反射させ、発光効率を向上させる。
【0031】
前記配線が、前記発光セルの側面から離隔するように、絶縁層が前記発光セルの側面を覆う。絶縁層は、前記発光セルを覆うが、前記第1反射金属層及び前記上部半導体層の下部面を露出させる開口部を有してもよい。
【0032】
前記配線は、それぞれ隣り合う発光セルの下部半導体層の下部面と、上部半導体層の下部面に電気的に接続するが、前記絶縁層内の開口部を通して、前記上部半導体層の下部面と前記下部半導体層の下部面に電気的に接続されてもよい。
【0033】
一方、前記絶縁層は、前記上部半導体層が分離された領域の下方に位置し、前記配線が外部に露出することを防止することができる。
【0034】
また、前記第1反射金属層を覆う保護金属層をさらに備えてもよい。前記保護金属層は、前記第1反射金属層の酸化を防止する。
【0035】
一方、前記基板は、サファイア基板であってもよい。一般に、基板分離工程を用いる場合、ボンディング基板としてサファイア基板と異なる熱伝導性基板が採用されるが、本発明は、ボンディング基板について特に限定されず、却ってサファイア基板を好ましい基板として採用する。従って、半導体層の成長基板と同一の基板をボンディング基板として用いることにより、基板分離工程及びその後のパターニング工程をより安全に行うことができる。
【0036】
本発明の他の態様によると、前記交流駆動型発光素子の製造方法が提供される。この方法は、犠牲基板上に化合物半導体層を形成し、前記化合物半導体層を前記犠牲基板上でパターニングし、また、前記犠牲基板上で発光セルを電気的に接続するための配線を形成することを含む。犠牲基板上で、化合物半導体層がパターニングされるので、金属エッチング副産物の発生を防止することができる。
【0037】
具体的に、前記交流駆動型発光素子の製造方法は、犠牲基板上に、第1導電型半導体層、第2導電型半導体層、及び前記第1及び第2導電型半導体層間に設けられた活性層を有する化合物半導体層を形成する。前記第1導電型半導体層は、前記犠牲基板上近接して配置され、前記化合物半導体層をパターニングし、複数個のメサを形成する。前記メサの周囲に前記第1導電型半導体層が露出し、前記メサ上に第1反射金属層を形成し、前記メサ及び前記第1導電型半導体層の露出部を覆う絶縁層を形成する。前記絶縁層は、前記メサの上部を露出させる開口部と、前記メサ間の前記第1導電型半導体層を露出させる開口部とを有し、前記メサとそれに隣接して前記第1導電型半導体層の露出部をそれぞれ電気的に接続する配線を形成し、前記配線が形成された犠牲基板上に中間絶縁層を形成し、前記中間絶縁層の上部に基板をボンディングし、前記犠牲基板を除去し、前記第1導電型半導体層を露出させ、前記露出した第1導電型半導体層を分離し、互いに離隔した複数個の発光セルを形成することを含む。前記第1導電型半導体層は、前記複数個の発光セルが前記配線によって直列接続されるように分離される。
【0038】
前記製造方法によると、前記配線が、前記発光セルと前記基板との間に位置し、これにより、光放出面から放出される光の損失を減少させることができる。
【0039】
また、前記交流駆動型発光素子の製造方法は、前記中間絶縁層上に第2反射金属層を形成することをさらに含んでもよい。前記第2反射金属層は、前記発光セル間の空間から前記基板側に進行する光を反射させ、発光効率を向上させる。
【0040】
一方、前記第1反射金属層を覆う保護金属層が形成されてもよい。これにより、第1反射金属層が外部に露出して酸化することを防止することができる。
【0041】
一方、前記交流駆動型発光素子の製造方法は、前記メサ間の前記第1導電型半導体層の露出部上に第1電極パッドを形成し、前記保護金属層上に第2電極パッドを形成することをさらに含んでもよい。この際、前記配線は、前記第1及び第2電極パッドを接続して発光セルのアレイを形成する。
【0042】
本発明のまた他の態様によると、複数個の発光セルが並列接続された発光素子が提供される。この発光素子は、基板と、前記基板の上部に位置し、それぞれ、第1導電型上部半導体層、活性層、第2導電型下部半導体層を有する複数個の発光セルと、前記基板と前記発光セルとの間に位置し、前記活性層及び前記第1導電型上部半導体層から絶縁され、前記第2導電型下部半導体層を電気的に接続する接続金属と、前記第2導電型下部半導体層を電気的に接続する接続金属と前記第2導電型下部半導体層との間に設けられた反射金属層と、前記発光セルの光放出面から離隔して配置され、前記上部半導体層に電気的に接続された第1電極パッドと、前記発光セルと離隔し、前記第2導電型下部半導体層を電気的に接続する接続金属に電気的に接続された第2電極パッドと、を備える。一方、前記第1導電型上部半導体層のそれぞれは、前記発光セル領域から延びた延長部を有する。
【0043】
ここで、前記「光放出面」とは、駆動時、各発光セルの活性層から発生した光が放出される上部半導体層の上部面であって、特に各発光セルにおける活性層領域の上部に限定された上部半導体層の上部面を意味する。前記第1及び第2電極パッドは、全て光放出面から離隔している。さらには、従来、電流拡散のために採用されてきた透明電極または電極パッドから延びたブランチラインも光放出面上から排除される。これにより、電極パッド、透明電極またはブランチラインによる光損失を除去することができ、発光効率が改善される。
【0044】
一方、前記複数個の「発光セル」は、前記基板を共有し、このため、本発明の発光素子は、一つの基板上に一つの発光領域を有する発光ダイオードチップとは異なる。本発明の発光素子は、複数個の発光セルを有する一つの単一チップに対応する。複数個の発光セルを採用するので、各発光セルに均一の電流を供給し、各発効セルの発光効率を改善し、発光素子全体の発光効率を改善することができる。このような構造は、特に電流拡散が困難である大面積発効素子の発光効率の改善に適合している。また、前記反射金属層が、前記下部半導体層と前記接続金属との間に設けられることにより、基板側に進行する光の経路を減少させることができる。
【0045】
前記第1及び第2電極パッドは、多様な方式で前記上部半導体層及び前記下部半導体層に電気的に接続されてもよい。例えば、前記第2電極パッドは、前記接続金属上に直接形成され、前記接続金属を介して、前記下部半導体層に電気的に接続されてもよい。また、前記第1導電型上部半導体層が互いに接続され、前記第1電極パッドは、前記上部半導体層から発光セルの外側に延びた延長部の周縁に位置し、前記上部半導体層に電気的に接続されてもよい。
【0046】
好ましくは、前記発光素子は、前記基板の上部に位置し、前記発光セルから離隔した第1導電型半導体の第1及び第2分離層をさらに備えてもよく、前記第1及び第2電極パッドは、それぞれ前記第1及び第2分離層上に位置してもよい。この際、前記第2電極パッドは、前記第2分離層を介して、前記第2導電型下部半導体層を電気的に接続する接続金属に電気的に接続される。
【0047】
前記第1及び第2分離層は、前記第1導電型上部半導体層から分離されている層を意味する。前記第1及び第2分離層は、前記上部半導体層と同一の工程によって同時に形成された後、前記上部半導体層から分離されて形成されてもよい。この場合、前記第1及び第2分離層は、前記上部半導体層と同一の材料であり、また、前記基板の上部において、前記上部半導体層とほぼ同一のレベルに位置する。
【0048】
一方、前記発光素子は、前記第1分離層の下部面と、前記発光セルの一つの上部半導体層の下部面とを電気的に接続する接続金属をさらに備えてもよい。前記第1電極パッドは、この接続金属を介して、前記第1導電型上部半導体層に電気的に接続される。
【0049】
さらには、前記発光素子は、前記発光セルの上部半導体層を電気的に接続する接続金属をさらに備えてもよい。この接続金属は、前記上部半導体層の延長部の下部に接続され、隣り合う発光セルの上部半導体層を電気的に接続する。この接続金属は、隣り合う発光セル間に連続的に位置してもよい。この接続金属は、前記発光セルに電流が均一に供給されるようにする。
【0050】
一方、前記発光素子は、前記第2導電型下部半導体層を電気的に接続する接続金属と、前記上部半導体層に接続された接続金属とを絶縁させる絶縁層をさらに備えてもよい。
【0051】
前記上部半導体層は、互いに離隔していてもよい。これとは異なり、前記上部半導体層は互いに離隔していてもよい。前記上部半導体層が互いに離隔した場合、光が前記上部半導体層内において、内部全反射により損失することを減少させることができる。
【0052】
本発明のいくつかの実施例において、前記発光素子は、前記第2導電型下部半導体層を電気的に接続する接続金属と前記反射金属層との間に設けられた保護金属層をさらに備えてもよい。前記保護金属層は、前記反射金属層を取り囲んで前記反射金属層を保護する。これとは異なり、前記接続金属が保護金属層の役割を行い、前記保護金属層が省略されてもよい。
【0053】
前記光放出面は、粗面(rough surface)であってもよい。特に、前記第1導電型はn型であり、前記第2導電型はp型であってもよく、この場合、前記上部半導体層が前記下部半導体層に比べて相対的にさらに厚く形成されてもよい。従って、前記上部半導体層上に粗面を形成することが容易である。さらには、前記下部半導体層が前記上部半導体層より相対的にさらに薄いので、前記活性層と前記反射金属層との間の距離をさらに減少させることができる。
【0054】
本発明のまた他の態様によると、複数個の発光セルが並列接続された発光素子の製造方法が提供される。この方法は、発光セル領域、第1及び第2電極パッド領域を有する犠牲基板上に、第1導電型半導体層、第2導電型半導体層、及び前記第1及び第2導電型半導体層間に設けられた活性層を有する化合物半導体層を形成する。前記第1導電型半導体層が、前記犠牲基板上に近接して位置し、前記化合物半導体層をパターニングし、前記発光セル領域上に複数個の発光セルを形成する。前記第1及び第2電極パッド領域の上部及び前記発光セルの周囲に前記第1導電型半導体層が露出し、前記発光セル上に反射金属層を形成し、前記発光セル及び前記第1導電型半導体層の露出部を覆う第1絶縁層を形成する。前記第1絶縁層は、前記反射金属層を露出させる開口部、及び前記第2電極パッド領域の上部の第1導電型半導体層を露出させる開口部を有し、前記第1絶縁層及び前記反射金属層を覆い、前記第2導電型半導体層を電気的に接続する接続金属を形成する。前記第2導電型半導体層を電気的に接続する前記接続金属は、前記第2電極パッド領域の上部の第1導電型半導体層に電気的に接続され、前記第2導電型半導体層を電気的に接続する接続金属上に基板をボンディングし、前記犠牲基板を除去し、前記第1導電型半導体層を露出させ、及び前記露出した第1導電型半導体層をパターニングし、前記第2電極パッド領域の上部の第1導電型半導体層を前記発光セルから分離することを含む。
【0055】
これによると、第1及び第2電極パッド領域が発光セル領域から離隔した発光素子を製造することができる。また、反射金属層が活性層に相対的に近づけて配置され、光経路による光損失を減少させることができる発光素子を製造することができる。
【0056】
前記犠牲基板は、サファイア基板であってもよく、前記ボンディング基板もサファイア基板であってもよい。犠牲基板と同種の基板をボンディング基板として用いることにより、基板分離後、化合物半導体層の反り(warpage)を防止することができる。
【0057】
一方、前記第2電極パッド領域上の第1導電型半導体層は、除去されてもよく、この際、第1導電型半導体層の下方の金属層(接続金属または中間金属)が露出する。前記第2電極パッドは、前記金属層上に形成されてもよい。これとは異なり、前記第1及び第2電極パッドが、前記第1及び第2電極パッド領域上の第1導電型半導体層上に形成されてもよい。一般に、半導体層はプラズマエッチングによって除去され、この際、その下方の金属層はエッチングダメージを被る。このような金属層上に電極パッドを形成する場合、電極パッドの接着力が悪い。これとは異なり、前記第1及び第2電極パッドがそれぞれ半導体層上に形成される場合、電極パッドの接着力が強化される。
【0058】
一方、前記発光素子の製造方法は、前記第2導電型半導体層を電気的に接続する接続金属を形成する前に、前記第1絶縁層をパターニングし、前記第1電極パッド領域上の第1導電型半導体層と前記発光セルの周囲の第1導電型半導体層を露出させる開口部を形成し、前記開口部を通して、前記第1電極パッド領域の上部の第1導電型半導体層と、前記発光セルの一つの周囲の前記第1導電型半導体層とを接続する接続金属、及び前記発光セル間で前記発光セルの周囲の第1導電型半導体層を接続する接続金属を形成し、前記第1導電型半導体層を接続する接続金属を覆う第2絶縁層を形成することをさらに含んでもよい。前記第2絶縁層は、前記反射金属層の上部及び前記第2電極パッド領域の上部にそれぞれ開口部を有する。前記第2絶縁層によって、前記第1導電半導体層に接続された接続金属が、前記第2導電型半導体層を接続する接続金属から絶縁される。
【0059】
これに加えて、前記発光素子の製造方法は、前記第2電極パッド領域の上部の第1絶縁層上に中間金属を形成することをさらに含んでもよい。この際、前記中間金属は、前記第1絶縁層の開口部を通して、前記第2電極パッド領域の上部の第1導電型半導体層に電気的に接続され、前記第2導電型半導体層を電気的に接続する接続金属は、前記第2絶縁層の開口部を通して、前記中間金属に電気的に接続される。
【0060】
また、前記発光素子の製造方法は、前記第1電極パッド領域上の第1導電型半導体層及び前記発光セルの周囲の第1導電型半導体層を互いに分離することをさらに含んでもよい。前記第1導電型半導体層を分離するとき、前記第1絶縁層が露出してもよい。金属物質のエッチングダメージを防止することができる。
【0061】
本発明のいくつかの実施例において、前記発光素子の製造方法は、前記反射金属層上に保護金属層を形成することをさらに含んでもよい。前記保護金属層は、前記反射金属層が大気に露出することを防止し、金属原子の拡散によって、反射金属層の反射率が減少することを防止する。前記保護金属層は、前記第1導電型半導体層を接続する接続金属を形成するとき、同時に形成されてもよい。
【0062】
前記犠牲基板を分離した後、前記露出した第1導電型半導体層の表面に粗面が形成されてもよい。このような粗面は、光電気化学(PEC)エッチング等を用いて形成されてもよく、内部全反射を減少させ、光取り出し効率を向上させる。
【0063】
本発明の実施例において、第1導電型半導体層はn型であってもよく、第2導電型半導体層はp型であってもよい。
【発明の効果】
【0064】
本発明によると、金属エッチング副産物が発生することを防止し、発光セル内の電気的短絡を防止することができる交流駆動型発光素子及びその製造方法を提供することができる。また、第1及び第2反射金属層を採用することにより、基板の全面にわたって基板側に向かう光を反射させることができ、前記交流駆動型発光素子の発光効率を改善することができる。さらには、配線を前記発光素子の内部に埋め込むことにより、光放出面から放出する光が配線や電極パッドにより損失することを防止することができる。また、反射金属層がエッチング工程に露出せず、また外部に露出しないので、前記反射金属層がエッチングまたは酸化により変質することを防止することができる。
【0065】
さらには、複数個の発光セルが並列接続された発光素子及びその製造方法を提供することができる。複数個の発光セルを採用するので、各発光セルに均一の電流を供給し、各発光セルの光効率を改善し、前記発光素子全体の発光効率を改善することができる。特に、本発明は、発光セルを細分して光効率を改善するので、電流拡散が困難である大面積発光素子の発光効率の改善に適合している。また、反射金属層が、下部半導体層と接続金属との間に設けられることにより、基板側に進行する光の経路を減少させることができ、よって、発光素子の内部で発生する光損失を減少させることができる。また、相対的に厚く形成可能なn型半導体層を上部半導体層として用いることができ、光放出面に粗面を形成しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】従来技術による交流駆動型発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図2】従来技術による交流駆動型発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図3】従来技術による交流駆動型発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図4】従来技術による交流駆動型発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図5】本発明の一実施例による交流駆動型発光素子を説明するための断面図である。
【図6】本発明の一実施例による交流駆動型発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図7】本発明の一実施例による交流駆動型発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図8】本発明の一実施例による交流駆動型発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図9】本発明の一実施例による交流駆動型発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図10】本発明の一実施例による交流駆動型発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図11】本発明の一実施例による交流駆動型発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図12】本発明の一実施例による交流駆動型発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図13】本発明の一実施例による交流駆動型発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図14】本発明の一実施例による発光素子を説明するための平面図である。
【図15】図14のA‐A線による断面図である。
【図16】本発明の一実施例による発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図17】本発明の一実施例による発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図18】本発明の一実施例による発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図19】本発明の一実施例による発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図20】本発明の一実施例による発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図21】本発明の一実施例による発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図22】本発明の一実施例による発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図23】本発明の一実施例による発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図24】本発明の一実施例による発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図25】本発明の一実施例による発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【図26】本発明の一実施例による発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下、添付した図面に基づき、本発明の好適な実施例について詳述する。以下に開示される実施例は、本発明の思想を当業者に十分に理解させるために、例として提供されるものである。従って、本発明は、後述する実施例に限定されず、他の形態によっても具体化され得る。なお、図面において、構成要素の幅、長さ、厚さ等は、説明の便宜のために誇張して表現されていることもある。明細書の全体にわたって、同一の参照番号は、同一の構成要素を示す。
【0068】
図5は、本発明の一実施例による交流駆動型発光素子を説明するための断面図である。
【0069】
図5を参照すると、前記発光素子は、基板151、複数個の発光セルLS1、LS2、配線139、第1反射金属層131、及び中間絶縁層141を備え、絶縁層133、保護金属層135、第1電極パッド137a、138a、及び第2電極パッド137b、138b、第2反射金属層143、保護金属層145、ボンディング金属147、149をさらに備えてもよい。
【0070】
前記基板151は、化合物半導体層を成長させるための成長基板とは異なり、既に成長された化合物半導体層にボンディングされたボンディング基板である。前記ボンディング基板151は、サファイア基板であってよいが、これに限定されるものではなく、他種の絶縁または導電性基板であってもよい。特に、成長基板としてサファイア基板を用いる場合、前記ボンディング基板151は成長基板と同一の熱膨張係数を有する。よって、前記基板151はサファイア基板であることが好ましい。
【0071】
前記複数個の発光セルLS1、LS2は、基板151の上部に互いに離隔して位置し、それぞれ第1の導電型上部半導体層125a、活性層127a、及び第2導電型下部半導体層129aを有する。前記活性層127aは、前記上部及び下部半導体層125a、129a間に設けられる。一方、前記活性層127a及び下部半導体層129aは、前記上部半導体層125aの一部領域の下部に位置する。すなわち、前記上部半導体層125aは、それぞれの前記活性層及び下部半導体層に比べてさらに広い幅を有する。
【0072】
前記活性層127a、前記上部及び下部半導体層125a、129aは、III‐N系化合物半導体、例えば、(Al、Ga、In)N系半導体で形成されてもよい。前記上部及び下部半導体層125a、129aは、それぞれ単一層または多重層であってもよい。例えば、前記上部及び/または下部半導体層125a、129aは、コンタクト層とクラッド層を有してもよく、また、超格子層を有してもよい。また、前記活性層127aは、単一量子井戸構造または多重量子井戸構造であってもよい。好ましくは、前記第1導電型はn型であり、前記第2導電型はp型である。抵抗が相対的に小さなn型半導体層で上部半導体層125aを形成することができ、上部半導体層125aの厚さを相対的に厚くすることができる。従って、前記上部半導体層125aの上部面に粗面Rを形成しやすく、粗面Rは、活性層127aから発生した光の取り出し効率を向上させる。
【0073】
前記配線139は、前記発光セルLS1、LS2を電気的に接続して直列アレイを形成する。配線139は、図示するように、発光セルLS1、LS2と基板151との間に位置し、隣接した発光セルLS1、LS2の上部半導体層125aと下部半導体層129aとを電気的に接続する。前記配線139を接続するために、前記上部及び下部半導体層125a、129a、第1電極パッド137a、138a及び第2電極パッド137b、138bが、それぞれ上部半導体層125a及び下部半導体層129aに形成されてもよい。
【0074】
前記配線139によって基板151の上部に少なくとも二つの直列アレイが形成され、これらのアレイが互いに逆並列で接続され、交流電源によって駆動される。これとは異なり、基板上において配線によって直列アレイが形成され、前記直列アレイが、前記基板上に形成されたブリッジ整流器に接続されることにより、交流電源によって駆動されてもよい。ブリッジ整流器も、配線によって発光セルを接続して形成されてもよい。
【0075】
前記絶縁層133は、前記発光セルLS1、LS2の側面を覆い、配線139が発光セルの側面に露出した半導体層に接触することを防止する。絶縁層133は、上部半導体層125aの下部面を露出させる開口部を有し、また、前記下部半導体層129aの下方に開口部を有する。前記配線139は、絶縁層133によって、前記発光セルの側面に露出した前記活性層127a及び上部半導体層125aから絶縁され、前記絶縁層133内の開口部を通して、前記上部半導体層125a及び下部半導体層129aの下部面に電気的に接続される。一方、前記絶縁層133は、前記発光セルLS1、LS2が分離された領域から配線139が露出することを防止する。
【0076】
発光セルLS1、LS2と基板151との間に中間絶縁層141が設けられ、中間絶縁層141は、前記発光セル及び配線の下方からこれらを覆う。前記中間絶縁層141は、基板151またはボンディング金属147、149によって、発光セルLS1、LS2が互いに短絡することを防止する。
【0077】
前記中間絶縁層141と各発光セルLS1、LS2との間に第1反射金属層131が設けられる。反射金属層131は、活性層127aから発生して基板151側に向かう光を反射させ、発光効率を向上させる。第1反射金属層は、反射率の大きい金属物質、例えば、銀(Ag)またはアルミニウム(Al)、またはこれらの合金で形成されてもよい。これに加えて、前記反射金属層131と前記下部半導体層129aとの間にオーミックコンタクト層(図示せず)を設けてもよい。
【0078】
また、前記反射金属層131を保護するために、保護金属層135が前記反射金属層131の下方からこれらを覆ってもよい。保護金属層135は、金属物質の拡散を防止し、また第1反射金属層131が外部に露出することを防止する。
【0079】
第1電極パッド137a、138aは、発光セルLS1、LS2の上部半導体層125aの下部面に形成される。第1電極パッドは、絶縁層133内の開口部を通して、上部半導体層125aに形成されてもよい。また、前記第1電極パッドと前記上部半導体層との間にオーミックコンタクト層(図示せず)を設けてもよい。一方、第2電極パッド137b、138bは、発光セルLS1、LS2の下部半導体層129aの下部面に形成される。前記第2電極パッド137b、138bは、反射金属層131または保護金属層135に形成されてもよい。前記配線は、前記第1及び第2電極パッドに接続され、発光セルを電気的に接続する。前記第1及び/または第2電極パッドは、省略されてもよい。
【0080】
中間絶縁層141と基板151との間に第2反射金属層143が設けられる。前記第2反射金属層143は、基板151のほぼ全面にわたって形成されてもよい。一般に、前記配線139は、ライン状に形成され、これにより、相当量の光が発光セル間の空間から基板151側に向かう。このような光の一部は、ボンディング金属147、149に吸収されて損失することもあり得る。第2反射金属層143は、発光セルLS1、LS2間の空間から基板151側に向かう光を反射させ、光損失を防止する。
【0081】
また、前記第2反射金属層143を保護するための保護金属層145が形成されてもよい。前記保護金属層135及び保護金属層145は、単一層または多重層で形成されてもよく、例えば、Ni、Ti、Ta、Pt、W、Cr、Pd等で形成されてもよい。
【0082】
また、前記基板151と前記中間絶縁層141との間にボンディング金属147、149が設けられ、前記基板151を中間絶縁層141上にボンディングさせる。前記ボンディング金属147、149は、中間絶縁層141とボンディング基板151との接着力を向上させ、ボンディング基板151が中間絶縁層141から分離することを防止する。
【0083】
図6乃至図13は、本発明の一実施例による交流駆動型発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【0084】
図6を参照すると、犠牲基板121上に化合物半導体層が形成される。犠牲基板121は、サファイア基板であってもよいが、これに限定されるものではなく、他の異種基板であってもよい。一方、化合物半導体層は、第1導電型半導体層125及び第2導電型半導体層129とこれらの間に設けられた活性層127を有する。前記第1導電型半導体層125が犠牲基板121上に近接して位置する。前記第1及び第2導電型半導体層125、129は、それぞれ単一層または多重層で形成されてもよい。また、前記活性層127は、単一量子井戸構造または多重量子井戸構造で形成されてもよい。
【0085】
前記化合物半導体層は、III‐N系化合物半導体で形成されてもよく、有機金属化学気相成長(MOCVD)法または分子線エピタキシー(MBE)法等の工程によって、犠牲基板121上に成長される。
【0086】
一方、化合物半導体層を形成する前、バッファ層(図示せず)が形成されてもよい。バッファ層は、犠牲基板121と化合物半導体層の格子不整合を緩和するために採用され、窒化ガリウムまたは窒化アルミニウム等の窒化ガリウム系物質層であってもよい。
【0087】
図7を参照すると、前記化合物半導体層をパターニングし、複数個のメサMS1、MS2を形成する。前記メサは、それぞれパターニングされた活性層127a及び第2導電型半導体層129aを含み、過度なエッチングにより、第1導電型半導体層125の一部分を含んでもよい。前記化合物半導体層は、フォトエッチング工程を用いてパターニングされてもよく、このような工程は、一般にメサエッチング工程として知られている。この際、前記メサの周囲に第2導電型半導体層129及び活性層127が除去され、前記第1導電型半導体層125が露出する。図示のように、第1導電型半導体層125が部分的にエッチングされて除去されてもよく、その結果、前記メサの側面に第1導電型半導体層125、活性層127a、及び第2導電型半導体層129aが露出する。
【0088】
図8を参照すると、前記メサMS1、MS2上に反射金属層131が形成される。前記反射金属層は、例えば、銀(Ag)またはアルミニウム(Al)、または、銀合金またはアルミニウム合金で形成されてもよい。前記反射金属層131は、めっきまたは蒸着技術を用いて形成されてもよく、例えば、リフトオフ技術を用いて形成されてもよい。一方、前記反射金属層131が、第2導電型半導体層129とオーミック接触しない場合、反射金属層131を形成する前に、オーミックコンタクト層(図示せず)が形成されてもよい。
【0089】
その後、前記メサMS1、MS2及び前記第1の導電型半導体層125の露出部を覆う絶縁層133が形成される。前記絶縁層は、例えば、SiO、SiN、MgO、TaO、TiO、またはポリマーで形成されてもよい。前記絶縁層133は、メサの側面に露出した前記第1導電型半導体層125及び前記活性層127aを覆い、また、第2導電型半導体層129aを覆ってもよい。前記絶縁層133は、反射金属層131を露出させる開口部及びメサの周囲の第1導電型半導体層125を露出させる絶縁層133aを有するようにパターニングされる。
【0090】
前記絶縁層133を形成する前に、反射金属層131を形成するものと説明しているが、絶縁層133を形成した後に、反射金属層131を形成してもよい。
【0091】
図9を参照すると、反射金属層131を覆う保護金属層135が形成される。前記保護金属層135は、絶縁層133の開口部を覆い、反射金属層131を覆ってもよい。保護金属層135は、例えば、Ni、Ti、Ta、Pt、W、Cr、Pd等で形成されてもよい。
【0092】
一方、開口部133aから露出した第1導電型半導体層125上に第1電極パッド137a、138aが形成され、前記保護金属層135上に第2電極パッド137b、138bが形成される。前記第1電極パッド137a、138aを形成する前に、オーミック金属層をさらに形成してもよい。また、保護金属層135が省略された場合、前記第2電極パッド137b、138bは、反射金属層131上に形成されてもよい。第1及び第2電極パッドは、配線の接着力を向上させるためのものであり、省略されてもよい。
【0093】
図10を参照すると、次いで、第1電極パッド137a、138aと第2電極パッド137b、138bを互いに接続する配線139が形成される。例えば、配線139は、メサMS1の周囲の第1電極パッド137aとメサMS2上の第2電極パッド138bとを互いに接続する。このような方式で、配線139は、メサ間の第1導電型半導体層125と、それに隣接したメサの一つの第2導電型半導体層129aとを電気的に接続する。
【0094】
図11を参照すると、前記配線139が形成された犠牲基板121のほぼ全面上に中間絶縁層141が形成される。中間絶縁層141は、メサの上部及び配線を覆う。次いで、前記中間絶縁層141上に第2反射金属層143が形成され、前記第2反射金属層143を覆う保護金属層145が形成される。
【0095】
前記第2反射金属層143は、例えば、銀(Ag)またはアルミニウム(Al)、または、銀合金またはアルミニウム合金で形成されてもよい。保護金属層145は、金属物質の拡散を防止し、第2反射金属層143の変性を防止する。前記保護金属層145は、単一層または多重層で形成されてもよく、例えば、Ni、Ti、Ta、Pt、W、Cr、Pd等で形成されてもよい。
【0096】
一方、前記保護金属層145上にボンディング金属147が形成され、別個の基板151上にボンディング金属149が形成される。前記ボンディング金属147は、例えば、AuSn(80/20wt%)で形成されてもよい。前記基板151は、特に限定されるものではないが、犠牲基板121と同一の熱膨張係数を有する基板であってもよく、例えば、サファイア基板であってもよい。
【0097】
図12を参照すると、前記ボンディング金属147、149を互いに対向するようにボンディングすることで、基板151が前記中間絶縁層141上にボンディングされる。次いで、前記犠牲基板121が除去され、前記第1導電型半導体層125が露出する。犠牲基板121は、レーザリフトオフ(LLO)技術または他の機械的方法や化学的方法によって分離されてもよい。この際、バッファ層も除去され、第1導電型半導体層125が露出する。図13は、犠牲基板121が除去された後、第1導電型半導体層125を上向きにして示した図である。
【0098】
さらに図5を参照すると、前記露出した第1導電型半導体層125が分離され、発光セルLS1、LS2が互いに離隔する。前記第1導電型半導体層125は、フォトエッチング工程によって分離されてもよく、この際、分離された領域に絶縁層133が露出してもよい。前記絶縁層133によって配線139が露出することが防止される。一方、前記第1導電型半導体層125は、発光セルが配線139によって直列接続されるように分離される。すなわち、各配線139によって接続された第1電極パッドと第2電極パッドとの間で、隣り合う発光セルの第1導電型半導体層125aが分離される。
【0099】
一方、前記発光セル上の第1導電型半導体層125aに光電気化学(PEC)エッチング等によって、粗面Rが形成されてもよい。以降、前記複数個の発光セルを含む交流駆動型発光素子単位で基板が分離され、単一チップの交流駆動型発光素子が完成される。
【0100】
以上、直列接続された複数個の発光セルを有する交流駆動型発光素子及びその製造方法について説明した。しかし、本発明は、交流駆動型発光素子に限定されるものではなく、直列接続された複数個の発光セルが、直流電源に接続されて用いられてもよい。一方、以下において、複数個の発光セルが並列接続された発光素子が説明される。
【0101】
図14は、本発明の一実施例による複数個の発光セルが並列接続された発光素子を説明するための平面図であり、図15は、図14のA‐A線による断面図である。
【0102】
図14及び図15を参照すると、前記発光素子は、基板251、複数個の発光セルLS1、LS2、LS3、接続金属237、反射金属層229、第1及び第2電極パッド245a、245bを備え、第1及び第2絶縁層231、235、保護金属層233c、接続金属233a、及び中間金属233b、ボンディング金属241、243を備えてもよい。
【0103】
前記基板251は、化合物半導体層を成長させるための成長基板とは異なり、既に成長された化合物半導体層にボンディングされたボンディング基板である。前記ボンディング基板251は、サファイア基板であってもよいが、これに限定されるものではなく、他種の絶縁または導電基板であってもよい。
【0104】
前記複数個の発光セルLS1、LS2、LS3は、基板251の上部に位置し、それぞれ第1導電型上部半導体層223a、活性層225a、及び第2導電型下部半導体層227aを有する。前記活性層225aは、前記上部及び下部半導体層223a、227a間に設けられる。一方、前記活性層225a、前記上部及び下部半導体層223a、227aは、III‐N系化合物半導体、例えば、(Al、Ga、In)N系半導体で形成されてもよい。前記上部及び下部半導体層223a、227aは、それぞれ単一層または多重層であってもよい。例えば、前記上部及び/または下部半導体層223a、227aは、コンタクト層とクラッド層とを有してもよく、また、超格子層を有してもよい。また、前記活性層225aは、単一量子井戸構造または多重量子井戸構造であってもよい。好ましくは、前記第1の導電型はn型であり、前記第2導電型はp型である。抵抗が相対的に小さなn型半導体層で上部半導体層223aを形成することができ、上部半導体層223aの厚さを相対的に厚くすることができる。従って、前記上部半導体層223aの上部面に粗面Rを形成しやすく、粗面Rは、活性層225aから発生した光の取り出し効率を向上させる。
【0105】
前記上部半導体層223aは、前記発光セルLS1、LS2、LS3の領域、すなわち、活性層225aの領域よりも広い幅を有する。すなわち、上部半導体層223aは、それぞれ発光セルLS1、LS2、LS3の周囲に延長部を有する。このような延長部は、前記上部半導体層223aを電気的に接続するのに用いられる。前記延長部は、互いに接続されて連続的であってもよいが、図示のように、互いに分離されていることが好ましい。
【0106】
接続金属237は、基板251と前記発光セルLS1、LS2、LS3との間に位置し、前記下部半導体層227aを互いに電気的に接続する。一方、接続金属237は、第1絶縁層231及び/または第2絶縁層235によって、前記活性層225a及び第1導電型上部半導体層223aから絶縁される。接続金属237は、相対的に厚く形成され、平らな下部面をなしている。接続金属237は、単層構造または多層構造で形成されてもよく、例えば、Ni、Ti、Ta、Pt、W、Cr、Pd等で形成されてもよい。接続金属237と基板251との間にボンディング金属241、243が設けられ、これらのボンディング金属によって、基板251が接続金属237にボンディングされる。
【0107】
一方、反射金属層229が、前記接続金属237と下部半導体層227aとの間に設けられてもよい。反射金属層229は、反射率の高い金属物質、例えば、銀(Ag)またはアルミニウム(Al)、または、これらの合金で形成されてもよい。反射金属層229は、前記下部半導体層227aの下部面の一部領域上に形成されることが好ましい。これに加えて、前記反射金属層229と前記下部半導体層227aとの間にオーミックコンタクト層(図示せず)が設けられてもよい。
【0108】
また、前記反射金属層229と接続金属237との間に保護金属層233cが設けられてもよい。前記保護金属層233cは、反射金属層229を覆い、金属物質の拡散を防止し、かつ前記反射金属層229が外部に露出することを防止する。接続金属237が保護金属層233cの役割を果たしてもよく、この場合、前記保護金属層233cは省略されてもよい。また、接続金属237が反射金属層を有してもよく、この場合、反射金属層229は省略されてもよい。
【0109】
第1電極パッド245aは、発光セルの光放出面から離隔して配置される。第1電極パッド245aは、前記上部半導体層223aに電気的に接続される。例えば、前記発光セルの上部半導体層223aが互いに連続的である場合、前記第1電極パッドは、上部半導体層223aの周縁に形成され、前記上部半導体層223aに電気的に接続されてもよい。また、前記上部半導体層223aが互いに分離された場合、前記上部半導体層223aは、接続金属233aによって互いに電気的に接続され、第1電極パッド245aは、一つの接続金属233aに接続され、前記上部半導体層223aに電気的に接続されてもよい。さらには、第1導電型半導体層の第1分離層223bが前記上部半導体層223aから離隔して位置され、前記第1電極パッド245aは、前記第1分離層223b上に形成されてもよい。第1分離層223bが、接続金属233aを介して上部半導体層223aに電気的に接続される。
【0110】
一方、第2電極パッド245bは、前記発光セルLS1、LS2、LS3から離隔し、前記下部半導体層227aを電気的に接続する接続金属237に電気的に接続される。第2電極パッド245bは、接続金属237上に直接配置されてもよい。また、図示するように、第2電極パッド245bは、第1導電型半導体の第2分離層223c上に形成されてもよく、また中間金属233bを介して前記接続金属237に電気的に接続されてもよい。
【0111】
前記第1及び第2分離層223b、223cは、上部半導体層223aのような導電型である第1導電型半導体で形成され、発光セルLS1、LS2、LS3等から離隔して位置する。前記第1及び第2分離層223b、223cは、発光素子の周縁または角に位置することが好ましく、それぞれ複数個配置されてもよい。
【0112】
前記分離層223b、223cは、上部半導体層223aと同時に成長した後、上部半導体層223aから分離されて形成されてもよい。従って、前記分離層223b、223cは、前記上部半導体層223aと同一平面上に位置してもよく、上部半導体層223aと同一の材料であってもよい。
【0113】
前記接続金属233aは、前記第1分離層223bと発光セルLS1の上部半導体層223aの延長部とを接続し、また隣り合う発光セルLS1、LS2、LS3の上部半導体層223aを互いに接続する。これにより、前記第1分離層223b及び上部半導体層223aが互いに分離された場合も、これらが接続金属233aによって互いに電気的に接続される。前記接続金属233aは、第1絶縁層231によって発光セルの側壁から離隔し、これにより、活性層225a及び下部半導体層227aから絶縁される。また、前記接続金属233aは、第2絶縁層235によって接続金属237から絶縁される。
【0114】
一方、中間金属233bは、接続金属237と第2分離層223cとの間に設けられ、前記第2分離層223cに接続される。すなわち、前記第2分離層223cは、中間金属233bを介して前記接続金属237に電気的に接続される。一方、中間金属233bは、第1絶縁層231によって上部半導体層223aから絶縁される。中間金属233b及び保護金属層233cは、接続金属233aと同時に形成されてもよい。
【0115】
第1絶縁層231は、接続金属233a、中間金属233b、及び接続金属237が、発光セルLS1、LS2、LS3の側壁に接触され、上部半導体層223aと下部半導体層227aとの間に電気的短絡を引き起こすことを防止する。第1絶縁層231は、発光セルの側面を覆い、延長されて下部半導体層227aの下部面の一部を覆ってもよい。また、第1絶縁層231は、反射金属層229の周縁を覆ってもよい。
【0116】
前記第1絶縁層231は、第1及び第2分離層223b、223cの下部面を露出させる開口部を有し、また、前記発光セルLS1、LS2、LS3の延長部を露出させる開口部を有する。前記接続金属233aは、第1絶縁層231の開口部を通して、上部半導体層223aに接続される。一方、第1絶縁層231は、分離層223b、223cと前記上部半導体層との間に位置し、接続金属233a及び中間金属233bが外部に露出することを防止することができる。さらには、前記上部半導体層223aが互いに分離される場合、前記第1絶縁層231は、上部半導体層223a間に位置し、発光セル間の接続金属233aが外部に露出することを防止することができる。
【0117】
第2絶縁層235は、接続金属233aと接続金属237との間に設けられ、これらを絶縁させる。前記第2絶縁層235は、発光セルの側壁を覆う第1絶縁層231を覆ってもよい。一方、前記第2絶縁層235は、中間金属233bを露出させる開口部を有し、これにより、接続金属237は、前記第2絶縁層235を介して中間金属233bに接続される。また、前記第2絶縁層235は、前記下部半導体層の下方に開口部を有し、これにより、接続金属237は、第2絶縁層235を介して下部半導体層227a、またはその下方に位置する反射金属層229または保護金属層233cに接続される。
【0118】
前記第1及び第2絶縁層231、235の材料は、特に限定されていないが、光透過性絶縁材料で形成されることが好ましく、例えば、SiO、SiN、MgO、TaO、TiO、またはポリマーで形成されてもよい。
【0119】
ボンディング金属241、243は、ボンディング基板251と接続金属237との間に設けられる。ボンディング金属241、243は、接続金属237とボンディング基板251との接着力を向上させ、ボンディング基板251が接続金属237から分離されることを防止する。
【0120】
一方、第1分離層223b上に第1電極パッド245aが形成され、第2分離層223c上に第2電極パッド245bが形成される。第1電極パッド245aと同様に、前記第2電極パッド245bが第2分離層223c上に形成されるので、第2電極パッド245bの接着力が向上する。また、前記第1電極パッド245aと第2電極パッド245bは、同一の金属材料で形成されてもよい。
【0121】
第1及び第2電極パッド245a、245bには、ワイヤがボンディングされており、これを介して発光セルに電流が供給され、複数個の発光セルLS1、LS2、LS3の活性層225aから光が発生する。
【0122】
図16乃至図26は、本発明の一実施例による発光素子の製造方法を説明するための断面図である。
【0123】
図16を参照すると、図6を参照して説明したように、犠牲基板221上に化合物半導体層が形成される。前記化合物半導体層は、第1導電型半導体層223及び第2導電型半導体層227と、これらの間に設けられた活性層225を有する。前記第1導電型半導体層223が、犠牲基板221側に近づけて位置する。前記犠牲基板221は、図14の第1及び第2電極パッド245a、245bに対応する第1及び第2電極パッド領域を有し、また、発光セルLS1、LS2、LS3に対応する発光セル領域を有する。
【0124】
図17を参照すると、前記化合物半導体層をパターニングし、複数個の発光セルLS1、LS2、LS3を形成する。前記発光セルは、それぞれ、第1導電型半導体層223と、パターニングされた活性層225a及び第2導電型半導体層227aを有する。前記化合物半導体層は、フォトエッチング工程を用いてパターニングされてもよく、このような工程は、一般に知られたメサエッチング工程に類似する。この際、前記発光セルの周囲の第2導電型半導体層227及び活性層225が除去され、前記第1導電型半導体層223が露出する。図示のように、前記第1導電型半導体層223も部分的にエッチングされ除去されてもよい。その結果、前記発光セルの側面に第1導電型半導体層223、活性層225a、及び第2導電型半導体層227aが露出する。一方、第1及び第2電極パッド領域上の活性層及び第2導電型半導体層も除去され、これにより、これらの領域上に第1導電型半導体層が露出する。
【0125】
図18を参照すると、前記発光セル上に反射金属層229が形成される。前記反射金属層は、例えば、銀(Ag)またはアルミニウム(Al)、または、銀合金またはアルミニウム合金で形成されてもよい。前記反射金属層229は、めっきまたは蒸着技術を用いて形成されてもよく、例えば、リフトオフ技術を用いて形成されてもよい。一方、反射金属層229が、第2導電型半導体層227aとオーミック接触しない場合、反射金属層229を形成する前に、オーミックコンタクト層(図示せず)が形成されてもよい。
【0126】
その後、前記発光セルLS1、LS2、LS3及び前記第1導電型半導体層223の露出部を覆う第1絶縁層231が形成される。前記第1絶縁層は、例えば、SiO、SiN、MgO、TaO、TiO、またはポリマーで形成されてもよい。前記第1絶縁層231は、発光セルの側面に露出した前記第1導電型半導体層223及び前記活性層225aを覆い、また、第2導電型半導体層227aを覆ってもよい。前記第1絶縁層231は、反射金属層229を露出させる開口部を有するようにパターニングされる。
【0127】
前記第1絶縁層231を形成する前に、反射金属層229を形成するものと説明しているが、第1絶縁層231を形成した後に、反射金属層229を形成してもよい。
【0128】
図19を参照すると、前記第1絶縁層231はまた、第1電極パッド領域上の第1導電型半導体層と発光セルの周囲の第1導電型半導体層を露出させる開口部231aを有するようにパターニングされる。この際、前記第2電極パッド領域上の第1導電型半導体層を露出させる開口部231bは開口部231aと同時に形成されてもよい。前記パターニング工程は、反射金属層229を露出させる開口部を形成するとき、同時に行われてもよい。
【0129】
前記開口部231aは、第1絶縁層231を挟んで対をなしてもよい。すなわち、第1電極パッド領域上の第1導電型半導体層223を露出させる開口部と、それに隣接した発光セルLS1の周囲の第1導電型半導体層223を露出させる開口部が同時に形成される。また、発光セルLS1と発光セルLS2との間では、発光セルLS1の周囲の第1導電型半導体層を露出させる開口部と、発光セルLS2の周囲に第1導電型半導体層を露出させる開口部が、同時に形成される。発光セルLS2と発光セルLS3との間においても同様である。これとは異なり、開口部231bは、それに隣接した発光セルLS3の周囲の第1導電型半導体層223を露出させない。
【0130】
図20を参照すると、次いで、前記開口部231aを通して第1導電型半導体層223に接続される接続金属233a、及び開口部231bを通して第1導電型半導体層に接続された中間金属233bが形成される。この際、前記反射金属層229を覆う保護金属層233cは、前記接続金属233a及び中間金属233bと同時に形成されてもよい。前記接続金属233a及び中間金属233bは、第1絶縁層231によって発光セルの側壁から離隔する。
【0131】
前記中間金属233b及び保護金属層233cは、省略されてもよい。また、前記中間金属233bが省略される場合、前記開口部231bは、開口部231aと同時に形成される必要がなく、以降の工程で形成されてもよい。
【0132】
図21を参照すると、前記接続金属233aを覆う第2絶縁層235が形成される。前記第2絶縁層235は、接続金属233aが形成された基板のほぼ全面上に蒸着され、接続金属233aのみならず、発光セル及び中間金属235aを覆うことができる。その後、前記第2絶縁層235がパターニングされ、保護金属層233c及び中間金属233bを露出させる開口部が形成される。
【0133】
図22を参照すると、前記第2絶縁層235上に接続金属237が形成される。前記接続金属237は、犠牲基板221の全面の上部に形成されてもよく、第2絶縁層235の開口部を通して、保護金属層233cに接続され、かつ中間金属233bに接続される。前記接続金属237によって第2導電型半導体層227aが互いに電気的に接続される。前記接続金属237は、単一層または多重層で形成されてもよく、例えば、Ni、Ti、Ta、Pt、W、Cr、Pd等で形成されてもよい。また、前記接続金属237は、反射金属層及び/または保護金属層を含んでもよく、この場合、前記反射金属層229及び/または保護金属層233cを形成する工程は、省略されてもよい。
【0134】
図23を参照すると、前記接続金属237上にボンディング金属241が形成されてもよい。前記ボンディング金属241は、例えば、AuSn(80/20wt%)で約15,000Å(1500nm)の厚さで形成されてもよい。また、ボンディング金属243が基板251上に形成されてもよく、前記ボンディング金属241、243を対向するようにボンディングすることにより、基板251が前記接続金属237上にボンディングされる。前記基板251は、特に限定されるものではないが、犠牲基板221と同一の熱膨張係数を有する基板であってもよく、例えば、サファイア基板であってもよい。
【0135】
図24を参照すると、前記犠牲基板221が除去され、前記第1導電型半導体層223が露出する。犠牲基板221は、レーザリフトオフ(LLO)技術または他の機械的方法や化学的方法によって分離されてもよい。この際、バッファ層も除去され、第1導電型半導体層223が露出する。図25は、犠牲基板221が除去された後、第1導電型半導体層223を上向きにして示した図である。説明の便宜上、第1電極パッド領域及び第2電極パッド領域が、図24と同一の方向に位置するものとして示した。
【0136】
図26を参照すると、前記露出した第1導電型半導体層223をパターニングし、第1及び第2電極パッド領域上に、第1及び第2分離層223b、223cを形成し、また互いに分離された第1導電型半導体層223aを形成する。この際、第1導電型半導体層223が除去される位置に第1絶縁層231が露出してもよく、これにより、接続金属233a及び中間金属233bが外部に露出することを防止することができる。
【0137】
さらに図15を参照すると、前記第1分離層223b上に第1電極パッド245aが形成され、第2分離層223c上に第2電極パッド245bが形成される。前記電極パッド245a、245bは、互いに同一の材料で形成されてもよい。一方、前記発光セル上の第1導電型半導体層223aに、光電気化学(PEC)エッチング等によって、粗面Rが形成されてもよい。以降、前記複数個の発光セルを有する単一チップに分離され、発光素子が完成する。
【0138】
本実施例において、第1電極パッド領域上に分離層223bが形成されるものと説明しているが、第1電極パッド領域上の第1導電型半導体層は、発光セルLS1の第1導電型半導体層から分離されなくてもよい。また、前記発光セルの第1導電型半導体層223aは、互いに分離されず、連続的であってもよい。
【0139】
以上、本発明についていくつかの実施例を挙げて説明したが、本発明は、上述した実施例に限定されず、当業者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、様々な変形及び変更が可能である。このような変形及び変更は、特許請求の範囲で定義される本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0140】
125a 第1導電型上部半導体層
127a 活性層
129a 第2導電型下部半導体層
131 第1反射金属層
133 絶縁層
135 保護金属層
137a 第1電極パッド
137b 第2電極パッド
138a 第1電極パッド
138b 第2電極パッド
139 配線
141 中間絶縁層
143 第2反射金属層
145 保護金属層
147 ボンディング金属
149 ボンディング金属
151 基板
LS1、LS2 発光セル
R 粗面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
第1電極と、
前記基板の上に配置された第1導電型窒化物半導体層と、
前記第1導電型窒化物半導体層の上に配置され、第1の面に粗面を備えた第2導電型窒化物半導体層と、
前記第1導電型窒化物半導体層と前記第2導電型窒化物半導体層との間に配置された活性層と、
前記第1導電型窒化物半導体層と前記基板との間に配置され、前記第1導電型窒化物半導体層の一部に接触する反射金属層と、
前記反射金属層と前記基板との間に配置され、前記反射金属層の一部を覆う保護金属層と、
前記第1導電型窒化物半導体層の一部と前記保護金属層の一部とを覆う第1絶縁層と、
前記保護金属層と前記第1電極と電気的に接続する第1接続金属と、
前記基板と前記第1導電型窒化物半導体層との間に配置されたボンディング金属と、
を備え、
前記第1電極は前記第2導電型窒化物半導体層の粗面が形成された第1の面と同じ前記基板の側にあることを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記第1絶縁層は前記第2導電型窒化物半導体層の第2の面に接触し、前記第2の面は前記第2導電型窒化物半導体層の前記粗面が形成された第1の面の反対側にあることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記第1絶縁層は前記第2導電型窒化物半導体層の複数の離隔した第2の面に接触することを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
【請求項4】
複数の前記第2導電型窒化物半導体層に並列に接続される第2接続金属をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項5】
前記第1絶縁層は前記活性層の側面を覆うことを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項6】
前記第1絶縁層は、前記活性層の下に直接配置されない前記基板の一部に配置されることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項7】
前記第1接続金属と前記ボンディング金属とは、前記第1導電型窒化物半導体層と前記基板との間の領域を充填することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項8】
前記第1絶縁層と前記ボンディング金属との間に配置された第2絶縁層をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項9】
前記保護金属層は前記第1絶縁層と前記第2絶縁層との間に配置されることを特徴とする請求項8に記載の発光装置。
【請求項10】
前記第2絶縁層は、前記活性層の下に直接配置されない前記第1接続金属の一部を覆うことを特徴とする請求項8に記載の発光装置。
【請求項11】
前記第2導電型窒化物半導体層は、前記粗面が形成された第1の面よりも深いエッチング部を備えることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項12】
前記第2導電型窒化物半導体層は、第1の高さを備える第1の光放出構造と、第2の高さを備える第2の光放出構造と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項13】
前記第2の高さは前記第1の高さより大きいことを特徴とする請求項12に記載の発光装置。
【請求項14】
前記第2の光放出構造は前記第1絶縁層を露出することを特徴とする請求項12に記載の発光装置。
【請求項15】
前記基板の上に配置されたメサエッチング構造をさらに備え、前記メサエッチング構造は前記第2導電型窒化物半導体層の前記粗面が形成された第1の面の反対側にあることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項16】
前記メサエッチング構造は前記第1絶縁層の上に配置されることを特徴とする請求項15に記載の発光装置。
【請求項17】
前記第1絶縁層は、前記保護金属層に直接接触する前記第1導電型窒化物半導体層の一部に隣接して配置されることを特徴とする請求項15に記載の発光装置。
【請求項18】
第1の反射金属層は、前記保護金属層に直接接触する前記第1導電型窒化物半導体層の一部に隣接して配置されることを特徴とする請求項17に記載の発光装置。
【請求項19】
第2絶縁層をさらに備え、前記保護金属層の一部と前記第1絶縁層とは、前記第2絶縁層の上に配置されることを特徴とする請求項18に記載の発光装置。
【請求項20】
導電層をさらに備え、前記メサエッチング構造は前記導電層の上に配置されることを特徴とする請求項15に記載の発光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2013−16875(P2013−16875A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−235992(P2012−235992)
【出願日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【分割の表示】特願2009−224120(P2009−224120)の分割
【原出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【出願人】(506029004)ソウル オプト デバイス カンパニー リミテッド (101)
【Fターム(参考)】