説明

発熱シートの製造方法、及び発熱シート

【課題】平坦性に優れた発熱シートを良好に成形可能にする。
【解決手段】2枚の導電性シート3,5の間に、電極線7,9が配置される電極線配置予定部15を除いた部分に絶縁性樹脂材11を配置し、これらを加熱圧着して一体のシート状に形成した後、前記電極線配置予定部15に前記電極線7,9を配置し、前記導電性シート3,5の縁部13A,13Bを加熱圧着して発熱シートを形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発熱シートの製造方法、及び発熱シートに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、家屋の床下の根太の上やコンクリート面積上に断熱材を介して面状発熱体を敷設し、その上に床板等を敷設した床暖房装置が広く採用されるようになっている。この種の床暖房装置には、プラスチックシート等の絶縁シート上に金属箔を積層し、この金属箔をエッチングして発熱パターンを形成したもの、あるいは厚手の絶縁シートの上面に発熱パターンの溝を形成し、この溝に、外周が絶縁被覆されたニクロム線を嵌入させたものがある。この他に更に、プラスチックの中にカーボンの微粉末を混入させたパレットを溶融してシート状に成形した2枚の導電性シートの間に2本の電極を挟持させて成る発熱シートもある。
【0003】
上記発熱シートの製造法としては、例えばチューブラー法と呼ばれる延伸フィルムの製造方法が知られている。チューブラー法においては、押出成形機に付設された環状ノズルより溶融したプラスチックを筒状に押出すと同時に、その筒状体の内部に2本の電極を送出しながら、成形体の軟化状態時に2本のピンチロール間で押圧して平板状とし、その両端に電極線を挟持状態とする。そして、電極線と成形体の間に電気的な接合状態を形成しながら急冷して発熱シートを製造している。
また、このチューブラー法における種々の問題点を解決した製造方法として、導電性プラスチックを溶融して複数の流路に分岐して流し、これを線状のスリットを持つ口金より複数枚のシートを平行して押出すと共に、対面する2枚の成形シートの間の両端近傍に2本の電極線を配置してシート同時に送出し、次いで電極線を挟持しながら複数枚の成形シートを押圧接着して一体的な1枚の発熱シートを形成する技術も知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−17226号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、プラスチックに比べて熱による伸縮性が低い金属材を電極線とし、この電極線を挟み込んだ2枚の導電性シートを熱融着により接合して発熱シートを成形する場合、この熱融着時に導電性シートが延び冷却に伴って縮みが発生するものの、この縮みに対して電極線の伸縮が追従しないため、導電性シートに波打ちが発生してコンブのような状態となる、という問題があった。特に、発熱シートを建材として用いる場合には、2メートル程度の長い発熱シートを成形するため、熱融着時の伸縮量を1%程度としても20mmという大きな伸縮が生じ、これによる波打ちは非常に著しいものとなる。
また、床暖房装置に発熱シートを用いる場合には、波打ちが発生した発熱シートが床の浮き上がりの要因となる、という問題もある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、平坦性に優れた発熱シートを良好に成形可能な発熱シートの製造方法、及び発熱シートを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明は、2枚の導電性シートの間に、これらの導電性シートの縁部に沿って電極線を配置した発熱シートの製造方法であって、2枚の前記導電性シートの間に、前記電極線が配置される電極線配置予定部を除いた部分に樹脂材を配置し、これらを加熱圧着して一体のシート状に形成した後、前記電極線配置予定部に前記電極線を配置し、前記導電性シートの縁部を加熱圧着したことを特徴とする。
【0006】
また本発明は、上記の本発明に係る発熱シートの製造方法において、前記樹脂材が、絶縁性を有し、前記導電性シートに生じた異常発熱により溶融することを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記の本発明に係る発熱シートの製造方法において、前記樹脂材が、前記電極線と同程度の厚みに形成されていることを特徴とする。
【0008】
また上記目的を達成するために、本発明は、2枚の導電性のシートの間に、これらの導電性シートの縁部に沿って加熱圧着防止材を配置し、これらの導電性シートを加熱圧着して一体のシート状に形成し、前記縁部から前記加熱圧着防止材を除去し、この除去した部分に電極線を配置し、前記縁部を加熱圧着したことを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記の本発明に係る発熱シートの製造方法において、前記電極線は、前記導電性シートに接する面に、当該電極線を加圧に伴って前記導電性シートに沈み込ませる複数の突起が形成されていることを特徴とする。
【0010】
また上記目的を達成するために、本発明は、2枚の導電性シートの間に、電極線が配置される電極線配置予定部を除いた部分に樹脂材を配置し、これらを加熱圧着して一体のシート状に形成した後、前記電極線配置予定部に前記電極線を配置し、前記導電性シートの縁部を加熱圧着して形成されたことを特徴とする発熱シートを提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、2枚の導電性シートの間に、電極線が配置される電極線配置予定部を除いた部分に樹脂材を配置し、これらを加熱圧着して一体のシート状に形成した後に、電極線配置予定部に電極線を配置し、導電性シートの縁部を加熱圧着したため、波打が発生することが無く、平坦性に優れた発熱シートを製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を添付した図面を参照して説明する。なお、以下で示す図面においては、発明の理解を容易とするために、電極線7,9の厚みなどを実物よりも誇張して示している。
[第1実施形態]
図1は本実施形態に係る発熱シート1の斜視図であり、図2は発熱シート1の断面図である。
発熱シート1は、互いに重ね合わせて接合された2枚の導電性シート3,5と、これらの導電性シート3,5の間に挟み込まれた2本の電極線7,9と、これらの電極線7,9の間に配置された絶縁性樹脂材11とを備えて成形され、床暖房等に使用される面状発熱体として用いて好適な寸法(より具体的には、建材に用いて好適な寸法)に成形されている。
導電性シート3,5は、約15〜30%の微粒子状の導電性カーボン、例えばファーネスブラックを熱可塑性プラスチックに添付して製造させたペレットを、混合機において均一に混合した後、形成機により長尺の矩形のシート状に形成されたものが用いられている。
【0013】
電極線7,9には、細い銅線を多数本使用して編組した、やや偏平な編組線、或いは、偏平な金属箔などが使用されている。
これらの電極線7,9は、導電性シート3,5の長手方向に沿った左右の縁部13A,13Bに沿って配置され、それぞれの先端部7A,9Aには、電気配線のコネクタが接続され、電極線7,9のそれぞれに互いを異なる極性として通電が行われる。電極線7,9に電力が供給されると、電極線7,9の間を導電性シート3,5を介して電流が流れ、この電流に伴って導電性シート3,5が発熱し、面状の発熱体として作用する。
【0014】
上記絶縁性樹脂材11は、絶縁性の樹脂を、導電性シート3,5と共に延びる板状に形成したものである。この絶縁性樹脂材11は、電極線7,9と同程度の厚みに形成されており、また、導電性シート3,5の左右の縁部13A,13Bに、それぞれ幅XAの電極線配置予定部15を設けられる程度の幅Wに形成されている。
この絶縁性樹脂材11には、例えばパラフィンやポリエチレン(PE)が用いられ、電極線7,9に過電流が流れるなどして導電性シート3,5の温度が異常発熱とみなされる所定温度(例えば100℃〜200℃)に達したときに溶融して電極線7,9を包み込むように構成されている。これにより、電極線7,9が絶縁性樹脂材11により被覆されることから、電極線7,9の間の電流の流れが止まり、発熱が速やかに抑えられることとなる。
【0015】
このような発熱シート1の製造方法について、図3及び図4に示す概念図を参照して説明する。なお、これらの図においては、導電性シート3,5の間の構成の把握を容易とするために、電極線7,9等の厚みを実際よりも大きくして示している。
形成機により形成された2枚の導電性シート3,5の間に、図3に示すように、これらの導電性シート3,5と共に延びる板状の絶縁性樹脂材11を、その左右に電極線配置予定部15を設けて挟み込み、これらに熱風をあてて加熱しながら押圧ローラ20A,20Bの間を通して押圧する。これにより、導電性シート3,5が絶縁性樹脂材11に融着して接合される。このとき、電極線配置予定部15においては、絶縁性樹脂材11によって導電性シート3,5の間に隙間が生じているため接合されずに、押圧ローラ20A,20Bを通過する。
【0016】
かかる絶縁性樹脂材11に導電性シート3,5を熱融着する工程においては、導電性シート3,5が熱融着時の加熱加圧により伸びが生じ、冷却に伴って縮みが発生する。このとき、導電性シート3,5の間には、熱可塑性が極端に異なる電極線7,9が配置されておらず、導電性シート3,5の熱による伸縮に追従可能な樹脂製の絶縁性樹脂材11が配置されているから、導電性シート3,5が冷却によって縮む際に、長手方向に沿った波打ち状の変形が発生することが無い。
【0017】
次いで、図4に示すように、絶縁性樹脂材11の左右の電極線配置予定部15に、それぞれ上記電極線7,9を配置し、その後、導電性シート3,5の左右の縁部13A,13Bを、熱風をあてながらそれぞれ押圧ローラ22A,22B,24A,24Bで押圧することで、導電性シート3,5の縁部13A、13Bを電極線7,9に接合する。
かかる縁部13A,13Bの熱融着工程においては、導電性シート3,5の縁部13A,13Bが熱融着のために加熱され押圧ローラ22A,22B,24A,24Bで押圧されることで、多少の伸びが発生する。しかしながら、導電性シート3,5においては、電極線配置予定部15を除いた大部分が既に熱融着されているから、この工程における加熱による縁部13A,13Bの伸びが抑えられるため波打ち状の変形が発生する事が無い。
【0018】
また、上述の通り、絶縁性樹脂材11の厚みが電極線7,9の厚みと同程度に形成されているため、この絶縁性樹脂材11の厚みが電極線7,9よりも薄い場合、或いは、絶縁性樹脂材11が無い場合に比べ、導電性シート3,5の縁部13A,13Bを熱融着した際に、導電性シート3,5の表面に電極線7,9による起伏が生じることがなく、平坦性に優れた発熱シート1が得られる。
【0019】
ここで、導電性シート3,5を絶縁性樹脂材11に熱融着する工程、及び、導電性シート3,5の縁部13A,13Bを熱融着する工程においては、それぞれ絶縁性樹脂材11に熱が加えられることから、当該絶縁性樹脂材11に多少の溶融を生じ、絶縁性樹脂材11の左右に配置される電極線7,9に影響を及ぼす可能性がある。
そこで、図2に示すように、電極線配置予定部15には、絶縁性樹脂材11と電極線7,9との間に、所定幅Yの隙間30が設けられており、絶縁性樹脂材11が熱融着の工程において多少溶融しても、電極線7,9に絶縁性樹脂材11が影響を及ぼさないように構成されている。
【0020】
このように本実施形態においては、発熱シート1を製造する際には、2枚の導電性シート3,5の間に、電極線7,9を配置する電極線配置予定部15を除いた部分に絶縁性樹脂材11を配置した状態でこれらを加熱圧着して一体のシート状に形成し、その後に、電極線配置予定部15に電極線7,9を配置し、電極線配置予定部15を加熱圧着して上記発熱シート1を形成するようにした。
これによれば、導電性シート3,5同士を熱融着する際に、これらの導電性シート3,5の間に熱可塑性が極端に異なる電極線7,9が配置されておらず、導電性シート3,5の熱による伸縮に追従可能な樹脂製の絶縁性樹脂材11が配置されているから、導電性シート3,5が冷却によって縮む際に、長手方向に沿った波打ち状の変形が発生することが無い。
また、電極線配置予定部15を除いた大部分を既に熱融着した後に、電極線配置予定部15に電極線7,9を配置して縁部13A,13Bを熱融着するため、これら縁部13A,13Bの加熱圧着時の伸びが抑えられることから、冷却時の縮みによる波打ち状の変形が発生する事が無く、平坦性に優れた発熱シート1が得られる。
【0021】
また本実施形態においては、絶縁性樹脂材11が、絶縁性を有し、導電性シート3,5に生じた異常発熱により溶融する構成としたため、この溶融により、電極線7,9が包み込まれて電極線7,9と導電性シート3,5との間が絶縁される。これにより、導電性シート3,5に異常発熱が生じた際には、電極線7,9から導電性シート3,5への電流の流れが停止されることで、発熱が速やかに抑えられることから安全性に優れた発熱シート1が得られる。
【0022】
また本実施形態においては、絶縁性樹脂材11が、電極線7,9と同程度の厚みに形成されているため、絶縁性樹脂材11の厚みが電極線7,9よりも薄い場合などに比べ、導電性シート3,5の縁部13A,13Bを熱融着した際に、導電性シート3,5の表面に電極線7,9による起伏が生じることがなく、平坦性に優れた発熱シート1が得られる。
【0023】
このように平坦性に優れた発熱シート1を、例えば床暖房装置に用いることで、床面の浮き上がりなどの無い床暖房装置が得られる。また、床暖房装置が備える蓄熱材に発熱シート1を隙間無く接触させることができるから、効率の良い床暖房装置が実現可能となる。
【0024】
[第2実施形態]
上述した第1実施形態では、2枚の導電性シート3,5の間に絶縁性樹脂材11を配置し電極線配置予定部15に隙間を生じさせた状態で、これらを熱融着することで、電極線配置予定部15を残して2枚の導電性シート3,5を接合することとした。
これに対して、本実施形態では、2枚の導電性シート3,5を熱融着により接合する際に、電極線配置予定部15に加熱圧着防止材40を予め配置しておくことで、電極線配置予定部15を残して2枚の導電性シート3,5を接合することとしている。
【0025】
詳述すると、図5に示すように、形成機により形成された2枚の導電性シート3,5の間に、上記電極線配置予定部15に沿って加熱圧着防止材40を設けて挟み込み、これらに熱風をあてて加熱しながら押圧ローラ20A,20Bの間を通して押圧する。これにより、導電性シート3,5が電極線配置予定部15を除いて接合される。
この接合により、導電性シート3,5には伸びが生じ、冷却に伴って縮みが発生するものの、導電性シート3,5の間には熱可塑性が極端に異なる電極線7,9が配置されていないため、波打ち状の変形が発生することが無い。
なお、本実施形態の電極線配置予定部15は、電極線7,9に所定幅Yの隙間30を設ける必要がないため、電極線7,9が収まる程度の幅Xbを有していれば良い。
【0026】
次いで、図6に示すように、電極線配置予定部15から加熱圧着防止材40を除去した後、電極線配置予定部15に、それぞれ上記電極線7,9を配置する。その後、導電性シート3,5の左右の縁部13A,13Bを、それぞれに熱風をあてながら押圧ローラ22A,22B,24A,24Bで押圧することで、導電性シート3,5の縁部13A,13Bを熱融着して封止する。
かかる縁部13A,13Bの熱融着工程においては、電極線配置予定部15を除いた大部分が既に熱融着されているから、この工程における加熱による縁部13A,13Bの伸びが抑えられるため、冷却時の縮みによる波打ち状の変形が発生する事が無い。
【0027】
図7は、本実施形態の発熱シート100の断面を模式的に示す図である。
発熱シート100においては、2枚の導電性シート3,5の間には、電極線7,9以外に何も配置されていないため、これらの電極線7,9の厚みによっては、発熱シート100の表面に多少の起伏が生じる。
そこで、本実施形態では、電極線7,9による起伏の発生を防止するために、電極線7,9の導電性シート5と接触する接触面42に、多数の山形の突起44を設ける構成としている。
この構成により、導電性シート3,5の縁部13A,13Bを加熱加圧して熱融着する際に、電極線7,9が加圧によって導電性シート5に沈み込むことで、電極線7,9による起伏の発生を抑えることができる。
【0028】
このように本実施形態によれば、2枚の導電性シート3,5の間に、これらの導電性シート3,5の縁部13A,13Bに沿って加熱圧着防止材40を配置し、これらの導電性シート3,5を加熱圧着して一体のシート状に形成し、縁部13A,13Bから加熱圧着防止材40を除去し、この除去した部分に電極線7,9を配置し、縁部13A,13Bを加熱圧着して発熱シート100を製造するようにした。
これによれば、導電性シート3,5同士を熱融着する際に、これらの導電性シート3,5の間に熱可塑性が極端に異なる電極線7,9が配置されていないため、導電性シート3,5が冷却によって縮む際に、長手方向に沿った波打ち状の変形が発生することが無い。
また、電極線配置予定部15を除いた大部分を既に熱融着した後に、電極線配置予定部15に電極線7,9を配置して縁部13A,13Bを熱融着するため、これら縁部13A,13Bの加熱圧着時の伸びが抑えられることから、冷却時の縮みによる波打ち状の変形が発生する事が無く、平坦性に優れた発熱シート100が得られる。
【0029】
さらに本実施形態によれば、電極線7,9の導電性シート5と接触する接触面42に、多数の山形の突起44を設け、導電性シート3,5の縁部13A,13Bを加熱加圧して熱融着する際に、電極線7,9が加圧によって導電性シート5に沈み込ませる構成としたため、電極線7,9による起伏の発生を抑え、平坦性がより高い発熱シート100が得られる。
【0030】
[第3実施形態]
上述した第1及び第2実施形態では、2枚の導電性シート3,5を、電極線配置予定部15を残して熱融着し、その後に、電極線配置予定部15に電極線7,9を配置して、この電極線配置予定部15を熱融着して発熱シート1、100を構成した。
これに対して、本実施形態の発熱シート200においては、電極線7,9を電極線配置予定部15に配置した後に熱融着するのではなく、図8に示すように、電極線7,9の那幅相当の幅XCの電極線配置予定部15に配置した電極線7,9と、導電性シート3,5の間に導電性粘着剤35を塗布し、上記押圧ローラ22A,22B,24A,24Bで押圧して導電性シート3,5を電極線7,9に接合する構成としている。
これにより、導電性シート3,5の縁部13A、13Bを熱融着により接合する必要がないため、各縁部13A、13Bの端部に揃えて電極線7,9を配置することが可能となり、また、導電性シート3,5の縁部13A、13Bを接合する熱融着の工程が不要であるため、上述した波打状の変形が発生することも無く、平坦性に優れた発熱シート200が得られる。
なお、本実施形態において、導電性粘着剤35を用いて導電性シート3,5に電極線7,9を固定する構成に限らず、導電性シート3,5と接する電極線7,9の面内に、導電性シート3,5に刺さる多数の先端が尖った突起を設け、これらの突起により電極線7,9を導電性シート3,5に固定する構成としても良い。
【0031】
なお、上述した各実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形及び応用が可能であることは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発熱シートの構成を示す斜視図である。
【図2】同発熱シートの断面図である。
【図3】同発熱シートの製造方法を示す図である。
【図4】同発熱シートの製造方法を示す図である。
【図5】第2実施形態に係る発熱シートの製造方法を示す図である。
【図6】同発熱シートの製造方法を示す図である。
【図7】同発熱シートの断面図である。
【図8】第3実施形態に係る発熱シートの断面図である。
【符号の説明】
【0033】
1,100,200 発熱シート
3,5 導電性シート
7,9 電極線
11 絶縁性樹脂材
13A,13B 縁部
15 電極線配置予定部
35 導電性接着剤
40 加熱圧着防止材
42 接触面
44 突起

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚の導電性シートの間に、これらの導電性シートの縁部に沿って電極線を配置した発熱シートの製造方法であって、
2枚の前記導電性シートの間に、前記電極線が配置される電極線配置予定部を除いた部分に樹脂材を配置し、これらを加熱圧着して一体のシート状に形成した後、前記電極線配置予定部に前記電極線を配置し、前記導電性シートの縁部を加熱圧着したことを特徴とする発熱シートの製造方法。
【請求項2】
前記樹脂材が、絶縁性を有し、前記導電性シートに生じた異常発熱により溶融することを特徴とする請求項1に記載の発熱シートの製造方法。
【請求項3】
前記樹脂材が、前記電極線と同程度の厚みに形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の発熱シートの製造方法。
【請求項4】
2枚の導電性のシートの間に、これらの導電性シートの縁部に沿って加熱圧着防止材を配置し、これらの導電性シートを加熱圧着して一体のシート状に形成し、前記縁部から前記加熱圧着防止材を除去し、この除去した部分に電極線を配置し、前記縁部を加熱圧着したことを特徴とする発熱シートの製造方法。
【請求項5】
前記電極線は、前記導電性シートに接する面に、当該電極線を加圧に伴って前記導電性シートに沈み込ませる複数の突起が形成されていることを特徴とする請求項4に記載の発熱シートの製造方法。
【請求項6】
2枚の導電性シートの間に、電極線が配置される電極線配置予定部を除いた部分に樹脂材を配置し、これらを加熱圧着して一体のシート状に形成した後、前記電極線配置予定部に前記電極線を配置し、前記導電性シートの縁部を加熱圧着して形成されたことを特徴とする発熱シート。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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