発毛抑制剤、発毛抑制組成物および発毛抑制方法
【課題】優れた発毛抑制作用を有する発毛抑制剤、発毛抑制組成物、発毛抑制方法を提供する。
【解決手段】クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうち1種または2種を有効成分として用いること、またはさらに甘草の油溶性抽出物を有効成分として併用することにより、優れた発毛抑制作用を有する発毛抑制剤を得ると共に、この発毛抑制剤を用いて発毛抑制組成物を構成する。また、この発毛抑制剤を用いて発毛抑制効率の高い発毛抑制方法を構成する。
【解決手段】クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうち1種または2種を有効成分として用いること、またはさらに甘草の油溶性抽出物を有効成分として併用することにより、優れた発毛抑制作用を有する発毛抑制剤を得ると共に、この発毛抑制剤を用いて発毛抑制組成物を構成する。また、この発毛抑制剤を用いて発毛抑制効率の高い発毛抑制方法を構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は体毛の成長を効果的に抑制することができ、体毛の除去処理回数を低減させることのできる発毛抑制剤、および、これを用いた発毛抑制組成物、発毛抑制方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般的に、頭皮上の毛髪は豊かであることが望まれているのに対し、腕、足、腋、顔等における体毛は、美的外観上好ましくないとされる傾向が高まっている。そのため、好ましくない体毛等を除去する方法が開発され、利用されている。具体的には、シェーバー、抜毛器等を用いて体毛を毛根から抜去する方法、除毛剤（例えば、特許文献１：特開平４−１７３７２５号公報）を用いて、その化学的作用により体毛を除去する方法などが提案されている。
【０００３】
しかしながら、これら従来の毛髪除去方法は皮膚に対して刺激を伴うものである。また、毛の成長を止めるものではないために再び伸長した体毛の除去処理を頻繁に行わなければならず、体毛除去処理回数を減少させることができないという問題がある。
また近年、生薬抽出物（例えば、特許文献２：特開平８−８１３３６号公報、特許文献３：特開平１０−１３９６３９号公報）を用いた発毛抑制剤が報告されている。
【０００４】
【特許文献１】特開平４−１７３７２５号公報
【特許文献２】特開平８−８１３３６号公報
【特許文献３】特開平１０−１３９６３９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、前記発毛抑制剤の発毛抑制効果は未だ充分なものではなく、更に発毛抑制効果の高い発毛抑制剤の提供が望まれている。
【０００６】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、体毛の成長を効果的に抑制して、除毛処理回数を減少させることができる発毛抑制剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、（１）クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうち１種または２種以上を含む発毛抑制剤、（２）甘草の油溶性抽出物を含有する（１）に記載の発毛抑制剤が、いずれも優れた発毛抑制効果を示すことを見出し、本発明を成すに至った。
【０００８】
すなわち、本発明の発毛抑制剤は有効成分としてクララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうちの1種または２種を含有することを特徴とする。さらに、これらに加えて甘草の油溶性抽出物を含有することを特徴とする。また、本発明の発毛抑制組成物は、本発明の前記発毛抑制剤を含有する組成物であり、腕、脚、腋、顔等の体毛発毛部位に適用することにより、体毛を伸びにくくすると共に、毛を細く、目立たなくするため除毛処理回数を減少させることができる組成物である。また、本発明の発毛抑制方法は、クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうちの１種または２種、またはこれらに加えて甘草の油溶性抽出物を用いて発毛を抑制する方法である。
【０００９】
なお、本発明でいう「発毛抑制剤」とは、目的組成物に添加することにより、体毛を生えにくくする効果を付与した発毛抑制組成物を調製するための薬剤を意味する。本発明の発毛抑制剤を含有する発毛抑制組成物を、腕、脚、腋、顔等の体毛発毛部位に適用することにより、体毛を伸びにくくすると共に、毛を細く、目立たなくする効果が得られ、除毛処理の回数を減らすことができる。
【００１０】
また、本発明でいう「クララ抽出物」、「イヌエンジュ抽出物」、「甘草の油溶性抽出物」における“抽出物”とはこれら植物を抽出処理することにより得られる、発毛抑制効果を有する成分を意味し、クララ、イヌエンジュ、甘草を抽出処理して得られる抽出液およびその乾燥固形物だけでなく、当該抽出液を分画法等によって精製処理することにより得られる粗精製物、精製物等も含まれる。
【００１１】
従来より甘草の油溶性抽出物は、発毛抑制効果があることが知られている（特開平１０−１３９６３９号公報）。本発明者らは、甘草抽出物を単独で用いるよりも、クララ抽出物とイヌエンジュ抽出物のうちの１種または２種、さらにそれらと甘草の油溶性抽出物を組み合わせて用いることで、高い発毛抑制効果が得られることを新たに知見した。
【００１２】
従って、下記発明を提供する。
［１］クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうち1種または2種を含有する発毛抑制剤。
［２］更に甘草の油溶性抽出物を含有する、［１］に記載の発毛抑制剤。
［３］［１］または［２］に記載の発毛抑制剤を含有することを特徴とする発毛抑制剤組成物。
［４］クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうちの１種または２種を用いて発毛を抑制することを特徴とする発毛抑制方法。
［５］クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうちの１種または２種と甘草の油溶性抽出物を用いることを特徴とする発毛抑制方法。
【発明の効果】
【００１３】
本発明の発毛抑制剤は、優れた体毛の発毛抑制効果を発揮し、除毛または髭剃り関連化粧品などに好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下に、本発明の実施形態について説明する。
本発明の発毛抑制剤は、クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうち１種または２種以上を含有することを特徴とする。
【００１５】
本発明に用いられるクララ抽出物は、マメ科クララ（学名：ソフォラ・フラヴェスセンス Ｓｏｐｈｏｒａ ｆｌａｖｅｓｃｅｎｓ）あるいは同属植物の根を乾燥あるいはそのまま粉砕したものを溶媒抽出することにより得ることができる。
【００１６】
本発明に用いられるイヌエンジュ抽出物は、マメ科イヌエンジュ属に属する植物をいい、イヌエンジュ属植物としては、例えば、以下のものを用いることができる。シマエンジュ(学名：マキア・タシロイ Ｍａａｃｋｉａ ｔａｓｈｉｒｏｉ)、ハネミイヌエンジュ（学名：マキア・フロリバンダ Ｍａａｃｋｉａ ｆｌｏｒｉｂｕｎｄａ）、カライヌエンジュ（学名：マキア・アムレンシス Ｍａａｃｋｉａ ａｍｕｒｅｎｓｉｓ）、イヌエンジュ（学名：マキア・アムレンシス バール ブェルゲリィ Ｍａａｃｋｉａ ａｍｕｒｅｎｓｉｓ ｖａｒ． ｂｕｅｒｇｅｒｉ）、マキア・シネンシス Ｍａａｃｋｉａ ｃｈｉｎｅｎｓｉｓ（和名なし）、馬鞍樹（学名：マキア・フペヘンシス Ｍａａｃｋｉａ ｈｕｐｅｈｅｎｓｉｓ）。これらを乾燥あるいはそのまま粉砕したものを溶媒抽出することにより得ることができる。
【００１７】
本発明に用いられる甘草から抽出された油溶性抽出物は、ナンキンカンゾウ（Ｇｌｙｃｙｒｒｈｉｚａ ｇｌａｂｒａ）、ウラルカンゾウ（Ｇｌｙｃｙｒｒｈｉｚａ ｕｒａｌｅｎｓｉｓ）、シナカンゾウ（Ｇｌｙｃｙｒｒｈｉｚａ ｅｃｈｎａｔａ）、イヌカンゾウ（Ｇｌｙｃｙｒｒｈｉｚａ ｐａｌｌｉｄｉｆｌｒａ）、又は同属植物の根を乾燥あるいはそのまま粉砕した物を溶媒抽出することにより得ることができる。
【００１８】
クララ、イヌエンジュ、甘草の抽出溶媒としては、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素類、酢酸エチル等のエステル、アセトン等のケトン又はエーテル類などが挙げられ、これらの１種を単独で又は２種以上を組み合せて用いることができ、通常３〜７０℃程度の温度で抽出処理することができる。得られた抽出液は、そのまま用いても、あるいは希釈液としたり、濃縮乾燥することによって乾燥粉末物としたり、ペースト状に調製して用いてもよい。また、抽出液より有効成分を分離精製して用いることもできる。この場合、抽出条件はこれに限定されるものではないが、無水エタノールで抽出後、濃縮し、それからさらに酢酸エチルで抽出した後、減圧乾燥して粉末エキスとしたものを用いることが好ましい。分離精製は溶媒での抽出物をカラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーで精製することができる。
【００１９】
例えば、甘草の油溶性抽出物中にはグラブリジンが含まれることが知られている。ナンキンカンゾウ、ウラルカンゾウ、シナカンゾウ、イヌカンゾウからのグラブリジンの分離精製は、上述の粉末乾燥エキスを順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー及び逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理した後、ヘキサン−ベンゼン混合溶媒系から結晶化する方法で行うことができる。抽出物の色及びにおいの除去については、活性炭もしくは吸着樹脂を用いて行うことができる。
【００２０】
本発明の発毛抑制剤を、所定の目的組成物に添加することにより、その目的組成物に体毛を生えにくくする効果を付与することができる。
【００２１】
本発明の発毛抑制剤を所定の目的組成物に添加する場合、その目的組成物中における発毛抑制剤の配合量は、製品形態、使用頻度により異なり一概には規定することはできないが、通常は、抽出物の固形分として０．００１〜１０質量％、好ましくは０．０１〜５質量％である。
発毛抑制剤の配合量が少なすぎると充分な発毛抑制効果が期待できない場合があり、一方、多すぎても発毛抑制効果が頭打ちになったり、製剤の安定性の面で不具合が発生する可能性がある。
【００２２】
本発明の発毛抑制剤は特に腕、脚、腋、顔等のムダ毛の生える部位に適用される製品に好適に含有せしめることができる。本発明の発毛抑制剤を適用する製品は特に限定されるものではないが、脱毛、除毛又は髭剃り関連品、又は動物の体毛の脱毛、除毛関連品とすることが好ましい。具体的には、ペースト状、クリーム状、エアゾール状等の除毛剤、ワックス状、ジェル状、シート状等の脱毛剤、除毛または脱毛の後処理に用いるローション、クリーム等の後処理料、髭剃り関連品でプレシェーブローション等の髭剃り前処理料、シェービングクリーム等の髭剃り料、アフターシェーブローション等の髭剃り後処理料などが挙げられる。
【００２３】
また、女性においては腋のムダ毛処理が広く行われており、またとくに夏場には制汗剤も一般的に使用されていることから、制汗剤などに本発明の発毛抑制剤を配合することによって手軽で効率的なケアをすることも可能である。具体的には、デオドラントローション、デオドラントパウダー、デオドラントスプレー、デオドラントスティックなどの制汗・防臭料などが挙げられる。
また、そのほかにも、洗浄剤や入浴剤などに配合して全身のムダ毛に対して簡便に効果的に作用させることもできる。
【００２４】
本発明の発毛溶製剤を含有する発毛抑制組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、既知の薬効成分を必要に応じて適宜配合することができる。例えば、抗菌剤、抗炎症剤、保湿剤、界面活性剤、油分、アルコール類、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、ｐＨ調整剤、香料、色素、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、ビタミン類、水など、およびスキンケアに使用されうる各種プロテアーゼなどを配合することができる。
【００２５】
本発明の発毛抑制組成物は、情報に従って均一溶液、ローション、ジェルなどの形態で使用することができる。また、本発明の発毛抑制組成物は、エアゾールの形態をとることができる。その場合には、上記成分以外にｎ−プロピルアルコールまたはイソプロピルアルコールなどの低級アルコール；ブタン、プロパン、イソブタン、液化石油ガス、ジメチルエーテルなどの可燃性ガス；窒素ガス、酸素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素ガスなどの圧縮ガスを含有することができる。
【実施例】
【００２６】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。なお、抽出物の配合量は、乾燥固形分としての値で示した。
【００２７】
［調製例１：クララ抽出物の製造］
Ｓｏｐｈｏｒａ ｆｌａｖｅｓｃｅｎｓの根１００ｇを粉砕して、９９．５％エタノール５００ｍLに３日間浸漬して抽出液を得た。この抽出液の溶媒を留去して２．５ｇのクララ抽出物を得た。
【００２８】
［調製例２：イヌエンジュ抽出物の製造］
乾燥させたＭａｃｃｉａ ａｍｕｒｅｎｓｉｓの材１００ｇを粉砕して９９．５％エタノール５００ｍＬに３日間浸漬して抽出液を得た。この抽出液の溶媒を留去して３．０ｇのイヌエンジュ抽出物を得た。
【００２９】
［調製例３：甘草の油溶性抽出物の製造］
乾燥させたＧｌｙｃｙｒｒｈｉｚａ ｇｌａｂｒａの根１００ｇを粉砕して９９．５％エタノール５００ｍＬに３日間浸漬して抽出液を得た。この抽出液の溶媒を留去して４．１ｇの油溶性甘草抽出物を得た。
【００３０】
［実施例１：マウス発毛試験］
毛周期が休止期にある生後５３日齢のＣ３Ｈ／ＨｅＮマウスの背部を、電気バリカン及び電気シェーバーを用い、皮膚を傷つけないように除毛し、1群６匹として実験に供した。翌日より除毛部位に調製例1〜３の条件で調製した抽出物を表１に記載した濃度になるように溶媒（５０％エタノール）に溶解した検体を０．１ｍLずつ、１日１回塗布した。対照群は５０％エタノールのみを塗付する群とした。
【００３１】
各検体の発毛効果は、発毛面積を測定し、除毛した面積に対する比率が５０％となる日を５０％発毛日として、除毛から５０％発毛日までに要した日数をもとめ、検体の効果はそれぞれの対照塗布群の５０％発毛日との差、即ち発毛日の遅れによって評価した。その結果を表1に示した。
【００３２】
【表１】
【００３３】
表１に示すとおり、クララおよびイヌエンジュの抽出物には優れた発毛の抑制が認められた。また、クララおよびイヌエンジュと甘草の油溶性抽出物とを組み合わせることにより、相乗的に発毛抑制効果が高まった。
【００３４】
［実施例２：ヒト発毛試験］
ヒト下腿部の体毛の発毛試験を成人男性５名の被験者で評価を実施した。
Ｔ字剃刀で２×２ｃｍ四方の体毛をそり、3日後にその部分をＣＣＤカメラによって撮影した。撮影画像を解析して根元付近の体毛の太さ、および剃毛後３日間の体毛の伸びを測定した。これらを体毛太さ、および伸長速度の初期値とした。
その後、検体の塗付を開始した。検体の塗布は２×２ｃｍ四方の試験部位に各々1回１００μＬ、1日に２回、２ヶ月間行った。塗布開始から２ヶ月後にＴ字剃刀で剃毛し、３日後にその部分をＣＣＤカメラによって撮影した。撮影画像を解析して根元付近の体毛の太さ、および剃毛３日間の体毛の伸びを測定した。これらを試験終了後の体毛の太さ、および体毛伸長速度とした。
なお、体毛が伸びてきて試験部位が不明確になることを防ぐ意味で１週間に１度Ｔ字剃刀での剃毛を行った。
【００３５】
１％クララ（丸善製薬製 クジン凍結乾燥品）、１％イヌエンジュエタノール抽出物、１％甘草（丸善製薬製 油溶性甘草エキスＰＴ（４０））の組み合わせおよび溶媒である５０％エタノールを塗付したＣｏｎｔｒｏｌ群での、２ヵ月後の体毛の太さと伸長速度を初期値をとの比率で以下に示す（表２、３）。
【００３６】
【表２】
【００３７】
【表３】
【００３８】
伸長速度は検体塗布群で明確に抑制されていた。また、速度だけではなく太さにおいても、検体塗布による細毛化効果を確認することができた。これらのことから、本発明品は体毛の伸長を抑制するだけでなく毛を細くし、目立たなくさせることによって、効果的に体毛の成長を抑制してムダ毛処理の回数を低減できることを確認した。
【００３９】
（処方例１：発毛抑制ローション）
下記に示す配合比に従い、脱毛ローションを調整した。
クララのエタノール抽出物 １．０質量％
甘草の油溶性抽出物* １．０質量％
スタノロン ０．２質量％
ソルビタンモノオレイン酸 ２．０質量％
グリセリン ７．０質量％
１，３−ブチレングリコール ７．０質量％
エタノール ４０．０質量％
精製水 残部
計 １００．０質量％
*甘草の油溶性抽出物：丸善製薬製 油溶性甘草エキスＰＴ（４０）
【００４０】
（処方例２：発毛抑制クリーム）
クララの５０％エタノール抽出物 ０．１質量％
イヌエンジュのエタノール抽出物 ０．１質量％
ステアリルアルコール ６．０質量％
ステアリン酸 ２．０質量％
水添ラノリン ４．０質量％
スクワラン ９．０質量％
オクチルドデカノール １０．０質量％
１，３−ブチレングリコール ４．０質量％
グリセリン ３．０質量％
ＰＯＥ（２５）セチルエーテル ３．０質量％
モノステアリン酸グリセリン ２．０質量％
エチルパラベン ０．１質量％
ブチルパラベン ０．１質量％
精製水 残部
計 １００．０質量％
【００４１】
（処方例３：発毛抑制クリーム）
クララの５０％１，３−ブチレングリコール抽出物 ０．０１質量％
イヌエンジュの５０％エタノール抽出物 ０．０１質量％
甘草の油溶性抽出物＊ ０．０１質量％
セチルアルコール ５．０質量％
ステアリン酸 ３．０質量％
ワセリン ５．０質量％
スクワラン ９．０質量％
オクチルドデカノール １０．０質量％
１，３−ブチレングリコール ５．０質量％
ＰＥＧ１５００ ４．０質量％
ＰＯＥ（２５）セチルエーテル ３．０質量％
モノステアリン酸グリセリン ２．０質量％
エチルパラベン ０．１質量％
ブチルパラベン ０．１質量％
精製水 残部
計 １００．０質量％
＊：甘草の油溶性抽出物：丸善製薬製 油溶性甘草エキスＰＴ（４０）
【００４２】
（処方例４：発毛抑制ジェル）
イヌエンジュのエタノール抽出物 １．０質量％
甘草のエタノール抽出物 １．０質量％
カルボキシビニルポリマー ０．７質量％
ポリビニルピロリドン ２．０質量％
ＰＯＥ（２０）セチルエーテル ３．０質量％
グリセリン ５．０質量％
ＰＥＧ１５００ ４．０質量％
エタノール ２０．０質量％
精製水 残部
計 １００．０質量％
【００４３】
（処方例５：発毛抑制フォーム）
（原液）
クララの１，３−ブチレングリコール抽出物 １．０質量％
甘草のエタノール抽出物 １．０質量％
ＰＯＥ（２０）ソルビタンモノステアリン酸 ２．０質量％
グリセロールモノステアリン酸エステル ２．０質量％
ホホバ油 ３．０質量％
ジプロピレングリコール ５．０質量％
グリセリン ７．０質量％
メチルパラベン ０．１質量％
エタノール ３０．０質量％
精製水 残部
計 １００．０質量％
上記原液９部に対して噴射剤としてＬＰＧ１部を加え、エアゾール容器に充填して発毛抑制フォームとした。
【００４４】
（処方例６：発毛抑制スプレー）
（原液）
クララエタノール抽出物 ０．２質量％
甘草エタノール抽出物 ０．２質量％
ＰＯＥ（２０）セチルエーテル ３．０質量％
プロピレングリコール ３．０質量％
エタノール ６０．０質量％
精製水 残部
計 １００．０質量％
上記原液６部に対して噴射剤としてＬＰＧ４部を加え、エアゾール容器に充填して発毛抑制スプレーとした。
【００４５】
上記処方例１〜６の各製剤において、実施例１と同様にマウス塗布試験を行ったところ、優れた発毛抑制効果が認められた。
【産業上の利用可能性】
【００４６】
以上のように、本発明にかかる発毛抑制剤は優れた発毛抑制効果を有するため、皮膚、特に、腕、脚、腋、顔等のむだ毛の生える部位に適用される製品に利用することができ、特に、脱毛、除毛又は髭剃り関連品、また動物の体毛の脱毛、除毛剤関連品に適している。
【技術分野】
【０００１】
本発明は体毛の成長を効果的に抑制することができ、体毛の除去処理回数を低減させることのできる発毛抑制剤、および、これを用いた発毛抑制組成物、発毛抑制方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
一般的に、頭皮上の毛髪は豊かであることが望まれているのに対し、腕、足、腋、顔等における体毛は、美的外観上好ましくないとされる傾向が高まっている。そのため、好ましくない体毛等を除去する方法が開発され、利用されている。具体的には、シェーバー、抜毛器等を用いて体毛を毛根から抜去する方法、除毛剤（例えば、特許文献１：特開平４−１７３７２５号公報）を用いて、その化学的作用により体毛を除去する方法などが提案されている。
【０００３】
しかしながら、これら従来の毛髪除去方法は皮膚に対して刺激を伴うものである。また、毛の成長を止めるものではないために再び伸長した体毛の除去処理を頻繁に行わなければならず、体毛除去処理回数を減少させることができないという問題がある。
また近年、生薬抽出物（例えば、特許文献２：特開平８−８１３３６号公報、特許文献３：特開平１０−１３９６３９号公報）を用いた発毛抑制剤が報告されている。
【０００４】
【特許文献１】特開平４−１７３７２５号公報
【特許文献２】特開平８−８１３３６号公報
【特許文献３】特開平１０−１３９６３９号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００５】
しかしながら、前記発毛抑制剤の発毛抑制効果は未だ充分なものではなく、更に発毛抑制効果の高い発毛抑制剤の提供が望まれている。
【０００６】
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、体毛の成長を効果的に抑制して、除毛処理回数を減少させることができる発毛抑制剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、（１）クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうち１種または２種以上を含む発毛抑制剤、（２）甘草の油溶性抽出物を含有する（１）に記載の発毛抑制剤が、いずれも優れた発毛抑制効果を示すことを見出し、本発明を成すに至った。
【０００８】
すなわち、本発明の発毛抑制剤は有効成分としてクララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうちの1種または２種を含有することを特徴とする。さらに、これらに加えて甘草の油溶性抽出物を含有することを特徴とする。また、本発明の発毛抑制組成物は、本発明の前記発毛抑制剤を含有する組成物であり、腕、脚、腋、顔等の体毛発毛部位に適用することにより、体毛を伸びにくくすると共に、毛を細く、目立たなくするため除毛処理回数を減少させることができる組成物である。また、本発明の発毛抑制方法は、クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうちの１種または２種、またはこれらに加えて甘草の油溶性抽出物を用いて発毛を抑制する方法である。
【０００９】
なお、本発明でいう「発毛抑制剤」とは、目的組成物に添加することにより、体毛を生えにくくする効果を付与した発毛抑制組成物を調製するための薬剤を意味する。本発明の発毛抑制剤を含有する発毛抑制組成物を、腕、脚、腋、顔等の体毛発毛部位に適用することにより、体毛を伸びにくくすると共に、毛を細く、目立たなくする効果が得られ、除毛処理の回数を減らすことができる。
【００１０】
また、本発明でいう「クララ抽出物」、「イヌエンジュ抽出物」、「甘草の油溶性抽出物」における“抽出物”とはこれら植物を抽出処理することにより得られる、発毛抑制効果を有する成分を意味し、クララ、イヌエンジュ、甘草を抽出処理して得られる抽出液およびその乾燥固形物だけでなく、当該抽出液を分画法等によって精製処理することにより得られる粗精製物、精製物等も含まれる。
【００１１】
従来より甘草の油溶性抽出物は、発毛抑制効果があることが知られている（特開平１０−１３９６３９号公報）。本発明者らは、甘草抽出物を単独で用いるよりも、クララ抽出物とイヌエンジュ抽出物のうちの１種または２種、さらにそれらと甘草の油溶性抽出物を組み合わせて用いることで、高い発毛抑制効果が得られることを新たに知見した。
【００１２】
従って、下記発明を提供する。
［１］クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうち1種または2種を含有する発毛抑制剤。
［２］更に甘草の油溶性抽出物を含有する、［１］に記載の発毛抑制剤。
［３］［１］または［２］に記載の発毛抑制剤を含有することを特徴とする発毛抑制剤組成物。
［４］クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうちの１種または２種を用いて発毛を抑制することを特徴とする発毛抑制方法。
［５］クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうちの１種または２種と甘草の油溶性抽出物を用いることを特徴とする発毛抑制方法。
【発明の効果】
【００１３】
本発明の発毛抑制剤は、優れた体毛の発毛抑制効果を発揮し、除毛または髭剃り関連化粧品などに好適に用いることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下に、本発明の実施形態について説明する。
本発明の発毛抑制剤は、クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうち１種または２種以上を含有することを特徴とする。
【００１５】
本発明に用いられるクララ抽出物は、マメ科クララ（学名：ソフォラ・フラヴェスセンス Ｓｏｐｈｏｒａ ｆｌａｖｅｓｃｅｎｓ）あるいは同属植物の根を乾燥あるいはそのまま粉砕したものを溶媒抽出することにより得ることができる。
【００１６】
本発明に用いられるイヌエンジュ抽出物は、マメ科イヌエンジュ属に属する植物をいい、イヌエンジュ属植物としては、例えば、以下のものを用いることができる。シマエンジュ(学名：マキア・タシロイ Ｍａａｃｋｉａ ｔａｓｈｉｒｏｉ)、ハネミイヌエンジュ（学名：マキア・フロリバンダ Ｍａａｃｋｉａ ｆｌｏｒｉｂｕｎｄａ）、カライヌエンジュ（学名：マキア・アムレンシス Ｍａａｃｋｉａ ａｍｕｒｅｎｓｉｓ）、イヌエンジュ（学名：マキア・アムレンシス バール ブェルゲリィ Ｍａａｃｋｉａ ａｍｕｒｅｎｓｉｓ ｖａｒ． ｂｕｅｒｇｅｒｉ）、マキア・シネンシス Ｍａａｃｋｉａ ｃｈｉｎｅｎｓｉｓ（和名なし）、馬鞍樹（学名：マキア・フペヘンシス Ｍａａｃｋｉａ ｈｕｐｅｈｅｎｓｉｓ）。これらを乾燥あるいはそのまま粉砕したものを溶媒抽出することにより得ることができる。
【００１７】
本発明に用いられる甘草から抽出された油溶性抽出物は、ナンキンカンゾウ（Ｇｌｙｃｙｒｒｈｉｚａ ｇｌａｂｒａ）、ウラルカンゾウ（Ｇｌｙｃｙｒｒｈｉｚａ ｕｒａｌｅｎｓｉｓ）、シナカンゾウ（Ｇｌｙｃｙｒｒｈｉｚａ ｅｃｈｎａｔａ）、イヌカンゾウ（Ｇｌｙｃｙｒｒｈｉｚａ ｐａｌｌｉｄｉｆｌｒａ）、又は同属植物の根を乾燥あるいはそのまま粉砕した物を溶媒抽出することにより得ることができる。
【００１８】
クララ、イヌエンジュ、甘草の抽出溶媒としては、メタノール、エタノール、ブタノール等のアルコール類、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の脂肪族又は脂環式炭化水素類、酢酸エチル等のエステル、アセトン等のケトン又はエーテル類などが挙げられ、これらの１種を単独で又は２種以上を組み合せて用いることができ、通常３〜７０℃程度の温度で抽出処理することができる。得られた抽出液は、そのまま用いても、あるいは希釈液としたり、濃縮乾燥することによって乾燥粉末物としたり、ペースト状に調製して用いてもよい。また、抽出液より有効成分を分離精製して用いることもできる。この場合、抽出条件はこれに限定されるものではないが、無水エタノールで抽出後、濃縮し、それからさらに酢酸エチルで抽出した後、減圧乾燥して粉末エキスとしたものを用いることが好ましい。分離精製は溶媒での抽出物をカラムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーで精製することができる。
【００１９】
例えば、甘草の油溶性抽出物中にはグラブリジンが含まれることが知られている。ナンキンカンゾウ、ウラルカンゾウ、シナカンゾウ、イヌカンゾウからのグラブリジンの分離精製は、上述の粉末乾燥エキスを順相シリカゲルカラムクロマトグラフィー及び逆相シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより処理した後、ヘキサン−ベンゼン混合溶媒系から結晶化する方法で行うことができる。抽出物の色及びにおいの除去については、活性炭もしくは吸着樹脂を用いて行うことができる。
【００２０】
本発明の発毛抑制剤を、所定の目的組成物に添加することにより、その目的組成物に体毛を生えにくくする効果を付与することができる。
【００２１】
本発明の発毛抑制剤を所定の目的組成物に添加する場合、その目的組成物中における発毛抑制剤の配合量は、製品形態、使用頻度により異なり一概には規定することはできないが、通常は、抽出物の固形分として０．００１〜１０質量％、好ましくは０．０１〜５質量％である。
発毛抑制剤の配合量が少なすぎると充分な発毛抑制効果が期待できない場合があり、一方、多すぎても発毛抑制効果が頭打ちになったり、製剤の安定性の面で不具合が発生する可能性がある。
【００２２】
本発明の発毛抑制剤は特に腕、脚、腋、顔等のムダ毛の生える部位に適用される製品に好適に含有せしめることができる。本発明の発毛抑制剤を適用する製品は特に限定されるものではないが、脱毛、除毛又は髭剃り関連品、又は動物の体毛の脱毛、除毛関連品とすることが好ましい。具体的には、ペースト状、クリーム状、エアゾール状等の除毛剤、ワックス状、ジェル状、シート状等の脱毛剤、除毛または脱毛の後処理に用いるローション、クリーム等の後処理料、髭剃り関連品でプレシェーブローション等の髭剃り前処理料、シェービングクリーム等の髭剃り料、アフターシェーブローション等の髭剃り後処理料などが挙げられる。
【００２３】
また、女性においては腋のムダ毛処理が広く行われており、またとくに夏場には制汗剤も一般的に使用されていることから、制汗剤などに本発明の発毛抑制剤を配合することによって手軽で効率的なケアをすることも可能である。具体的には、デオドラントローション、デオドラントパウダー、デオドラントスプレー、デオドラントスティックなどの制汗・防臭料などが挙げられる。
また、そのほかにも、洗浄剤や入浴剤などに配合して全身のムダ毛に対して簡便に効果的に作用させることもできる。
【００２４】
本発明の発毛溶製剤を含有する発毛抑制組成物には、本発明の効果を損なわない範囲において、既知の薬効成分を必要に応じて適宜配合することができる。例えば、抗菌剤、抗炎症剤、保湿剤、界面活性剤、油分、アルコール類、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、ｐＨ調整剤、香料、色素、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤、ビタミン類、水など、およびスキンケアに使用されうる各種プロテアーゼなどを配合することができる。
【００２５】
本発明の発毛抑制組成物は、情報に従って均一溶液、ローション、ジェルなどの形態で使用することができる。また、本発明の発毛抑制組成物は、エアゾールの形態をとることができる。その場合には、上記成分以外にｎ−プロピルアルコールまたはイソプロピルアルコールなどの低級アルコール；ブタン、プロパン、イソブタン、液化石油ガス、ジメチルエーテルなどの可燃性ガス；窒素ガス、酸素ガス、炭酸ガス、亜酸化窒素ガスなどの圧縮ガスを含有することができる。
【実施例】
【００２６】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。なお、抽出物の配合量は、乾燥固形分としての値で示した。
【００２７】
［調製例１：クララ抽出物の製造］
Ｓｏｐｈｏｒａ ｆｌａｖｅｓｃｅｎｓの根１００ｇを粉砕して、９９．５％エタノール５００ｍLに３日間浸漬して抽出液を得た。この抽出液の溶媒を留去して２．５ｇのクララ抽出物を得た。
【００２８】
［調製例２：イヌエンジュ抽出物の製造］
乾燥させたＭａｃｃｉａ ａｍｕｒｅｎｓｉｓの材１００ｇを粉砕して９９．５％エタノール５００ｍＬに３日間浸漬して抽出液を得た。この抽出液の溶媒を留去して３．０ｇのイヌエンジュ抽出物を得た。
【００２９】
［調製例３：甘草の油溶性抽出物の製造］
乾燥させたＧｌｙｃｙｒｒｈｉｚａ ｇｌａｂｒａの根１００ｇを粉砕して９９．５％エタノール５００ｍＬに３日間浸漬して抽出液を得た。この抽出液の溶媒を留去して４．１ｇの油溶性甘草抽出物を得た。
【００３０】
［実施例１：マウス発毛試験］
毛周期が休止期にある生後５３日齢のＣ３Ｈ／ＨｅＮマウスの背部を、電気バリカン及び電気シェーバーを用い、皮膚を傷つけないように除毛し、1群６匹として実験に供した。翌日より除毛部位に調製例1〜３の条件で調製した抽出物を表１に記載した濃度になるように溶媒（５０％エタノール）に溶解した検体を０．１ｍLずつ、１日１回塗布した。対照群は５０％エタノールのみを塗付する群とした。
【００３１】
各検体の発毛効果は、発毛面積を測定し、除毛した面積に対する比率が５０％となる日を５０％発毛日として、除毛から５０％発毛日までに要した日数をもとめ、検体の効果はそれぞれの対照塗布群の５０％発毛日との差、即ち発毛日の遅れによって評価した。その結果を表1に示した。
【００３２】
【表１】
【００３３】
表１に示すとおり、クララおよびイヌエンジュの抽出物には優れた発毛の抑制が認められた。また、クララおよびイヌエンジュと甘草の油溶性抽出物とを組み合わせることにより、相乗的に発毛抑制効果が高まった。
【００３４】
［実施例２：ヒト発毛試験］
ヒト下腿部の体毛の発毛試験を成人男性５名の被験者で評価を実施した。
Ｔ字剃刀で２×２ｃｍ四方の体毛をそり、3日後にその部分をＣＣＤカメラによって撮影した。撮影画像を解析して根元付近の体毛の太さ、および剃毛後３日間の体毛の伸びを測定した。これらを体毛太さ、および伸長速度の初期値とした。
その後、検体の塗付を開始した。検体の塗布は２×２ｃｍ四方の試験部位に各々1回１００μＬ、1日に２回、２ヶ月間行った。塗布開始から２ヶ月後にＴ字剃刀で剃毛し、３日後にその部分をＣＣＤカメラによって撮影した。撮影画像を解析して根元付近の体毛の太さ、および剃毛３日間の体毛の伸びを測定した。これらを試験終了後の体毛の太さ、および体毛伸長速度とした。
なお、体毛が伸びてきて試験部位が不明確になることを防ぐ意味で１週間に１度Ｔ字剃刀での剃毛を行った。
【００３５】
１％クララ（丸善製薬製 クジン凍結乾燥品）、１％イヌエンジュエタノール抽出物、１％甘草（丸善製薬製 油溶性甘草エキスＰＴ（４０））の組み合わせおよび溶媒である５０％エタノールを塗付したＣｏｎｔｒｏｌ群での、２ヵ月後の体毛の太さと伸長速度を初期値をとの比率で以下に示す（表２、３）。
【００３６】
【表２】
【００３７】
【表３】
【００３８】
伸長速度は検体塗布群で明確に抑制されていた。また、速度だけではなく太さにおいても、検体塗布による細毛化効果を確認することができた。これらのことから、本発明品は体毛の伸長を抑制するだけでなく毛を細くし、目立たなくさせることによって、効果的に体毛の成長を抑制してムダ毛処理の回数を低減できることを確認した。
【００３９】
（処方例１：発毛抑制ローション）
下記に示す配合比に従い、脱毛ローションを調整した。
クララのエタノール抽出物 １．０質量％
甘草の油溶性抽出物* １．０質量％
スタノロン ０．２質量％
ソルビタンモノオレイン酸 ２．０質量％
グリセリン ７．０質量％
１，３−ブチレングリコール ７．０質量％
エタノール ４０．０質量％
精製水 残部
計 １００．０質量％
*甘草の油溶性抽出物：丸善製薬製 油溶性甘草エキスＰＴ（４０）
【００４０】
（処方例２：発毛抑制クリーム）
クララの５０％エタノール抽出物 ０．１質量％
イヌエンジュのエタノール抽出物 ０．１質量％
ステアリルアルコール ６．０質量％
ステアリン酸 ２．０質量％
水添ラノリン ４．０質量％
スクワラン ９．０質量％
オクチルドデカノール １０．０質量％
１，３−ブチレングリコール ４．０質量％
グリセリン ３．０質量％
ＰＯＥ（２５）セチルエーテル ３．０質量％
モノステアリン酸グリセリン ２．０質量％
エチルパラベン ０．１質量％
ブチルパラベン ０．１質量％
精製水 残部
計 １００．０質量％
【００４１】
（処方例３：発毛抑制クリーム）
クララの５０％１，３−ブチレングリコール抽出物 ０．０１質量％
イヌエンジュの５０％エタノール抽出物 ０．０１質量％
甘草の油溶性抽出物＊ ０．０１質量％
セチルアルコール ５．０質量％
ステアリン酸 ３．０質量％
ワセリン ５．０質量％
スクワラン ９．０質量％
オクチルドデカノール １０．０質量％
１，３−ブチレングリコール ５．０質量％
ＰＥＧ１５００ ４．０質量％
ＰＯＥ（２５）セチルエーテル ３．０質量％
モノステアリン酸グリセリン ２．０質量％
エチルパラベン ０．１質量％
ブチルパラベン ０．１質量％
精製水 残部
計 １００．０質量％
＊：甘草の油溶性抽出物：丸善製薬製 油溶性甘草エキスＰＴ（４０）
【００４２】
（処方例４：発毛抑制ジェル）
イヌエンジュのエタノール抽出物 １．０質量％
甘草のエタノール抽出物 １．０質量％
カルボキシビニルポリマー ０．７質量％
ポリビニルピロリドン ２．０質量％
ＰＯＥ（２０）セチルエーテル ３．０質量％
グリセリン ５．０質量％
ＰＥＧ１５００ ４．０質量％
エタノール ２０．０質量％
精製水 残部
計 １００．０質量％
【００４３】
（処方例５：発毛抑制フォーム）
（原液）
クララの１，３−ブチレングリコール抽出物 １．０質量％
甘草のエタノール抽出物 １．０質量％
ＰＯＥ（２０）ソルビタンモノステアリン酸 ２．０質量％
グリセロールモノステアリン酸エステル ２．０質量％
ホホバ油 ３．０質量％
ジプロピレングリコール ５．０質量％
グリセリン ７．０質量％
メチルパラベン ０．１質量％
エタノール ３０．０質量％
精製水 残部
計 １００．０質量％
上記原液９部に対して噴射剤としてＬＰＧ１部を加え、エアゾール容器に充填して発毛抑制フォームとした。
【００４４】
（処方例６：発毛抑制スプレー）
（原液）
クララエタノール抽出物 ０．２質量％
甘草エタノール抽出物 ０．２質量％
ＰＯＥ（２０）セチルエーテル ３．０質量％
プロピレングリコール ３．０質量％
エタノール ６０．０質量％
精製水 残部
計 １００．０質量％
上記原液６部に対して噴射剤としてＬＰＧ４部を加え、エアゾール容器に充填して発毛抑制スプレーとした。
【００４５】
上記処方例１〜６の各製剤において、実施例１と同様にマウス塗布試験を行ったところ、優れた発毛抑制効果が認められた。
【産業上の利用可能性】
【００４６】
以上のように、本発明にかかる発毛抑制剤は優れた発毛抑制効果を有するため、皮膚、特に、腕、脚、腋、顔等のむだ毛の生える部位に適用される製品に利用することができ、特に、脱毛、除毛又は髭剃り関連品、また動物の体毛の脱毛、除毛剤関連品に適している。
【特許請求の範囲】
【請求項１】
クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうちの1種または2種を含有する発毛抑制剤。
【請求項２】
更に甘草の油溶性抽出物を含有する、請求項１に記載の発毛抑制剤。
【請求項３】
請求項１または２に記載の発毛抑制剤を含有することを特徴とする発毛抑制剤組成物。
【請求項４】
クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうちの1種または2種を用いて発毛を抑制することを特徴とする発毛抑制方法。
【請求項５】
クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうちの1種または2種と甘草の油溶性抽出物を用いることを特徴とする発毛抑制方法。
【請求項１】
クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうちの1種または2種を含有する発毛抑制剤。
【請求項２】
更に甘草の油溶性抽出物を含有する、請求項１に記載の発毛抑制剤。
【請求項３】
請求項１または２に記載の発毛抑制剤を含有することを特徴とする発毛抑制剤組成物。
【請求項４】
クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうちの1種または2種を用いて発毛を抑制することを特徴とする発毛抑制方法。
【請求項５】
クララ抽出物、イヌエンジュ抽出物のうちの1種または2種と甘草の油溶性抽出物を用いることを特徴とする発毛抑制方法。
【公開番号】特開２００６−１８２６６０（Ｐ２００６−１８２６６０Ａ）
【公開日】平成１８年７月１３日（２００６．７．１３）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００４−３７５２６３（Ｐ２００４−３７５２６３）
【出願日】平成１６年１２月２７日（２００４．１２．２７）
【出願人】（０００００６７６９）ライオン株式会社 (1,816)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年７月１３日（２００６．７．１３）
【国際特許分類】
【出願日】平成１６年１２月２７日（２００４．１２．２７）
【出願人】（０００００６７６９）ライオン株式会社 (1,816)
【Ｆターム（参考）】
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