説明

皮革染色用のアニオン性アゾ染料及びその金属錯体

本発明は、皮革の染色のために、塩の形の酸基少なくとも1個及びアゾ基少なくとも2個を有し、リチウムイオン及びナトウムイオンを1:19〜4:1のモル比で含有するアニオン性アゾ染料を使用することに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮革の染色のための、塩の形の酸基少なくとも1個及びアゾ基少なくとも2個を有するアニオン性アゾ染料の使用並びにそのアニオン性金属錯体の使用に関する。
【0002】
アニオン性アゾ染料及び皮革の染色のためのその使用は、例えばG.Otto "Das Faerben von Leder”,Eduard Roether Verlag, Darmstadt 1962,Heinrich Zollinger "Color Chemistry, Synthesis,Properties and Applications of Organic Dyes and Pigments", 2nd Ed,VCH Weinheim 1991,から、更にDE−A3212240、DE−A3124172、EP−A34724、EP−A78007、EP−A598244、EP−A692523、EP−A577556、EP−A421927、EP−A322357、EP−A316278から並びに”Bibliothek des Leders”Band 5 (Das Faerben von Leder) [1987] Umschau Verlagから一般に公知である。
【0003】
通常、このような種類の染料は、その塩の形で又はこのようなアゾ染料のアニオン性遷移金属錯体、殊に鉄、コバルト、ニッケル、銅、マンガン、亜鉛、カドミウム及び/又はクロムの錯体の塩の形で使用される。このような塩は、対イオン(Gegenion)として、通常ナトリウムを有する。
アニオン性アゾ染料の水性染料組成物並びに対イオンとしてのリチウムイオン又は有機アンモニウムイオンを有するアゾ染料のアニオン性金属錯体の水性組成物に関して種々の報告がある。これらの対イオンは、アゾ染料の良好な可溶性に作用し、かつ高濃度の染料組成物の調製を可能とする(例えば、DE−A2405855、DE−A2443483、DE−A3322502、DE−A3529495参照)。
【0004】
皮革染色のために、その染料アニオンが次の一般式Iによって記載されるアニオン性アゾ染料及びアゾ染料のアニオン性遷移金属錯体が特に重要である:
【0005】
【化1】

[式中、Q、R、T、U及びVは相互に無関係に、ベンゼン、ナフタリン、ジフェニルアミン、ジフェニルメタン、フェニルアミノスルホニルベンゼン又はフェニルアミノカルボニルベンゼンから誘導される基を表し、この際、Q及びUはピラゾール、トリアゾール、イソチアゾール又はチアジアゾール及びチアゾールから誘導される基を表してもよく、この際、Q、R、T、U及びVは、場合によって存在するアニオン基Aと共に、場合により次の基:OH、NH、NO、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ヒドロキシアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルアミノ、C〜C−ジアルキルアミノ、C〜C−アルキルアミノカルボニル、C〜C−ジアルキルアミノカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、N−(C〜C−アルキルカルボニル)−N−(C〜C−アルキルカルボニル)アミノ、フェニルカルボニルアミノ、ホルムアミド又はN−結合5員又は6員のヘテロ環の1個以上を置換基として有していてよく、この際、QとUは相互に無関係に、置換基−N=N−P(ここで、Pはフェニル、ナフチル、ピリジル、2−ピリドニル、ピラゾリル及びチアゾリルの群から選択されていて、場合により次の基:OH、NH、NO、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ヒドロキシアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルアミノ、C〜C−ジアルキルアミノ、C〜C−アルキルアミノカルボニル、C〜C−ジアルキルアミノカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、N−(C〜C−アルキルカルボニル)−N−(C〜C−アルキルカルボニル)アミノ、フェニルカルボニルアミノ、ホルムアミド又はN−結合5員又は6員の飽和窒素ヘテロ環、例えばモルホリニル、ピペラジニル又はピロリジニルの1個以上で置換されていてよい芳香族基を表すことができる)を有していてもよく;
Sは、式A又はB:
【0006】
【化2】

(式A中のX及びYは相互に無関係に、OH、NH、C〜C−アルキル、C〜C−ヒドロキシアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルアミノ、C〜C−ジアルキルアミノ又はN−結合5員又は6員の飽和窒素ヘテロ環を表し、式B中のWは、単結合、O、NH、SO、SONH、CONH又はC〜C−アルキレンを表し、R、Rは相互に無関係に、水素、OH又はC〜C−アルキルを表し、Zは同じ又は異なるもので、COOH又は水素を表す)の基を表し;
は、同じ又は異なるものであってよく、CO及びSOから選択されており;
k、l、m、n及びoは、同じ又は異なるものであってよく、0、1又は2であり、ここで pk+l+m+qn+roの合計は、少なくとも1、殊に少なくとも2、例えば2、3、4、5又は6であり;
p、q及びrは相互に無関係に、0又は1であり、ここで、p+q+rの合計は、有利に1又は2である]。
【0007】
このようなアニオン性アゾ染料は、冒頭に引用の技術水準から、かつ例えばカラーインデックス(Colour-index、Detabase Producer,Society of Dyers and Colourists and American Association of Textile Chemists and Colourists, Datastock inclusive July 1999)から酸性染料としても公知であり、皮革染色のために種々提案されている。
その染料アニオンが式Iによって記載されるアニオン性アゾ染料並びにそのアニオン性遷移金属錯体は、対イオンとして、通常はナトリウムを有している。しかしながら、このような染料及び相応する遷移金属錯体の耐移染性(Migrationsechtheit)には、なお大いに不満がある。
【0008】
意外にも、このような染料及び染料遷移金属錯体は、染料アニオンI又はIの遷移金属錯体の中和のために必要であるカチオンがリチウム及びナトリウムを1:19〜4:1のモル比、殊に1:9〜3.5:1のモル比で含有する場合に、改善された耐移染性を有することが発見された。
【0009】
従って、本発明は、皮革染色のために、塩の形の酸基少なくとも1個及びアゾ基少なくとも2個を有し、その染料アニオンが一般式Iによって記載され、リチウムイオンとナトリウムイオンとを1:19〜4:1のモル比で、殊に1:9〜3.5:1のモル比で含有するアニオン性アゾ染料を使用することに関する。
【0010】
本発明により保持すべきNaイオン対Liイオンのモル比は、常に染料中に含有されている遊離カチオンの合計量に関連する。この場合に、前記のリチウムイオンとナトリウムイオンは、通常、染料中に含有される遊離の即ち錯結合していないカチオンの少なくとも90%、及び少なくとも95%になる。錯結合していないカチオンは、染料アニオンI中のアニオン基を中和し、並びに製造限定的に場合により染料中に存在する無機カチオン、例えばクロリド、ニトレート又はスルフェートを中和する役割を有する。
【0011】
この染料は、リチウム及びナトリウムとは異なる対イオンを、染料中に存在する遊離の、即ち錯結合していないカチオンの全量に対して10モル%より少なく、殊に5モル%より少なく含有するのが有利である。当然この染料は、染料アニオンIと共になお他のアニオンを含有することができ、この際、これは、製造限定的に、通常は無機酸の無機アニオン、例えばクロリド、ニトレート、スルフェート等である。これらのアニオンの中和のために必要であるカチオン分は、通常は、染料中に含有する遊離カチオンの70モル%を超えない、殊に50モル%を超えない。
【0012】
染料アニオンが有することのできる最大電荷は、染料アニオン中のアニオン基Aの数に相当することは自明である。しかしながら、この染料アニオンは、染料中に部分中和された形で存在することもでき、この際には、通常、染料中に含有する染料アニオンは、典型的に、少なくとも1の正味電荷(Nettladung)を有する。
【0013】
本発明による使用のために、前記のアニオン性アゾ染料の遷移金属錯体、殊に周期律表第VI〜X族の遷移金属、ここでは殊にCu、Cr、Fe、Ni、Co、Mn、Zn及びCdの錯体も好適である。この金属錯体中の遷移金属と染料アニオンとのモル比は、この錯体に典型的な化学量論に相当し、通常は2:1〜1:2の範囲内にある。通常、遷移金属イオンの錯体生成は、アニオン基Aを介して行われのではなく、脱プロトン化されたヒドロキシル基及びアミノ基を介して行われるので、金属イオンの正の電荷は、通例、染料アニオンIの電荷中和のために寄与しないか又は部分的にのみ寄与し、その結果この金属錯体は、染料中に含有するアルカリ金属イオンによって中和される負の全電荷を有する。
【0014】
このようなアゾ染料の混合物並びにこのようなアゾ染料とその遷移金属錯体との混合物及び錯体相互の混合物も明らかに好適である。
【0015】
基Q−(A、R−(A、T−(A、U−(A又はV−(Aと関連して挙げられているナフタリンから誘導される基は、例えば式II:
【0016】
【化3】

[式中、R及びRは相互に独立して、水素又は前記の置換基として挙げられている基の一つ、殊に水素、OH、NH又はNHC(O)Rを表し、ここで、Rは水素、C〜C−アルキル又はフェニルを表す]の基を表す。式II中でs及びtは0又は1であり、ここで、s+tの合計は値1又は2を有する。式IIの基の例は、スルホン化されたα−ナフトール、例えば4−ヒドロキシスルホニル−α−ナフトール、アズリン酸(5−ヒドロキシスルホニル−α−ナフトール)、エプシロン酸(3,8−ビス(ヒドロキシスルホニル)−α−ナフトール)、3,6−ビス(ヒドロキシスルホニル)−α−ナフトール、4,8−ビス(ヒドロキシスルホニル)−α−ナフトール、3,6−ビス(ヒドロキシスルホニル)−8−ヒドロキシ−α−ナフトール、スルホン化されたβ−ナフトール、例えば6−ヒドロキシスルホニル−β−ナフトール、8−ヒドロキシスルホニル−β−ナフトール、3,6−ビス(ヒドロキシスルホニル)−β−ナフトール、3,8−ビス(ヒドロキシスルホニル)−β−ナフトール、スルホン化されたα−ナフチルアミン、例えば5−アミノナフタリン−1−スルホン酸、5−アミノナフタリン−2−スルホン酸(=ナフチルアミンスルホン酸−1,6=クレブ酸 6)、ナフチルアミンスルホン酸−1,7(=クレブ酸7)、4−アミノナフタリン−1−スルホン酸、スルホン化されたβ−ナフチルアミン、例えば2−アミノナフタリン−1−スルホン酸、2−アミノナフタリン−5−スルホン酸、2−アミノナフタリン−6−スルホン酸、2−アミノナフタリン−4,8−ジスルホン酸、2−アミノナフタリン−5,7−ジスルホン酸、2−アミノナフタリン−3,6−ジスルホン酸、スルホン化されたアミノヒドロキシナフタリン及びアシル化された誘導体、例えばH−酸(=8−アミノ−3,6−ビスヒドロキシスルホニル−α−ナフトール)、アセト−H−酸(=8−アセチルアミノ−3,6−ビスヒドロキシスルホニル−α−ナフトール)、ベンゾイル−H−酸(=8−ベンゾイルアミノ−3,6−ビスヒドロキシスルホニル−α−ナフトール)、K−酸(=8−アミノ−3,5−ビスヒドロキシスルホニル−α−ナフトール)、アセト−K−酸(=8−アセチルアミノ−3,5−ビスヒドロキシスルホニル−α−ナフトール)、ベンゾイル−K−酸(=8−ベンゾイルアミノ−3,5−ビスヒドロキシスルホニル−α−ナフトール)、7−アミノ−3−ヒドロキシスルホニル−α−ナフトール、8−アミノ−5−ヒドロキシスルホニル−α−ナフトール、8−アミノ−5,7−ビスヒドロキシスルホニル−α−ナフトール、J−酸(=6−アミノ−3−ヒドロキシスルホニル−α−ナフトール)、メチル−J−酸(=6−メチルアミノ−3−ヒドロキシスルホニル−α−ナフトール)又はM−酸(=5−アミノ−3−ヒドロキシスルホニル−α−ナフトール)、殊にH−酸、アセト−H−酸、ベンゾイル−H−酸、K−酸、J−酸、プルプリンから誘導されるものである。
【0017】
基Q−(A、R−(A、T−(A、U−(A又はV−(Aと関連して挙げられているジフェニルアミン、フェニルアミノスルホニルベンゼン及びフェニルアミノカルボニルベンゼンから誘導される基は、例えば式III:
【0018】
【化4】

[式中、R及びRは相互に無関係に、水素又は置換基として挙げられている基の一つを表す]の基を表す。Bが単結合である場合には、vは1が有利である。Bが基CO又はSOを表す場合には、v=0であるのが有利である。従って、R及びRは、殊に水素を表す。式IIIの基の例は、2−(4−アミノフェニル)アミノ−5−ニトロベンゼンスルホン酸又はフェニルアミノスルホニルベンゼンから誘導されるものである。
【0019】
基Q−(A、R−(A、T−(A、U−(A又はV−(Aと関連して挙げられているジフェニルメタンから誘導される基は、例えば式IVa:
【0020】
【化5】

[式中、Aは前記のものを表し、R及びRは相互に無関係に、水素又は置換基として挙げられている基、殊に水素、OH又はC〜C−アルキルを表し、x、yは相互に無関係に0又は1を表す]の基を表す。この例は、2,2’−ジヒドロキシ−3,3’−ジカルボキシル−ジフェニルメタン;2,2’−ジメチル−ジフェニルメタン及び2,2’−ジカルボキシル−ジフェニルメタンから誘導される基である。
【0021】
基Q−(A、R−(A、T−(A、U−(A又はV−(Aと関連して挙げられているフェニルから誘導される基は、例えば式V:
【0022】
【化6】

[式中、R、R及びRは相互に無関係に、水素又は置換基として挙げられている基の一つを表し、wは0、1又は2を表す]の基を表す。wが0である場合には、殊に、基R、R又はRの一つは、水素とは異なっている。水素とは異なる基の有利なものは:ニトロ、OH、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキル、ハロゲン、アミノ、C〜C−アルキルアミノ、ジ−C〜C−アルキルアミノ及びC〜C−アルキルカルボニルアミノである。式Vの有利な基の例は、ベンゼンスルホン酸、1,3−ベンゼンジスルホン酸、2−、3−又は4−ニトロベンゼンスルホン酸、ニトロベンゼン、フェノール、2−、3−又は4−ニトロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、4−ニトロフェノール−6−スルホン酸、レゾルシン、トルエン、アニリン、アニソール、安息香酸、m−又はp−ジアミノベンゼン、メタミン又はメタミン酸から生じるものである。
【0023】
ピラゾール、チアゾール、イソチアゾール、トリアゾール又はチオジアゾールから誘導される基の例には、3−メチルピラゾール−5−オン、1−フェニル−3−メチルピラゾール−5−オン、1−(4−ヒドロキシスルホニルフェニル)−3−メチルピラゾール−5−オン、1−(4−ヒドロキシスルホニル−2−メチルフェニル)−3−メチルピラゾール−5−オン、1−(4−ヒドロキシスルホニルフェニル)−3−カルボキシルピラゾール−5−オン、1−(2,5−ビスヒドロキシスルホニルフェニル)−3−メチルピラゾール−5−オン、トリアゾールカルボン酸、ベンズチアゾール、インダゾール、5−ニトロベンズイソチアゾール、5−ニトロ−7−ブロム−2,1−ベンズイソチアゾール又は5−フェニルチアジアゾールから誘導される基が包含される。
【0024】
本発明の有利な1実施形は、アニオン性アゾ染料及びその金属錯体(この際、式Iの染料アニオン中のSは式Aの基を表し、ここで、X及びYは前記のもの、殊にOHを表す)の使用である。
【0025】
本発明の他の有利な実施形では、Sは式B.1、B.2、B.3又はB.4:
【0026】
【化7】

[式中、*はアゾ基への結合を意味し、ここで、式B.1及びB.2中のR、Rは前記のものを表し、殊に相互に無関係に、H、C〜C−アルキル又はOHを表す]の基を表す。
【0027】
本発明の有利な1実施形において、基Q−(A、R−(A、T−(A、U−(A又はV−(Aの少なくとも一つ及び殊にこれらの基の1つ又は2つは、前記の一般式II:
【0028】
【化8】

[式中、R及びRは相互に無関係に、水素、OH、NH又はNHC(O)Rを表し、ここで、Rは水素、C〜C−アルキル又はフェニルを表し、s及びtは0又は1を表し、s+tの合計は値1又は2を有する]によって記載される。殊に基R−(Aは式IIの基を表す。従って、その中の染料アニオンが式Iaを有する染料又はその錯体が特別に好ましい:
【0029】
【化9】

【0030】
式Ia中で、R、R、A、S、T、U、V、k、m、n、p、q、o、rは、前記のものを表す。変数a及びbは相互に無関係に、0又は1であり、s及びtは、相互に無関係に0又は1であり、この際、s+tの合計は値1又は2を有する。式Ia中のrは0であるのが有利である。p+q+rの合計は、値0又は1、殊に1であるのが有利である。
【0031】
式I及びIa中で、T−(Aは、式III又はVの基を表すのが有利である。式I及びIa中で、p=1を表し、基Q−(Aは、式III又はVの基を表すのが有利である。U−(Aは、式Vの基を表すのが有利である。
【0032】
本発明により特に好ましいアゾ染料の例は、その中のアニオンI又はIaが次の式Ia.1、Ia.2、Ia.3、Ia.4、Ia.5、I6.a又はIa.7を有するものである:
【0033】
【化10】

【0034】
【化11】

【0035】
式Ia.1〜Ia.8中で、変数R、R、R、R、A、T、U、V、k、m、n及びpは前記のものを表す。変数s及びtは相互に無関係に、0又は1であり、ここで、s+tの合計は値1又は2を有する。式Ia.4中で、R及びRは相互に無関係に、有利にH又はOHを表すのが有利である。
【0036】
式Ia.1〜Ia.8中で、T−(Aは、式III又はVの基を表すのが有利である。式Ia.1、Ia.4及びIa.6中で、Q−(Aは、式III又はVの基、殊に式Vの基を表すのが有利である。式Ia.6中でQ−(Aは殊に式Vの基を表す。式Ia.6中で、T−(Aは、殊に式Vの基を表す。式Ia.7及びIa.8中で、T−(Aは、殊に式IIの基を表す。変数pは、殊に0である。p≠0である場合に、Q−(Aは、殊に式Vの基を表す。
【0037】
式I及びIaの化合物としては、殊に、その中の基Q−(A、R−(A、T−(A、U−(A又はV−(Aの少なくとも1個が次の一般式IIIaによって記載されるような化合物も好ましい:
【0038】
【化12】

[式中、R及びRは相互に無関係に、水素、OH、NH、NO、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ヒドロキシアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルアミノ、C〜C−ジアルキルアミノ、C〜C−アルキルアミノカルボニル、C〜C−ジアルキルアミノカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、N−(C〜C−アルキルカルボニル)−N−(C〜C−アルキルカルボニル)アミノ又はN−結合5員又は6員の飽和窒素ヘテロ環を表す]。R−(A又はT−(Aが式IIIaの基を表す場合には、これらは、更にアゾ基を介して結合している基Q−(A又はU−(Aを有しないのが有利である。式IIIa中で、Rは殊に水素を表す。Rは殊にNOを表す。
【0039】
本発明のもう一つの有利な実施形では、式I中のSが式Ib.1の基を表す。ここで、次に記載の一般式Ibの染料(ここで、基Q−(A、R−(A、T−(A及びU−(Aは先に記載のものを表す)が有利である。殊にp及び/又はqに関連して、基Q−(A及びU−(Aは、一般式Vの基から誘導される:
【0040】
【化13】

【0041】
式Ib中で、A、Q、R、R、R、T、U、k、l、m、n、p及びqは、前記のものを表す。変数x及びyは相互に無関係に、0又は1を表す。p及び/又はqが0に等しくない場合には、Q−(A及びU−(Aはベンゼンから誘導される式Vの基を表すのが有利である。R−(A及びT−(Aは相互に無関係に、ベンゼンから誘導される式Vの基、式IIIaの基又はナフタリンから誘導される式IIの基を表すのが有利である。
【0042】
式Ibのアゾ染料の例は、一般式Ib.1、Ib.2、Ib.3の染料である:
【0043】
【化14】

【0044】
式Ib.1〜Ib.3中で、m、n、s、t、x、y、A、Q、U、R、R、R、R、R及びRは前記のものを表す。式Ib.3中で、k及びnは殊に1を表す。Aは、殊にSOを表す。Q−(A及びU−(Aは、殊にw=1を有する式Vの基を表す。
【0045】
更に、式中のSが式Aの基を表し、基Q−(A、R−(A及びT−(A、U−(A及びV−(Aが式III又はVの基を表すアゾ染料及びその金属錯体を使用するのが有利である。これには、殊に式中のp及び/又はqが0又は1、殊に0である化合物が挙げられる。この染料中で、式Iのアニオンは、殊に式Icによって表示することができる:
【0046】
【化15】

[式中、A、k、l、m、n、o、p及びrは前記のものを表し、R及びTは相互に無関係に、ベンゼン又はジフェニルアミンから誘導される基を表し、V及びQは相互に無関係に、ベンゼンから誘導される基を表し、ここで、R、T、Q及びVは場合により存在するアニオン基Aと共に場合によって次の基の1個以上を置換基として有していてもよい:OH、NH、NO、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ヒドロキシアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルアミノ、C〜C−ジアルキルアミノ、C〜C−アルキルアミノカルボニル、C〜C−ジアルキルアミノカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、N−(C〜C−アルキルカルボニル)−N−(C〜C−アルキルカルボニル)アミノ。R−(A及びT−(Aは、殊に式III、殊にIIIaの基又は式Vの基を表す。p=1である場合に、Q−(Aは殊に式Vの基を表す。r=1である場合に、V−(Aは殊に式Vの基を表す。p+rは殊に0又は1である。
【0047】
本発明により使用するための染料及びその金属錯体の製造は、自体公知の方法で、少なくとも2つの連続して実施すべきアゾカップリングを包含する多段ジアゾ化/カップリング−シーケンスに従って行われ、この際、少なくとも実施すべき最後のアゾカップリングを、水性反応媒体(これは、反応媒体中に含有する金属イオンに対して少なくとも90モル%のナトリウムイオン及びリチウムイオンを、95:5〜20:80のNa:Liモル比で含有する)中で実施する。
【0048】
言い換えると、染料アニオンIの製造は、次の工程を内容とする:
i)第1工程で、第1の芳香族アミンのジアゾ化又は芳香族ジアミンのテトラアゾ化及びこうして得られたジアゾニウム化合物をカップリング成分1モル当量に、又はテトラアゾニウム化合物をカップリング成分1〜2モル当量にカップリングさせる、この際、アゾ染料又はジスアゾ染料が得られる、かつ
ii)第2工程で、更にジアゾ化されたアミンの少なくとも1種を第1工程で得られた染料上にカップリングさせる。
【0049】
工程ii)は、更なるアゾカップリングを、例えば工程ii)で得られた染料へのジアゾニウム化合物のカップリング又は染料中に存在する1級アミノ基のジアゾ化及びこうして得られたジアゾニウム化合物のカップリング成分へのカップリングによって行うことができる。
【0050】
ここで及び以後における概念「モル当量」は、反応の化学量論に関連している。しかしながら、個々の反応成分は、所望の化学量論に対して過剰でも過少でも使用することができる。所望の化学量論からのずれは、通常は20モル%を超えず、殊に10モル%を超えない。言い換えれば、ジアゾニウム成分とカップリング成分との反応の際に、双方の成分のモル比は1:1.2〜1.2:1の範囲、殊に1.1:1〜1:1.1の範囲内にある。テトラアゾニウム化合物と2モル当量のカップリング成分との反応の場合に、このカップリング成分は、相応してテトラアゾニウム化合物1モル当たり1.6〜2.4モルの量で、殊に1.8〜2.2モルの量で使用される。
【0051】
ジアゾ化及びカップリングのために必要である反応条件は、当業者にとっては例えば冒頭に引用されている技術水準から充分に公知である。これは、通常、水性反応媒体中で行われる。
【0052】
ジアゾ化及びこの場合に得られるジアゾニウム−又はテトラアゾニウム化合物のカップリングは、通常は水性反応媒体中で、pH−コントロール下に、公知方法で行われる。リチウムイオンをリチウム塩基、例えば水酸化リチウム又は炭酸リチウムの形で、カップリングの前のpH−調節のために及び/又はカップリングの間のpH−コントロールのために、染料中に導入するのが有利である。殊に、少なくとも1つのカップリング工程の間のナトリウムイオンとリチウムイオンとのモル比は、95:5〜20:80の範囲、殊に1:9〜7:3の範囲内にある。反応混合物中に含有する錯結合していない金属−カチオンの10モル%未満、殊に5モル%未満がナトリウム−及びリチウムイオンとは異なっているのが有利である。
【0053】
ジアゾ化/カップリングシーケンスに続いて、遷移金属錯体の製造のために、所望の遷移金属塩を、適当な有利には水溶性塩の形で、化学量論的に所望の量で加え、かつ、場合によっては錯体生成のために必要な温度、例えば40〜100℃の範囲の温度まで加熱することができる。
【0054】
式Iの染料アニオンが次の工程を包含する方法によって得られる染料を使用することが特に好ましい:
i)水性反応媒体中での、一般式A又はBのカップリング成分上への、アニオン基A少なくとも1個及びジアゾニウム基1個を有する第1のジアゾニウム化合物D1のカップリング(この際、有利にアニオン基少なくとも1個及びアゾ基少なくとも1個を有するアゾ染料A1が得られる)及び
ii)工程i)で得られた水性反応混合物中での、アゾ染料A1上への、場合によりアニオン基A1個以上及びジアゾニウム基1個又は2個を有する第2のジ−又はテトラアゾニウム成分D2のカップリング、及び場合により
iii)工程ii)で得られた水性反応混合物中での、工程ii)で得られたアゾ染料上への、場合によりアニオン基A1個以上及びジアゾニウム基少なくとも1個を有する第3のジアゾニウム成分D3少なくとも1種のカップリング、又は工程ii)でテトラアゾニウム成分が使用された場合には、工程ii)で得られたアゾ染料上へのカップリング成分のカップリング、
この際、水性反応混合物は、少なくともカップリング工程ii)又はiii)の最後に、リチウムイオンを、反応混合物中に含有している錯結合していない金属カチオンの全量に対して5〜80モル%、殊に10〜70モル%の量で含有している。
【0055】
この方法は、殊に式中の基Sが式A又はB.2の基を表すアゾ染料の製造のために好適である。従って、ジアゾニウム成分D1は基R又はTに相当し、ジアゾニウム成分D3は基T、R、U及びQに相当する。言い換えると、ジアゾニウム化合物D1は、一般式
(A−R−N、(A−T−N、(A−Q−N=N−[(A−R]−N又は(A−U−N=N−[(A−T]−N(ここで、k、l、m、n、A、Q、R、T及びUは前記のものを表す)の化合物である。相応して、ジアゾニウム成分D2は、(A−R−N、(A−T−N、(A−Q−N又は(A−U−Nであり、テトラアゾニウム成分D2は、−[(A−R]−N又は−[(A−T]−Nである。相応して、ジアゾニウム成分D3は、(A−V−N又は(A−Q−N又は(A−U−Nである。
【0056】
更に、中の式Iの染料アニオンが次の工程を包含する方法によって得られている染料を使用するのが特に好ましい:
i)アルカリ金属カチオンを含有する水性反応媒体中での、カップリング成分K1上への、場合によりアニオン基A1個又は2個を有していてよくジアゾニウム基2個を有するテトラアゾニウム化合物T1のカップリング(この際、場合により酸基1個以上、アゾ基1個及びジアゾニウム基1個を有するか又はアゾ基2個を有するアゾ染料A2が得られる)、及び
ii)工程i)で得られた水性反応混合物中での、アゾ染料A2上への、場合によりアニオン基A1個以上及びジアゾニウム基少なくとも1個を有する第2のアゾニウム成分D4のカップリング又はカップリング成分K2 1モル当量上への工程i)で得られたジアゾニウム化合物のカップリング、及び場合により
iii)工程ii)で得られた水性反応混合物中での工程ii)で得られたアゾ染料上への、場合によりアニオン基A1個以上及びジアゾニウム基1個を有する第3のジアゾニウム成分D5少なくとも1種のカップリング又はカップリング成分3 1モル当量上への工程ii)で得られたジアゾニウム化合物のカップリング、
この際、水性反応混合物は、少なくともカップリング工程ii)又はiii)の最後に、リチウムイオンを、反応混合物中に含有されている錯結合していないカチオンの全量に対して5〜80モル%、殊に10〜70モル%の量で含有している。
【0057】
この方法は、殊に式中のSが式B.1、B.3又はB.4の基を表すアゾ染料の製造のために好適である。テトラアゾニウム成分T1は基Sに相当し、カップリング成分は基R
及びTに、かつジアゾニウム成分D4及びD5は基Q、V及びUに相当する。言い換えると、テトラアゾニウム化合物は、一般式−S−N(ここで、Sは式B.1、B.3又はB.4の基を表す)を有する。カップリング成分K1は、式(A−R、(A−T、(A−Q−N=N−R−(A又は(A−U−N=N−T−(Aに応答する。相応して、ジアゾニウム成分D4は、(A−R−N、(A−T−N、(A−Q−N又は(A−U−Nであり、カップリング成分K2は、タイプ(A−R、(A−T、(A−Q又は(A−Uの化合物である。
【0058】
相応してジアゾニウム成分D5は、(A−Q−N、(A−U−N又は(A−V−Nを表す。
【0059】
水性反応混合物からの染料の取得は、自体慣用の方法で、例えば蒸発濃縮、殊に水性反応混合物のスプレー乾燥、染料の塩析及び圧縮品の乾燥によって行われる。染料の液体製品又は液体処方物の製造のために、染料圧縮ケーキを、又は蒸発濃縮又はスプレー乾燥の際に得られる染料粉末を溶解させることができる。反応溶液から直接に、又は限外濾過及びスプレー乾燥によって染料の液体処方物を製造することも可能である。次いで場合により、充分に高い染料濃度及び液体調整の安定性のために、製造時に生じる無機塩を減少させ、溶液を濃縮させるために、透析−及び/又は限外濾過プロセスを実施することが必要である。
【0060】
本発明により使用すべき染料を、原則的に全てのタイプの皮革、即ち再なめしされていない半製品、例えば金属酸化物なめしされた革及び有機又は植物なめしされた革、並びに再なめしされた半製品、例えばバーク(Borke;bark)又はクラストレザー(Crustleder; crust leather)に適用することができる。
【0061】
従って本発明は、革を染料含有水性浴(これは、アニオン性アゾ染料又はここに記載の種類のアニオン性アゾ染料のアニオン性遷移金属錯体少なくとも1種を含有する)で処理する、皮革の染色法にも関する。
【0062】
再なめし、加脂及び後処理を包含する皮革染色は、自体公知の方法で、例えばドラム中、パドル中での染色、ブラッシュ染色又はスプレー染色によって行われる。このような方法は、技術水準文献中に充分記載されている:例えば”Bibliothek des Leders", Band 3 (Gerbmittel,Gerbung und Nachgerbung)[1985],Band 4 (Entfetten,Fetten und Hydrophobieren bei der Lederherstellung)[1987] & Band 5 (Das Faerben von Leder) [1987] Umschau Verlag; "Leather Technicians Handbook", 1983, von J.H. Sharphouse,Leather Producers Association 発行;及び”Fundamentals of Leather Manufacturing" ,1993, von E.Heidenmann, Eduard Roether KG発行。
【0063】
染色は、なめしの後、即ち再なめしの間にも、再なめしに引続いても、同じ浴中でも別の浴中でも行うことができる。再なめしの間に染色を行うのが有利である。通常、染色工程に加脂工程が続く。しかしながら、再なめし、染色及び加脂を、1プロセス工程で実施することもできる。通常、染色も加脂及び再なめしも、このプロセスの終りに、酸処理によって固定される、即ち、染色及び場合による再なめし及び加脂の後に引続く酸処理が行われる。通常は、酸処理のために水性処理浴のpH値を、酸、殊に蟻酸の添加によって3.5を超える値まで調節する。この場合に固定される。この固定は、このために慣用の固定助剤(ここで、これは、通常、カチオン性ポリマーである)の使用によって改善することができる。
【0064】
染色は、通常は水性浴中で行われる。このために通常は、染料が、使用皮革のシェービング革重量(Falzgewicht)に対して1〜12質量%の量で使用される。この浴は、慣用のアニオン性染色助剤、非イオン性表面活性物質並びに再なめしのために通常使用されるなめし剤、例えばポリマー再なめし剤(polymere Nachgerbstoff)、植物なめし剤(Vegetabilgerbstoffe)及び加脂液(Fettlicker)を含有することができる。
【0065】
本発明により使用される染料を用いる染色は、pH<7、殊にpH6.5〜pH3で行うのが有利である。
【0066】
本発明により使用される染料は、高い耐発汗性、耐光性、染色堅牢度と共に、殊に改良された耐移染性によって優れている、即ち接触材料上への色移り又は汚染は、高い湿気及び高い温度、即ち50℃を上まわる、例えば60〜100℃でも、本発明による範囲外のリチウムイオン分を有する染料の場合よりも非常に僅かな程度で起こる。
【0067】
次の実施例につき本発明を説明する。以下において、式Iの染料アニオンは、遊離酸の形で記載されている。記載のリチウムとナトリウムとの比は、例えば元素分析によって測定された染料中のモル比である。
【0068】
I.製造例
例1:
【0069】
【化16】

【0070】
1)H−酸(8−アミノ−3,6−ビス(ヒドロキシスルホニル)−α−ナフトール)1モルを、25質量%苛性ソーダ中に溶かし、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いて、pH<1及び0〜5℃の温度でジアゾ化した。3,3’−ジヒドロキシジフェニルアミン0.9〜1.1モルを、50質量%苛性ソーダ中に、pH値>12で溶かし、この溶液に10℃未満の温度で、ジアゾ化されたH−酸を30分かかって滴加し、この際、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によりpHを9より上に保持した。カップリング完了の後に、塩酸(21質量%)の添加によりpH値を5.5〜6.5に調節した。
【0071】
2)水中に2−(4−アミノフェニル)アミノ−5−ニトロベンゼンスルホン酸0.9〜1.1モルを懸濁させ、過剰の亜硫酸ナトリウム及び塩酸を用いて、pH<1及び0〜5℃の温度でジアゾ化し、こうして得られた反応混合物を引き続き、工程1)で得られた反応混合物中に加えた。pH値を、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によりpH5.5〜6.5の範囲内に保持した。このカップリングの間の温度は、15〜25℃であった。
【0072】
3)p−アニシジン1モルを、pH<1及び0〜5℃の温度で、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いてジアゾ化し、工程2)で得られた反応混合物中に滴加する、この際、pH値を水性水酸化リチウム(10質量%)で5.5〜6.5の間に保持した。この反応混合物の温度は20〜25℃であった。このカップリングの後に反応混合物を蒸発濃縮させると、染料が得られた。
【0073】
染料中のLi/Na比:58/42 。
【0074】
例2
【0075】
【化17】

【0076】
1)J−酸1モルを苛性ソーダ(25%)中に溶かし、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いて、pH<1及び0〜5℃の温度でジアゾ化した。3,3’−ジヒドロキシジフェニルアミン0.9〜1.1モルを、50質量%苛性ソーダ中に、pH値>12で溶かし、この溶液に、10℃未満の温度で、ジアゾ化されたJ−酸を30分かかって滴加し、この際、水性水酸化リチウムの添加によりpHを9より上に保持した。カップリング完了の後に、塩酸(21%)の添加によりpH値を5.5〜6.5に調節した。
【0077】
2)水中に2−(4−アミノフェニル)アミノ−5−ニトロベンゼンスルホン酸0.9〜1.1モルを懸濁させ、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いて、pH<1及び0〜5℃の温度でジアゾ化し、こうして得られた反応混合物を、引き続き、工程1)で得られた反応混合物中に加えた。pH値を、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によりpH5.5〜6.5の範囲内に保持した。このカップリングの間の温度は、15〜25℃であった。
【0078】
3)p−ニトロアニリン1モルを塩酸(21質量%)中に溶かし、その後、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いて、pH<1及び0〜5℃の温度でジアゾ化し、工程2)で得られた反応混合物中に滴加し、この際、pH値を水酸化リチウム(10%)により5.5〜6.5の間に保持した。この反応混合物の温度は20〜25℃であった。カップリングの後にこの反応混合物を蒸発濃縮させると、染料が得られた。
【0079】
染料中のLi/Na比:57/43 。
【0080】
例3
【0081】
【化18】

【0082】
1)H−酸1モルを、25質量%苛性ソーダ中に溶かし、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いて、pH<1及び0〜5℃の温度でジアゾ化した。レゾルシン0.9〜1.1モルを、50質量%苛性ソーダ中に、pH値>12で溶かし、この溶液に、ジアゾ化されたH−酸を10℃未満の温度で、30分かかって滴加し、この際、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によりpHを9より上に保持した。カップリング完了の後に、塩酸(21質量%)の添加によりpH値を4.5〜5.5に調節した。
【0083】
2)水中に2−(4−アミノフェニル)アミノ−5−ニトロベンゼンスルホン酸0.9〜1.1モルを懸濁させ、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いて、pH<1及び0〜5℃の温度でジアゾ化し、こうして得られた反応混合物を引き続き、工程1)で得られた反応混合物中に加えた。pH値を、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によりpH4.0〜5.5の範囲内に保持した。このカップリングの間の温度は、15〜25℃であった。
【0084】
3)p−ニトロアニリン0.9〜1.1モルを塩酸(21質量%)中に溶かし、その後、過剰の亜硝酸ナトリウムを用いて、pH<1及び0〜5℃の温度でジアゾ化し、工程2)で得られた反応混合物中に滴加し、この際、pH値を水性水酸化リチウム(10%)により5.5〜6.5の間に保持した。この反応混合物の温度は20〜25℃であった。このカップリングの後にこの反応混合物を蒸発濃縮させると、染料が得られた。
【0085】
染料中のLi/Na比:50/50 。
【0086】
例4
【0087】
【化19】

【0088】
1)H−酸1モルを、25質量%苛性ソーダ中に溶かし、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いて、pH<1及び0〜5℃の温度でジアゾ化した。レゾルシン0.9〜1.1モルを、50質量%苛性ソーダ中にpH値>12で溶かし、この溶液にジアゾ化されたH−酸を10℃未満の温度で、30分かかって滴加し、この際、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によりpHを9より上に保持した。カップリング完了の後に、塩酸(21質量%)の添加によりpH値を5.5〜6.5に調節した。
【0089】
2)水中に2−(4−アミノフェニル)アミノ−5−ニトロベンゼンスルホン酸1.9〜2.1モルを懸濁させ、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いて、pH<1及び0〜5℃の温度でジアゾ化し、引き続き、こうして得られた反応混合物を、工程1)で得られた反応混合物中に加えた。pH値を、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加により5.5〜6.5の範囲内に保持した。このカップリングの間の温度は、15〜25℃であった。このカップリングの後に反応混合物を蒸発濃縮させると、染料が得られた。
【0090】
染料中のLi/Na比:38/62 。
【0091】
例5
【0092】
【化20】

【0093】
1)アントラニル酸1モルを硫酸(96%)中に70〜80℃の温度で溶かし、ホルムアルデヒド0.6モルと反応させた。70〜80℃で2時間後に、反応混合物を氷の添加によって約0℃まで冷却させ、得られた生成物を、pH<1及び0〜5℃の温度で、過剰の亜硝酸ナトリウムを用いてテトラアゾ化した。レゾルシン0.9〜1.1モルを50質量%苛性ソーダ中にpH値>12で溶かし、この溶液にテトラアゾ化された化合物を、5℃未満の温度で30分かかって滴加し、この際、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によってpHを8.5より上に保持した。
【0094】
2)スルファニル酸1モルを、pH<1及び0〜5℃の温度で、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いてジアゾ化し、工程1)で得られた反応混合物中に滴加した。pH値を、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によって8.5より上に保持し、この際、5〜10℃の温度を保持した。反応終了後に、pH値を塩酸(21質量%)で4.5〜5.0に調節し、染料を蒸発濃縮させた。
【0095】
染料中のLi/Na比:55/45 。
【0096】
例6: 例5で遊離酸として製造された染料アニオンの2:1銅錯体
1)アントラニル酸1モルを硫酸(96%)中に70〜80℃の温度で溶かし、ホルムアルデヒド0.6モルと反応させた。70〜80℃で2時間後に、反応混合物を氷の添加によって約0℃まで冷却させ、得られた生成物を、pH<1及び0〜5℃の温度で、過剰の亜硝酸ナトリウムを用いてテトラアゾ化した。レゾルシン0.9〜1.1モルを50質量%苛性ソーダ中にpH値>12で溶かし、この溶液にテトラアゾ化された化合物を、5℃未満の温度で30分かかって滴加し、この際、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によってpHを8.5より上に保持した。
【0097】
2)スルファニル酸1モルを、pH<1及び0〜5℃の温度で、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いてジアゾ化し、工程1)で得られた反応混合物中に滴加した。pH値を、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加により8.5より上に保持し、この際、5〜10℃の温度を保持した。反応終了後に、反応溶液を80℃まで加熱し、CuSO2モルを添加した。引き続き、この錯体化された染料を蒸発濃縮させた。
【0098】
染料中のLi/Na比:55/45 。
【0099】
例7: 以下に遊離酸として示されている染料アニオンの2:1銅錯体
【0100】
【化21】

【0101】
1)アントラニル酸1モルを硫酸(96%)中に70〜80℃の温度で溶かし、ホルムアルデヒド0.6モルと反応させた。70〜80℃で2時間後に、反応混合物を氷の添加によって約0℃まで冷却させ、得られた生成物を、pH<1及び0〜5℃の温度で、過剰の亜硝酸ナトリウムを用いてテトラアゾ化した。レゾルシン0.9〜1.1モルを50質量%苛性ソーダ中にpH値>12で溶かし、この溶液にテトラアゾ化された化合物を、5℃未満の温度で30分かかって滴加し、この際、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によってpHを8.5より上に保持した。
【0102】
2)ジスルファニル酸1モルを、pH<1及び0〜5℃の温度で過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いてジアゾ化し、工程1)で得られた反応混合物中に滴加した。pH値を、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加により8.5より上に保持し、この際、5〜10℃の温度を保持した。反応終了後に、反応溶液を80℃まで加熱し、CuSO2モルを添加した。引き続き、得られた反応混合物を蒸発濃縮させると、錯体化された染料が得られた。
【0103】
染料中のLi/Na比:55/45 。
【0104】
例8: 以下に遊離酸として示されている染料アニオンの1:1鉄錯体
【0105】
【化22】

【0106】
1)ピクラミン酸ナトリウム(6−アミノ−2,4−ジニトロフェノール−ナトリウム塩)1モルを、pH<1及び0〜5℃の温度で、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いてジアゾ化した。レゾルシン0.9〜1.1モルを50質量%苛性ソーダ中にpH値>12で溶かし、この溶液に、ジアゾ化されたピクラミン酸ナトリウムを10℃未満の温度で30分かかって滴加し、この際、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によってpHを9より上に保持した。カップリング完了の後に、塩酸(21質量%)の添加によりpH値を4.5〜5.5に調節した。
【0107】
2)クレブ酸−6(1−アミノナフタリン−6−スルホン酸)0.9〜1.1モルを水中に懸濁させ、pH<1及び及び0〜5℃の温度で、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いてジアゾ化し、工程1)で得られた反応混合物中に加えた。pH値を、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加により4.0〜5.5に保持した。このカップリングの間の温度は15〜25℃であった。反応終了後に、反応溶液を60℃まで加熱し、FeCl1モルを添加した。その後、苛性ソーダ(25%)の添加により、pH値を6.0〜6.5に高めた。錯体化された染料を蒸発濃縮させた。
【0108】
染料中のLi/Na比:28/72 。
【0109】
例9: 以下に遊離酸として示されている染料アニオンの1:1銅錯体
【0110】
【化23】

【0111】
1)スルファニル酸1モルをpH<1及び0〜5℃の温度で、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いてジアゾ化した。レゾルシン0.9〜1.1モルを50質量%苛性ソーダ中にpH値>12で溶かし、この溶液に、ジアゾ化されたスルファニル酸を10℃未満の温度で30分かかって滴加し、この際、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によってpHを9より上に保持した。反応終了の後に、塩酸水(21質量%)の添加によって反応混合物のpH値を7.0〜8.0に調節した。
【0112】
2)ピクラミン酸ナトリウム(6−アミノ−2,4−ジニトロフェノール−ナトリウム塩)0.9〜1.1モルを、pH<1及び及び0〜5℃の温度で、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いてジアゾ化し、引き続き、工程1)で得られた反応混合物中に加えた。この場合に、反応混合物のpH値を、水酸化リチウム(10質量%)の添加により7.0〜8.0に保持した。このカップリングの間に温度を15〜25℃に保持した。反応終了後に、反応溶液を60℃まで加熱し、塩酸(21質量%)の添加によってpH値を6.0〜6.5に調節した。次いで、CuSO1モルを加えた。引き続き、得られた反応混合物を蒸発濃縮させると、錯体化された染料が得られた。
【0113】
染料中のLi/Na比: 25/75 。
【0114】
例10: 以下に遊離酸として示されている染料アニオンの1:2銅錯体
【0115】
【化24】

【0116】
1)o−トルイジン酸(4−アミノ−3−メチルベンゼンスルホン酸)1モルを、pH<1及び0〜5℃の温度で、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いてジアゾ化した。レゾルシン0.9〜1.1モルを、50質量%苛性ソーダ中にpH値>12で溶かし、この溶液に、ジアゾ化されたo−トルイジン酸を10℃未満の温度で30分かかって滴加し、この際、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によってpHを9より上に保持した。反応終了の後に、反応混合物のpH値を、塩酸(21質量%)によって4.5〜5.5に調節した。
【0117】
2)アントラニル酸0.9〜1.1モルを、pH<1及び0〜5℃の温度で、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いてジアゾ化し、引き続き工程1)で得られた反応混合物に加えた。この場合に反応混合物のpH値を、水酸化リチウム(10質量%)の添加により4.0〜5.5に保持した。この反応の間の温度を15〜25℃に保持した。反応終了後に、反応溶液を60℃まで加熱し、苛性ソーダ(25質量%)の添加によりpH値を6.0〜6.5に調節した。次いで、CuSO0.5モルを添加した。引き続き、得られた反応混合物を蒸発濃縮させると、錯体化された染料が得られた。
【0118】
染料中のLi/Na比:33/67 。
【0119】
例11: 以下に遊離酸として示されている染料アニオンの1:2銅錯体
【0120】
【化25】

【0121】
1)プルプリン酸(1−アミノナフタリン−5−スルホン酸)1モルを、pH<1及び0〜5℃の温度で、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いてジアゾ化した。レゾルシン0.9〜1.1モルを50質量%苛性ソーダ中にpH値>12で溶かし、この溶液にジアゾ化されたプルプリン酸を、10℃未満の温度で30分かかって滴加し、この際、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によりpHを9より上に保持した。反応完了の後に、反応混合物のpH値を塩酸(21質量%)で4.5〜5.5に調節した。
【0122】
2)アントラニル酸0.9〜1.1モルを、pH<1及び0〜5℃の温度で、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いてジアゾ化し、引き続き工程1)で得られた反応混合物に加えた。この場合に反応混合物のpH値を、水酸化リチウム(10質量%)の添加によって4.0〜5.5に保持した。この反応の間の温度を15〜25℃に保持した。反応終了後に、反応溶液を60℃まで加熱し、苛性ソーダ(25質量%)の添加によってpH値を6.0〜6.5に調節した。次いで、CuSO0.5モルを添加した。引き続き、得られた反応混合物を蒸発濃縮させると、錯体化された染料が得られた。
【0123】
染料中のLi/Na比:31/69 。
【0124】
例12:
【0125】
【化26】

【0126】
1)H−酸1モルを25質量%苛性ソーダ中に溶かし、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いて、pH<1及び0〜5℃の温度でジアゾ化した。レゾルシン0.9〜1.1モルを50質量%苛性ソーダ中にpH値>12で溶かし、この溶液にジアゾ化されたH−酸を、10℃未満の温度で30分かかって滴加し、この際、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によってpHを9より上に保持した。カップリング完了の後に、pH値を塩酸(21質量%)の添加により4.5〜5.5に調節した。
【0127】
2)ピクラミン酸ナトリウム0.9〜1.1モルを水中に懸濁させ、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いて、pH<1及び0〜5℃の温度でジアゾ化し、引き続き工程1)で得られた反応混合物に加えた。この場合に、反応混合物のpH値を、水酸化リチウム(10質量%)の添加により4.0〜5.5に保持した。この反応の間の温度を15〜25℃に保持した。
【0128】
3)p−ニトロアニリン0.9〜1.1モルを塩酸(21%)中に溶かし、その後、過剰の亜硝酸ナトリウムを用いて、pH<1及び0〜5℃の温度でジアゾ化し、引き続き工程2)で得られた反応混合物に加えた。この場合に、反応混合物のpH値を、水酸化リチウム(10質量%)の添加により4.0〜5.5に保持した。この反応の間の温度は20〜25℃であった。引き続き、得られた反応混合物を蒸発濃縮させると、染料が得られた。
【0129】
染料中のLi/Na比: 60/40 。
【0130】
例13: 以下に遊離酸として示されている染料アニオンの1:1鉄錯体
【0131】
【化27】

【0132】
1)H−酸1モルを25質量%苛性ソーダ中に溶かし、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いて、pH<1及び0〜5℃の温度でジアゾ化した。レゾルシン0.9〜1.1モルを50質量%苛性ソーダ中にpH値>12で溶かし、この溶液に、ジアゾ化されたH−酸を10℃未満の温度で30分かかって滴加し、この際、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によってpHを9より上に保持した。カップリング完了の後に、pH値を塩酸(21質量%)の添加により4.5〜5.5に調節した。
【0133】
2)ピクラミン酸ナトリウム0.9〜1.1モルを水中に懸濁させ、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いて、pH<1及び0〜5℃の温度でジアゾ化し、引き続き、工程1)で得られた反応混合物に加えた。この場合に、この反応混合物のpH値を水酸化リチウム(10質量%)の添加により4.0〜5.5に保持した。この反応の間の温度を15〜25℃に保持した。
【0134】
3)p−ニトロアニリン0.9〜1.1モルを塩酸(21%)中に溶かし、その後、過剰の亜硝酸ナトリウムを用いて、pH<1及び0〜5℃の温度でジアゾ化し、引き続き工程2)で得られた反応混合物に加えた。この場合に、反応混合物のpH値を、水酸化リチウム(10質量%)の添加により4.0〜5.5に保持した。この反応の間の温度は20〜25℃であった。引き続き、得られた反応混合物を60℃に加熱し、苛性ソーダ(25質量%)の添加によりpH値を6.0〜6.5に調節した。その後、FeCl1モルを添加した。引き続き、得られた反応混合物を蒸発濃縮させると、錯体化された染料が得られた。
【0135】
染料中のLi/Na比: 54/66 。
【0136】
例14: 以下に遊離酸として示されている染料アニオンの1:1鉄錯体
【0137】
【化28】

【0138】
1)2−アミノ−4−ニトロフェノール1モルを、pH<1及び0〜5℃の温度で、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いてジアゾ化した。レゾルシン0.9〜1.1モルを50質量%苛性ソーダ中にpH値>12で溶かし、この溶液に、ジアゾ化された2−アミノ−4−ニトロフェノールを10℃未満の温度で30分かかって滴加し、この際、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によってpHを9より上に保持した。反応終了の後に反応混合物のpH値を塩酸(21質量%)で4.5〜5.5に調節した。
【0139】
2)4−ニトロ−2−アミノフェノール−6−スルホン酸0.9〜1.1モルを、pH<1及び0〜5℃の温度で、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いてジアゾ化し、引き続き工程1)で得られた反応混合物に加えた。この際、反応混合物のpH値を水酸化リチウム(10質量%)の添加により4.0〜5.5に保持した。この反応の間の温度を15〜25℃に保持した。反応終了後にこの反応溶液を60℃まで加熱し、pH値を苛性ソーダ(25質量%)の添加により6.0〜6.5に調節した。次いで、FeCl1モルを添加した。引き続き、得られた反応混合物を蒸発濃縮させると、錯体化された染料が得られた。
【0140】
染料中のLi/Na比:41/59 。
【0141】
例15:
【0142】
【化29】

【0143】
1)p−ニトロアニリン1モルを塩酸(21質量%)中に溶かし、その後、過剰の亜硝酸ナトリウムを用いて、pH<1及び0〜5℃の温度でジアゾ化した。これに、H−酸1モルを加え、この際、pH値を1.5より下に保持した。引き続き、反応混合物中で、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加により9〜10のpH値に調節した。
【0144】
2)4,4−ジアミノジフェニルスルファミド1モルを、pH<1及び0〜5℃の温度で、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いてテトラアゾ化し、工程1)で得られた反応混合物に加え、この際、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加により9〜10のpH値を保持した。
【0145】
3)工程2)の反応が完結した後に、m−フェニレンジアミン1モルを、工程2)で得られた反応混合物中に少量ずつ加え、この場合に水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によりpH値を9〜10に保持した。この反応の間に、温度を20〜30℃の範囲に保持した。引き続き反応混合物を蒸発濃縮させると、染料が得られた。
【0146】
染料中のLi/Na比: 45/55 。
【0147】
例16:
【0148】
【化30】

【0149】
1)p−ニトロアニリン1モルを塩酸(21質量%)中に溶かし、その後、過剰の亜硝酸ナトリウムを用いて、pH<1及び0〜5℃の温度でジアゾ化した。これに、H−酸1モルを加え、この際、pH値を1.5より下に保持した。引き続き、反応混合物中で、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によって9〜10のpH値に調節した。
【0150】
2)4,4−ジアミノジフェニルスルファミド1モルを、pH<1及び0〜5℃の温度で、過剰の亜硝酸ナトリウム及び塩酸を用いてテトラアゾ化し、工程1)で得られた反応混合物に加え、この際、水性水酸化リチウム(10質量%)の添加により9〜10のpH値に保持した。
【0151】
3)工程2)の反応が完結した後に、レゾルシン1モルを、工程2)で得られた反応混合物中に少量ずつ加え、この場合に水性水酸化リチウム(10質量%)の添加によりpH値を9〜10に保持した。この反応の間に、温度を20〜30℃の範囲に保持した。引き続き反応混合物を蒸発濃縮させると、染料が得られた。
【0152】
染料中のLi/Na比: 43/57 。
【0153】
II.性能試験
1.皮革染色(一般的処方)
通常の方法でクロムなめしされたシェービング革厚さ1.1mmの牛革100質量部の革片を、水300部の充填されたドラム中、40℃で10分間洗浄し、引き続き水150部、蟻酸ナトリウム1.5部及び重炭酸ナトリウム(希釈率1:15)1.5部、ポリマー再なめし剤2部及びアニオン性加脂液(希釈率1:3)2部から成る浴中で、35℃で90分間中和した。その後に、この脱酸浴は、6.3のpH値を有した。引き続き水200部中、40℃で、10分間の洗浄処理を行った。このように処理された革を、水100部とポリマー再なめし剤(希釈率1:3)3部とから成る新製浴中で、40℃で20分間再なめしを行った。その後、この浴は、6.0のpH値を有した。引き続き、この浴に、天然ベースの加脂液4部を、更に30分後に合成再なめし剤3部及びタラ(Tara;植物なめし剤)4部を加えた。更なる30分後に、この浴に本発明による染料又は比較染料4.0部を加えた。60分後にこれに水100部を加え、70℃で20分間ドラム処理を行った。引き続き、この革を同じ浴中で、天然ベースの加脂液5部及びポリマー加脂液(希釈率1:3)3部を用いて、50℃で1時間ドラム処理することにより加脂した。最後に濃蟻酸2部を用いてpH3.6まで酸性化させ、2回20分間及び1回40分間ドラム処理した。染色され、加脂された革を、なお15℃の冷水で10分間すすぎ、引き続き広げ、室温で一晩吊り下げ乾燥(suspension dryed)、屑取り(sawdusted)、ステーキング(staked)及び張革(strained)を行った。
【0154】
革を、製造例1〜16の染料を用いて前記の一般的染色処方に従って染色した。比較の目的で、この革をリチウム不含の例1〜16のそれに相応する染料で染色した。
【0155】
このように染色された革片の接触材料、例えばPVC及びクレープゴム(Rohgummi-Crepe)に対する耐移染性を、高い温度(例えば60、70、80又は90℃)及び高い湿気で測定した。
【0156】
更に、ポリアクリレート、ポリウレタン又はポリブタジエンをベースとする白色の仕上げ革層(Zurichtschichten;dressing layers)中への移染を高い湿気及び高い温度で測定した。
【0157】
相応する染料の間の耐移染性レベルの違いを目視検査で評価した。リチウムを含有する全ての染料は、相応するナトリウムを用いて合成された染料に比べて半〜全ポイント(eine halbe bis ganze Note)も良好な耐移染性を有することが明らかとなった(グレースケールISO 105−A03に対する評価、1は強い汚染、5は汚染なし)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮革の染色のための、塩の形の酸基少なくとも1個及びアゾ基少なくとも2個を有し、その染料アニオンが一般式I:
【化1】

[式中、Q、R、T、U及びVは相互に無関係に、ベンゼン、ナフタリン、ジフェニルアミン、ジフェニルメタン、フェニルアミノスルホニルベンゼン又はフェニルアミノカルボニルベンゼンから誘導される基を表し、この際、Q及びUはピラゾール、チアゾール、トリアゾール、イソチアゾール又はチアジアゾールから誘導される基を表してもよく、この際、Q、R、T、U及びVは、場合によって存在するアニオン基Aと共に場合により次の基:OH、NH、NO、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ヒドロキシアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルアミノ、C〜C−ジアルキルアミノ、C〜C−アルキルアミノカルボニル、C〜C−ジアルキルアミノカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、N−(C〜C−アルキルカルボニル)−N−(C〜C−アルキルカルボニル)アミノ、フェニルカルボニルアミノ、ホルムアミド又はN−結合5員又は6員のヘテロ環の1個以上を置換基として有していてよく、この際、Q及びUは相互に無関係に、置換基−N=N−P(ここで、Pはフェニル、ナフチル、ピリジル、2−ピリドニル、ピラゾリル及びチアゾリルの群から選択されていて、かつ場合により次の基:OH、NH、NO、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ヒドロキシアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルアミノ、C〜C−ジアルキルアミノ、C〜C−アルキルアミノカルボニル、C〜C−ジアルキルアミノカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、N−(C〜C−アルキルカルボニル)−N−(C〜C−アルキルカルボニル)アミノ、フェニルカルボニルアミノ、ホルムアミド又はN−結合5員又は6員の飽和窒素ヘテロ環、例えばモルホリニル、ピペラジニル又はピロリジニルの1個以上で置換されていてよい芳香族基を表すことができる)を有していてもよく;
Sは、式A又はB:
【化2】

(ここで、式A中のX及びYは相互に無関係に、OH、NH、C〜C−アルキル、C〜C−ヒドロキシアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルアミノ、C〜C−ジアルキルアミノ又はN−結合5員又は6員の飽和窒素ヘテロ環を表し、式B中のWは、単結合、O、NH、SO、SONH、CONH又はC〜C−アルキレンを表し、R、Rは相互に無関係に、水素、OH又はC〜C−アルキルを表し、かつZは同じ又は異なるもので、COOH又は水素を表す)の基を表し;
は、同じ又は異なるものであってよく、CO及びSOから選択されており;
k、l、m、n及びoは、同じ又は異なるものであってよく、0、1又は2であり、ここで、pk+l+m+qn+roの合計は少なくとも1であり;
p及びqは相互に無関係に0又は1である]によって記載され、
リチウムイオン及びナトリウムイオンを1:19〜4:1のモル比で、殊に1:9〜3.5:1のモル比で含有している、アニオン性アゾ染料及びその遷移金属錯体の使用。
【請求項2】
式中のpk+l+m+qn+roの合計が値2、3、4、5又は6を有する、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項3】
リチウムイオン及びナトリウムイオンの合計量が、染料中のアニオン基の中和のために必要であるカチオンの少なくとも90%及び少なくとも95%になっている、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
式I中のSが式Aの基を表す、請求項1から3までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
式I中のp+q+rの合計が値1又は2を有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
基 Q−(A、R−(A、T−(A、U−(A又は
V−(Aの少なくとも1つが、一般式II:
【化3】

(式中、R及びRは相互に独立して、水素、OH、NH又はNHC(O)Rを表し、ここで、Rは水素、C〜C−アルキル又はフェニルを表し、s及びtは0又は1であり、s+tの合計は値1又は2である)によって記載される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
染料アニオンが、式Ia:
【化4】

[式中、R、R、A、S、T、U、V、k、m、n、p、q、o、rは、前記のものを表し、a及びbは相互に無関係に、0又は1であり、s及びtは相互に無関係に、0又は1であり、s+tの合計は値1又は2を有する]を有している、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
アニオンIが、次の式Ia.1、Ia.2、Ia.3、Ia.4、Ia.5、Ia.6、Ia.7又はIa.8:
【化5】

【化6】

[式中、R、R、A、T、U、V、k、m、n、o、pは前記のものを表し、s及びtは相互に無関係に、0又は1であり、s+tの合計は値1又は2を有し、R、Rは相互に無関係に、H、C〜C−アルキル又はOHを表す]を有している、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
アニオンIが、次の式Ib:
【化7】

[式中、A、Q、R、R、R、T、U、k、l、m、n、p及びqは前記のものを表し、x及びyは相互に無関係に、0又は1である]を有している、請求項1から5までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
アニオンIが、次の式Ic:
【化8】

[式中、A、k、l、m、o、p及びrは前記のものを表し、R及びTは相互に無関係に、ベンゼン又はジフェニルアミンから誘導される基を表し、V及びQは相互に無関係に、ベンゼンから誘導される基を表し、この際、R、T、Q及びVは、場合により存在するアニオン基Aと共に、場合により次の基:OH、NH、NO、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ヒドロキシアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルアミノ、C〜C−ジアルキルアミノ、C〜C−アルキルアミノカルボニル、C〜C−ジアルキルアミノカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、N−(C〜C−アルキルカルボニル)−N−(C〜C−アルキルカルボニル)アミノの1個以上を置換基として有していてもよい]を有している、請求項1から5までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
塩の形の酸基少なくとも1個及びアゾ基少なくとも2個を有し、その染料アニオンが、請求項1から10までのいずれか1項に記載の一般式Iによって記載され、ここで、この一般式Iの染料アニオンは、反応媒体中に含有する金属イオンに対して少なくとも90モル%のナトリウムイオン及びリチウムイオンを、Na:Liのモル比95:5〜20:80で含有している水性反応媒体中で実施する少なくとも2つの連続して実施すべきアゾカップリングを包含する方法によって得られている、アニオン性アゾ染料及びそのアニオン性金属錯体の使用。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項に記載のアニオン性アゾ染料又はアニオン性アゾ染料のアニオン性遷移金属錯体少なくとも1種を含有している染料含有水性浴を用いて革を処理することによる、皮革の染色法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮革の染色のための、塩の形の酸基少なくとも1個及びアゾ基少なくとも2個を有し、その染料アニオンが一般式I:
【化1】

[式中、Q、R、T、U及びVは相互に無関係に、ベンゼン、ナフタリン、ジフェニルアミン、ジフェニルメタン、フェニルアミノスルホニルベンゼン又はフェニルアミノカルボニルベンゼンから誘導される基を表し、この際、Q及びUはピラゾール、チアゾール、トリアゾール、イソチアゾール又はチアジアゾールから誘導される基を表してもよく、この際、Q、R、T、U及びVは、場合によって存在するアニオン基Aと共に場合により次の基:OH、NH、NO、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ヒドロキシアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルアミノ、C〜C−ジアルキルアミノ、C〜C−アルキルアミノカルボニル、C〜C−ジアルキルアミノカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、N−(C〜C−アルキルカルボニル)−N−(C〜C−アルキルカルボニル)アミノ、フェニルカルボニルアミノ、ホルムアミド又はN−結合5員又は6員のヘテロ環の1個以上を置換基として有していてよく、この際、Q及びUは相互に無関係に、置換基−N=N−P(ここで、Pはフェニル、ナフチル、ピリジル、2−ピリドニル、ピラゾリル及びチアゾリルの群から選択されていて、かつ場合により次の基:OH、NH、NO、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ヒドロキシアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルアミノ、C〜C−ジアルキルアミノ、C〜C−アルキルアミノカルボニル、C〜C−ジアルキルアミノカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、N−(C〜C−アルキルカルボニル)−N−(C〜C−アルキルカルボニル)アミノ、フェニルカルボニルアミノ、ホルムアミド又はN−結合5員又は6員の飽和窒素ヘテロ環、例えばモルホリニル、ピペラジニル又はピロリジニルの1個以上で置換されていてよい芳香族基を表すことができる)を有していてもよく;
Sは、式A又はB:
【化2】

(ここで、式A中のX及びYは相互に無関係に、OH、NH、C〜C−アルキル、C〜C−ヒドロキシアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルアミノ、C〜C−ジアルキルアミノ又はN−結合5員又は6員の飽和窒素ヘテロ環を表し、式B中のWは、単結合、O、NH、SO、SONH、CONH又はC〜C−アルキレンを表し、R、Rは相互に無関係に、水素、OH又はC〜C−アルキルを表し、かつZは同じ又は異なるもので、COOH又は水素を表す)の基を表し;
は、同じ又は異なるものであってよく、CO及びSOから選択されており;
k、l、m、n及びoは、同じ又は異なるものであってよく、0、1又は2であり、ここで、pk+l+m+qn+roの合計は少なくとも1であり;
p、q及びrは相互に無関係に0又は1である]によって記載され、
リチウムイオン及びナトリウムイオンを1:19〜4:1のモル比で、殊に1:9〜3.5:1のモル比で含有している、アニオン性アゾ染料及びその遷移金属錯体の使用。
【請求項2】
式中のpk+l+m+qn+roの合計が値2、3、4、5又は6を有する、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項3】
リチウムイオン及びナトリウムイオンの合計量が、染料中のアニオン基の中和のために必要であるカチオンの少なくとも90%及び少なくとも95%になっている、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
式I中のSが式Aの基を表す、請求項1から3までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
式I中のp+q+rの合計が値1又は2を有する、請求項1から4までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
基 Q−(A、R−(A、T−(A、U−(A又は
V−(Aの少なくとも1つが、一般式II:
【化3】

(式中、R及びRは相互に独立して、水素、OH、NH又はNHC(O)Rを表し、ここで、Rは水素、C〜C−アルキル又はフェニルを表し、s及びtは0又は1であり、s+tの合計は値1又は2である)によって記載される、請求項1から5までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項7】
染料アニオンが、式Ia:
【化4】

[式中、R、R、A、S、T、U、V、k、m、n、p、q、o、rは、前記のものを表し、a及びbは相互に無関係に、0又は1であり、s及びtは相互に無関係に、0又は1であり、s+tの合計は値1又は2を有する]を有している、請求項6に記載の使用。
【請求項8】
アニオンIが、次の式Ia.1、Ia.2、Ia.3、Ia.4、Ia.5、Ia.6、Ia.7又はIa.8:
【化5】

【化6】

[式中、R、R、A、T、U、V、k、m、n、o、pは前記のものを表し、s及びtは相互に無関係に、0又は1であり、s+tの合計は値1又は2を有し、R、Rは相互に無関係に、H、C〜C−アルキル又はOHを表す]を有している、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
アニオンIが、次の式Ib:
【化7】

[式中、A、Q、R、R、R、T、U、k、l、m、n、p及びqは前記のものを表し、x及びyは相互に無関係に、0又は1である]を有している、請求項1から5までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項10】
アニオンIが、次の式Ic:
【化8】

[式中、A、k、l、m、o、p及びrは前記のものを表し、R及びTは相互に無関係に、ベンゼン又はジフェニルアミンから誘導される基を表し、V及びQは相互に無関係に、ベンゼンから誘導される基を表し、この際、R、T、Q及びVは、場合により存在するアニオン基Aと共に、場合により次の基:OH、NH、NO、ハロゲン、C〜C−アルキル、C〜C−ヒドロキシアルキル、C〜C−アルコキシ、C〜C−アルキルアミノ、C〜C−ジアルキルアミノ、C〜C−アルキルアミノカルボニル、C〜C−ジアルキルアミノカルボニル、C〜C−アルキルカルボニルアミノ、N−(C〜C−アルキルカルボニル)−N−(C〜C−アルキルカルボニル)アミノの1個以上を置換基として有していてもよい]を有している、請求項1から5までのいずれか1項に記載の使用。
【請求項11】
塩の形の酸基少なくとも1個及びアゾ基少なくとも2個を有し、その染料アニオンが、請求項1から10までのいずれか1項に記載の一般式Iによって記載され、ここで、この一般式Iの染料アニオンは、反応媒体中に含有する金属イオンに対して少なくとも90モル%のナトリウムイオン及びリチウムイオンを、Na:Liのモル比95:5〜20:80で含有している水性反応媒体中で実施する少なくとも2つの連続して実施すべきアゾカップリングを包含する方法によって得られている、アニオン性アゾ染料及びそのアニオン性金属錯体の使用。
【請求項12】
請求項1から11までのいずれか1項に記載のアニオン性アゾ染料又はアニオン性アゾ染料のアニオン性遷移金属錯体少なくとも1種を含有している染料含有水性浴を用いて革を処理することによる、皮革の染色法。

【公表番号】特表2006−527309(P2006−527309A)
【公表日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−508277(P2006−508277)
【出願日】平成16年6月4日(2004.6.4)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006045
【国際公開番号】WO2004/109009
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】