説明

皮膚の症状を治療するための方法および組成物

【課題】本発明は、人工の海水、および種々の皮膚の症状を治療するためのその使用に関する。
【解決手段】本発明は天然に発生する海水よりもより多くのマグネシウムを有する人工の海水、および種々の皮膚の症状を治療するためのその使用に関する。ざ瘡の治療などは本発明の生成物およびその治療でもって改善することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、参照することによってその全体を取り込む2008年7月2日に出願した米国仮特許出願番号12/166,605号の一部継続出願である。
【0002】
著作権の注意
本特許の開示の一部は著作権保護に付される材料を含む。著作権者は特許書類または特許の開示が特許商標庁の特許ファイルまたは記録に現れる限り、それらのいかなる者による複写について異議を唱えることはできないが、それに対するすべての著作権を保有する。
【背景技術】
【0003】
発明の分野
本発明はスキンケアに関する。詳細には、本発明は、ざ瘡または他の顔面関連の感染症もしくは症状を治療するのに有用である組成物に関する。
【0004】
関連技術の説明
皮膚の多くの症状は、生理学および生化学における変化に関係している。微量の無機物、元素、イオンおよび金属が膜機能、免疫調節および酵素補助因子のために健康な皮膚代謝に使用されている。天然の海水には、ほぼ35g/kgの結合した濃度で種々の無機塩が含まれる。皮膚に天然の海水を適用することは、尋常性ざ瘡のような皮膚症状に有用であることが知られている。いずれか特定の成分が原因であるとか、天然の海水以外のいずれかのものが効果を有するとか、なぜ海水がそのように働くのかについて情報はないようである。人工の海水を製造して海水中の多くの成分の濃度に近似させることはできるが、それには天然の海水のすべての成分が含まれるわけではない。
【0005】
尋常性ざ瘡は、毛嚢脂腺小胞(pilosebaceous follicle)に影響する多因性炎症疾患である。毛嚢脂腺(pilosebaceous)は毛包および皮脂腺に沿って並んだ表皮細胞からなる。各毛包は1またはそれを超える皮脂腺と関連している。漏斗管(infundibulum)は表皮と直接的に通じており、皮脂腺の開口部まで伸長している。正常な毛包においては、皮脂は皮脂腺から分泌し、濾胞上皮(follicular epithelium)から漏斗管に向かう濾胞管(follicular canal)まで落屑した角化細胞を運搬する。角化細胞は単一の細胞として落とされ、濾胞腔に移動し、除去される。しかしながら、尋常性ざ瘡では、過剰増殖した角化細胞が個々の細胞ではなく、細胞の群として落とされ、それが濾胞の首部をふさぐ。漏斗管が閉塞し、皮脂、落ちた細胞および細菌生成物を捕捉し、炎症に通じるようになった場合に尋常性ざ瘡が発達する。
【0006】
ざ瘡の病理は部分的にしか理解されておらず、多因子性である。異常に落屑した角化細胞が皮脂腺濾胞に蓄積する場合、面皰発生が生じ、微小面疱が形成する。微小面疱は臨床的に明らかにされていないがすべてのざ瘡病変の前駆体である微視的な病変である。皮脂の流れがブロックされ、濾胞が脂質、細菌および細胞断片で詰まるようになる。微小面包は拡大し、最終的に臨床的に見えるようになる。非炎症性の病変は開口または閉口した面皰である。炎症性のざ瘡病変は斑、丘疹、膿疱または小瘤となり得る。
【0007】
ざ瘡の病理においては幾つかの因子がよく確立されている。これらには、皮脂産生、ホルモン、細菌増殖および炎症が含まれる。皮脂は成熟した皮脂腺細胞によって皮膚の表面に分泌される比較的非−極性の脂質の複雑な混合物である。過剰な皮脂産生はざ瘡の発達に関与し、局所アンドロゲンを含む多くの因子によって調節されている。臨床的な知見および実験的証拠は両方とも、ざ瘡の病態生理学におけるホルモンの重要性を確認している。また、リパーゼ、プロテアーゼ、ヒアルロニダーゼおよび走化性因子を放出することによって炎症を誘導するグラム陽性嫌気性の細菌、プロピオニバクテリウム・アクネ(Propionibacterium acnes)の増殖も存在する。免疫細胞は活性化して炎症性の応答を誘導する。
【0008】
濾胞内でのプロピオニバクテリウム・アクネの増殖は、種々の走化性および前炎症性のメディエーターの放出に寄与する。皮脂濾胞の上皮壁に好中球、単球およびリンパ球を誘引し、前炎症性サイトカインの生成、補体系の活性化を刺激し、細胞媒介免疫を誘導する走化性物質の放出が存在する。この強化された炎症カスケードの結果は、濾胞上皮の破裂であり、脂質、角化細胞、細菌抗原および炎症メディエーターの周りの皮膚への溢出に通じる。濾胞の破裂および二次炎症反応は、微小面皰(microcomedone)の成熟面皰または炎症ざ瘡病変への進行に寄与する。
【0009】
多くの剤が病理学的標的に焦点を当てたざ瘡の治療のために医師によって使用されている。これらの剤は単独または組合せて使用されている。ホルモン成分に使用する剤には、エストロゲン、抗アンドロゲンおよびスピロノラクトンが含まれる。局所または経口レチノイドならびにアルファおよびベータヒドロキシル酸が角化亢進状態(hyperkeratinization)に使用されている。皮脂産生は局所および経口レチノイド、抗アンドロゲン、レーザー治療および光力学的療法で治療されている。炎症は局所および経口の抗生物質ならびに過酸化ベンゾイルで治療されている。抗菌剤には、局所および経口の抗生物質、アゼライン酸、過酸化ベンゾイルおよび光療法が含まれる。
【0010】
無機物が健康な皮膚代謝を支持することが一般的に認識されている。ヒト身体の約4-5%は無機物で構成されている。これらの多くは酵素活性の必須の補助要因として、および正常な細胞膜生理学に作用する。これらの無機物のうちマグネシウムは最も広く研究されている。皮膚のホメオスタシスの維持に関与する正確な機構および具体的な無機物は明らかになっていない。
【0011】
天然の海水の局所適用はざ瘡の治療にも使用されているが;臨床的な有効性は医学刊行物において研究されていない。したがって、効果の機構は完全には理解されていない。海水は場所によって変化するユニークな組成で溶解した無機物、金属およびイオンの複雑な混合物である。天然の海水は約35g/kgの種々の無機塩を含んでいる。
【0012】
マグネシウムは海水中に三番目に最も豊富な無機物である。典型的に、海水中のマグネシウムは約53mMのレベルで存在し、1000ppmの濃度として報告される場合もある。より高濃度のマグネシウムは海の生物に対して有害な効果を有することが知られており、水棲生物が存在する場合に高濃度に出くわす場合はない。研究は、高い濃度のマグネシウムが潜在的に負の生物学的効果を有することを示している。
【0013】
人工の海水が水族館で使用するために開発されている。専門の海洋生物学者およびリーフ海洋学者は、純粋な海洋の水である海洋動物を増殖するための完全な培地に対して人工の海水が不完全な代替物であることを知っている。天然の海水の化学組成を再現する試みは、市販されている製品を提供している。一般的に、これらの製品は多数の試みを生成して、天然の海洋条件下で生じるのと同じ濃度の元素および無機物を再現する。多すぎるマグネシウムの潜在的に毒性の効果のため、人工の海水中のマグネシウム濃度は一般的に天然に生じる海水に見出されるもの以下である。
【0014】
リポソームの使用を介した毛包への物質の局所デリバリーが開発されている。リポソームは、メディエーターのような物質を内包するように製造することができる脂質の微視的小球体である。リポソームの脂質の性質がそれを非極性にする。皮脂腺は管によって毛包に連結しており、濾胞管の上部三番目の部位に皮脂を放出し、中性の非極性脂質に富む環境をつくっている。局所的に適用するリポソームは、巨大分子を含む広範囲の薬剤を毛包にデリバリーすることができる。毛嚢脂腺ユニットへのリポソームデリバリーの実験的証拠には、負に荷電した極性化合物であるカルボキシフルオレセインを用いた定量的蛍光が含まれる。海水のような極性化合物はリポソームの使用でもって毛嚢脂腺ユニットの非極性濾胞環境にデリバリーされることが示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
少なくとも2000ppmのレベルまでマグネシウムを加えた人工の海水、または人工もしくは天然のいずれかの海水を用いてざ瘡を治療することができることを発見した。加えたマグネシウムでの結果は、ざ瘡を治療することにおいて天然の海水よりも遙かに優れている。驚くべきことには、人工の海水は、それが天然の海水よりも遙かに少ない成分を有するにもかからわず、天然の海水と少なくとも同じように効果的である。したがって、人工の海水および高いマグネシウム濃度を有するいずれかの海水で皮膚を治療する生成物および方法は、本発明の主な組成物および治療方法である。
【課題を解決するための手段】
【0016】
1の形態において、本発明は人工の海水を含むざ瘡治療用の組成物を含み、一方、いまだもう1の形態において、本発明はマグネシウム濃度が少なくとも2000ppmである人工または天然の海水に関する。
【0017】
本発明のいまだもう1の形態において、少なくとも2000ppmのマグネシウムの濃度を有する海水を適用することを含む皮膚の治療方法が存在する。
【0018】
本発明のいまだもう1の形態において、人工の海水を適用して皮膚を治療することを含む皮膚の治療方法が存在する。
【0019】
いまだもう1の形態において、海水または少なくとも2000ppmのマグネシウム濃度を有する海水を含むリポソームを含む皮膚症状を治療するための組成物が存在する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は天然の海水、人工の海水およびさらなるマグネシウムを含む人工の海水の処方を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、天然および人工の海水が両方とも、皮膚の治療に顕著な改善を示すこと、特に天然の海水および天然の海水を模倣した人工の海水と比べた場合に少なくとも約2倍の量のマグネシウムが存在する場合にざ瘡を治療することを示すことの発見に関する。また、増量したマグネシウムを含むいずれかの海水ほど良好ではないが、人工の海水を用いてもざ瘡を治療できることも発見した。このことは、人工の海水が天然の海水のすべての成分を含んでおらず、ざ瘡を治療するために以前に使用されていない場合でも同様である。
【0022】
本発明は多くの異なる形の形態に感受性であるが、それを図面に示し、また、詳細な特定の形態で本明細書に記載する。しかし、かかる形態の本発明の開示は原理の例と考えるべきであり、示し記載する特定の形態に本発明を限定することを意図するものではないと理解される。以下の記載において、類似する参照番号を用いて幾つかの図面における同一、同様のまたは対応する部分を説明する。この詳細な説明は、本明細書で用いる用語の意味を定義し、当業者が本発明を実施するための形態を具体的に説明する。
【0023】
本明細書中で用いる単数表現は、1またはそれを超えるものを定義する。本明細書中で用いる「複数」なる用語は、2または2を超えるものを定義する。本明細書中で用いる「もう1の」なる用語は、少なくとも第2のものを超えることを定義する。本明細書で用いる「含む」および/または「有する」なる用語は、含む(すなわち、オープンな言語)と定義する。本明細書中で用いる「カップリングした」なる用語は、必ずしも直接的でなく、また、必ずしも機械的ではないが、連結したと定義する。
【0024】
本明細書全体にわたる「1の形態」、「ある種の形態」および「形態」または同様の用語の参照は、形態と連結して記載する特定の特徴、構造または特性が本発明の少なくとも1の形態に含まれることを意味する。したがって、かかる句または本明細書全体の種々の場所における出現は、必ずしもすべてが同一の形態を言及しているわけでない。さらに、特定の特徴、構造または特性は、限定されることなく、1またはそれを超える形態のいずれか好適な様式で結合し得る。
【0025】
本明細書中で用いる「または」なる用語は、包括的にまたはいずれか1またはいずれかの組合せを意味すると解釈すべきである。したがって、「A、BまたはC」とは以下のいずれかを意味する:「A;B;C;AおよびB;AおよびC;BおよびC;A、BおよびC」。要素、関数、工程または作用の組合せがある方法において固有に相互に相容れない場合にのみ、この定義の例外が生じる。
【0026】
図面に描いた図は本発明のある種の簡便な形態を説明する目的のためであり、それに限定されると考えるべきでない。本発明の作業の原理に先立つ「手段」なる用語は、それに対して望ましい機能を達成する1またはそれを超える形態、すなわち1またはそれを超える方法、デバイスまたは装置が存在し、当業者が本願明細書の開示に鑑みてそれらまたはそれらの等価物から選択し得る望ましい機能を示し、用語「手段」を使用することは限定することを意図するものではない。
【0027】
本明細書中で用いる「人工の海水」なる用語は、天然に生じる海水の組成を可能な限り近く模倣する試みで一定範囲の無機物、微量元素、有機微量養素などを含ませた水溶液をいう。前記したように、これは、人工または天然の海水のマグネシウム濃度が1000ppm付近以下(図1のチャート中では約1284)であることを意味する。人工の海水はその正確な組成が変動し得るが、一般的に海洋社会で通常生活する水棲海洋生物を支持することができるように設計されている。これらは水供給所などから容易に入手可能であり、水族館などのために設計され、あるいは、当該技術分野でよく知られている手段によってスクラッチ(scratch)から調製することができる。
【0028】
本明細書中で用いる「マグネシウム」とは、マグネシウムイオンをいい、大部分の場合においてはマグネシウム塩の形態で人工または天然の海水に導入するMg++イオンをいう。本発明において有用なマグネシウム塩の例は、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム(硫酸マグネシウム7水和物、硫酸マグネシウム無水物のような)マグネサイトおよびドロマイトである。海水は通常約1300ppm以下であるが、本発明の溶液にマグネシウムを加えて海水の試料を少なくとも約2000ppmの量まで上げる。幾つかの形態において、マグネシウムは少なくとも約4000ppm、8000ppm、20,000ppm、40,000ppm以上とすることができる。実施例および図1の形態においては、マグネシウムが44,000ppmの割合で存在する。換言すると、本発明は、マグネシウムの濃度が海水において通常天然に生じているマグネシウムの少なくとも2倍である形態を含む。
【0029】
マグネシウムは、2000ppm以上の適量のマグネシウムを溶解するように海水に加える。選択したマグネシウム塩に依存して、このことは攪拌しながら室温にてまたは加熱もしくは他の手段を用いて行って所望のマグネシウム濃度を達成することができる。マグネシウムの最適量は、治療すべき特定の皮膚の症状、選択した塩、患者の感度、治療の頻度などに依存するであろうが、本開示に接した当業者であれば本願明細書の開示に鑑みてマグネシウムの量を簡単に最適化できる。
【0030】
本発明の組成物を適用することは、いずれの簡便な局所方法とすることができる。したがって、例えば、溶液は所望により1日あたり1回、2回またはより多く、顔面に適用して所望の効果を達成することができる。それは適用して放置するまたは適用して濯ぎ落とす、または石鹸または他のスキントリートメントと組合せて洗顔の一部として使用することができる。適用は手でもって、またはコットンボール、綿棒に適用した溶液、濯ぎまたは蒸発によって行うことができる。また、本発明の溶液は、本発明の治療の間に皮膚の穴が開くように温めるまたはその他加熱することができる。
【0031】
本明細書中で用いる「皮膚を治療する」とは、本発明の製品の適用でもって改善を示す皮膚症状の治療をいう。本発明は主としてざ瘡の治療であるが、皮膚症状に対する予防策としての治療も本発明の範囲に入る。過剰な油の症状、他の皮膚感染症、湿疹、酒さ性ざ瘡、乾癬、脂漏症なども本発明でもって皮膚上で治療することができる。
【0032】
本発明の組成物は、リポソーム型の処方に処方化することもできる。本発明において用いる「リポソーム」なる用語は、球形の二層または複数の二層に整列した両親媒性の脂質からなるビヒクルを意味する。
【0033】
リポソームは脂肪親和性の物質から形成された膜および水性の内部を有する単層ラメラまたは多層ラメラのベシクルである。水性部分はデリバリーすべき本発明の組成物を含む。カチオン性のリポソームは、細胞壁に融合することができるという利点を有する。非−カチオン性のリポソームは、細胞壁と効率よく融合できるものではないが、イン・ビボ(in vivo)でマクロファージによって取り込まれる。封入すべき剤に依存して適当なリポソームの選択は、当該技術分野で知られている所定の事項によって明らかであろう。
【0034】
リポソームは有効成分を作用の部位に輸送およびデリバリーするのに有用である。リポソーム膜は生物の膜に構造的に類似しているため、リポソームを組織に適用した場合、リポソームは細胞膜と溶け込み始める。リポソームおよび細胞の溶け込みが進行するに従い、リポソームの内容物は有効剤が作用し得る細胞に移る。
【0035】
もう1の形態も局所投与のためのリポソームの使用を意図している。かかる利点には、投与した薬剤の高い全身的な吸収に関連する低い副作用、所望の標的における投与した薬剤の高い蓄積、および親水性および疎水性に限らず広範な薬剤を皮膚に投与する可能性が含まれる。幾つかの報告は、高分子量DNAを含む剤を皮膚にデリバリーするリポソームの可能性を詳細に記載している。痛覚脱失、抗体、ホルモンおよび高分子量DNAを含む化合物を皮膚に投与した。適用の大部分は上部表皮の標的化を生じた。
【0036】
リポソームは2の広いクラスに入る。カチオン性リポソームは負に荷電したDNA分子と相互作用して安定な複合体を形成する正に荷電したリポソームである。正に荷電したDNA/リポソーム複合体は負に荷電した細胞表面に結合し、エンドソームに内在化する。エンドソーム内の酸性pHに起因してリポソームは破裂し、その内容物を細胞の細胞質に放出する。
【0037】
pH−感受性または負に荷電したリポソームはそれとの複合体よりもDNAを捕捉する。DNAおよび脂質の両方は同様に荷電しているため、複合体の形成よりも反発が起こる。それにもかかわらず、ある種のDNAはこれらのリポソームの水性内部内に捕捉される。pH−感受性のリポソームを用いて、チミジンキナーゼ遺伝子をコードするDNAが培養物中の細胞単層にデリバリーされている。外因性の遺伝子の発現は標的細胞中で検出された(Zhouら,J.Controlled Release, 1992, 19: 269 74)。
【0038】
もう1の意図するリポソーム組成物には、天然由来のホスファチジルコリン以外のリン脂質が含まれる。例えば、中性のリポソーム組成物は、ジミリストイル ホスファチジルコリン(DMPC)またはジパルミトイル ホスファチジルコリン(DPPC)から形成し得る。一般的に、アニオン性のリポソーム組成物は、ジミリストイル ホスファチジルグリセロールから形成される一方、アニオン性の融合性リポソームは主にジオレオイル ホスファチジルエタノールアミン(DOPE)から形成される。もう1のタイプのリポソーム組成物は、例えば、ダイズPCおよび卵PCのようなホスファチジルコリン(PC)から形成される。もう1のタイプは、リン脂質および/またはホスファチジルコリンおよび/またはコレステロールの混合物から形成される。
【0039】
リポソームに取り込まれた場合にかかる特殊化された脂質を欠くリポソームと比較して高められた循環寿命を生じる1またはそれを超える特殊化された脂質を含むリポソームをいう「立体的に安定化された」リポソームも意図される。立体的に安定化されたリポソームの例は、リポソームのベシクル形成脂質部分の部分が、(A)モノシアロガングリオシドGM1のような1またはそれを超える糖脂質を含み、または(B)ポリエチレングリコール(PEG)基のような1またはそれを超える親水性ポリマーで誘導化されたものである。いずれか特定の理論によって拘束されることを意図するものではないが、少なくともガングリオシド、スフィンゴミエリンまたはPEG−誘導化脂質を含む立体的に安定化されたリポソームについては、これらの立体的に安定化されたリポソームの高められた循環寿命は細網内皮系(RES)の細胞への取込みが減少することから派生すると当該技術分野においては考えられている(Allenら,FEBS Lett., 1987, 223: 42; Wuら,Can. Res., 1993, 53: 3765)。
【0040】
1またはそれを超える親水性ポリマーで誘導化された脂質を含む多くのリポソームおよびその調製方法は当該技術分野で知られている。例えば、Sunamotoら(Bull. Chem. Soc. Jpn., 1980, 53: 2778)は、PEG基を含む非イオン性界面活性剤2C12 15Gを含むリポソームを記載している。IIIiumら(FEBS Lett., 1984, 167: 79)は、ポリスチレン粒子をポリマー性グリコールで親水性コーティングすると、顕著に高められた血液半減期を生じることを記録した。ポリアルキレングリコール(例えば、PEG)のカルボキシル基の結合によって修飾された合成リン脂質はSearsによって記載されている(米国特許第4,426,330号および第4,534,899号)。Klibanovら(FEBS Lett., 1990, 268: 235)は、PEGまたはPEGステアレートで誘導化したホスファチジルエタノールアミン(PE)を含むリポソームが血液循環半減期において顕著な増大を有することを実証する実験を記載している。Blumeら(Biochimica et Biophysica Acta, 1990, 1029: 91)は、かかる知見を他のPEG−誘導化リン脂質、例えば、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(DSPE)およびPEGの組合せから形成したDSPE-PEGまで拡大した。外部表面に共有結合したPEG基を有するリポソームは、Fisherに対する欧州特許番号EP 0 445 131 B1およびWO 90/04384に記載されている。PEGで誘導化した120モル%のPEを含むリポソーム組成物およびその使用方法は、例えばWoodleら(米国特許第5,013,556号および第5,356,633号)およびMartinら(米国特許第5,213,804号および欧州特許番号EP 0 496 813 B1)によって記載されている。多数の他の脂質−ポリマーコンジュゲートを含むリポソームはWO 91/05545および米国特許第5,225,212号(両方ともMartinらに対する)およびWO 94/20073(Zalipskyら)に開示されている。PEG−修飾セラミド脂質を含むリポソームはWO 96/10391(Choiら)に記載されている。米国特許第5,540,935号(Miyazakiら)および米国特許第5,556,948号(Tagawaら)はその表面で官能基でさらに誘導化することができるPEG-含有リポソームを記載している。
【0041】
実施例
図1に記載する4の水性処方は、作製、購入(人工の海水の場合)または収集した(天然の海水の場合)かのいずれかである。示した濃度のマグネシウムイオンを達成するのに十分な塩化マグネシウム塩の形態で、マグネシウムを含む組成物にマグネシウムを添加した。個人をざ瘡の症状について4の処方のうちの1で治療し、4週間にわたって毎日治療した後の結果を比較する。天然および人工の海水を含む組成物は、天然よりも僅かに良好な性能を発揮する人工の海水に匹敵する。さらなるマグネシウムを含む人工または天然のいずれかの海水で治療した個人は、さらなるマグネシウムを含まない組成物と比較して顕著な改善を示した。
【0042】
本発明の組成物は、皮膚のシワの治療に有用であるとも判明した。皮膚のシワは皮膚加齢の1の態様である。皮膚加齢は固有の因子および光線加齢因子の両方から生じることが知られている。固有の因子には、成人の日光保護皮膚におけるすべての臨床的、組織学的および生理学的変化が含まれる。これらには、損傷したDNAを修復する能力の低下および表皮を横切る水損失における異常が含まれる。皮膚のシワの外観に寄与するのは水の損失および脱水の影響である。光線加齢はシワを引き起こす外観、過剰色素沈着および皮のような外観に対する主要な影響を有する。紫外線放射の結果として、免疫機能および炎症のさらなる損失を伴う固有の加齢に見られるような激化した機能損失が存在する。
【0043】
合成海水は、多くの機構を通して加齢皮膚の治療に有用と思われる。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、以下の事項が合成海水を用いた治療で得られる結果を説明しているようである。これらには、抗−炎症援助、抗−酸化活性、高められた分子および細胞の解毒およびスキャベンジ、免疫刺激、ならびに、細胞の水の浸透圧効果が含まれる。
【0044】
合成海水の有利な抗−炎症および抗酸化効果は、微量無機物の見かけの補充を介して媒介されているように思われる。微量無機物欠乏は一般的であり、乏しい栄養および涸渇土壌の組合せから生じる。微量無機物欠乏はヒトの抗−炎症および抗−酸化生化学経路に悪影響を有することがよく知られている。これらのことは、一般的な例として亜鉛およびセレンを用いてよく研究されている。必須微量元素としてのセレンの重要性は、それを通してセレンがその酸化還元活性を発揮する機構を報告している分子生物化学雑誌に公開された。グルタチオンペルオキシダーゼ、ヨードチロニン・デヨードナーゼおよびチオレドキシン還元酵素のような幾つかのセレノシステイン含有酵素が存在する。すべてのこれらの酵素は活性部位にセレノシステインを有する。
【0045】
必須の栄養としてのセレンの役割は、セレン含有タンパク質にセレンが存在することによって可能になるそのユニークな化学の結果である。疫学的知見は、セレンの不十分な状態を癌の高まるリスクに関連付けている。セレンの保護作用は、種々の機構の組合せである。提唱されているすべての多様な機構の中で重要な幾つかのものは、セレン含有タンパク質/セレン含有酵素の保護的役割、(b)アポトーシスの誘導、(c)免疫系効果、(d)アンタゴニスト金属の解毒、(e)核転写因子の不活性化、(f)リポオキシゲナーゼの調節、(g)進行した癌症状に対する効果、(h)酸化ストレスの減少、(i)フェーズII酵素の誘導、(j)アンドロゲン受容体のダウンレギュレーション、(k)DNA付加物形成の阻害、および(l)細胞周期の拘束である。これらの効果の多くは、皮膚の細胞分子生物学に関する利益に直接的に適用可能である。
【0046】
補助因子として亜鉛およびセレンを使用する抗−炎症および抗酸化効果を有する他の酵素には、スーパーオキサイドジスムターゼ、グルタチオンペルオキシダーゼおよびマロンジアルデヒドが含まれる。これは、抗−炎症および抗酸化生化学経路に関与する酵素の包括的なリストではなく、例として挙げているだけである。より多数の酵素が含まれ、各々が補助因子として微量無機物を有する。セレンおよび亜鉛はそれらだけが2の補助因子であるのではなく、合成海水は多くの微量元素および無機物を有する。重要な概念は、炎症および酸化損傷が皮膚のシワを生じる皮膚加齢に関係する複雑なプロセスの構成要素であるということである。合成海水は、皮膚の人工の海水治療で観察された新規な利益の説明を助ける酵素機能の必須の補助因子である多数の微量無機物および元素を補充することが決定されている。
【0047】
一酸化窒素は皮膚加齢に対して有利な効果を有するもう1の酵素的に生成される物質である。それはもう1の抗酸化剤であるが、多くの他の特性も有している。上皮細胞に対する一酸化窒素の効果は研究されている。火傷においては、濾胞幹細胞補充を介して高められた再−上皮化、繊維芽細胞を発現するプロコラーゲンの数の増加、増加した血管形成、高められた毛包再生、ならびに治癒過程の間における成長因子およびサイトカインでの創床の浸潤および維持の促進が存在する。一酸化窒素は一酸化窒素合成酵素によって酵素的に生成され、他の酵素のように補助因子を必要とする。一酸化窒素がUV-A放射による障害効果に対して保護するというヒト皮膚繊維芽細胞における実験的証拠が存在する。この一酸化窒素依存性の機構は、一酸化窒素が涸渇した培養物でUV-Aが誘導した脂質過酸化に対して高い感受性が観察されたことによって確認された。一酸化窒素合成酵素阻害からの内皮細胞機能不全の分子的機構は、医学文献にも公開されている。一酸化窒素のこれらの効果は、一酸化窒素合成酵素の酵素機能を介した一酸化窒素生成の結果であり、補助因子用の微量元素に依存し、人工の海水の局所投与によって支持されているように考えられる。
【0048】
分子的解毒も皮膚加齢に関与している。長期にわたって日光に曝された上皮における過酸化水素解毒抗酸化カタラーゼの活性に加齢依存的な減退が存在する。カタラーゼ模倣物ならびにペルオキシニトライト・スキャベンジャーは、過酸化水素解毒経路を維持すると考えられている。クレアチニンキナーゼ活性も酸化ストレスを介して消失する。解毒プロセスに関与するさらなる酵素のこれらの例は、至適酵素活性のために微量養素および微量無機物を補充して皮膚ホメオスタシスの喪失を防ぐという概念を支持し、人工の海水が皮膚のシワを治療する機構のもう1つの説明になり得る。
【0049】
上皮UV-B光損傷ならびに水分損失に対するもう1の保護機構は、カスパーゼ-14を介して媒介される。カスパーゼ-14はその発現が基底層および毛包の直上層にほぼ完全に制限されるアスパラギン酸特異的なプロテイナーゼである。カスパーゼ-14のタンパク質加水分解的な活性化は、カスパーゼ-14が角化細胞の分化および角質化に必須であることを示す角質層形成と関連する。カスパーゼ-14は形成のためにプロテイナーゼ酵素に依存し、角質層のUV-Bスキャベンジ能力を制御することによってUV-B放射に対する保護に有利な効果を有する。
【0050】
カスパーゼ-14は、細胞水を増加することによってシワの治療に有利であるさらなる機構を有する。この効果は、カスパーゼ-14欠乏表皮が低下した皮膚水和レベルおよび増大した水分損失によって特徴付けられるとして実験的に示されている。細胞生物学は、この機構がカスパーゼ-14がプロフィラグリンを切断する能力によって機構が媒介されていることを明らかにした。この機構は、変化したプロフィラグリン修飾パターンがカスパーゼ-14欠乏表皮に関連付けられるという知見によって支持されている。皮膚に潤いを与えることにおけるフィラグリン構造の重要性は確立されており、皮膚加齢の予防に関与する酵素依存性の経路のもう1の例である。ここでも、人工の海水は、必要な元素を供給してこの方法によるシワの減少を達成することができる。
【0051】
皮膚のシワの程度は、普通は細胞水に関連付けて考えられる。皮膚は身体の限定組織であり、皮膚内では、表皮の角質層(SC)は水分損失に対する限定するバリアである。表皮の水分ホメオスタシスは、皮膚の外観および物理学的特性、ならびに身体における水分バランスにも重要である。水の輸送はギャップ結合および細胞膜チャネルに依存する。アクアポリン-3(AQP3)は、正常な皮膚の表皮の基底層角化細胞中の原形質膜に発現される水分の膜トランスポーターである。ギャップ結合および原形質膜チャネルはタンパク質から構成されている。タンパク質の三次元構造は化学的環境に依存し、透過性は電解質イオン濃度に感受性である。例えば、ギャップ結合の透過性はカルシウムイオンによって調整される。同様に、カルシウム膜ポンプはマグネシウムイオン濃度によって調整される。細胞内水分の輸送およびホメオスタシスは膜トランスポーターおよびチャネルによって維持され、これらは構造および機能が元素および無機物から構成される化学的環境に依存するタンパク質から構成されている。
【0052】
皮膚のシワに対する浸透圧成分も存在し、そこではシワの程度が増大した細胞水で低下し、細胞水の量は浸透圧濃度勾配に沿って増大し得る。合成海水の局所適用は、以前に論じた生化学的および細胞分子的な機構に加えて、この機構を介して細胞水を増加することが予想される。液体膜を横切る輸送は、電気化学的なポテンシャルおよび濃度に依存する拡散率を予想するためのFickの法則、Nerst-Planck式またはEinstein式によって説明される。本質的に、透過性は溶質濃度、接触面積および接触時間の関数である。
【0053】
抗−炎症支持、抗酸化活性、高められた分子および細胞の解毒およびスキャベンジング、免疫刺激、ならびに細胞水の浸透圧効果のこれらの機構は、合成海水の局所適用ですべて支持される。このことは、皮膚ホメオスタシスに関連する適用のために添加したマグネシウムを含む合成海水の利点の細胞分子的な基礎である。1のかかる適用は、皮膚のシワの治療についてであろう。
【0054】
本発明は日焼け止め剤として使用するための本発明の使用に関することも発見した。この使用の機構は、抗酸化特性に対する特別の重要さが皮膚のシワについて同様であると仮定される。抗酸化剤は紫外線損傷の程度を減少し、上皮組織の回復を促進することが知られている。
【0055】
本発明の人工の海水は、毛髪損失の治療にも有用である。毛包幹細胞の補充および高められた毛包の再生は、論じられているように一酸化窒素と一緒に示される。また、カスパーゼ-14はその発現が表皮および毛包の基底細胞層直上の層にほぼ完全に制限されるアスパラギン酸−特異的なプロテイナーゼである。尋常性ざ瘡に関連して論じた各々の毛嚢脂腺ユニットも毛包を含み、毛嚢脂腺ユニット機能における改善は毛髪の成長も改善することが予想される。
【0056】
これらの化粧品の使用に加えて、マグネシウムを加えた合成海水の多くの医療使用が存在する。規定食塩水が通常は医療適用に使用されている。ナトリウムおよび塩化物の利点が維持され、微量無機物および微量元素からのさらなる利点が存在するため、合成海水はこれらの適用において優れる。利点は、皮膚の細胞分子生物学に関連して記載したものと同様である。
【0057】
本発明の主な医療適用は、創傷潅注の創傷への適用である。創傷潅注は一般的な医療手順であり、洗浄液の選択はよく評価されている。創傷洗浄液が出典明示して本明細書の一部とみなすFlanagan, M. (1997 Wound cleansing (Chapter 5). In: Morison, M., Moffat, C., Bridel-Nixon, J., Bale, S. (編). Nursing Management of Chronic Wounds. Mosby, London)に記載されているような多数の重要な特徴を満足することが決定されている。
−ヒト組織に対して無毒であるか、
−有機物質の存在下で有効のままであるか、
−微生物の数を減少することができるか、
−感受性反応を引き起こさないか、
−広く入手可能であるか、
−コスト有効であるか、および
−長期の貯蔵寿命を有して安定であるか。
【0058】
規定食塩液は上記に挙げたすべての基準を満たし、唯一の完全に安全な洗浄剤として同定され、大部分の創傷に使用するための治療の選択として同定されている。
【0059】
創傷の治癒は主な医療問題であり続けており、議論のフォーラムとしてのThe Journal of Wound Careでの特別の関心の議題となっている。創傷潅注流体における改善は望ましいと感じられ、より複雑な等張液はさらなる改善を提供し得るという議論が存在する。したがって、本発明は、創傷潅注用の新たな溶液としての創傷管理に対する利用性を有する。
【0060】
創傷潅注に加えて、本発明は、腹膜洗浄、副鼻腔手術、膀胱鏡検査、尿管鏡検査(ureteroscopy)、結腸内視術、気管支鏡検査、喉頭鏡検査、関節鏡検査、眼科用粘稠剤または眼科潅漑剤(eye irrigant)、水および電解質源、透析の開始剤およびIV液に有用であろう。規定食塩液は改善された視覚性のためにこれらの表示の多くに使用される。人工の海水は治療する組織の治癒を促進することによって付加された利点を有し、改善された組織治癒の機構は論じたように多因子性である。
【0061】
抗−炎症サポート、抗酸化活性、高められた分子的および細胞性の解毒およびスキャベンジ、免疫刺激、ならびに、細胞水の浸透効果のこれらの同じ機構は添加したマグネシウムを含む人工の海水の局所適用ですべて支持され、規定食塩液が現在使用されている医療適用における添加したマグネシウムを含む合成海水の使用を支持する。
【0062】
濃度は個々の使用について調整し得る。例えば、濃縮した溶液は皮膚のシワに対する使用により有用であろう。希釈した溶液は眼科潅漑に対する適用を有するであろう。一般式nX(式中、Xは図1に掲載する標準濃度であり、nは希釈した溶液が目のような敏感な組織または静脈内に必要である場合の画分である。1よりも大きなnの値は皮膚のシワに使用するもののような濃縮した溶液であろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マグネシウム濃度が少なくとも2000ppmである人工または天然の海水を含む皮膚治療用の組成物。
【請求項2】
マグネシウム濃度が少なくとも8000ppmである請求項1記載の組成物。
【請求項3】
マグネシウム濃度が少なくとも40,000ppmである請求項1記載の組成物。
【請求項4】
マグネシウムが酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、マグネサイトおよびドロマイトのうちの少なくとも1で存在する請求項1記載の組成物。
【請求項5】
少なくとも2000ppmのマグネシウムの濃度を有する人工または天然の海水を適用することを含む皮膚を治療する方法。
【請求項6】
海水が、少なくとも2000ppmを含むのに十分に添加されたマグネシウムを有する天然に発生する海水である請求項5記載の方法。
【請求項7】
海水が人工の海水である請求項5記載の方法。
【請求項8】
皮膚の治療がざ瘡治療の目的である請求項5記載の方法。
【請求項9】
皮膚の治療が、湿疹、酒さ性ざ瘡、脂漏症および乾癬を含む群から選択される症状の治療のためである請求項5記載の方法。
【請求項10】
皮膚の治療が、皮膚のシワおよび毛髪損失を含む群から選択される症状を治療するためである請求項5記載の方法。
【請求項11】
人工または天然の海水を含有するリポソームを含む皮膚症状を治療するための組成物。
【請求項12】
少なくとも2000ppmのマグネシウム濃度を有する請求項11記載の組成物。
【請求項13】
海水が人工の海水である請求項11記載の組成物。
【請求項14】
海水が天然の海水である請求項11記載の組成物。
【請求項15】
皮膚を治療するのに十分な有効量の人工の海水を適用することを含む皮膚の治療方法。
【請求項16】
量がざ瘡を治療するのに有効である請求項15記載の方法。
【請求項17】
皮膚の治療が、湿疹、酒さ性ざ瘡、脂漏症および乾癬を含む群から選択される症状を治療するためである請求項15記載の方法。
【請求項18】
治療することが望まれる身体の望む領域に、所望により少なくとも2000ppmのマグネシウム濃度を有する人工または天然の海水を含む組成物を直接的に投与することを含む、治療が必要な哺乳動物を治療する方法。
【請求項19】
組成物を創傷潅注の目的で創傷に適用するかまたは日焼け止め剤として使用する請求項18記載の方法。
【請求項20】
組成物を哺乳動物の治療における塩類溶液の代わりに用いる請求項18記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2010−13447(P2010−13447A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−157759(P2009−157759)
【出願日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(509187738)
【Fターム(参考)】