説明

発泡成形体の製造方法

【課題】強度不足が生じ易い部分の強度低下を抑制する、あるいは部分的な強度アップを図ることができる発泡成形体およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】キャビティCに発泡粒子を充填する充填工程と、前記可動型11dを圧縮方向に移動させて成形型内10の発泡粒子を部分的に圧縮する圧縮工程と、前記成形型内10の発泡粒子を加熱することにより所定形状に発泡成形体を成形する成形工程とを含み、前記充填工程において、製造しようとする発泡成形体における圧縮部分に存在する単位体積当たりの発泡粒子の個数が非圧縮部分に存在する単位体積当たりの発泡粒子の個数よりも多くなるように、圧縮部分に対応する前記キャビティCの空隙幅を規定幅よりも広げた状態で発泡粒子を充填し、前記圧縮工程において、圧縮部分に対応する前記キャビティの空隙幅が規定幅となるまで前記可動型11dを圧縮方向に移動させることを特徴とする発泡成形体の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡成形体の製造方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、魚介類や農産物等の収容容器、易破損品や電子機器等の梱包材、ヘルメットの衝撃緩衝材などに用いられる発泡成形体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
図7は従来の発泡成形装置を示す概略構成図である(例えば、特許文献1参照)。この従来の発泡成形装置は、多数の蒸気孔が形成された凹型101と凸型102からなる成形型100と、凹型101を保持する凹型フレーム103および凸型102を保持する凸型フレーム104とによって構成される蒸気室105と、凹型フレーム103を貫通して凹型101に形成された充填口に挿入された先端部を有するフィーダー106と、凸型フレーム104を凹型フレーム103に対して接近または離間させる方向に移動させる移動機構Mとを備える。
また、バルブを有する蒸気供給管107、108が凹凸型フレーム103、104の上部に接続されると共に、バルブを有する第1および第2ドレン管109、110が凹凸型フレーム103、104の下部に接続されている。
なお、図示省略するが、バルブを有する第1および第2エアー排出管が第1および第2ドレン管109、110の途中部に接続されると共に、真空ポンプが第1および第2エアー排出管に接続される場合もある。
【0003】
この発泡成形装置を用いた発泡成形体の製造では、まず、凸型フレーム104を凹型フレーム103に接近させて成形型101を閉じ、成形型101のキャビティC内にフィーダー106から供給された発泡粒子を充填する。この間、第1および第2蒸気供給管107、108および第1および第2ドレン管109、110は閉じられている。
その後、フィーダー106内を挿通する図示しないピストン部材によって充填口を遮蔽し、第1および第2蒸気供給管107、108および第1および第2ドレン管109、110を開き、第1および第2蒸気供給管107、108からの蒸気を蒸気室105内に供給する。これにより、成形型100内に蒸気が流通し、蒸気の熱によって発泡粒子は加熱され熱融着し、それによって所定形状の発泡成形体が成形される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平1−209127号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の発泡成形装置において、成形型100のキャビティCの形状は、得ようとする発泡成形体の形状に対応している。例えば、図7では、底部と、底部よりも厚みが薄い外周部を有する箱形の発泡成形体に対応する形のキャビティを有する成形型100を例示している。このような箱形のキャビティCにおいて、外周部対応部分C2の空隙幅W2は底部対応部分C1の空隙幅W1よりも狭くなっている。
この場合、キャビティC内に発泡粒子Pを充填する際、図8に示すように、底部対応部分C1には発泡粒子Pが密に充填されるが、空隙幅W2の狭い外周部対応部分C2には発泡粒子Pが入り込み難いため疎らに充填され易い。この結果、製造された発泡成形体において、外周部の発泡粒子の発泡倍率が規定値よりも大きくなる傾向にあり、外周部の強度が規定値よりも低下し易い。
また、発泡成形体における厚みの薄い部分の強度が規定値を満たしていたとしても、規定値より少しでも強度が高い方が望ましい。
【0006】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、強度不足が生じ易い部分の強度を規定値以上に高める、あるいは部分的な強度アップを図ることができる発泡成形体の製造方法、およびその製造方法によって製造された発泡成形体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かくして、本発明によれば、相対的に開閉方向に移動可能な凹型と凸型を有し、かつ凹型と凸型のうち少なくとも一方は部分的に可動する可動型を有する成形型を閉じ、閉じた成形型の充填口から凹型と凸型の間のキャビティに発泡粒子を充填する充填工程と、
前記可動型を圧縮方向に移動させて成形型内の発泡粒子を部分的に圧縮する圧縮工程と、
前記成形型内の発泡粒子を加熱することにより所定形状に発泡成形体を成形する成形工程とを含み、
前記充填工程において、製造しようとする発泡成形体における圧縮部分に存在する単位体積当たりの発泡粒子の個数が非圧縮部分に存在する単位体積当たりの発泡粒子の個数よりも多くなるように、圧縮部分に対応する前記キャビティの空隙幅を規定幅よりも広げた状態で発泡粒子を充填し、
前記圧縮工程において、圧縮部分に対応する前記キャビティの空隙幅が規定幅となるまで前記可動型を圧縮方向に移動させる発泡成形体の製造方法が提供される。
【0008】
また、本発明の別の観点によれば、前記発泡成形体の製造方法によって製造された発泡成形体であって、部分的に圧縮された圧縮部分に存在する単位体積当たりの発泡粒子の個数が、非圧縮部分に存在する単位体積当たりの発泡粒子の個数よりも多く、かつ前記圧縮部分と前記非圧縮部分との境界にパーティションラインが存在する発泡成形体が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明の発泡成形体の製造方法によれば、圧縮部分に存在する単位体積当たりの発泡粒子の個数が非圧縮部分に存在する単位体積当たりの発泡粒子の個数よりも多い発泡成形体を製造することができる。この結果、本発明によって製造された発泡成形体における圧縮された厚みの薄い部分の強度は、可動型を有さない従来の成形型によって製造された発泡成形体における薄い部分の強度よりも高くなっている。
したがって、本発明によれば、発泡成形体における強度不足が生じ易い部分の強度低下を防止することができる。また、本発明は、発泡成形体における圧縮部分と非圧縮部分の厚みが同じである場合、圧縮部分の強度を非圧縮部分の強度よりも高くすることもでき、部分的な強度アップを図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は本発明の発泡成形体の製造方法に用いられる発泡成形装置の実施形態1を示す概略構成図である。
【図2】図2(A)および(B)は図1の発泡成形装置における可動型がシリンダ機構により移動する状態を示す断面図である。
【図3】図3(A)および(B)は図1の発泡成形装置における可動型がリンク機構により移動する状態を示す断面図である。
【図4】図4(A)および(B)は図1の発泡成形装置における可動型が移動して発泡粒子を圧縮する状態を示す断面図である。
【図5】図5は本発明の発泡成形体の製造方法の実施形態2で用いられる成形型の一例を示す正面断面図である。
【図6】図6は図5の成形型を用いて製造された発泡成形体を示す正面断面図である。
【図7】図7は従来の発泡成形装置を示す概略構成図である。
【図8】図8は図7の発泡成形装置の成形型のキャビティ内に発泡粒子を充填した状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
(実施形態1)
図1は本発明の発泡成形体の製造方法に用いられる発泡成形装置の実施形態1を示す概略構成図であり、図2(A)および(B)は図1の発泡成形装置における可動型がシリンダ機構により移動する状態を示す断面図であり、図3(A)および(B)は図1の発泡成形装置における可動型がリンク機構により移動する状態を示す断面図であり、図4(A)および(B)は図1の発泡成形装置における可動型が移動して発泡粒子を圧縮する状態を示す断面図である。なお、図1において、従来の発泡成形装置と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0012】
〈発泡成形装置〉
図1〜図3に示すように、実施形態1の発泡成形装置は、多数の蒸気孔が形成された凹型11と凸型12からなる成形型10を備え、この成形型10の構成が図7で示した従来の発泡成形装置における成形型110とは異なる以外は、同様の構成を備えている。なお図2と図3において、凹型11と凸型12の蒸気孔は図示省略している。
成形型10は、底部と、底部よりも厚みが薄い外周部とからなる箱形の発泡成形体に対応する形のキャビティCを有し、この箱形のキャビティCにおいて、外周部対応部分C2の空隙幅W2は底部対応部分C1の空隙幅W1よりも狭くなっている。この点は従来の成形型100(図7)と同様である。
【0013】
凹型11は、キャビティCの底部対応部分C1に対応する平板部11aと、平板部11aの外周縁に沿ってかつ平板部11aと直交する方向に連設された周壁部11bと、周壁部11bの端部に沿ってかつ周壁部11bと直交する方向に連設された外フランジ部11cと、キャビティCの外周部対応部分C2と連通するように周壁部11bに形成された複数の貫通孔にスライド可能に設けられた複数の可動型11dと、可動型11dを周壁部11bと直交する方向(成形型10の開閉方向と直交する方向)に往復移動させる往復移動機構11eとを備え、外フランジ部11cの外周部が凹型フレーム103に固定されている。なお、可動型11dは、周壁部11bの一部である。
【0014】
凸型12は、キャビティCの底部対応部分C1に対応する平板部12aと、平板部12aの外周縁に沿ってかつ平板部12aと直交する方向に連設された周壁部12bと、周壁部12bの端部に沿ってかつ周壁部12bと直交する方向に連設された外フランジ部12cとを備え、外フランジ部12cの外周部が凸型フレーム104に固定されている。
成形型10の閉状態において、凸型12の外フランジ部12cは凹型11の外フランジ部11cに当接している。また、凸型12の周壁部12bの外面と凹型11の外フランジ部11cの内端とが当接している。
【0015】
往復移動機構11eとしては、例えば、図2に示すようなシリンダ機構11e1を採用することができる。
シリンダ機構11e1は、凹型フレーム103に固定されたシリンダ本体11e11と、シリンダ本体11e11から突出して凹型フレーム103に形成された挿通孔に挿通されたピストンロッド11e12とからなり、ピストンロッド11e12の先端は可動型11dと連結している。
図2(A)はシリンダ機構11e1が短縮した状態を示し、図2(B)はシリンダ機構11eが伸長した状態を示している。シリンダ機構11e1におけるピストンロッド11e12を伸縮させる機構としては特に限定されず、例えば、空気圧、油圧、ボールネジを用いた電動式等が挙げられる。なお、後述のリンク機構11e2のシリンダ部においても同様である。
【0016】
また、往復移動機構11eは、例えば、図3に示すようなリンク機構11e2を採用することもできる。
リンク機構11e2は、凹型フレーム103に固定されたシリンダ本体部11e21とピストンロッド部11e22からなるシリンダ部と、ピストンロッド部11e22の先端に枢着された棒状の第1リンク部材11e23と、第1リンク部材11e23の先端に枢着された屈曲棒状の第2リンク部材11e24と、凹型フレーム103に形成された挿通孔に挿通されると共に第2リンク部材11e24の先端に枢着された棒状の第3リンク部材11e25とからなり、第3リンク部材11e25の先端は可動型11dと連結している。
図3(A)はリンク機構11e2のシリンダ部が伸長した状態を示し、図3(B)はシリンダ機構11e2のシリンダ部が短縮した状態を示している。
なお、往復移動機構11eは、前記のシリンダ機構11e1およびリンク機構11e2に限定されず、例えば、ハンドルを用いた手動式でもよい。
【0017】
このように構成された本発明における発泡成形装置によれば、キャビティCの外周部対応部分C2に配置された可動型11dの移動方向は、凹型11と凸型12の開閉方向と直角な方向に移動し、キャビティCの外周部対応部分C2の一部の空隙幅を規定幅よりも広くしてクラッキング(発泡粒子を充填しやすくするための隙間)を形成することができる。本実施形態の場合、可動型11dの移動方向は、開閉方向と直角な方向(開閉方向に対してほぼ90°の方向)を意味しているが、本発明において可動部11dの移動方向はこれに限定されない。ここで、「開閉方向と直角な方向」とは、開閉方向に対して厳密な90°の方向を意味するものではなく、ほぼ直角な方向であればよい。換言すると、本発明において、可動型11dの移動方向は、キャビティCの外周部対応部分C2に対してほぼ直角な方向であることが好ましい。
しかしながら、移動方向が直角であれば良く、圧縮面は開閉方向に対して必ずしも直角でなくても良い。例えば可動型が開閉方向に直角に移動し、可動型の金型面に傾斜がついていても良い。
【0018】
なお、この発泡成形装置において、可動型11dによりキャビティCの外周部対応部分C2の一部にクラッキングを形成するのと並行して、凹型11および凸型12を完全に閉じる直前にこれらの移動を停止して、キャビティCの底部対応部分C1にもクラッキング(例えば、1〜5mm程度)を形成し、キャビティCに発泡粒子を充填した後、凹型11および凸型12を完全に閉じるようにしてもよい。
【0019】
本発明において、発泡成形体は、発泡粒子を準備し、この発泡粒子を材料として前記発泡成形装置を用いて所定形状に成形することにより得られる。
ここで、発泡成形体の製造方法を説明する前に、発泡粒子およびその製造方法について説明する。
【0020】
<発泡粒子の樹脂成分>
発泡粒子の樹脂成分は加熱によって発泡可能であれば特に限定されず、公知の熱可塑性樹脂を使用できる。具体的には、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリ乳酸系樹脂、PET等)等を挙げることができる。これら樹脂成分は、単独で使用しても、混合して使用してもよい。なお、(メタ)アクリルはアクリル又はメタクリルを意味する。
【0021】
なお、複数の樹脂成分を使用する場合、使用原料についての、単量体間の質量比率、単量体と樹脂との間の質量比率及び樹脂間の質量比率と、それらから得られる樹脂粒子、発泡粒子及び発泡成形体に含まれる樹脂成分の質量比率とは略同一である。
【0022】
本発明においては、後述の製造方法(A)で発泡粒子を製造する際の樹脂成分は、ポリスチレン系樹脂が好ましい。発泡粒子の樹脂成分としてポリスチレン系樹脂を用いることにより、高倍の発泡成形体を得ることができる。また、後述の製造方法(B)で発泡粒子を製造する際の樹脂成分は、ポリ乳酸系樹脂が好ましい。ポリ乳酸系樹脂は、近年の環境意識の高まりと原油高騰等から石油を原料とする合成樹脂に代わる合成樹脂として注目を集めており、発泡粒子の樹脂成分としてポリ乳酸系樹脂を用いることにより、環境負荷を低減することができる。
【0023】
[ポリスチレン系樹脂]
本発明において、ポリスチレン系樹脂とは、スチレン単独重合体、又はスチレン単量体を主成分とし、スチレン単量体と共重合可能な他の単量体との共重合体を意味する。また、スチレン系単量体とは、スチレン単量体、又はスチレン単量体を主成分とし、スチレン単量体と共重合可能な他の単量体との混合物を意味する。ここでスチレン単量体を主成分とするとは、スチレン単量体が全単量体100質量部に対して80質量部以上を占めることを意味する。
共重合体はランダム共重合体であってよく、ブロック共重合体であってもよい。
【0024】
また、スチレン単量体と共重合可能な他の単量体として、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、ジビニルベンゼン及びポリエチレングリコールジメタクリレートのようなビニル系単量体を挙げることができる。本発明において、アルキルとは炭素数1〜30のアルキルを意味する。
本発明においては、より高倍の発泡成形体を得ることができるため、樹脂成分としてスチレン単独重合体が好ましい。
【0025】
また、ポリスチレン系樹脂は樹脂成分の発泡性確保の観点から、好ましくは50×103〜150×103、より好ましくは60×103〜140×103の平均分子量を有する。なお、本発明において、平均分子量とは、GPC(ゲルパーミエイションクロマトグラフィー)で測定される重量平均分子量を意味する。
【0026】
[ポリ乳酸系樹脂]
本発明において、ポリ乳酸系樹脂としては、乳酸系単量体を公知の方法に従って重合することによって得られ、D−乳酸およびL−乳酸を単量体として共重合させるか、D−乳酸またはL−乳酸のいずれか一方を単量体として重合させるか、あるいは、D−ラクチド、L−ラクチドおよびDL−ラクチドからなる群より選ばれた1または2以上のラクチドを開環重合させることによって得られるポリ乳酸系樹脂が、生分解性の観点から好ましい。
【0027】
また、ポリ乳酸系樹脂は、発泡成形工程や所望の物性等に影響を与えない限り、乳酸以外の乳酸系単量体として、グリコール酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸およびヒドロキシヘプタン酸のような脂肪族ヒドロキシカルボン酸等を任意に含んでいてもよい。
【0028】
ポリ乳酸系樹脂を製造する際に用いられる単量体としてL体とD体とを併用した場合、単量体中におけるD体あるいはL体の含有量の少ない方の単量体量は、0.5〜5モル%が好ましい。なお、単量体中におけるD体あるいはL体の含有量の少ない方の単量体量が5モル%を超えると、ポリ乳酸系樹脂の結晶性が低くなって、得られるポリ乳酸系樹脂発泡成形体の耐熱性が低下することがある。一方、単量体中におけるD体あるいはL体の含有量の少ない方の単量体量が0.5モル%を下回ると、ポリ乳酸系樹脂発泡体の成形工程時にポリ乳酸系樹脂の結晶化度が急激に上昇し、その結果、ポリ乳酸系樹脂発泡体同士の融着性が低下してポリ乳酸系樹脂発泡成形体の機械的強度や外観性が低下することがある。ポリ乳酸系樹脂中のD体あるいはL体の含有量は液体クロマトグフィを用いた定性、定量分析により確認することができる。
【0029】
<発泡剤>
発泡剤としては、公知の種々の発泡剤が使用できる。例えば、上記発泡剤としては、従来から汎用されているものが用いられ、例えば、アゾジカルボンアミド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、ヒドラゾイルジカルボンアミド、重炭酸ナトリウムなどの化学発泡剤;プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、ヘキサンなどの飽和脂肪族炭化水素、ジメチルエーテルなどのエーテル類、塩化メチル、1,1,1,2−テトラフルオロエタン、1,1−ジフルオロエタン、モノクロロジフルオロメタンなどのフロン、二酸化炭素、窒素などの物理発泡剤などが挙げられ、ジメチルエーテル、プロパン、ノルマルブタン、イソブタン、二酸化炭素が好ましく、プロパン、ノルマルブタン、イソブタンがより好ましく、ノルマルブタン、イソブタンが特に好ましい。
発泡剤は単独で用いてもよく2種以上を用いてもよい。
【0030】
発泡剤の含有率として、後述の製造方法(A)で発泡粒子を製造する際は、樹脂成分100質量部に対して、8〜13質量部であることが好ましい。発泡剤の含有率が8質量部未満であると、発泡性が低下し、嵩倍数の高い低嵩密度の発泡粒子が得られ難くなることがある。一方、13質量部を超えると、発泡粒子中の気泡サイズが過大となり易く、成形性の低下や、得られる発泡成形体の圧縮、曲げ等の強度特性の低下が発生することがある。より好ましい発泡剤の含有率は、8〜11質量部の範囲である。
また、後述の製造方法(B)で発泡粒子を製造する際は、樹脂成分100質量部に対して、0.1〜5重量部が好まししい。発泡剤の含有率が0.1質量部未満であると、発泡性が低下し、嵩倍数の高い低嵩密度の発泡粒子が得られ難くなることがある。一方、5質量部を超えると、発泡剤が可塑剤として作用することから溶融状態のポリ乳酸系樹脂の粘弾性が低下し過ぎて発泡性が低下し良好な発泡粒子を得ることができない、或いはポリ乳酸系樹脂発泡粒子の発泡倍率が高過ぎて結晶化度を制御できなくなる場合がある。より好ましい発泡剤の含有率は、0.2〜4質量部の範囲である。
【0031】
また、更に均一に発泡粒子を発泡させ得る発泡助剤を発泡剤と併用してもよい。発泡助剤として、例えば、シクロヘキサン及びd−リモネンのような溶剤、ジイソブチルアジペート、グリセリン、ジアセチル化モノラウレート及びやし油のような可塑剤(高沸点溶剤)を挙げることができる。
【0032】
<発泡粒子のその他の原材料>
本発明においては、所望の発泡成形体を得ることができる限り、発泡粒子の原材料中に添加剤等を含んでいてもよい。添加剤として、具体的には、表面処理剤、難燃剤、難燃助剤、被覆剤、連鎖移動剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、消泡剤、増粘剤、熱安定剤、レベリング剤、滑剤、帯電防止剤、加水分解抑制剤等が挙げられる。これら添加剤は原材料中に混練や発泡粒子の表面に添加する等、期待する効果が最も発現すると考えられる方法で添加して良い。なお、発泡粒子の原材料中にこれらの添加剤を含む場合、発泡粒子から得られる発泡成形体もこれらの添加剤を含む。
【0033】
(4)発泡粒子の製造方法
本発明において、発泡粒子は、次の公知の製造方法(A)、(B)で製造することができる。
【0034】
<製造方法A>
製造方法Aとしては、例えば、V型、C型あるいはDC型等の回転混合機であって、密閉耐圧の容器に樹脂粒子を入れて流動させ、次いで発泡剤を導入することで樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法、および、攪拌機付密閉耐圧容器内で樹脂粒子を水性媒体に懸濁させ、次いで発泡剤を導入し、樹脂粒子に発泡剤を含浸させる方法を挙げることができる。この際、発泡剤の含浸は50〜80℃、1.0〜4.0時間行うことが好ましい。更に、前記含浸は所望の発泡成形体等を得ることができる限り、加圧条件下で行ってもよい。
このようにして発泡性樹脂粒子を製造した後、発泡性樹脂粒子を所定の嵩倍数まで加熱発泡させることにより、発泡粒子(予備発泡粒子)を得ることができる。ポリスチレン系樹脂を発泡粒子の樹脂成分として用いる場合は、この製造方法Aが好適である。
【0035】
予備発泡粒子は、所望の嵩倍数を有する予備発泡粒子を得ることができる限り、公知の予備発泡方法を用いて製造できる。予備発泡方法の一例を挙げれば、水蒸気等の加熱媒体を用いて発泡性樹脂粒子を加熱し、所定の嵩倍数に予備発泡させることで、予備発泡粒子を得ることができる。
本発明においては、より容易に予備発泡を行うことができるため、80〜125℃の水蒸気を用いて発泡性樹脂粒子を予備発泡させることが好ましい。また、熟成するために、好ましくは室温で、4時間以上放置してもよい。
また、予備発泡粒子の平均粒子径は10mm以下が好ましく、8mm以下がより好ましく、6mm以下がさらに好ましい。平均粒子径が10mmより大きいと、凹型と凸型の間のキャビティへの予備発泡粒子の充填性が低下することがあり、得られる発泡成形体の強度が低下することがある。なお、本発明においては、予備発泡粒子は、それらの流動性確保の観点から、球状〜略球状(卵状)であることが好ましい。
【0036】
<製造方法B>
製造方法Bは、まず、樹脂を押出機に供給して発泡剤の存在下にて溶融混練した後、押出機の先端に取り付けた金型から押出発泡させる。このとき、押出発泡させて得られた樹脂押出発泡体の形態は、特に限定されず、ストランド状、シート状等が挙げられ、ストランド状が好ましいが、結晶性樹脂発泡体を効率的にかつ安定に製造するためには、押出機の前端に取り付けたノズル金型から押出発泡して樹脂押出発泡体を製造し、ノズル金型から押出された直後の樹脂押出発泡体を連続的に回転刃によって切断して発泡粒子を製造することが好ましい。なお、前記押出機としては、従来から汎用されている押出機であれば、特に限定されず、例えば、単軸押出機、二軸押出機、複数の押出機を連結させたタンデム型の押出機が挙げられる。ポリ乳酸系樹脂を発泡粒子の材料とする場合は、この製造方法Bが好適である。
【0037】
また、上記方法で得られた発泡粒子にさらに不活性ガスを含浸させて、発泡粒子の発泡力を向上させてもよい。このように発泡粒子の発泡力を向上させることにより、発泡成形時に発泡体同士の融着性が向上し、得られる発泡成形体はさらに優れた機械的強度を有する。なお、上記不活性ガスとしては、例えば、二酸化炭素、窒素、ヘリウム、アルゴンなどが挙げられ、二酸化炭素が好ましい。
【0038】
さらに、発泡粒子を金型内に充填する前に加熱して二次発泡させて、より高発泡の二次発泡粒子とした上で金型内に充填して加熱、発泡させてもよい。このような二次発泡体を用いることによって、高発泡倍率の発泡成形体を得ることができる。なお、発泡粒子を加熱する加熱媒体としては、乾燥した空気が好ましい。
また、製造方法Aと同様に、製造方法Bに用いられる発泡粒子の平均粒子径は10mm以下が好ましく、8mm以下がより好ましく、6mm以下がさらに好ましい。平均粒子径が10mmより大きいと、凹型と凸型の間のキャビティへの発泡粒子の充填性が低下することがあり、得られる発泡成形体の強度が低下することがある。なお、本発明においては、発泡粒子は、それらの流動性確保の観点から、球状〜略球状(卵状)であることが好ましい。
【0039】
〈発泡成形体の製造方法〉
実施形態1の発泡成形装置を用いた発泡成形体の製造では、図1に示すように、まず、凸型フレーム104を凹型フレーム103に接近させて成形型10を閉じる。次に、図2(A)または図3(A)に示すように、キャビティCの外周部対応部分C2の空隙幅W2を広げるために凹型11の可動型11dを往復移動機構11eによって後退させる。なお、成形型10を閉じる前に、予め可動型11dを後退させておいてもよい。そして、成形型10のキャビティC内にフィーダー106から供給された発泡粒子Pを充填する。この間、第1および第2蒸気供給管107、108および第1および第2ドレン管109、110は開いている。
【0040】
図2(A)、図3(A)および図4(A)に示すように、キャビティCの外周部対応部分C2の空隙幅W3が広がることにより、発泡粒子Pが底部対応部分C1から外周部対応部分C2の奥へ流入し密に充填される。
続いて、図2(B)、図3(B)および図4(B)に示すように、往復移動機構11eによって可動型11dを規定の空隙幅W2まで圧縮方向に前進させることによって、キャビティCの外周部対応部分C2内の発泡粒子Pを圧縮する。このとき、外周部対応部分C2内の発泡粒子P(圧縮部分の発泡粒子P)の単位体積当たりの個数は、底部対応部分C1内の発泡粒子P(非圧縮部分の発泡粒子P)の単位体積当たりの個数よりも多くなっている。
ここで、外周部対応部分C2の拡大した空隙幅W3と規定の空隙幅W2との比W3/W2としては、特に限定されず、得ようとする発泡成形体に応じて適宜設定することができ、例えば、1.05〜3.0とすることができる。
【0041】
その後、フィーダー106内を挿通する図示しないピストン部材によって充填口を遮蔽し、第1および第2蒸気供給管107、108からの蒸気を蒸気室105内に供給する。これにより、成形型10内に蒸気が流通し、蒸気の熱によって発泡粒子は加熱され熱融着し、それによって所定形状の発泡成形体が成形される。
このような本発明の製造方法によって製造された発泡成形体は、前述したように、外周部対応部分C2の圧縮部分の発泡粒子の単位体積当たりの個数は、底部対応部分C1の非圧縮部分の発泡粒子の単位体積当たりの個数よりも多くなっている。そのため、発泡成形体において、圧縮部分の単位体積当たりの強度は、非圧縮部分の単位体積当たりの強度よりも強くなっている。
【0042】
したがって、実施形態1の箱形発泡成形体において、底部よりも薄く強度不足が生じ易い外周部の強度は規定値以上に高くなっている。なお、ここで「規定値」とは、規定厚みおよび規定発泡倍率を有する外周部の強度を意味する。
なお、本発明によって製造された発泡成形体において、圧縮部と非圧縮部との境界にはパーティションラインが存在しており、このパーティションラインの存在が本発明の製造方法で製造されたことを示す。これは可動型11dを滞りなく稼動させるために、周壁部11bと可動型11dとの間にはクリアランスが存在する。発泡粒子を加熱し成形する際に、このクリアランスに発泡粒が食い込むためパーティションラインが発現する。このパーティションラインは、発泡成形体の外面および断面に現れるため、本発明における発泡成形体とパーティションラインを有さない従来の発泡成形体とを容易に識別することができる。
【0043】
(実施形態2)
図5は本発明の発泡成形体の製造方法の実施形態2で用いられる成形型の一例を示す正面断面図であり、図6は図5の成形型を用いて製造された発泡成形体を示す正面断面図である。具体的に、実施形態2で用いられる成形型20は、産業用ヘルメットの衝撃吸収材としての発泡成形体を成形する成形型である。
【0044】
一般に産業用ヘルメットは、合成樹脂を主なる原料に製作された帽体と、帽体の内面に固定される衝撃吸収ライナー(衝撃吸収材)と、衝撃吸収ライナーよりも内側に配置されて帽体内面に固定されるハンモックと、ハンモックに取り付けられたあご紐およびヘッドバンド等を備えている。
このような産業用ヘルメットに用いられる衝撃吸収ライナーとしての発泡成形体Sは、図6に示すように、外面および内面が半球状であり、ヘルメット着用者の頭頂骨、前頭骨、左右側頭骨、後頭骨を覆う湾曲形状に形成されており、その厚みは、中央から端部に向かうにつれて薄くなっている。
【0045】
成形型20は、可動型21dおよび可動型21dを移動させる往復移動機構21eを有する凹型21と、凸型22と、凹型21と凸型22とを開閉可能に型締めするクランプ部23とを備え、型締めすることにより発泡成形体Sと同形状のキャビティ20Cが形成される。このキャビティ20Cは、空隙幅が広い部分20C1と、空隙幅が狭い部分20C2とを有し、左右側頭骨に対応する2箇所の狭い部分20C2の位置に可動型21dが設けられている。
【0046】
半球状の内面を有する凹型21は、キャビティ20Cの外側に沿った湾曲部21aと、湾曲部21aの端部に沿って連設された外フランジ部21cと、キャビティCの前記一対の狭い部分20C2と連通するように湾曲部21aに形成された一対の貫通孔にスライド可能に設けられた前記可動型21dと、可動型21dを成形型20の開閉方向と直交する方向に往復移動させる前記往復移動機構21eとを備えている。なお、図示しないが、湾曲部21aの頂部には、発泡粒子をキャビティ20C内に外部から充填するための充填孔が形成されると共に、充填口を開閉するバルブが設けられている。なお、可動型21dは、湾曲部21aの一部である。
半球状の外面を有する凸型22は、キャビティ20Cの内側に沿った湾曲部22aと、湾曲部22aの端部に沿って連設された外フランジ部22cとを備えている。
【0047】
往復移動機構21eとしては、凹型21の外フランジ部21cにおける駆動部21dの近傍に揺動可能に設けられたハンドル21e1と、外フランジ部21cにおけるハンドル21e1と駆動部21dの間に固定された固定部21e2と、一端がハンドル21e1に枢着されかつ他端が固定部21e2に形成された貫通孔を挿通して駆動部21dと連結したスライド棒21e3とを備え構成を一例として挙げることができる。
図5では、ハンドル21e1を固定部21e2の方へ揺動させて駆動部21dを湾曲部22aに押し込んだ圧縮状態を示している。このとき、スライド棒21e3に設けた突起部21e31が固定部21e2に当接することにより、キャビティCの狭い部分20C2の空隙幅20Wが規定幅にセットされる。
クランプ部23は、重ね合わせた凹型21の外フランジ部21cと凸型22の外フランジ部22cを連結する金具である。
【0048】
実施形態2の成形型20を用いた発泡成形体の製造では、まず、凹型21と凸型22を重ね合わせて成形型20を閉じ、キャビティCの狭い部分20C2を広げるために、ハンドル21e1を固定部21e2と反対側へ揺動させて駆動部21dを後退させる(図4(A)参照)。次に、凹型21の前記バルブを操作して充填口を開き、図示しない充填機を用いて充填口からキャビティ20C内に発泡粒子を充填する。これにより、発泡粒子Pがキャビティ20Cの広い部分20C1から狭い部分20C2の奥へ流入し密に充填される。
続いて、充填口を閉じた後、ハンドル21e1を固定部21e2の方へ揺動させて駆動部21dを湾曲部22aの方へ押し込み、キャビティ20Cの狭い部分20C2に充填された発泡粒子を圧縮する(図4(B)参照)。このとき、狭い部分20C2内の発泡粒子(圧縮部分の発泡粒子)の単位体積当たりの個数は、広い部分20C1内の発泡粒子(非圧縮部分の発泡粒子)の単位体積当たりの個数よりも多くなっている。
【0049】
その後、この状態の成形型20を、温度60〜100℃の熱湯中に20秒〜1時間浸漬する。これにより、成形型20内の発泡粒子は加熱され熱融着し、図6に示す衝撃吸収ライナーとしての発泡成形体Sが成形される。
このような本発明の製造方法によって製造された発泡成形体Sにおいて、厚みの薄い部分Sbの発泡粒子は圧縮されているため、発泡粒子の単位体積当たりの個数は薄い部分Sbの方が厚い部分Saよりも多くなっている。本実施形態では、発泡成形体Sの圧縮部分は、発泡成形体Sの端部における耳部(耳を覆う部分)である。
したがって、実施形態2の産業用ヘルメットの発泡成形体Sにおいて、強度不足が生じ易い薄い部分Sbの強度は規定値以上に高くなっている。なお、ここで「規定値」とは、規定厚みおよび規定発泡倍率を有する薄い部分Sbの強度を意味する。
なお、実施形態2の発泡成形体Sも、圧縮部と非圧縮部との境界にはパーティションラインが存在しており、このパーティションラインの存在が本発明の製造方法で製造されたことを示す。
【0050】
(他の実施形態)
1.実施形態1(図1〜図4参照)で説明したような箱形発泡成形体の場合、外周部全体が圧縮部分であったが、外周部の上端部分のみを圧縮部分としてもよい。
また、例えば、箱形発泡成形体であって、外周部の厚さと底部の厚さが同じである発泡成形体を製造する場合、実施形態1の製造方法に準じれば、外周部の強度を底部の強度よりも高めることができる。
また、厚みが均一な平板形の発泡成形体であっても、割れ易い外周部の強度を中央部の強度よりも高めることもできる。
このように、本発明によれば、発泡成形体の所望の部位の強度アップを図ることが可能となる。
【0051】
2.実施形態2では、ハンドル21eによってスライド棒21e3および駆動型21dを往復移動させる成形型の場合を例示したが、実施形態1で説明したような往復移動機構(シリンダ機構、リンク機構等)によってスライド棒21e3および駆動型21dを往復移動させてもよい。なお、この場合、往復移動機構は熱湯中に浸けても故障しない防水耐熱仕様で構成される。
【符号の説明】
【0052】
10、20 成形型
11、21 凹型
11d、21d 可動型
12、22 凸型
C、20C キャビティ
P 発泡粒子
S 発泡成形体
W1、W2、W3、20W 空隙幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対的に開閉方向に移動可能な凹型と凸型を有し、かつ凹型と凸型のうち少なくとも一方は部分的に可動する可動型を有する成形型を閉じ、閉じた成形型の充填口から凹型と凸型の間のキャビティに発泡粒子を充填する充填工程と、
前記可動型を圧縮方向に移動させて成形型内の発泡粒子を部分的に圧縮する圧縮工程と、
前記成形型内の発泡粒子を加熱することにより所定形状に発泡成形体を成形する成形工程とを含み、
前記充填工程において、製造しようとする発泡成形体における圧縮部分に存在する単位体積当たりの発泡粒子の個数が非圧縮部分に存在する単位体積当たりの発泡粒子の個数よりも多くなるように、圧縮部分に対応する前記キャビティの空隙幅を規定幅よりも広げた状態で発泡粒子を充填し、
前記圧縮工程において、圧縮部分に対応する前記キャビティの空隙幅が規定幅となるまで前記可動型を圧縮方向に移動させることを特徴とする発泡成形体の製造方法。
【請求項2】
前記圧縮部分に対応する前記キャビティの広げた前記空隙幅と前記規定幅との比が1.05〜3.0である請求項1に記載の発泡成形体の製造方法。
【請求項3】
前記圧縮方向が前記開閉方向と直角な方向である請求項1または2に記載の発泡成形体の製造方法。
【請求項4】
前記凹型の内面および前記凸形の外面が半球状である請求項1〜3のいずれか1つに記載の発泡成形体の製造方法。
【請求項5】
前記発泡成形体がヘルメット用衝撃吸収材であり、前記圧縮部分がこの衝撃吸収材の端部に相当する請求項4に記載の発泡成形体の製造方法。
【請求項6】
前記端部が耳部である請求項5に記載の発泡成形体の製造方法。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1つに記載の発泡成形体の製造方法によって製造された発泡成形体であって、部分的に圧縮された圧縮部分に存在する単位体積当たりの発泡粒子の個数が、非圧縮部分に存在する単位体積当たりの発泡粒子の個数よりも多く、かつ前記圧縮部分と前記非圧縮部分との境界にパーティションラインが存在する発泡成形体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−75369(P2013−75369A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−215224(P2011−215224)
【出願日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】