説明

発光部材及びこれを備えた照明装置

【課題】非発光領域を低減しながらも長尺化を図り得る発光部材及びこれを備えた照明装置を提供する。
【解決手段】発光部材1は、発光素子24を表面21側に有した基板20と、前記基板の裏面22が厚さ方向両側に対面配置される基板取付壁部31を有し、該基板を保持する基板ベース30と、前記基板ベースに保持された前記基板の発光素子からの光が入射される入射面13を長手方向一端部11に有するとともに、該入射面からの光を出射する出射面14を長手方向に交差する側面部に有し、かつ、前記基板取付壁部の厚さ方向に長手方向を沿わせて配設される棒状導光体10と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板に設けられた発光素子からの光を出射する出射面を長手方向側面部に有した導光体を備えた発光部材及びこれを備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、発光素子を有した基板と、この基板の発光素子からの光を長手方向一端部の入射面から入射させ、この入射した光を長手方向に交差する側面部の出射面から出射させる導光体とを備えた、いわゆるエッジライト型のライン状照明装置が提案されている。例えば、下記特許文献1では、LED導光管の長手方向両端部に、LEDランプをそれぞれ配置したLED式照明が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−258124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したようなエッジライト型のライン状照明装置では、導光体による導光ロスや発光素子遠方側等における出射面の発光不足、LED等の発光素子自体の光量不足等により、長尺にし難いという問題があった。長尺にするためには、複数のライン状照明装置乃至は発光ユニット等を長手方向に連結することも考えられるが、このようなものでは連結部位において発光しない範囲が比較的に大きくなるという問題があった。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、非発光領域を低減しながらも長尺化を図り得る発光部材及びこれを備えた照明装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係る発光部材は、発光素子を表面側に有した基板と、前記基板の裏面が厚さ方向両側に対面配置される基板取付壁部を有し、該基板を保持する基板ベースと、前記基板ベースに保持された前記基板の発光素子からの光が入射される入射面を長手方向一端部に有するとともに、該入射面からの光を出射する出射面を長手方向に交差する側面部に有し、かつ、前記基板取付壁部の厚さ方向に長手方向を沿わせて配設される棒状導光体と、を備えていることを特徴とする。
【0007】
本発明においては、前記基板の裏面に、厚さ方向に圧縮変形し得る伝熱シートを貼着する一方、前記基板ベースの前記基板取付壁部の厚さ方向両側に、前記伝熱シートの圧縮変形を伴いスライド挿入される前記基板を前記基板取付壁部とによってガイドするとともに、スライド挿入された前記基板を前記基板取付壁部とによって挟むように保持するガイド保持部をそれぞれに設けてもよい。
また、本発明においては、前記基板ベースに、前記棒状導光体の出射方向反対側の前記基板取付壁部の側端部から該基板取付壁部の厚さ方向両側にそれぞれ延出するように形成され、かつ、取付対象に当接される当接片部を設けてもよい。
また、本発明においては、前記棒状導光体を、長手方向両端部に前記入射面を有したものとしてもよい。
【0008】
また、上記目的を達成するために、本発明に係る照明装置は、本発明に係る発光部材と、この発光部材を収容する本体ケーシングとを備え、この本体ケーシング内に、前記棒状導光体を長手方向に直列させるように配設するとともに、これら複数の棒状導光体間に、前記基板取付壁部の両側のそれぞれに前記基板を保持させた前記基板ベースを配設したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明に係る発光部材及びこれを備えた照明装置は、上述のような構成としたことで、非発光領域を低減しながらも長尺化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】(a)〜(c)は、いずれも本発明の一実施形態に係る発光部材を備えた照明装置の一例を模式的に示し、(a)は、概略底面図、(b)は、図2(a)におけるX−X線矢視に対応させた一部省略概略横断面図、(c)は、(b)におけるZ1部に対応させた一部破断概略拡大横断面図である。
【図2】(a)、(b)は、いずれも同照明装置を設置対象に設置した状態を模式的に示し、(a)は、概略正面図、(b)は、概略側面図である。
【図3】(a)は、図1(a)におけるY1−Y1線矢視に対応させた概略縦断面図、(b)は、図1(a)におけるY2−Y2線矢視に対応させた概略縦断面図、(c)は、図1(a)におけるZ2部に対応させた一部省略概略拡大分解底面図である。
【図4】(a)、(b)は、いずれも同発光部材が備える棒状導光体の一例を模式的に示し、(a)は、概略正面図、(b)は、概略斜視図である。
【図5】(a)〜(d)は、いずれも同発光部材が備える基板及び基板ベースの一例を模式的に示し、(a)は、概略分解側面図、(b)、(c)は、概略分解斜視図、(d)は、概略斜視図である。
【図6】(a)、(b)は、いずれも同照明装置の組み付け手順の一例を模式的に示し、それぞれ図3(a)に対応させた概略縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。
なお、一部の図では、他図に付している詳細な符号の一部を省略している。
また、図6では、基板及び基板ベース(基板ケース)を破断せずに図示している。
また、以下の実施形態では、照明装置を設置対象に設置した図2に示す状態を基準として、上下、左右、前後方向等を原則的に説明する。
【0012】
図1〜図6は、本実施形態に係る発光部材及びこれを備えた照明装置の一例について説明するための概念的な説明図である。
本実施形態に係る照明装置3は、図1に示すように、複数の発光部材としての発光ブロック1と、これら複数の発光ブロック1を収容する本体ケーシング2とを備えている。
本実施形態では、図2に示すように、照明装置3を、厨房装置4に設置した例を示している。この厨房装置4は、シンクや加熱調理器、天板(ワークトップ)、複数の収納部(キャビネット)等を有し、床側に設置されるフロアーユニット5と、複数の収納部としての吊戸棚を有し、フロアーユニット5の上方側に配設されるウォールユニット6とを備えている。
【0013】
図例では、フロアーユニット5が備えるコンロ(加熱調理器)調理台の上方側を除いて、フロアーユニット5の上方側にウォールユニット6を配設した例を示している。
本実施形態では、このウォールユニット6に照明装置3を設置しており、図2(a)に示すように、照明装置3の長さ寸法を、ウォールユニット6の左右方向(幅方向、間口方向)の寸法と略同寸法とした例を示している。また、照明装置3を、図2(b)に示すように、ウォールユニット6が備える吊戸棚の底板の前端部下面に固定した例を示している。なお、ウォールユニット6の吊戸棚の底板等に、照明装置3への給電用の電源コードなどが挿通される配線孔を設け、天井裏や壁体内部等、吊戸棚内、該配線孔を介して照明装置3に接続される電源コードなどを配線するようにしてもよい。
【0014】
発光ブロック1は、図1(c)に示すように、発光素子としてのLED(発光ダイオード)24を有した基板20と、この基板20のLED24からの光を出射(照射)する棒状導光体10と、基板20を保持する基板ベースとしての基板ケース30とを備えている。
本実施形態では、長尺棒状に形成された棒状導光体10の長手方向両端部11,11のそれぞれにLED24を有した基板20を配設した発光ブロック1を例示している。また、本実施形態では、長手方向両端部11,11のそれぞれに基板20を配設した複数本(図例では4本)の棒状導光体10を長手方向に直列させるように、複数(図例では4つ)の発光ブロック1を本体ケーシング2内に配設している(図1(b)参照)。また、これら複数本の棒状導光体10間及び当該照明装置3の長手方向両端部側に位置する各棒状導光体10の長手方向外方側の端部11,11のそれぞれに基板ケース30を配設した例を示している(図1(b)参照)。
【0015】
棒状導光体10は、図1(c)及び図4に示すように、長尺棒状とされ、長手方向両端部11,11のそれぞれにLED24に対向配置される入射面13,13を有している。本実施形態では、図1(c)及び図4(b)に示すように、棒状導光体10の長手方向両端部11,11に、長手方向外方側に向けて先細り状で、かつ外周面が凸湾曲形状とされたレンズ状部を設けている。また、このレンズ状部に、長手方向外方側に向けて開口し、LED24を受け入れる略円柱形状の凹部を設けており、該凹部の底面及び内周側面を入射面13としている。このような構成によれば、LED24から出射された光を効率的に長手方向中心側に向けて入射させることができる。なお、入射面13としては、このようなレンズ状部に凹部を設けた態様に限られず、LED24が対向配置される略平坦面としてもよい。
【0016】
また、棒状導光体10は、これら入射面13,13に略交差する長手方向の一側面部に、入射面13,13からの光を出射する出射面14を有し、この出射面14の反対側で入射面13,13に略交差する長手方向の他側面部に、反射面15を有している。また、入射面13,13に略交差する残余の長手方向両側面は、反射側面17,17とされている。
この棒状導光体10は、各入射面13,13から入射された光を、反射面15や反射側面17,17によって反射させ、長手方向に沿って導光しながら、出射面14から出射する、いわゆるエッジライト方式の構造とされている。図例では、下方側に向けて光を出射するように、出射面14を下側に配置した例を示している(図3(b)参照)。
【0017】
出射面14は、本実施形態では、長手方向に沿う所定線を円心とするような略円弧形状(凸湾曲面形状)とされている(図3(b)参照)。出射面14をこのような凸湾曲面形状とすることで、出射面14から出射される光の反射側面17,17対向方向(前後方向)への拡散を低減することができる。なお、出射面14をこのような凸湾曲面形状とせずに、略平坦面としてもよい。
この出射面14の反対側、つまり、上側に配置され、出射面14と略平行となるように設けられた反射面15は、図4(a)、(b)に示すように、長手方向中心に向かうに従って出射面14に向けて傾斜する傾斜面とされている。反射面15をこのような構成とすることで、入射面13から入射された光を、長手方向に沿って比較的に均一に出射面14から出射させることができる。なお、反射面15をこのような傾斜面とせずに、略同一平面状としてもよい。
【0018】
また、反射面15には、導光される光を出射面14側に向けて反射する反射パターン16が形成されている。本実施形態では、この反射パターン16を、図4(a)、(b)に示すように、多数のプリズム状の反射凹溝16によって形成している。これら反射凹溝16は、当該棒状導光体10の長手方向に直交する方向(反射側面17,17対向方向)に沿って形成されるとともに、長手方向に沿って間隔を空けて設けられている。つまり、これら反射凹溝16は、入射面13,13(図例では凹部底面)と平行な方向に沿って形成されるとともに、互いに平行に設けられている。これら反射凹溝16は、長手方向中心線を挟んで略対称状に設けるようにしてもよい。つまり、長手方向中心線を対称軸として、略線対称状にこれら反射凹溝16を設けるようにしてもよい。また、これら反射凹溝16の形状は、出射面14から出射される光の所望される配光パターンに応じて適宜、設定可能であり、略V字形状や、略逆二等辺三角形状、その他の逆三角形状、略逆台形状などとしてもよい。
【0019】
反射面15の反射パターンを反射凹溝16によって構成することで、例えば、白色インク等を塗布して散乱ドットパターンを形成したり、拡散板や反射板等の別部材によって反射パターンを構成したりするものと比べて製造が比較的に容易であり、簡易な構造とできる。また、反射凹溝16を、当該棒状導光体10の長手方向に直交する方向(反射側面17,17対向方向)に沿って形成しているので、反射側面17,17対向方向への光の拡散を抑制することができる。
なお、反射凹溝16を長手方向に沿って間隔を空けて設けるピッチは、長手方向に沿って略同一ピッチとしてもよい。または、長手方向に沿って比較的に均一に出射面14から光を出射させ得るように、長手方向中心に向かうに従って密となるように反射凹溝16を設けるような態様としてもよい。さらに、反射パターンを反射凹溝16によって形成する態様に代えて、白色インク等を塗布して形成された散乱ドットパターンや、拡散板、反射板等の別部材によって反射パターンを構成するような態様としてもよい。
【0020】
反射側面17,17は、反射面15から出射面14に向けて拡開するように傾斜状(テーパ状)に形成してもよい。反射側面17,17をこのような構成とすることで、反射面15において反射して拡散して出射面14に向かう拡散光を、出射面14に向けて反射させることができる。つまり、反射側面17,17対向方向への光の拡散をより効果的に抑制することができる。なお、このような態様に代えて、反射面15及び出射面14の幅寸法(反射側面17,17対向方向に沿う寸法)を略同一とし、反射側面17,17を互いに略平行な平坦面としてもよい。
【0021】
また、本実施形態では、棒状導光体10の長手方向両端部11,11のそれぞれに、後記する基板20の係合部23に係合する係合部12を設けている。
棒状導光体10の係合部12は、本実施形態では、図1(c)及び図4に示すように、長手方向に沿って突出し、二股状に形成された一対の係合突起部12,12からなる。これら係合突起部12,12は、一方の反射側面17の長手端部に付設されるように設けられている。
なお、棒状導光体10は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透光性乃至は透明の樹脂系材料や透明ガラス等の屈折率の高い材料から一体的に形成するようにしてもよい。
【0022】
基板20は、図1(c)及び図5に示すように、薄平板状とされており、この基板20の表面21側(棒状導光体10側)には、光源となる発光素子としてのLED24やコネクター25などの電子部品が実装されている。図例では、略長方形状とされた基板20を長手方向に略二分した一方の部位(前側部位)にLED24を設け、他方の部位(後側部位)にコネクター25を設けた例を示している。
また、基板20は、上記した棒状導光体10の係合部12,12に係合する係合部23,23を備えている。これら係合部23,23は、図3(b)及び図6(b)に示すように、棒状導光体10の係合突起部12,12に対応させて、基板20の前側部位の前端部に形成されている。
なお、LED24としては、図例のような発光素子(LED素子)を樹脂等で封止した砲弾型のものに限られず、チップ形状等、他の形状とされたものとしてもよく、表面実装型のものを採用するようにしてもよい。また、基板20は、当該基板20に実装される各種電子部品等からの伝熱性を向上させ、放熱性を向上させる観点等からアルミニウム等の金属系材料から形成されたものとしてもよく、絶縁層等を積層した多層構造としてもよい。
【0023】
基板20の裏面22側には、図1(c)及び図5に示すように、伝熱(放熱)シート26が積層されるようにして貼着されている。この伝熱シート26としては、熱伝導性の良いシリコーンゲル等のゲルシートやシリコーンシート、その他の樹脂シートを採用するようにしてもよい。本実施形態では、少なくとも厚さ方向に圧縮変形(弾性変形)し得る樹脂シートを採用している。
【0024】
基板ケース30は、図1(c)及び図5に示すように、基板20の裏面22が厚さ方向両側に対面配置される基板取付壁部31を有し、この基板取付壁部31の厚さ方向両側のそれぞれに基板20,20を保持し得る構造とされている。つまり、基板ケース30は、二つの基板20,20を、背中合わせのような状態で保持可能な構成とされている。
基板取付壁部31の厚さ方向両側面は、棒状導光体10の長手方向に沿う方向に向いて配設される。つまり、棒状導光体10は、基板取付壁部31の厚さ方向に長手方向を沿わせて配設される。
【0025】
また、基板ケース30には、当該基板ケース30の取付対象としての後記する本体ケーシング2(固定ケース部50)に当接される当接片部36,36が設けられている。
当接片部36,36は、棒状導光体10の出射方向反対側(図例では、上方側)の基板取付壁部31の側端部からこの基板取付壁部31の厚さ方向両側にそれぞれ延出するように形成されている。つまり、これら当接片部36,36は、棒状導光体10の反射面15側に配置される。また、これら当接片部36,36には、基板20の一側部(図例では、上側部)が当接される。
このような当接片部36,36を基板ケース30に設けることで、基板20の熱を基板取付壁部31及び当接片部36,36を介して、取付対象側に伝熱させ、効果的に放熱させることができる。
また、当接片部36,36は、棒状導光体10の出射方向反対側に位置するように設けられているので、表面側に露出して外観を損なったり、棒状導光体10から出射される光を妨げたりするようなことがない。従って、放熱性を向上させるために比較的に大きくすることもできる。
【0026】
基板取付壁部31の厚さ方向両側には、基板20を基板取付壁部31とによってガイドし、挟むように保持するガイド保持部34,35がそれぞれに設けられている。このガイド保持部34,35と基板取付壁部31とによって、伝熱シート26の圧縮変形を伴いスライド挿入される基板20をガイドし、スライド挿入された基板20を保持する構成としている。
本実施形態では、基板20の長手方向両端部をそれぞれに押え、ガイドするガイド保持部34,35を設けている。図例では、基板20のLED24側の端部表面を押える突起状とされたガイド突起部34と、基板20のコネクター25側の端部表面を押える壁状とされたガイド壁部35とを備えたガイド保持部を示している。
【0027】
また、本実施形態では、基板ケース30の基板取付壁部31の一端部(図例では、前端部)の両側に、この基板取付壁部の厚さ方向に沿って立ち上がるように形成された位置決め壁部32,32を設けている。これら位置決め壁部32,32は、図6(b)に示すように、基板20に設けられた係合部23,23とによって棒状導光体10の係合突起部12,12を挟むように位置決めする位置決め片部として機能する。つまり、棒状導光体10の係合突起部12,12は、図6(b)に示すように、基板20の係合部23,23及び基板ケース30の位置決め壁部32,32に当接して、これらに挟まれるようにして位置決めがなされる。
【0028】
また、これら位置決め壁部32,32に連設されるようにして基板取付壁部31から、この基板取付壁部31の厚さ方向に沿って立ち上がるように形成された係合凸部33,33が基板取付壁部31の厚さ方向両側に設けられている。上記したガイド突起部34は、この係合凸部33の立ち上り方向先端部位に連設されるようにして設けられている。
係合凸部33は、基板ケース30に基板20を収容させた状態で、位置決め壁部32から基板20のLED24側に向けて突出するように形成されており、基板20の長手方向一端部(図例では、前端部)に近接乃至は当接する構成とされている。
また、この係合凸部33は、図6(b)に示すように、二股状に形成された棒状導光体10の係合突起部12,12間に挟まれるように配置される。
【0029】
上記構成とされた基板ケース30は、本実施形態では、基板取付壁部31を挟んで左右対称状に形成されており、基板取付壁部31の厚さ方向中心線を対称軸として線対称状に形成されている。
この基板ケース30には、図5に示すように、基板20がスライド挿入されるようにして収容される。つまり、伝熱シート26を圧縮させるようにして基板取付壁部31に弾性的に接触させ、この基板取付壁部31に沿わせるようにして、基板20の長手方向両端部のそれぞれをガイド突起部34及びガイド壁部35と基板取付壁部31との間に挿入する。そして、基板20の一側部を当接片部36に当接させることで、基板20を基板ケース30に対して容易に組み付けることができる。このように組み付けた状態では、基板ケース30の基板取付壁部31とガイド保持部34,35とによって、基板20の厚さ方向への移動が規制される。また、基板ケース30の係合凸部33及び、基板取付壁部31とガイド壁部35との間の後端片部によって、基板20の前後方向への移動が規制される。
【0030】
上記構成とされた発光ブロック1によれば、非発光領域を低減しながらも長尺化を図ることができる。
つまり、基板ケース30の基板取付壁部31の厚さ方向両側に、基板20,20を配置し、保持させることができる。すなわち、単一の基板ケース30によって二枚の基板20,20を保持させることができ、部品点数を削減できるとともに比較的に簡易な構造で長尺の発光ブロック1を実現することができる。
また、基板ケース30の両側に保持された基板20,20のLED24,24に、それぞれの入射面13,13を対向配置させて棒状導光体10,10を配設することで、非発光領域を低減しながらも長尺化を図ることができる。つまり、例えば、基板を保持する基板ベース乃至はケースを連結したり、照明装置自体を連結したりするようなものと比べて、隣接する棒状導光体10,10の出射面14,14を長手方向に近接させることができ、非発光領域を低減させることができる。従って、図1(a)、(b)に示すような比較的に長尺のライン状の照明装置3に組み込まれる発光ブロック1として好適なものとなる。
【0031】
また、上記した例では、棒状導光体10の長手方向両端部11,11に入射面13,13を設け、両入射面13,13のそれぞれにLED24,24を対向配置させた構造としている。従って、複数本の棒状導光体10の両側に基板20及び基板ケース30を配設することで、非発光領域を簡易な構造で低減しながらも、より長尺化を図ることができる。また、LED24の光を長手方向一端部のみから入射させるものと比べて、長手方向遠方側における出射面14の発光不足や、出射面14の長手方向に沿う発光の不均一等を抑制することができる。
【0032】
また、上記した例では、基板20の裏面22に厚さ方向に圧縮変形し得る伝熱シート26を貼着しているので、この伝熱シート26が基板20の裏面22と基板ケース30の基板取付壁部31との間のスペーサーとして機能する。また、この伝熱シート26を介して基板20と基板ケース30の基板取付壁部31とを熱伝導的に密着させることができる。これにより、基板20に設けられるLED24やコネクター25などの電子部品等の熱を効率的に基板ケース30側に伝熱させ、放熱させることができる。
また、基板ケース30にガイド保持部34,35を設けているので、基板20を基板ケース30に対してスライド挿入させることで、容易に組み付けることができる。また、基板20の裏面22に設けた伝熱シート26の復元力によって基板20及び伝熱シート26がガイド保持部34,35及び基板ケース30の基板取付壁部31に押し付けられるので、基板20の抜けや脱落等を抑制することができる。
【0033】
また、上記した例では、基板ケース30に、基板20の係合部23,23とによって棒状導光体10の係合突起部12,12を挟むように位置決めする位置決め壁部32を設けている。従って、基板ケース30に収容された基板20の係合部23,23と基板ケース30の位置決め壁部32とによって棒状導光体10の係合突起部12,12を挟むように位置決めすることができる。また、このように位置決めされた棒状導光体10の係合突起部12,12によって基板20の位置決めも比較的に確実になされる。
【0034】
また、上記した例では、基板ケース30の位置決め壁部32に、棒状導光体10の二股状の係合突起部12,12間に挟まれるように配置される係合凸部33を設けている。従って、基板ケース30に対して棒状導光体10及び基板20をより確実に位置決めすることができる。つまり、棒状導光体10の係合突起部12,12は、基板ケース30の位置決め壁部32と基板20の係合部23,23とによって位置決めされるとともに、係合突起部12,12間に配置された係合凸部33によって確実に位置決めがなされる。一方、基板20は、基板ケース30の係合凸部33によって位置決めされた二股状の係合突起部12,12が係合部23,23に係合し、これにより確実に位置決めされる。
【0035】
さらに、上記した例では、基板ケース30を、基板20をスライド挿入させて収容する構造とし、係合凸部33にガイド突起部34を設けた構造としているので、基板20の組み付けが容易でありながらも基板20の組み付け後の位置ズレ等を効果的に防止することができる。つまり、図6(b)に示すように、基板20の係合部23,23のスライド方向両側に位置する棒状導光体10の係合突起部12が基板20の抜止として機能し、基板20の位置ズレ等を効果的に防止することができる。
【0036】
なお、基板ケース30は、基板20と同様、放熱性を向上させる観点等からアルミニウム等の金属系材料から形成されたものとしてもよい。
また、基板ケース30の基板取付壁部31の厚さ寸法は、厚さ方向両側に二枚の基板20,20を保持し得る寸法とすればよく、当該基板ケース30の強度や、両基板20,20において発生する熱の伝熱性等を考慮して適宜の寸法としてもよい。例えば、この基板取付壁部31の厚さ寸法を、強度等を確保しながらも非発光領域を低減すべく、1mm〜10mm程度の比較的に薄い寸法としてもよく、2mm〜5mm程度としてもよく、本実施形態では、2.5mm程度としている。
また、各図において、符号37は、当該発光ブロック1が組み込まれる照明装置3の本体ケーシング2に設けられた絶縁ブッシュ54の位置決め孔に挿入される位置決め突起である(図6参照)。
【0037】
本体ケーシング2は、図1(b)、(c)に示すように、左右に長尺に形成されており、図3(a)、(b)に示すように、当該照明装置3の設置対象としてのウォールユニット6に固定される固定ケース部50と、表面側ケース部40とを備えている。これら表面側ケース部40と固定ケース部50とによって複数の発光ブロック1の収容空間を形成している。
本実施形態では、これら表面側ケース部40及び固定ケース部50を、基板20からの熱を効果的に放熱させる観点や強度の観点等から、アルミニウム等の金属製からなるものとしている。これら表面側カバー部40及び固定ケース部50を金属製とすることで、LED24やこれに関連して設けられるコネクター25等の電子部品を実装した基板20からの熱を効果的に放熱させることができる。
また、これら表面側ケース部40及び固定ケース部50は、それぞれの短手断面が長手方向に沿って同一断面とされており、押出成型等によってそれぞれ形成されている。
【0038】
表面側ケース部40は、発光ブロック1の棒状導光体10の出射面14側を覆うように配設され、図示上方側に開口した断面略コ字状(C字状乃至はU字状)とされている。
この表面側ケース部40には、発光ブロック1の棒状導光体10の出射面14からの光を通過させる開口部43が設けられている。このような開口部43を設けることで、表面側ケース部40を金属製としながらも棒状導光体10の出射面14から出射される光を、開口部43を介して通過させることができる。
本実施形態では、表面側ケース部40の下側面部41に長手方向の全長に亘って形成され、下方側に向けて開口するカバー凹溝42の溝底面部に、開口部43を設けた例を示している。このカバー凹溝42の溝底の前後の隅部には、互いに向き合う方向に開口した係合凹溝42a,42aがそれぞれに設けられている。
【0039】
開口部43は、本体ケーシング2内に収容された棒状導光体10の出射面14の前後位置に対応させて、表面側ケース部40の前後方向略中央部位に設けられている。また、開口部43の前後寸法は、棒状導光体10の出射面14からの光を効果的に通過させるように出射面14の前後寸法よりも大きく形成されている。
また、開口部43は、本実施形態では、図1(a)、(c)に示すように、棒状導光体10間に配設される基板20,20の部位を覆うカバー片部44によって長手方向が複数に区画された複数(図例では、4つ)の開口部43からなる。
【0040】
カバー片部44は、基板ケース30の基板取付壁部31、その両側に保持された基板20,20並びにこれらに長手方向一端部11,11が対向配置された各棒状導光体10,10の各係合突起部12,12及び上記レンズ状部の表面側(下方側)を覆うように形成されている。上記のように本実施形態では、基板ケース30の基板取付壁部31の厚さ方向両側に、基板20,20を配置し、保持させる構造としているので、カバー片部44の左右寸法(幅寸法)を比較的に小さくできる。つまり、上記のように長手方向に近接させられた隣接する棒状導光体10,10の各出射面14,14からの光を効果的に通過させるように隣接する開口部43,43同士を比較的に近接させることができる。
このようなカバー片部44を設けることで、基板ケース30や、基板20、棒状導光体10の係合突起部12、レンズ状部等を目立ち難くすることができる。
【0041】
また、本実施形態では、開口部43を覆う透光性を有した表面カバー48を備えている。
表面カバー48は、図1(a)に示すように、表面側ケース部40の長手方向に沿って長尺に形成されている。本実施形態では、上記のように区画された複数の開口部43の全てを単一の表面カバー48によって覆う構成としている。
表面カバー48は、図3(a)、(b)に示すように、その表面(下面)が、表面側ケース部40の下側面部41の表面(下面)と略同一平面状となるように、カバー凹溝42に嵌め込まれるようにして取り付けられる。
この表面カバー48の前後の上縁部には、図3(a)、(b)に示すように、カバー凹溝42の係合凹溝42a,42aに係合する係合突条48a,48aが前後方向に突出するように形成されている。本実施形態では、表面カバー48を、二色成形(異材質成形)等によって、係合突条48a,48aの部位を、比較的に軟質の合成樹脂からなるものとし、それ以外の部位を、比較的に硬質で透光性の合成樹脂からなるものとしている。
【0042】
このような表面カバー48を設けることで、開口部43を介した本体ケーシング2内への塵埃や湿気等の侵入を抑制することができ、また、本体ケーシング2内の各部材を保護することができる。
また、複数の開口部43の表面側を単一の表面カバー48によって覆う構成としているので、カバー片部44が目立ち難くなり、見栄えを向上させることができる。また、複数の開口部43のそれぞれを覆うカバーを設けた場合と比べて、継目や隙間の発生を抑制でき、本体ケーシング2内への塵埃や湿気等の侵入をより効果的に抑制することができる。
さらに、上記した例では、表面カバー48の表面と表面側ケース部40の下側面部41の表面(下面)とが略同一平面状となるようにしているので、これらの間に段差等が形成されず、見栄えを向上させることができる。
【0043】
さらにまた、表面側ケース部40及び表面カバー48に、互いに係合する係合部42a,48aを設けているので、図6(b)に示すように、これら係合部42a,48aを係合させることで表面カバー48を表面側ケース部40に容易に組み付けることができる。
また、上記した例では、表面カバー48の係合部としての係合突条48a,48aを軟質としているので、表面カバー48を表面側ケース部40のカバー凹溝42に取り付ける際に比較的にスムーズに取り付けることができる。また、これら係合突条48a,48aは、カバー凹溝42の係合部としての係合凹溝42a,42a内に弾性変形を伴い嵌め込まれ、カバー凹溝42の内面に密着するため、これら係合突条48a,48aがシール部材として機能する。従って、本体ケーシング2内への塵埃や湿気等の侵入をより効果的に抑制することができる。
【0044】
なお、表面カバー48は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の透光性乃至は透明の樹脂系材料からなるものとしてもよい。また、少なくとも係合突条48a,48a以外の部位が透光性を有したものであればよく、乳白色等に着色されたものとしてもよい。また、当該表面カバー48に、所望される配光パターンに応じて、拡散パターンや集光パターン等を設けるようにしてもよい。
【0045】
また、本実施形態では、図1(a)に示すように、表面側ケース部40のカバー凹溝42の溝底面部の長手方向両端部近傍部位に、端部開口43A,43Aを設け、この端部開口43Aが設けられた部位を覆う端部カバー48A,48Aを設けている。この端部開口43A,43Aは、後記する固定ケース部50の長手方向両端部近傍部位に設けられた配線孔51a,51a等を介して配線される電源コード等と、当該照明装置3の電源コード等とを接続する部位に設けられ、接続やメンテナンス等に利用するようにしてもよい。端部カバー48A,48Aは、上記した表面カバー48と略同様の断面形状とされており、カバー凹溝42の係合凹溝に42a,42aに係合突条(不図示)が係合し、カバー凹溝42に嵌め込まれるように表面側ケース部40に取り付けられる。なお、この端部カバー48A,48Aは、透光性を有さない金属製や合成樹脂製としてもよい。また、一方の端部カバー48Aを設けずに、当該照明装置3のON/OFFや調光等をするための操作部等を当該箇所に設けるようにしてもよい。また、このような操作部は、他の部位に設けるようにしてもよい。
【0046】
また、表面側ケース部40の下側面部41の内側面(裏面、上面)には、図3(a)、(b)に示すように、基板ケース30の基板取付壁部31の一側部(図例では、下側部)及び基板20の他側部に当接乃至は弾性的に接触する伝熱シート47が貼着されている(図6(b)も参照)。この伝熱シート47は、表面側ケース部40のカバー片部44が設けられた部位の内側面に貼着されており、図例では、伝熱シート47を下側面部41及び表面側ケース部40の前側面部の内側面の一部に亘って貼着した例を示している。
このような伝熱シート47を設けることで、基板20の熱を、基板取付壁部31及び伝熱シート47を介して金属製とされた表面側ケース部40側に効果的に伝熱させ、放熱させることができる。
【0047】
また、表面側ケース部40には、後記する固定ケース部50に設けられた係合部55,56と互いに係合する係合部45,46が設けられている。本実施形態では、表面側ケース部40の前後の側面部の上端部に係合部45,46をそれぞれに設けた例を示している。
表面側ケース部40の前側面部は、下側面部41の前端縁部から手前斜め上方に傾斜状に形成されており、その上端部に前側係合部45を有している。
前側係合部45は、本実施形態では、後方側に向けて突出するように形成された係止爪45aと、この係止爪45aの下方側の離間した位置において後方側に向けて突出するように形成された係止リブ45bとを備えている。
表面側ケース部40の後側面部は、下側面部41の後端縁部から上方に立ち上がるように形成されており、その上端部に後側係合部46を有している。
後側係合部46は、本実施形態では、前方側に向けて突出するように形成された係止爪46aと、この係止爪46aの下方側の離間した位置において前方側に向けて突出するように形成された係止リブ46bとを備えている。
【0048】
また、本実施形態では、表面側ケース部40のカバー凹溝42の溝底面部の長手方向両端部に、図3(c)に示すように、切欠部41a,41a(図3(c)では一方のみを図示)を設けている。この切欠部41aは、後記する固定ケース部50の長手方向両端部に設けられた止具孔52に対応する部位に設けられている。
この表面側ケース部40の長手方向両端部は、図1(a)、図2(a)及び図3(c)に示すように、下方側から斜め上方外方側に向けて傾斜する傾斜面とされている。また、この表面側ケース部40の長手方向両端部には、図1(a)及び図3(c)に示すように、エンドキャップ49が取り付けられ、その開口が封止される。表面側ケース部40の前側係合部45の係止リブ45bには、エンドキャップ49の内側に設けられた係止爪等が係止する切欠部45cが形成されており、エンドキャップ49が着脱自在に表面側ケース部40に取り付けられる。
【0049】
固定ケース部50は、発光ブロック1の棒状導光体10の反出射面(反射面15)側を覆うように配設される。この固定ケース部50は、基板ケース30が取り付けられる上側面部51と、この上側面部51の後端縁部から下方側に向けて垂れ下がるように形成された後側面部とを有した断面略L字状とされている。固定ケース部50の後側面部は、図3(a)、(b)に示すように、表面側ケース部40の後側面部に沿うように表面側ケース部40の内側に配設される。
また、固定ケース部50の上側面部51の前端縁部及び後端縁部には、上方に向けて突出し、設置対象6に当接する当接リブが設けられており、これら前後の当接リブ及び上側面部51によって上方に向けて開口した空間を形成している。この空間には、図3(a)に示すように、上側面部51の外側面(上面)及び設置対象6のそれぞれに当接乃至は弾性的に接触するスペーサー59が適所に配設される。
【0050】
また、固定ケース部50の上側面部51の手前側部位には、長手方向に沿って間隔を空けて複数の貫通孔が設けられており、これら貫通孔には、位置決め孔を有した絶縁ブッシュ54が嵌め込まれている(図3(a)及び図6参照)。これら絶縁ブッシュ54は、基板ケース30が配設される位置に対応させて設けられ、その位置決め孔に、基板ケース30の位置決め突起37が挿入される。
また、固定ケース部50の上側面部51の内側面(下面)には、図3(a)、(b)に示すように、基板ケース30の当接片部36,36及び基板取付壁部31の他側部(図例では、上側部)に当接乃至は弾性的に接触する伝熱シート57が貼着されている(図6(a)、(b)も参照)。この伝熱シート57は、図1(c)に示すように、固定ケース部50の上側面部51の内側面における基板ケース30の設置箇所に貼着されている。この伝熱シート57は、基板ケース30の当接片部36,36及び基板取付壁部31の他側部の少なくとも全体が当接乃至は弾性的に接触する寸法とされている。
【0051】
このような伝熱シート57を設けることで、基板20の熱を、基板ケース30及び伝熱シート57を介して、金属製とされた固定ケース部50側に効果的に伝熱させ、放熱させることができる。また、本実施形態では、基板ケース30に当接片部36,36を設けているので、伝熱シート57に対する当接面積を大きくすることができ、より効果的に基板20の熱を固定ケース部50側に伝熱させ、放熱させることができる。
また、伝熱シート57の表面側(基板ケース30側)には、粘着材と剥離紙とが設けられている。この伝熱シート57の剥離紙を剥離させ、図6(a)、(b)に示すように、基板ケース30の位置決め突起37を固定ケース部50の絶縁ブッシュ54の位置決め孔に挿入して基板ケース30を位置決めし、基板ケース30を固定ケース部50に容易に組み付けることができる。なお、固定ケース部50の上側面部51の内側面における棒状導光体10の反射面15と対向する部位に、樹脂シートや金属シート等からなる反射シートを配設するようにしてもよい。
【0052】
また、固定ケース部50には、表面側ケース部40の前側係合部45及び後側係合部46に係合する係合部55,56が設けられている。本実施形態では、表面側ケース部40の前側係合部45及び後側係合部46にそれぞれ対応させて、固定ケース部50の上側面部51の前後に前側係合部55及び後側係合部56を設けた例を示している。
固定ケース部50の前側係合部55は、上記した前端縁部の当接リブとは反対側つまり下方側に突出するように形成されており、前方側に向けて突出するように形成された係止爪55aを有している。
固定ケース部50の後側係合部56は、上記した後端縁部の当接リブの基端部とされ、後方側に向けて突出するように形成された係止爪56aを有している。
これら固定ケース部50の前後の係合部55,56は、表面側ケース部40の前後の係合部45,46の内側に位置するように設けられている。つまり、図3(a)、(b)に示すように、表面側ケース部40が固定ケース部50を内包し、固定ケース部50を覆うように、これら表面側ケース部40及び固定ケース部50が組み付けられる。これにより、当該照明装置3を設置した状態では、固定ケース部50が目立ち難くなり、見栄えを向上させることができる。
【0053】
これら表面側ケース部40及び固定ケース部50を組み付けた状態では、表面側ケース部40の前後の係合部45,46の内側に位置する固定ケース部50の前後の係合部55,56によって、互いの前後方向への移動が規制される。
また、固定ケース部50の前側係合部55は、その係止爪55aが表面側ケース部40の前側係合部45の係止爪45aに係止し、突出方向先端部が表面側ケース部40の前側係合部45の係止リブ45bに当接する。また、固定ケース部50の後側係合部56は、その係止爪56aが表面側ケース部40の後側係合部46の係止爪46aに係止するとともに表面側ケース部40の後側係合部46の係止リブ46bに当接する。これにより、表面側ケース部40及び固定ケース部50の互いの上下方向への移動が規制される。なお、これら表面側ケース部40及び固定ケース部50の各係合部の形状は、図例のものに限られず、互いに係合させることで、表面側ケース部40と固定ケース部50とを組み付け得る構造とされたものであればどのようなものでもよい。
【0054】
上記のように、本実施形態では、複数の発光ブロック1を収容する本体ケーシング2を表面側ケース部40と固定ケース部50とからなるものとしているので、発光ブロック1の組み付け作業を容易に行うことができる。
また、上記した例では、表面側ケース部40及び固定ケース部50を、互いに係合する係合部45,46,55,56をそれぞれに有したものとし、これら係合部を係合させることで組み付けられる構造としている。従って、本体ケーシング2の組み付け作業を容易に行うことができる。
なお、表面側ケース部40の係合部45,46と、固定ケース部50の係合部55,56とを着脱自在に係合する構造とすれば、表面側ケース部40を脱離させることで、発光ブロック1等のメンテナンスや交換作業等を容易に行うことができる。
【0055】
固定ケース部50の上側面部51の長手方向両端部には、図1(b)に示すように、当該照明装置3を設置対象6に取り付ける際に用いられるねじ等の固定止具7(図3(a)参照)が挿通される止具孔52,52が設けられている(図3(c)も参照)。
また、本実施形態では、固定ケース部50の上側面部51の長手方向途中部位の適所に、係合孔53を設けている。この係合孔53は、左右に細長のスリット状とされ、図1(c)及び図3(b)に示すように、前後に離間して設けられた一対の係合孔53,53とされている。
この係合孔53,53には、当該照明装置3の長手方向の途中部位を設置対象6に固定するための中間固定ブラケット58が係合する。
【0056】
中間固定ブラケット58は、図3(b)に示すように、設置対象6に固定される固定片部と、この固定片部の前後の縁部から垂れ下がるように形成された一対の係合片部とによって図示下方側に開口した断面略コ字状(C字状乃至はU字状)とされている。固定片部には、ねじ等の固定止具7が挿通される止具孔58bが設けられている。一対の係合片部の先端部には、係止爪58a,58aがそれぞれに設けられている。この中間固定ブラケット58は、一対の係合片部が固定ケース部50の一対の係合孔53,53にそれぞれ挿入され、その先端部の係止爪58a,58aが固定ケース部50に設けられた係合段部に係止する構成とされている。
【0057】
なお、この中間固定ブラケット58が係合される係合孔53は、当該照明装置3の長さ寸法や質量等に応じて、当該照明装置3の長手方向の途中部位を中間固定ブラケット58によって支持させる必要がある部位に設けるようにしてもよい。図例では、固定ケース部50の長手方向の途中部位に間隔を空けて、二箇所に一対の係合孔53,53を設けた例を示している(図1(b)参照)。また、このような係合孔53や中間固定ブラケット58を設けないようにしてもよい。この場合は、必要に応じて、固定ケース部50の長手方向途中部位等に、固定止具の挿通孔等を設け、当該照明装置3の長手方向の途中部位を固定止具によって設置対象6に固定するようにしてもよい。
【0058】
上記構成とされた照明装置3は、例えば、以下のようにして組み付け、設置対象6に設置するようにしてもよい。
まず、図5に示すように、基板ケース30に基板20を保持させる。図例では、4本の棒状導光体10の長手方向両端部11,11のそれぞれに対向配置されるLED24をそれぞれに有した8枚の基板20を5つの同一の基板ケース30に収容保持させた例を示している(図1(b)参照)。つまり、当該照明装置3の長手方向両端部側に配設される基板ケース30,30の基板取付壁部31,31の内方側に、それぞれ基板20,20を保持させ、残余の基板ケース30の基板取付壁部31の両側に基板20,20を保持させた例を示している(図1(b)参照)。
【0059】
次いで、上記したように、基板20を保持させた基板ケース30を、固定ケース部50に取り付ける(図6(a)、(b)参照)。そして、この基板ケース30に対して棒状導光体10を組み付けるようにしてもよい。つまり、棒状導光体10の長手方向両側に配置される基板20,20を収容した基板ケース30,30に対して棒状導光体10を撓ませるようにして組み付ける。この際、棒状導光体10の係合突起部12,12間の空所に基板ケース30の係合凸部33を受け入れさせるようにして、また、これらを基板ケース30の位置決め壁部32と基板20の係合部23,23との間に挿入するようにして容易に位置決めしながら組み付けることができる。または、基板20をそれぞれに収容した基板ケース30,30を、棒状導光体10の長手方向両端部に組み付けた後に、これら基板ケース30,30を固定ケース部50に取り付けるようにしてもよい。
【0060】
このように組み付けた状態では、図1(b)、(c)に示すように、棒状導光体10の入射面13が位置ズレ等することなく基板20に設けられたLED24に対向配置される。また、それぞれの基板20のLED24の光軸が略同一直線状となるように配置され、その間に直列するように複数の棒状導光体10が配置された状態となる。また、この状態では、図6(b)に示すように、基板ケース30と固定ケース部50の後面側部との間に空間が形成され、この空間を通線部として利用することができる。
【0061】
また、図6(b)に示すように、表面側ケース部40に表面カバー48を取り付ける。
また、表面側ケース部40の係合部45,46と固定ケース部50の係合部55,56とを係合させ、表面側ケース部40と固定ケース部50とを組み付ける。
この状態では、固定ケース部50に取り付けられた基板ケース30の基板取付壁部31及びこれに保持された基板20の下側部が表面側ケース部40の内側面に設けられた伝熱シート47に当接乃至は弾性的に接触し、これら基板20及び基板ケース30の移動が規制される。
【0062】
そして、設置対象6の固定ケース部50の係合孔53,53に対応する部位に、中間固定ブラケット58を固定止具7によって固定し、この中間固定ブラケット58に固定ケース部50を係止させ、照明装置3を固定する(図3(b)参照)。また、固定ケース部50の長手方向両端部の止具孔52を介して、固定止具7によって照明装置3の長手方向両端部を設置対象6に固定する(図3(a)参照)。この止具孔52を介した固定止具7の止着作業は、表面側ケース部40の長手方向端部に設けられた切欠部41aを介して行うようにしてもよい。
次いで、端部カバー48Aを表面側ケース部40に取り付け、エンドキャップ49を表面側ケース部40の長手方向両端部のそれぞれに取り付ける(図1(a)及び図3(c)参照)。なお、エンドキャップ49の少なくとも一方に端部カバー48Aを一体的に設けた構造としてもよい。
なお、上記した照明装置3の組み付け手順及び設置対象6への固定手順は、一例であり、他の手順で行うようにしてもよい。
【0063】
上記構成とされた本実施形態に係る照明装置3によれば、簡易な構造で長尺化を図ることができるとともに、短手断面の小型化を図ることができる。
つまり、複数本の棒状導光体10を長手方向に直列させるように本体ケーシング2内に配置して収容させているので、簡易な構造で長尺化を図ることができるとともに、短手断面の小型化を図ることができる。すなわち、長手方向に直列される複数本の棒状導光体10によって長尺な発光範囲を有した照明装置3を簡易な構造で実現できる。また、LED24を棒状導光体10の入射面13に対向配置しているので、照明装置3自体の出射方向側に発光素子の反射体等が大きく突出するようなことがなく、短手断面の小型化を図ることができる。
【0064】
また、棒状導光体10による導光ロスやLED24遠方側等における出射面14の発光量、LED24等の発光素子自体の光量等を考慮して、長さ寸法を同一とした棒状導光体10を備えた発光ブロック1をモジュール化して採用することができる。これによれば、設置対象の長さ寸法に応じて、これら発光ブロック1の収容個数や、その個数に応じて本体ケーシング2の長さ寸法を設定することで、種々の設置対象に比較的容易に対応することができる。例えば、図例のように設置対象をウォールユニット6とした場合には、キッチンの間口寸法(つまりは、ウォールユニット6の間口寸法)が、ウォールユニット6を構成する吊戸棚の組み合わせ等によって異なる場合が多々ある。このような場合にもウォールユニット6の間口寸法に応じた長さ寸法に、当該照明装置3を容易に対応させることができる。
【0065】
なお、照明装置3の設置対象としては、ウォールユニット6に限られず、フロアーユニット5の天板後端部の立ち上がり部や、フロアーユニット5の台輪部等を設置対象としてもよい。また、当該照明装置3の設置対象としては、厨房装置4に限られず、他の収納家具や手摺り、階段等を設置対象としてもよく、建物内の天井や壁面等を設置対象としてもよい。当該照明装置3によれば、上述のように短手断面の小型化が図れ、長尺化が図れるので、種々の設置対象に設置することが可能である。
【0066】
また、上記した例では、複数本の棒状導光体10の長手方向両端部11,11に基板20,20をそれぞれ配置し、この基板20を保持する基板ケース30を同一のものとした例を示しているが、このような態様に限られない。例えば、当該照明装置3の長手方向両端側に配設される基板20を保持する基板ケースとしては、端部専用として一方側にのみ基板を保持し得る構造とされた基板ケースを採用するようにしてもよい。
さらに、上記した例では、4本の棒状導光体10を本体ケーシング2内に配設した照明装置3を例示しているが、このような態様に限られず、3本以下または5本以上の複数本の棒状導光体10を本体ケーシング2内に配設した態様としてもよい。また、複数本の棒状導光体10のうち、照明装置3自体の長手方向両端側に配設される棒状導光体の外方側端部は、入射面でなくてもよい。この場合は、外方側端部を本体ケーシング等に支持させるようにしてもよい。また、この場合は、この棒状導光体の係合部12を入射面13が設けられた長手方向一端部(内方側端部)11のみに設けるようにすればよい。
【0067】
さらにまた、上記した例では、本体ケーシング2の表面側ケース部40に、複数の開口部43を設け、これら複数の開口部43を単一の表面カバー48によって覆う構造とした例を示しているが、各開口部43をそれぞれに覆う表面カバーを設けるようにしてもよい。さらには、このような表面カバーを設けないようにしてもよい。または、表面側ケース部40自体を、透光性を有したものとし、開口部を設けないようにしてもよい。
また、上記した例では、本体ケーシング2の表面側ケース部40及び固定ケース部50に互いに係合する係合部を設け、これらの係合部を係合させることで、表面側ケース部40及び固定ケース部50を組み付け得る構造とした例を示しているが、これに限られない。例えば、ねじ等の固定止具によって表面側ケース部40と固定ケース部50とを組み付ける構造としたものとしてもよい。さらには、上記した例では、本体ケーシング2を、表面側ケース部40と固定ケース部50とからなるものとした例を示しているが、これらを一体的に形成した筒状のものとしてもよい。
【0068】
また、上記した例では、基板20の表面21側に単一のLED24を実装した例を示しているが、複数のLEDを基板20の表面21側に設ける態様としてもよい。
さらに、発光素子としては、LED24に限られず、他の半導体発光素子や他の発光素子を採用するようにしてもよい。
さらにまた、上記した例では、基板20及び棒状導光体10に互いに係合する係合部23,12を設けた例を示しているが、このような係合部を設けないようにしてもよい。
【0069】
また、上記した例では、基板ケース30に、位置決め片部としての位置決め壁部32や係合凸部33、ガイド保持部34,35、当接片部36、位置決め突起37等を設けた例を示しているが、これらの全部または一部を設けないようにしてもよい。例えば、ガイド保持部34,35を設ける態様に代えて、基板取付壁部31の両側に基板20,20を接着剤や粘着材等によって保持させる態様としてもよい。または、基板20及び基板ベース(基板ケース30)の基板取付壁部31にボルト等の締結具の挿通孔を設け、基板取付壁部31の両側に配置された基板20,20をボルト及びナットによって締結し、基板取付壁部31に保持させる態様としてもよい。
【符号の説明】
【0070】
1 発光ブロック(発光部材)
2 本体ケーシング
3 照明装置
10 棒状導光体
11 長手方向の端部
13 入射面
14 出射面
20 基板
21 表面
22 裏面
24 LED(発光素子)
26 伝熱シート
30 基板ケース(基板ベース)
31 基板取付壁部
34 ガイド突起部(ガイド保持部)
35 ガイド壁部(ガイド保持部)
36 当接片部
50 固定ケース部(取付対象)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光素子を表面側に有した基板と、
前記基板の裏面が厚さ方向両側に対面配置される基板取付壁部を有し、該基板を保持する基板ベースと、
前記基板ベースに保持された前記基板の発光素子からの光が入射される入射面を長手方向一端部に有するとともに、該入射面からの光を出射する出射面を長手方向に交差する側面部に有し、かつ、前記基板取付壁部の厚さ方向に長手方向を沿わせて配設される棒状導光体と、
を備えていることを特徴とする発光部材。
【請求項2】
請求項1において、
前記基板の裏面には、厚さ方向に圧縮変形し得る伝熱シートが貼着されている一方、
前記基板ベースの前記基板取付壁部の厚さ方向両側には、前記伝熱シートの圧縮変形を伴いスライド挿入される前記基板を前記基板取付壁部とによってガイドするとともに、スライド挿入された前記基板を前記基板取付壁部とによって挟むように保持するガイド保持部がそれぞれに設けられていることを特徴とする発光部材。
【請求項3】
請求項1または2において、
前記基板ベースには、前記棒状導光体の出射方向反対側の前記基板取付壁部の側端部から該基板取付壁部の厚さ方向両側にそれぞれ延出するように形成され、かつ、取付対象に当接される当接片部が設けられていることを特徴とする発光部材。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項において、
前記棒状導光体は、長手方向両端部に前記入射面を有していることを特徴とする発光部材。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の発光部材と、この発光部材を収容する本体ケーシングとを備え、この本体ケーシング内に、前記棒状導光体を長手方向に直列させるように配設するとともに、これら複数の棒状導光体間に、前記基板取付壁部の両側のそれぞれに前記基板を保持させた前記基板ベースを配設したことを特徴とする照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−243552(P2012−243552A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−112154(P2011−112154)
【出願日】平成23年5月19日(2011.5.19)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】