説明

白色コムギ品種、並びにそれらを使用する組成物及び方法

【課題】改善された白色コムギ品種及び前記改善された白色コムギ品種を含む穀物製品を提供する。
【解決手段】白い色合い、高いグルテン強度及び/又は少ない苦みという有利な形質を示すコムギ品種。同一性保持製粉穀物製品、例えば実質的に特定白色コムギ品種だけから製造される小麦粉、同一性保持穀物中間生成物、例えば実質的に特定白色コムギ品種だけから製造される製粉されるふすま粉、及び各々の製造のための方法。前記製粉された同一性保持穀物製品は、それらの使用においてより少ない糖、より少ないグルテン及び/又はより低い精製及び漂白しか必要としないため、それによる食品生産コストの低減。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、「White Wheat Varieties, and Compositions and Methods of Using the Same」についての2009年11月25日出願の米国特許仮出願第61/264,599号、「White Wheat Varieties, and Compositions and Methods of Using the Same」についての2010年10月20日出願の米国特許仮出願第61/405,071号、「Gluten Quality Wheat Varieties and Methods of Use」についての2010年10月20日出願の米国特許仮出願第61/405,124号、及び「High Gluten Strength Wheat Varieties and Methods of Use」についての2010年7月30日出願の米国特許仮出願第61/369,566号の本出願である。
【0002】
本発明は一般に農業に関し、より特定すると栽培コムギ品種及びその使用に関する。より具体的には、本発明は、白色度、高いグルテン強度及び/又は少ない苦みという有利な形質を示すコムギ品種に関する。さらなる実施形態では、本発明は、製粉穀物製品、例えば本発明のコムギ品種から製造される小麦粉及び穀物中間生成物、例えば本開示のコムギ品種から製造される製粉ふすま粉を対象とする。
【背景技術】
【0003】
コムギは、主食及び栄養物質として重要な作物であり、約10,000年にわたって栽培されてきた。2007年には、世界のコムギ生産量は6億7百万トンであり、コムギはトウモロコシ及びコメに次いで生産量第3位の穀物となっている。小麦穀物は、発酵させて膨らませる(leavened)パン、酵母を入れないパン生地で作られる(flat)パン及び蒸しパン、ビスケット、クッキー、ケーキ、朝食シリアル、パスタ、麺類、クスクス用の小麦粉を生産するため、並びにビール、アルコール、ウォッカ又はバイオ燃料を製造する発酵のために使用される主食である。コムギはまた、家畜用の飼料作物として及びわらぶきのための建築材料としても限られた範囲で植え付けられている。
【0004】
大部分の精白小麦粉は種々のコムギの混合物から製粉される。各々の種類の割合は、典型的には様々な因子、例えばその中に含まれるタンパク質の量及び割合に依存する。製粉工程の間に、コムギ穀粒の内胚乳部分は一連の破砕とふるい分け段階を通してふすま層から分離される。生じたふすまは一般に朝食シリアル又は動物飼料に回され、内胚乳画分は、より粗い内胚乳粒子から粉末を分離するために粉砕される。最後に、小麦粉は漂白剤と熟成剤で処理され、ビタミン強化されて、家庭用及び商業的エンドユーザー向けに包装される。
【0005】
米国では、コムギは、硬質又は軟質、白色又は赤色、及び冬コムギ又は春コムギのいずれであるかによって分類される。需要を満たすために、小麦製粉業者は、土壌及び気候特性に依存して種々の地域で栽培され、種々の特徴的な性質を提供する、使用可能な品種のコムギを選択しなければならない。例えば軟質赤色冬コムギは、典型的にはオハイオ州、インディアナ州及び米国南東部の地域で栽培される。一方、軟質白色コムギは一般に太平洋岸北西部及びミシガン州で栽培される。硬質赤色冬コムギは主としてカンザス州、ネブラスカ州、オクラホマ州及びテキサス州で栽培される。硬質コムギは、典型的には軟質コムギよりもパン焼きに適したより高いグルテン強度特性を有する。従って、市販のパン焼き器は一般に、主として硬質小麦品種から作られる小麦粉に適しており、従ってこれらの品種は製粉業者からの需要がある。
【0006】
現在、赤色コムギは白色コムギよりも米国でより容易に入手可能である。米国における硬質白色コムギの生産は、2006年には2百万エーカー未満であった。硬質赤色コムギは、消費者が全粒小麦粉で作られたパンに対して望まないであろう比較的強いコムギ臭を特徴とする。赤色コムギはまた、多くの消費者が不快と感じ、最終的な焼き上がり製品では高価な甘味料の存在によって相殺される、ふすま中のタンニンとフェノール化合物による独特の苦みを有する。さらに、赤色コムギは、無傷コムギカーネル(kernel)及びその外側層で赤い色を有する。硬質赤色コムギ品種から製粉された全粒小麦粉の独特の赤い色合いは、消費者が典型的に白い色合いと関連付ける全粒クロワッサン及びデニッシュロールのようなパン製品にとっては問題であり得る。さらに、硬質赤色コムギ品種から分離されたふすまは一般に動物飼料にのみ適しており、従って、朝食シリアル及びヒトによって消費される他のふすま製品において使用される白色コムギ品種に由来するふすまよりも製粉業者にとっては価値が低い。赤色コムギはまた、白色コムギでは小麦粉の色を犠牲にすることなく有意に高い抽出率が使用され得るので、白色コムギと比較すると製粉成績がより低いと考えられる。
【0007】
従来の製粉においては、穀粒は、各々が一対のブレーキロール及び付随するふるいのセットからなる破砕システムを含む、一連の粉砕工程に供される。ふるいによって除去されるより粗い画分は、その後次の破砕システムによって粉砕され、内胚乳の大きさを漸次低減して小麦粉が生産される。穀粒を移動させる伝統的なバルクシステムは、規模の経済性を促進するために設計された。それらは、穀粒の小さな処理量を1つの大きな処理量にまとめる。伝統的なシステムは、それ自体、圃場で栽培される種々の品種のコムギを混合させる。コムギ品種の混合は、しばしば農場から穀物倉庫への貯蔵において、鉄道又は荷船への貯蔵において、鉄道又は荷船から穀物倉庫へ、又は穀物倉庫から船積みへの貯蔵において起こる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
白色コムギ品種は、理論的にはより穏やかな風味とより望ましい色を備えた白色全粒コムギパンを生産するために使用されることにより、隙間市場を埋めることができるが、白色コムギは一般に軟質で、グルテン強度が低く、それに対応して、ベーキング小麦粉用に製粉業者に販売することが難しい。改善された白色コムギ品種、並びに高いグルテン強度を有し、苦みのあるタンニン及びフェノール化合物がより少ない実質的に改善された白色コムギ品種だけを含む同一性保持(identity-preserved)穀物製品を提供することが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以下の実施形態を、例示と説明を意図し、範囲の限定を意図しないシステム、ツール及び方法と合わせて述べる。様々な実施形態において、好ましい色特性(すなわち白色度);低いタンニンレベル;フェノール化合物の低レベル;及び/又は高いグルテン強度を有する白色コムギ品種が提供されるが、別の実施形態は別の改善を対象とする。一部の実施形態では、本発明の白色コムギ品種を含む「同一性保持」製粉穀物製品が提供される。さらなる実施形態では、本発明の白色コムギ品種を含む「同一性保持」穀物中間生成物が提供される。また、本発明の「同一性保持」製粉穀物製品及び「同一性保持」穀物中間生成物を製造する方法も提供される。
【0010】
もう1つの実施形態は、本発明のコムギ植物を異なるコムギ植物と交配し、生じたF1コムギ種子を収穫することを含む、F1コムギ種子を生産するための方法を含む。特定実施形態は、雄性不稔性を付与する核酸分子でコムギ植物を形質転換することを含む、雄性不稔性コムギ植物を生産する方法を含む。さらにもう1つの実施形態は、除草剤抵抗性を付与する導入遺伝子でコムギ植物を形質転換することを含む、除草剤抵抗性コムギ植物を生産する方法を含む。本発明の実施形態は、前記方法によって生産される除草剤抵抗性コムギ植物を含む。特定実施形態は、害虫抵抗性を付与する導入遺伝子でコムギ植物を形質転換することを含む、害虫抵抗性コムギ植物を生産する方法を含む。本発明は、前記方法によって生産される害虫抵抗性コムギ植物を含む。
【発明を実施するための形態】
【0011】
I.用語
本発明の様々な実施形態の検討を容易にするため、特定用語の説明を以下に示す:
【0012】
グリスト(grist、グリスト):本明細書で使用される場合、「グリスト」という用語は、粉砕のための準備においてそのもみ殻から分離された穀粒を指す。グリストはまた、グリスト見るで粉砕された穀粒も意味し得る。グリストは、どの程度粗く粉砕されるかに依存して、粗びき粉又は粉末に粉砕され得る。
【0013】
白色コムギ:本明細書で使用される場合、「白色コムギ」という用語は、赤色コムギからの識別を可能にし、穀物分類基準に適合する十分に白いコムギ栽培品種を指す。白色度は主観的に又は客観的に測定され得る。硬質白色コムギについての主観的最小穀物色基準は1990年にUSDA−GIPSA(米国農務省穀物検査局)の連邦穀物検査サービス(Federal Grain Inspection Service)によって制定され、その際に白色コムギは米国における独自の市場クラスとして公式に認識された。色基準は、カリフォルニア州において生産された硬質白色コムギ品種「Klasic」についての穀物試料に基づいた。しかし、1994年に「Klasic」の数多くの試料が公式に認められている基準よりも黒い(darker)穀粒を有することが認められ、この色基準は撤回された。1994年から1999年までは、品種の同一性と生産起源に基づく暫定的な分類手順が使用された。所与のコムギの「白色度」の度合いは、可視近赤外波長範囲(570〜1098nm)を使用して、近赤外分光法(NIRS)を用いて実験的に決定され得る。この波長範囲は、穀物受取り地点と船積み地点でタンパク質検査NIRS装置によって使用されるものと同じである。生じる「Minolta L値」は白色度の測定を提供する;Minolta L値が高いほど白色度の度合いが大きい。Klasic基準の白色コムギは41.35のL値を有することが認められた。Peterson et al. (2001) Euphytica 119:101-6。
【0014】
同一性保持:本明細書で使用される場合、「同一性保持」という用語は、その穀物の同一性又はそれから穀物製品が生産された穀物の同一性が圃場から消費者のもとまで保持されている穀物又は穀物製品を指す。穀物の同一性保持は、生産、貯蔵及び輸送のすべての段階の間に穀物が内在性特徴(例えば品種又は生産工程)に基づいて分別される生産及び供給送達のシステムを含む。同一性保持穀物又は穀物製品の開発は、穀物又は穀物製品が、単にその分類によってではなく、その特異的属性を参照することによって市販されることを可能にする。従って、同一性保持穀物又は穀物製品は、中でも特に、有機栽培、遺伝子修飾、白色度、高グルテン強度、低糖分及び/又は未精製穀物若しくは穀物製品に対する具体的な消費者の要求に応じて隙間市場を満たすことができる。
【0015】
穀物製品:本明細書で使用される場合、「穀物製品」という用語は、1又はそれ以上の穀物の1又はそれ以上の成分を含有する組成物を指す。穀物成分は、全粒穀物の任意の成分、例えば全粒穀物カーネル、胚芽、ふすま、内胚乳及びそれらの任意の組み合わせを含む。全粒穀物は、典型的には穀物の胚芽、ふすま及び内胚乳を指し、粉砕されていてもよく又は粉砕されていなくてもよい。精製穀物は、典型的にはふすま及び胚芽の大部分又は胚芽全体が除去され、主として内胚乳が残された又は内胚乳だけが残された穀物製品を指す。穀物製品は、例えば小麦粉に粉砕される、様々な大きさに切断される、又は全体のままで使用される、穀物の1又はそれ以上の成分の任意の組み合わせであり得る。
【0016】
製粉穀物製品:製粉は、コムギ穀粒を破砕して開き、できるだけ多くの内胚乳をふすま及び胚芽から分離して、内胚乳を小麦粉へと粉砕する機械的方法である。この工程は、コムギの主要成分を互いから実質的に分離する。本明細書で使用される場合、「製粉穀物製品」という用語は、製粉工程によってコムギの他の主要成分から分離された内胚乳を含有する組成物を指す。ふすま及び胚芽が内胚乳から分離されたときに精製小麦粉が生産される。
【0017】
穀物中間生成物:本明細書で使用される場合、「穀物中間生成物」という用語は、製粉工程によって内胚乳から分離された、内胚乳以外のコムギ成分を含有する組成物を指す。ふすま及び胚芽は穀物中間生成物の非限定的な例である。
【0018】
II.所望特性を有する白色コムギ品種
白色コムギは米国で市販されている小麦の最も新しいクラスである。硬質白色コムギは1990年に米国の市場クラスとして追加された。白色コムギは、赤色コムギと同じ健全なレベルのコムギ穀物繊維を含むが、赤色コムギほど強い臭い又は暗色を有さない。白色コムギは実際には金色であり得る。その硬質赤色コムギ対応物よりも甘みがあって色が明るい。赤色コムギと白色コムギの相違は種皮の色である。硬質コムギと軟質コムギの相違は、主としてそれらが使用される最終製品において認められる。軟質白色コムギは硬質白色コムギよりも低いタンパク質レベルを有する。従って、軟質白色コムギは主にパン以外のベーカリー製品のために使用される。例としては、ペストリー、ケーキ及びクッキーが含まれる。軟質コムギはまた、シリアル、酵母を入れないパン生地で作られるパン及びクラッカーにも使用される。
【0019】
硬質白色コムギは硬質赤色コムギと同じ製品のために使用できる。硬質白色コムギは、例えば全粒コムギ及び高抽出小麦粉(high-extraction flour)適用において使用される。硬質白色コムギはパン製造産業での使用に好適であるため、パン職人に好まれる。天然のより甘い香りを有するので、パン職人は使用する甘味料を少なくすることができる。国際的に消費者は少なくとも2つの理由から硬質白色コムギを好む:1)その明るい白色を維持しつつ白色コムギ粉末のより高い抽出が可能である;及び2)大部分の白色コムギはアジアのゆで麺においてより良好な色安定性を与える。硬質白色コムギは、すべての酵母パン、アルチザンブレッド、アジアの麺、トルティーヤ、ピザ生地、スティックパン、酵母を入れないパン生地で作られるパン、速成パン等のための優れた成分である。
【0020】
どちらの白色コムギクラスも良質の100%全粒コムギ製品を生産する。白色コムギから作られる全粒コムギ製品は、色素沈着が少ないため、赤色コムギから作られる同様の製品に比べて好ましい外観を有する。加えて、ふすま中のフェノール化合物とタンニンが少ないため、白色コムギは最終製品に与える苦みがより少ない。白色コムギで作られた全粒コムギパンは、精製赤色コムギ粉で作られたパンと同様の味と外観を有する。従って、赤色コムギの代わりに白色コムギを使用すると、最終製品の特徴についての消費者の期待をまだ満たしつつ、小麦粉の精製と漂白を低減する又は排除することが可能となる。
【0021】
本発明の一部の実施形態では、先行技術の白色コムギ品種に比べて優れた特性を有する白色コムギ品種が提供される。これらの実施形態の白色コムギ品種は、商業的パン類製造販売業者及び家庭でパンを焼く人並びにコムギ製品のユーザーによって好まれると考えられる。一部の実施形態では、提供される白色コムギ品種は、白色コムギのこれまでの使用可能品種に比べて以下の改善の一部又は全部を示す:より高い度合いの白色度;より高いグルテン強度;より低いレベルのフェノール化合物;より低いレベルのタンニン;提供される白色コムギ品種から作られる小麦粉に添加される糖のより低い必要性;及び提供される白色コムギ品種から作られる小麦粉の漂白又は精製のより低い必要性。
【0022】
本発明の白色コムギ品種から生産される穀物製品は、1又はそれ以上の有利な特性を示し得る。一部の実施形態では、高いグルテン強度を有する白色コムギ品種から生産される穀物製品は、パン生地を製造する前に添加されるグルテンの量がより少なくて済む。その結果として、付加的なグルテンを購入する費用が節約されるため、これらの実施形態の穀物製品を使用するコストが低減される。一部の実施形態では、より少ないフェノール化合物を含有する白色コムギ品種から生産される穀物製品は苦みが少なく、従って使用前に添加される甘味料がより少なくて済む。付加的な甘味料を購入する費用が節約されるため、これらの実施形態の穀物製品を使用するコストが低減される。一部の実施形態では、より少ないタンニンを含有する白色コムギ品種から生産される穀物製品は苦みが少なく、従って使用前に添加される甘味料がより少なくて済む。付加的な甘味料を購入する費用が節約されるため、これらの実施形態の穀物製品を使用するコストが低減される。
【0023】
本明細書で提供される白色コムギ品種の生産を最適化する管理実務は、硬質赤色コムギについて使用されるものと同様である。エンドユーザーは白色コムギから作られる製品に対して様々なタンパク質含量を要求するが、ほとんどの場合、高タンパク質白色コムギが好まれる。従って、窒素管理及び品種選択は、高い穀物タンパク質を有する作物を生産することに焦点を合わせるべきである。病害の発生しやすい地域及び病害圧力の高い季節には茎葉病害及び/又は赤カビ病に対する殺菌剤の施用が必要とされ得る。
【0024】
白色コムギ品種は、一般に赤色コムギ対応物よりも収穫前萌芽しやすい。穀物が成熟した後の降雨、多湿及び低温は穂の萌芽を誘導し得る。硬質白色コムギは、収穫前萌芽を低減するために適切な時期に収穫すべきである。硬質赤色春コムギ品種より前に白色コムギを収穫することは、収穫前萌芽を誘導し得る条件への不必要な暴露の可能性を低減する1つの方法である。
【0025】
III.同一性保持穀物製品
本発明の実施形態によれば、同一性保持製粉穀物製品が提供される。1つのそのような実施形態では、貯蔵、輸送及び生産のすべての段階において、例えば製粉の間、白色コムギ穀物が赤色コムギ及び白色コムギの他の品種から隔離された製粉穀物製品が生産される。
【0026】
製粉業者は、典型的には所望穀物最終製品を実現するために種々のコムギを混合する。一部の実施形態では、本発明の白色コムギ品種は製粉の間他の品種から隔離される。従って、検査及び貯蔵、洗浄並びに調質(conditioning)の製粉工程の各々において、本発明の白色コムギ品種は、さもなければ工程を汚染する他のコムギ品種から分離した状態に保たれる。
【0027】
検査及び貯蔵
【0028】
コムギは、典型的にはトラック、船舶、荷船又は鉄道車両によって製粉所に到着する。コムギが荷降ろしされる前に、検査に合格していることを確認するためにサンプルが採取される。害虫感染の標徴を検出するためにX線が使用され得る。その一方で、製品管理化学者は、最終用途品質を測定するために少量を粉砕し、焼くことによって穀物を分類するための試験を開始し得る。これらの試験からの結果が、コムギがどのように取り扱われ、貯蔵されるかを決定する。コムギは、その後製粉所において大型蓋つき容器(large bins)中で貯蔵される。コムギを貯蔵することは、当業者によって実施される厳正科学である。正しい湿度、熱及び空気が維持されなければならず、さもなければコムギはうどん粉病にかかるか、発芽又は発酵し得る。
【0029】
コムギの洗浄
【0030】
最初の製粉工程は、コムギを洗浄することを含む;装置がコムギを種子及び他の穀物から分離し、異物、例えば金属、小枝、石及びわらなどを除去して、コムギの各々の穀粒をこすって磨く。洗浄は、例えば6工程も要し得る:(1)磁気分離機−コムギは最初に鉄及び鋼粒子を除去する磁石の近くを通過する;(2)セパレータ−振動ふるいが、木切れ及びわら並びにコムギであるには大きすぎる又は小さすぎるほとんどあらゆるものを除去する;(3)吸引器−気流が、粉塵及びより軽い不純物を除去するための一種の掃除機として働く;(4)デストーナー(de-stoner)−比重を利用して、機械が軽い物質から重い物質を分離して、穀粒と同じサイズであり得る石を除去する;(5)ディスクセパレータ−コムギは、さらに一層厳密に穀粒の大きさを同定し、より長い、短い、丸い、角がある、又は予想される穀粒と多少なりとも異なる形状のものをはねて除去するセパレータを通過する;そして(6)精練機−強いこすり取り作用で外殻、しわ汚れ(crease dirt)、及び何らかのより小さな不純物を除去し、気流が実質的にすべての物質を取り除く。
【0031】
コムギの調質
【0032】
コムギは、「テンパリング(tempering)(加水調整)」と呼ばれる工程を介して製粉のために調質される。ふすまを強化し、内側の内胚乳を柔らかくするために正確な量で水分が添加される。これによって穀粒の部分がより容易に手際よく分離される。テンパリングされたコムギは、コムギの種類(軟質、中間又は硬質)に応じて大型蓋つき容器中で8〜24時間保存される。コムギの混合は、典型的には、特定最終用途のために最良の小麦粉を実現するためにこの時点で実施される。
【0033】
インパクト精練機/エントレータ(entoleter)(衝撃式粉砕機)において、次に、遠心力が不健全な穀粒を破砕し、それらを製粉工程からはねる。エントレータから、コムギは、コムギを計量する又は実際の製粉工程へと供給する粉砕容器−大型ホッパーへと流れて行く。
【0034】
エントレータを通過した後、コムギカーネル又はベリー(粒、berries)は製粉所に到着したときよりも良好な状態となり、小麦粉へと製粉される準備が整う。コムギ穀粒は、計量されるか又は大型蓋つき容器から「ロール」又はチルド鋳鉄でできた波形ローラーへと供給される。ロールは対になっており、異なる速度で動きながら、互いに対して内向きに回転する。波形の「第一破砕」ロールを1回通過するだけでふすま、内胚乳及び胚芽の分離が開始される。この近代的な粉砕工程は、コムギ穀粒の段階的縮小である。ゴールはミドリング粉又は内胚乳の粗い粒子を生産することである。ミドリング粉は、次に、ふるい及び精製装置によって等級分けされ、ふすまから分離される。各々の大きさが対応するローラーへと戻ってきて、所望の小麦粉が得られるまで同じ工程が反復される。
【0035】
製粉業者の技術は、すべてのロールを、最大量の高品質小麦粉を生産する適切な設定に調整する能力によって示される。あまりに強く又は細かく粉砕すると小麦粉中にふすま粉末を生じさせる。穀粒をあまりに開きすぎる粉砕は、製粉機の供給システムにおいて良好な内胚乳を失わせることになる。製粉業者は、破砕ロール上で正確な製粉表面又は波形を選択し、並びにコムギの種類とその状態に適合するようにローラーの相互の関係と速度を選択しなければならない。各々の破砕ロールは、できるだけ純粋な内胚乳をミドリングロールに届けるように設定されねばならない。ミドリングロールはできるだけ多くの粉末を生産するように設定される。
【0036】
ロールから、グリストが上方へと送られ、シフターを通って落下する。グリストは、粒子と空気を混合する空気圧系統を介して移動し、従ってそれらはチューブを通って流れる。これは、グリストをバケツで移動させる初期の方法に比べて衛生と安全性の観点から優れた方法である。
【0037】
破砕されたコムギの粒子は回転シフターへと導入され、そこで、小さな粒子から大きな粒子を分離するために一連の篩絹又はふるいを通して振り落とされる。シフターの内部には、例えば27ものフレームが存在してもよく、各々が、より小さな粒子をより遠くへ下降させる開口部を備えた、ナイロン又はステンレススチールのふるいで覆われている。例えば約6までの異なる大きさの粒子が、各々のシフティングで多少の粉末を含んで、単一シフターからもたらされ得る。より大きな粒子は上部から振り落とされ又は「はぎ取られ(scalped)」、微細な粉末を底部へと移動させる。はぎ取られた画分は他のロール通過へと送られ、内胚乳の粒子は大きさによって等級分けされて、別々の精製装置へと運ばれる。
【0038】
精製装置では、制御された気流がふすま粒子を離昇させ、同時に篩絹が大きさと品質によってより粗い画分を分離し、等級分けする。
【0039】
約4又は5の付加的な破砕ロールは、各々が逐次的により微細な波形を有し、その後にはシフターが続き、通常、シフターからの粗いストックを再加工し、コムギ粒子を、できるだけふすまを含まない顆粒状のミドリング粉へと粉末化するために使用される。胚芽粒子は、後程スムース圧延ロールを通すことによって平坦化され、容易に分離することができる。圧延ロールは、精製された、顆粒状ミドリング粉又はファリナ(farina、穀粉)を小麦粉へと粉末化する。例えば約75%のコムギからなる、最大量の小麦粉が分離されるまで、シフターから精製装置、精製装置から圧延ロールへの工程が反復される。
【0040】
製粉工程で生産される様々な等級の小麦粉が存在する。パン類製造販売業者は、生産する製品に基づいて多種多様な小麦粉の種類を購入する。「家庭用小麦粉(family flour)」と呼ばれる、消費者が食料品店で購入する小麦粉は、通常はロングパテントの汎用(薄力粉と強力粉を半分ずつ混ぜてある)小麦粉又はパン用小麦粉(強力粉)である。時にはショートパテント小麦粉が小売店で入手可能である。「再構成すること」又はコムギのすべての部分を適切な割合で混合し直すことにより、全粒小麦粉を生じる。この工程は、コムギ穀粒全体を粉砕することによって達成されるよりも高品質の全粒粉を生産する。再構成は小麦胚芽油が小麦粉全体に広がらないことを確実にするので、小麦粉が容易に腐敗しない。
【0041】
コムギカーネル又はベリーの残りのパーセントは、ミルフィードショーツ(millfeed- shorts)、ふすま及び胚芽として分類される。これらは穀物中間生成物の例である。一部の実施形態では、本発明の改善された白色コムギ品種は、製粉の間及び製粉前のコムギのすべての取り扱いの間、他のコムギ品種と分別して保持される。これらの実施形態では、本発明の同一性保持コムギの製粉から得られる穀物中間生成物は、他の品種のコムギを製粉することによって生産されるいかなる穀物中間生成物からも分別して保持され、それによって同一保持された穀物中間生成物を生じる。
【0042】
製粉工程のラインの最後近くに、小麦粉が「漂白」される場合、最終的な小麦粉は、測定された量の漂白剤−熟成剤を放出する装置を通って流れる。漂白工程において、小麦粉は、小麦粉の色を明るくするために塩素ガス又は過酸化ベンゾイルに暴露される。本発明の一部の実施形態では、改善された品種の白色コムギから生産される小麦粉は天然の白色を有するため、漂白を必要としない。消費者は、標準的な漂白小麦粉と同じ満足できる色特性を有する無漂白小麦粉を好むと考えられるので、これは望ましい結果である。
【0043】
小麦粉の流れは、次に、一定量の強化を量り分ける装置を通過する。4つのBビタミン類(チアミン、ナイアシン、リボフラビン)及び鉄による小麦粉の強化は1930年代に始まった。1998年には、葉酸塩又は葉酸がビタミンBの混合物に添加された。小麦粉がふくらし粉入りである場合は、膨張剤、塩及びカルシウムも一定量で添加される。
【0044】
小麦粉が製粉所を出る前に、一般に、小麦粉が購入者の規格に適合することを保証するためにさらなる実験室試験が実施される。最後に、ミルストリーム(millstream)は、典型的には空気圧系統のチューブを通って梱包室又はバルク貯蔵のためのホッパーへと流れる。小売り向けの家庭用小麦粉は、例えば約5〜約25ポンド袋に包装され得る。ベーカリー用小麦粉は、例えば約50〜約100ポンド袋に包装され得るか、又は直接ばら積みトラック若しくは鉄道車両に送られ得る。
【0045】
同様に、本発明により、農学的有用遺伝子が本発明の植物において発現され得る。より特定すると、植物は、農学的に興味のある様々な表現型を発現するように遺伝子操作され得る。これに関与する例示的な遺伝子は、以下に分類されるものを含むが、これらに限定されない:
【0046】
1.害虫又は病害に対する抵抗性を付与し、以下をコードする遺伝子:
A.植物病害抵抗性遺伝子。植物防御はしばしば、植物中の病害抵抗性(R)遺伝子の産物と病原体中の対応する非病原性遺伝子(Avr)遺伝子の産物の間での特異的相互作用によって活性化される。植物品種は、特定病原菌に対して抵抗性である植物を作製するためにクローン化された抵抗性遺伝子で形質転換することができる。例えば、Jones et al., Science 266:789 (1994)参照(葉かび病菌(クラドスポリウム・フルブム(Cladosporium fulvum))に対する抵抗性のためのトマトCf−9遺伝子のクローニング);Martin et al., Science 262:1432 (1993)(トマト斑葉細菌病菌(シュードモナス・シリンゲpv.トマト(Pseudomonas syringae pv. tomato))に対する抵抗性のためのトマトPto遺伝子はプロテインキナーゼをコードする);Mindrinos et al., Cell 78:1089 (1994)(シュードモナス・シリンゲに対する抵抗性のためのシロイヌナズナRSP2遺伝子)参照。
【0047】
B.害虫、例えばダイズシストセンチュウ(soybean cyst nematode)に対する抵抗性を付与する遺伝子。例えばPCT出願国際公開第96/30517号;PCT出願国際公開第93/19181号参照。
【0048】
C.バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)タンパク質、その誘導体又はそれをモデルとした合成ポリペプチド。例えば、Bt δ−内毒素遺伝子のクローニング及びヌクレオチド配列を開示する、Geiser et al., Gene 48:109 (1986)参照。さらに、δ−内毒素遺伝子をコードするDNA分子は、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection, Manassas, Va.)より、例えばATCCアクセッション番号40098、67136、31995及び31998の下で購入できる。
【0049】
D.レクチン。例えば、数種のウケザキクンシラン(クリビア・ミニアータ(Clivia miniata))マンノース結合レクチン遺伝子のヌクレオチド配列を開示する、Damme et al., Plant Molec. Biol. 24:25 (1994)による開示参照。
【0050】
E.ビタミン結合タンパク質、例えばアビジン。PCT特許出願米国特許第93/06487号参照。この出願は、害虫に対する殺幼虫剤としてのアビジン及びアビジンホモログの使用を教示する。
【0051】
F.酵素阻害剤、例えばプロテアーゼ若しくはプロテイナーゼ阻害剤又はアミラーゼ阻害剤。例えば、Abe et al., J. Biol. Chem. 262:16793 (1987)(イネシステインプロテイナーゼ阻害剤のヌクレオチド配列);Huub et al., Plant Molec. Biol. 21:985 (1993) (タバコプロテイナーゼ阻害剤IをコードするcDNAのヌクレオチド配列);Sumitani et al., Biosci. Biotech. Biochem. 57:1243 (1993) (ストレプトミセス・ニトロスポレウス(Streptomyces nitrosporeus)α−アミラーゼ阻害剤のヌクレオチド配列);及び米国特許第5,494,813号 (Hepher and Atkinson, issued February 27, 1996)参照。
【0052】
G.昆虫特異的ホルモン又はフェロモン、例えばエクジステロイド又は幼若ホルモン、その変異体、それに基づくミメティック、又はそのアンタゴニスト若しくはアゴニスト。例えば、幼若ホルモンの不活性化因子である、クローン化幼若ホルモンエステラーゼのバキュロウイルス発現についての、Hammock et al., Nature 344:458 (1990)による開示参照。
【0053】
H.発現時に、作用を受けた害虫の生理機能を乱す、昆虫特異的ペプチド又は神経ペプチド。例えば、Regan, J. Biol. Chem. 269:9 (1994)(発現クローニングは昆虫利尿ホルモン受容体をコードするDNAを生じる);及び Pratt et al., Biochem. Biophys. Res. Comm. 163:1243 (1989) (アロスタチンが胎生ゴキブリ(ジプロプテラ・プンタータ(Diploptera puntata))において同定されている)の開示参照。また、昆虫特異的麻痺性神経毒をコードする遺伝子を開示する、Tomalski et al.への米国特許第5,266,317号も参照のこと。
【0054】
I.ヘビ、カリバチ等によって天然に生成される昆虫特異的毒。例えば、サソリ昆虫中毒性ペプチドをコードする遺伝子の植物における異種発現の開示についての、Pang et al., Gene 116:165 (1992)参照。
【0055】
J.モノテルペン、セスキテルペン、ステロイド、ヒドロキサム酸、フェニルプロパノイド誘導体又は殺虫活性を有する別の非タンパク質分子の過剰蓄積に関与する酵素。
【0056】
K.生物活性分子の、翻訳後修飾を含む、修飾に関与する酵素;例えば、天然又は合成にかかわらず、糖分解酵素、タンパク質分解酵素、脂肪分解酵素、ヌクレアーゼ、シクラーゼ、トランスアミナーゼ、エステラーゼ、ヒドロラーゼ、ホスファターゼ、キナーゼ、ホスホリラーゼ、ポリメラーゼ、エラスターゼ、キチナーゼ及びグルカナーゼ。カラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列を開示する、Scott et al.の名前でのPCT出願国際公開第93/02197号参照。キチナーゼをコードする配列を含むDNA分子は、例えばアクセッション番号39637及び67152の下でATCCから入手することができる。タバコ鉤虫(tobacco hornworm)キチナーゼをコードするcDNAのヌクレオチド配列を教示する、Kramer et al., Insect Biochem. Molec. Biol. 23:691 (1993);及びパセリユビ4−2ポリユビキチン遺伝子のヌクレオチド配列を提供する、Kawalleck et al., Plant Molec. Biol. 21:673 (1993) も参照のこと。
【0057】
L.シグナル伝達を刺激する分子。例えば、リョクトウカルモジュリンcDNAクローンについてのヌクレオチド配列の、Botella et al., Plant Molec. Biol. 24:757 (1994)による開示;及びトウモロコシカルモジュリンcDNAクローンのヌクレオチド配列を提供する、Griess et al., Plant Physiol. 104:1467 (1994)による開示参照。
【0058】
M.疎水性モーメントペプチド。PCT出願国際公開第95/16776号(真菌植物病原体を阻害するタキプレシンのペプチド誘導体の開示)及びPCT出願国際公開第95/18855号(病害抵抗性を付与する合成抗菌ペプチドを教示する)参照。
【0059】
N.膜パーミアーゼ、チャネル形成剤又はチャネル遮断剤。例えば、トランスジェニックタバコ植物をシュードモナス・ソラナセアルム(Pseudomonas solanacearum)に対して抵抗性にするセクロピン−β溶解ペプチド類似体の異種発現についての、Jaynes et al., Plant Sci. 89:43 (1993)の開示参照。
【0060】
O.ウイルス侵襲性タンパク質又はそれに由来する複合体毒素。例えば、形質転換植物細胞中のウイルスコートタンパク質の蓄積は、そのコートタンパク質遺伝子が由来するウイルス並びに関連ウイルスによってもたらされるウイルス感染及び/又は病害発生に対する抵抗性を与える。Beachy et al., Ann. rev. Phytopathol. 28:451 (1990)参照。アルファルファモザイクウイルス、キュウリモザイクウイルス、タバコ条斑病ウイルス、ジャガイモXウイルス、ジャガイモYウイルス、タバコエッチウイルス、タバコ茎壊疽ウイルス及びタバコモザイクウイルスに対するコートタンパク質媒介性抵抗性が形質転換植物に付与された。同上。
【0061】
P.昆虫特異的抗体又はそれに由来する免疫毒素。従って、昆虫の腸における重要な代謝機能を標的とする抗体は、作用を受けた酵素を不活性化して、昆虫を死滅させる。Taylor et al., Abstract #497, Seventh Int’l Symposium on Molecular Plant-Microbe Interactions (Edinburgh, Scotland) (1994)(一本鎖抗体フラグメントの産生を介したトランスジェニックタバコにおける酵素的不活性化)。
【0062】
Q.ウイルス特異的抗体。例えば、組換え抗体遺伝子を発現するトランスジェニック植物がウイルスの攻撃から防御されることを示す、Tavladoraki et al., Nature 366:469 (1993)参照。
【0063】
R.病原体又は寄生生物によって天然に生成される成長停止タンパク質。従って、真菌エンドα−1,4−D−ポリガラクツロナーゼは、植物細胞壁のホモ−α−1,4−D−ガラクツロナーゼを可溶化することによって真菌の定着及び植物栄養素の放出を促進する。Lamb et al., Bio/Technology 10:1436 (1992)参照。マメエンドポリガラクツロナーゼ阻害性タンパク質をコードする遺伝子のクローニング及び特徴付けがToubart et al., Plant J. 2:367 (1992)に記載されている。
【0064】
S.植物によって天然に生成される成長停止タンパク質。例えば、Logemann et al., Bio/Technology 10:305 (1992)は、オオムギリボソーム不活性化遺伝子を発現するトランスジェニック植物が菌類病に対する高い抵抗性を有することを示した。
【0065】
2.除草剤抵抗性を付与する遺伝子:
A.成長点又は分裂組織を阻害する除草剤、例えばイミダゾリノン又はスルホニル尿素。この分類の例示的遺伝子は、例えば、それぞれLee et al., EMBO J. 7:1241 (1988);及び Miki et al., Theor. Appl. Genet. 80:449 (1990)に記載されている突然変異型ALS及びAHAS酵素をコードする。
【0066】
B.グリホセート(例えば、それぞれ突然変異型5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼ(EPSP)遺伝子(組換え核酸の導入及び/又は天然EPSP遺伝子の様々な形態のインビボでの突然変異誘発によって)、aroA遺伝子及びグリホセートアセチルトランスフェラーゼ(GAT)遺伝子によって付与される抵抗性)、他のホスホノ化合物、例えばグルホシネート(ストレプトミセス・ヒグロスコピクス(Streptomyces hygroscopicus)及びストレプトミセス・ビリジクロモゲネス(Streptomyces viridichromogenes)を含むストレプトミセス属種からのホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ(PAT)遺伝子、並びにピリジンオキシプロピオン酸又はフェノキシプロピオン酸及びシクロヘキソン(ACCアーゼ阻害剤をコードする遺伝子)。例えば、グリホセート抵抗性を植物に付与することができるEPSPの形態のヌクレオチド配列を開示する、Shah, et al. への米国特許第4,940,835号及びBarry et al.への米国特許第6,248,876号参照。突然変異型aroA遺伝子をコードするDNA分子は、ATCCアクセッション番号39256の下で入手することができ、その突然型変異遺伝子のヌクレオチド配列は、Comaiへの米国特許第4,769,061号に開示されている。Kumada et al.への欧州特許出願第0 333 033号及びGoodman et al.への米国特許第4,975,374号 は、除草剤、例えばL−ホスフィノトリシンに対する抵抗性を付与するグルタミンシンターゼ遺伝子のヌクレオチド配列を開示する。PAT遺伝子のヌクレオチド配列は、Leemans et al.への欧州特許出願第0 242 246号において提供され、DeGreef et al., Bio/Technology 7:61 (1989)は、PAT活性をコードするキメラbar遺伝子を発現するトランスジェニック植物の生産を記載する。フェノキシプロピオン酸及びシクロヘキソン、例えばセトキシジム及びハロキシホップなどに対する抵抗性を付与する遺伝子の例は、Marshall et al., Theor. Appl. Genet. 83:435 (1992) によって記載されたAcc1−S1、Acc1−S2及びAcc1−S3遺伝子である。グリホセート抵抗性を付与することができるGAT遺伝子は、Castle et al.への国際公開第2005012515号に記載されている。2,4−D、ホップ及びピリジルオキシオーキシン除草剤に対する抵抗性を付与する遺伝子は、どちらもダウ アグロサイエンシィズ エルエルシーへの、国際公開第2005107437号及び米国特許出願第11/587,893号に記載されている。
【0067】
C.光合成を阻害する除草剤、例えばトリアジン(psbA及びgs+遺伝子)又はベンゾニトリル(ニトリラーゼ遺伝子)。Przibila et al., Plant Cell 3:169 (1991) は、突然変異型psbA遺伝子をコードするプラスミドによるクラミドモナス(Chlamydomonas)の形質転換を記載する。ニトリラーゼ遺伝子についてのヌクレオチド配列は、Stalkerへの米国特許第4,810,648号に開示されており、これらの遺伝子を含むDNA分子は、ATCCアクセッション番号53435、67441及び67442の下で入手可能である。グルタチオンS−トランスフェラーゼをコードするDNAのクローニング及び発現は、Hayes et al., Biochem. J. 285:173 (1992) によって記述されている。
【0068】
3.例えば以下のような付加価値形質を付与する又は付加価値形質に寄与する遺伝子:
A.例えば、ステアリル−ACPデサチュラーゼのアンチセンス遺伝子で植物を形質転換して植物のステアリン酸含量を増加させることによる、改変された脂肪酸代謝。Knultzon et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 89:2624 (1992) 参照。
【0069】
B.低いフィチン酸塩含量−1)フィターゼをコードする遺伝子の導入はフィチン酸塩の分解を増強し、より多くの遊離リン酸塩を形質転換植物に付加する。例えば、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger)のフィターゼ遺伝子のヌクレオチド配列の開示については、Van Hartingsveldt et al., Gene 127:87 (1993)参照。2)フィチン酸塩含量を低減する遺伝子を導入し得る。例えばトウモロコシでは、これは、低いフィチン酸レベルによって特徴づけられるトウモロコシ突然変異株に関与する単一対立遺伝子に関連するDNAをクローニングし、次に再導入することによって達成され得る。Raboy et al., Maydica 35:383 (1990)参照。
【0070】
C.例えば、デンプンの分枝パターンを変化させる酵素をコードする遺伝子で植物を形質転換することによってもたらされる、改変された炭水化物組成。Shiroza et al., J. Bacteol. 170:810 (1988)(連鎖球菌属突然変異株のフルクトシルトランスフェラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列);Steinmetz et al., Mol. Gen. Genet. 20:220 (1985)(枯草菌(バチルス・サブチリス(Bacillus subtilis))のレバンスクラーゼ遺伝子のヌクレオチド配列);Pen et al., Bio/Technology 10:292 (1992) (バチルス・リケニフォルミス(Bacillus lichenifonnis)のα−アミラーゼを発現するトランスジェニック植物の生産);Elliot et al., Plant Molec. Biol. 21:515 (1993) (トマトインベルターゼ遺伝子のヌクレオチド配列);Sogaard et al., J. Biol. Chem. 268:22480 (1993)(オオムギα−アミラーゼ遺伝子の部位指定突然変異誘発);及びFisher et al., Plant Physiol. 102:1045 (1993)(トウモロコシ内胚乳デンプン分枝酵素II)参照。
【0071】
D.窒素利用効率、変化した窒素応答性、耐乾燥性、耐寒性及び耐塩性などの形質によって付与される、非生物的原因のストレスに対する耐性を含む、非生物的ストレス耐性。非生物的ストレス耐性(開花、穂及び種子発育、窒素利用効率の増強、変化した窒素応答性、耐乾燥性又は乾燥耐性、耐寒性又は寒冷耐性、及び耐塩性又は塩類耐性を含むが、これらに限定されない)並びにストレス下での高い収率に影響を及ぼす遺伝子。
【0072】
本明細書で提示する実施例は説明のためにのみ提供されるものであり、本発明の実施形態の範囲を限定するためではない。
【実施例】
【0073】
[実施例1]
スーパーホワイトコムギ
9種の異なる白色コムギ品種(AUBR30450W;AUBR31101W;AUBR31009W;AUBR31117W;AUBR31059W;AUBR31109W;AUBR31085W;AUIMIW30494;及びAUBR30023W)の試料を色特性、粒状度及びグルテン強度に関して検査した。すべての試料を対照品種、Ultragrain−Conagra及びKansas Diamond−ADMと比較した。
【0074】
AUBR30450W、AUBR31101W、AUBR31009W、AUBR31117W、AUBR31059W、AUBR31109W、AUBR31085W、AUIMIW30494、およびAUBR30023Wの粉砕試料は、ふすまの大きな粒子を示した。さらに、試料のうちの5つ(AUBR31117W;AUBR31109W;AUBR31085W;AUBR31059W;及びAUBR30023W)は、Minolta L及び白色度に関する主観的検査の両方で上位を占めた。
【0075】
9種の粉砕試料コムギ品種からパン生地を形成し、試験パンを作製した。「検査(Check)」スポンジ(sponges)(酵母を入れて膨らませたパン生地)を以下の成分と混合した:全粒小麦粉(70.0);酵母、圧搾(2.5);グルテン(8);SSL(0.5);イーストフード(0.5);及び水(52.0)。次にスポンジを、高い相対湿度の蓋付き容器において84°で2時間半発酵させた。以下の副成分を添加することによってパン生地を形成した:全粒小麦粉(30.0);酵母(1.0);ショートニング(3.0);塩(2.0);HFCS(9.0);EMG(0.5);アスコルビン酸(60ppm);プロピオン酸カルシウム(0.25);水(可変量)。
【0076】
値に関しては暗(0)から明(100)まで、a値に関しては赤(+値)から緑(−値)まで、及びb値に関しては黄(+値)から青(−値)までを測定するMinolta比色計を用いて色を評価した。過去の経験から、L値の1単位の差はヒトの肉眼で認められる。
【0077】
パン生地の色試験の結果を表1及び2に示す。
【0078】
【表1】

【0079】
【表2】


[実施例2]
【0080】
同一性保持小麦粉から作られた、発酵させて焼いた食品(Leavened baked goods)
いくつかの品種のコムギからの同一性保持全粒小麦粉試料を、焼いてパンにするために用意した。同一性保持全粒小麦粉試料の小麦粉の水分、タンパク質及び灰分レベルを測定し、表4に報告する。認められるように、一部の試験試料は2つの対照よりも水分が少なかった。
【0081】
【表3】

【0082】
同一性保持小麦粉をパン生地にし、表5に示す処方及び手順を使用して焼いた。各々の小麦粉試料を制御された条件下で別々に二重に評価した。
【0083】
【表4】

【0084】
手順
【0085】
McDuffeeボウルアンドフォーク撹拌機(bowl and fork agitator)を備えたHobart A−120ミキサーを使用して、スポンジ成分(表IIに示す)を低速(速度設定の「1」)で1分間混合した。その後、わずかに高い低速(速度設定の「2」)でスポンジ成分を再び1分間混合した。混合後のスポンジの所望温度は約79°Fであった。混合したスポンジを蓋付き容器において約84°Fで2時間半発酵させた。
【0086】
パン生地成分を、McDuffeeボウルアンドフォーク撹拌機を備えたHobart A−120ミキサーに入れ、低速(速度設定の「1」)で30秒間混合した。次にスポンジを添加し、合わせたものを低速(速度設定の「1」)で30秒間混合した。その後グルテン成長を促進するためにわずかに高い低速(速度設定の「2」)で混合した(約4分間)。混合後のパン生地の所望温度は約79°Fであった。十分に混合したパン生地を蓋付き容器において約84°Fで10分間発酵させた。各々の小麦粉試料から作製したパン生地を、シーティング及び成形工程の前に、Minolta色度計を用いて色に関して評価した。表6。
【0087】
【表5】

【0088】
残りのパン生地18.5オンス(524g)を、各々のローフを調製する際に使用するために分割した(バッチ当たり2ローフ)。分割したパン生地を室温で10分間休ませた。次にストレート穀物成形機を使用してパン生地を加工し、パン生地を均一な形状にした。成形したローフを焼き型(上部内側:9”L×4 7/16”W×2 3/4”D)に入れ、110°F、相対湿度81.5%の発酵室に置いた。パン生地を合計90mmまで又は焼き型の上部より5/8”上まで上昇させ、前記高さに達するまでに要した時間を観測し、記録した。
【0089】
上昇したローフをオーブンで420°Fにて22分間焼いた。最終的に焼いている間に、各小麦粉試料から作ったパン生地を混合及びメークアップ(make-up)の間の取り扱い特徴に関して主観的に評価した。
【0090】
各小麦粉試料から作ったパン生地から焼いたパンのローフラグメントの重量と容積を、パンを焼いた1時間後に測定した。表7。次に、一晩保存するためにローフをパン用のポリエチレン袋で包んだ。焼いたパンを、パン採点プロトコールを使用して、焼いた1日後に外側と内側の品質特徴に関して主観的に評価し、前記プロトコールは風味の評価も含んだ。表8。パンの身の部分の明るさをMinolta色度計で測定した。表9。
【0091】
【表6】

【0092】
【表7】

【0093】
【表8】

【0094】
色の値:Minolta BC−10色度計によって測定した場合、小麦粉試料AUBR31101W、AUBR31085W、AUBR31109W及びAUBR31117Wが最も高い(最も明るい)L値を有し、前記は高いものから順に並んでいる。同じ小麦粉がまた、測定したコムギ品種のBCU(ベーキング対比単位)測定値の上位4位を提供し、2つの対照試料に比較して非常に良好であった。表III及びVI。主観的には、5名の製品分析者全員がAUBR31117W、AUBR31109W、AUIMIW30494及びConAgra Ultragrain小麦粉試料を好んだ。試料AUBR31117W、AUBR31109W及びConAgra Ultragrainは、5名の分析者の投票のうち4名の投票で少なくとも上位4位に入った。Kansas Diamond、AUBR31059W及びAUBR30450Wの試料は、1名を除く全員の投票で下位の3位(最も暗い)を占めた。分析者の数及び試料の数を考慮すると、この種の主観的一致はまれであり、認められた差が有意であることを示唆した。
[実施例3]
【0095】
AUBR31117Wの色分析
【0096】
AUBR31117Wの試料を20時間にわたって15.5%の水分量にテンパリングし、次にCIGIで規定された内部手順に従ってBrabender Quadramat Jr.で粉砕した。その後ふすま画分を、ピンミル(20,000rpm)を使用して粉状にし、WG小麦粉を生産するために粉砕した小麦粉にもどし加えた。小麦粉試料を、ドライパッキング法(Minolta;内部手順;D65波長)を用いて色に関して分析した。分析結果は、84.8のMinolta L値、0.78のa値及び10.5のb値を示した。
【0097】
WG小麦粉試料のマイクロテストベーキング(Micro test baking)の成績を、ノータイム生地(no time dough)(NTD)法に基づいて評価した。小麦粉試料(35g)を砂糖(8%)、塩(2%)、菜種油(3%)、酵母(4%)、リン酸アンモニウム(0.1%)、アスコルビン酸(60ppm)及びアミラーゼ(60ppm)で処理した。小麦粉を、ミキサーエネルギー入力を捉えるためRARソフトウエアを用いて測定したピーク生地形成時間プラスさらに10%に混合した。最適混合した生地を10分間休ませ、40gに計量して、丸め、さらに10分間寝かせて、3/16〜1/8インチギャップに圧延し、最後に成形した後、発酵器(37℃/98.6°F、相対湿度85%)に入れた。発酵時間は、擬似WG生地(CWRS)が48mmの高さに達するのに要した時間プラス、CWRSクラスのコムギの固有のより強い生地特性のため、さらに2分間を加えて設定した。十分に発酵させた生地を375°Fで20分間焼いた。試料を冷却し、その後規定されたCIGI手順に従って内部のパンの身の色を評価した。試験ベーキングの分析は66.2のMinolta L値を示した。
【0098】
上記で開示し、付属の特許請求の範囲に列挙する、ダウ アグロサイエンシィズ及びWorld Wide Wheat専有コムギ品種(proprietary wheat cultivar)、AUBR31101W、AUBR31109W、AUBR31059W、AUIMIW30494、AUBR31117W及びAUBR30023Wの寄託をアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection(ATCC),10801 University Boulevard,Manassas,Va.20110)に対して行った。寄託日は2010年10月6日であった。各々の品種についての2500種子の寄託は、本出願の出願日以前からダウ アグロサイエンシィズによって維持されていた同じ寄託から引き継がれた。寄託時のすべての制限事項は除かれており、寄託は37C.F.R.§1.801−1.809のすべての要件を満たすことが意図されている。AUBR31101WについてのATCCアクセッション番号はPTA11399であり、AUBR31109WについてはPTA11395、AUBR31059WについてはPTA11396、AUIMIW30494についてはPTA11394、AUBR31117WについてはPTA11397、及びAUBR30023WについてはPTA11398である。寄託は、30年間又は最後の請求後5年間又は特許の有効期間中、いずれか長い期間、寄託機関に維持され、その期間中必要に応じて交換される。
【0099】
本発明をいくつかの例示的実施形態において説明したが、本発明は、この開示の精神及び範囲内でさらに変更され得る。本出願は、従って、その一般的原理を利用したあらゆる変法、使用又は適応を包含することが意図されている。さらに、本出願は、本発明が属する、及び付属の特許請求の範囲の制限内に含まれる、当分野において公知又は常套的な慣例に属するような本開示からの逸脱を包含することが意図されている。
【0100】
本明細書で引用される、公表文献、特許及び特許出願を含むすべての参考文献は、各々の参考文献が参照により本明細書に組み込まれることが個別且つ具体的に指示され、その全体が本明細書中に記載されているかの如くに、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書で論じる参考文献は、本出願の出願日以前のそれらの開示に関してのみ提供される。本明細書中のいかなる内容も、先行発明により本発明者がそのような開示を予想する権利を有さないことの承認と解釈されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(ATCC)特許受託番号(Patent Deposit Designation)PTA−11395の下で寄託されたAUBR31109W、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)特許受託番号PTA−11399の下で寄託されたAUBR31101W、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)特許受託番号PTA−11396の下で寄託されたAUBR31059W、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)特許受託番号PTA−11394の下で寄託されたAUIMIW30494、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)特許受託番号PTA−11398の下で寄託されたAUBR30023W、又はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)特許受託番号PTA−11397の下で寄託されたAUBR31117Wと称される白色コムギ種子。
【請求項2】
請求項1に記載の種子から生産される白色コムギ。
【請求項3】
請求項2に記載の植物からの細胞の組織培養物。
【請求項4】
請求項2に記載の植物から収穫される穀物。
【請求項5】
請求項2に記載の植物から収穫される穀物から生産される穀物製品。
【請求項6】
前記穀物製品が、同一性保持(identity-preserved)製粉穀物製品である、請求項5に記載の穀物製品。
【請求項7】
請求項2に記載の白色コムギを、除草剤抵抗性、害虫抵抗性又は非生物的ストレス耐性を付与する導入遺伝子で形質転換することを含む、除草剤抵抗性、害虫抵抗性又は非生物的ストレス耐性白色コムギを生産する方法。
【請求項8】
アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)特許受託番号PTA−11395の下で寄託されたAUBR31109W、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)特許受託番号PTA−11399の下で寄託されたAUBR31101W、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)特許受託番号PTA−11396の下で寄託されたAUBR31059W、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)特許受託番号PTA−11394の下で寄託されたAUIMIW30494、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)特許受託番号PTA−11398の下で寄託されたAUBR30023W、又はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)特許受託番号PTA−11397の下で寄託されたAUBR31117Wからなる群より選択される白色コムギ品種から収穫された穀物から生産される小麦粉。
【請求項9】
アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)特許受託番号PTA−11395の下で寄託されたAUBR31109W、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)特許受託番号PTA−11399の下で寄託されたAUBR31101W、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)特許受託番号PTA−11396の下で寄託されたAUBR31059W、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)特許受託番号PTA−11394の下で寄託されたAUIMIW30494、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)特許受託番号PTA−11398の下で寄託されたAUBR30023W、又はアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(ATCC)特許受託番号PTA−11397の下で寄託されたAUBR31117Wからなる群より選択される白色コムギ品種から収穫された穀物から生産された小麦粉から作られるベークド食品。
【請求項10】
パン、ケーキ又はパスタからなる群より選択される、請求項9に記載の食品。

【公開番号】特開2011−120579(P2011−120579A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−261583(P2010−261583)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(501035309)ダウ アグロサイエンシィズ エルエルシー (197)
【出願人】(510310451)ワールド ワイド ホィート,エルエルシー (2)
【Fターム(参考)】