説明

発進クラッチの潤滑制御方法及び潤滑制御装置

【課題】発進クラッチ内の油温を検出する温度センサの検出温度に応じて潤滑油の流量を制御し、動力損失を減らし、クラッチの焼損を防止する。
【解決手段】車両のトランスミッションとエンジンとの間に配置され、動力を伝達する湿式多板クラッチを備えた発進クラッチの潤滑制御方法であって、第1の温度センサにより発進クラッチ内の油温を検出する工程と、車両の走行状態に関わらず、第1の温度センサが検出した油温に応じて発進クラッチの潤滑油の流量を制御する工程とを備え、制御する工程では、油温が第1の設定値以下の場合は流量を最小とし、第2の設定値以上であれば流量を最大とし、第1と第2の設定値の間は油温に応じて潤滑油の流量を連続的に変化させて制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等のトルクコンバータと嵌装可能なユニット型発進クラッチの潤滑制御方法及び潤滑制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動変速機、すなわちAT(オートマチックトランスミッション)において、車両発進はトルクコンバータでのトルク伝達によって行っていた。トルクコンバータはトルク増幅効果もあり、トルク伝達も滑らかであるため多くのAT車両に搭載されていた。
【0003】
一方、トルクコンバータはトルク伝達時の滑り量が多く、あまり効率的ではないという欠点も有している。
【0004】
そこで最近では、トルクコンバータに代えて発進クラッチを用いることが提案されており、またギア比を落とすと共に変速数を増やして低速域でのトルク増幅を図ることも行われている。
【0005】
一般に発進クラッチは、クラッチケース内に収容された湿式多板クラッチを備えている。多板クラッチは、出力側の摩擦係合要素である摩擦板、すなわちフリクションプレート及び入力側の摩擦係合要素であるセパレータプレートが軸方向で交互に配置されている。このような構成で、ピストンにより、フリクションプレートとセパレータプレートとを係合させることで動力の伝達を行っている。
【0006】
この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【特許文献1】特開2004−324818号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発進クラッチは、特に車の渋滞時における走行においては頻繁に、クラッチの係合と解放が頻繁に繰り返され、クラッチ部に熱が蓄積されるため、多量の潤滑油を流す必要がある。しかし、多量の潤滑油を供給するポンプの動力損失は大きくなり、燃費向上の障害となっていた。
【0008】
湿式の発進クラッチは、車両発進の時、すなわち、湿式多板クラッチが係合するときに最も熱を発生する。従来、その熱を冷却するために、常に大量(10L/min以上)の潤滑油を流していた。湿式多板クラッチは、その係合の時に冷却のための潤滑油が必要であり、クラッチ空転中は発熱し高温になったクラッチを冷却するために潤滑油が必要である。一般にクラッチ係合中は、クラッチディスクの間を潤滑油が流れにくいため、潤滑油を流してもクラッチは冷却されにくい。
【0009】
このような課題に対して、例えば、特許文献1では、電子油圧ソレノイドを用いて、車両の状態に応じて潤滑油を供給することを開示している。しかしながら、クラッチへの潤滑油は、クラッチがスリップ状態において多量に供給するもので、クラッチが頻繁に係合と解放を繰り返す場合には、十分に冷却を行えるものではなかった。また、発進クラッチ内の油温を測定して、その検出結果に応じて潤滑油の量を適切に調節するという考えはなかった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、発進クラッチ内の油温を検出する温度センサの検出温度に応じて潤滑油の流量を制御し、動力損失を減らし、クラッチの焼損を防止することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的達成のため、請求項1に記載の潤滑制御方法は、
車両のトランスミッションとエンジンとの間に配置され、動力を伝達する湿式多板クラッチを備えた発進クラッチの潤滑制御方法であって、
第1の温度センサにより前記発進クラッチ内の油温を検出する工程と、
車両の走行状態に関わらず、前記第1の温度センサが検出した油温に応じて前記発進クラッチの潤滑油の流量を制御する工程と、
を備え、前記制御する工程では、前記油温が第1の設定値以下の場合は流量を最小とし、第2の設定値以上であれば流量を最大とし、前記第1と第2の設定値の間は油温に応じて潤滑油の流量を連続的に変化させて制御することを特徴としている。
また、上記目的達成のため、請求項7に記載の潤滑制御装置は、
車両のトランスミッションとエンジンとの間に配置され、動力を伝達する湿式多板クラッチを備えた発進クラッチの潤滑制御装置であって、
前記発進クラッチ内の油温を検出する第1の温度センサと、
車両の走行状態に関わらず、前記第1の温度センサが検出した油温に応じて前記発進クラッチの潤滑油の流量を制御する制御手段と、
を備え、前記制御手段は、前記油温が第1の設定値以下の場合は流量を最小とし、第2の設定値以上であれば流量を最大とし、前記第1と第2の設定値の間は油温に応じて潤滑油の流量を連続的に変化させて制御することを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の発進クラッチ潤滑制御方法及び潤滑制御装置によれば、次のような効果が得られる。
【0013】
発進クラッチの温度状態に応じて潤滑油の潤滑流量を変化させることができるため、クラッチの発熱が高い場合は、多くの潤滑油を流すことができ、潤滑油を供給するポンプの過剰な動力損失をともなわずに効果的に発進クラッチの冷却をすることができる。
【0014】
温度センサを設けることで、潤滑油の温度が正確に検出及び監視できる。従って、温度センサの出力に応じて、より精度の高い潤滑油の流量設定ができる。また、油温が第1の設定値と第2の設定値の間は油温に応じて潤滑油の流量を連続的に変化させて制御することにより、効率良い潤滑制御が可能となる。
【0015】
また、発進クラッチは通常車両が走行している時は滑りのない係合状態であるため、発熱しないが、冷却もされにくい。しかしながら、本発明によれば、係合中でも冷却されるよう、発進クラッチの温度に応じて常に潤滑油を流すため、頻繁なクラッチ係合と解放を繰り返しても十分な冷却が可能となる。
【0016】
また、請求項6及び13のように摩擦材に溝を設ければ、発進クラッチの係合中でも冷却効果が向上する。
【実施例】
【0017】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明する。尚、以下説明する実施例は例示として本発明を示しているに過ぎず、その他の変更が可能なことは言うまでもない。
【0018】
図1は、本発明にかかる発進クラッチの潤滑制御装置の実施例を説明するための発進クラッチの軸方向断面図である。発進クラッチ10は、クラッチドラム、すなわちクラッチケース1とその中に収容された湿式多板クラッチ30を備えている。湿式多板クラッチ30のクラッチケース1の内部には出力側の摩擦係合要素であるほぼ環状の摩擦板、すなわちフリクションプレート3と入力側の摩擦係合要素であるほぼ環状のセパレータプレート4とが軸方向で交互に配置されている。クラッチケース1の開口側である軸方向の一端にはほぼ環状のバッキングプレート19が、ほぼ環状の止め輪5によって軸方向において固定状態に支持され、セパレータプレート4を保持している。
【0019】
環状のクラッチケース1は、その外周にドラム部34が設けられている。ドラム部34の内周にはスプライン部39が設けられ、セパレータプレート4が軸方向で摺動自在に係合している。
【0020】
本実施例では、3枚のフリクションプレート3と3枚のセパレータプレート4とで湿式多板クラッチ30を構成しているが、これら入力側及び出力側の摩擦係合要素の枚数は、必要なトルクに応じて任意に変更できることは言うまでもない。また、フリクションプレート3の軸方向の両面には、ほぼ環状の摩擦材35、または複数セグメントに分割された摩擦材35が接着等により固定されている。また、セパレータプレート4に摩擦材35を固着してもよいし、フリクションプレート3とセパレータプレート4のそれぞれの片面に交互に摩擦材35を固着してもよい。
【0021】
図1において、クラッチケース1内であって、クラッチケース1の閉口端側にはピストン8が設けられている。ピストン8は、セパレータプレート4に当接して押圧力を加えるため、クラッチケース1に軸方向摺動自在に嵌合している。
【0022】
ピストン8とクラッチケース1の内面とで、二つのOリングで油密に封止された油圧室31が画成されている。後述の油路から油圧用の油を油圧室31に供給することで、ピストン8の移動を制御し、所定の押圧力を得る。ピストン8に所定の押圧力を与える。クラッチの解放時に、ピストン8を油圧室31方向へ常時付勢するためのスプリング9が油圧室31と反対側に設けられている。
【0023】
油圧室31に所定の油圧が供給されると、ピストン8は、図中左方向に移動して、バッキングプレート19との間で湿式多板クラッチ30を締結する。
【0024】
湿式多板クラッチ30の摩擦板3には内径側から外径側へ連通する溝(不図示)が形成されており、溝は、摩擦材3の厚さとほぼ等しい深さと3mm以上の周方向幅を有するように形成される。これにより、冷却されにくい発進クラッチ10の締結時にも、冷却効果が向上する。また、本発明によれば、係合中でも冷却されるよう空転中よりは少ない流量で常に潤滑油を流すため、冷却効率が更に向上する。これは、発進クラッチの温度に応じて常に潤滑油を流すため、頻繁なクラッチ係合と解放を繰り返しても十分な冷却が可能となるためである。
【0025】
トランスミッションの入力軸16と一体で回転するように入力軸16に嵌合したハブ部材2は、その外周にスプライン部36が設けられている。スプライン部36には、フリクションプレート3が軸方向摺動自在に嵌合している。従って、不図示のクランク軸から入力される動力は、ハウジング12を介して、ダンパ装置14、クラッチケース1、湿式多板クラッチ30、ハブ部材2、入力軸16の経路で不図示のトランスミッションに伝達される。
【0026】
湿式多板クラッチ30のクラッチケース1は、クラッチ締結時の衝撃などを吸収する衝撃緩衝機構であるダンパ装置14が設けられている。ダンパ装置14は、スプリングとスプリングを保持するリテーナプレートとを有する。
【0027】
入力軸16の軸方向一端の外周にはスプラインが設けられ、ハブ部材2がスプライン嵌合している。従って、入力軸16とハブ部材2とは一体状態で回転する。
【0028】
クラッチケース1の開放端には、カバー部材7が設けられている。カバー部材7は、外径縁部が、クラッチケース1のスプライン部39に嵌合している。このため、カバー部材7は、クラッチケース1と共に回転する。カバー部材7は、ハブ部材2との間に狭い潤滑油通路40を画成している。図1から分かるように、カバー部材7を設けることで、ほぼ囲まれたスペースに湿式多板クラッチ30が配置される。
【0029】
ここで、湿式多板クラッチ30の油圧室31に油を供給する油路について説明する。湿式多板クラッチ30のピストン8を押圧するための油圧室31に供給する油は、不図示のオイルポンプと油圧制御装置により制御される。
【0030】
油圧室31には、不図示の油圧供給源から、入力軸16内の通路、入力軸16とクラッチケース1との間の通路32、クラッチケース1の通路33を介して油が供給される。
【0031】
ここで、湿式多板クラッチ30を潤滑する潤滑油の油路について説明する。湿式多板クラッチ30を潤滑する潤滑油は、オイルポンプ(不図示)と潤滑制御装置70に接続された流量制御弁63により制御される。
【0032】
潤滑制御装置70は、発進クラッチ10内部の潤滑油の油温を検出する第1の温度センサ62と、車両(不図示)の走行状態に関わらず、第1の温度センサ62が検出した油温に応じて発進クラッチ10の潤滑油の流量を制御する制御手段である流量制御弁63とから成っている。この潤滑制御装置70では、油圧室31に供給する圧油の供給路は別系統としている。第1の温度センサの検出結果により、発進クラッチ10の発熱が高いと判明した場合は、多くの潤滑油を流す。
【0033】
流量制御弁63には、不図示の潤滑油供給源に接続された潤滑油供給路72を介して潤滑油が供給される。流量制御弁63から油路71を介して発進クラッチ10に潤滑油が供給される。後述のように、2つの温度センサ62と64からの温度検出情報をコントローラ61が処理し、検出温度に基づいて、流量制御弁63からの油量を制御している。
【0034】
潤滑制御装置70の流量制御弁63は、発進クラッチ10内の油温が第1の設定値以下の場合は流量を最小とし、第2の設定値以上であれば流量を最大とし、第1と第2の設定値の間は油温に応じて連続的に変化させて潤滑油の流量を制御する。また、流量制御弁63は潤滑油量を電気的に制御しており、潤滑油を発進クラッチ10内に常時流すように制御している。
【0035】
図2に示すように、第1の温度センサ62は,発進クラッチ10の下端に配置されている。これは、発進クラッチ10から飛散する油の温度を検出する位置であり、発進クラッチ10内の潤滑油の油温が正確に検出できるからである。
【0036】
潤滑制御手段70は、前記発進クラッチから飛散する油を貯留する手段を設けることができる。貯留手段は、例えばハウジング12の下部13の温度センサ62近傍に凹部(不図示)を形成して設けることができる。このようにすれば、第1の温度センサ62が、貯留部に溜まった潤滑油の油温を検出するので、検出結果が正確になり、安定する。
【0037】
潤滑制御装置70は、トランスミッション内の油温を検出する第2温度センサ64を更に備え、流量制御弁63は、第1の温度センサ62が検出した温度と第2の温度センサ64が検出した温度との差に応じて、コントローラ61により発進クラッチ10の潤滑油の流量を制御する。このようにすることで、潤滑油の流量を更に正確に制御できる。
【0038】
ここで、図2を参照して、本発明における潤滑制御について説明する。図2は、発進クラッチ内の潤滑油の温度と潤滑油量との関係を示すグラフである。
【0039】
図2に示すように。温度センサ62により検出される潤滑油の油温T1(第1の設定温度)以下のとき、潤滑油量が最小値L1でほぼ一定となり、また油温T2(第2の設定温度)以上のときに最大値L2でほぼ一定となるように制御する。また、潤滑油量が最小値L1のときは、発進クラッチ10が完全締結状態に、最大値L2のときは、発進クラッチ10の空転時にそれぞれ対応している。
【0040】
図2において、勾配となっている領域、すなわち第1の設定温度T1と第2の設定値T2との間は油温に応じて潤滑油の流量を連続的に変化させて制御している。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明にかかる発進クラッチの潤滑制御装置の実施例を説明するための発進クラッチの軸方向断面図である。
【図2】発進クラッチ内の潤滑油の温度と潤滑油量との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
【0042】
1 クラッチケース
2 ハブ部材
3 摩擦板
4 セパレータプレート
8 ピストン
10 発進クラッチ
30 湿式多板クラッチ
12 ハウジング
31 油圧室
62 第1の温度センサ
63 流量制御弁
64 第2の温度センサ
70 潤滑制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のトランスミッションとエンジンとの間に配置され、動力を伝達する湿式多板クラッチを備えた発進クラッチの潤滑制御方法であって、
第1の温度センサにより前記発進クラッチ内の油温を検出する工程と、
車両の走行状態に関わらず、前記第1の温度センサが検出した油温に応じて前記発進クラッチの潤滑油の流量を制御する工程と、
を備え、前記制御する工程では、前記油温が第1の設定値以下の場合は流量を最小とし、第2の設定値以上であれば流量を最大とし、前記第1と第2の設定値の間は油温に応じて潤滑油の流量を連続的に変化させて制御することを特徴とする発進クラッチの潤滑制御方法。
【請求項2】
前記制御する工程では、前記発進クラッチの潤滑油の流量を電気的に制御することを特徴とする請求項1に記載の発進クラッチの潤滑制御方法。
【請求項3】
前記制御する工程では、第2の温度センサにより前記トランスミッション内の油温を検出し、前記制御する工程では、前記第1の温度センサが検出した温度と前記第2の温度センサが検出した温度との差に応じて、前記発進クラッチの潤滑油の流量を制御することを特徴とする請求項2または3に記載の発進クラッチの潤滑制御方法。
【請求項4】
前記第1の温度センサは,前記発進クラッチから飛散する油の温度を検出する位置で油温を検出することを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の発進クラッチの潤滑制御方法。
【請求項5】
前記制御する工程では、前記発進クラッチから飛散する油を貯留し、貯留した油の温度を前記第1の温度センサで検出することを特徴とする請求項4に記載の発進クラッチの潤滑制御方法。
【請求項6】
前記湿式多板クラッチは、コアプレートに摩擦材を固着して形成した複数の摩擦板を有し、前記摩擦板には内径側から外径側へ連通する溝が形成されており、前記溝は、前記摩擦材の厚さとほぼ等しい厚さと3mm以上の周方向幅を有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の発進クラッチの潤滑制御方法。
【請求項7】
車両のトランスミッションとエンジンとの間に配置され、動力を伝達する湿式多板クラッチを備えた発進クラッチの潤滑制御装置であって、
前記発進クラッチ内の油温を検出する第1の温度センサと、
車両の走行状態に関わらず、前記第1の温度センサが検出した油温に応じて前記発進クラッチの潤滑油の流量を制御する制御手段と、
を備え、前記制御手段は、前記油温が第1の設定値以下の場合は流量を最小とし、第2の設定値以上であれば流量を最大とし、前記第1と第2の設定値の間は油温に応じて潤滑油の流量を連続的に変化させて制御することを特徴とする発進クラッチの潤滑制御装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記発進クラッチの潤滑油の流量を電気的に制御することを特徴とする請求項7に記載の発進クラッチの潤滑制御装置。
【請求項9】
前記制御装置は、前記トランスミッション内の油温を検出する第2温度センサを更に備え、前記制御手段は、前記第1の温度センサが検出した温度と前記第2の温度センサが検出した温度との差に応じて、前記発進クラッチの潤滑油の流量を制御することを特徴とする請求項7または8に記載の発進クラッチの潤滑制御装置。
【請求項10】
前記第1の温度センサは,前記発進クラッチから飛散する油の温度を検出する位置に配置されていることを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の発進クラッチの潤滑制御装置。
【請求項11】
前記制御装置は、前記発進クラッチから飛散する油を貯留する手段を更に有することを特徴とする請求項10に記載の発進クラッチの潤滑制御装置。
【請求項12】
前記第1の温度センサは、前記貯留する手段の中に貯留した潤滑油の温度を検出することを特徴とする請求項11に記載の発進クラッチの潤滑制御装置。
【請求項13】
前記湿式多板クラッチは、コアプレートに摩擦材を固着して形成した複数の摩擦板を有し、前記摩擦板には内径側から外径側へ連通する溝が形成されており、前記溝は、前記摩擦材の厚さとほぼ等しい厚さと3mm以上の周方向幅を有することを特徴とする請求項7乃至12のいずれか1項に記載の発進クラッチの潤滑制御装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2008−291897(P2008−291897A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−136931(P2007−136931)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000102784)NSKワーナー株式会社 (149)
【Fターム(参考)】