発熱装置、発光装置、マイナスイオン発生装置、炭化繊維、および炭化繊維製造方法
【課題】非常に有用な発熱装置、発光装置、マイナスイオン発生装置、炭化繊維、および炭化繊維製造方法を提供する。
【解決手段】布状または糸状に形成した天然繊維素材を柔軟性が失われない状態で炭化させた炭化繊維と、該炭化繊維に電力供給する電力供給部とを備えて、発熱装置および発光装置を形成した。前記炭化繊維は、前記天然繊維素材として布状に形成された布状天然繊維素材とするか、あるいは、前記天然繊維素材として糸状に形成された糸状天然繊維素材とした。
【解決手段】布状または糸状に形成した天然繊維素材を柔軟性が失われない状態で炭化させた炭化繊維と、該炭化繊維に電力供給する電力供給部とを備えて、発熱装置および発光装置を形成した。前記炭化繊維は、前記天然繊維素材として布状に形成された布状天然繊維素材とするか、あるいは、前記天然繊維素材として糸状に形成された糸状天然繊維素材とした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば電力供給を受けて発熱するような発熱装置、電力供給を受けて発光するような発光装置、マイナスイオンを発生するマイナスイオン発生装置、これらの装置に用いられるような炭化繊維、あるいはこの炭化繊維を製造するような炭化繊維製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な発熱装置や発光装置が提案され使用されている。例えば、熱処理を行うヒータとして、カーボンワイヤー発熱体を備えたヒータが提案されている(特許文献1参照)。このヒータに用いられているカーボンワイヤー発熱体は、直径が5μm〜15μmのカーボン単繊維ファイバーを3000〜3500本程度束ねたファイバー束を9束程度用いて、直径2mm程度の編紐あるいは組紐形に編みこんだものである。
また、発光特性を有する発光材料として、固定炭素系物質をターゲットとして用いたものが提案されている(特許文献2参照)。
【0003】
また、マイナスイオンを発生する装置として、植物の炭化物などのマイナスイオン発生体から発生したマイナスイオンをエアによって放出するマイナスイオン発生装置が提案されている(特許文献3参照)。
【0004】
しかし、発熱装置や発光装置やマイナスイオン発生装置は、これらにより実現されるものだけでなく、様々な物が必要とされている。例えば、一瞬で高温まで温度上昇させることが可能な発熱装置や、少ない電力で強力な光度が得られる発光装置、より多量にマイナスイオンを発生することができマイナスイオン発生装置などについて、まだまだ需要がある。
そして、上述した特許文献は、これらを実現できるものではなかった。
【0005】
【特許文献1】特開2006−59633号公報
【特許文献2】特許第2508015号公報
【特許文献3】特開2002−361268号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、上述の問題に鑑み、非常に有用な発熱装置、発光装置、マイナスイオン発生装置、炭化繊維、および炭化繊維製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、布状または糸状に形成した天然繊維素材を柔軟性が失われない状態で炭化させた炭化繊維と、該炭化繊維に電力供給する電力供給部とを備えた発熱装置、発光装置、またはこれらの製造方法であることを特徴とする。
【0008】
また、前記電力供給部をプラスの電圧を供給するプラス電圧供給部とすることで、マイナスイオン発生装置とすることができる。
前記炭化繊維は、前記天然繊維素材として布状に形成された布状天然繊維素材により布状に形成することができる。
【発明の効果】
【0009】
この発明により、非常に有用な発熱装置、発光装置、マイナスイオン発生装置、炭化繊維、および炭化繊維製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、炭化布素材1と該炭化布素材1を用いたマイナスイオン発生装置10の斜視図を示す。
【0012】
炭化布素材1は、図示するように布状に形成されており、炭化前の布と同様に曲げたり畳んだりできる柔軟性を有している。
この炭化布素材1は、図2に示す炭化装置3によって、麻や綿などの天然素材の布が炭化されたものである。
【0013】
炭化装置3は、過熱水蒸気供給部4、反応槽5、及び排気部6とで構成されている。
過熱水蒸気供給部4は、過熱した水蒸気を反応槽5に供給し、反応槽5内から酸素を排除する。
【0014】
反応槽5は、投入部から天然素材の布材や紐材を投入許容し、密閉することができる。この反応槽5は、過熱水蒸気供給部4から供給される過熱蒸気により、所望の温度(例えば300℃〜1600℃の任意の温度)まで内部を過熱することができる。これにより、投入された布材や紐材を炭化焼成することができる。ここで、布材を炭化して発熱用の炭化布素材1を得る場合、450℃〜900℃程度の温度で炭化焼成することが好ましい。また、紐材を炭化して発光用の炭化紐素材2を得る場合、1500℃程度の温度で炭化焼成することが好ましい。なお、炭化焼成する際の温度は、これに限らず、用途等の目的に応じて適宜の温度に設定することができる。
【0015】
排気部6は、反応槽5から生じる排気を処理する。この排気部は、排気ガスを触媒と反応させる触媒反応部、および反応後の気体を液化させる冷却部など、適宜の装置により構成することができる。
【0016】
このように構成された炭化装置3の反応槽5に投入された天然素材の布材および天然素材の紐材は、過熱水蒸気によって酸素が存在しない雰囲気下で高温に過熱され、炭化焼成されて炭化布素材1および炭化紐素材2となる。このとき、布材(原反)および紐材は、炎を出して燃えることなく炭化される。このため、炭化布素材1および炭化紐素材2(図4参照)は、原材料の布材および紐材の柔軟性が損なわれておらず、人の手で簡単に取り扱うことができる。
【0017】
このようにして製造された炭化布素材1は、図1に示すように電力供給部Vのプラス電極V1が接続されて電圧がかけられると、マイナスイオンを空気中に放出する。炭化布素材1は、炭化物であるから、何もしない状態で微小なマイナスイオンを発生させている。しかし、このようにプラス電極を直接接続して電圧を印加すれば、自然状態で発生するマイナスイオンよりも非常に大量のマイナスイオンを周囲に放出することができる。
従って、炭化布素材1に電力供給部Vのプラス電極が接続されたものは、マイナスイオン発生装置10として機能する。
【0018】
なお、反応槽5の中には、過熱水蒸気供給部4から水蒸気を充満させる構成としたが、これに限らず窒素ガスなどの適宜の気体を充満させる構成にしてもよい。この場合も、酸素を排除した雰囲気下で焼成を行うことができる。
【実施例2】
【0019】
図3は、炭化布素材1を用いた発熱装置20の斜視図を示す。
発熱装置20は、炭化布素材1と、炭化布素材1の左右両端に接続された電極21,21と、該電極21,21に接続された電力供給部Vとで構成されている。
【0020】
電極21は、金属部材など導電性を有する適宜の部材で形成されている。またこの電極21は、長尺形状に形成されており、炭化布素材1の一辺に沿って接続されている。
【0021】
以上の構成により、電極21に接続された電力供給部Vから電力を供給し、発熱装置20を発熱させることができる。
なお、発熱装置20は、1000℃程度まで一瞬で温度上昇させることが可能である。また、印加する電圧の強さを変化させると、得られる温度が変化する。このため、例えばホットプレートとして利用し、各種食材を調理することが可能となる。
【0022】
また、省電力でも十分な暖かさを得られるため、靴底に炭化布素材1を埋設して冬場に足を暖めるために用いることも可能である。また、防寒具や防寒服など、適宜の衣料品に炭化布素材1を用いることができる。
【0023】
また、発熱装置20は、印加する電力を少なくすれば安定して低温で発熱させることもできる。このため、例えば1℃〜2℃といった低温に暖めて、積雪を溶かして除去する用途に用いることができる。この場合、低温で雪を溶かすため、雪を溶かす際に水蒸気による霧が発生することを防止できる。
【実施例3】
【0024】
図4は、建築素材として良く使われる石膏ボード31,31の間に電極21の設けられた炭化布素材1が挟まれた暖房装置30の斜視図を示す。
石膏ボード31には、適宜の間隔で孔32が形成されている。
表裏に設けられたこの石膏ボード31は、熱を通しにくい素材である。
【0025】
以上の構成により、任意の温度に容易に調整できる暖房装置30を提供することができる。すなわち、電極21に接続された電力供給部Vから電力供給を行うと、供給された電力に応じて炭化布素材1が発熱する。石膏ボード31は、熱を通しにくい素材であるが、孔32等からじわりと熱を放出することができる。また、炭化布素材1は、熱だけでなく遠赤外線も放出することができる。
【0026】
従って、このような暖房装置30を用いることで、例えばサウナ室を製造する、あるいは暖房完備の部屋を製造するなど、種々の施設を製造することができる。
【実施例4】
【0027】
図5は、実施例1の炭化装置3により天然素材の紐材を炭化焼成した炭化紐素材2の斜視図を示す。
【0028】
この炭化紐素材2は、組紐や編紐など適宜の紐材が炭化焼成されたものであり、直径1mm〜10mmの適宜の太さに形成されている。なお、炭化紐素材2は、これ以外の太さに形成することも可能である。
【0029】
この炭化紐素材2に電力供給部Vのプラス端子とマイナス端子を接続し、電圧を印加すると、強烈な光を発する発光装置40として機能する。この発光装置40は、例えば5V(ボルト)程度の電圧を印加するだけで、普通人が目で見て眩しいくらいの光を発することができる。また、この発光装置40は、80W(ワット)程度で、十分な光を発することができる。
【0030】
この発光装置40は、乾電池でも十分発光するため、アウトドアで便利に利用することができる。
【実施例5】
【0031】
図6は、実施例1の炭化紐素材2を用いた発熱装置50の斜視図である。
この発熱装置50は、炭化紐素材2の両端に電力供給部Vのプラス端子とマイナス端子が接続されている。炭化紐素材2は、容器Bに入れられた水Wに大部分が浸されている。
【0032】
この構成により、発熱装置50は、容器Bに入れられた水Wを熱してお湯にすることができる。炭化紐素材2は、電力を印加すると瞬時に熱を発するため、短時間で任意の温度に温度上昇させることができる。
【0033】
この発熱装置50は、例えば、冷泉の放出部付近に取り付けて、冷泉を温泉にするといった利用ができる。
【実施例6】
【0034】
図7は、実施例1の炭化紐素材2を用いたスチーム発生装置60の斜視図である。
このスチーム発生装置60は、炭化紐素材2の両端に電力供給部Vのプラス端子とマイナス端子が接続されている。炭化紐素材2には、容器Bに入れられた水Wに浸されている吸水性材料61が掛けられている。この吸水性材料61は、水Wを吸い上げる素材であれば良く、例えばティッシュペーパーで構成することができる。
【0035】
この構成により、スチーム発生装置60は、吸水性材料61に吸水されている水分を蒸発させてスチームを発生させることができる。炭化紐素材2は、電力を印加すると瞬時に熱を発するため、すぐにスチームを発生させることができる。またこのスチームにはマイナスイオンが含まれ、美肌効果などの種々の効果も得られる。
【実施例7】
【0036】
図8は、実施例1の炭化紐素材2を用いた発光装置70の斜視図である。
発光装置70は、内部が中空で真空状態に形成された石英管71内に、炭化紐素材2が封入されている。炭化紐素材2には、電力供給部Vのプラスとマイナスの端子が接続されている。
【0037】
この構成により、電力供給部Vが炭化紐素材2に電力を印加すると、少ない電力で強烈な光を発する発光装置70を提供できる。石英管71内は真空であるため、炭化紐素材2が酸化することを防止でき、寿命の長い発光装置70を提供することができる。
【0038】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の炭化繊維は、実施形態の炭化布素材1および炭化紐素材2に対応し、
以下同様に、
プラス電圧供給部は、プラス電極V1に対応し、
天然繊維素材は、天然素材の布材および紐材に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】炭化布素材と該炭化布素材を用いたマイナスイオン発生装置の斜視図。
【図2】炭化装置のブロック図。
【図3】炭化布素材を用いた発熱装置の斜視図。
【図4】暖房装置の斜視図。
【図5】炭化紐素材の斜視図。
【図6】炭化紐素材を用いた発熱装置の斜視図。
【図7】炭化紐素材を用いたスチーム発生装置の斜視図。
【図8】炭化紐素材を用いた発光装置の斜視図。
【符号の説明】
【0040】
1…炭化布素材、2…炭化紐素材、10…マイナスイオン発生装置、20,50…発熱装置、40,70…発光装置、V…電力供給部、V1…プラス電極
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば電力供給を受けて発熱するような発熱装置、電力供給を受けて発光するような発光装置、マイナスイオンを発生するマイナスイオン発生装置、これらの装置に用いられるような炭化繊維、あるいはこの炭化繊維を製造するような炭化繊維製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、様々な発熱装置や発光装置が提案され使用されている。例えば、熱処理を行うヒータとして、カーボンワイヤー発熱体を備えたヒータが提案されている(特許文献1参照)。このヒータに用いられているカーボンワイヤー発熱体は、直径が5μm〜15μmのカーボン単繊維ファイバーを3000〜3500本程度束ねたファイバー束を9束程度用いて、直径2mm程度の編紐あるいは組紐形に編みこんだものである。
また、発光特性を有する発光材料として、固定炭素系物質をターゲットとして用いたものが提案されている(特許文献2参照)。
【0003】
また、マイナスイオンを発生する装置として、植物の炭化物などのマイナスイオン発生体から発生したマイナスイオンをエアによって放出するマイナスイオン発生装置が提案されている(特許文献3参照)。
【0004】
しかし、発熱装置や発光装置やマイナスイオン発生装置は、これらにより実現されるものだけでなく、様々な物が必要とされている。例えば、一瞬で高温まで温度上昇させることが可能な発熱装置や、少ない電力で強力な光度が得られる発光装置、より多量にマイナスイオンを発生することができマイナスイオン発生装置などについて、まだまだ需要がある。
そして、上述した特許文献は、これらを実現できるものではなかった。
【0005】
【特許文献1】特開2006−59633号公報
【特許文献2】特許第2508015号公報
【特許文献3】特開2002−361268号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は、上述の問題に鑑み、非常に有用な発熱装置、発光装置、マイナスイオン発生装置、炭化繊維、および炭化繊維製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明は、布状または糸状に形成した天然繊維素材を柔軟性が失われない状態で炭化させた炭化繊維と、該炭化繊維に電力供給する電力供給部とを備えた発熱装置、発光装置、またはこれらの製造方法であることを特徴とする。
【0008】
また、前記電力供給部をプラスの電圧を供給するプラス電圧供給部とすることで、マイナスイオン発生装置とすることができる。
前記炭化繊維は、前記天然繊維素材として布状に形成された布状天然繊維素材により布状に形成することができる。
【発明の効果】
【0009】
この発明により、非常に有用な発熱装置、発光装置、マイナスイオン発生装置、炭化繊維、および炭化繊維製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は、炭化布素材1と該炭化布素材1を用いたマイナスイオン発生装置10の斜視図を示す。
【0012】
炭化布素材1は、図示するように布状に形成されており、炭化前の布と同様に曲げたり畳んだりできる柔軟性を有している。
この炭化布素材1は、図2に示す炭化装置3によって、麻や綿などの天然素材の布が炭化されたものである。
【0013】
炭化装置3は、過熱水蒸気供給部4、反応槽5、及び排気部6とで構成されている。
過熱水蒸気供給部4は、過熱した水蒸気を反応槽5に供給し、反応槽5内から酸素を排除する。
【0014】
反応槽5は、投入部から天然素材の布材や紐材を投入許容し、密閉することができる。この反応槽5は、過熱水蒸気供給部4から供給される過熱蒸気により、所望の温度(例えば300℃〜1600℃の任意の温度)まで内部を過熱することができる。これにより、投入された布材や紐材を炭化焼成することができる。ここで、布材を炭化して発熱用の炭化布素材1を得る場合、450℃〜900℃程度の温度で炭化焼成することが好ましい。また、紐材を炭化して発光用の炭化紐素材2を得る場合、1500℃程度の温度で炭化焼成することが好ましい。なお、炭化焼成する際の温度は、これに限らず、用途等の目的に応じて適宜の温度に設定することができる。
【0015】
排気部6は、反応槽5から生じる排気を処理する。この排気部は、排気ガスを触媒と反応させる触媒反応部、および反応後の気体を液化させる冷却部など、適宜の装置により構成することができる。
【0016】
このように構成された炭化装置3の反応槽5に投入された天然素材の布材および天然素材の紐材は、過熱水蒸気によって酸素が存在しない雰囲気下で高温に過熱され、炭化焼成されて炭化布素材1および炭化紐素材2となる。このとき、布材(原反)および紐材は、炎を出して燃えることなく炭化される。このため、炭化布素材1および炭化紐素材2(図4参照)は、原材料の布材および紐材の柔軟性が損なわれておらず、人の手で簡単に取り扱うことができる。
【0017】
このようにして製造された炭化布素材1は、図1に示すように電力供給部Vのプラス電極V1が接続されて電圧がかけられると、マイナスイオンを空気中に放出する。炭化布素材1は、炭化物であるから、何もしない状態で微小なマイナスイオンを発生させている。しかし、このようにプラス電極を直接接続して電圧を印加すれば、自然状態で発生するマイナスイオンよりも非常に大量のマイナスイオンを周囲に放出することができる。
従って、炭化布素材1に電力供給部Vのプラス電極が接続されたものは、マイナスイオン発生装置10として機能する。
【0018】
なお、反応槽5の中には、過熱水蒸気供給部4から水蒸気を充満させる構成としたが、これに限らず窒素ガスなどの適宜の気体を充満させる構成にしてもよい。この場合も、酸素を排除した雰囲気下で焼成を行うことができる。
【実施例2】
【0019】
図3は、炭化布素材1を用いた発熱装置20の斜視図を示す。
発熱装置20は、炭化布素材1と、炭化布素材1の左右両端に接続された電極21,21と、該電極21,21に接続された電力供給部Vとで構成されている。
【0020】
電極21は、金属部材など導電性を有する適宜の部材で形成されている。またこの電極21は、長尺形状に形成されており、炭化布素材1の一辺に沿って接続されている。
【0021】
以上の構成により、電極21に接続された電力供給部Vから電力を供給し、発熱装置20を発熱させることができる。
なお、発熱装置20は、1000℃程度まで一瞬で温度上昇させることが可能である。また、印加する電圧の強さを変化させると、得られる温度が変化する。このため、例えばホットプレートとして利用し、各種食材を調理することが可能となる。
【0022】
また、省電力でも十分な暖かさを得られるため、靴底に炭化布素材1を埋設して冬場に足を暖めるために用いることも可能である。また、防寒具や防寒服など、適宜の衣料品に炭化布素材1を用いることができる。
【0023】
また、発熱装置20は、印加する電力を少なくすれば安定して低温で発熱させることもできる。このため、例えば1℃〜2℃といった低温に暖めて、積雪を溶かして除去する用途に用いることができる。この場合、低温で雪を溶かすため、雪を溶かす際に水蒸気による霧が発生することを防止できる。
【実施例3】
【0024】
図4は、建築素材として良く使われる石膏ボード31,31の間に電極21の設けられた炭化布素材1が挟まれた暖房装置30の斜視図を示す。
石膏ボード31には、適宜の間隔で孔32が形成されている。
表裏に設けられたこの石膏ボード31は、熱を通しにくい素材である。
【0025】
以上の構成により、任意の温度に容易に調整できる暖房装置30を提供することができる。すなわち、電極21に接続された電力供給部Vから電力供給を行うと、供給された電力に応じて炭化布素材1が発熱する。石膏ボード31は、熱を通しにくい素材であるが、孔32等からじわりと熱を放出することができる。また、炭化布素材1は、熱だけでなく遠赤外線も放出することができる。
【0026】
従って、このような暖房装置30を用いることで、例えばサウナ室を製造する、あるいは暖房完備の部屋を製造するなど、種々の施設を製造することができる。
【実施例4】
【0027】
図5は、実施例1の炭化装置3により天然素材の紐材を炭化焼成した炭化紐素材2の斜視図を示す。
【0028】
この炭化紐素材2は、組紐や編紐など適宜の紐材が炭化焼成されたものであり、直径1mm〜10mmの適宜の太さに形成されている。なお、炭化紐素材2は、これ以外の太さに形成することも可能である。
【0029】
この炭化紐素材2に電力供給部Vのプラス端子とマイナス端子を接続し、電圧を印加すると、強烈な光を発する発光装置40として機能する。この発光装置40は、例えば5V(ボルト)程度の電圧を印加するだけで、普通人が目で見て眩しいくらいの光を発することができる。また、この発光装置40は、80W(ワット)程度で、十分な光を発することができる。
【0030】
この発光装置40は、乾電池でも十分発光するため、アウトドアで便利に利用することができる。
【実施例5】
【0031】
図6は、実施例1の炭化紐素材2を用いた発熱装置50の斜視図である。
この発熱装置50は、炭化紐素材2の両端に電力供給部Vのプラス端子とマイナス端子が接続されている。炭化紐素材2は、容器Bに入れられた水Wに大部分が浸されている。
【0032】
この構成により、発熱装置50は、容器Bに入れられた水Wを熱してお湯にすることができる。炭化紐素材2は、電力を印加すると瞬時に熱を発するため、短時間で任意の温度に温度上昇させることができる。
【0033】
この発熱装置50は、例えば、冷泉の放出部付近に取り付けて、冷泉を温泉にするといった利用ができる。
【実施例6】
【0034】
図7は、実施例1の炭化紐素材2を用いたスチーム発生装置60の斜視図である。
このスチーム発生装置60は、炭化紐素材2の両端に電力供給部Vのプラス端子とマイナス端子が接続されている。炭化紐素材2には、容器Bに入れられた水Wに浸されている吸水性材料61が掛けられている。この吸水性材料61は、水Wを吸い上げる素材であれば良く、例えばティッシュペーパーで構成することができる。
【0035】
この構成により、スチーム発生装置60は、吸水性材料61に吸水されている水分を蒸発させてスチームを発生させることができる。炭化紐素材2は、電力を印加すると瞬時に熱を発するため、すぐにスチームを発生させることができる。またこのスチームにはマイナスイオンが含まれ、美肌効果などの種々の効果も得られる。
【実施例7】
【0036】
図8は、実施例1の炭化紐素材2を用いた発光装置70の斜視図である。
発光装置70は、内部が中空で真空状態に形成された石英管71内に、炭化紐素材2が封入されている。炭化紐素材2には、電力供給部Vのプラスとマイナスの端子が接続されている。
【0037】
この構成により、電力供給部Vが炭化紐素材2に電力を印加すると、少ない電力で強烈な光を発する発光装置70を提供できる。石英管71内は真空であるため、炭化紐素材2が酸化することを防止でき、寿命の長い発光装置70を提供することができる。
【0038】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の炭化繊維は、実施形態の炭化布素材1および炭化紐素材2に対応し、
以下同様に、
プラス電圧供給部は、プラス電極V1に対応し、
天然繊維素材は、天然素材の布材および紐材に対応するも、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】炭化布素材と該炭化布素材を用いたマイナスイオン発生装置の斜視図。
【図2】炭化装置のブロック図。
【図3】炭化布素材を用いた発熱装置の斜視図。
【図4】暖房装置の斜視図。
【図5】炭化紐素材の斜視図。
【図6】炭化紐素材を用いた発熱装置の斜視図。
【図7】炭化紐素材を用いたスチーム発生装置の斜視図。
【図8】炭化紐素材を用いた発光装置の斜視図。
【符号の説明】
【0040】
1…炭化布素材、2…炭化紐素材、10…マイナスイオン発生装置、20,50…発熱装置、40,70…発光装置、V…電力供給部、V1…プラス電極
【特許請求の範囲】
【請求項1】
布状または糸状に形成した天然繊維素材を柔軟性が失われない状態で炭化させた炭化繊維と、
該炭化繊維に電力供給する電力供給部とを備えた
発熱装置。
【請求項2】
前記炭化繊維は、前記天然繊維素材として布状に形成された布状天然繊維素材により布状に形成された
請求項1記載の発熱装置。
【請求項3】
布状または糸状に形成した天然繊維素材を柔軟性が失われない状態で炭化させた炭化繊維と、
該炭化繊維に電力供給する電力供給部とを備えた
発光装置。
【請求項4】
前記炭化繊維は、前記天然繊維素材として糸状に形成された糸状天然繊維素材により糸状に形成された
請求項3記載の発光装置。
【請求項5】
布状または糸状に形成した天然繊維素材を柔軟性が失われない状態で炭化させた炭化繊維と、
該炭化繊維にプラスの電圧を供給するプラス電圧供給部とを備えた
マイナスイオン発生装置。
【請求項6】
請求項1または2記載の発熱装置、請求項3または4記載の発光装置、あるいは、請求項5記載のマイナスイオン発生装置に用いられる
炭化繊維。
【請求項7】
布状または糸状に形成した天然繊維素材を反応槽内に収納する収納工程と、
前記反応槽を加熱する加熱工程とを実行し、
前記天然繊維素材を柔軟性が失われない状態で炭化させた炭化繊維を得る
炭化繊維製造方法。
【請求項8】
前記反応槽内に蒸気またはガスを充満させて酸素を排除する酸素排除工程を実行する
請求項7記載の炭化繊維製造方法。
【請求項1】
布状または糸状に形成した天然繊維素材を柔軟性が失われない状態で炭化させた炭化繊維と、
該炭化繊維に電力供給する電力供給部とを備えた
発熱装置。
【請求項2】
前記炭化繊維は、前記天然繊維素材として布状に形成された布状天然繊維素材により布状に形成された
請求項1記載の発熱装置。
【請求項3】
布状または糸状に形成した天然繊維素材を柔軟性が失われない状態で炭化させた炭化繊維と、
該炭化繊維に電力供給する電力供給部とを備えた
発光装置。
【請求項4】
前記炭化繊維は、前記天然繊維素材として糸状に形成された糸状天然繊維素材により糸状に形成された
請求項3記載の発光装置。
【請求項5】
布状または糸状に形成した天然繊維素材を柔軟性が失われない状態で炭化させた炭化繊維と、
該炭化繊維にプラスの電圧を供給するプラス電圧供給部とを備えた
マイナスイオン発生装置。
【請求項6】
請求項1または2記載の発熱装置、請求項3または4記載の発光装置、あるいは、請求項5記載のマイナスイオン発生装置に用いられる
炭化繊維。
【請求項7】
布状または糸状に形成した天然繊維素材を反応槽内に収納する収納工程と、
前記反応槽を加熱する加熱工程とを実行し、
前記天然繊維素材を柔軟性が失われない状態で炭化させた炭化繊維を得る
炭化繊維製造方法。
【請求項8】
前記反応槽内に蒸気またはガスを充満させて酸素を排除する酸素排除工程を実行する
請求項7記載の炭化繊維製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2009−129807(P2009−129807A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−305562(P2007−305562)
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(500104211)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年11月27日(2007.11.27)
【出願人】(500104211)
【Fターム(参考)】
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