説明

発電所設備の運転管理システム

【課題】発電所の中央制御室において、設備の運転管理を容易かつ確実に行うことが可能な発電所設備の運転管理システムを提供する。
【解決手段】発電所の施設内に設置された所定の設備の現在の状態を示す状態情報を表示可能であると共に、状態情報に基づいて設備を操作可能な操作端末装置3,4と、施設内の特定の位置に設置され、施設内を撮影可能な撮影装置5と、状態情報に係る状態情報信号を入力可能な第1入力部と、撮影装置5により撮影された撮影情報に係る撮影情報信号を入力可能な第2入力部と、外部装置6に入力された外部情報に係る外部情報信号を入力可能な第3入力部と、状態情報信号に基づく状態情報、撮影情報信号に基づく撮影情報及び外部情報信号に基づく外部情報を表示可能な表示部20と、を有する情報表示装置2と、表示部20に表示する状態情報、撮影情報及び外部情報を選択可能な選択操作装置10とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発電所の中央制御室において、発電所内の設備の管理等を行う発電所設備の運転管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、火力発電所等の発電所には、安全に発電(例えば、火力発電)を行うために中央制御室が設置されている。中央制御室は、発電所内の設備の監視や設備を構成する装置の運転の制御等、火力発電における設備の管理を行う場所である。この中央制御室は、例えば、設備を構成する複数の装置等のデータの計測や計測結果に基づく計算を行う中央制御盤を備えており、中央制御盤で算出されたデータをもとに、複数のオペレータがオペレーションコンピュータを備えた操作机(以下、「オペコンデスク」ともいう)で発電における設備の制御や監視を行っている。
【0003】
ところで、中央制御室での作業は、通常、オペコンデスクに映し出される複数の装置等の現在の状態をオペレータが監視する、監視作業が多い。そのため、複数の装置等それぞれの状態は、オペコンデスクに常時表示される他に、中央制御室で作業する複数のオペレータ等がすぐに確認できるようにオペコンデスクの正面に設置されたディスプレイ装置にも表示される。
【0004】
ここで、このディスプレイ装置は、中央制御室で作業する複数のオペレータ等が容易に視認できるように大型であることを必要とする。また、中央制御室に設置するためには、製品寿命が長く、メンテナンスが容易であることを必要とする。更に、中央制御室の壁に設置するため、軽量で薄型であることが必要とされる。そのため、従来より、中央制御室に設置されるディスプレイ装置は、映像をスクリーンに投影して映し出す、いわゆるプロジェクタ方式のものが用いられていた(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−344618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、この中央制御室に設置されたプロジェクタ方式のディスプレイ装置は、例えば、オペレーションコンピュータやITVカメラ等の特定の装置以外の接続、つまり、外部装置を接続させるための入力部を有していない。また、これらを接続するための入力部を追加することもできなかった。そのため、従来より中央制御室に設置されたディスプレイ装置は、オペレーションコンピュータやITVカメラからの映像をスクリーンに投影することしかできなかった。
【0007】
これにより、例えば、台風が接近した場合や地震が起きた場合等の防災時には、テレビで台風情報や地震情報を確認しながら設備の制御等の運転対応を行うが、中央制御室にはテレビが設置されていないことが多い。また、プロジェクタ方式のディスプレイ装置は、通常、TVチューナ機能を備えておらず、入力部がないためTVチューナを接続することもできない。そのため、このような場合には、別室等で台風情報や地震情報を確認してから設備の運転対応をしなければならず、対応するまでに時間が掛かるという問題があった。
【0008】
また、例えば、トラブル発生時や設定変更時等において操作マニュアルに沿った修正作業を行う場合には、紙ベースの操作マニュアルを取り出してオペコンデスク上に置いた状態で、操作マニュアルを捲りながら修正作業を行わなければならなかった。つまり、操作マニュアルを捲りながら内容を確認し、画面に目線を移動させて作業を行わなければならなかった。そして、この作業は、大変煩雑な作業であると共に、オペコンデスクが狭いこともあり操作を誤るおそれがあった。
【0009】
更に、例えば、会議や報告会等を行う場合、中央制御室は、資料等を映し出せる共有のモニタ(ディスプレイ)を有さないため、オペコンデスクから離れたモニタを有する部屋でモニタに資料を映し出しながら進められることが多い。そのため、中央制御室を離れるオペレータが増え、一時的に設備の運転監視が疎かになるおそれがあるという問題があった。
【0010】
本発明は、発電所の中央制御室において、設備の運転管理を容易かつ確実に行うことが可能な発電所設備の運転管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、発電所の施設内に設置された所定の設備の現在の状態を示す状態情報を表示可能であると共に、前記状態情報に基づいて前記設備を操作可能な操作端末装置と、前記施設内の特定の場所に設置され、前記施設内を撮影可能な撮影装置と、前記操作端末装置に表示される前記状態情報に係る状態情報信号を入力可能な第1入力部と、前記撮影装置により撮影された撮影情報に係る撮影情報信号を入力可能な第2入力部と、前記操作端末装置及び前記撮影装置とは異なる外部装置に入力された外部情報に係る外部情報信号を入力可能な第3入力部と、前記第1入力部から入力された前記状態情報信号に基づく前記状態情報、前記第2入力部から入力された前記撮影情報信号に基づく前記撮影情報及び前記第3入力部から入力された前記外部情報信号に基づく前記外部情報を表示可能な表示部と、を有する情報表示装置と、前記表示部に表示する前記状態情報、前記撮影情報及び外部情報を選択可能な選択表示装置と、を備える発電所設備の運転管理システム。
【0012】
また、前記外部装置に入力された前記外部情報に含まれる音声情報を出力可能な音声出力装置を更に備えることが好ましい。
【0013】
また、前記情報表示装置の前記表示部は、プラズマディスプレイパネルであることが好ましい。
【0014】
また、前記外部装置は、所定の映像情報信号を受信可能な受信装置であることが好ましい。
【0015】
また、前記外部装置は、前記所定の設備の操作方法が記憶された記憶媒体を備えるパーソナルコンピュータであることが好ましい。
【0016】
また、前記外部装置は、所定の記憶媒体に記憶された記憶情報を出力可能な出力装置であることが好ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、発電所の中央制御室において、設備の運転管理を容易かつ確実に行うことが可能な発電所設備の運転管理システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1実施形態に係る発電所設備の運転管理システムを示す構成図である。
【図2】第1実施形態に係るプラズマディスプレイ装置の入力部を示す構成図である。
【図3】第1実施形態に係るプラズマディスプレイ装置の表示部に表示される天気情報を示す説明図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る発電所設備の運転管理システムを示す構成図である。
【図5】第2実施形態に係るプラズマディスプレイ装置の入力部を示す構成図である。
【図6】第2実施形態に係るプラズマディスプレイ装置の表示部に表示される操作マニュアルを示す説明図である。
【図7】本発明の第3実施形態に係る発電所設備の運転管理システムを示す構成図である。
【図8】第3実施形態に係るプラズマディスプレイ装置の入力部を示す構成図である。
【図9】第3実施形態に係るプラズマディスプレイ装置の表示部に表示される研修ビデオを示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1は、火力発電所の中央制御室において制御される所定の設備の運転管理(監視及び制御等)を行う際に利用される。
【0020】
[第1実施形態]
まず、本発明の第1実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1について、図1及び図2を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1を示す構成図である。図2は、第1実施形態に係るプラズマディスプレイ装置2の入力部21を示す構成図である。
【0021】
図1に示すように、第1実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1は、情報表示装置としてのプラズマディスプレイ装置2と、複数の操作端末装置としてのオペレーションコンピュータを有する第1オペコンデスク3と、複数の操作端末装置としてのオペレーションコンピュータを有する第2オペコンデスク4と、撮影装置としてのITVカメラ5と、外部装置としてのTVチューナ(受信装置)6と、音声出力装置としてのスピーカ9A,9Bと、選択表示装置としてのコントローラ10と、ユニット計算機11と、を備える。
【0022】
プラズマディスプレイ装置2は、後述の入力部21から入力された情報を映像化して表示する。
図1及び図2に示すように、プラズマディスプレイ装置2は、入力部21と、変換部(図示せず)と、表示部20と、を備える。
入力部21は、オペレーションコンピュータ30、ITVカメラ5及び外部装置から出力される情報信号を入力するためのものである。図2に示すように、入力部21は、第1入力部22と、第2入力部23と、第3入力部24と、を備える。
【0023】
第1入力部22は、並設された5個の接続端子CRT1,CRT2,CRT3,CRT4,CRT5を備える。第1入力部22の接続端子CRT1,CRT2,CRT3,CRT4,CRT5には、接続コード(図示せず)を介してオペレーションコンピュータ30が接続される。
第2入力部23は、並設された5個の接続端子ITV1,ITV2,ITV3,ITV4,ITV5を備える。第2入力部23の接続端子ITV1,ITV2,ITV3,ITV4,ITV5には、接続コード(図示せず)を介してITVカメラ5が接続される。
第3入力部24は、10個の接続端子TV,PC,VD,外1〜7を備える。第3入力部24の接続端子TV,PC,VD,外1〜7には、接続コードを介してTVチューナ、パーソナルコンピュータ、ビデオデッキ等の外部装置が接続される。
【0024】
変換部は、第1入力部22から入力される後述の状態情報信号、第2入力部23から入力される後述の撮影情報信号及び第3入力部24から入力される後述の外部情報信号を映像情報に変換する。
表示部20は、プラズマディスプレイパネルにより形成されており、変換部で変換された映像情報を表示する。
【0025】
ユニット計算機11は、所定の設備を構成する複数の装置等の運転に必要なデータの計測や計測結果に基づく計算を行う。また、ユニット計算機11は、第1オペコンデスク3及び第2オペコンデスク4と電気的に接続されており、第1オペコンデスク3及び第2オペコンデスク4に所定の設備の現在の状態を示す状態情報や上述の計算に基づいた運転の指示等を送信する。
【0026】
第1オペコンデスク3は、第1オペレーションコンピュータ31と、第2オペレーションコンピュータ32と、第3オペレーションコンピュータ33と、を備える。
【0027】
第1オペレーションコンピュータ31は、モニタ31aと、操作キー31bと、を備える。モニタ31aは、ユニット計算機11から送信された所定の設備の状態情報等を表示する。操作キー31bは、ユニット計算機11から送信される運転の指示等に基づいたオペレータによる操作に使用される。
また、第1オペレーションコンピュータ31は、プラズマディスプレイ装置2における第1入力部22の接続端子CRT1に接続される。第1オペレーションコンピュータ31は、ユニット計算機11から送信される状態情報を状態情報信号として第1入力部22に入力する。
【0028】
第2オペレーションコンピュータ32及び第3オペレーションコンピュータ33は、第1オペレーションコンピュータ31と構成を同じにするため、構成に係る説明を省略する。
第2オペレーションコンピュータ32は、プラズマディスプレイ装置2における第1入力部22の接続端子CRT2に接続される。第2オペレーションコンピュータ32は、ユニット計算機11から送信される状態情報を状態情報信号として第1入力部22に入力する。
第3オペレーションコンピュータ33は、プラズマディスプレイ装置2における第1入力部22の接続端子CRT3に接続される。第3オペレーションコンピュータ33は、ユニット計算機11から送信される状態情報を状態情報信号として第1入力部22に入力する。
【0029】
なお、第1オペレーションコンピュータ31のモニタ31aに表示される状態情報と、第2オペレーションコンピュータ32のモニタ32aに表示される状態情報及び第3オペレーションコンピュータ33のモニタ33aに表示される状態情報とは、同じ状態情報を表示してもよく、異なる状態情報を表示してもよい。
【0030】
第2オペコンデスク4は、第4オペレーションコンピュータ41と、第5オペレーションコンピュータ42と、を備える。
【0031】
第4オペレーションコンピュータ41は、モニタ41aと、操作キー41bと、を備える。モニタ41aは、ユニット計算機11から送信された所定の設備の状態情報等を表示する。操作キー41bは、ユニット計算機11から送信される運転の指示等に基づいたオペレータによる操作に使用される。
また、第4オペレーションコンピュータ41は、プラズマディスプレイ装置2における第1入力部22の接続端子CRT4に接続されている。第4オペレーションコンピュータ41は、ユニット計算機11から送信される状態情報を状態情報信号として第1入力部22に入力する。
【0032】
第5オペレーションコンピュータ42は、第4オペレーションコンピュータ41と構成を同じにするため、構成に係る説明を省略する。
第5オペレーションコンピュータ42は、プラズマディスプレイ装置2における第1入力部22の接続端子CRT5に接続されている。第5オペレーションコンピュータ42は、ユニット計算機11から送信される状態情報を状態情報信号として第1入力部22に入力する。
【0033】
なお、第4オペレーションコンピュータ41のモニタ41aに表示される状態情報と、第5オペレーションコンピュータ42のモニタ42aに表示される状態情報とは、同じ状態情報を表示してもよく、異なる状態情報を表示してもよい。
【0034】
ITVカメラ5は、発電所の施設内における特定の場所に設置され、施設内の特定の場所を撮影する。第1実施形態においては、1台のITVカメラ5がプラズマディスプレイ装置2における第2入力部23の接続端子ITV1に接続されており、ITVカメラ5によって撮影された撮影情報は、撮影情報信号として第2入力部23に入力される。
【0035】
また、ITVカメラ5は、プラズマディスプレイ装置2に隣接して設置されたモニタ(図示せず)にも接続されており、通常は、ITVカメラ5による撮影情報は、不図示のモニタ上に撮影画像として映し出されるように構成されている。
【0036】
TVチューナ6は、映像情報信号としてのTV情報を受信する。TVチューナ6は、プラズマディスプレイ装置2における第3入力部24の接続端子TVに接続されており、TVチューナが受信したTV情報は、TV情報信号として第3入力部24に入力される。
【0037】
スピーカ9A,9Bは、プラズマディスプレイ装置2に接続されており、入力部21から入力された撮影情報信号及びTV情報信号に含まれる音声情報信号を音声情報に変換し、外部に出力する。例えば、スピーカ9A,9Bは、第3入力部24の接続端子TVから入力されたTV情報信号に含まれる音声情報信号を音声情報に変換し、外部に出力する。
【0038】
コントローラ10は、プラズマディスプレイ装置2の入力部21から入力された状態情報、撮影情報及びTV情報から、オペレータに任意に選択された情報を表示部20に表示させる。
具体的には、コントローラ10は、ユニット計算機11から送信される設備の現在の状態を示す状態情報、ITVカメラ5により撮影された撮影情報又はTVチューナ6により受信されたTV情報から、オペレータにより任意に選択された情報を表示部20に表示させる。
【0039】
次に、第1実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1の作用について、図3を参照しながら説明する。図3は、第1実施形態に係るプラズマディスプレイ装置2の表示部20に表示される天気情報を示す説明図である。
【0040】
第1実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1のプラズマディスプレイ装置2には、通常時は、ユニット計算機11から送信される設備の現在の状態を示す状態情報が表示される。第1実施形態においては、第1オペコンデスク3に設けられた第1オペレーションコンピュータ31のモニタ31aに表示される状態情報が表示される。
【0041】
一方、オペレータがコントローラ10を操作して、第2オペレーションコンピュータ32のモニタ32aに表示された状態情報、第3オペレーションコンピュータ33のモニタ33aに表示された状態情報、第4オペレーションコンピュータ41のモニタ41aに表示された状態情報又は第5オペレーションコンピュータ42のモニタ42aに表示された状態情報のいずれかを選択すると、選択された状態情報がプラズマディスプレイ装置2に表示される。
【0042】
また、プラズマディスプレイ装置2にはITVカメラ5が接続されている。そのため、オペレータがコントローラ10を操作してITVカメラ5を選択することにより、ITVカメラ5により撮影された画像がプラズマディスプレイ装置2に表示される。
なお、ITVカメラ5により撮影された画像は、通常、プラズマディスプレイ装置2に隣接して設置された不図示のモニタ上に撮影画像として映し出されるように構成されている。
【0043】
更に、プラズマディスプレイ装置2にはTVチューナ6が接続されている。そのため、オペレータがコントローラ10を操作してTVチューナを選択することにより、TVチューナ6により受信されたTV情報がプラズマディスプレイ装置2に表示される。例えば、図3に示す天気情報が表示される。
オペレータによりTV情報が選択されると、プラズマディスプレイ装置2に天気情報等のTV情報が表示されると共に、天気情報等に含まれる音声情報がスピーカ9A,9Bから出力される。
【0044】
以上のような構成を有する第1実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1によれば、例えば、以下のような効果が奏される。
第1実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1は、火力発電所における所定の設備の現在の状態を示す状態情報に係る状態情報信号を入力可能な第1入力部22及び施設内の特定の場所を撮影した撮影情報に係る撮影情報信号を入力可能な第2入力部23に加え、外部装置から外部情報に係る外部情報信号を入力可能な第3入力部24を有するプラズマディスプレイ装置2を備える。
そのため、状態情報及び撮影情報以外の外部情報を容易にプラズマディスプレイ装置2に表示させることができる。これにより、例えば、火力発電所の中央制御室において、複数のオペレータが容易に外部情報を確認することができる。つまり、中央制御室内において、状態情報及び撮影情報に加え、外部情報を容易に共有化させることができる。
【0045】
また、第1実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1は、外部装置として、TVチューナ6を備える。そのため、例えば、台風が接近した場合や地震が起きた場合等の防災時において、プラズマディスプレイ装置2に台風情報や地震情報等の防災情報を表示させながら、第1オペコンデスク3又は第2オペコンデスク4に座ったままで、オペレーションコンピュータを操作することができる。つまり、防災時における設備の運転対応を速やかに行うことができる。
【0046】
また、プラズマディスプレイ装置2には、スピーカ9A,9Bが接続されている。そのため、音声を交えた防災情報を得ることが可能となり、より確実に正確な防災情報を得ることが可能になる。
これにより、防災時においても、設備の運転管理を容易かつ確実に行うことができる。
【0047】
また、プラズマディスプレイ装置2の表示部20は、プラズマディスプレイパネルにより形成されている。そのため、画面がきれいであると共に、例えば、中央制御室が暗くなった場合においても、鮮明な映像として状態情報等を表示することができる。
【0048】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1Aについて、図4及び図5を参照しながら説明する。
図4は、本発明の第2実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1Aを示す構成図である。図5は、第2実施形態に係るプラズマディスプレイ装置2の入力部21を示す構成図である。
【0049】
図4及び図5に示すように、第2実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1Aは、第3入力部24の接続端子PCにパーソナルコンピュータ7を接続することにおいて、第1実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1と相違する。そのため、第2実施形態においては、第1実施形態と異なる点、つまり、接続端子PCに接続されるパーソナルコンピュータ7を中心に説明する。
【0050】
なお、第2実施形態において、第1実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1と同様の構成のものについては、同じ符号を付して説明を省略する。また、第2実施形態において、第1実施形態と同様の構成のものについては、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0051】
図4に示すように、第2実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1Aは、プラズマディスプレイ装置2と、複数のオペレーションコンピュータを有する第1オペコンデスク3と、複数のオペレーションコンピュータを有する第2オペコンデスク4と、ITVカメラ5と、外部装置としてのパーソナルコンピュータ7と、スピーカ9A,9Bと、コントローラ10と、ユニット計算機11と、を備える。
【0052】
パーソナルコンピュータ7は、発電所の設備を構成する装置の操作方法が記載された操作マニュアルを記憶した記憶媒体(図示せず)を備える。
パーソナルコンピュータ7は、プラズマディスプレイ装置2における第3入力部24の接続端子PCに接続されている。パーソナルコンピュータ7は、記憶媒体が記憶した操作マニュアルの電子情報を電子情報信号として第3入力部24に入力することができる。
第3入力部24に入力された電子情報信号は、プラズマディスプレイ装置2の変換部で操作マニュアルを示す映像情報に変換され、表示部20に表示される。
【0053】
次に、第2実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1Aの作用について、図6を参照しながら説明する。図6は、第2実施形態に係るプラズマディスプレイ装置2の表示部20に表示される操作マニュアルを示す説明図である。
【0054】
第2実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1Aのプラズマディスプレイ装置2には、通常時は、ユニット計算機11から送信される設備の現在の状態を示す状態情報が表示される。第2実施形態においては、第1オペコンデスク3に設けられた第1オペレーションコンピュータ31のモニタ31aに表示される状態情報が表示される。
【0055】
ここで、プラズマディスプレイ装置2にはパーソナルコンピュータ7が接続されている。このパーソナルコンピュータ7は、発電所の設備を構成する装置の操作方法が記載された操作マニュアルを記憶した記憶媒体を備える。そのため、オペレータがコントローラ10を操作してパーソナルコンピュータ7を選択することにより、パーソナルコンピュータ7により操作された情報をプラズマディスプレイ装置2に表示させることができる。つまり、パーソナルコンピュータ7の記憶媒体に記憶された操作マニュアルをプラズマディスプレイ装置2に表示させることができる。
例えば、図6に示すようにプラズマディスプレイ装置2の表示部20に電子化された操作マニュアルを表示することができる。この電子化された操作マニュアルは、パーソナルコンピュータ7を操作することによりページ捲り等の操作を行うことができる。
【0056】
以上のような構成を有する第2実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1Aによれば、例えば、以下のような効果が奏される。
第2実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1Aは、外部装置として、パーソナルコンピュータ7を備える。このパーソナルコンピュータ7は、火力発電所の所定の設備を構成する装置の操作方法が記載された操作マニュアルを電子化して記憶した記憶媒体を備える。
そのため、例えば、トラブル発生時や設定変更等において操作マニュアルに沿った修正作業を行う必要が生じた場合においても、紙ベースの操作マニュアルを取り出すことなく、作業を行うことができる。また、例えば、紙ベースの操作マニュアルを捲りながら作業を行う必要等がなくなる。これにより、トラブル発生時や設定変更等においても、設備の運転管理を容易かつ確実に行うことができる。
【0057】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1Bについて、図7及び図8を参照しながら説明する。
図7は、本発明の第3実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1Bを示す構成図である。図8は、第3実施形態に係るプラズマディスプレイ装置2の入力部21を示す構成図である。
【0058】
図7及び図8に示すように、第3実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1Bは、第3入力部24の接続端子VDに外部装置としてのビデオデッキ8を接続させることにおいて、第1実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1と相違する。そのため、第3実施形態においては、第1実施形態と異なる点、つまり、接続端子VDに接続されるビデオデッキ8を中心に説明する。
【0059】
なお、第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成のものについては同じ符号を付して、説明を省略する。また、第3実施形態において、第1実施形態と同様の構成のものについては、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0060】
図7に示すように、第3実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1Bは、プラズマディスプレイ装置2と、複数のオペレーションコンピュータを有する第1オペコンデスク3と、複数のオペレーションコンピュータを有する第2オペコンデスク4と、ITVカメラ5と、外部装置としてのビデオデッキ8と、スピーカ9A,9Bと、コントローラ10と、ユニット計算機11と、を備える。
【0061】
ビデオデッキ8は、所定の記憶媒体であるビデオテープ(図示せず)に記憶された記憶情報としてのビデオ情報を出力(再生)する。ビデオデッキ8は、プラズマディスプレイ装置2における第3入力部24の接続端子VDに接続されており、ビデオデッキ8が出力したビデオ情報は、記憶情報信号として第3入力部24に入力される。
【0062】
次に、第3実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1Bの作用について、図9を参照しながら説明する。図9は、第3実施形態に係るプラズマディスプレイ装置2の表示部20に表示されるビデオ情報を示す説明図である。
【0063】
第3実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1Bのプラズマディスプレイ装置2には、通常時は、ユニット計算機11から送信される設備の現在の状態を示す状態情報が表示される。第3実施形態においては、第1オペコンデスク3に設けられた第1オペレーションコンピュータ31のモニタ31aに表示される状態情報が表示される。
【0064】
ここで、プラズマディスプレイ装置2にはビデオデッキ8が接続されている。このビデオデッキ8は、業務支援ツールや研修ツール等が録画されたビデオテープを再生可能に構成されている。そのため、例えば、オペレータがコントローラ10を操作してビデオデッキ8を選択することにより、ビデオデッキ8により操作されたビデオ情報をプラズマディスプレイ装置2に表示させることができる。つまり、ビデオデッキ8で再生した業務支援ツールや研修ツール等をプラズマディスプレイ装置2に表示させることができる。
例えば、図9に示すようにプラズマディスプレイ装置2の表示部20にビデオテープに録画された業務支援ツールや研修ツール等を表示することができる。この録画された業務支援ツールや研修ツール等は、ビデオデッキ8を操作することにより巻き戻し等の操作を行うことができる。
【0065】
以上のような構成を有する第3実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1Bによれば、例えば、以下のような効果が奏される。
第3実施形態に係る発電所設備の運転管理システム1Bにおいては、外部装置として、ビデオデッキ8を備える。このビデオデッキ8は、火力発電に係る安全衛生等の研修内容や業務支援に係る内容が録画されたビデオテープを再生可能に構成されている。
【0066】
そのため、会議や報告会等を行う場合においては、従来、情報の共有化のためにテレビとビデオを別途用意して、業務支援ツールを用いた情報の共有化を行っていたが、直接、プラズマディスプレイ装置2に業務支援ツールを表示することにより、上述の準備をする手間を省くことができる。
また、会議や報告会等に使用される資料をプラズマディスプレイ装置2に表示することにより、中央制御室を離れることなく会議や報告会等を進めることができる。これにより、例えば、会議や報告会のために、一時的に中央制御室を離れるオペレータが増え、設備の運転監視等が疎かになることを防止することができる。その結果、設備の運転管理を容易かつ確実に行うことができる。
【0067】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲はこれらに限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
【0068】
例えば、本実施形態においては、TVチューナ6、パーソナルコンピュータ7及びビデオデッキ8から出力される外部情報を入力させたが、本発明においてはこれに限定されない。プラズマディスプレイ装置2に入力する外部情報は、オペレーションコンピュータ及びITVカメラ以外の外部装置に入力された外部情報であればよい。例えば、設備の状態情報等と異なる情報であればよい。
【0069】
また、本実施形態においては、TVチューナ6、パーソナルコンピュータ7及びビデオデッキ8を個別に接続する構成としたが、本発明においてはこれに限定されない。これらの外部装置を第3入力部24にすべて接続してもよい。
【0070】
また、本実施形態においては、プラズマディスプレイ装置2に、TVチューナ6から入力されるTV情報、パーソナルコンピュータ7から入力される操作マニュアル等の電子情報又はビデオデッキ8から入力されるビデオ情報等の外部情報を表示部20の全体に表示させる構成としたが、本発明においてはこれに限定されない。第1オペコンデスク3等に表示される状態情報と外部情報の両方を表示部20に表示する構成としてもよい。
【0071】
また、第2実施形態においては、パーソナルコンピュータ7の記憶媒体に記憶された操作マニュアルの電子情報を表示部20に表示させる構成としたが、本発明においてはこれに限定されない。電子情報は、パーソナルコンピュータ7の記憶媒体に記憶されているものであればよい。例えば、スケジュール、実績、研修等の情報であってもよい。
【符号の説明】
【0072】
1,1A,1B 運転管理システム
2 プラズマディスプレイ装置(情報表示装置)
3 第1オペコンデスク(操作端末装置)
4 第2オペコンデスク(操作端末装置)
5 ITVカメラ(撮影装置)
6 TVチューナ(外部装置(受信装置))
7 パーソナルコンピュータ(外部装置)
8 ビデオデッキ(外部装置(出力装置))
9A、9B スピーカ(音声出力装置)
10 コントローラ(選択操作装置)
11 ユニット計算機
20 表示部
21 入力部
22 第1入力部
23 第2入力部
24 第3入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電所の施設内に設置された所定の設備の現在の状態を示す状態情報を表示可能であると共に、前記状態情報に基づいて前記設備を操作可能な操作端末装置と、
前記施設内の特定の場所に設置され、前記施設内を撮影可能な撮影装置と、
前記操作端末装置に表示される前記状態情報に係る状態情報信号を入力可能な第1入力部と、前記撮影装置により撮影された撮影情報に係る撮影情報信号を入力可能な第2入力部と、前記操作端末装置及び前記撮影装置とは異なる外部装置に入力された外部情報に係る外部情報信号を入力可能な第3入力部と、前記第1入力部から入力された前記状態情報信号に基づく前記状態情報、前記第2入力部から入力された前記撮影情報信号に基づく前記撮影情報及び前記第3入力部から入力された前記外部情報信号に基づく前記外部情報を表示可能な表示部と、を有する情報表示装置と、
前記表示部に表示する前記状態情報、前記撮影情報及び外部情報を選択可能な選択表示装置と、
を備える発電所設備の運転管理システム。
【請求項2】
前記外部装置に入力された前記外部情報に含まれる音声情報を出力可能な音声出力装置を更に備える請求項1に記載の発電所設備の運転管理システム。
【請求項3】
前記情報表示装置の前記表示部は、プラズマディスプレイパネルである請求項1又は2に記載の発電所設備の運転管理システム。
【請求項4】
前記外部装置は、所定の映像情報信号を受信可能な受信装置である請求項1から3のいずれかに記載の発電所設備の運転管理システム。
【請求項5】
前記外部装置は、前記所定の設備の操作方法が記憶された記憶媒体を備えるパーソナルコンピュータである請求項1から3のいずれかに記載の発電所設備の運転管理システム。
【請求項6】
前記外部装置は、所定の記憶媒体に記憶された記憶情報を出力可能な出力装置である請求項1から3のいずれかに記載の発電所設備の運転管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−186914(P2011−186914A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−53275(P2010−53275)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】