説明

発泡成形体及び発泡成形体を成形するための発泡成形用金型

【課題】亀甲模様を目立たなくさせること、異音が発生すること、位置ずれすること、のうちの少なくとも1つを解消することができる発泡成形体及び発泡成形体を成形するための発泡成形用金型を提供する。
【解決手段】発泡成形用金型に充填された発泡性樹脂粒子を加熱して成形される発泡成形体であって、表面に独立した複数の凹部8を備えた発泡成形体及び表面に独立した複数の凹部を備えた発泡成形体を成形するための発泡成形用金型である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡成形用金型に充填された発泡性樹脂粒子を加熱して成形する発泡成形体及び発泡成形体を成形するための発泡成形用金型に関する。
【背景技術】
【0002】
発泡成形体は、一般に樹脂粒子を含浸させて予備発泡し、得られた発泡性樹脂粒子を所望の発泡成形用金型に充填してスチーム等で加熱して再度発泡させる、所謂型内成形法によって製造される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
尚、発泡成形体の中でも、ポリプロピレン系樹脂の発泡成形体は、機械的強度が大きく、緩衝性、耐摩耗性、耐薬品性等が優れていることから、自動車部品等の機械部品の通い箱や、液晶用ガラス基板や精密電子機器のデバイス等の搬送用容器として広く用いられている(特許文献1の段落0002に記載)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平11−343360号公報(段落0003参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年において、発泡成形体において外観が重要視されるものが増えてきている。これは、使用者の目に触れる場所に使用される一般緩衝包材、自動車内装部材、通い箱と言った用途が増えてきているからであり、発泡成形体には、元来有している剛性、軽量性、断熱性などの物性に加え、意匠的な外観価値が求められている。
【0006】
しかしながら、発泡成形体の表面には、その製法上、発泡性樹脂粒子の粒径や発泡密度のバラツキ等に起因して亀甲模様が発生することがあり、この亀甲模様が意匠的な外観価値を損なうことがある。亀甲模様を目立たなくさせるためには、一般に型内発泡成形時の加熱蒸気圧力を高くし、粒子同士の融着を促進させるなどの方法が採られるが、十分な効果が得られない。
【0007】
また、車両等においては、軽量で成形性の良い発泡成形体が内装材として用いられることもあるが、車両走行中等において、車両構造物と内装材として配設した発泡成形体とが互いに擦れ合って異音を発生する不都合が発生することがある。
【0008】
さらに、車両の室内側フロアには、フロアパネルと内装材としてのフロアカーペットとの間に乗員の足に対する緩衝性を高めて乗り心地を高める目的のために発泡成形体でなるフロアスペーサを介在することがあるが、フロアカーペットに置かれた乗員の足の動きによってはフロアカーペットがフロアスペーサに対して位置ずれすることがあるため、両面テープ等を用いてフロアカーペットをフロアスペーサに固定しなければならず、手間がかかるものであり、改善の余地がある。
【0009】
本発明が前述の状況に鑑み、解決しようとするところは、亀甲模様を目立たなくさせること、異音が発生すること、内装材が位置ずれすること、のうちの少なくとも1つを解消することができる発泡成形体及び発泡成形体を成形するための発泡成形用金型を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の発泡成形体は、前述の課題解決のために、発泡成形用金型に充填された発泡性樹脂粒子を加熱して成形される発泡成形体であって、表面に独立した複数の凹部を備えたことを特徴としている。
【0011】
また、本発明の発泡成形体は、前記表面に、縦横に同一乃至略同一ピッチで前記凹部が備えられていてもよい。
【0012】
また、本発明の発泡成形体は、前記表面に、所定ピッチで前記凹部が複数列をなすように、かつ、隣り合う列の凹部が互いに位置が異なる千鳥状に備えられていてもよいし、さらには、隣り合う列の凹部が大きさの異なる凹部から構成されていてもよい。
【0013】
また、本発明の発泡成形用金型は、充填された発泡性樹脂粒子を加熱して発泡成形体を成形するための発泡成形用金型であって、表面に独立した複数の凹部を備えた発泡成形体を成形すべく、複数の凸部を備えたことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】(a)は第1の発泡成形用金型(以下、単に「金型」という)を示す平面図及びA−A線断面図、(b)は第2の金型を示す平面図及びB−B線断面図である。
【図2】(a)は第3の金型を示す平面図及びC−C線断面図、(b)は第4の金型を示す平面図及びD−D線断面図である。
【図3】(a)は第5の金型を示す平面図及びE−E線断面図、(b)は第6の金型を示す平面図及びF−F線断面図である。
【図4】(a)は第7の金型を示す平面図及びG−G線断面図、(b)は第8の金型を示す平面図及びH−H線断面図である。
【図5】(a)は第9の金型を示す平面図及びI−I線断面図、(b)は第10の金型を示す平面図及びJ−J線断面図である。
【図6】第11の金型を示す平面図及びK−K線断面図である。
【図7】車両に装着したツールボックスの蓋を閉じる直前の状態を示す斜視図である。
【図8】フロアスペーサを介在した車両下部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明に係る発泡成形体の一実施形態について、図面を参酌しつつ説明する。
【0016】
発泡成形体は、予め発泡させた発泡性樹脂粒子を金型に充填し、充填された発泡性樹脂粒子を加熱して発泡成形される。尚、発泡倍率は、使用目的に応じて適宜変更することができる。前記成形された発泡成形体の一例として、図7に車両に搭載されるツールボックス1を示している。このツールボックス1は、3個の収納部2,3,4を備えた長方形状のボックス本体5と、ボックス本体5の上端に備えた環状のフランジ部6とを備え、このフランジ部6を車体側に備えているほぼU字状の金属製の枠部材9に載置支持させている。また、前記ボックス本体5の上面に被せることによって該上面を覆うための板状の蓋7を備え、該蓋7の外周縁に不織布Fを備えている。
【0017】
また、発泡成形体は、任意の発泡性樹脂材料で作ることができるが、発泡性樹脂材料の中でも熱可塑性樹脂で成形された発泡成形体であることが好ましい。前記熱可塑性樹脂には、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(例えばポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂)、ポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリカーボネート系樹脂、ポリ乳酸系樹脂などが挙げられる。なかでも、ポリスチレンとポリエチレンとを含む複合樹脂を用いることが好ましい。
【0018】
前記ツールボックス1の水平な上面には、基準面となる上面8Aから下方に凹んだ断面形状が円弧状の凹部8が縦横に所定ピッチ(同一ピッチであってもよいし、異なるピッチであってもよい)を置いて多数形成されている。従って、前記蓋7を閉じたときに、蓋7の不織布Fが蓋7の重量で押し付けられることによって、不織布Fの繊維の一部が凹部8に入り込むことでアンカー効果を発揮することができ、例えば車両の走行中に発生する振動等により蓋7がツールボックス1に対して位置ずれすることを抑制することができる利点がある。
【0019】
ところで、充填された発泡性樹脂粒子を加熱して成形されたツールボックス1の表面には、発泡粒子の粒径や発泡密度のバラツキ等に起因して亀甲模様が発生することがある。この発生した亀甲模様は、前述したように、ツールボックス1の上面に凹部8を形成することによって、目立ち難くすることができ、意匠性に優れたツールボックス1にすることができ、商品価値を高めることができる。また、ツールボックス1(発泡成形体)に例えキズが付いたとしても、凹部8によってキズを打ち消してキズを目立ち難くすることができる、というのも凹部8が奏する効果である。尚、これらの効果を目的として、ツールボックス1の凹部8を備えていない他の箇所にも凹部8を形成するようにしてもよい。
【0020】
また、フランジ部6の下面6Aにも凹部8を備えさせておけば、例えば車両の走行中に、金属製の枠部材9に対してツールボックス1が不測に移動した際において、フランジ部6の下面6Aと枠部材9の上面9Aとが擦れて異音が発生することを抑制することができる。また、図7の2点鎖線で示す車体構成部材10に接触するボックス本体5の下面5Aにも凹部8を備えさせておけば、車両の走行中に、車体構成部材10に対してツールボックス1が不測に移動した際において、ボックス本体5の下面5Aと車体構成部材10とが擦れて異音が発生することを抑制することができる。
【0021】
一般的に、異音が発生するメカニズム(音鳴りのメカニズム)については、スティックスリップ現象により異音(音鳴り)が発生するものと考えられる。このスティックスリップ現象は、2つの物体が、荷重を受け押し付けられている状態で接触を保ちながら相対的に移動する時、これらの物体表面で付着と滑りが交互に発生して2つの物体の円滑な相対移動が阻害される現象であり、これにより物体内に振動(摩擦振動)が起こり、音が鳴る現象が現れる。すなわち、一方側の物体が、他方(相手)側の物体に対して滑っては付着し、付着しては滑るといった小刻みな移動を繰り返し行うことにより音鳴りが発生すると考えられる。かかる現象に対し、凹部8は非常に効果的である。
【0022】
また、発泡成形体として、図8に示すフロアスペーサ11であってもよい。このフロアスペーサ11は、フロアパネル12とそれの上に配置される内装材としてのフロアカーペット13との間に配置され、乗員の足14に対する緩衝性を高めて乗り心地を高めることを目的としている。
【0023】
前記フロアスペーサ11は、発泡性樹脂粒子を加熱して板状に発泡成形され、その上面11Aには、基準となる上面から下方に凹んだ断面形状が円弧状の凹部15が縦横に所定ピッチを置いて多数形成されている(図8では縦方向の一列に所定ピッチを置いて多数形成されている状態を示している)。このようにフロアスペーサ11の上面11Aに下方に凹んだ凹部15を備えさせることによって、フロアカーペット13の裏地材などの一部が凹部15に入り込むことで、フロアカーペット13がフロアスペーサ11に対して位置ずれすることを抑制することができるようにしている。尚、異音が発生することを抑制するため、あるいは意匠性を高めるためにフロアスペーサ11の下面にも凹部15を形成してもよい。
【0024】
前記発泡成形体1,11を成形するための金型を、図1〜図6に示している。この金型は、発泡成形体1,11の表面に独立した凹部8,15を形成するために、金型表面に表面から突出するように独立した複数の凸部を備えている。尚、発泡成形品の形状に応じて金型の形状は変わるが、図1〜図6は、便宜上、同じ形で表しており、また、下側半分の記載を省略している。
【0025】
前記発泡成形体に形成する凹部は、その深さが非常に浅い小さなものであることから、金型としては、エッチング加工により作製することが好ましいが、切削加工等その他の作製方法を用いてもよく、金型の作製方法については特に限定されない。
【0026】
図1〜図3の6個の金型は、凸部の形状(円柱状)及び配列(格子状配列)は同一であるが、凸部の大きさや凸部間のピッチが異なる金型である。図1(a)は、発泡成形体の表面に円形の凹部を多数形成することができるように、金型20の表面20Bに独立した多数の円柱状の凸部20Aを備えている。多数の凸部20Aは、縦方向及び横方向のいずれの方向にも同一のピッチP1で格子状に配置されている。また、図1(b)は、図1(a)と同様に、金型21の表面21Bに多数の円柱状の凸部21Aを備え、多数の凸部21Aが、縦方向及び横方向のいずれの方向にも図1(a)のピッチP1と同一のピッチP1で格子状に配置されている。この凸部21Aは、図1(a)で示した凸部20Aよりも大きな直径を有する円柱状の凸部であり、凸部21Aの直径のみが異なる金型21にしている。
【0027】
図2(a)に示す金型22の表面22Bに備えた円柱状の凸部22Aは、図1(b)で示した凸部21Aの直径とほぼ同一の大きさの直径を有し、縦方向のピッチと横方向のピッチが同一であり、そのピッチP2の大きさが、図1(a),(b)で示したピッチP1に比べて小さくなるように設定している。
【0028】
図2(b)に示す金型23の表面23Bに備えた円柱状の凸部23Aは、図2(a)で示した凸部22Aよりも大きな直径を有し、縦方向のピッチと横方向のピッチが同一であり、そのピッチP3の大きさが、図1(a),(b)で示したピッチP1に比べて大きくなるように設定している。
【0029】
図3(a)に示す金型24の表面24Bに備えた円柱状の凸部24Aは、図2(b)で示した凸部23Aよりも大きな直径を有し、縦方向のピッチと横方向のピッチが同一であり、そのピッチP4の大きさが、図2(b)で示したピッチP3に比べて大きくなるように設定している。
【0030】
図3(b)に示す金型25の表面25Bに備えた円柱状の凸部25Aは、図3(a)で示した凸部24Aよりも大きな直径を有し、縦方向のピッチと横方向のピッチが同一であり、そのピッチP5の大きさが、図3(a)で示したピッチP4に比べて更に大きくなるように設定している。
【0031】
図1(a),(b)〜図3(a),(b)の金型を見てみると、凸部の大きさと凸部間のピッチとの関係から、図3(b)の金型25で成形される発泡成形体の凹部が、形成されていない表面に対して占める割合が最も多くなり、これとは逆に図1(a)の金型20で成形された発泡成形体の凹部が、形成されていない表面に対して占める割合が最も少なくなり、使用目的に応じて適宜、金型を選択することになる。
【0032】
図4(a)に示す金型26の表面26Bには、図1〜図3で示した円柱状の凸部と同じ形状の凸部が備えられている。図4(a)の拡大図において、縦方向に第1ピッチP6で、かつ、横方向に第1ピッチP6よりも大きな第2ピッチP7で格子状になるように多数の第1凸部26Aを配置し、第1凸部26Aで構成された横列間に横方向に沿って千鳥状になるように第2凸部26C及び第3凸部26Dを配置している。第2凸部26Cは、横方向に第1ピッチP8と第1ピッチP8よりも大きな第2ピッチP9とが交互になるように配置され、第3凸部26Dは、横方向に前記第2ピッチP9と前記第1ピッチP8とが交互になるように配置され、第2凸部26Cと第3凸部26Dとが上下方向(縦方向)において同一位置にならないように両凸部26C,26Dの一方を横方向に僅かにずらしている。また、上下方向において第2凸部26Cの横列が複数列(図では2列)配置されてから、第3凸部26Dの横列が複数列(図では2列)配置されるように設定しているが、上下方向において第2凸部26Cの横列と第2凸部26Cの横列とが交互に第1凸部26Aで構成された横列間に配置されてもよい。尚、上下方向の第2凸部26C,26C間の間隔及び第3凸部26D,26Dの間隔は、同一の間隔K1である。
【0033】
図4(b)に示す金型27の表面27Bには、直径の異なる2種類の円柱状の凸部27A,27Cを備えている。縦方向及び横方向のいずれの方向にも同一のピッチP10で大きな直径を有する第1凸部27Aが多数配置され、第1凸部27Aで形成される複数の縦列同士間及び複数の横列同士間に第1凸部27Aよりも小さな直径を有する第2凸部27Cが、第1凸部27Aと同一のピッチP10で上下(縦)方向において隣り合う列の第1凸部27Aとの位置が横方向で異なるように千鳥状に配置されている。
【0034】
図5(a)に示す金型28の表面28Bに備えた凸部28Aは、平面視において十字型の凸部であり、十字型の凸部28Aが縦横に所定ピッチP11,P12(P12<P11であるが、同一又はP12>P11であってもよい)で備え、上下(縦)方向で隣り合う列の凸部28Aが横方向において互いに位置が異なる千鳥状に備えられている。図5(b)に示す金型29の表面29Bに備えた凸部29Aは、平面視において菱形の凸部であり、縦方向及び横方向のいずれの方向にも同一のピッチP13で格子状に配置されている。
【0035】
図6に示す金型30の表面30Bには、図1〜図3で示した円柱状の凸部と同じ形状の凸部が備えられている。図6(a)の右側半分の拡大図において、縦方向に第1ピッチP14で、かつ、横方向に第1ピッチP14よりも小さな第2ピッチP15で格子状になるように多数の円柱状の第1凸部30Aを配置し、第1凸部30Aで構成された横列間のそれぞれに、横方向に列をなした複数列(図では2列であるが、3列以上又は1列であってもよい)の円柱状の第2凸部30C群と複数列(図では2列であるが、3列以上又は1列であってもよい)の円柱状の第3凸部30D群とを上下方向に交互又は連続して配置し、配置された2列の第2凸部30C群の第2凸部30C及び2列の第3凸部30D群の第3凸部30Dを、第1凸部30Aと上下方向で位置ずれする千鳥状に配置している。第2凸部30Cは、横方向に第1ピッチP17と第1ピッチP17よりも大きな第2ピッチP18とが交互になるように配置され、第3凸部30Dは、横方向に前記第2ピッチP18と前記第1ピッチP17とが交互になるように配置され、第2凸部30Cと上下方向(縦方向)において少し位置がずれるように配置されている。このように凸部30A,30C,30Dを配置することによって、図に示すようにこれら凸部30A,30C,30Aの中心を結ぶことによって、6つの頂点を有する六角形30Hが形成されるようになっている。つまり、金型30により成形される発泡成形体の凹部が形成されていない部分(発泡成形体の上面)が、六角形の内側部分の纏まった範囲に形成されることになる。図1〜図6に示した金型の凸部(発泡成形体の凹部)の形状及び大きさは、図に示したものに限らず、使用目的に応じて自由に変更することができる。
【0036】
尚、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0037】
前記実施形態では、車両に備えられる発泡成形体を示したが、車両以外のもの、例えば部屋の中に置いておく装飾品やソファーやベッドあるいは床下の中に入れるクッション材等を発泡成形体で構成してもよい。
【0038】
また、前記実施形態では、金型の凸部を円柱状にしているが、この円柱状は、先端部が平坦面であってもよいし、例えば半球状といったように、丸みのある(角の取れた)先端部であってもよい。特に先端部の形状は問わない。
【0039】
また、前記実施形態では、発泡成形体に定型の凹部を形成したが、不定形の凹部を発泡成形体に形成してもよい。この場合、単数種(同一)の不定形の凹部を発泡成形体に多数形成する他、複数種の不定形の凹部を発泡成形体に多数形成して実施してもよい。また、前記実施形態では、発泡成形体の基準面となる上面を平面に形成したが、特定部分が盛り上がった凸状の湾曲面や特定部分が盛り下がった凹状の湾曲面の他、凸凹面に形成し、それら形成された面に凹部を形成してもよい。
【符号の説明】
【0040】
1…ツールボックス(発泡成形体)、2,3,4…収納部、5…ボックス本体、5A…下面、6…フランジ部、6A…下面、8…凹部、9…枠部材、9A…上面、10…車体構成部材、11…フロアスペーサ(発泡成形体)、12…フロアパネル、13…フロアカーペット、14…足、15…凹部、20〜30…金型、20A〜30A…凸部、20B〜30B…表面、F…不織布

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡成形用金型に充填された発泡性樹脂粒子を加熱して成形される発泡成形体であって、
表面に独立した複数の凹部を備えたことを特徴とする発泡成形体。
【請求項2】
前記表面に、縦横に同一乃至略同一ピッチで前記凹部が備えられていることを特徴とする請求項1に記載の発泡成形体。
【請求項3】
前記表面に、所定ピッチで前記凹部が複数列をなすように、かつ、隣り合う列の凹部が互いに位置が異なる千鳥状に備えられていることを特徴とする請求項1に記載の発泡成形体。
【請求項4】
隣り合う列の凹部が大きさの異なる凹部から構成されていることを特徴とする請求項3に記載の発泡成形体。
【請求項5】
充填された発泡性樹脂粒子を加熱して発泡成形体を成形するための発泡成形用金型であって、
表面に独立した複数の凹部を備えた発泡成形体を成形すべく、複数の凸部を備えたことを特徴とする発泡成形用金型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−224828(P2011−224828A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−95193(P2010−95193)
【出願日】平成22年4月16日(2010.4.16)
【出願人】(000002440)積水化成品工業株式会社 (1,335)
【Fターム(参考)】