説明

発泡性クレンジング組成物

【課題】 本発明は、透明ゲルの形態を有しかつ、良好な美容的特性を有するクレンジング組成物に関する。この組成物により得られた泡は繊細で、すすぎ落ちが良好である。
【解決手段】 本特許出願は、水性媒体中に、アルキルグリコールカルボン酸およびその塩から選択される少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、ならびに300,000g/mol以上の分子量を有する少なくとも1種のオキシエチレン化化合物を含む、局所適用のためのクレンジング組成物に関する。
アニオン性界面活性剤は、特にラウリルグリコールカルボン酸ナトリウム(Beaulight SHAA)またはその酸型とすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明ゲルの形態を有し、少なくとも1種のイオン性カルボキシル界面活性剤および少なくとも1種のオキシエチレン化化合物を含む、水で洗い流せる発泡性クレンジング組成物に関し、化粧品または皮膚科学での、特にクレンジングまたは皮膚、頭皮および/または毛髪からメークアップを除去するための製品としてのその使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚のクレンジングは、顔のケアにとって非常に重要である。過剰な皮脂などの脂肪残留物、日常的に使用する化粧用製品およびメークアップ製品、特にウォータープルーフ製品の残留物は、皮膚の褶襞中に蓄積し、かつ皮膚の毛穴を塞ぎ、しみの形成をもたらす可能性があるので、クレンジングは可能な限り効率的でなければならない。
【0003】
皮膚を清浄にするために発泡性洗浄剤水性ゲルを使用することは、既知の慣例である。発泡性洗浄剤水性ゲルのクレンジング作用は、含有する界面活性剤によって提供され、これら界面活性剤は、メークアップ製品の脂肪残留物および顔料を懸濁液中に保持する。これらのゲルは発砲するので、効率的かつ心地よく使用できる。透明性は純粋さの、したがって清潔さのシンボルであり、かつ透明なゲルは、使用者にその価値を認められているので、まるで水のように透明な発泡性クレンジングゲルの作製は特に求められている。顔または身体をクレンジングすることを意図した発泡性透明ゲルは、非常に多くの場合、軽く、空気のような泡を生成する。しかし、洗い流した後に、除去するのが難しい被膜形成性の残留物が皮膚上に存在するので、皮膚がつるつる滑り、正常な肌になったという感触が残らないことが多い。被膜を残すことなく速やかに洗い流される細かい気泡の濃密な泡を得る方法の1つは、主要な界面活性剤として石けん(脂肪酸塩)を用いることにある。しかし、石けんを含む組成物は、乾燥感を与えかつ、刺激性であることもあるので、特に皮膚の敏感な個人が、十分に耐えられるものではない。さらに、石けんの溶解度が低いことから、これら組成物は透明ではなく、通常不透明である。
【特許文献1】JP-A-05/043 434
【特許文献2】JP-A-03/174 497
【特許文献3】EP-A-566 438
【特許文献4】FR-2 739 556
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、石けんを含まず、かつ良好な発泡特性を有し、同時に良好なすすぎ落ち性を有し、眼および皮膚の耐性も良好な発泡性透明ゲルが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
出願人は、驚いたことに、本発明の目的を達成することができ、かつ、良好な美容特性(発泡特性およびすすぎ落ち特性)と良好な耐性特性の両方を有する発泡性透明ゲルは、界面活性剤として少なくとも1種のアルキルグリコールカルボン酸を用い、かつ300,000g/mol以上の分子量を有するオキシエチレン化化合物をさらに組み合わせることにより得られることを見出した。
【0006】
確かに、オキシエチレン化化合物を含む発泡性組成物は、先行技術により知られている。このように、文書JP-A-05/043 434は、アルキル糖タイプの界面活性剤および500,000g/mol以上の分子量を有するポリエチレングリコールを含むシャンプーについて記載している。しかし、記載された組み合わせは、均一ではなくて、2相に分離した組成物をもたらす。
【0007】
文書JP-A-03/174 497は、果糖および194g/molと10,000g/molの間の分子量を有するポリエチレングリコールのエステルを含む洗浄剤液体組成物について記載している。しかし、このような組成物の発泡特性は、不十分であることが証明されている。
【0008】
本発明の組成物は、安定で、非刺激性でありかつ、良好な発泡特性を有するという優位性を有する。
【0009】
したがって、本特許申請の課題の1つは、生理的に許容できる水性媒体中に、アルキルグリコールカルボン酸およびその塩から選択される少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、ならびに300,000g/mol以上の分子量を有する少なくとも1種のオキシエチレン化化合物を含む局所適用のためのクレンジング組成物である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
用語「局所適用」は、本明細書において、ケラチン物質、特に皮膚、頭皮、まつ毛、眉毛、爪、毛髪および/または粘膜への外用を意味する。組成物は、局所適用を意図されているので、生理的に許容できる媒体を含む。さらに、用語「生理的に許容できる媒体」は、皮膚、唇、頭皮、まつ毛、眼、爪、および/または毛髪と相容する媒体を意味する。組成物は、特に化粧用または皮膚科学的組成物である。
【0011】
さらに、用語「水性媒体」は、組成物の全重量に対して、少なくとも35重量%の水、好ましくは35重量%から98重量%の範囲、さらによりよくは40重量%から80重量%の範囲の水を含む媒体を意味する。本発明の発泡組成物の水性媒体は、水の他に、エタノールなどの1から6個の炭素原子を含む低級アルコール、グリセロール、グリコール、例えば、ブチレングリコール、イソプレングリコール、プロピレングリコールおよびPEG-8などの分子量10,000未満のポリエチレングリコールなどの多価アルコール、ソルビトール、グルコース、フルクトース、マルトース、乳糖およびスクロースなどの糖類、ならびにこれらの混合物から選択される1つまたは複数の界面活性剤を含んでよい。本発明の組成物中の溶媒の量は、組成物の全重量に対して、0.5重量%から30重量%、好ましくは5重量%から20重量%の範囲であってよい。
【0012】
本発明の組成物は、皮膚、毛髪または粘膜のクレンジング分野で使用できる、洗い流せる発泡性クレンジング組成物である。
【0013】
組成物は、透明ゲルの形態で得られる。語「透明」は、組成物が500NTU以下の濁度を有することを意味する。NTU(Nephelometric Turbidity Units:比濁計濁度単位)は、組成物の濁度を測定するための単位である。濁度測定は、例えば、Hach Compagny社の2100 P型濁度計を用いて行われてよく、測定に使用される試験管は、AR397A cat 24347-06を参照とする。測定は室温(20℃から25℃)で行われる。組成物の透明度は、600nmでの透過係数または濁度のどちらにより測定されてもよい。本発明の組成物は、10%から90%の範囲の600nmでの透過係数または2から500NTU、好ましくは5から300NTUの範囲の濁度を有する。
【0014】
さらに、本発明の組成物の粘度は、Rheometric ScientificのRheomatRM180粘度計を用いて200rpm(毎分回転数)で、スピンドル回転開始後10分に測定して、好ましくは0.01から50Pa.sの範囲であってよい。粘度計は、粘度に応じて異なるスピンドル、例えば粘度範囲0.7Pa.s未満に対してNo.2スピンドル、粘度範囲0.2から4Pa.sに対してNo.3スピンドル、粘度範囲2Pa.s超に対してNo.4スピンドル、を装備している。
【0015】
本発明の組成物は、非常に安定であり、4℃から45℃で保管した際に、いかなる相分離もいかなる再結晶も起こさないという利点を有する。
【0016】
(アニオン性界面活性剤)
本発明の組成物は、アルキルグリコールカルボン酸(または2-(2-ヒドロキシアルキルオキシ)酢酸)およびその塩から選択される少なくとも1種のアニオン性界面活性剤を含む。
【0017】
これらの活性剤は特に以下の式(I):
R1-CHOH-CH2-O-CH2-COO- X+ (I)
(式中、
R1は、8から30個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖または分枝状アルキル基を示し、Xは水素または無機または有機カチオン、例えばアルカリ金属(例えばNa+、K+)に由来するカチオン、NH4+、リジン、アルギニン、サルコシン、オルニチンまたはシトルリンなどの基本アミノ酸に由来するアンモニア、または、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、グルタミン、N-メチルグルカミンおよび3-アミノ-1,2-プロパンジオールなどの代替のアミノアルコールに由来するアンモニウムを示す)
を有する
【0018】
本発明に基づき好ましい2-ヒドロキシアルキルカルボン酸は、R1が、8から18個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖または分枝状アルキル基をより具体的に示す式(I)の化合物である。
【0019】
式(I)の界面活性剤の中で、特に言及することができるのは、Sanyo社によりBeaulight SHAA(登録商標)またはBeaulight LCA-25N(登録商標)の名称で販売されているラウリルグリコールカルボン酸ナトリウム、またはSanyo社によりBeaulight SHAA(Acid Form)(登録商標)の名称で販売されている対応する酸型である。
【0020】
アルキルグリコールカルボン酸タイプのアニオン性界面活性剤の量は、最終組成物の全重量に対して、例えば、(活性物質重量で)0.5重量%から20重量%、好ましくは1重量%から17重量%の範囲であってよい。
【0021】
(追加的な界面活性剤)
本発明の組成物は、前述のアニオン性界面活性剤の他に、非イオン性、両性およびアニオン性界面活性剤、ならびにこれらの混合物から選択される1種または複数の追加的な界面活性剤を含んでよい。
【0022】
界面活性剤の全量は、組成物の全重量に対して、例えば、(活性物質として)2重量%から50重量%、好ましくは3重量%から20重量%の範囲であってよい。アルキルグリコールカルボン酸タイプの界面活性剤の他の界面活性剤に対する重量比(活性物質として)は、好ましくは100/0から10/90、さらによりよくは90/10から25/75の範囲である。
【0023】
(非イオン性界面活性剤)
使用することができる非イオン性界面活性剤の例には、アルキルポリグルコシド(APG)、マルトースエステル、ポリグリセロール化された脂肪アルコール、グルカミン誘導体、例えば、2-エチルヘキシルオキシカルボニル-N-メチルグルカミン、およびこれらの混合物がある。
【0024】
使用されるのが好ましいアルキルポリグルコシドは、6から30個の炭素原子、好ましくは8から16個の炭素原子からなるアルキル基を含み、かつ、好ましくは1.2から3のサッカリド単位を含む親水基(グルコシド)を含むアルキルポリグルコシドである。言及することができるアルキルポリグルコシドには、デシルグルコシド(アルキル-C9/C11-ポリグルコシド(1.4))、例えばMydol 10(登録商標)の名称でKao Chemicals社により販売されている製品、Plantaren 2000 UP(登録商標)の名称でCognis社により販売されている製品、Oramix NS 10(登録商標)の名称でSEPPIC社により販売されている製品;カプリル酸/カプリン酸グルコシド、例えば、Oramix CG 110(登録商標)の名称でSEPPIC社により販売されている製品;ラウリルグルコシド、例えばPlantaren 1200 N(登録商標)およびPlantacare 1200(登録商標)の名称でCognis社により販売されている製品;およびココグルコシド、例えばPlantacare 818/UP(登録商標)の名称でCognis社により販売されている製品がある。
【0025】
マルトース誘導体は、例えば、O-オクタノニル-6'-D-マルトースなど文書EP-A-566 438に記載されているもの、または文書FR-2 739 556に記載されているO-ドデカノニル-6'-D-マルトースである。
【0026】
ポリグリセロール化された脂肪アルコールの中で言及することができるものは、ポリグリセロール化ドデカンジオール(3.5molのグリセロール)であり、この製品は、Chimexane NF(登録商標)の名称でChimex社により販売されている。
【0027】
本発明の好ましい一実施形態によれば、組成物は追加的な界面活性剤としてアルキルポリグルコシドを含む。
【0028】
(両性界面活性剤)
両性および双極性界面活性剤は、例えば、ベタイン、アンホ酢酸およびヒドロキシスルタイン誘導体、ならびにこれらの混合物から選択されてよい。
【0029】
言及することができるベタインの例としては、ココベタイン、例えば、Dehyton AB-30(登録商標)の名称でCognis社により販売されている製品、ラウリルベタイン、例えば、Genagen KB(登録商標)の名称でClariant社により販売されている製品、オキシエチレン化(10 OE)ラウリルベタイン、例えば、Lauryl Ether (10 OE) Betaine(登録商標)の名称でShin Nihon Rica社により販売されている製品、オキシエチレン化(10 OE)ステアリルベタイン、例えば、Stearyl Ether (10 OE) Betaine(登録商標)の名称でShin Nihon Rica社により販売されている製品がある。
【0030】
言及することができるアルキルアンホ酢酸塩の例としては、N-二ナトリウムN-ココイル-N-カルボキシメトキシエチル-N-カルボキシメチルエチレンジアミン(CTFA名:disodium cocoamphodiacetate)、例えばMiranol C2M Concentrate NP(登録商標)の名称でRhodia Chimie社により販売されている製品、およびN-ナトリウムN-ココイル-N-ヒドロキシエチル-N-カルボキシメチルエチレンジアミン(CTFA名:sodium cocoamphoacetate)をがある。
【0031】
言及することができるヒドロキシスルタインには、コカミドプロピルヒドロキシスルタイン、例えば、Rewoteric AM CASの名称でGoldschmidt-Degussa社により販売されている製品がある。
【0032】
(アニオン性界面活性剤)
使用することができるアニオン性界面活性剤の例は、カルボン酸塩、アルキル硫酸塩、スルホン酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、リン酸塩、ポリペプチドおよびアニオン性アルキルポリグルコシド誘導体、ならびにこれらの混合物がある。
【0033】
言及することができるカルボン酸塩には、
・アミドエーテルカルボン酸塩(AEC)、例えばAkypo Foam 30(登録商標)の名称でKao Chemicals社により販売されているラウリルアミドエーテルカルボン酸ナトリウム(3 OE)。
・ポリオキシエチレン化カルボン酸塩、例えば、Akypo Soft 45 NV(登録商標)の名称でKao Chemicals社により販売されているオキシエチレン化(6 OE)ラウリルエーテルカルボン酸ナトリウム(65/25/10 C12-14-16)、Olivem 400(登録商標)の名称でBiologia e Technologia社により販売されているオリーブ油由来の脂肪酸のポリオキシエチレン化およびカルボキシメチル化カルボン酸塩、およびNikkol ECTD-6NEX(登録商標)の名称でNikkol社により販売されているオキシエチレン化(6 OE)カルボン酸トリデシルエーテルナトリウム、
・N-アシルアミノ酸のアルカリ塩、
・サルコシネート、例えば、Sarkosyl NL 97(登録商標)の名称でCiba社により販売されている、またはOramix L 30(登録商標)の名称でSEPPIC社により販売されているラウロイルサルコシンンナトリウム、またはNikkol Sarcosinate MN(登録商標)の名称でNikkol社により販売されているミリストイルサルコシンナトリウム、およびNikkol Sarcosinate PN(登録商標)の名称でNikkol社により販売されているパルミトイルサルコシンナトリウム、
・アラニネート、例えば、Sodium Nikkol Alaninate LN 30(登録商標)の名称でNikkol社により販売されている、またはAlanone ALE(登録商標)の名称でKawaken社により販売されているN-ラウロイル-N-メチルアミドプロピオン酸ナトリウム、およびAlanone Alta(登録商標)の名称でKawaken社により販売されているN-ラウロイル-N-メチルアラニントリエタノールアミン、
・グルタミン酸塩、例えば、acylglutamate CT-12(登録商標)の名称でAjinomoto社により販売されているトリエタノールアミンモノココイルグルタミン酸、およびacylglutamate LT-12(登録商標)の名称でAjinomoto社により販売されているトリエタノールアミンラウロイルグルタミン酸、
・アスパラギン酸塩、例えばAsparack(登録商標)の名称でMitsubishi社により販売されているトリエタノールアミンN-ラウロイルアスパラギン酸/トリエタノールアミンN-ミリストイルアスパラギン酸の混合物、
・グリシン酸塩、例えば、Amilite GCS-12(登録商標)およびAmilite GCK 12(登録商標)の名称でAjinomoto社により販売されているN-ココイルグリシン酸ナトリウム、
・Witconol EC 1129の名称でGoldschmidt社により販売されているオキシエチレン化(9mol)ヤシ油アルコールのクエン酸モノエステルなどのクエン酸塩、
・Soliance社により販売されているドデシルD-ガラクツロシドウロン酸ナトリウムなどのガラクツロン酸塩、
・C6〜C22アルキル鎖を含み、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミン、N-メチルグルカミン、リジンまたはアルギニンなどの有機または無機塩基により中和された脂肪酸(石けん)の塩、
がある。
【0034】
言及することができるオキシエチレン化または非オキシエチレン化アルキル硫酸塩の例には、Sipon AOS 225(登録商標)の名称でCognis社により販売されているラウリルエーテル硫酸ナトリウム(70/30 C12〜C14)(2.2 OE)、Sipon LEA 370(登録商標)の名称でCognis社により販売されているラウリルエーテル硫酸アンモニウム(70/30 C12〜C14)(3 OE)、Rhodapex AB/20(登録商標)の名称でRhodia Chimie社により販売されているアルキル(C12〜C14)エーテル(9 OE)硫酸アンモニウム、ならびにEmpicol BSD 52(登録商標)の名称でAlbright & Wilson社により販売されている、ラウリルおよびオレイルエーテル硫酸ナトリウムマグネシウム混合物がある。
【0035】
言及することができるスルホン酸塩の例には、
・α-オレフィン硫酸塩、例えばBio-Terge AS-40(登録商標)およびBio-Terge AS-40 CG(登録商標)の名称でStepan社により販売されている、またはWitconate AOS Protege(登録商標)、Sulframine AOS PH 12(登録商標)の名称でWitco社により販売されているα-オレフィン硫酸(C14〜16)ナトリウム、およびHostapur SAS 30(登録商標)の名称でClariant社により販売されている2級オレフィン硫酸ナトリウムなど、
・イセオチオン酸塩、例えばJordapon CI P(登録商標)の名称でJordan社により販売されているココイルイセチオン酸ナトリウム、
・タウリン酸塩、例えばHostapon CT Paste(登録商標)の名称でClariant社により販売されているパーム核油のメチルタウリン酸のナトリウム塩、Hostapon LT-SF(登録商標)の名称でClariant社により、またはNikkol CMT-30-T(登録商標)の名称でNikkol社により販売されているN-ココイル-N-メチルタウリンナトリウム、およびNikkol PMT(登録商標)の名称でNikkol社により販売されているパルミトイルメチルタウリンナトリウム、
がある。
【0036】
言及することができるスルホコハク酸塩の例には、Setacin 103 Special(登録商標)の名称でZschimmer Schwarz社により、またはRewopol SB-FA 30 K 4(登録商標)の名称でWitco社により販売されているオキシエチレン化(3 OE)ラウリルアルコールモノスルホコハク酸塩(70/30 C12/C14)、Setacin F Special Paste(登録商標)の名称でZschimmer Schwarz社により販売されているC12〜C14アルコールのヘミスルホコハク酸の二ナトリウム塩、Standapol SH 135(登録商標)の名称でCognis社により販売されているオキシエチレン化(2 OE)オレアミドスルホコハク酸二ナトリウム、Lebon A-5000(登録商標)の名称でSanyo社により販売されているオキシエチレン化(5 OE)ラウリルアミドモノスルホコハク酸塩がある。
【0037】
言及することができるアルキルスルホ酢酸塩の例には、Stepan-Mild LSB(登録商標)の名称でStepan社により販売されているラウリルスルホ酢酸ナトリウムおよびラウリルエーテルスルホコハク酸二ナトリウムの混合物がある。
【0038】
言及することができるリン酸塩の例は、モノアルキルリン酸塩およびジアルキルリン酸塩、例えばMAP 20(登録商標)の名称でKao Chemicals社により販売されているラウリルモノリン酸塩、Crafol AP-31(登録商標)の名称でCognis社により販売されているドデシルリン酸のカリウム塩、モノ-ジエステル混合物(大部分)、Crafol AP-20(登録商標)の名称でCognis社により販売されているオクチルリン酸、モノ-ジエステル混合物、ならびにIsofol 12 7 EO-Phosphate Ester(登録商標)の名称でCondea社により販売されている2-ブチルモノリン酸およびジリン酸エステルのオクタノエトキシル化(7molのOE)混合物がある。
【0039】
言及することができるポリペプチドの例には、コムギおよびカラスムギアミノ酸への脂肪鎖の縮合により得られるポリペプチド、例えば、Aminofoam W OR(登録商標)の名称でCroda社により販売されている加水分解ラウロイルコムギタンパクのカリウム塩、May-Tein SY(登録商標)の名称でMaybrook社により販売されている加水分解ココイルダイズタンパク、トリエタノールアミン塩、Proteol Oat(登録商標)の名称でSEPPIC社により販売されているカラスムギラウロイルアミノ酸のナトリウム塩、Geliderm 3000(登録商標)の名称でDeutsche Gelatin社により販売されているココヤシ脂肪酸にグラフトしたコラーゲン加水分解物、およびProteol VS 22(登録商標)の名称でSEPPIC社により販売されている水添ココヤシ酸でアシル化されたダイズタンパクなどがある。
【0040】
言及することができるアニオン性アルキルポリグルコシド誘導体には、クエン酸塩、酒石酸塩、スルホコハク酸、炭酸塩およびアルキルポリグルコシドから製造されるグリセリルエーテル、例えばEucarol AGE-ET(登録商標)の名称でCesalpinia社により販売されているココイルポリグルコシド(1.4)、Essai 512 MP(登録商標)の名称でSEPPIC社により販売されているココイルポリグルコシド(1.4)のスルホコハク酸の二ナトリウム塩、Eucarol AGE-EC(登録商標)の名称でCesalpinia社により販売されているココイルポリグルコシド(1.4)(1.4)のクエン酸エステルのナトリウム塩、およびPlantapon LGC-SORBの名称でCognis社により販売されているラウリルポリグルコシドエーテルカルボン酸ナトリウムがある。
【0041】
本発明の好ましい一実施形態によれば、組成物は追加的な界面活性剤としてアルキルポリグルコシドから選択される非イオン性界面活性剤を含む。
【0042】
(オキシエチレン化化合物)
本発明の組成物で使用することができるオキシエチレン化化合物は、300,000を超える分子量、好ましくは400,000から4×106、さらによりよくは500,000から2×106の範囲の分子量を有するオキシエチレン化化合物である。
【0043】
本発明の好ましい一実施形態によれば、オキシエチレン化化合物は式(II):
H(OCH2CH2)nOH (II)
(式中、nは7,000から90,000の範囲の整数である)
の化合物である。
【0044】
本発明の組成物に使用されるのが好ましいオキシエチレン化化合物として、特に、Polyox WSR 205の名称でAmerchol社により販売されている製品などのPEG 14M(nが14,000である式(II))、Polyox WSR N-60 Kの名称でAmerchol社により販売されている製品などのPEG-45M(nが45,000である式(II))、およびこれらの混合物を挙げることができる。
【0045】
オキシエチレン化化合物は、本発明の組成物中に、組成物の全重量に対して、好ましくは0.1重量%から5重量%、さらによりよくは0.2重量%から3重量%の範囲の量で存在する。
【0046】
(添加剤)
本発明の組成物は、クレンジング製品に慣例的に使用されるあらゆる添加剤または活性物質を含んでよい。例として、防腐剤、金属イオン封鎖剤(EDTA)、抗酸化剤、香料、染料、例えば溶解性染料および顔料;真珠光沢顔料、粘度を与える無機または有機フィラー、マット化剤、漂白剤またはエクスフォリエント、サンスクリーン、親水性または親油性の美容的または皮膚科学的活性物質、例えば水溶性または脂溶性ビタミン、殺菌剤、抗脂漏剤、抗菌剤、例えば過酸化ベンゾイル、サリチル酸、トリクロサン、アゼライン酸、ナイアシンアミド(ビタミンPP)など、およびまた光学的光沢剤;水溶性媒体と相容しない脂肪物質、例えば油またはワックス;粘度調節剤または増粘剤、あるいは毛髪または皮膚の美容的特性を改善する効果を有する他の物質、例えばアニオン性、非イオン性、カチオン性または両性ポリマーなどを挙げることができる。これら種々のアジュバントは、考慮中の分野で慣例的に使用されている量、例えば組成物の全重量に対して、0.01重量%から20重量%である。これらのアジュバントおよびその濃度は、本発明の組成物に所望の特性を変化させることがないようなものでなければならない。
【0047】
本発明の組成物は、特に増粘剤を含んでよく、その量は最終組成物に所望の粘度に依存する。増粘剤は、組成物の全重量に対して、0.05重量%から10重量%の範囲、好ましくは0.05重量%から5重量%の範囲の濃度で存在してよい。
【0048】
増粘剤は、特に増粘ポリマー、粒子、電解質(塩類)および脂肪酸アミド、ならびにこれらの混合物から選択されてよい。
【0049】
増粘ポリマーは、アニオン性、両性、カチオン性または非イオン性でよく、架橋でも、非架橋でも、疎水性修飾されていても、そうでなくても、かつ天然でも合成でもよい。
【0050】
使用することができる増粘ポリマーの例には、カルボン酸、アクリルアミドおよび/またはアクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸から誘導されるポリマーがある。カルボン酸由来のポリマーは、水に可溶または分散可能で、アルカリまたは非アルカリ媒体に膨潤する会合性ポリマー(すなわち、疎水基を含むポリマー)または非会合性ポリマーであってよい。増粘ポリマーは、粉体、ラテックスまたはエマルションの形態であるか、あるいは水に分散してよい。ポリマーは、非イオン性、アニオン性、カチオン性、双極性または両性であってよい。ポリマー中に存在するモノマーは、好ましくはスチレン、ブタジエン、エチレン、アクリロニトリル、クロロプレン、塩化ビニリデン、イソプレン、イソブチレンおよび塩化ビニルモノマー、ならびにアクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、マレイン酸、クロトン酸およびイタコン酸のエステルモノマーから選択される。これらのモノマーは、単独でまたは組み合わせて使用されるか、あるいは1種または複数のイオン性モノマー、例えば荷電した形態のアクリルまたはメタクリル酸と混合されてよい。
【0051】
好ましいアニオン性ポリマーは、アクリルまたはメタクリル酸由来であってかつ、部分的に中和されたモノマー、例えばCarbopol 981およびCarbopol 1382の名称でNoveon社により販売されているポリマー、およびAcrysol 22の名称でRohm & Haas社により販売されているポリマー、を含む。
【0052】
使用することができる非イオン性増粘ポリマーには、脂肪酸エステルまたは脂肪アルキルエーテルのオキシアルキレン化誘導体、あるいは多糖類がある。特に挙げることができる脂肪酸エステルまたは脂肪アルキルエーテルのオキシアルキレン化誘導体は、多価アルコールのエトキシル化アルキルまたはアシル誘導体であり、これらは具体的にはC6〜C30脂肪酸エステルまたはC6〜C30脂肪アルキルエーテル、およびグリセロール、ソルビトール、グルコースまたはペンタエリスリトールなどの多価アルコールのオキシエチレン化誘導体であってよく、これらのオキシエチレン化誘導体は、一般に50から500個のオキシエチレン基、好ましくは100から300個のオキシエチレン基を含む。挙げることができるこのタイプの化合物の例は、Simulsol 220 TM(登録商標)の名称でSEPPIC社により販売されている製品などのオキシエチレン化(200 OE)ステアリン酸グリセリル、Crothix(登録商標)の名称でCroda社により販売されている製品などのオキシエチレン化(150 OE)テトラステアリン酸ペンタエリスリチル、Glucamate DOE-120 Vegetal(登録商標)の名称でAmerchol社により販売されている製品などのオキシエチレン化(120 OE)ジオレイン酸メチルグルコース、Rheodol TW IS399C(登録商標)の名称でKao Chemicals社により販売されている製品などのオキシエチレン化(160 OE)トリイソステアリン酸ソルビタン、ならびにこれらの混合物である。挙げることができる多糖類は、キサンタンガムおよび類似のガム類、ならびにセルロース誘導体、例えばNatrosol Plus Grade 330 CSの名称でHercules社により販売されているセチルヒドロキシエチルセルロース、およびこれらの混合物である。
【0053】
使用することができる処方増粘用の粒子は、クレー、例えばElementis Specialities社により販売されているBentone MAなどのヘクトライトである。
【0054】
使用することができる脂肪酸アミドの例には、コカミドMEAおよびコカミドMIPA、ならびにこれらの混合物がある。
【0055】
使用することができる電解質の例には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、および類似の塩類、ならびにこれらの混合物がある。
【0056】
本発明の組成物は、安定であり、細かい泡を生じかつ、非常に良好なすすぎ落ち性を有する。組成物は、例えば、皮膚、頭皮および/または毛髪用のクレンジングおよび/またはメークアップ除去製品、皮膚用スクラブ製品および/またはエクスフォリエント製品を構成することができる。組成物はより特に、皮膚クレンジング組成物を形成することができる。
【0057】
本発明のもう1つの課題は、前記のような組成物の、皮膚、頭皮および/または毛髪用のクレンジングおよび/またはメークアップ除去製品ならびに/あるいは皮膚用スクラブ製品および/またはエクスフォリエント製品としての美容的使用からなる。
【0058】
本発明の組成物は、2つの方法で使用することができる:
・第一の使用は、ゲルを両手の間に広げ、それを顔または身体に適用し、次いで水の存在下で、顔または身体上に直接泡を生じるようにそれをこねることを本質とし、
・このタイプの製品のもう一方の可能な使用は、泡を手の平で発生させた後に、それを顔または身体に適用することを本質とする。
どちらの場合においても、泡は次いで洗い流される。
【0059】
本発明の組成物はまた、特に脂っぽい皮膚を処理するための特定の活性物質、例えば、サリチル酸、アゼライン酸、トリクロサン、ピロクトンオラミン、ナイアシンアミド(ビタミンPP)、を含むとき、脂っぽい皮膚を処理するための組成物を構成することができる。
【0060】
本発明のもう1つの課題は、脂っぽい皮膚を処理するための組成物の調製のための、前記定義の組成物の使用である。
【実施例】
【0061】
続いての実施例は、本発明を例証するために役立つが、まったく限定をすることはない。表示されている量は、別段の記載がない限り、重量パーセントである。
【0062】
実施例の表において、すべてのパーセンテージは活性物質(AM)の重量により表される。
【0063】
(官能性能)
実施例のいくつかにおいて、組成物の官能性能(泡の品質)を以下に記載のプロトコールに基づき、測定した。
【0064】
製品のあらゆる使用の前に、手を家庭用石けんで洗い、次いで適切にすすいで乾燥する。次いで以下のようなプロトコールが続く:
1 両手を流水にくぐらせて濡らし、水気を取るために3回振る、
2 片方の手の平に、1gの製品を置く、
3 両方の手の平の間で製品を10秒間こねる、
4 2mlの水を加え、製品を再度、10秒間こねる、
5 製品を再度、10秒間こねる、
6 2mlの水を加え、製品を再度、10秒間こねる、
7 両手を水の中ですすぐ、
8 両手を拭く。
【0065】
以下に示すように、プロトコールの各工程において、判断基準を評価し、0から10のスケールに基づき等級付ける。
− 工程4〜5:泡の品質の評価(工程6)
− 泡のボリューム:等級が高ければ高いほどボリュームは大きい。
− 泡を構成する気泡のサイズ:等級が高ければ高いほど気泡は大きい。
− 泡の挙動: 泡が流れないならば、等級が高ければ高いほど泡はより弾力性がある。
− 工程7:すすぎ時の評価
− すすぎ:等級が低ければ低いほど、取り除き難く、つるつる滑る被膜がたくさん存在し、このことは、等級が高ければ高いほど、製品は被膜を残すことなくより容易に洗い流されることを意味する。
【0066】
評価パネルは、4名の熟練した専門家から成っていた。4名の等級を平均することにより判断基準に基づく組成物の比較が可能になる。
【0067】
【表1】

【0068】
本発明に基づく実施例1および2と比較例1から3とを比較することによって、Beaulightタイプのアニオン性界面活性剤への分子量500,000を超えるオキシエチレン化化合物の添加が、より細かい泡(より小さな気泡サイズ)およびより大きな柔軟性を与えると同時に良好な泡挙動および良好なすすぎを維持する一方で、分子量100,000未満のオキシエチレン化化合物では同様な結果は得られないということが示された。
【0069】
【表2】

【0070】
この表は、組成物中に存在する界面活性剤が両性(比較例4)であろうと、非イオン性(比較例5)であろうと、アニオン性と非イオン性界面活性剤の混合物(比較例6)であろうと、発泡性組成物への高分子量のオキシエチレン化化合物の添加は、一般に、相分離を引き起こすことを示している。他方で、アルキルグリコールカルボン酸塩の存在下では、この相分離は起こらない。
【0071】
【表3】

【0072】
この表は、本発明の組成物の優位性(よりよい気泡サイズ、よりよい泡挙動、よりよい柔軟性)を示している。
【0073】
【表4】

【0074】
この表の本発明に基づく実施例と比較例とを比較することによって、高分子量のオキシエチレン化化合物の添加が、泡の繊細さ(小さい気泡サイズ)および泡の挙動を改善すると同時に、組成物の透明性を維持することが示された。
【0075】
【表5】

【0076】
この表は、高分子量のオキシエチレン化化合物の添加により、組成物の透明性を維持すると同時に、発泡系の泡の品質(気泡サイズ、泡の挙動、柔軟性)を改善することができることを示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生理的に許容できる水性媒体中に、アルキルグリコールカルボン酸およびその塩から選択される少なくとも1種のアニオン性界面活性剤、ならびに300,000g/mol以上の分子量を有する少なくとも1種のオキシエチレン化化合物を含む、局所適用のためのクレンジング組成物。
【請求項2】
アニオン性界面活性剤が、組成物の全重量に対して、0.5重量%から20重量%の範囲の量で存在することを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
アニオン性界面活性剤が、以下の式(I):
R1-CHOH-CH2-O-CH2-COO- X+ (I)
(式中、R1は、8から30個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖または分枝状アルキル基を示し、Xは水素または無機または有機カチオンを示す)
を有することを特徴とする、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
非イオン性、両性およびアニオン性界面活性剤、ならびにこれらの混合物から選択される1種または複数の追加的な界面活性剤も含むことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
界面活性剤の全量が、組成物の全重量に対して、2重量%から50重量%の範囲であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
アルキルグリコールカルボン酸およびその塩から選択されるアニオン性界面活性剤の他の界面活性剤に対する重量比が、100/0から10/90の範囲であることを特徴とする、請求項6から8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
オキシエチレン化化合物の量が、組成物の全重量に対して、0.1重量%から3重量%の範囲であることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
オキシエチレン化化合物が式:
H(OCH2CH2)nOH
(式中、nは7,000から90,000の範囲の整数である)
の化合物であることを特徴とする、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
皮膚、頭皮および/または毛髪用のクレンジングおよび/またはメークアップ除去製品、ならびに/あるいは皮膚用スクラブ製品および/またはエクスフォリエント製品を構成することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。

【公開番号】特開2006−36777(P2006−36777A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−214782(P2005−214782)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】