説明

発電電池

【課題】複数本の汎用電池を用いて駆動される電子機器に好適な発電電池を提供する。
【解決手段】発電電池は、回転型発電機120Aと、回転型発電機120Aにより得られる電荷を蓄積する蓄電器と、回転型発電機120A及び蓄電器を収納する収納部110Aとを具備し、収納部110Aは、複数本の汎用電池を連ねた外観形状を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自己発電可能な発電電池に関する。
【背景技術】
【0002】
現在市販されている汎用電池(例えば、単三型又は単四型の乾電池や充電式電池)は、主に携帯型の電子機器の電力供給源として使用されるが、電池残量が尽きると、電池の交換又は充電を行う必要がある。
【0003】
電池の交換又は充電を不要にするために、自己発電可能な発電電池が提案されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載の発電電池は、汎用電池と実質的に同形状の筐体の中に、永久磁石、弾性支持体及びコイルによって構成される発電機(以下、適宜「プランジャー型発電機」と称する)と、当該発電機に接続された蓄電器とが設けられており、発電電池の長手方向における直線運動を受けて発電する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−323006号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電子機器は、1つの汎用電池で駆動される場合よりも、複数本の汎用電池で駆動される場合が多いのが現状である。複数本の汎用電池で駆動される電子機器に対し、特許文献1に記載の発電電池を複数同時に使用する場合、次のような問題がある。
【0006】
具体的には、特許文献1に記載の技術では、発電電池毎に独立して発電及び蓄電を行うため、発電電池毎の蓄電量(すなわち、電池残量)にばらつきが生じ得る。当該ばらつきが生じると、電子機器の駆動可能時間が電池残量の少ない発電電池によって拘束されたり、過充電や過放電が生じて発電電池の劣化が促進されたりする問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、複数本の汎用電池を用いて駆動される電子機器に好適な発電電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、本発明は以下のような特徴を有している。まず、本発明に係る発電電池(並列型発電電池100A又は直列型発電電池100B)の特徴は、発電機(回転型発電機120A又はプランジャー型発電機120B)と、前記発電機により得られる電荷を蓄積する蓄電器(蓄電器150)と、前記蓄電器に蓄積された電荷により得られる出力電圧を出力する複数の出力端子(プラス端子114、マイナス端子115)を有し、前記発電機及び前記蓄電器を収納する収納部(収納部110A又は収納部110B)とを具備し、前記収納部は、複数本の汎用電池を連ねた外観形状を有することを要旨とする。
【0009】
このような特徴によれば、発電機及び蓄電器は、複数本の汎用電池を連ねた外観形状を有する収納部内に収納される。これにより、複数本の汎用電池に対応する出力電圧を共通の発電・蓄電機構によって得ることができる。よって、特許文献1に記載の発電電池のような、発電電池毎の蓄電量のばらつきが生じないため、複数本の汎用電池を用いて駆動される電子機器に好適な発電電池を提供できる。
【0010】
本発明に係る発電電池の他の特徴は、上記特徴に係る発電電池において、前記収納部は、前記複数本の汎用電池に対応して設けられた複数の外枠部分(外枠部分111A及び外枠部分112A)と、前記複数の外枠部分の側面を相互に連結する連結部分(連結部分113A)とを具備することを要旨とする。
【0011】
このような特徴によれば、複数本の汎用電池を並列接続して使用する電子機器に好適な発電電池を提供できる。
【0012】
本発明に係る発電電池の他の特徴は、上記特徴に係る発電電池において、前記収納部内に収納され、偏心した回転体(偏心ディスク130)をさらに具備し、前記回転体は、前記複数の外枠部分及び前記連結部分に渡って設けられ、前記発電機は、前記回転体の回転力を受けて発電することを要旨とする。
【0013】
このような特徴によれば、発電効率の高い発電機構を構成することができる。また、回転体は複数の外枠部分及び連結部分に渡って設けられるため、比較的大型の回転体を用いることができ、発電量の大きい発電機構を構成できる。
【0014】
本発明に係る発電電池の他の特徴は、上記特徴に係る発電電池において、前記収納部は、前記複数本の汎用電池に対応して設けられた複数の外枠部分(外枠部分111B及び外枠部分112B)と、前記複数の外枠部分の端部を相互に連結し、折り曲げ可能に構成された連結部分(連結部分113B)とを具備することを要旨とする。
【0015】
このような特徴によれば、複数本の汎用電池を直列接続して使用する電子機器に好適な発電電池を提供できる。また、連結部分は折り曲げ可能に構成されるため、電池挿入口が狭い電子機器であっても、発電電池の取り付け及び取り外しを容易にすることができる。
【0016】
本発明に係る発電電池の他の特徴は、上記特徴に係る発電電池において、前記複数の外枠部分のそれぞれの内側に設けられ、前記発電電池の長手方向にスライド可能なスライド部(スライド部1116,1126,1146)を有することを要旨とする。
【0017】
このような特徴によれば、電子機器の電池使用本数(直列接続数)に合わせて発電電池の長さを調節することができるため、汎用性の高い発電電池を提供できる。
【0018】
本発明に係る発電電池の他の特徴は、上記特徴に係る発電電池において、前記蓄電器からの出力電圧を昇圧する昇圧回路(昇圧回路160)をさらに具備し、前記昇圧回路は、前記スライド部の状態に応じて昇圧量を変化させることを要旨とする。
【0019】
このような特徴によれば、発電電池の出力電圧を電子機器の電池使用本数(直列接続数)に合わせることができるため、汎用性の高い発電電池を提供できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、複数本の汎用電池を用いて駆動される電子機器に好適な発電電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】第1実施形態に係る並列型発電電池の構造を説明するための斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る並列型発電電池の回路構成を説明するための回路ブロック図である。
【図3】第2実施形態に係る直列型発電電池の構造を説明するための斜視図である。
【図4】第2実施形態に係る直列型発電電池の内部構造を説明するための断面図である。
【図5】第2実施形態に係る直列型発電電池の回路構成を説明するための回路ブロック図である。
【図6】第3実施形態に係る直列型発電電池の内部構造を説明するための断面図である。
【図7】第3実施形態に係る直列型発電電池の回路構成を説明するための回路ブロック図である。
【図8】第1実施形態に係る並列型発電電池の変形例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面を参照して、本発明に係る発電電池の第1実施形態〜第3実施形態、及びその他の実施形態を説明する。以下の各実施形態における図面において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付す。
【0023】
(1)第1実施形態
本発明に係る発電電池の第1実施形態である並列型発電電池について説明する。以下、(1.1)並列型発電電池の構造、(1.2)並列型発電電池の回路構成、(1.3)第1実施形態の効果の順に説明する。
【0024】
(1.1)並列型発電電池の構造
図1は、第1実施形態に係る並列型発電電池100Aの構造を説明するための斜視図である。図1では、並列型発電電池100Aの内部構造としての発電機構も図示している。
【0025】
図1に示すように、並列型発電電池100Aは、回転型発電機120Aと、回転型発電機120Aにより得られる電荷を蓄積する蓄電器150(図1において不図示。図2参照。)と、回転型発電機120A及び蓄電器150を収納する収納部110Aとを具備する。
【0026】
収納部110Aは、中空状に構成される。収納部110Aは、単三型又は単四型の2本の汎用電池に対応して設けられた外枠部分111A及び112Aと、外枠部分111A及び112Aの側面を相互に連結する連結部分113Aとを具備する。
【0027】
外枠部分111Aの両端部には、プラス端子114aと、マイナス端子115a(図1において不図示。図2参照。)とが設けられる。外枠部分112Aの両端部には、プラス端子114b(図1において不図示。図2参照。)と、マイナス端子115bとが設けられる。
【0028】
収納部110A内には、偏心ディスク130がさらに収納される。偏心ディスク130は、偏心用重り131が設けられており、重心が回転軸132よりも偏心用重り131側に位置する。偏心ディスク130は、外枠部分111A及び112Aと、連結部分113Aとに渡って設けられる。偏心ディスク130の外周には、ギア歯133が形成される。
【0029】
回転型発電機120Aは、偏心ディスク130の回転力を受けて発電する。偏心ディスク130は、偏心ディスク130に固定された回転軸132を中心として回転する。回転軸132の両端は、連結部分113Aの内側において回転可能に支持される。
【0030】
回転型発電機120Aは、発電機本体122と、発電機本体122の回転軸に固定され、偏心ディスク130のギア歯133と噛み合うギア121とを具備する。
【0031】
このように構成された発電機構では、偏心ディスク130は、並列型発電電池100Aの長手方向又は短手方向の直線運動や、偏心ディスク130の回転面と同一平面内での円運動によって回転する。偏心ディスク130が回転すると、その回転力がギア121を介して発電機本体122に伝達され、発電機本体122で発電が行われる。
【0032】
(1.2)並列型発電電池の回路構成
図2は、第1実施形態に係る並列型発電電池100Aの回路構成を説明するための回路ブロック図である。
【0033】
図2に示すように、並列型発電電池100Aは、回転型発電機120Aの発電機本体122の出力に接続された整流回路140と、整流回路140の出力に接続された蓄電器150と、蓄電器150の出力に接続された昇圧回路160とを有する。昇圧回路160の出力は、プラス端子114a及び114bと、マイナス端子115a及び115bとに接続される。なお、整流回路140と蓄電器150との間には、蓄電器150からの逆流を防止するためのダイオード(不図示)が接続される。
【0034】
整流回路140は、回転型発電機120Aの出力電流を整流する全波整流回路である。蓄電器150は、例えばスーパーキャパシタを用いて構成され、電荷を蓄積する。昇圧回路160は、蓄電器150からの出力電圧を昇圧するDC−DCコンバータである。昇圧回路160は、1本の汎用電池に対応する出力電圧をプラス端子114a及びマイナス端子115aに出力するとともに、1本の汎用電池に対応する出力電圧をプラス端子114b及びマイナス端子115bに出力する。
【0035】
(1.3)第1実施形態の効果
以上説明したように、第1実施形態では、回転型発電機120A及び蓄電器150は、2本の汎用電池を並列に連ねた外観形状を有する収納部110A内に収納されるため、並列接続された2本の汎用電池に対応する出力電圧を共通の発電・蓄電機構によって得ることができる。よって、2本の汎用電池を並列接続して使用する電子機器に好適な並列型発電電池100Aを提供できる。
【0036】
また、第1実施形態では、回転型発電機120Aの長手方向又は短手方向の直線運動や、偏心ディスク130の回転面と同一平面内での円運動によって回転する偏心ディスク130を用いて発電を行うため、プランジャー型発電機よりも発電効率の高い発電機構を構成できる。さらに、偏心ディスク130は、外枠部分111A及び112Aと、連結部分113Aとに渡って設けられるため、比較的大型の偏心ディスク130を用いることができ、発電量の大きい発電機構を構成できる。
【0037】
(2)第2実施形態
本発明に係る発電電池の第2実施形態である直列型発電電池について説明する。以下、(2.1)直列型発電電池の構造、(2.2)直列型発電電池の回路構成、(2.3)第2実施形態の効果の順に説明する。
【0038】
(2.1)直列型発電電池の構造
図3は、第2実施形態に係る直列型発電電池100Bの構造を説明するための斜視図である。図3では、電子機器の電池挿入口201への挿入時における使用状態を示している。図4は、第2実施形態に係る直列型発電電池100Bの内部構造を説明するための断面図である。
【0039】
図3及び図4に示すように、直列型発電電池100Bは、プランジャー型発電機120Bと、プランジャー型発電機120Bにより得られる電荷を蓄積する蓄電器150と、プランジャー型発電機120B及び蓄電器150を収納する収納部110Bとを具備する。
【0040】
収納部110Bは、単三型又は単四型の2本の汎用電池に対応して設けられた外枠部分111B及び112Bと、外枠部分111B及び112Bのそれぞれの一端部を相互に連結する連結部分113Bとを具備する。連結部分113Bは、折り曲げ可能に構成される。外枠部分111Bの他端部には、プラス端子114が設けられる。外枠部分112Bの他端部には、マイナス端子115が設けられる。
【0041】
外枠部分111Bは、円筒状に構成されており、プランジャー型発電機120Bを収納する。プランジャー型発電機120Bは、永久磁石124と、弾性支持体123a及び123bと、コイル125とを具備する。本実施形態では、プランジャー型発電機120Bは、特許文献1に記載の構造と同様の構造を採用しているが、他の構造であってもよい。
【0042】
外枠部分112Bは、円筒状に構成されており、整流回路140、蓄電器150、及び昇圧回路160を収納する。これらの回路の回路構成については後述する。コイル125は、連結部分113Bを通過する配線135によって整流回路140に電気的に接続される。昇圧回路160の出力は、図示を省略する配線によってプラス端子114及びマイナス端子115に電気的に接続される。
【0043】
連結部分113Bは、関節構造をなすアーム部1131,1133及び軸部1132と、アーム部1131,1133及び軸部1132を覆うカバー部1134とを具備する。アーム部1131は外枠部分111Bの一端に設けられ、アーム部1133は外枠部分112Bの一端に設けられる。軸部1132は、アーム部1131,1133の何れか一方に設けられており、他方に形成された挿通孔に挿通される。カバー部1134は、弾性部材によって構成され、且つ蛇腹構造を有する。カバー部1134は、一端部が外枠部分111Bの側面に固定され、他端部が外枠部分112Bの側面に固定される。
【0044】
(2.2)直列型発電電池の回路構成
図5は、第2実施形態に係る直列型発電電池100Bの回路構成を説明するための回路ブロック図である。
【0045】
図5に示すように、直列型発電電池100Bは、プランジャー型発電機120Bのコイル125に接続された整流回路140と、整流回路140の出力に接続された蓄電器150と、蓄電器150の出力に接続された昇圧回路160とを有する。昇圧回路160の出力は、プラス端子114及びマイナス端子115に接続される。なお、整流回路140と蓄電器150との間には、蓄電器150からの逆流を防止するためのダイオード(不図示)が接続される。
【0046】
整流回路140は、プランジャー型発電機120Bの出力電流を整流する全波整流回路である。蓄電器150は、例えばスーパーキャパシタを用いて構成され、電荷を蓄積する。昇圧回路160は、蓄電器150からの出力電圧を昇圧するDC−DCコンバータである。昇圧回路160は、直列接続された2本の汎用電池に対応する出力電圧をプラス端子114及びマイナス端子115に出力する。
【0047】
(2.3)第2実施形態の効果
以上説明したように、第2実施形態では、プランジャー型発電機120B及び蓄電器150は、2本の汎用電池を直列に連ねた外観形状を有する収納部110B内に収納されるため、直列接続された2本の汎用電池に対応する出力電圧を共通の発電・蓄電機構によって得ることができる。よって、2本の汎用電池を直列接続して使用する電子機器に好適な直列型発電電池100Bを提供できる。
【0048】
また、第2実施形態では、連結部分113Bは折り曲げ可能に構成されるため、電池挿入口201が狭い電子機器であっても、直列型発電電池100Bの取り付け及び取り外しを容易にすることができる。
【0049】
(3)第3実施形態
第3実施形態では、第2実施形態に係る直列型発電電池の変形例について説明する。以下、(3.1)直列型発電電池の構造、(3.2)直列型発電電池の回路構成、(3.3)第3実施形態の効果の順に説明する。ただし、第2実施形態と重複する説明は省略する。
【0050】
(3.1)直列型発電電池の構造
図6は、第3実施形態に係る直列型発電電池100Bの内部構造を説明するための断面図である。第3実施形態では、収納部110Bは、長手方向に伸縮可能に構成される。
【0051】
図6(a)に示すように、第3実施形態に係る直列型発電電池100Bは、2つのプランジャー型発電機120B−1,120B−2と、プランジャー型発電機120B−1,120B−2により得られる電荷を蓄積する蓄電器150と、プランジャー型発電機120B−1,120B−2及び蓄電器150を収納する収納部110Bとを具備する。
【0052】
収納部110Bは、3つの外枠部分111B,112B及び114Bと、外枠部分111B及び112Bのそれぞれの端部を相互に連結する連結部分113B−1と、外枠部分112B及び114Bのそれぞれの端部を相互に連結する連結部分113B−2とを具備する。連結部分113B−1及び113B−1のそれぞれは、第2実施形態と同様に構成される。外枠部分111Bの端部には、プラス端子114が設けられる。外枠部分114Bの端部には、マイナス端子115が設けられる。
【0053】
外枠部分111Bは、外枠部分111Bの内側面をスライドするスライド部1116と、スライド部1116に固定され、プランジャー型発電機120B−1を保持する保持部1115とを収納する。スライド部1116の外周面には、外側に向けて凸となる凸部1117が設けられる。外枠部分111Bの内側面には、凸部1117と係合する2つの凹部1111及び1112と、スライド部1116の接触・非接触を検知するためのスイッチ部1118とが設けられる。図6(a)に示す非伸張時において凸部1117は凹部1111に係合し、図6(b)に示す伸張時において凸部1117は凹部1112に係合する。また、図6(a)に示す非伸張時においてスイッチ部1118はスライド部1116の接触によりオン状態になり、図6(b)に示す非伸張時においてスイッチ部1118はスライド部1116の非接触によりオフ状態になる。
【0054】
外枠部分112Bは、外枠部分112Bの内側面をスライドするスライド部1126と、スライド部1126に固定され、整流回路140、蓄電器150、及び昇圧回路160を保持する保持部1125とを収納する。スライド部1126の外周面には、外側に向けて凸となる凸部1127が設けられる。外枠部分112Bの内側面には、凸部1127と係合する2つの凹部1121及び1122が設けられる。図6(a)に示す非伸張時において凸部1127は凹部1121に係合し、図6(b)に示す伸張時において凸部1127は凹部1122に係合する。
【0055】
外枠部分114Bは、外枠部分114Bの内側面をスライドするスライド部1146と、スライド部1146に固定され、プランジャー型発電機120B−2を保持する保持部1145とを収納する。スライド部1146の外周面には、外側に向けて凸となる凸部1147が設けられる。外枠部分114Bの内側面には、凸部1147と係合する2つの凹部1141及び1142と、スライド部1146の接触・非接触を検知するためのスイッチ部1148とが設けられる。図6(a)に示す非伸張時において凸部1147は凹部1141に係合し、図6(b)に示す伸張時において凸部1147は凹部1142に係合する。また、図6(a)に示す非伸張時においてスイッチ部1148はスライド部1146の接触によりオン状態になり、図6(b)に示す非伸張時においてスイッチ部1148はスライド部1146の非接触によりオフ状態になる。
【0056】
2つのプランジャー型発電機120B−1,120B−2のそれぞれのコイルは、図示を省略する配線によって整流回路140に電気的に接続される。スイッチ部1118及び1148の出力は、図示を省略する配線によって昇圧回路160に電気的に接続される。昇圧回路160の出力は、図示を省略する配線によってプラス端子114及びマイナス端子115に電気的に接続される。
【0057】
図6(a)に示す非伸張状態では、収納部110Bは汎用電池2本分の長さである。図6(b)に示すように、収納部110Bを伸張すると、スライド部1116、スライド部1126及びスライド部1146のそれぞれがスライドし、伸張した状態で保持される。図6(b)に示す伸張状態では、収納部110Bは汎用電池3本分の長さである。なお、伸張状態においても、連結部分113B−1及び113B−2のそれぞれは折り曲げ可能である。
【0058】
(3.2)直列型発電電池の回路構成
図7は、第3実施形態に係る直列型発電電池100Bの回路構成を説明するための回路ブロック図である。ここでは、第2実施形態との相違点を説明する。
【0059】
図7に示すように、昇圧回路160は、蓄電器150の出力側と、スイッチ部1118及び1148の出力側とに接続される。昇圧回路160は、スイッチ部1118及び1148がオン状態である場合と、スイッチ部1118及び1148がオフ状態である場合とで、昇圧量を切り替えるように構成される。
【0060】
具体的には、昇圧回路160は、スイッチ部1118及び1148がオン状態である場合に、直列接続された汎用電池2本分の出力電圧を出力するように昇圧量を設定する。一方、昇圧回路160は、スイッチ部1118及び1148がオフ状態である場合に、直列接続された汎用電池3本分の出力電圧を出力するように昇圧量を設定する。
【0061】
例えば、汎用電池1本で1.5Vであるとすると、昇圧回路160は、スイッチ部1118及び1148がオン状態である場合には、3Vの出力電圧を出力するように昇圧量を設定し、スイッチ部1118及び1148がオフ状態である場合には、4.5Vの出力電圧を出力するように昇圧量を設定する。
【0062】
(3.3)第3実施形態の効果
以上説明したように、第3実施形態では、第2実施形態で説明した効果に加えて、次の効果が得られる。具体的には、電子機器の電池使用本数(直列接続数)に合わせて直列型発電電池100Bの長さを調節することができるため、汎用性の高い直列型発電電池100Bを提供できる。
【0063】
また、直列型発電電池100Bの出力電圧を電子機器の電池使用本数(直列接続数)に合わせることができるため、汎用性の高い直列型発電電池100Bを提供できる。
【0064】
(4)その他の実施形態
上記のように、本発明は各実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなる。
【0065】
第1実施形態では、収納部110Aは、2本の汎用電池を並列に連ねた外観形状を有していたが、2本に限らず、3本以上の汎用電池を並列に連ねた外観形状を有していてもよい。また、第1実施形態では、回転体としての偏心ディスク130を例示したが、ディスク形状に限らず、様々な形状(楕円形状等)が採用可能である。例えば、ディスクの一部を欠損させたり、回転軸を中心からずらすことによって、偏心した回転体を構成してもよい。
【0066】
さらに、第1実施形態では、偏心ディスク130を用いて発電を行う構成を説明したが、プランジャー型発電機を用いて発電を行う構成としてもよい。図8は、並列型発電電池100Aの変形例を示す斜視図である。図8では、並列型発電電池100Aの内部構造としての発電機構も図示している。本変更例に係る並列型発電電池100Aは、2つのプランジャー型発電機120a及び120bを収納部110A内に収納する。プランジャー型発電機120aは、並列型発電電池100Aの長手方向に沿って配設され、プランジャー型発電機120bは、並列型発電電池100Aの短手方向に沿って配設される。このような構成により、並列型発電電池100Aの長手方向における直線運動だけでなく、並列型発電電池100Aの短手方向における直線運動によっても発電を行うことができる。
【0067】
また、第2実施形態では、収納部110Bは、2本の汎用電池を直列に連ねた外観形状を有していたが、2本に限らず、3本以上の汎用電池を直列に連ねた外観形状を有していてもよい。
【0068】
さらに、第3実施形態では、外枠部分111B及び114Bにスイッチ部1118及び1148をそれぞれ設ける構成を説明したが、スイッチ部を1つのみ設ける構成であってもよい。また、外枠部分112Bにスイッチ部を設けてもよい。さらに、第3実施形態では、収納部110Bは、汎用電池2本分の長さから汎用電池3本分の長さに変形可能に構成されていたが、例えば汎用電池1本分の長さから汎用電池3本分の長さに変形可能に構成されてもよい。
【0069】
このように本発明は、ここでは記載していない様々な実施形態等を包含するということを理解すべきである。したがって、本発明はこの開示から妥当な特許請求の範囲の発明特定事項によってのみ限定されるものである。
【符号の説明】
【0070】
100A…並列型発電電池、100B…直列型発電電池、110A,110B…収納部、111A,112A,111B,112B,114B…外枠部分、113A,113B,113B−1,113B−2…連結部分、114…プラス端子、114a,114b…プラス端子、115a,115b…マイナス端子、120A…回転型発電機、120B,120B−1,120B−2,120a,120b…プランジャー型発電機、121…ギア、122…発電機本体、123a,123b…弾性支持体、124…永久磁石、125…コイル、130…偏心ディスク、132…回転軸、133…ギア歯、135…配線、140…整流回路、150…蓄電器、160…昇圧回路、201…電池挿入口、1111,1112…凹部、1115…保持部、1116,1126,1146…スライド部、1117…凸部、1118,1148…スイッチ部、1121,1122…凹部、1125…保持部、1126…スライド部、1127…凸部、1131,1133…アーム部、1132…軸部、1134…カバー部、1141,1142…凹部、1145…保持部、1146…スライド部、1147…凸部、1148…スイッチ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機と、
前記発電機により得られる電荷を蓄積する蓄電器と、
前記蓄電器に蓄積された電荷により得られる出力電圧を出力する複数の出力端子を有し、前記発電機及び前記蓄電器を収納する収納部と
を具備し、
前記収納部は、複数本の汎用電池を連ねた外観形状を有することを特徴とする発電電池。
【請求項2】
前記収納部は、
前記複数本の汎用電池に対応して設けられた複数の外枠部分と、
前記複数の外枠部分の側面を相互に連結する連結部分と
を具備することを特徴とする請求項1に記載の発電電池。
【請求項3】
前記収納部内に収納され、偏心した回転体をさらに具備し、
前記回転体は、前記複数の外枠部分及び前記連結部分に渡って設けられ、
前記発電機は、前記回転体の回転力を受けて発電することを特徴とする請求項2に記載の発電電池。
【請求項4】
前記収納部は、
前記複数本の汎用電池に対応して設けられた複数の外枠部分と、
前記複数の外枠部分の端部を相互に連結し、折り曲げ可能に構成された連結部分と
を具備することを特徴とする請求項1に記載の発電電池。
【請求項5】
前記複数の外枠部分のそれぞれの内側に設けられ、前記発電電池の長手方向にスライド可能なスライド部を有することを特徴とする請求項4に記載の発電電池。
【請求項6】
前記蓄電器からの出力電圧を昇圧する昇圧回路をさらに具備し、
前記昇圧回路は、前記スライド部の状態に応じて昇圧量を変化させることを特徴とする請求項5に記載の発電電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−50242(P2012−50242A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−189909(P2010−189909)
【出願日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【出願人】(390040187)株式会社バッファロー (378)
【Fターム(参考)】